【文献】
'アセスルファムカリウム',「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」,[online], 09-09-2015 uploaded,[Retrieved on 14-10-2020],Retrieved from the internet: <URL:https://web.archive.org/web/2015090921590/https://ja.wikipedia.org/wiki/アセスルファム>
【文献】
'マウス(実験動物)による味の評価−人工甘味料ブレンド効果検証−’,2014 uploaded, [Retrieved on 14-10-2020], Retrieved from the Internet:<URL: naro.affric.go.jp/archive/nfri/seikatenji/files/2014_p13.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルトオリゴ糖がマルトヘキサオース及び/又はマルトヘプタオースを含み、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量が飲料に対して0.02〜0.8質量%の範囲である請求項1から3のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
飲料に対するマルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量をC質量%とするときにB:Cが1:2.5〜1:35の範囲にある請求項4または5に記載の酸性乳性飲料。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、酸性乳性飲料についておいしさを維持しつつすっきり感を向上させ、さらに、後味において感じられる甘味(甘味の後引き)を抑えることができる新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、酸性乳性飲料について、後味においてすっきりしており、感じられる甘味も抑えられている飲料を着想した。そして、鋭意研究の結果、甘味料としてマルトオリゴ糖及びアセスルファムカリウムを含有すると共に、これらの含有割合や無脂乳固形分量、糖度、pHについて所定の条件を満足する酸性乳性飲料とすることで、おいしさを維持しつつすっきり感を向上させ、さらに、後味において感じられる甘味を抑えることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] マルトオリゴ糖及びアセスルファムカリウムを含有し、
飲料に対するマルトオリゴ糖の含有割合をA質量%、飲料に対するアセスルファムカリウムの含有割合をB質量%とするときにB:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、
飲料に対する無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2である酸性乳性飲料。
[2] マルトオリゴ糖を飲料に対して0.05〜2質量%含有する[1]に記載の酸性乳性飲料。
[3] マルトオリゴ糖を飲料に対して0.07〜0.3質量%含有する[2]に記載の酸性乳性飲料。
[4] マルトオリゴ糖がマルトヘキサオース及び/又はマルトヘプタオースを含み、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量が飲料に対して0.02〜0.8質量%の範囲である[1]から[3]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[5] マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量が飲料に対して0.03〜0.12質量%の範囲である[4]に記載の酸性乳性飲料。
[6] 飲料に対するマルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量をC質量%とするときに、B:Cが1:2.5〜1:35の範囲にある[4]または[5]に記載の酸性乳性飲料。
[7] 飲料に対するアセスルファムカリウムの含有割合が0.004〜0.02質量%である[1]から[6]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[8] 無脂乳固形分量が0.1〜1.0質量%、糖度が0.5〜1.7、pHが3.6〜4.2である[1]から[7]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[9] エネルギーが20kcal/100ml以下である[1]から[8]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[10] エネルギーが5kcal/100ml以下である[9]に記載の酸性乳性飲料。
