【実施例】
【0172】
本発明の菌株、組成物および方法の態様は、限定するものであると見なすべきではない下記の実施例を考慮に入れると、より詳細に理解することができる。材料および方法の修飾は、当業者には明白であろう。
【0173】
本開示において使用される一部の真菌((トリコデルマ(Trichoderma)属)菌株およびプラスミド(大部分は本試験において構築された)を下記の表1に示す。
【0174】
【表1】
【0175】
実施例1:REMIを使用するAclAmy1の発現
A.AclAmy1発現ベクターの構築
1)pTrex3gM−AclAmy1
ここで関心対象のモデルタンパク質として使用する酵素AclAmy1は、(配列番号1)(ボールド体およびイタリック体で記載したシグナル配列を備える)のアミノ酸配列を有するアスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)を起源とする酸性安定性真菌α−アミラーゼを意味する。
【化1】
【0176】
AclAmy1遺伝子のヌクレオチド配列は、8個のイントロンを含み、その配列(配列番号2)は以下に提示する。
【化2】
【化3】
【0177】
このタンパク質は67kDa(キロダルトン)の計算質量を有し、EC3.2.1.1.のクラスの他のタンパク質と同様に、大きなα結合多糖(例えば、デンプン)のα結合を加水分解することができる。最適pHは、基質としてのPAHBAH(p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド)上で測定して4.5であるが、他方高酵素活性は、3〜7の広範囲のpHで見いだされる。その酵素活性が最高である温度は、66℃である。
【0178】
pTrex3gM−AclAmy1ベクターは、強力なcbhIプロモーターの制御下に配置されたその天然コーディング配列からAclAmy1の発現を駆動するように設計された。AclAmy1をコードするAclAmy1遺伝子は、以下のプライマーを用いるPCRを使用してアスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)染色体から増幅させた。
プライマー1(5’−ggggcggccgccaccATGAAGCTTCTAGCTTTGACAAC−3’)(配列番号3);および
プライマー2(5’−cccggcgcgccttaTCACCTCCAAGAGCTGTCCAC−3’)(配列番号4).
【0179】
制限酵素NotIおよびAscIを用いた消化後、PCR産物を(米国公開公報特許第2011/0136197(A1)号明細書に記載されたような)pTrex3gM発現ベクター内にクローン化し、同一制限酵素を用いて消化し、結果として生じたプラスミドをpTrex3gM−AclAmy1と標識した。pTrex3gM−AclAmy1のプラスミドマップは、
図1に提供した。このプラスミドマップの機能エレメントの完全リストもまた、
図1に提供した。
【0180】
AclAmy1遺伝子の配列は、DNAシーケンシングによって確証した。
【0181】
2.pENTRY−AclAmy1
発現ベクターpTrex8gM−AclAmyl1を構築するために、A.クラバタス(A.clavatus)Amy1をコードする断片を最初に(上述のような)プラスミドpTrex3gM−AclAmy1からpDonor221ベクター内に供給業者(Life Technologies,Carlsbad CA)の勧告にしたがってGateway(登録商標)BP反応を介して再クローン化した。生じたpEntry−AclAmy1プラスミドおよびその機能エレメントは、
図2に示した。
【0182】
3.pTrex8gM−AclAmy1
A.クラバタス(A.clavatus)α−アミラーゼをコードするENTRYベクターDNA断片をさらにGateway(登録商標)LR反応によってさらにpTREX8gMに移すと、結果としてプラスミドpTREX8gM−AclAmy1が生じた(
図3)。pTREX8gM−AclAmy1の機能エレメントは、
図3に列挙した。
【0183】
クローンは、コーディング領域をシーケンシングすることによって実証された。
【0184】
B.異所性発現のための形質転換
1.プロトプラストの調製
トリコデルマ(Trichoderma)属菌株の胞子は、50mLのYEG培養培地(5g/Lの酵母抽出物、20g/Lのグルコース)中に接種し、50mmの動程を備える撹拌式インキュベーター(Infors−HT,Switzerland)内の28℃で250mLの撹拌フラスコ内で180rpmの速度で一晩増殖させた。一部の実験では、cbh1、cbh2、egl1およびegl2a遺伝子の欠失を伴うT.リーゼイ(T.reesei)菌株RL−P37の誘導体を使用し、一部の他の実験では、他のT.リーゼイ(T.reesei)菌株を使用した。任意の好適なトリコデルマ(Trichoderma)属菌株は、本明細書に開示した実験のような実験のために機能するであろう。
