(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋体の自重により、前記外止め位置から、当該蓋体がスライドして、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合状態を維持させることを特徴とする請求項2に記載の基台と蓋体とのスライド係合組付け装置。
前記蓋体の自重により、前記外止め位置から、当該蓋体のスライド範囲の中間スライド仮停止位置まで当該蓋体がスライドして、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合状態を維持して仮停止させるスライド仮停止部が形成され、前記中間スライド仮停止位置まで下降されて仮停止された蓋体を、更に下方側に強制的にスライドさせることで、前記組付け位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の基台と蓋体とのスライド係合組付け装置。
前記蓋体の周壁部の内面には、前記スライド方向と直交する方向に沿って一対の第1係合部が対向して形成されていると共に、前記基台に形成された第2被係合部と係合する第2係合部がスライド方向に突設され、
前記第2係合部と前記第2被係合部は、前記蓋体の一対の第1係合部が前記基台の係合部通過口に対して通過可能な位置において、互いに係合しないと共に、前記一対の第1係合部が前記係合部通過口よりも下方側にスライドされた位置において、互いに係合する位置に配置されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の基台と蓋体とのスライド係合組付け装置。
前記基台又は蓋体の少なくとも一方には、基台の係合部通過口に対して蓋体の第1係合部が通過可能なことを表示する表示部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基台と蓋体とのスライド係合組付け装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に基づいて、基台に対して蓋体が組付け位置と反対側のスライド端まで不意にスライドさせられても、基台から蓋体が取り外れないようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、建物壁に固定される基台と、当該基台に一部が重なった状態でスライドさせることで組み付けが可能な蓋体とから成り、
前記蓋体には、前記スライド方向と交差する方向に第1係合部が突設され、
前記基台には、前記第1係合部が係合されて、前記蓋体が建物壁から離間する方向に移動するのを防止する第1被係合部を備え、前記蓋体を建物壁に対して近接する方向に移動させることで、前記基台の第1被係合部を通過して当該第1被係合部と係合可能とする係合部通過口が形成され、当該係合部通過口に対して前記スライド方向の両側に、前記第1被係合部が分割されて形成され、
前記基台と前記蓋体とは、
前記基台の係合部通過口に対して前記蓋体の前記第1係合部を超えて、前記蓋体を一方にスライドさせることで、当該第1係合部と一方の第1被係合部とが係合される前記基台と蓋体との組付け位置と、
前記係合部通過口に対して当該第1係合部を通過させて、当該蓋体を他方にスライドさせることで、前記第1係合部が他方の第1被係合部と係合される蓋体の外止め位置とが、
前記蓋体の両スライド端となるように規制されていることを特徴としている。
【0007】
請求項1の発明によれば、壁面に固定された基台に対して蓋体を組み付けるには、基台の係合部通過口に対して蓋体の第1係合部を挿入して、当該基台の第1被係合部を通過させ、その後に、基台に対して蓋体を、組付け側のスライド端まで移動させると、基台に対して蓋体は、組付け位置に配置されて、蓋体の第1係合部と、基台の第1被係合部における係合部通過口に対して一方側の第1被係合部と係合されて、基台と蓋体とは、一体に組み付けられる。当該組付け位置において、蓋体に対して人又は物による外力が作用することで、蓋体の第1係合部が基台の係合部通過口を超えて、当該蓋体が反組付け側のスライド端である蓋体の外止め位置までスライドさせられると、蓋体の第1係合部は、基台の他方側の第1被係合部に係合されることで、基台に対して蓋体は、係合状態を維持しているため、外されることはない。
【0008】
このように、請求項1の発明によれば、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部とが係合されて、基台と蓋体とが一体に組み付けられた状態において、上記した外力により、当該基台に対して蓋体がスライドされても、基台に対する蓋体のスライド範囲における蓋体の第1係合部が基台の係合部通過口と合致する「特定位置」においてのみ、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合が解除されて、基台に対して蓋体が分離される構成である。従って、基台の第1係合部が蓋体の第1被係合部に対して偶然に前記「特定位置」で停止し、しかも、この停止状態で蓋体に対して建物壁から離間する方向の力が作用するという二つの厳しい条件が一致した場合においてのみ、基台に対して蓋体は、取り外される。上記した二つの条件を満たす事態の発生は、極めて稀であるので、基台に対して蓋体が一体に組み付けられた後においては、基台から蓋体が取り外されることは殆どない。