[11] 大豆多糖類を含み、飲料に対するその含有割合が0.01〜1質量%である[1]から[10]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
[12] 飲料に対する大豆多糖類の含有割合が0.01〜0.5質量%である[11]に記載の酸性乳性飲料。
[13] その少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する飲料である[1]から[12]のいずれか1つに記載の酸性乳性飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸性乳性飲料についておいしさを維持しつつすっきり感を向上させ、さらに、後味において感じられる甘味を抑えることができる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、マルトオリゴ糖及びアセスルファムカリウムを含有し、飲料に対するマルトオリゴ糖の含有割合をA質量%、飲料に対するアセスルファムカリウムの含有割合をB質量%とするときにB:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、飲料に対する無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2である酸性乳性飲料に関する。
ここで、本明細書において、酸性乳性飲料とは、そのpHが酸性(7未満)の範囲にある乳性飲料をいい、また、乳性飲料とは、乳を含む飲料をいう。
また、本明細書において、「すっきり感」とは、飲用後の後味がスットなくなるような感触であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味も含めて飲用後の後味がなくっていく感覚をいい、後味のキレともいう。また、「すっきり感」が向上した、とは飲用後の後味がより早くなくなったことを意味する。
また、本明細書において、「ボディ感」とは、「甘さの厚み」に限らず、味全体の厚みを意味する。
【0010】
本実施形態において、原材料として用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を、乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳として用いることもできる。
乳の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。
【0011】
本実施形態の酸性乳性飲料は、原材料として、乳に加えて、マルトオリゴ糖及びアセスルファムカリウムを含有する。
マルトオリゴ糖とは、グルコースを構成単位糖として、グルコース同士がα−1,4グルコシド結合で2〜10程度重合した少糖類を意味している。マルトオリゴ糖としては重合度の異なる複数の糖を挙げることができ、具体的にはマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、マルトオクタオースなどを挙げることができる。本実施形態の酸性乳性飲料に含有されるマルトオリゴ糖は、他のオリゴ糖よりも飲料のすっきり感、ボディ感を向上させることができる。
【0012】
本実施形態の飲料においては、飲料に対するマルトオリゴ糖の含有割合をA質量%、飲料に対するアセスルファムカリウムの含有割合をB質量%とするときにB:Aが1:6〜1:80の範囲にある。
さらに、当該飲料においては、飲料に対する無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2である(より好ましくは無脂乳固形分量が0.1〜1.0質量%、糖度が0.5〜1.7、pHが3.6〜4.2である)。
B:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2とすることで、飲料のおいしさを維持しつつすっきり感を向上させ、後味において感じられる甘味を抑えることができる。
さらにまた、同様の理由から、B:Aに関する範囲の下限値は1:7がより好ましく、さらに好ましくは1:8、よりさらに好ましくは1:10、一層好ましくは1:12、より一層好ましくは1:15、さらに一層好ましくは1:18であり、上限値は1:60がより好ましく、さらに好ましくは1:50、よりさらに好ましくは1:45、一層好ましくは1:40、より一層好ましくは1:30、さらに一層好ましくは1:25である。
なお、無脂乳固形分量は原材料として使用される乳の形態や量を調整することで上記の範囲に調整することができる。
また、本明細書において糖度とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えば、デジタル屈折計Rx-5000(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した本発明の飲料における可溶性固形分量を意味する。糖度は、例えば原材料におけるマルトオリゴ糖などの甘味料の量を調整することで調整することができる。
また、pHの調整は、例えば、酸味料を使用する方法、発酵乳を使用する方法、果汁を使用する方法、またはこれらの方法を併用する方法により行うことができるが、所望のpHとすることができれば特に限定されない。
