(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両によってアップロードされたモニタリングデータを受信するステップであって、前記モニタリングデータは、前記車両によってモニタリングされる部分または機能システムの動作状態のデータである、ステップと、
分析されたモニタリングデータを得るために、前記モニタリングデータを分析するステップと、
前記車両の前記部分または前記機能システムを第1のラベルとして使用して、前記分析されたモニタリングデータを分類し、前記分析されたモニタリングデータを、分類され分析されたモニタリングデータとして第1のデータベースに記憶するステップと、
前記分類され分析されたモニタリングデータから前記分類され分析されたモニタリングデータの固有ベクトルを抽出するステップであって、前記固有ベクトルは、前記モニタリングデータを表す数値の一式である、ステップと、
前記車両の前記部分または前記機能システムを第2のラベルとして使用して、前記固有ベクトルを分類し、前記モニタリングデータの前記分類された固有ベクトルを第2のデータベースに記憶するステップと、
サポートベクトルマシンアルゴリズムに基づいて、前記分類に基づいて記憶された、分類され記憶された前記固有ベクトルに対して故障診断を並列に実行するステップと
を含む、クラウドベースの車両故障診断方法であって、
前記分析されたモニタリングデータを分類して記憶するための前記第1のラベルは、前記固有ベクトルを分類して記憶するための前記第2のラベルに対応する、
車両故障診断方法。
前記診断結果によって示される前記故障の深刻度レベルを決定するステップであって、前記深刻度レベルは、深刻な故障、中程度の故障、および一般的な故障を含む、ステップ
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
故障が深刻な故障として診断された場合、危険警告信号が前記リアルタイム走行車両に送信され、前記危険警告信号は、前記車両の通常の走行を危険にさらす可能性がある前記
深刻な故障が発生していることを前記車両に気付かせるために使用され、
前記リアルタイム走行車両は、前記危険警告信号に基づいて故障対策を講じる、
請求項13に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、本発明の実施形態における添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態における技術的ソリューションを、明確かつ完全に記載する。明らかに、記載された実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく、単なる一部である。創造的努力なしに本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0017】
本発明の実施形態に関連する可能性のある用語の頭字語および定義は以下のとおりである。
【0018】
ADAS Advanced Driver Assistant System 先進運転支援システム
【0019】
VCU Vehicle Control Unit 車両制御ユニット
【0020】
OBC On Board Charger オンボード充電器
【0021】
SVM Support Vector Machine サポートベクトルマシン
【0022】
GA Genetic Algorithm 遺伝的アルゴリズム
【0023】
PSO Particle Swarm Optimization 粒子群最適化
【0024】
DDAG Decision Directed Acyclic Graph 判定有向非環状グラフ
【0025】
本発明の実施形態は、リアルタイムまたは/およびオンラインで車両の故障を診断するように、車両の機能システム/部分の故障データについての統計を収集するように、などするように構成され得る、クラウドベースの車両故障診断システムを提供する。
図1に示されるように、システムは以下の構成要素、すなわち、クラウド診断装置1000、車両2000、車両または部分製造業者3000、メンテナンスサービス提供者4000、および別の装置5000を含む。
【0026】
