特許第6830892号(P6830892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6830892
(24)【登録日】2021年1月29日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】抗癌性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4439 20060101AFI20210208BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20210208BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20210208BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20210208BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
   A61K31/4439
   A61K47/32
   A61K47/38
   A61K9/20
   A61P35/00
【請求項の数】36
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-529774(P2017-529774)
(86)(22)【出願日】2015年12月3日
(65)【公表番号】特表2017-536407(P2017-536407A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】US2015063671
(87)【国際公開番号】WO2016090105
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2018年11月30日
(31)【優先権主張番号】14196605.1
(32)【優先日】2014年12月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514311287
【氏名又は名称】アラゴン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ヴェレック,ギアート
【審査官】 松村 真里
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−507928(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/152342(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0209359(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0310659(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体。
【請求項2】
前記分散体がARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる、請求項1に記載の固体分散体。
【請求項3】
前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が、1:1〜1:5の範囲内である、請求項1又は2に記載の固体分散体。
【請求項4】
前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:3である、請求項3に記載の固体分散体。
【請求項5】
前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:2である、請求項3に記載の固体分散体。
【請求項6】
前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:1である、請求項3に記載の固体分散体。
【請求項7】
前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、5:95〜95:5の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項8】
前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、請求項7に記載の固体分散体。
【請求項9】
前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、50:50である、請求項8に記載の固体分散体。
【請求項10】
ARN−509が非晶質形態で存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項11】
前記分散体が固溶体である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項12】
前記ポリ(メタ)アクリレート共重合体がポリ(メタクリル酸−コ−エチルアクリレート)1:1である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項13】
前記HPMCASがHPMCAS LGである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項14】
噴霧乾燥物である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項15】
高温溶融押出物である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項で定義されている固体分散体からなる粒子。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項で定義されている固体分散体を含む粒子。
【請求項18】
製薬的に許容される担体と、請求項1〜15のいずれか一項に記載の固体分散体と、を含む、医薬製剤。
【請求項19】
製薬的に許容される担体と、請求項16又は17に記載の粒子と、を含む、医薬製剤。
【請求項20】
前記製剤が60mgのARN−509を含む、請求項18又は19に記載の製剤。
【請求項21】
前記製剤が120mgのARN−509を含む、請求項18又は19に記載の製剤。
【請求項22】
前記製剤が240mgのARN−509を含む、請求項18又は19に記載の製剤。
【請求項23】
前記固体分散体の重量が製剤の総重量の20〜40%の範囲である、請求項18〜22のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項24】
前記製剤が錠剤である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
経口投与に適している、請求項24に記載の製剤。
【請求項26】
ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを好適な溶媒中で混合する工程と、前記混合物を噴霧乾燥させる工程と、を含む、請求項14に記載の固体分散体を調製するためのプロセス。
【請求項27】
前記適切な溶媒が、ジクロロメタンとメタノールの混合物である、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記混合物中のジクロロメタンとメタノールとの重量比が50:50である、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前立腺癌の治療のための、請求項18〜25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項30】
経口投与用である、請求項29に記載の医薬製剤。
【請求項31】
請求項18〜25のいずれか一項に記載の医薬製剤であって、別の抗癌剤との組み合わせで用いられる、医薬製剤。
【請求項32】
前記医薬製剤が前記別の抗癌剤を含む、請求項31に記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記別の抗癌剤がアンドロゲン生合成阻害薬である、請求項31または32に記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記別の抗癌剤が酢酸アビラテロンである、請求項31または32に記載の医薬製剤。
【請求項35】
プレドニゾンとのさらなる組み合わせで用いられる、請求項31〜34のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項36】