【0009】
請求項2の発明は、建物壁に固定される基台と、当該基台に一部が重なった状態で下方側にスライドさせることで組み付けが可能な蓋体とから成り、
前記蓋体は、一部に開口が形成された周壁部と、当該周壁部を繋いで前記基台と対向する天壁部とを備え、前記周壁部の内面には、前記スライド方向に沿って所定長を有して当該スライド方向と交差する方向に第1係合部が突設され、
前記基台は、前記建物壁に固定される固定部と、前記蓋体の第1係合部が係合されて、前記蓋体が建物壁から離間する方向に移動するのを防止する第1被係合部とを備え、当該基台の第1被係合部のスライド方向の中間部に、前記蓋体を建物壁に対して近接する方向に移動させることで、当該蓋体の第1係合部を通過させて前記第1被係合部と係合可能とする係合部通過口が形成され、
前記基台と前記蓋体とは、
前記蓋体の第1係合部を前記基台の係合部通過口を通過させて、当該蓋体の一部を前記基台に宛てがった状態で、当該蓋体を下方側にスライドさせることで、当該蓋体の第1係合部と前記基台の下方側の第1被係合部とが係合される基台と蓋体との組付け位置と、
当該組付け位置から蓋体を上方側にスライドさせることで、当該蓋体の第1係合部と当該基台における前記係合部通過口に対する上方側の第1被係合部とが係合される蓋体の外止め位置とが、
前記蓋体の両スライド端となるように規制されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に対して、基台に対する蓋体のスライド方向が上下方向であって、基台に対して蓋体が上端の反組付け側のスライド端までスライドさせられても、基台に対して蓋体が外れない構成であること、蓋体は、一部が開口された周壁部と、当該周壁部を繋いで前記基台と対向する天壁部とを備え、前記周壁部の内面には、前記スライド方向に沿って所定長を有して当該スライド方向と交差する方向に第1係合部が突設されている構成とを特定している点が異なり、基台に対する蓋体の下端側である組付け側のスライド端において、基台と蓋体とが一体に組み付けられ、上端側である反組付け側のスライド端において、基台の第1被係合部と蓋体の第1係合部とは、係合を維持して、基台に対して蓋体が外れない基本的作用は、請求項1の発明と同一である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記蓋体の自重により、前記外止め位置から、当該蓋体がスライドして、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合状態を維持させることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明によれば、基台に対して蓋体が上端のスライド端までスライドされた状態において、当該蓋体の自重により、当該蓋体の第1係合部が基台の係合部通過口を超えて、蓋体が下方にスライドさせられると、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部とが係合して、その状態が維持されるために、基台から蓋体が外れることはない。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記蓋体の自重により、前記外止め位置から、当該蓋体のスライド範囲の中間スライド仮停止位置まで当該蓋体がスライドして、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合状態を維持して仮停止させるスライド仮停止部が形成され、前記中間スライド仮停止位置まで下降されて仮停止された蓋体を、更に下方側に強制的にスライドさせることで、前記組付
け位置に配置されることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、スライド仮規制部は、基台に対して蓋体を前記係合状態を維持して、スライド範囲の中間で仮停止させているのみであり、蓋体に対してスライド仮規制部の仮規制力を超える下方側の力を強制的に作用させることで、基台に対して蓋体を下方側のスライド端までスライドさせることで、基台に対して蓋体が一体に組み付けられる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記蓋体の周壁部の内面には、前記スライド方向と直交する方向に沿って一対の第1係合部が対向して形成されていると共に、前記基台に形成された第2被係合部と係合する第2係合部がスライド方向に突設され、