クラウド診断装置1000は、無線通信技術を使用して、車両2000、車両または部分製造業者3000、メンテナンスサービス提供者4000、および別の装置5000とデータをやりとりする。任意選択的に、無線通信技術は、システム内に限定されず、任意のプロトコルにおける1または複数の無線通信技術であり得る。クラウド診断装置1000は、車両2000によってアップロードされたモニタリングデータに基づいてリアルタイムで、車両内で発生する故障を診断および位置確認し得、故障データについての統計を管理および収集し得る。さらに、クラウド診断装置1000は、処理されたか、または統計が収集された、故障データを、対応する車両2000、車両または部分製造業者3000、メンテナンスサービス提供者4000、または別の装置5000に送信し得る。例えば、部分製造業者Aが、部分製造業者Aによって製造された部分Aの故障状況を知ることを意図する場合、クラウド診断装置1000は、統計収集によって得られた部分Aの故障データを部分製造業者Aに送信し得、部分Aの故障データは、部分Aが故障を有している車両の台数、車両の部分Aにおいて発生している故障の数などを含むがこれには限定されない。別の例として、車両Bが車両Bのリアルタイム走行中に故障状況を知ることを意図する場合、クラウド診断装置1000は、車両Bによってリアルタイムにアップロードされたモニタリングデータに基づいて得られた車両Bの故障データを車両Bに送信し得、車両Bの故障データは、車両Bの安全係数、部分の故障リマインダなどを含むが、これには限定されない。
【0027】
車両2000は、無線通信技術を用いてクラウド診断装置1000に相互接続された1または複数の自動車を示すように構成され、走行中の一車両を特に指し示さない。車両2000は、車両の走行データまたは部分の走行データをモニタリングするように構成されたモニタリングセンシング装置が備えられており、故障診断要求や指示設定に基づいて、関連するモニタリングされたデータをクラウド診断装置1000にアップロードし得る。クラウド診断装置1000は、車両2000によってアップロードされたモニタリングデータをさらに処理する。
【0028】
車両または部分製造業者3000、メンテナンスサービス提供者4000、および別の装置5000は、システムの必須の構成要素ではなく、それぞれの要求に基づいて、故障の発生の確率および頻度、車両/機能システム/部分への影響などを分析するために、クラウド診断装置1000から故障関連データを得/受信する。
【0029】
本発明のこの実施形態では、単一の車両のシングルチップマイクロコンピュータの限られた計算能力が克服されることができ、故障診断精度が改善されることができるように、車両故障診断リンクはクラウド故障診断装置に移動され、また、発生源から故障を除去し、車両/部分の安全性を改善し、および車両の走行安全性を確保するために、多くの車両の多くの故障はクラウドに基づいて統一的に管理されることができ、得られたデータは車両/部分製造業者、メンテナンスサービス提供者、および別の装置(例えば、第三者のモニタリング装置)と共有されることができる。クラウドベースの診断システムは、車両/部分の故障の診断および管理に限定されず、例えば船、飛行機、列車および無人航空機の故障の診断および管理にも適用可能であることに留意されるべきである。
【0030】
本発明の一実施形態は、クラウド診断装置を提供する。
図2に示されるように、装置1000は、モニタリングデータ受信モジュール1010と、中央データベース1020と、データ前処理モジュール1030と、特徴データベース1040と、故障診断モジュール1050と、故障レベル決定モジュール1060と、システムデグレード決断マシン1070と、故障統計収集モジュール1080とを含む。
【0031】
モニタリングデータ受信モジュール1010は、車両によってアップロードされたモニタリングデータを受信し、モニタリングデータは、車両によってモニタリングされる部分または機能システムの動作状態のデータである、ように構成される。任意選択的に、モニタリングデータは、車両によってモニタリングされる、車両、部分、または機能システムの動作状態の関連データである。
【0032】