【0013】
本実施形態において、飲料におけるマルトオリゴ糖の含有割合は特に限定されないが、マルトオリゴ糖を飲料に対して0.05〜2質量%含有することが、範囲外にある場合よりも糖度が0.5〜5の低糖度の飲料においてすっきり感、ボディ感を向上するため好ましく、より好ましくは0.07〜1質量%である。
さらに、同様の理由からマルトオリゴ糖の飲料に対する含有割合の下限値は0.09質量%以上がさらに好ましく、さらにより好ましくは0.15質量%であり、上限値は0.5質量%がさらに好ましく、より好ましくは0.3質量%である。
【0014】
また、本実施形態の飲料においては、飲料に含有されるマルトオリゴ糖がマルトヘキサオース及び/又はマルトヘプタオースを含み、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量が飲料に対して0.02〜0.8質量%の範囲であることが、すっきり感、ボディ感をさらに向上させる観点から好ましい。さらに、同様の理由から、当該マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量についてその上限値は、より好ましくは0.5質量%、さらに好ましくは0.3質量%、さらにより好ましくは0.2質量%、一層好ましくは0.15質量%であり、さらに好適な範囲は0.03〜0.12質量%である。
【0015】
さらにまた、本実施形態の飲料においてマルトオリゴ糖としてマルトヘキサオース及び/又はマルトヘプタオースを含む場合に、飲料に対するマルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量をC質量%とするときにB:Cが1:2.5〜1:35の範囲にあることが、すっきり感、甘味の後引き、苦味、ホディ感、全体の風味の観点から好ましい。
なお、同様の理由から、上記範囲の下限値は1:3がより好ましく、さらに好ましくは1:4、よりさらに好ましくは1:6、一層好ましくは1:7であり、上記範囲の上限値は1:20がより好ましく、さらに好ましくは1:17、よりさらに好ましくは1:15、一層好ましくは1:12、より一層好ましくは1:10である。
【0016】
また、アセスルファムカリウムの含有割合も特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、飲料に対するアセスルファムカリウムの含有割合が0.004〜0.02質量%であることがすっきり感、甘味の後引き、ボディ感の観点から好ましい。
また、同様の理由から、上記アセスルファムカリウムの含有割合の下限値は0.005質量%がより好ましく、さらに好ましくは0.006質量%、よりさらに好ましくは0.008質量%、一層好ましくは0.01質量%であり、上限値は0.015質量%がより好ましく、さらに好ましくは0.012質量%である。
【0017】
本実施形態の酸性乳性飲料は、上記成分に加えて、本発明の効果を得ることができる範囲で必要に応じて他の成分を含むようにすることができる。
例えば、本実施形態の酸性乳性飲料は、大豆多糖類を含有するようにしてもよい。
大豆多糖類は、乳蛋白質の安定化剤として知られたものが使用でき、通常、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「SM-1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)が挙げられる。
本実施形態の飲料において、大豆多糖類の含有割合は、乳の含有割合等に応じて適宜選択することができるが、飲料全量中0.01〜1質量%の範囲とすることが乳蛋白質の安定性をより高める観点から好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0018】
また、本実施形態の飲料において含有される他の成分としては、例えば、pH調整のための酸味料、果汁や、糖度調整剤、大豆多糖類以外の乳蛋白質安定化剤、高甘味度甘味料、香料、色素などが挙げられる。
【0019】
酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸又はその塩、リン酸等の無機酸又はその塩が挙げられる。
果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等の果汁が挙げられる。
糖度調整剤としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖等の糖類や、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコールや、難消化性デキストリン、寒天等の食物繊維が挙げられる。
大豆多糖類以外の乳蛋白質安定化剤としては、例えば、HMペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガムが挙げられる。このような安定化剤は、本実施形態の飲料における所望の効果に悪影響を与える場合があるので、含有させる場合にはその量は少ない方が好ましく、また、含有させないことがより好ましい。