前記第2係合部と前記第2被係合部は、前記蓋体の一対の第1係合部が前記基台の係合部通過口に対して通過可能な位置において、互いに係合しないと共に、前記一対の第1係合部が前記係合部通過口よりも下方側にスライドされた位置において、互いに係合する位置に配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明によれば、蓋体の一対の第1係合部を基台の係合部通過口を通過させて、当該基台の第1被係合部に配置した状態で、当該蓋体を下方側のスライド端までスライドさせると、蓋体の第1及び第2の各係合部が、基台の第1及及び第2の各被係合部にそれぞれ係合されて、基台と蓋体とは、組付け位置において、少なくとも3箇所において、二種類の異なる係合構造により、係合されるので、基台と蓋体との組付け状態が確実となって、基台に対して蓋体は、容易にはスライドしなくなって、基台から蓋体が外れにくくなる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記基台又は蓋体の少なくとも一方には、基台の係合部通過口に対して蓋体の第1係合部が通過可能なことを表示する表示部が形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項1又は2の発明では、基台に対して蓋体を重ね合わせて、基台の第1被係合部に対して蓋体の第1係合部を係合可能とする位置、即ち、基台の係合部通過口と蓋体の第1係合部とが合致する「特定位置」は、従来のスライド係合構造のように、蓋体の両スライド端のいずれか一方ではなくて、蓋体のスライド範囲の中間部に存在しているため、当該「特定位置」を探すのに、手間と時間を要することがある。そこで、請求項6の発明によれば、基台又は蓋体の少なくとも一方には、基台と蓋体とが前記「特定位置」に配置されていることが外観で判断可能な表示部が形成されているので、当該「特定位置」を瞬時に探すことができて、基台と蓋体との組付け、及びその分離を瞬時に行える。
【0019】
請求項7の発明は、請求項2ないし6のいずれかの発明において、前記基台と前記蓋体は、互いに組み付けられた付属保護カバーが形成され、当該付属保護カバーの組付け状態において、直状保護カバーと接続される接続口が設けられ、
前記蓋体の接続口には、内面から板状に立設されてサイズの異なる複数の直状保護カバーの周囲を囲む複数の隔壁板がスライド方向に沿って所定間隔をおいて形成され、蓋体のスライド方向に沿って隣接する隔壁板のうち前記接続口に近い側の隔壁板は、前記外止め位置を定める蓋体側の第2スライド規制部になっていると共に、接続口に対して奥側の別の隔壁板は、前記組付け位置を定める蓋体側の第1スライド規制部となっており、
前記基台には、蓋体側の前記第1及び第2の各スライド規制部と協働してスライド規制作用を果す単一のスライド規制部が兼用して設けられていることを特徴としている。
【0020】
請求項7の発明によれば、基台と蓋体とが組み付けられて付属保護カバーが形成されて、当該付属保護カバーの接続口には、サイズの異なる複数の直状保護カバーが接続される構成において、付属保護カバーの蓋体の接続口には、複数の直状保護カバーの周囲を囲む複数の隔壁板がスライド方向に沿って所定間隔をおいて設けられている構造において、互いに隣接する二枚の隔壁板が、付属保護カバーの蓋体の両スライド端を定める第1及び第2の各スライド規制部として兼用して機能していると共に、前記基台には、蓋体側の二種類の前記第1及び第2の各スライド規制部と協働してスライド規制作用を果す単一のスライド規制部が兼用しているので、付属保護カバーを構成する基台及び蓋体にそれぞれ設けられる第1及び第2の各スライド規制部の構成が簡単となる。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1
又は2の発明において,前記外止め位置にスライドされた蓋体は、前記基台との摩擦力により、当該外止め位置が維持される構成であることを特徴としている。
【0022】
請求項8の発明によれば、基台の第1係合部と蓋体の第2被係合部との係合摩擦力、或いは基台と蓋体との摺動部の摩擦力等によって、基台と蓋体とのスライド端の外止め位置が維持される構成であるので、基台と蓋体とが前記「特定位置」に配置される可能性が低くなって、基台から蓋体が外れにくくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部とが係合されて、基台と蓋体とが一体に組み付けられた状態において、当該蓋体に外力が作用して、当該基台に対して蓋体がスライドされても、基台に対する蓋体のスライド範囲における蓋体の第1係合部が基台の係合部通過口と合致する「特定位置」においてのみ、基台の第1係合部と蓋体の第1被係合部との係合が解除されて、両者が分離される構成であるので、基台の第1係合部が蓋体の第1被係合部に対して偶然に前記「特定位置」で停止し、しかも、この停止状態で蓋体に対して建物壁から離間する方向の力が作用するという二つの厳しい条件が一致した場合においてのみ、基台に対して蓋体は、取り外される。上記した二つの条件を満たす事態の発生は、極めて稀であるので、基台に対して蓋体が一体に組み付けられた後においては、基台から蓋体が取り外されることは殆どない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、付属保護カバーC
0 に対して本発明を実施した実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。付属保護カバーC
0 は、
図1〜
図3に示されるように、建物壁91の壁貫通孔92を通して壁表に引き出された管体93に曲げ部93aを形成して、当該管体93の直状部を壁面に沿って配設可能にすべく、当該曲げ部93aを部分的に収容するカバー材であって、管体93の直状部は、当該付属保護カバーC