中央データベース1020は、分析されたモニタリングデータを得るために、モニタリングデータ受信モジュール1010によって受信されたモニタリングデータを分析するように、および具体的には、車両によってアップロードされたデータパケットを分析し、分析されたデータをデータ前処理モジュール1030に入力するように、構成される。任意選択的に、中央データベースは、モニタリングデータに関連する比較的完全なデータベースが構築されることができるように、モニタリングデータが由来する部分または機能システムをラベルとして使用することによる分類に基づいて、分析されたモニタリングデータを記憶するようにさらに構成される。データベースは、車両/部分の寿命に対する故障の発生の影響を引き続き分析するように構成され得、または故障診断システムを改善するように構成され得る。
【0033】
さらに、
図3に示されるように、中央データベース1020は、一時記憶ユニット1021と定期記憶ユニット1022とを含む。任意選択的に、一時記憶ユニット1021および定期記憶ユニット1022は、部分(部分1、部分2、...、部分n)の分類に基づいて構造的に記憶および管理される。一時記憶ユニット1021は、車両によってアップロードされたリアルタイムデータを一時的に記憶するように構成される。定期記憶ユニット1022は、故障診断モジュール1050によって出力された診断結果を故障ラベルとして使用することによって、一時記憶ユニット1021に記憶されたリアルタイムデータから、転送されたデータを記憶するように構成される。
図4に示されるように、分類に基づく定期記憶ユニット1022の構造的な記憶および管理を記載するための一例として、部分iが使用される。部分iは比較的独立した記憶領域を有する。記憶領域は、無故障データの領域と故障データの領域とに分けられる。故障データの領域は、センサタイプのデータ、アクチュエータタイプの故障データ、または他の故障データにさらに細分され得る。各タイプの故障は、故障1から故障nまで、詳細にさらに分割され得る。例えば、センサの故障タイプのデータは、電流センサの故障データ、電圧センサの故障データ、温度センサの故障データ、圧力センサの故障データなどに分割され得る。任意選択的に、記憶スペースを節約するために、定期記憶ユニット1022は、記憶されたデータを定期的に(例えば毎週、毎月、または毎年)消去し得る。
【0034】
故障診断時間が短縮されることができ、故障診断精度が改善されることができるように、データ前処理モジュール1030は、データ量を減らして有効なデータの固有ベクトルを抽出するために、中央データベース1020によって入力されたモニタリングデータ(オリジナルデータとも呼ばれる)から固有ベクトルを抽出して、その固有ベクトルの次元を削減するように構成される。固有ベクトルは、モニタリングデータを表す数値の一式である。任意選択的に、平均値または分散値を得るために、平均または分散計算がモニタリングデータに対して実行される。モニタリングデータに対応する平均値または分散値の一式は、数値の一式と見なされ得る。任意選択的に、数値の一式は、{A、B、C、D、...、Z}として表され得る。
【0035】
特徴データベース1040は、データ前処理モジュールの処理後に得られた固有ベクトルを記憶するように構成される。さらに、
図5に示されるように、特徴データベース1040は、一時記憶ユニット1041と定期記憶ユニット1042とを含む。特徴データベース1040の記憶および管理は、分類に基づく中央データベース1020の構造的な記憶および管理と同様であり、部分の分類に基づいて、および故障診断モジュール1050によって出力された診断結果をラベルとして使用することによって、実行される構造的な記憶および管理でもある。
図6に示されるように、詳細な記載については、分類に基づく中央データベース1020の構造的な記憶および管理を参照されたい。特徴データベース1040に記憶された固有ベクトルデータは、中央データベースに記憶されたリアルタイムデータ(オリジナルデータとも称される)と一対一に対応していることが留意されるべきである。任意選択的に、特徴データベース1040に記憶された固有ベクトルデータは定期的に除去される。定期的除去の原則は、(1)類似の固有ベクトルについて、最新の固有ベクトルだけがリザーブされる必要がある、および(2)それに応じて、中央データベース1020の定期記憶ユニット1022は、特徴データベース1040にリザーブされた固有ベクトルに対応するリアルタイムデータ(オリジナルデータとも称される)だけをリザーブする必要がある、である。
【0036】
故障診断モジュールは1050、機械学習アルゴリズムに基づいて、分類に基づいて記憶された固有ベクトルに対して故障診断を並列に実行するように構成される。任意選択的に、故障診断モジュール1050によって使用される機械学習アルゴリズムは、判定有向非環状グラフDDAGに基づくサポートベクトルマシンアルゴリズムである。具体的な故障診断は、以下の実施形態に記載されており、詳細は本明細書では再度記載されない。