前記医薬製剤が前記プレドニゾンを含む、請求項35に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ARN−509の医薬製剤に関し、該製剤は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などに罹患した哺乳類、特にヒトに投与することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、これらの製剤は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASの固体分散体を含む。一態様では、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASの固体分散体は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む混合物を溶融押出し、続いて、任意追加的に、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASの固体分散体は、適切な溶媒中のARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。
【0003】
ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASの固体分散体は、更に、製薬的に許容される担体と共に配合されて医薬製剤とすることができ、そのような製剤は、改善された安定性及び改善された保存寿命を提供する。本発明の製剤は、迅速な薬物放出を提供する。本発明の処方により、患者、特に癌患者の、錠剤による不快な負担(pill burden)を低減することができるので、治療アドヒアランス及び治療効果を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】ARN−509の形態BのXRDパターンである。
図2】ARN−509の形態BのIRスペクトルである。
図3】ARN−509の形態BのDSC曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ARN−509は、アンドロゲン受容体(AR)の強力で特異的な拮抗薬である。ARN−509の作用機序は、ARの核内移行及びアンドロゲン反応要素とのDNA結合の阻害を介した、アンドロゲン受容体シグナル伝達の拮抗作用である。
【0006】
アンドロゲンとアンドロゲン受容体の作用は、多くの疾患又は疾病、例えばその中でもアンドロゲン依存性癌、女性の男性化、及び座瘡に関与している。アンドロゲンとアンドロゲン受容体の作用を抑える及び/又はアンドロゲン受容体の濃度を低下させる化合物は、アンドロゲン受容体が役割を果たす疾患又は病態の治療において有用であることが分かっている。
【0007】
AR関連疾患又は病態としては、限定するものではないが、前立腺肥大症、多毛症、座瘡、前立腺の腺腫及び新生物、アンドロゲン受容体を含む良性又は悪性腫瘍細胞、過剰多毛症、脂漏症、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、アンドロゲン性脱毛症、性腺機能低下症、骨粗鬆症、精子形成の抑制、性欲、悪液質、拒食症、加齢に伴うテストステロン量の減少に対するアンドロゲン補充、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、膀胱癌、ホットフラッシュ、ケネディ病、筋委縮及び筋力低下、皮膚萎縮、骨量減少、貧血症、動脈硬化症、心臓血管疾患、エネルギーの減少、健康状態の損失、2型糖尿病、及び腹部脂肪蓄積が挙げられる。前立腺癌の発生及び進行におけるARの中心的な役割を考えれば、ARN−509は、癌、特に前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療に有用である。
【0008】
ARN−509の化学構造は次のとおりである。
【0009】
【化1】
【0010】
ARN−509、つまり4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタ−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、現在、非水性の脂質ベースの溶液として臨床開発中であり、該溶液はソフトゲルカプセルに充填され、各カプセルは30mgのARN−509を含有する。研究段階である1日用量は、経口投与による240mg/日(つまり8個のソフトゲルカプセル)である。使用中、ARN−509含有ソフトゲルカプセルの保存寿命はわずか6ヶ月であり、低温流通体系での保存が必要であることが見出されている。
【0011】
本発明の一態様は、医薬製剤、特に固形医薬製剤、より具体的には、ARN−509を経口投与するための固形医薬製剤に関し、かかる処方は、改善された安定性、より長い保存寿命を有し、迅速な薬物放出を提供する、又は、患者、特に癌患者にとって低減された錠剤による不快な負担を提供する。本発明の医薬製剤は、治療アドヒアランス及び治療効果を向上させる手段を提供する。
【0012】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体である。
【0013】
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来する共重合体(ポリ(メタ)アクリレート)は、Eudragit(登録商標)として産業界では知られている。Eudragit(登録商標)は、様々なポリ(メタ)アクリレート系共重合体の商標名である。異なるグレードが入手可能である。本発明の一態様では、ARN−509との分散体中のEudragit(登録商標)は、Eudragit(登録商標)L 100−55であり、これは、メタクリル酸及びエチルアクリレートをベースとするアニオン性共重合体を含有している(CAS番号25212−88−8;化学名/IUPAC名:ポリ(メタクリル酸−コ−エチルアクリレート)1:1)(Evonik Industries)。本発明の一態様では、ARN−509との分散体中のEudragit(登録商標)は、Eudragit(登録商標)E 100であり、これは、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸メチルをベースとするカチオン性共重合体である(CAS番号24938−16−7;化学名/IUPAC名:ポリ(ブチルメタクリレート−コ−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−コ−メチルメタクリレート)1:2:1(Evonik Industries)。
【0014】
HPMCAS、つまりヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はヒプロメロースアセテートサクシネート(CAS番号71138−97−1)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの酢酸エステル及びモノコハク酸エステルの混合物である(IUPAC名:セルロース、2−ヒドロキシプロピルメチルエーテル、酢酸塩、水素ブタンジオエート)。置換度/置換率(アセチル含量、コハク酸含量)及び粒径(微粉化及び粒状)に基づいて区別された種々のグレードが入手可能である。本発明の一態様では、ARN−509との分散体中のHPMCASは、HPMCAS LG(粒状グレード)又はHPMCAS LF(微粉化グレード)(Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd)であり、特にHPMCAS LGである。
【0015】
本発明の一態様は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択されるポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体である。
【0016】
本発明の一態様は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択されるポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCAS LG及びHPMCAS LFから選択されるHPMCASを含む固体分散体である。
【0017】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF、を含む固体分散体である。
【0018】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる固体分散体である。
【0019】
本発明の一態様は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択されるポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる固体分散体である。
【0020】
本発明の一態様は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択されるポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCAS LG及びHPMCAS LFから選択されるHPMCASからなる固体分散体である。
【0021】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF、からなる固体分散体である。
【0022】