0 に接続される直状保護カバーC
1 に収容保護される。付属保護カバーC
0 は、建物壁91に固定される基台V
0 と、当該基台V
0 に覆蓋される蓋体L
0 とから成り、基台V
0 に対して蓋体L
0 がスライドされることで、両者が互いに係合されて一体に組み付けられる構成であり、基台V
0 と蓋体L
0 とが組付けられた状態では、両者が完全に重なり合うように、基台V
1 の平面形状と、蓋体L
0 の底面形状とは、同一の長方形状となっている。本実施例では、管体93の直状部は、上下方向に配管されて、基台V
0 に対して蓋体L
0 は、上下方向にスライドして両者が係合される。付属保護カバーC
0 を構成する基台V
0 と蓋体L
0 は、いずれも樹脂の射出成形により形成される。
【0026】
付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 は、
図3、
図7〜
図9に示されるように、長方形状の基台V
0 に対してスライド係合構造により一体に組み付けられて、当該基台V
0 を覆蓋する構成であって、前記基台V
0 の一方の短辺に対応する部分のみが開口するように、当該基台V
0 の一対の長辺及び残りの短辺の計3つの辺に対応する一対の側周壁部21aと上周壁部21bとが連続した周壁部21が天壁部22で接続されることで、当該天壁部22と対向する部分が、基台V
0 に対応した長方形状の組付け開口23となった構成である。対向配置された一対の側周壁部21aの内面のスライド方向Pに沿ったほぼ中央部には、一対の第1係合部E
1 が、スライド方向Pと直交する方向に沿って対向して内方に突設され、上周壁部21bの内面のスライド方向Pと直交する方向に沿った中央部には、第2係合部E
2 がスライド方向Pに沿って内方に突設されている。
図8に示されるように、第1係合部E
1 は、底面視においてスライド方向Pに沿った辺が長辺となるような長方形状に形成され、第2係合部E
2 は、スライド方向Pと直交する方向に沿った辺が長辺となるような長方形状に形成されている。一対の第1係合部E
1 は、基台V
0 の後述する係合部通過口4の1辺を形成する壁部に対して押し付けることで僅かに外方に弾性変形させて、当該基台V
0 の第1被係合部F
1 に係合させるために、押付け側の面と内端面との角部には、大きな面取り24が施されている。蓋体L
0 の上周壁部21bと対向する開口は、直状保護カバーC
1 を接続するための接続口25となっている。なお、第2係合部E
2 の細長比は、第1係合部E
1 のそれよりも大きい。
【0027】
本実施例の付属保護カバーC
0 は、サイズの異なる計3種類の直状保護カバーC
1 が接続可能になっていて、基台V
0 の基台板1の接続口25となる部分には、上記した3種類の直状保護カバーC
1 の幅に対応して、内幅(W
1 〜W
3 )の異なる計3種類の嵌合溝G
1 〜G
3 が、基台板1の長手方向の一端から内側に向けて、内幅が順次狭くなるように形成されている。各嵌合溝G
1 〜G
3 に、幅の異なる各直状保護カバーC
1 の長手方向の一端部が所定長だけ嵌合される。基台V
0 に形成された内幅の異なる3種類の嵌合溝G
1 〜G
3 に対応して、蓋体L
0 の対向する各側周壁部21aの内面には、接続口25に挿入された各直状保護カバーC
1 の周囲を囲むための一対一組となった計3組の隔壁板26a〜26cがスライド方向Pと直交する方向に沿って対向して設けられている。各隔壁板26a〜26cは、それぞれ最大、中間及び最少の各サイズの直状保護カバーに対応するものであり、サイズの大きな直状保護カバーの隔壁板は、サイズの小さな直状保護カバーの隔壁板よりも内方に対する突出長は、短くなっている。
【0028】
基台V
0 と蓋体L
0 とが係合組付けされる構造においては、基台V
0 に対する蓋体L
0 の上下方向に沿った各スライド端を規制する必要があり、上記した各隔壁板26a,26bの対向面は、それぞれ蓋体L
0 の側の基台V
0 に対する蓋体L
0 の下スライド端及び上スライド端を規制する第1及び第2のスライド規制部を兼用している。後に詳述するが、基台V
0 に対する蓋体L
0 の下スライド端及び上スライド端は、それぞれ「基台と蓋体との組付け位置(
図11参照)」及び「蓋体のスライド端外止め位置(
図12参照)」となっている。
【0029】
本実施例では、基台V
0 に蓋体L
0 が組み付けられた「組付け位置(
図11参照)」において、当該蓋体L
0 に外力が作用して、基台V
0 に対して蓋体L
0 が上方のスライド端までスライドされた「蓋体のスライド端外止め位置(
図12参照)」では、基台V
0 と蓋体L
0 とは係合状態を維持していて、基台V
0 に対して蓋体L
0 が外れない構成になっている。「蓋体のスライド端外止め位置」において、当該蓋体L
0 の自重によって、当該蓋体L
0 が、当該蓋体L
0 と基台V
0 との係合を解除できる「特定位置」である「係合部通過位置(
図10参照)」を僅かに下方側に超えた「蓋体の中間スライド仮停止位置(
図13参照)」において、当該蓋体L
0 を仮停止可能な構成にして、いずれの状態においても、基台V