【0037】
故障レベル決定モジュール1060は、故障診断モジュール1050によって出力された故障診断結果についてレベルを分割するように構成される。任意選択的に、レベルは、レベル1の故障(最も深刻である)、レベル2の故障、レベル3の故障、...に分割され、任意選択的に、レベルは、深刻な故障、中程度の故障、および一般的な故障に分割される。
【0038】
システムデグレード決断マシン1070は、故障レベル決定モジュール1060によって決定された故障レベルに基づいて、または/および故障診断結果の関連データがモデルに入力された後に、決断が下され、対応する危険警告信号を使用して、期待される安全状態を超えるか、または車両の安全状態に影響を及ぼす故障を、故障が発生している車両に通知する、ように構成される。例えば、ブレーキシステムの故障診断結果の関連データに基づいて、ブレーキシステムにおいて発生している故障が、期待される安全状態を超えてしまっているとシステムデグレード決断マシン1070が考えた場合、システムデグレード決断マシン1070は、危険警告信号を使用することによって、故障が発生している車両に気付かせ、さらには安全性が確保されている間に駐車することを車両に要求し、できるだけ早くメンテナンスされるべきであることを車両に気付かせる。
【0039】
故障統計収集モジュール1080は、故障レベル決定モジュール1060によって出力された故障診断結果を受信するように、およびパーティション管理を実行し、部分/システムに基づいて統計を収集するように構成される。さらに、故障統計収集モジュール1080は、以下の例、すなわち、各部分の故障の発生確率についての統計を収集する、各部分における各タイプの故障の発生確率についての統計を収集する、各部分における特定の故障の発生確率についての統計を収集する、すべての部分における異なるレベルの故障の発生確率についての統計を収集するなど、のうちの1または複数ではあるがそれには限定されない、を実行するように具体的に構成される。任意選択的に、統計期間は任意の期間、例えば1年、3ヶ月、1ヶ月、n週、およびn日であり得る。任意選択的に、故障統計収集モジュール1080は、故障統計結果を対応する車両または部分製造業者、メンテナンスサービス提供者、および別の装置に送信するように構成される。
【0040】
本発明のこの実施形態で提供されるクラウドベースの車両故障診断装置は、サポートベクトルマシンアルゴリズムに基づいて、異なる部分または機能システムのモニタリングデータから抽出された固有ベクトルに対して、故障診断を並列に実行することができる。診断時間が短縮されることができ、データ転送中に異なるデータが互いに影響し合うことが防止されることができ、それによって故障診断精度を改善することができる。
【0041】
本発明の一実施形態は、クラウドベースの車両故障診断方法を提供する。
図7に示されるように、方法の具体的なステップは以下のとおりである。
【0042】
S100:車両は、機能システム/部分の、モニタリングされたモニタリングデータをクラウド診断装置/システムにアップロードする。任意選択的に、車両は、モニタリングデータを中央データベースに直接アップロードする。任意選択的に、車両は、モニタリングされたデータをデータパケットの形態にパックし、そのデータを中央データベースにアップロードする。任意選択的に、車両は、機能システム/部分の、モニタリングされたモニタリングデータをデータ前処理モジュールに直接アップロードする。
【0043】
S200:中央データベースは、車両によってアップロードされたモニタリングデータを受信し、そのモニタリングデータを分析し、次いで、分析されたモニタリングデータをデータ前処理モジュールに伝送する。任意選択的に、中央データベースは、分類に基づいて、受信または分析されたモニタリングデータをさらに構造的に記憶および管理する。詳細については、前述の実施形態の記載を参照されたく、詳細は、本明細書では再度記載されない。
【0044】