本発明の固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体の好ましいグレードは、Eudragit(登録商標)L 100−55である。
【0023】
本発明の固体分散体中のHPMCASの好ましいグレードは、HPMCAS LGであり、これは、HPMCAS LGの取扱特性がより良好で、より安全であることが理由である。
【0024】
本発明の一態様では、上述した固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:3又は1:2〜1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:3である。
【0025】
本発明の一態様では、上述した固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比は、5:95〜95:5、特に10:90〜90:10、より特に25:75〜75:25である。好ましくは、本明細書に記載される固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比は、50:50である。
【0026】
本発明の一態様は、上述した固体分散体からなる粒子である。
【0027】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:2又は1:3である、より特に、ポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、粒子である。
【0028】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、を含む固体分散体からなる粒子である。
【0029】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:2又は1:3である、より特に、ポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、粒子である。
【0030】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、からなる固体分散体からなる粒子である。
【0031】
本発明の一態様は、本明細書において上述した固体分散体を含む粒子である。
【0032】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:2又は1:3である、より特に、ポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、粒子である。
【0033】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、を含む固体分散体を含む粒子である。
【0034】
本発明の一態様は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:2又は1:3である、より特に、ポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、粒子である。
【0035】
本発明の一態様は、
a)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
b)ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、
c)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LG;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、又は
d)ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LF;特に、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は1:2又は1:3である、より特に、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)、からなる固体分散体を含む粒子である。
【0036】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体:HPMCASの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0037】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0038】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0039】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0040】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0041】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体:HPMCASの重量比は、25:75〜75:25の範囲であり、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0042】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0043】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0044】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0045】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0046】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、本明細書に記載される固体分散体と、を含む医薬製剤である。
【0047】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、本明細書に記載される粒子、特に複数の粒子と、を含む医薬製剤である。
【0048】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体:HPMCASの重量比は、25:75〜75:25の範囲であり、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0049】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LGからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0050】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LGからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LG)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LGの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0051】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びHPMCAS LFからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)L 100−55及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0052】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509、Eudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS LFからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(Eudragit(登録商標)E 100及びHPMCAS LF)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、Eudragit(登録商標)E 100:HPMCAS LFの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。
【0053】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、固体分散体を含む粒子、特に複数の粒子と、を含む医薬製剤であって、該固体分散体が、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む、医薬製剤である。発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、固体分散体を含む粒子、特に複数の粒子と、を含む医薬製剤であって、該固体分散体が、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる、医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体:HPMCASの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体は、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択される。一態様では、HPMCASは、HPMCAS LG及びHPMCAS LFから選択される。