【0185】
発芽した胞子は、10分間の遠心分離(3,000g)によって収集し、10mLの1.2のMgSO
4、10mMのリン酸ナトリウム(pH5.8)を用いて2回洗浄した。ペレットは、1.2gの溶解酵素(Sigma,St Louis MO)を補給した40mLの同一バッファー中に再懸濁させた。
【0186】
これは、プロトプラストが形成されるまで100〜200rpmの速度で振とうすることで、撹拌式インキュベーター内で28℃でインキュベートした。
【0187】
懸濁液は、菌糸体を除去するためにMiraclothに通して濾過し、等量の0.6Mのソルビトール、0.1MのTris−HCl(pH7.0)をプロトプラスト溶液の上部に緩徐に加えた。これを15分間にわたり、4,000rpmで遠心した。
【0188】
プロトプラストは、中間期に見いだされ、これらを次に注意深く収集し、新規試験管に移した。この工程を必要なプロトプラストが収集されるまで必要に応じて繰り返した。等量の1.2Mのソルビトール、10mMのCaCl
2、10mMのTris−HCl(pH7.5)をプロトプラストに加えた。これらのプロトプラストは、4℃で15分間、4,000rpmでペレット化し、1.2Mのソルビトール、10mMのCaCl
2、10mMのTris−HCl(pH7.5)中で2回洗浄した。最後に、プロトプラストを同一バッファー中に1×10
8/mLのプロトプラストの濃度へ再懸濁させ、プロトプラスト200μL当たり50μLの25%のPEG6000、50mMのCaCl
2、10mMのTris−HCl(pH7.5)を加えた。生じた材料は、次に−80℃で貯蔵した。
【0189】
2.異所性発現のための形質転換
一部の実験では、プロトプラストを形質転換させるためにPCR産物を直接的に使用した。約5〜20μgのDNA(PCR産物)は、200μLのプロトプラストに加え、氷上で20分間インキュベートした。その後、形質転換混合物を室温に移し、2mLの25%のPEG6000、CaCl
2、10mMのTris−HCl(pH7.5)および4mLの1.2Mのソルビトール、10mMのCaCl
2、10mMのTris−HCl(pH7.5)を加えた。
【0190】
制限酵素媒介性組込み(REMI)をサンプルに適用したら、その後に20単位の制限エンドヌクレアーゼをそのサンプルのDNAに加えた。
【0191】
一部の他の実験では、トリコデルマ(Trichoderma)属プロトプラストを形質転換させるためにプラスミドDNAを使用し、一部の場合には、制限エンドヌクレアーゼを使用してプラスミドDNAを線状化した。消化混合物をインキュベートした後、プラスミドDNAは、制限エンドヌクレアーゼから精製しなかった。
【0192】
1つの実験では、cbhIプロモーターからAclAmy1コーディング領域を通してプラスミドpTrex8gM−AclAmy1からのpyr2の3’部分までの領域を含むPCR断片は、以下のプライマーを使用して入手した。
プライマー1:5’GAGTTGTGAAGTCGGTAATCCCGCTG(配列番号5);and
プライマー2:3’CGATACACGCACCAGGTACCCCAGTGGGGAAGC)(配列番号6).
【0193】
PcbhI−AclAmy1−pyr2のPCR産物は、任意の制限酵素を添加せずに、またはPacI制限酵素を用いてのいずれかでT.リーゼイ(T.reesei)プロトプラストを形質転換させるために使用した。形質転換体は、10mMのNH
4Clを補給したAmdS培地上でのウリジン原栄養のために選択した。この培地を作成するために、2×のAmdS溶液(30g/LのKH
2PO4、20mMのアセトアミド、1.2g/LのMgSO
4*7H
2O、1.2g/LのCaCl
2*2H
2O、0.48g/Lのクエン酸
*H
2O、0.5g/LのFeSO
4*7H
2O、40mg/LのZnSO
4*7H
2O、8mg/LのCuSO
4.5H
2O、3.5mg/LのMnSO
4.H
2O、2mg/LのH
3BO
3(ホウ酸)、40g/Lのグルコース(pH4.5)を2Mのソルビトールを含有する等量の4%の寒天と混合した。
【0194】
トリコデルマ(Trichoderma)属形質転換の例は、
図4A〜4Eに示した。
図4A、4Cおよび4Dは、REMIを含まない典型的な形質転換実験におけるT.リーゼイ(T.reesei)形質転換体の図および百分率を示している−−約10〜20%の形質転換体が形態学的に安定性である。
図4Bおよび4Eは、REMIが適用された典型的な形質転換実験におけるT.リーゼイ(T.reesei)形質転換体の図および百分率を示している−−約80〜90%の形質転換体が形態学的に安定性である。