高甘味度甘味料としては、含有されるアセスルファムカリウムに加えて、例えば、スクラロース、ステビア、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチンが挙げられる。例えば、スクラロース(0.004〜0.02質量%)及び/又はアスパルテーム(0.004〜0.02質量%)を加えて含有することも好ましい。
【0020】
本実施形態の飲料は、低カロリー飲料とするために、各原材料の種類及び含有量を調整し、そのエネルギーを制御することが好ましい。特に、本実施形態の飲料のエネルギーを20kcal/100ml以下、さらには10kcal/100ml 以下、特に5kcal/100ml以下に制御することが好ましい。また、飲料のエネルギーについて、下限値は特に限定されないが、通常、1kcal/100mlである。
20kcal/100ml以下のような低カロリー飲料においては、カロリーを抑えるために高甘味度甘味料で甘さを出す必要が生じるが、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きや苦みによりすっきり感が低下したり、ボディ感が低下したりと、様々な課題が生じる。そのため、20kcal/100ml以下のような低カロリー飲料においておいしさを維持しつつ上述のような後味の改善ができる本発明の構成を備えることが好ましい。
なお、飲料のエネルギーは原材料の組成を調整することによって設定することができる。また、飲料のエネルギーは修正アトウォーター法(蛋白質、脂質、炭水化物の量にそれぞれのエネルギー換算係数を乗じたものの総和)によって測定することができる。
【0021】
本実施形態の飲料は、容器に充填した酸性乳性飲料とすることが好ましい。容器としては、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製、紙製、アルミ製、スチール製の密封容器が挙げられる。
【0022】
本実施形態の酸性乳性飲料は、例えば、乳、マルトオリゴ糖、アセスルファムカリウムを配合し、且つ得られる飲料においてB:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2であるように原材料の組成を調整することによって製造することができる。
具体的には、例えば、乳、マルトオリゴ糖、アセスルファムカリウム、液体原料、および必要によって加えられるその他の成分を、B:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5となるように混合する工程と、得られる飲料についてpHが3.4〜4.2になるように調整する工程とを含む方法により本実施形態の飲料を製造することができる。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。乳、マルトオリゴ糖およびアセスルファムカリウムは液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
【0023】
本実施形態に係る製造方法においては、得られた飲料に対して、均質化処理や殺菌処理を行なうようにしてもよい。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5〜25℃で圧力10〜50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
また、上述のとおり本実施形態の酸性乳性飲料は容器詰飲料としてもよい。殺菌処理後の本実施形態の飲料を容器詰めの酸性乳性飲料とする方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などにより行うことができ、特に限定されない。
【0024】
本実施形態の酸性乳性飲料については販売、摂取されるときの形態も特に限定されない。例えば、液体である通常の飲料のほか、飲料(内容物の)少なくとも一部が凍結しており、当該凍結部分の一部又は全部を融解して摂取する飲料(以下、凍結飲料ともいう)であってもよい。ここで、すっきり感が向上され、甘味の後引が抑制された本実施形態の飲料を凍結させた場合には、凍結飲料を摂取したときに感じることのできる冷涼感がさらに増すため、本実施形態の酸性乳性飲料は凍結飲料とすることが好ましい。
なお、少なくとも一部が凍結している、とは、飲料(例えば容器詰飲料の内容物)中に氷が存在することをいい、例えば飲料全体が完全凍結している状態や半凍結した状態を挙げることができる。このような状態にするには、本実施形態の飲料を凝固点以下の温度、常気圧であれば、通常0℃以下、好ましくは0〜−20℃の温度範囲に保持することによって行うことができ、その温度と保持時間とを調整することにより、上記のような状態とすることができる。
凍結部分の全部を融解して摂取する、とは、飲料中に氷が存在しなくなった状態での摂取をいう。また、凍結部分の一部を融解して摂取する、とは、氷の一部が融解して生じた液体を摂取する一方で、氷がまだ飲料中に残存している状態をいう。例えば、飲料がシャーベット状となっている場合などが例示できる。