【0054】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、固体分散体からなる粒子、特に複数の粒子と、を含む医薬製剤であって、該固体分散体が、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む、医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、固体分散体からなる粒子、特に複数の粒子と、を含む医薬製剤であって、該固体分散体が、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる、医薬製剤である。一態様では、ARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比は、1:2又は1:3である。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体:HPMCASの重量比は、25:75〜75:25の範囲である、又は25:75、50:50、若しくは75:25である(50:50が好ましい)。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ポリ(メタ)アクリレート共重合体は、Eudragit(登録商標)L 100−55及びEudragit(登録商標)E 100から選択される。一態様では、HPMCASは、HPMCAS LG及びHPMCAS LFから選択される。
【0055】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される固体分散体である。
【0056】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される粒子である。
【0057】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される医薬製剤である。
【0058】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される固体分散体である。
【0059】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される粒子である。
【0060】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される医薬製剤である。
【0061】
本明細書において記載される固体分散体又は粒子又は医薬製剤では、ARN−509は、塩基形態で、又は製薬的に許容される付加塩として、特に、製薬的に許容される酸付加塩として存在する。好ましくは、ARN−509は塩基形態で存在する。
【0062】
製薬的に許容される付加塩は、治療的に有効な無毒の塩形態を含んでいることを意味する。酸付加塩形態は、ARN−509の塩基形態を、適当な酸、例えば、無機酸、例えば、限定するものではないが、ハロゲン化水素酸(例えば塩酸、臭化水素酸等の酸);硫酸;硝酸;リン酸;メタリン酸等の酸;あるいは有機酸、例えば、限定するものではないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリメチル酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシ−プロパン酸、2−オキソプロパン酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリ−カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、安息香酸、桂皮酸、ヒドロ桂皮酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸等の酸などで処理することにより得ることができる。
【0063】
逆に、上記塩基形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
【0064】
更に、ARN−509及びその塩が形成することができる水和物、溶媒付加形態、及びその混合物が含まれる。そのような形態の例は、例えば水和物、アルコラート等(例えばエタノラート)である。
【0065】
一般に、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、典型的には、1日あたり0.01mg〜5000mgの範囲である。一態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり約1mg〜約1000mgである。別の態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり約100mg〜約500mgである。別の態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり240mgである。ARN−509の正確な投薬量及び投与回数は、当業者には分かるように、治療する特定の症状、治療する症状の重篤度、特定の患者の年齢、体重、及び全身的な身体状態、並びに個人が服用している可能性がある他の薬剤に依存し得る。更に、上記した1日量は、治療された被験者の反応に応じて及び/又はARN−509を処方した医師の評価に応じて増減させることができることは明らかである。したがって、本明細書で言及する投薬量はガイドラインに過ぎず、決して本発明の範囲又は使用を制限するものではない。本発明の一態様では、1日用量は、単一投与量で、又は同時に(又は短期間に)投与される分割投与量で、あるいは適切な間隔で、例えば、1日あたり2回、3回、4回、又はそれ以上のサブ投与量で、提供するのが好都合である。本発明の一態様では、1日用量は、4回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される4回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、3回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される3回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、2回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される2回の分割投与量で投与される。
【0066】
本発明の一態様では、医薬製剤は、240mgのARN−509を含む。
【0067】
本発明の一態様では、医薬製剤は、120mgのARN−509を含む。
【0068】
本発明の一態様では、医薬製剤は、60mgのARN−509を含む。
【0069】
本発明の一態様では、医薬製剤は、240mgのARN−509を含む。医薬製剤は1日1回投与される。
【0070】
本発明の一態様では、医薬製剤は、120mgのARN−509を含む。上記製剤のうちの2つは、毎日、好ましくは同時に(又は短期間に)投与される。
【0071】
本発明の一態様では、医薬製剤は、60mgのARN−509を含む。上記製剤のうちの4つは、毎日、好ましくは同時に(又は短期間に)投与される。
【0072】
本発明の製剤はまた、別の抗癌剤、具体的には別の抗前立腺癌剤、より具体的には、17α−ヒドロキシラーゼ/C17,20−リアーゼ(CYP17)を阻害するアンドロゲン生合成阻害薬、特に酢酸アビラテロンと併用することができる。本発明の製剤は更に、プレドニゾンと組み合わされてもよい。
【0073】
よって、本発明はまた、本発明による医薬製剤と、別の抗癌剤、具体的には別の抗前立腺癌剤、より具体的には、17α−ヒドロキシラーゼ/C17,20−リアーゼ(CYP17)を阻害するアンドロゲン生合成阻害薬、特に酢酸アビラテロンとの組み合わせに関する。
【0074】
上記組み合わせは、プレドニゾンを更に含むことができる。
【0075】
「固体分散体」という用語は、少なくとも2つの成分を含み、1つの成分が単数又は複数の他の成分全体にいくぶん均等に分散されている固体状態(液体又は気体状態の対語として)にある系を意味する。成分の該分散体が、系が全体にわたって化学的に及び物理的に均一又は均質であるようなものであるか、あるいは熱力学において定義される1相からなるような場合、そのような固体分散体は本明細書において「固溶体」と呼ばれる。固溶体は好ましい物理的系であり、それは通常その中の成分がそれらが投与される生物にとって容易に生物学的利用可能であるからである。この利点はおそらく、該固溶体が胃液などの液体媒体と接触するときに液体溶液を形成することができる容易さにより説明することができる。溶解の容易さは、少なくとも一部は、固溶体からの成分の溶解に必要なエネルギーが結晶性又は微結晶性固体相からの成分の溶解に必要なエネルギーより小さいという事実に帰することができる。