【0195】
3.形質転換体の選択
グルコース/ソホロース産生培地中で増殖させた後、Megazyme,UK(「Ceralpha法」)からのα−アミラーゼ活性キットを用いる活性アッセイを使用してA.クラバタス(A.clavatus)α−アミラーゼの発現レベルについて発酵サンプルを分析した。
【0196】
平行して、発現はSDS−PAGE分析(Life Technologies,Carlsbad CA)によって確証した。
【0197】
C.トリコデルマ(Trichoderma)属発酵およびアミラーゼ活性アッセイ
固体の多孔性マトリックスからラクトースを遊離させるように構成された24ウエルプレート内に上述のT.リーゼイ(T.reesei)菌株RL−P37の誘導体由来のトリコデルマ(Trichoderma)属形質転換体を接種した。各ウエルは、1.25mLのNREL培地(9g/Lのカザミノ酸、5g/Lの(NH
4)
2SO
4、4.5g/LのKH
2PO
4、1g/LのMgSO
4*7H
2O、1g/LのCaCl
2*2H
2O、33g/LのPIPPSバッファー(pH5.5)、0.25%のT.リーゼイ(T.reesei)微量元素(100%:175g/Lのクエン酸(無水)、200g/LのFeSO
4*7H
2O、16g/LのZnSO
4*7H
2O、3.2g/LのCuSO
4.5H
2O、1.4g/LのMnSO
4.H
2O、0.8g/LのH
3BO
3(ホウ酸)、16g/Lのグルコース)を含有していた。透明化懸濁液は、Ceralpha法(Megazyme,UK)を使用してα−アミラーゼ活性について分析した。
【0198】
Ceralphaは、穀類、真菌および細菌α−アミラーゼを測定するために、ブロックされたp−ニトロフェニルα−D−マルトヘプタオシド+過剰のα−グルコシダーゼおよびグルコアミラーゼである。透明化懸濁液は、36mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.5)中で100〜500倍まで希釈した(これは予想α−アミラーゼ活性に依存するであろう)。
【0199】
または、透明化懸濁液は、10mMのNaCl、0.1mMのCaCl
2、0.005%のTween 80の溶液中に100〜500倍まで希釈した(これは予想α−アミラーゼ活性に依存するであろう)。40μLの希釈透明懸濁液は、等量のCeralpha基質と混合し、28℃で10分間インキュベートした。反応は100μLの200mMのホウ酸ナトリウム溶液(pH10.2)を加えることによって終結させた。吸光度は405nMで測定し、希釈計数のために収集し、1分間当たりのα−アミラーゼ活性として表示した。透明化懸濁液はさらにSDS−PAGE(Life Technologies,Carlsbad CA)によって分析した。
【0200】
図5は、α−アミラーゼ産生レベルにおける差を示している。活性PacI酵素の存在下で得られた安定性トリコデルマ(Trichoderma)属iRNAxyn1,3形質転換体は、α−アミラーゼ活性のより高い絶対レベルおよびα−アミラーゼの上昇した発現を伴うより多数の安定性形質転換体の両方を示した。REMIは(不安定性形質転換体と比較して)安定性形質転換体の百分率を増加させ、安定性形質転換体はさらにより高い力価のα−アミラーゼも産生した。
【0201】
これらの結果は、制限酵素SspIの存在下でまた別のプラスミドpTrex8gM AGL2(α−ガラクトシダーゼを発現する)を使用してT.リーゼイ(T.reesei)iRNAxyn1.3の形質転換実験を用いて確証した。
【0202】
制限酵素が加えられると直ちに、不安定性形質転換体のバックグラウンドは有意に減少し、安定性のα−ガラクトシダーゼ産生性形質転換体の百分率が増加した。
【0203】
実施例2:T.リーゼイ(T.reesei)における標的組込みを改良するためのI−SceIの使用
A.T.リーゼイ(T.reesei)におけるI−SceI活性を測定するためのレポーター菌株の構築
1.I−SceIランディング部位カセットの構築:方法
I−SceIランディング部位を備えるプラスミドpBJP6を設計し、下記および
図6に示したように構築した。
【0204】
5’UTRのcbh2、Pcbh1およびTcbh2は、T.リーゼイ(T.reesei)菌株であるQM6A(制限なく、http://www.uniprot.org/taxonomy/431241を含む様々な起源から公的に入手可能)のゲノムDNAからプライマーGSP1およびGSP2、PP1およびPP2、GSP3およびGSP4それぞれならびに本明細書の下記の一覧を用いて増幅させた。PCR断片はphusion DNAポリメラーゼ(Fermentas)を使用して溶解させ、プラスミドpBJP4を生成するためにpBluescriptSK(+)のXbaIおよびKpnI制限部位にクローン化した(