S300:データ前処理モジュールは、中央データベースによって伝送された分析されたモニタリングデータを受信し、固有ベクトルを得るために、受信されたモニタリングデータから故障特徴を抽出し、抽出された固有ベクトルを特徴データベースに伝送する。さらに、データ前処理モジュールは、固有ベクトルを得るために、ウェーブレットパケット分解によって、受信されたデータから故障特徴を抽出し、次いで、次元削減された固有ベクトルを得るために、カーネル主成分分析によって、抽出された固有ベクトルの次元を削減する。ウェーブレットパケットアルゴリズムは、フル帯域で信号に対して複数階層の帯域分割を実行し得る。したがって、故障特徴抽出の完全性は比較的高い。任意選択的に、故障診断分類器の計算複雑度を低減し、故障分離の精度を改善するために、抽出された固有ベクトルの特徴を選択してその次元を削減するために、放射基底カーネル主成分分析アルゴリズムが使用され得る。任意選択的に、データ前処理モジュールは、車両によって直接アップロードされたリアルタイムデータを受信する。
【0045】
任意選択的に、前述の処理を通じて得られた固有ベクトルは、故障診断および位置確認のために故障診断モジュールに直接伝送され得る。
【0046】
S400:特徴データベースは、データ前処理モジュールによって伝送された固有ベクトルを受信し、受信された固有ベクトルデータを分類に基づいて構造的に記憶および管理する。詳細については、前述の実施形態の記載を参照されたく、詳細は、本明細書では再度記載されない。さらに、特徴データデータベースは、固有ベクトルを故障診断モジュールに伝送する。特徴データベースは必須のモジュールではないことが留意されるべきである。このモジュールの機能は、固有ベクトルをより良好に管理することである。
【0047】
S500:故障診断モジュールは、特徴データベースによって伝送された固有ベクトルを受信し、機械学習アルゴリズムに基づいて故障をリアルタイムで診断および位置確認する。任意選択的に、機械学習アルゴリズムは、判定有向非環状グラフ(DDAG)に基づくサポートベクトルマシンアルゴリズムである。
図8に示されるように、任意選択的に、故障診断モジュールは、1または複数の故障診断ユニットを含む。故障診断ユニットは、部分/機能システムに対応して構成され得、診断結果を得るために、部分/機能システム分割に基づいて、入力された固有ベクトルに対して並列コンピューティングを実行し得る。並列コンピューティングは、故障診断時間を短縮し、故障診断精度を改善することができる。診断に対するデータ伝送プロセスの影響によって引き起こされる誤った決定が回避されることができるように、部分に対応する故障診断ユニットは、対応する部分および故障診断ユニットの内部要素に対して故障診断および位置確認を実行し得、機能システムに対応する故障診断ユニットは、システム全体または機能システムに対して故障診断および位置確認を実行し得る。
【0048】
さらに、サポートベクトルマシンに基づく故障診断は、オフラインで故障分類器、すなわちサポートベクトルマシン分類モデルを構築する必要がある。サポートベクトルマシンモデルが訓練されるとき、故障診断精度を改善するために、サポートベクトルマシンのペナルティファクタパラメータおよび放射基底カーネル関数パラメータを最適化するために、粒子群最適化PSOアルゴリズムが使用される。以下は、オフライン訓練および故障分類モデル試験方法を提供する。
図9に示されるように、具体的なステップは以下のとおりである。
【0049】
(1)エンジン、駆動モータ、高電圧バッテリシステム、インバータ、DCDC、OBC、自動運転システム、または支援運転システムなど、車両の電源システムまたは主要部分について、異なる部分において異なる故障が発生したときのデータが、シミュレーション、プラットフォーム、または実際の路上試験によって、センサ故障、アクチュエータ故障、および別の故障に基づいて収集される。
【0050】
(2)ウェーブレットパケットおよびカーネル主成分アルゴリズムを使用することによって、収集されたデータに対してデータ特徴抽出および次元削減処理が実行され、異なる固有ベクトルが最終的に出力される。
【0051】
(3)異なる故障の固有ベクトルを訓練するために、サポートベクトルマシンが使用され、サポートベクトルマシンの構造パラメータ、すなわち、ペナルティファクタパラメータおよび放射基底カーネル関数パラメータを最適化するために、PSOが使用される。
【0052】
(4)サポートベクトルマシンの構造パラメータの初期値、探索範囲、およびPSOのパラメータ値が設定される。
【0053】
(5)粒子群の速度および位置がランダムに与えられる。
【0054】