【0076】
「固体分散体」という用語は、全体にわたって固溶体より均質性が低い分散体も含む。そのような分散体は全体にわたっては化学的及び物理的に均一でないか又は1つより多い相を含む。例えば、「固体分散体」という用語は、少なくとも2つの成分(a)(有効成分)及び(b)(重合体(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS))を含み、かつ、非晶質、微結晶性、若しくは結晶性の(a)、又は非晶質、微結晶性、若しくは結晶性の(b)、又は両方が、(b)又は(a)を含む他の相、あるいは(a)及び(b)を含む固溶体中にいくぶん均等に分散されているドメイン又は小領域を有する、固体状の系にも関する。該ドメインは、何らかの物理的特徴によって明確に特色付けられ、全体としての系のサイズと比較してサイズが小さく、かつ系全体に均等に及び無作為に分布している領域である。
【0077】
ARN−509が非結晶相内にある固体分散体又は粒子が好ましく、その理由は、そのような固体分散体又は粒子は、ARN−509の一部又は全部が微結晶又は結晶形態にあるものより本質的に速い溶解速度を有するからである。
【0078】
あるいは、固体分散体は、非晶質若しくは微結晶のARN−509、又は非晶質若しくは微結晶のポリ(メタ)アクリレート共重合体、あるいは非晶質若しくは微結晶のHPMCASが、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固溶体中にいくぶん均等に分散されている分散体の形態であってもよい。
【0079】
本発明の一態様において、ARN−509は、本明細書に記載される固体分散体中に非晶質形態で存在する。
【0080】
本発明の一態様において、本明細書に記載される固体分散体は固溶体である。
【0081】
固体分散体を調製するための様々な方法が存在し、該方法としては、例えば、溶融押出(例えば高温溶融押出)、噴霧乾燥、及び溶液蒸発、特に高温溶融押出及び噴霧乾燥が挙げられ、噴霧乾燥が好ましい。
【0082】
本発明による粒子は、最初に成分の固体分散体を調製し、次いで、任意追加的に、その分散体を粉砕又は摩砕することにより製造することができる。
【0083】
溶融押出プロセスは:
a)ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを混合する工程と、
b)任意選択的に、こうして得られた混合物と添加剤とをブレンドする工程と、
c)こうして得られたブレンド物を均一な溶融物が得られるまで加熱する工程と、
d)こうして得られた溶融物を1つ以上のノズルを介して押し出す工程と、
e)溶融物をそれが固化するまで冷却する工程と、を含む。
【0084】
「溶融物」及び「溶融」という用語は、固体状態から液体状態への変化を意味するだけではなく、ガラス状の状態又はゴム状の状態への遷移も指すことができ、その場合に混合物の1つの成分が他の成分中にいくぶん均質に埋め込まれるようになることができる。特定の場合には、1つの成分が溶融物であり、他の成分が溶融物中に溶解して溶液を形成し、該溶液は、冷却されると、有利な溶解性を有する固溶体を形成することができる。
【0085】
溶融押し出しの重要なパラメータの1つは、溶融押出作業時の温度である。本発明の溶融押出プロセスでは、作業温度は、好ましくは約160℃〜約190℃の範囲、より好ましくは約160℃〜175℃の範囲である。下限温度は、ARN−509が所与の一連の押出条件での押出中に依然として溶融状態である点によって規定される。ARN−509が完全に溶融されていない場合、押出物は望ましいバイオアベイラビリティを提供することができない。混合物の粘度が高すぎる場合、溶融押出プロセスが困難になる。高温では、成分は許容され得ない程度まで分解する場合がある。当業者は、最も適切な温度範囲を用いるべきであることを認識するであろう。
【0086】
成分は、加熱要素とあまりにも長く接触したままだと分解し始める場合があるので、押出速度も重要である。
【0087】
当業者は、上記の所与の範囲内で溶融押出プロセスのパラメータを最適化することができることが分かるであろう。作業温度は用いられる押出機の種類又は押出機内の形状の種類によっても決定される。押出機における成分の溶融、混合、及び溶解に必要なエネルギーのほとんどは、加熱要素によって与えることができる。しかしながら、押出機内の材料の摩擦も実質的量のエネルギーを混合物に与え、成分の均一な溶融物の形成を助けることができる。
【0088】
当業者は、本発明の主題の調製に最も適した押出機(例えば、1軸押出機、2軸押出機、又は多軸押出機など)を認識するであろう。
【0089】
また、適切な溶媒中の成分の混合物を噴霧乾燥することにより、該成分の固体分散体、又は該成分の固体分散体を含む粒子若しくは該成分の固体分散体からなる粒子が得られるので、噴霧乾燥は、特に、ポリ(メタ)アクリレート共重合体又はHPMCASが押出条件に耐えるのに十分な安定性を有していない場合に、及び残留溶媒を固体分散体から有効に除去することができる場合に、溶融押出プロセスの有用な代替方法であり得る。更に別の考えられる調製法は、適切な溶媒中で成分の混合物を調製すること、該混合物を広い表面上に注いで薄膜を形成すること、及び該薄膜から溶媒を蒸発させることからなる。
【0090】
噴霧乾燥に適した溶媒は、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、特にEudragit(登録商標)L 100−55又はEudragit(登録商標)E 100、及びHPMCAS、特にHPMCAS LG又はHPMCAS LFが混和可能である、任意の有機溶媒であり得る。本発明の一態様では、溶媒の沸点は、固体分散体のTg(ガラス転移温度)よりも低い。更に、溶媒は、比較的毒性が低く、International Committee on Harmonization(ICH)のガイドラインによって許容されるレベルまで分散体から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、噴霧乾燥プロセスに続く、例えばトレイ乾燥などの後乾燥工程を必要とし得る。溶媒としては、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、及びブタノール、特にメタノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸エチルおよび酢酸プロピル;並びに様々な他の溶媒、例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1−トリクロロエタンが挙げられる。より低い揮発性の溶媒、例えば、ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドも使用することができる。本発明の一態様では、噴霧乾燥に適した溶媒は、溶媒の混合物である。本発明の一態様において、噴霧乾燥するための溶媒は、アルコールとアセトンの混合物、特に、メタノールとアセトンの混合物、より具体的には、メタノールとアセトンの1:9(w:w)混合物である。本発明の一態様において、噴霧乾燥するための溶媒は、アルコールとジクロロメタンの混合物、特に、メタノールとジクロロメタンの混合物、より具体的には、メタノールとジクロロメタンの6:4(w:w)又は5:5(w:w)混合物であり、5:5(w:w)の混合物が好ましい。
【0091】
本明細書に記載される粒子は、約1500μm、約1000μm、約500μm、約400μm、約250μm、約200μm、約150μm、約125μm、約100μm、約70μm、約65μm、約60μm、約55μm、約50μm、約45μm、約40μm、約35μm、約30μm、約25μm、又は約20μmのd50を有する。噴霧乾燥によって得られる粒子は、好ましくは、約20μm〜約100μmの範囲のd50値、特に約20μm〜約70μmの範囲のd50値、より具体的には、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、又は約70μmの範囲のd50値を有する。
【0092】
本明細書において用いる場合、d50という用語は、当業者に既知の従来の意味を有し、当該技術分野において既知の粒径測定技術、例えば、沈降フィールドフロー分別、光子相関分光法、レーザ回折、又は分離板型遠心沈降によって測定することができる。本明細書で言及するd50は、粒子の体積分布に関連付けられてもよい。その場合、「50μmのd50」とは、粒子の体積の少なくとも50%が50μm未満の粒径を有することを意味する。言及した他の粒径についても同様に当てはまる。同じような方法で、d50粒径は、粒子の重量分布に関連付けられてもよい。その場合、「50μmのd50」とは、粒子の重量の少なくとも50%が50μm未満の粒径を有することを意味する。言及した他の粒径についても同様に当てはまる。通常、体積及び重量分布は、平均粒径に関して同一又はほぼ同一の値をもたらす。