図6)。
【0205】
さらに、C末端切断型GFP(GFPn
*もしくはΔNGFP)をコードするDNA断片(GFPn
*−GFPc
*構築物)および600bp重複配列(斜線棒の領域)を備えるGFPN末端切断型GFP(GFPn
*もしくはGFPΔC)をコードするDNA断片を運ぶために、また別のプラスミドpGFPrepを構築した。GFPn
*−GFPc
*構築物は、ウミエラ(Ptilosarcus)種のGFP配列に基づいて設計され、Geneart,Germanyから合成的に注文された。GFPn
*−GFPc
*構築物を次にpBJP4のNdeI制限部位に、cbhIプロモーターとcbhIターミネーターとの間にクローン化すると、プラスミドpBJP5が生じた。最終pBJP6プラスミドは、2つのプライマー(FwpGAN−ISceIPmeIおよびRevpGAN−ISceIPmeI)を使用してアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のpyrGマーカーをプラスミドから増幅させ、pBJP5のPmeI部位(GFPn
*−GFPc
*構築物内の2本の600bp重複GFP配列の間)にクローン化することにより入手された。プライマーは、I−SceI制限部位およびPmeI部位をPCR増幅中にpyrGマーカーの下流および上流に組み込むために、2つのI−SceI部位によって挟まれたpyrGマーカーを運ぶPCR増幅断片が生じるように設計された。結果として生じるプラスミドpBJP6は、
図6に示したように、5’UTR cbh2−Pcbh1−GFPn
*−I−SceI−pyrG−I−SceI−GFPc
*−Tcbh2構築物を含有する。pBJP6プラスミドの配列は、制限分析およびシーケンシングによって確証した。
【0206】
この実施例で使用したプライマー配列は、下記およびさらに表2に提示した。
GSPL(フォワード)5’−TCTAGAGGCTGTGCATTTCCGTTCTC−3’(配列番号7)
GSP2(リバース)5’−TGGTTACGGCAACAAACCTG−3’(配列番号8)
PP1(フォワード)
5’−CAGGTTTGTTGCCGTAACCAATTTGCCTGCTTGACCGACTG−3’(配列番号9)
PP2(リバース)
5’−GGAACGATGGGTTTGCGTCCATATGGGGTAAGTCACTTACGGCAGC−3’(配列番号10)
GSP3(フォワード)5’−CCATATGGACGCAAACCCATCGTTCC−3’(配列番号11)
GSP4(リバース)5’−GGTACCGGTTCACCGCCTTATGTGAG−3’(配列番号12)
FwpGAN−ISceIPmel(フォワード)
5’−GGTTTAAACCTAGGGATAACAGGGTAATTCGCCCTTGCTCTAGATAAC−3’(配列番号13)
RevpGAN−ISCELPmel(リバース)
5’−GGTTTAAACCTAGGGATAACAGGGTAATAATTCGCCCTTGACTAGTGC−3’(配列番号14)
GSP5(フォワード)5’−GCGATCGCACGCAAACCCATCGTTCC−3’(配列番号15)
GPS6(リバース)5’−GCGATCGCGGTTCACCGCCTTATGTGAG−3’(配列番号16)
【0207】
【表2】
【0208】
2.I−SceI活性を監視するためのマーカー切除法の設計:機序
T.リーゼイ(T.reesei)内のメガヌクレアーゼI−SceIの活性を監視するためにレポーター構築物pBJP6を使用し、アッセイ法については
図8に描出した。
【0209】
図7の上部に略図により示したように、pBJP6は、5’UTR cbh2−Pcbh1−GFPn
*−I−SceI−pyrG−I−SceI−GFPc
*−Tcbh2構築物を含有する。5’UTR cbh2およびTcbh2の包含は、宿主細胞内のcbh2遺伝子座での標的組込みのために使用する。選択マーカーpyrGを挟む2つのI−SceI認識部位(上にハサミの絵が描かれたグレーの箱)を使用して、I−SceIの活性を監視する。
【0210】
この戦略の理論的根拠は、GFPn
*−I−SceI−pyrG−I−SceI−GFPc
*構築物を含有するT.リーゼイ(T.reesei)菌株中の活性I−SceIの発現およびGFP反復による二本鎖切断の修復(斜線の箱を伴って提示)を生じさせるであろうことであった。反復を介しての完全な修復は、GFPを発現するウリジン栄養素要求性菌株(pyrG−)を生じさせるであろう(
図7に描出)。
【0211】