0 に対して蓋体L
0 が外れない構成にしてある。このことを実現するために、蓋体L
0 の対向する各側周壁部21aの内面における各隔壁板26a,26bの間には、基台V
0 の基台板1における嵌合溝G
1 の両側に設けられた各スライド規制突起5が当接可能な仮停止用突部27が形成されている。当該仮停止用突部27は、その前後の側周壁部21aの肉厚を薄くすることで、それぞれスライド規制突起嵌合溝28,29を形成することで、相対的に厚肉の仮停止用突部27が形成されている。蓋体L
0 のスライド規制突起嵌合溝28,29の幅W
11,W
12〔
図9(a)参照〕は、いずれも基台V
0 のスライド規制突起5の薄肉側の肉厚T〔
図5(b)参照〕よりも大きくなっているが、スライド規制突起嵌合溝28の幅W
11は、スライド規制突起嵌合溝29の幅W
12よりも広くなっていて(W
11>W
12)、「蓋体のスライド端外止め位置」に配置された蓋体L
0 が、「係合部通過位置」を僅かに超えて「蓋体の中間スライド仮停止位置」で仮停止できる構成にしてある。
【0030】
付属保護カバーC
0 の基台V
0 は、
図1、
図3〜
図6に示されるように、長方形状の基台板1の長手方向の一端側にずれた位置に、円形の管体挿通孔2が形成され、基台板1の表面側に、管体93の配置部を除いて前記管体挿通孔2を囲むようにして、高さの低い立壁部3がコの字状となって形成されている。立壁部3は、前記管体挿通孔2の両側に、基台V
0 に対する蓋体L
0 のスライド方向Pに沿って配置された一対の第1直状立壁部3aと、前記基台板1の長手方向の一端部に、当該スライド方向Pと直交する方向に配置された第2直状立壁部3bとから成り、蓋体L
0 に形成された第1及び第2の各係合部E
1 ,E
2 と係合される第1及び第2の各被係合部F
1 ,F
2 は、それぞれ第1及び第2の各直状立壁部3a,3bに形成されている。
【0031】
また、基台板1の表面側に対向状態で形成された各第1直状立壁部3aにおける嵌合溝G
1 〜G
3 の側の端部に、スライド方向Pに沿って長溝状となったスライド溝11が、それぞれ外側方に開口されて形成され、各第1直状立壁部3aにおける前記スライド溝11を形成することで薄肉となった部分は、第1被係合部F
1 となっていて、前記薄肉となった部分の中央部には、蓋体V
0 の第1係合部E
1 を通過可能な係合部通過口4がそれぞれ形成されている。当該係合部通過口4における上面側であって、スライド方向Pに沿った両端部は、蓋体L
0 の第1係合部E
1 を挿入し易くするために面取り10が施されている。また、第2直状立壁部3bには、前記スライド溝11と直交する方向の全長に亘って被係合部形成溝12が形成され、当該第2直状立壁部3bに前記被係合部形成溝12を形成することで残った部分が、蓋体L
0 の第2係合部E
2 と係合可能な溝状の第2被係合部F
2 となっている。
【0032】
第1被係合部F
1 は、係合部通過口4により、下方側である組付け側の第1被係合部F
1aと、上方側である反組付け側第1被係合部F
1bとに二分割されているが、分割された各第1被係合部F
1a,F
1bは、前記係合部通過口4を介して連続状態となっていて、組付け側及び反組付け側の各被係合部F
1a,F
1bの中間の係合部通過口4は、被係合作用を果さない。
【0033】
基台板1における蓋体V
0 の接続口25に対応する部分には、サイズの異なる計3種類の直状保護カバーC
1 の長手方向の一端部を嵌合させるための内幅(W
1 〜W
3 )の異なる計3種類の嵌合溝G
1 〜G
3 が形成されていることは、上記した通りであって、基台板1における嵌合溝G
1 の内側の形成端の両側方には、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対する蓋体L
0 の両スライド端を規制するための基台側のスライド規制突起5がそれぞれ形成されている。スライド規制突起5は、蓋体L
0 のスライド方向と直交する方向に沿って形成されていて、その両側面は、基台板1の幅方向の中心に向けて漸次幅広となるようにテーパー面に形成されている。よって、スライド規制突起5は、蓋体L
0 の各隔壁板26a,26bの対向内面に対しては、嵌合溝G
1 に近い厚肉側の部分が当接すると共に、蓋体L
0 の仮停止用突部27の側端面に対しては嵌合溝G
1 から離れた薄肉側の部分が当接するようになっている。この構成により、基台V
0 の側のスライド規制突起5は、蓋体L
0 の側のスライド方向Pと直交する方向に沿って異なる位置に設けられた各被当接部(各隔壁板26a,26bの対向内面及び仮停止用突部27の側端面)に対して支障なく当接するようにしてある。
【0034】
ここで、基台V
0 の側のスライド規制突起5と、蓋体L
0 の側の仮停止用突部27との当該蓋体L
0 のスライド方向Pに沿った相互の配置位置は、
図12に示される蓋体L
0 の上方側のスライド端である「蓋体のスライド端外止め位置」において、当該蓋体L
0 が自重により下方側にスライドした場合に、
図13に示されるように、蓋体L
0 の第1係合部E
1 が、
図10に示される「係合部通過位置」を超えて、基台V
0 のスライド規制突起5が、蓋体L
0 の仮停止用突部27の端面に当接した状態において、蓋体L