【0093】
粒径は、錠剤形成速度、特に、大規模な特定の剤形又は製剤の流動性、したがって製造可能性、及び最終生成物の品質を決定する重要な因子であり得る。例えば、カプセルでは、粒径は、好ましくは、約100〜約1500μm(d50)の範囲であってもよく、錠剤では、粒径は、好ましくは250μm未満、より好ましくは100μm(d50)未満である。粒子が小さすぎると(<10〜20μm)、打錠機に粘着してしまい、製造可能性の問題が生じる場合が多い。
【0094】
本明細書に記載される粒子又は固体分散体は、1種以上の製薬的に許容される賦形剤、例えば、可塑剤、着香料、着色剤、防腐剤などを更に含むことができる。特に高温溶融押出によって調製する場合には、該賦形剤は熱感受性であってはならず、言い換えると、それらは溶融押出機の作業温度で認識され得る崩壊又は分解を示してはならない。
【0095】
好適な可塑剤は製薬学的に許容されるものであり、低分子量ポリアルコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール;ポリエチレングリコール類、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール;1,000g/mol未満の分子量を有する他のポリエチレングリコール類;200g/mol未満の分子量を有する他のポリプロピレングリコール類;グリコールエーテル類、例えばモノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル;プロピレングリコールモノエチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;エステル型可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、グリコール酸アリル;並びにアミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン;トリエチレンテトラミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、低分子量ポリエチレングリコール類、エチレングリコール、低分子量ポリプロピレングリコール類、及び特にプロピレングリコールが好ましい。
【0096】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子又は固体分散体は可塑剤を含有しない。
【0097】
本発明の固体分散体又は粒子は、治療的に有効な量のARN−509を含む医薬製剤に調製されることができる。まず第1に、錠剤及びカプセルなどの経口的投与のための医薬製剤が意図されているが、本発明の固体分散体又は粒子を、例えば直腸投与のための医薬製剤の製造に用いることもできる。好ましい製剤は、錠剤として成形される経口的投与に適合させられた製剤である。それらは通常の成分又は賦形剤(製薬的に許容される担体)を用い、通常の錠剤形成機を用いて、通常の錠剤形成法により製造することができる。そのような製剤の哺乳類による嚥下を容易にするために、製剤、特に錠剤に、適切な形状を付与するのが有利である。錠剤上のフィルムコートは、錠剤を嚥下できる容易さに更に寄与する。
【0098】
本発明の製剤、特に錠剤は、1種以上の従来の賦形剤(製薬的に許容される担体)、例えば、崩壊剤、希釈剤、充填剤、結合剤、緩衝剤、潤滑剤、滑剤、増粘剤、甘味剤、着香料、及び着色剤などを含むことができる。いくつかの賦形剤は複数の目的に役立つことができる。好ましくは、本発明の製剤は、崩壊剤、希釈剤又は充填剤、潤滑剤、及び滑剤を含む。
【0099】
好適な崩壊剤は大きい膨張率を有するものである。その例は親水性で水に不溶性又は水溶性度が低い架橋ポリマー、例えばクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)及びクロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)である。本発明による錠剤中の崩壊剤の量は、便宜上、約3〜約15%(w/w)の範囲、好ましくは約3〜7%の範囲であってよく、特に約5%(w/w)である。崩壊剤は本来、大量に用いられると徐放製剤をもたらすので、崩壊剤を希釈剤又は充填剤と呼ばれる不活性物質で希釈するのが有利である。
【0100】
多様な材料を希釈剤又は充填剤として用いることができる。例は、ラクトース一水和物、無水ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、でんぷん、セルロース(例えば微結晶セルロース(Avicel(商標))、ケイ化微結晶セルロース)、二水和若しくは無水二塩基性リン酸カルシウム、及び当該技術分野において既知の他のもの、並びに及びそれらの混合物(例えば、Microcelac(商標)として商業的に入手可能なラクトース一水和物(75%)と微結晶セルロース(25%)の噴霧乾燥混合物)である。微結晶セルロース及びケイ化微結晶セルロースが好ましい。錠剤中の希釈剤又は充填剤の量は、便宜上、約20%〜約70%(w/w)の範囲であることができ、好ましくは約55%〜約60%(w/w)の範囲である。
【0101】
潤滑剤及び滑剤は、ある種の剤形の製造において用いることができ、通常は錠剤を製造する場合に用いられる。潤滑剤及び滑剤の例は、水素化植物油、例えば水素化綿実油、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、コロイドシリカ、コロイド無水シリカ、タルク、それらの混合物、及び当該技術において既知の他のものである。興味深い滑沢剤はステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸マグネシウムとコロイドシリカの混合物である。好ましい潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。好ましい滑剤はコロイド無水シリカである。
【0102】
滑剤は、概して、合計錠剤重量の0.2〜7.0%、具体的には0.5〜1.5%、より具体的には1〜1.5%(w/w)を構成する。
【0103】
潤滑剤は、概して、合計錠剤重量の0.2〜7.0%、具体的には0.2〜1%、より具体的には0.5〜1%(w/w)を構成する。
【0104】
着色剤及び顔料などの他の賦形剤も本発明の製剤に加えることができる。着色剤及び顔料は、二酸化チタン及び食物に適した染料を含む。着色剤は本発明の製剤における任意成分であるが、用いられる場合、着色剤は合計錠剤重量に基づいて最高3.5%の量で存在することができる。
【0105】
着香料は製剤において任意であり、合成香味油及び風味付け用芳香性物質又は天然油、植物の葉、花、果実などからの抽出物、並びにそれらの組み合わせから選択することができる。これらは桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油を含むことができる。着香料としてやはり有用なのは、バニラ、柑橘油、例えばレモン、オレンジ、グレープ、ライム、及びグレープフルーツなど、フルーツエッセンス、例えばリンゴ、バナナ、ナシ、もも、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコットなどである。着香料の量は、所望の感覚刺激効果を含むいくつかの因子に依存し得る。一般に、着香料は、約0%〜約3%(w/w)の量で存在する。
【0106】
当該技術分野において既知の通り、錠剤ブレンド物を錠剤形成の前に乾式粒状化又は湿式粒状化することができる。他の点では錠剤形成プロセス自体は標準的であり、通常の錠剤プレスを用いて、成分の所望のブレンド物又は混合物から適した形状に錠剤を成形することにより容易に実行される。
【0107】
本発明の錠剤は、味を改良するため、嚥下の容易さ及び優美な外観を与えるために、更にフィルムコーティングされてもよい。多くの好適なポリマー系フィルムコーティング材料が当該技術分野において既知である。好ましいフィルムコーティング材料は、Opadry II 85F210036 Greenである。ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、特にHPMC 2910 5mPa.s、及びアクリレート−メタクリレートコポリマーなどの他の好適なフィルム形成ポリマーも、本明細書において用いることができる。フィルム形成ポリマーの他に、フィルムコートは、可塑剤(例えばプロピレングリコール)及び、任意追加的に、顔料(例えば二酸化チタン)を更に含むことができる。フィルムコーティング懸濁液は、接着防止剤としてタルクも含有することができる。本発明による錠剤では、フィルムコートは、重量で、合計錠剤重量の約3%(w/w)以下の割合であるのが好ましい。
【0108】
好ましい製剤は、本明細書に記載される粒子又は固体分散体の重量が、製剤の総重量の20〜40%、特に30〜40%である製剤である。
【0109】