3.cbh2遺伝子座にI−SceI制限部位を存在させているT.リーゼイ(T.reesei)菌株の構築:結果
pBJP6は、プライマーGSP1およびGSP4(プライマーの場所は
図6に示した)を用いてPCR増幅させ、上述のようにI−SceI活性を監視するための7.5kbのPCR産物/カセット(5’UTR cbh2−Pcbh1−GFPn
*−I−SceI−pyrG−I−SceI−GFPc
*−Tcbh2構築物)は、PEG媒介性プロトプラスト形質転換法によってT.リーゼイ(T.reesei)菌株P37delta cbhIpyrG−26に形質転換させる。
【0212】
ウリジン原栄養形質転換体を精製し、全カセットがcbh2遺伝子座で組み込まれた形質転換体についてサウザンブロットによって分析した。最初の診断的PCR(結果は示していない)に基づいて、9つの形質転換体をサウザンブロット分析のために選択した。単一コピー形質転換体を選択し、cbh2遺伝子座でのゲノム内への完全カセットの適正な組込みを確証するための3つの異なるプローブ。
【0213】
サウザンブロット分析は、cbh2遺伝子座で完全I−SceIカセットの単一コピーを存在させている3つの形質転換体(JP7.7、JP7.9およびJP7.12)を解明した(
図8)。
【0214】
残り6つの形質転換体中、5つは組み込まれたカセットの複数のコピーを有することが証明された(JP7.10、JP7.11、JP7.13、JP7.14、JP7.15)、またはゲノム内に組み込まれた完全カセットを有していないと思われた(JP7.8)。
【0215】
その後の実験には、形質転換体JP7.7を使用した。
【0216】
B.I−SCEI発現構築物の構築
1.I−SceI発現ベクターの構築
T.リーゼイ(T.reesei)における発現のために、I−SceI配列(GenBankアクセッション番号GU575293.1)のコドン最適化合成遺伝子を作成した(Geneart,Germany)。合成I−SceIヌクレオチド配列(配列番号17)は、下記に示した:
【化4】
【0217】
I−SceI発現ベクターを構築するために、I−SceI遺伝子は、供給業者Life technologies,USA)の勧告にしたがってGateway組換え法により米国特許出願公開第20110020899号明細書において例示されたようにテロメアプラスミドpTTT内にクローン化した。cbhI遺伝子のラクトース誘導性プロモーターを使用して、pTTTプラスミド内でのI−SceI遺伝子の発現を誘導した。さらに、pTTTプラスミドはA.ニデュランス(A.nidulans)のamdS選択マーカーを運んだので、これは窒素源としてアセトアミドを使用するT.リーゼイ(T.reesei)における形質転換および選択を許容した。
【0218】
結果として生じた発現カセットpTTT−I−SceI(
図16)では、cbhI遺伝子のラクトース誘導性プロモーターがI−SceI遺伝子の発現を駆動する。さらに、pTTTプラスミドはA.ニデュランス(A.nidulans)のamdS選択マーカーを運んだので、これは窒素源としてアセトアミドを使用するT.リーゼイ(T.reesei)における形質転換および選択を可能にした。
【0219】
2.T.リーゼイ(T.reesei)におけるI−SceI発現は標的染色体遺伝子座でDSBを誘導する
pTTT−I−SceI構築物を使用してI−SceIランディング部位を含有する菌株ならびにI−SceIランディング部位を含有していない陰性コントロール菌株を形質転換させた。形質転換後、amdS陽性形質転換体を最小培地上で精製し、グルコースおよび窒素源としてのアセトアミドを含有してプレーティングし、炭素源としての2%のグルコース(非誘導条件)もしくは2%のラクトース(誘導条件)を含有する9cmのペトリ皿の中央に点接種した。形質転換結果は
図9に示した。
【0220】
図9に示したように、I−SceIを発現してI−SceIカセットを含有する菌株内のラクトースによる誘導は、セクター形成を提示するコロニーを生じさせる。これらのセクターは、増殖を示さない領域を指す矢印で指示した。このセクタ−化は、pyrGマーカーの消失をもたらすGFP反復を介して修復された二本鎖切断を生成するI−SceI活性であると解釈された。
【0221】
pyrGマーカーを消失した結果として、コロニーのこの部分は、このセクターを生じさせるウリジンを含まないプレート上ではもはや増殖しないであろう。
図9に示したように、これらのセクターは炭素源としてラクトースが使用された場合に最も多く存在したが、グルコースプレート上でも観察され、これはグルコース上でさえ、一部のI−SceIが発現したことを示した。
【0222】
ラクトース上でのセクター化は、pTTT−ISceIを発現する形質転換体上で観察されたが、コントロール菌株については観察されなかった(