(6)サポートベクトルマシン分類モデルが訓練され、各粒子の適応度関数値が計算される。
【0055】
(7)粒子の位置の個別のおよびグローバルな最適値が更新される。
【0056】
(8)粒子の速度および位置が更新される。
【0057】
(9)最大反復回数が達せられたかどうかが決定され、最大反復回数が達せられた場合、サポートベクトルマシンの最適な構造パラメータ、すなわち、ペナルティファクタパラメータおよび放射基底カーネル関数パラメータが得られる。
【0058】
(10)最適なサポートベクトルマシン分類モデルが得られる。
【0059】
(11)得られたサポートベクトルマシン分類モデルを試験するために試験データが使用され、分類モデルの精度を決定するために故障診断精度が出力され、試験されたサポートベクトルマシン分類モデルは、オンラインのリアルタイム故障診断に使用される。
【0060】
本発明のこの実施形態は、クラウドベースの故障診断方法を提供する。方法に基づき、診断時間が短縮されることができ、故障診断精度を改善するためにデータ転送の影響が回避されることができるように、サポートベクトルマシンアルゴリズムに基づいて、異なる部分/システムの固有ベクトルに対して故障診断が並列に実行される。
【0061】
任意選択的に、S600:故障診断モジュールは、診断結果を中央データベース、特徴データベース、および故障レベル決定モジュールに伝送する。さらに、中央データベースおよび特徴データベースは、診断結果をラベルとして使用することによる分類に基づいて対応するデータを管理するために、診断結果を受信する。分類に基づく具体的な管理については、前述の実施形態を参照されたく、詳細は本明細書では再度説明されない。
【0062】
任意選択的に、S700:故障レベル決定モジュールは、受信された診断結果のレベルを決定し、具体的なレベル分割については、前述の実施形態の記載を参照されたく、詳細は本明細書では再度記載されず、および、そのレベルが決定された診断結果をシステムデグレード決断マシンおよび故障統計収集モジュールにさらに伝送する。
【0063】
任意選択的に、S800:故障統計収集モジュールは、受信された診断結果のデータについての統計を収集する。具体的な統計収集作業については、前述の実施形態の記載を参照されたく、詳細は、本明細書では再度記載されない。さらに、故障統計収集モジュールは、製品および/またはサービスを改善するために、統計データを製造業者、サービス提供者などに送信する。
【0064】
任意選択的に、S900:システムデグレード決断マシンは、故障レベル決定モジュールによって伝送され、そのレベルが決定された診断結果を受信し、故障レベル決定モジュールによって出力された結果に基づいて、対応する危険警告信号を車両に送信すべきかどうか決断を下す。システムデグレード決断マシンの内部決断および危険警告信号送信制御プロセスが
図10に示されており、詳細は以下のとおりである。
【0065】
(1)システムデグレード決断マシンは、故障レベル決定モジュールによって出力された結果に基づいて決断を下す。診断された故障が、故障レベル決定モジュールによって、深刻なレベルの故障として決定された場合、システムデグレード決断マシンは、対応する危険警告信号を車両に直接送信する。任意選択的に、危険警告信号は、深刻な故障が発生していることを車両に気付かせ、または/および深刻な故障を緊急に処理することを要求する。任意選択的に、深刻なレベルの故障は、その故障が発生した場合、車両が制御不能になっている可能性が高く、運転者の生命の安全が危険にさらされていることを意味する。例えば、車両のブレーキペダルが故障を有している場合、車両のブレーキ性能が確保されることができず、その故障は最も深刻な故障として分類されることができる。
【0066】
(2)発生した故障が故障レベル決定モジュールによって非深刻度レベルの故障であると決定された場合、システムデグレード決断マシンは、車両によってアップロードされたリアルタイムデータに基づいて総合的な決定を実行する。
【0067】