0 の第1係合部E
1 と基台V
0 の第1被係合部F
1 の下方側の部分とが互いに係合することで、当該蓋体L
0 がスライド範囲の途中で停止できることが必要である。
【0035】
また、本実施例では、
図12に示されるように、蓋体L
0 を上方側のスライド端までスライドさせた状態では、基台V
0 の第1係合部E
1 と、蓋体L
0 の上方側の反組付け側第1被係合部F
1bとが係合されることで、基台V
0 に対して蓋体L
0 が外れないようになっているために、
図10に示されるように、基台V
0 の係合部通過口4と蓋体L
0 の第1係合部E
1 とが合致する位置(係合部通過位置)は、蓋体L
0 のスライド範囲の中間に存在するために、この「係合部通過位置」を探すには、手間と時間を要することがある。このため、基台V
0 と蓋体L
0 のスライド方向に沿った互いの配置位置が「係合部通過位置」であることを視認可能にするため、当該「係合部通過位置」において、基台板1の両側端面に、蓋体L
0 の接続口25の側の端面25aが基台板1に接している部分を表示する表示溝6が形成されている。よって、基台V
0 に対して蓋体L
0 を重ねて、蓋体L
0 の接続口25の側の端面25aと、基台V
0 の基台板1の側端面の表示溝6とを合致させると、基台V
0 の係合部通過口4に対して蓋体L
0 の第1係合部E
1 を通過させられるので、基台V
0 と蓋体L
0 の組付け、及びその分離の双方が容易となる。
【0036】
第1及び第2の各直状立壁部3a,3bの交差部の内側の部分、及び第1直状立壁部3aの嵌合溝G
1 〜G
3 の側の端部の内側の部分の計4箇所は、いずれも当該各直状立壁部3a,3bと同一の肉厚に形成されて、当該各部分に、スライド方向Pに沿って長孔状となったビス挿通孔7がそれぞれ形成されている。
【0037】
また、サイズの異なる複数の直状保護カバーC
1 の一端部を嵌合させる各嵌合溝G
1 〜G
3 の内幅W
1 〜W
3 は、例えば、図示のように、最大サイズの直状保護カバーC
1 に対しては、その基台V
1 の先端部を中間サイズの嵌合溝G
2 に嵌合させることで、建物壁91に固定されている付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対する最大サイズの直状保護カバーC
1 の基台V
1 の幅方向に位置合せを行った状態で、当該基台V
1 を建物壁91に固定し、この状態で、壁貫通孔92から引き出された管体93を曲げて、その直状部を、直状保護カバーC
1 の基台V
1 に収容し、その後に、直状保護カバーC
1 の基台V
1 に対して蓋体L
1 を覆蓋して、当該蓋体L
1 の長手方向の一端部を、付属保護カバーC
0 の基台V
0 の嵌合溝G
1 に嵌合させる。よって、
図5において、スライド方向Pに沿って僅かの長さを有して嵌合溝G
3 に接続されている最少内幅W
4 の嵌合溝G
4 は、最少サイズの直状保護カバー(図示せず)の基台の先端部を嵌合させて、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対する幅方向の位置合わせを行うための溝である。なお、
図6において、8,9は、それぞれアンダーカット状の第1及び第2の各被係合部F
1 ,F
2 を射出成形可能にするためのスライド型の抜孔を示し、当該抜孔は、何の機能も有しない。また、
図5において、13は、管体93が先付け(先に配管されていること)されていて、当該付属保護カバーC
0 を後付けする場合において、基台板1における管体93と干渉する部分を切除するための切除溝を示す。
【0038】
そして、建物壁91の壁裏から管体93を引き出して、当該管体93の壁表に臨む部分を90°に曲げて、壁表面に配管して、当該管体93の曲げ部93a及び直状部を、それぞれ付属保護カバーC
0 及び直状保護カバーC
1 に収容して保護するには、以下のようにして行う。まず、建物壁91の壁貫通孔92と、付属保護カバーC
0 の基台V
0 の管体挿通孔2とを合致させて、当該基台V
0 を固定ビス94により壁表面に固定する。その後に、前記付属保護カバーC
0 に対して最大サイズの直状保護カバーC
1 の基台V
1 の先端部を、付属保護カバーC
0 の基台V
0 の嵌合溝G
2 に嵌合させて、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対する直状保護カバーC
1 の基台V
1 の幅方向の位置決めを行い、この状態で、固定ビス(図示せず)により直状保護カバーC
1 の基台V
1 を建物壁91に固定する。その後に、建物壁91の壁裏から管体93を引き出して、当該管体93の壁表に臨む部分を90°で曲げ、当該曲げ部93a及び直状部を、それぞれ付属保護カバーC
0 及び直状保護カバーC
1 の各基台V
0 ,V
1 に配置する。
図2は、この状態を斜視図で示している。
【0039】
その後に、直状保護カバーC
1 の基台V
1 に対して蓋体L
1 を覆蓋して、管体93の直状部を直状保護カバーC
1 に収容して保護し、最後に、
図10〜
図13に示されるようにして、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対して蓋体L