本発明は更に、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASをブレンドすることと、該ブレンド物を約160℃〜約190℃の温度で押出加工することと、を含む、本明細書に記載される固体分散体の調製プロセスに関する。
【0110】
本発明は更に、ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASをブレンドすることと、該ブレンド物を約160℃〜約190℃の温度で押出加工することと、押出物を粉砕することと、任意選択的に、粒子を篩別することと、を含む、本明細書に記載される粒子の調製プロセスに関する。
【0111】
使用可能な好適な押出機は、Haake小型押出機、Leistritz 18mm押出機、及びLeistritz 27mm押出機である。
【0112】
本発明は更に、適切な溶媒中でARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを混合することと、該混合物を噴霧乾燥させることと、を含む、本明細書に記載される粒子又は固体分散体の調製プロセスに関する。一態様では、適切な溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。一態様では、適切な溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物であって、該混合物中のジクロロメタンとメタノールとの比が4:6(w/w)又は5:5(w/w)である(5:5(w/w)が好ましい)、混合物である。
【0113】
本明細書に記載される固体分散体又は粒子を調製するためのARN−509の好ましい結晶形態は、無水結晶形態である形態Bである(下文を参照のこと、また、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/184681号も参照のこと)。
【0114】
本発明の別の目的は、特に錠剤又はカプセルの形態の、本明細書に記載される医薬製剤の調製プロセスであって、治療的に有効な量の本明細書に記載される固体分散体又は粒子を、製薬的に許容される担体とブレンドすること、及び該ブレンド物を錠剤に圧縮すること又は該ブレンド物をカプセルに充填することを特徴とする、調製プロセス、を提供することである。
【0115】
更に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などに罹患した哺乳類、特にヒトに投与、特に経口投与するための医薬製剤を調製する際に使用するための、本明細書に記載される固体分散体又は粒子に関する。
【0116】
更に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などに罹患した哺乳類、特にヒトに投与、特に経口投与するための医薬製剤を調製するための、本明細書に記載される固体分散体又は粒子の使用に関する。
【0117】
本発明はまた、哺乳類、特にヒトにおける、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療方法に関し、該治療方法は、有効抗癌量の本明細書に記載される医薬製剤を、哺乳類、特にヒトに、特に経口的に投与することを含む。
【0118】
本発明は、更に、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などを治療するための薬剤の製造のための、本明細書中で特定される医薬製剤の使用に関する。又は、代替的に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療で用いるための、本明細書中で特定される医薬製剤に関する。
【0119】
本発明はまた、容器と、本明細書に記載される医薬製剤と、パッケージに付随する指示書とを含む、商業的販売に適した製薬学的パッケージに関する。
【0120】
本明細書において数値に関連して使用される「約」という用語は、数値との関連において通常の意味を有することを意味する。必要に応じて、「約」という単語は、数値±10%、又は±5%、又は±2%、又は±1%で置き換えられてもよい。
【0121】
本明細書で引用される全ての文献は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【0122】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0123】
実施例1:ARN−509の形態
異なる(結晶)形態のARN−509を調製するために、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/184681号を参照する。異なる(結晶又は非晶質)形態のARN−509を使用して、本発明による固体分散体、粒子、又は製剤を調製することができる。
【0124】
本発明による固体分散体、粒子、又は製剤の調製に用いるためのARN−509の好ましい形態は、ARN−509の形態Bであり、形態Bは無水結晶である。形態Bを、ARN−509の形態A(回折データを含む国際公開第2013/184681号を参照する)をUSP水に懸濁させ、スラリーを55±5℃まで加熱し、この温度で少なくとも24時間保持した後、スラリーを25±5℃まで冷却することによって調製した。得られたスラリーを濾過し、湿ケーキをUSP水で1回洗浄した。湿ケーキをフィルタから取り出し、真空下で乾燥させて、ARN−509の形態Bを得た。以下の実施例2の参照も行う。
【0125】
形態Aの溶解度:水に対して0.01mg/mL。
【0126】
形態Bの溶解度:水に対して0.004mg/mL。
【0127】
(実施例2)
ARN−509の形態Bの特性評価
粉末XRD
PANalytical(Philips)X’PertPRO MPD回折計上でX線粉末回折(XRPD)分析を行なった。機器にはCu LFF X線管が備えられている。
【0128】
化合物をゼロバックグラウンド試料ホルダー上に広げた。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
ARN−509の形態BのX線粉末回折パターンは、ハローのない回折ピークを示し、この化合物が結晶性生成物として存在することを示している。ARN−509の形態BのXRDパターンを図1に示す。
【0133】
赤外分光測定(マイクロATR−IR)
好適なマイクロATRアクセサリを使用して試料を分析した。
【0134】
【表4】
【0135】
ARN−509の形態Bのスペクトルを図2に示す。
【0136】
示差走査熱量測定(DSC)
化合物を、標準的なアルミニウムのTA−Instrumentの試料皿中に移した。試料皿を適した覆いで密閉し、RCS冷却装置が備えられたTA−Instruments Q1000 MTDSC上でDSC曲線を記録した。以下のパラメータを用いた:
【0137】
【表5】
【0138】
ARN−509の形態BのDSC曲線は、生成物の溶融は194.9℃で起こり、融解熱は73J/gであったことを示している。これについては、図3を参照されたい。
【0139】
実施例3.1:ARN−509:Eudragit(登録商標)L−100−55:HPMCAS LG 1:1.5:1.5の固体分散体の調製
【0140】
【表6】
a加工中に除去
(報告した量はSDP(噴霧乾燥物)1g当たりである)
【0141】
ジクロロメタン及びメタノールを適切な容器に移し、攪拌を開始した。攪拌を継続しながら、ARN−509の形態Bをこの溶媒混合物に加え、溶解するまで攪拌した。Eudragit(登録商標)L 100−55を混合物に加え、攪拌した。HPMCAS LGを混合物に加え、この完全な混合物を一晩攪拌した。成分を完全に混合した後、混合物を、好適な噴霧乾燥機(例えば、Buchi mini噴霧乾燥機)を使用して、次のパラメータで噴霧乾燥させた:噴霧速度7.3〜7.5グラム/分、出口温度40℃〜42℃、凝縮器温度−19℃〜−20℃。噴霧乾燥物(SDP)を好適な乾燥機、例えば箱形乾燥機の中で、真空、窒素流、及び乾燥温度40℃を用いて乾燥させた。
【0142】
実施例3.1で記載したのと類似の方法で、次の噴霧乾燥物を調製した。
ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LGのSDP:1:0.75:2.25(ジクロロメタン/メタノール40/60中の混合物から噴霧乾燥)
ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:2.25:0.75のSDP(ジクロロメタン/メタノール50/50中の混合物から噴霧乾燥)
【0143】
実施例3.2:ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:1.5:1.5の固体分散体を含む錠剤の調製
【0144】
【表7】
(錠剤1つ当たりの量)
【0145】
SDP、ケイ化微結晶セルロースの一部(2955/4124)、コロイド無水シリカの一部(10/13)、及びクロスカルメロースナトリウムの一部(1/2)を篩別し(950μm)、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。好適な圧縮技術を用いて乾燥粒状物を形成した。ケイ化微結晶セルロースの残り(1169/4124)、コロイド無水シリカ(3/13)、及びクロスカルメロースナトリウム(1/2)を篩別し、乾燥粒状物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0146】