図9)。ウリジンがラクトースプレートに加えられると、もはやセクター化を視認することはできず、これはセクターがpyrGマーカーの消失によって誘発されることを示した(
図9)。ラクトースプレート上での形質転換体のセクター化は、S.セレビシアエ(S.cerevisiae)I−SceIが発現させられ、T.リーゼイ(T.reesei)において活性であることを証明した。
【0223】
組換えについては、液体培養中でも監視した。形質転換体はウリジンを含む最小培地中の液体培養中で増殖させ、I−SceI発現はソホロースによって誘導された。結果として生じた形質転換体の顕微鏡観察所見は、
図10に示した。菌糸の蛍光顕微鏡写真は、ループアウトの結果としての機能的GFPの再構成を示すGFP蛍光を示した。GFPは誘導後にI−SceI発現カセットを存在させる菌株(JP7.7.12、JP7.7.14およびJP7.7.16)内でのみ観察され、その結果はさらに、I−SceIが誘導後に活性的に発現したことを示している(
図10)。
【0224】
C.グルコアミラーゼの改良された形質転換および標的組込み効率
1.標的組込みのためのグルコアミラーゼ発現カセットの構築
米国特許第8138321号明細書に記載されている、cbhIプロモーターの制御下でT.リーゼイ(T.reesei)の野生型グルコアミラーゼ遺伝子を運ぶプラスミドptrex6gGA/wtは、I−SceIランディング部位で組み込むことのできるグルコアミラーゼ発現カセットを構築するための出発点として使用された。
【0225】
I−SceIランディング部位でのグルコアミラーゼカセットの相同性組込みを許容するために、cbh2ターミネーター領域(Tcbh2)をptrex6gGA/wt内にクローン化した(
図11)。Tcbh2は、プライマーGSP5およびGSP6(表2に提供した)および鋳型としてのQM6aのゲノムDNAを使用するPCRによって得られた。
【0226】
PCR産物はAsiSIを用いて消化し、ptrex6gGA/wtの同一制限部位にクローン化すると、プラスミドpJP8が得られた。10kbのグルコアミラーゼ発現カセットは、PsiIを用いてpJP8から切断し、形質転換のために使用した。形質転換体は、クロリムロンエチルに対する耐性を付与するalSマーカーによって選択した。
【0227】
2.I−SceI発現下での形質転換頻度、安定性および標的組込みの効率
I−SceIによって媒介されるDSB(二本鎖切断)がT.リーゼイ(T.reesei)における形質転換および組換え効率を増加させられるかどうかを決定するために、グルコアミラーゼ発現カセットを標的組込みのために線状断片としてI−SceI制限部位およびI−SceI発現カセット(JP7.7.12)を運んでいる菌株内に形質転換させた。
【0228】
形質転換体は、(クロリムロンエチル基質を含有する)およびグルコースを含有する(I−SceI非誘導条件)もしくはラクトースおよびグルコースの混合物を含有する(I−SceI誘導条件)選択培地から沈着させられた。陰性コントロールとして、I−SceI制限部位だけを運んでいてI−SceIカセット(JP7.7)を運んでいない菌株もまた、同一量の線状プラスミドを用いて形質転換させた。次に、各群の形質転換において得られた形質転換体の安定性を分析した。形質転換の結果および安定性分析の結果は、表3および
図12に示した。
【0229】
【表3】
【0230】
表3および
図12の結果は、I−SceI誘導が非誘導条件およびコントロールと比較して、形質転換体の数をそれぞれ3倍および6倍超に増加させることを示した(表3)。さらに、I−SceIの誘導後のJP7.7.12形質転換体はほぼ全てが安定性であったが(90%)、他方I−SceIの誘導を行わなかったJP7.7.12形質転換体は44%しか安定性ではなく、陰性コントロール菌株JP7.7形質転換体(I−SceI発現カセットを伴わない)については53%もしくは58%しか安定性ではなかった(表3)。これは、I−SceIの発現が形質転換効率を増加させ、さらに形質転換体の安定性も増加させることを証明している。
【0231】
各群からの約40個の安定性形質転換体は、上記の実施例に記載したように多孔性マトリックスからラクトースを緩徐に遊離させた24ウエルMTP中のNREL培地上で精製形質転換体を増殖させることによってグルコアミラーゼ産生についてスクリーニングした。I−SceI誘導条件において、それぞれ非誘導I−SceI条件およびコントロールについての37%および30%に比較して、約55%の形質転換体がグルコアミラーゼを発現していた。
【0232】