0 を覆蓋させる。なお、
図10(a)及び
図11(a)は、
図5(a)において、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に蓋体L
0 が覆蓋されている状態におけるZ−Z線断面図であり、
図12(a)及び
図13(a)は、同様の状態における
図5(a)のZ’−Z’線断面図である。
【0040】
まず、
図10に示されるように、付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 の接続口25の端面25aと、基台V
0 の表示溝6とを合致させ、付属保護カバーC
0 の基台V
0 の左右一対の係合部通過口4を通過させることで、第1被係合部F
1 を超えて、スライド溝部11の中央部に、蓋体L
0 の左右一対の第1係合部E
1 を配置させることで、付属保護カバーC
0 の基台V
0 と蓋体L
0 とは、「係合部通過位置」に配置される。この状態では、蓋体L
0 の左右の各側周壁部21aの各端面は、基台V
0 の基台板1における第1直状立壁部3aの外側の部分に当接して、蓋体L
0 の第2係合部E
2 が基台V
0 の第2被係合部F
2 に対してスライド方向Pに沿って離間配置され、基台V
0 の左右一対のスライド規制突起5は、蓋体L
0 の各側周壁部21aの内面に形成されたスライド規制突起嵌合溝28のスライド方向Pに沿った中央部に配置されることで、基台V
0 の長手方向の下端部を除く大部分に対して蓋体L
0 が重なっている。
【0041】
付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対して蓋体L
0 が「係合部通過位置」に配置された状態で、当該基台V
0 を下方側にスライドさせると、
図11の「基台と蓋体との組付け位置」に示されるように、基台V
0 の左右一対のスライド規制突起5が、蓋体L
0 の隔壁板26bに当接することで、基台V
0 に対する蓋体L
0 の下方側のスライド端が規制されて、蓋体L
0 の左右一対の第1係合部E
1 は、基台V
0 のスライド溝11に挿入されて、左右一対の組付け側第1被係合部F
1aに係合されると共に、蓋体L
0 の上端側の第2係合部E
2 は、基台V
0 の被係合部形成溝12に挿入されて、第2被係合部F
2 に係合され、平面視において、基台V
0 に対して蓋体L
0 が完全に重ねられて、基台V
0 と蓋体L
0 とが一体に組み付けられる。この状態が、
図1において斜視図で示されている。
【0042】
なお、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対して蓋体L
0 の下方側のスライド端を規制して、「基台と蓋体との組付け位置」を定める部材は、上記した隔壁板26bに限られず、蓋体L
0 の第1係合部E
1 が、基台V
0 の組付け側第1被係合部F
1aの形成端に当接するように構成してもよく、更に、基台V
0 と蓋体L
0 との形状自体によって、蓋体L
0 の下方側のスライド端を規制する構成にしてもよい。
【0043】
図14は、
図1及び
図11に示される「基台と蓋体との組付け位置」において、直状保護カバーC
1 の部分で断面して付属保護カバーC
0 の側を見た図であって、上端部が付属保護カバーC
0 の内部に入り込んでいる直状保護カバーC
1 の外面と、付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 の内面との間に形成される隙間は、当該蓋体L
0 の内面に突設された左右一対の隔壁板26aにより閉塞されるため、壁表面に設置された状態において,見栄えの向上に加えて、当該付属保護カバーC
0 の内部に対するゴミ類の侵入を防止できる。全く同様にして、最大サイズの直状保護カバーC
1 よりもサイズの小さな別の直状保護カバーを使用した場合には、当該直状保護カバーの外面と付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 の内面との間に形成される隙間の大部分は、それぞれ左右一対の隔壁板26b,26cで閉塞される。
【0044】
図12は、
図11に示される「基台と蓋体との組付け位置」において、人又は物により、付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 に対して当該蓋体L
0 を上方側にスライドさせる外力が作用して、当該蓋体L
0 が上方側に突き上げられて、基台V
0 の左右一対のスライド規制突起5が蓋体L
0 の隔壁板26aに当接することで、基台V
0 に対する蓋体L
0 の取り外しが可能な「特定位置」を超えて、当該蓋体L
0 が上方側のスライド端までスライドさせられても、基台V
0 に対して蓋体L
0 が外れない「蓋体のスライド端外止め位置」を示している。基台V
0 に対して蓋体L
0 が上方側のスライド端までスライドされた状態においては、蓋体L
0 の第1係合部E
1 が基台V
0 の反組付け側第1被係合部F
1bに部分的に挿入・係合されているので、基台V
0 に対して蓋体L
0 が取り外されることはない。特に、蓋体L
1 の第1係合部E
1 と基台V