実施例3.2で記載したのと類似の方法で、次の錠剤3.3及び3.4を調製した。
【0147】
【表8】
(錠剤1つ当たりの量)
【0148】
【表9】
(錠剤1つ当たりの量)
【0149】
実施例4.1:高温溶融押出(HME)によるARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:1.5:1.5の固体分散体の調製
【0150】
【表10】
(報告した量はHME品1g当たりである。)
【0151】
HPMCAS LG、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びARN−509の形態Bを、好適な容器の中で好適なブレンダーを使用してブレンドした。高温溶融押出は、好適な押出機において、最高温度165℃、スクリュー速度80rpmで行われた。高温溶融押出物を収集し、好適なミルで摩砕した。摩砕された高温溶融押出物を、好適な篩を使用して篩別した。
【0152】
実施例4.2:ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:1.5:1.5の固体分散体を含む錠剤の調製
【0153】
【表11】
(錠剤1つ当たりの量)
【0154】
ケイ化微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド無水シリカ、及び高温溶融押出物を篩別し(950μm)、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0155】
実施例5.1:高温溶融押出(HME)によるARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:0.75:2.25の固体分散体の調製
【0156】
【表12】
(報告した量はHME品1g当たりである。)
【0157】
HPMCAS LG、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びARN−509の形態Bを、好適な容器の中で好適なブレンダーを使用してブレンドした。高温溶融押出は、好適な押出機において、最高温度170℃、スクリュー速度80rpmで行われた。高温溶融押出物を収集し、好適なミルで摩砕した。摩砕された高温溶融押出物を、好適な篩を使用して篩別した。
【0158】
実施例5.2:ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:0.75:2.25の固体分散体を含む錠剤の調製
【0159】
【表13】
(錠剤1つ当たりの量)
【0160】
ケイ化微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド無水シリカ、及び高温溶融押出物を篩別し(950μm)、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0161】
実施例6.1:高温溶融押出(HME)によるARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:2.25:0.75の固体分散体の調製
【0162】
【表14】
(報告した量はHME品1g当たりである。)
【0163】
HPMCAS LG、Eudragit(登録商標)L 100−55、及びARN−509の形態Bを、好適な容器の中で好適なブレンダーを使用してブレンドした。高温溶融押出は、好適な押出機において、最高温度165℃、スクリュー速度80rpmで行われた。高温溶融押出物を収集し、好適なミルで摩砕した。摩砕された高温溶融押出物を、好適な篩を使用して篩別した。
【0164】
実施例6.2:ARN−509:Eudragit(登録商標)L 100−55:HPMCAS LG:1:2.25:0.75の固体分散体を含む錠剤の調製
【0165】
【表15】
(錠剤1つ当たりの量)
【0166】
ケイ化微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド無水シリカ、及び高温溶融押出物を篩別し(950μm)、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0167】
実施例7:インビトロでの溶解試験
溶解方法
錠剤を300mLのペプシン不含模擬胃液(Simulated Gastric Fluid sine pepsin)の中に15分間入れ、パドルの回転速度を100rpm(1分当たりの回転数)とし、その後900mLの絶食時模擬腸液(Fasted State Simulated Intestinal fluid)の中に入れ、パドルの回転速度を100rpmとした。ARN−509の溶解%を、UHPLC紫外線(UV)検出を用いて242nmにて測定した。
【0168】
容器当たりの適用量は120mgであった。60mgの錠剤を用いた。容器当たり2つの錠剤。
【0169】
【表16】


以下の態様を包含し得る。
[1] ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを含む固体分散体。
[2] 前記分散体がARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASからなる、上記[1]に記載の固体分散体。
[3] 前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が、1:1〜1:5の範囲内である、上記[1]又は[2]に記載の固体分散体。
[4] 前記固体分散体中のARN−509:(ポリ(メタ)アクリレート共重合体及びHPMCAS)の重量比が1:3である、上記[3]に記載の固体分散体。
[5] 前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、5:95〜95:5の範囲である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[6] 前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、25:75〜75:25の範囲である、上記[5]に記載の固体分散体。
[7] 前記固体分散体中のポリ(メタ)アクリレート共重合体とHPMCASとの重量比が、50:50である、上記[6]に記載の固体分散体。
[8] ARN−509が非晶質形態で存在する、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[9] 前記分散体が固溶体である、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[10] 前記ポリ(メタ)アクリレート共重合体がEudragit(登録商標)L 100−55である、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[11] 前記HPMCASがHPMCAS LGである、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[12] 噴霧乾燥によって得る、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[13] 高温溶融押出によって得る、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[14] 上記[1]〜[13]のいずれか一項で定義されている固体分散体からなる粒子。
[15] 上記[1]〜[13]のいずれか一項で定義されている固体分散体を含む粒子。
[16] 製薬的に許容される担体と、上記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の固体分散体と、を含む、医薬製剤。
[17] 製薬的に許容される担体と、上記[14]又は[15]に記載の粒子と、を含む、医薬製剤。
[18] 前記製剤が錠剤である、上記[16]又は[17]に記載の製剤。
[19] 経口投与に適している、上記[18]に記載の製剤。
[20] ARN−509、ポリ(メタ)アクリレート共重合体、及びHPMCASを好適な溶媒中で混合する工程と、前記混合物を噴霧乾燥させる工程と、を含む、上記[12]に記載の固体分散体を調製するためのプロセス。
[21] 前記適切な溶媒が、ジクロロメタンとメタノールの混合物である、上記[20]に記載のプロセス。
[22] 前記混合物中のジクロロメタンとメタノールとの重量比が50:50である、上記[21]に記載のプロセス。
[23] 前立腺癌の治療のための薬剤を調製するための、上記[16]〜[19]のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
[24] 前記薬剤が経口投与用である、上記[23]に記載の使用。
図1
図2
図3