一方では、車両が安全状態にあるかどうかを決定するために、車両によってアップロードされた車両システムデータが車両モデルに入力され、他方では、部分が、期待される安全状態にあるかどうかを決定するために、アップロードされた部分データが、対応する部分モデルに入力される。さらに、車両または部分が重大な危険状態にあると決定された場合、システムデグレード決断マシンは、対応する危険警告信号を車両に送信する。車両モデルおよび部分モデルは、数式を使用することによって構築され得るか、または監査ネットワークなどの知的アルゴリズムを使用することによって訓練され得る。具体的な実施態様では、システムの安全状態を反映する重要なパラメータ値は、システム(車両または部分)の、測定された入力/出力信号およびシステムのモデルに基づいて計算され得る。パラメータ値が、期待される安全範囲を超える場合、システムデグレード決断マシンは、この場合の車両が、期待される安全状態を超えていると決定し、車両の安全状態をリアルタイムに分析して車両の安全な走行を確保するために、対応するシステム危険警告信号を車両に送信する。
【0068】
以下は、バッテリパックの電流センサの故障を例として使用し、故障診断および位置確認プロセスを詳細に記載する。
図11に示されるように、具体的な実施プロセスは以下のとおりである。
【0069】
(1)車両は、バッテリパックの電流センサに関連するモニタリングされたリアルタイムデータを中央データベースの一時記憶ユニットおよびデータ前処理モジュールに伝送する。
【0070】
(2)データ前処理モジュールは、受信されたデータに対して特徴抽出操作を行い、抽出された固有ベクトルを故障診断モジュールに送信し、固有ベクトルをバッテリ故障診断ユニットにさらに送信する。また、データ前処理モジュールは、固有ベクトルを特徴データベースにさらに記憶する。特徴データベースの構造および記憶方法については、中央データベースを参照されたい。具体的には、バッテリに関連する固有ベクトルは、特徴データベースのバッテリ領域に記憶される。
【0071】
(3)バッテリ故障診断ユニットは、バッテリパックの電流センサが故障を有していると決定し、診断結果を故障統計収集モジュール、故障レベル決定モジュール、中央データベース、特徴データベースに送信する。
【0072】
(4)この場合、中央データベースは、バッテリパックの電流センサの故障を故障ラベルとして使用し、バッテリに関連していて一時記憶ユニットに記憶されているリアルタイムデータを、定期記憶ユニット‐バッテリ領域‐故障データの領域‐センサ故障領域‐電流センサ故障領域に転送する。特徴データベースも一時記憶ユニットの固有ベクトルを定期記憶ユニットに転送するために同様の方法を使用する。
【0073】
(5)また、故障診断結果は、車両および第三者のモニタリング装置(例えば携帯電話機)にも送信される。
【0074】
(6)また、故障統計収集モジュールは、バッテリパックの電流センサの故障の発生確率についての統計を収集し、結果を車両または部分工場、および製造業者メンテナンス(4S)ショップに送信する。
【0075】
(7)また、故障レベル決定モジュールは、故障が深刻な故障であるかどうかを決定し、故障が深刻な故障として決定された場合、診断結果をシステムデグレード決断マシンに送信する。
【0076】
(8)デグレード決断マシンは、深刻な故障に基づいてデグレードコマンドの決断を下し、そして電力をゼロまで減少させ高電圧を遮断することを要求するために、ならびに、電源システムの故障の発生を運転者に、および運転者が停車する必要があることを運転者に、気付かせるために、対応する危険警告信号を車両のVCUに送信する。
【0077】
本発明のこの実施形態で提供される、バッテリパックの電流センサについての故障診断方法では、バッテリパックの電流センサのモニタリングデータが抽出され、次いで、固有ベクトルが、対応する分類記憶領域に記憶される。バッテリ故障診断ユニットは、バッテリパックの電流センサのモニタリングデータに対する、別の部分/システムのモニタリングデータの影響が回避されることができ、故障診断精度が改善されることができるように、固有ベクトルに基づいて、バッテリパックの電流センサが故障を有していることを決定する。
【0078】
最後に、前述の実施形態は、本発明の技術的ソリューションを記載することが単に意図されており、本発明を限定することは意図されないことが留意されるべきである本発明は前述の実施形態を参照しつつ詳細に説明されているが、当業者であれば、本発明の実施形態の技術的ソリューションの範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に記載された技術的ソリューションに対してなおも修正を行い得ること、またはそれらの技術的特徴のいくつかまたはすべてに対して均等な置き換えを行い得ること、を理解するべきである。