1 の上方側の反組付け側第1被係合部F
1bとの間に所定の係合摩擦力が存在すると、当該係合摩擦力により、蓋体は、「蓋体のスライド端外止め位置」を維持できるために、容易に下方側には、スライド下降しない利点がある。即ち、「基台と蓋体との組付け位置」において、付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 に人又は物が接触して、当該蓋体L
0 が上方に突き上げられて、上方側のスライド端に達しても、基台V
0 と蓋体L
0 は、互いの係合状態を維持しているため、基台V
0 に対して蓋体L
0 は、外れない構成が、従来の基台と蓋体とのスライド係合構造と最も異なる点であって、本発明の最大の効果となっている。
【0045】
この点に関して、従来構造の「基台と蓋体とのスライド係合組付け装置」では、蓋体が上方側のスライド端まで突き上げられて、直ちに外れなくても、蓋体が上方側のスライド端で留まっていると、強風等により外れ飛んで紛失されることがあるが、本発明においては、上方側のスライド端まで突き上げられても、強風等によりは蓋体が外れる恐れはなくて、そのまま基台に係合しているため、蓋体が上方側のスライド端までスライドされられていることに気付いた時に、当該蓋体を下方のスライド端までスライドさせ、簡単に再組付けを行える利点がある。
【0046】
また、
図12に示される「蓋体のスライド端外止め位置」においては、蓋体L
0 は、下方側に対しては自由にスライド可能であるので、当該蓋体L
0 の自重により下方側にスライドされることがあるが、この場合においても、蓋体L
0 の一対の第1係合部E
1 と基台V
0 の係合部通過口4とが合致して、基台V
0 に対する蓋体L
0 の取り外しが可能な「特定位置」を通過して、蓋体L
0 の左右一対のスライド規制突起嵌合溝28に挿入されている基台V
0 の一対のスライド規制突起5は、蓋体L
0 の左右一対の仮停止用突部27の端面に当接することで、蓋体L
0 は、スライド範囲の途中で仮停止される構成になっている。この「蓋体の中間スライド仮停止位置」においては、蓋体L
0 の一対の第1係合部E
1 は、基台V
0 の組付け側第1被係合部F
1aに部分的に挿入・係合されているため、基台V
0 に対して蓋体L
0 は、外れない。
【0047】
上記した「蓋体の中間スライド仮停止位置」においては、基台V
0 の基台板1の下端側の端縁と、蓋体L
0 の接続口25の端面25aとがずれているため、基台V
0 に対して蓋体L
0 が完全に重なっていないことは、外観で分かる。よって、「蓋体の中間スライド仮停止位置」において、蓋体L
0 を下方側に強制的にスライドさせると、基台V
0 の一対のスライド規制突起5は、蓋体L
0 の一対の仮停止用突部27を乗り超えて、当該蓋体L
0 は、下方側のスライド端までスライドされて、
図11に示される基台V
0 に対して蓋体L
0 が一体に組み付けられた状態となる。
【0048】
上記実施例では、壁貫通孔92から壁表に引き出された管体93を90°で曲げて、壁面に沿う直状部を上下方向に配設する場合において、当該管体93の曲げ部93aを覆う付属保護カバーC
0 に対して本発明を実施した例であって、付属保護カバーC
0 の基台V
0 に対する蓋体L
0 のスライド方向が上下方向となる例であって、外力の作用により蓋体L
0 が上方のスライド端までスライドさせられた状態で、当該蓋体L
0 が自重により下方にスライドされる場合を想定して、前記「特定位置」を僅かに下方側に超えた位置において、当該蓋体L
0 を仮停止させることで、基台V
0 に対して蓋体L
0 が上方側のスライド端にスライドされた場合、及びこの状態において、蓋体L
0 が自重により下方にスライドされた場合のいずれにおいても、基台V
0 に対して蓋体L
0 が外れない構成にしてある。しかし、本発明においては、付属保護カバーC
0 の蓋体L
0 のスライド方向は、壁表面における管体93の配設方向に対応していて、水平方向を含むいずれの方向であってもよい。
【0049】
また、蓋体L
0 の第1及び第2の各係合部E
1 ,E
2 と、基台V
0 の第1及び第2の被係合部F
1 ,F
2 との係合部分の数、及び係合構造に関しては、上記に限定されない。例えば、蓋体L
0 に設けられる第1係合部E
1 は、上記実施例では、左右一対であるが、一方側のみであってもよく、第2係合部E
2 と第2被係合部F
2 の係合構造に関しては、溝状の第2被係合部F
2 に対して板状の第2係合部E
2 が圧入されて係合する構造にすることで、反組付け側には、容易にスライドしない構成にすることも可能である。更に、第2係合部E
2 と第2被係合部F
2 は、上記のようにスライド係合ではなくて、掛け止める構造にして、第1係合部E
1 と第2被係合部F
1 の係合構造は、蓋体E
2 の両側壁部が開閉して係合する構造にしてもよい。
【0050】
上記実施例は、壁裏から引き出される管体の曲げ部を収容する付属保護カバーに対して本発明を実施した例であるが、本発明は、壁孔から引き出される配線材の保護カバーに対しても実施可能であり、更に、防水コンセントを覆う化粧カバー(蓋体)と防水コンセント本体(基台)との組付け装置に対しても実施可能である。