グルコアミラーゼを発現する形質転換体は、引き続いてそれらのpyrG表現型について分析した。二重交差を介しての所定の遺伝子座でのグルコアミラーゼ発現カセットの標的組込みは、クロリムロンエチル耐性(als+)および結果としてウリジン栄養素要求性を生じさせるpyrGマーカーの消失を生じさせると予想された(
図11)。
【0233】
表3に示したように、I−SceIが誘導されると、グルコアミラーゼを発現する形質の68%は標的方法で組み込まれたが、これに対して非誘導I−SceI条件およびコントロールではそれぞれ46%および16%しか組み込まれなかった。
【0234】
グルコアミラーゼを発現する選択されたpyrG−形質転換体のサウザンブロット分析は、それらが予想されたようにI−SceIランディング部位でGlaA発現カセットを含有することを証明した(
図13)。グルコアミラーゼを発現しない、またはグルコアミラーゼを発現するがpyrG−ではない菌株は、変化した組込みパターンを示した(
図13)。
【0235】
3.標的組込み対非標的組込み間のグルコアミラーゼ発現の比較
標的組込みグルコアミラーゼ発現カセットを用いた形質転換体のグルコアミラーゼ活性の可変性をランダム組込みに由来するグルコアミラーゼ活性の可変性と比較するために、菌株をマイクロタイタープレート内で増殖させ、培地をグルコアミラーゼ活性について試験した。
【0236】
各形質転換体は個別に3つのマイクロタイタープレートウエル内で増殖させ、この生物学的三重サンプルの平均グルコアミラーゼ活性を決定すると、標準偏差が<10%である高い再現性の結果が得られた。
【0237】
図14に示したように、グルコアミラーゼカセットの標的組込みを行った形質転換体は、グルコアミラーゼカセットの非標的組込みの発現に比較して、グルコアミラーゼ発現の低い可変性(0.9〜1.35相対単位のグルコアミラーゼ活性)を示した(
図14)。明白に、発現カセットの非標的組込みは、形質転換体間のGA活性レベルの有意な変動を生じさせた。
【0238】
結論として、このデータは、I−SceIにより作成された二本鎖切断は、関心対象の遺伝子を含有するカセットの標的組込みを刺激し、形質転換体間のタンパク質発現の同種性を増加させることを証明した。
【0239】
D.プロトプラスト混合物へのI−SceIの直接添加によりDSBを作成した後のグルコアミラーゼ発現カセットの改良された形質転換および標的組込み
1.I−SceI添加による標的組込み
I−SceIによって媒介される標的組込みは、さらにI−SceI制限部位(JP7.7)を運んでいるプロトプラストと線状化グルコアミラーゼ標的組込みカセット(pJP8)との混合物中にI−SceI制限酵素を直接的に添加することによって試験されている。
【0240】
手短には、200μLのJP7.7プロトプラストに、異なる量のI−SceI酵素+線状化pJP8カセットを加え、室温で15分間インキュベートし、その後に氷上で20分間インキュベーションした。I−SceIは、Thermo scientificから入手した。形質転換は、PEG媒介性プロトプラスト法によって、酵素バッファーの1×の最終濃度にI−SceIおよびDNA混合物を加えることによって実施した(例えば、270μLの総量のプロトプラスト、I−SceIおよびDNA混合物とともに30μLの10×の酵素バッファーを加える)。35分間のインキュベーション後、プロトプラスト混合物は、10μMのウリジンおよび5μg/mLのクロリムロンエチルを含有する形質転換プレート上でプレーティングした。結果は、表4に要約した。
【0241】
【表4】
【0242】
表4に示したように、I−SceI酵素の直接的添加は、形質転換頻度および標的組込み形質転換体の数を増加させた。得られた形質転換体の数は、100単位のI−SceIがプロトプラストに添加された場合には3倍まで増加した。
【0243】
有意な数の一次形質転換体は、I−SceIが添加された場合に安定性であることが見いだされた。
【0244】
形質転換体の数および安定性形質転換体の百分率は、I−SceI濃度の増加に伴い増加した。約75%の形質転換体はI−SceIの存在下ではGla発現カセットを含有していたが、I−SceIの非存在下では、たった約25%の形質転換体しかグルコアミラーゼ活性を示さなかった。
【0245】
グルコアミラーゼを発現する形質転換体の大多数では、発現カセットは、相同性組換え事象によって組み込まれた(それぞれ50単位および100単位のI−SceIを添加した場合に分析された形質転換体の78%および85%)。コントロール形質転換(I−SceIを添加していない)からのグルコアミラーゼを発現する形質転換体は、全く標的組込みされなかった(表4)。
【0246】
I−SceI添加を形質転換プレート内で0.8mg/mLのFOAと結合することにより、本発明者らは、標的組込み形質転換体を直接的に選択することができた(表4)。FOA耐性形質転換体の精製後、試験した全安定性形質転換体はグルコアミラーゼを発現し、グルコアミラーゼ発現カセットは、相同性組換えによってcbh2遺伝子座で適正に組み込まれた(
図9)。
【0247】
2.遺伝的特性解析およびI−SceI発現を使用して標的対非標的組込みを比較したグルコアミラーゼ発現の比較
標的組込みグルコアミラーゼ発現カセットを用いた形質転換体のグルコアミラーゼ活性の可変性をランダム組込みに由来するグルコアミラーゼ活性の可変性と比較するために、菌株をマイクロタイタープレート内で増殖させ、培地をグルコアミラーゼ活性について試験した。
【0248】
図15に示したように、I−SceIから得られたグルコアミラーゼカセットの標的組込みを用いた形質転換体は、ランダム形質転換体の発現と比較したグルコアミラーゼ発現において低い可変性を提示した。FOA選択を使用することによって得られた形質転換体は、さらに類似の発現パターンを示したが、これはFOAおよびFOAの可能性のある突然変異効果の選択がグルコアミラーゼの発現レベルに影響を及ぼさなかったことを示している。
【0249】
実施例3:REMIを使用した他の安定性T.リーゼイ(T.reesei)菌株の構築
A.2つの異なるDNA断片を用いたT.リーゼイ(T.reesei)の形質転換
2つの異なる線状DNA断片は、関心対象のまた別のタンパク質を発現させるために構築し、共形質転換によりT.リーゼイ(T.reesei)内に導入した。1つの断片は、選択マーカーとしてのpyr2遺伝子を有し、他の断片は選択マーカーとしてamdS遺伝子を有していた。形質転換は、任意の制限酵素を用いずに、または制限酵素であるSwaIもしくはPacIを用いて実施した。形質転換体は、両方のマーカーの存在について同時に選択した。制限酵素を全く加えていない場合に比較して、形質転換中の様々な量の様々な制限酵素を包含する効果を決定するために、数回の形質転換を実施した。下記は、得られた形質転換体の数および安定性であった百分率を示している結果の概要である。
【0250】
【表5】
【0251】
B.多数の制限酵素を用いて処理したT.リーゼイ(T.reesei)の形質転換
形質転換効率および形質転換体の安定性に複数の制限酵素を使用することが及ぼす効果を見るために、T.リーゼイ(T.reesei)菌株は、溶解性セルロースモノオキシゲナーゼ(EG4)コーディング配列を含むPCR断片および任意の制限酵素を用いて処理していない、20単位のAsiSIだけで処理した、各7単位のAsiSI、PacIおよびSwaIを用いて処理した、または各7単位のAsiSI、PacIおよびPmeIを用いて処理したpyr2選択マーカーを用いて形質転換させた。形質転換は、上記に記載したように標準PEGプロトコルにしたがって実施し、形質転換体は1Mのソルビトールを含む最小培地プレート上で増殖させた。結果は、
図17Aおよび17Bに示した。同一総量の制限酵素による消化を行うと、3種の異なる酵素を用いた消化は、1つだけの制限酵素(50%)を用いた消化に比較して、安定性T.リーゼイ(T.reesei)形質転換体(80%まで)の百分率を増加させたが、これは形質転換効率を低下させると思われる。
【0252】
上記の組成物および方法をある程度詳細に、明確に理解されるために例示および実施例によって記載してきたが、当業者には、本明細書の教示に照らせば、添付の特許請求項の精神もしくは範囲から逸脱せずに所定の変化および修飾を加えられることは容易に明白である。
【0253】
したがって、先行する文は、本発明の組成物および方法の原理を単に例示するものである。当業者であれば、本明細書に明示的に記載も証明もしていないが、本発明の組成物および方法の原理を実現する、および本発明の精神および範囲の中に含まれる様々な配列を考案することができることは理解されるであろう。さらに、本明細書で言及した全ての実施例および条件に関する専門用語は、読者が当分野への拡大に本発明者らが寄与した本発明の組成物および方法ならびに概念の原理を理解することが意図されており、そのような詳細に言及された実施例および条件に関して制限するものではないと見なすべきである。さらに、本発明の組成物および方法ならびにそれらの特定の実施例の原理、態様および実施形態について言及している本明細書の全ての陳述は、それらの構造的および機能的両方の同等物を含むことが意図されている。さらに、そのような同等物には、現在公知の同等物および将来開発される同等物、つまり構造とは無関係に、同一機能を実施する、開発される任意の要素が含まれることが意図されている。このため、本発明の組成物および方法の範囲は、本明細書に示して記載した典型的な実施形態に限定されることは意図していない。
【0254】
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