【0025】
以上、本実施形態によれば、酸性乳性飲料においてB:Aが1:6〜1:80の範囲にあり、無脂乳固形分量が0.1〜1.5質量%、糖度が0.5〜5、pHが3.4〜4.2である飲料とすることで、おいしさを維持しつつすっきり感を向上させ、さらに、後味において感じられる甘味を抑えることができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例中、大豆多糖類は商品名「SM−1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)を用い、マルトオリゴ糖は商品名「フジオリゴG67」(日本食品化工(株))を用いた。また、均質化処理は、試験室用ホモゲナイザー(型式15MR、APVゴーリン社製)を用いて、処理温度20℃、処理圧15MPaで行なった。加熱殺菌は、95℃達温殺菌を行なった。
【0027】
<実施例1>
25質量%還元脱脂粉乳(以下、脱脂乳と略す)180gに、3質量%大豆多糖類水溶液(以下、大豆多糖類水溶液と略す)267gおよび表1に示すフジオリゴG67 28gを添加して、イオン交換水を若干量加え均一になるように攪拌した。次いで、10質量%クエン酸水溶液200gを添加し十分に攪拌した。次に、10質量%食塩水溶液35g、1質量%アスパルテーム水溶液100g、1質量%アセスルファムカリウム水溶液100g、1質量%スクラロース水溶液75gを順次添加し攪拌し、香料を25g添加した。イオン交換水を用いて全量を9.5kgとした後に、10質量%クエン酸三ナトリウム水溶液(以下、クエン酸三Na水溶液と略す)120gでpHを3.90に調整した。続いて、イオン交換水を用いて全量を10kgとした後に均質化処理を行い、調合液を調製した。得られた調合液を加熱殺菌して酸性乳性飲料を得た。得られた酸性乳性飲料を、容器にホットパック充填し、室温まで水冷した。
なお、得られた酸性乳性飲料において、無脂乳固形分量(質量%):0.5、糖度:1.2、アセスルファムカリウムの含有割合(B質量%):0.010、飲料に対するマルトオリゴ糖の含有割合(A)/アセスルファムカリウムの含有割合(B):20.2、飲料に対するマルトヘキサオース及びマルトヘプタオースの合計量(C)/アセスルファムカリウムの含有割合(B):8.1、エネルギー(kcal):5、飲料に対する大豆多糖類の含有割合(質量%):0.08である。
【0028】
<参考例1〜3>
実施例1で使用したマルトオリゴ糖を、表1に示す各オリゴ糖に変更する以外は、実施例1と同様に酸性乳性飲料を調整した。
【0029】
【表1】
【0030】
得られた酸性乳性飲料について以下の評価を行った。結果を表2に示す。
<評価方法>
(1)飲料の食感評価
専門パネル6人による官能評価を実施し、以下の0点、1点、2点、3点、4点、5点、6点、7点、8点の9段階評価で点数化し、その平均値を結果とした。
<すっきり感>
8点:かなりある、6点:ある、4点:ややある、2点:わずかにある、0点:ない。
3点以上を合格として○、4点以上を好ましいとして◎とした。
<甘味の後引き>
8点:ない、6点:わずかにある、4点:ややある、2点:ある、0点:かなりある。
2点以上を合格として○、3点以上を好ましいとして◎とした。
<苦味>
8点:ない、6点:わずかにある、4点:ややある、2点:ある、0点:かなりある。
4点以上を合格として○、6点以上を好ましいとして◎とした。
<ボディ感)>
8点:かなりある、6点:ある、4点:ややある、2点:わずかにある、0点:ない。
2点以上を合格として○、4点以上を好ましいとして◎とした。
<全体の風味(おいしさ)>
8点:おいしい、6点:ややおいしい、4点:どちらとも言えない、2点:ややまずい、0点:まずい。
4点以上を合格として○、6点以上を好ましいとして◎とした。
【0031】
【表2】
【0032】
表2から理解できるように、特に実施例1において、すっきり感が向上し、後味において甘味や苦みが抑えられており、ボディ感も高く飲料のおいしさも評価が高かった。
また、表2から理解できるように、1.〜5.の評価項目いずれにおいても実施例1の酸性乳性飲料の評価が高く、これらの評価項目から得られる総合点に基づく評価でも実施例1の酸性乳性飲料が最も評価が高いといえる。
【0033】
<実施例2>
25質量%還元脱脂粉乳(以下、脱脂乳と略す)180gに、3質量%大豆多糖類水溶液(以下、大豆多糖類水溶液と略す)267gおよびフジオリゴG67 15gを添加して、イオン交換水を若干量加え均一になるように攪拌した。次いで、10質量%クエン酸水溶液200gを添加し十分に攪拌した。次に、10質量%食塩水溶液35g、1質量%アスパルテーム水溶液142g、1質量%アセスルファムカリウム水溶液140gを順次添加し攪拌し、香料を25g添加した。イオン交換水を用いて全量を9.5kgとした後に、10質量%クエン酸三ナトリウム水溶液(以下、クエン酸三Na水溶液と略す)120gでpHを3.90に調整した。続いて、イオン交換水を用いて全量を10kgとした後に均質化処理を行い、調合液を調製した。得られた調合液を加熱殺菌して酸性乳性飲料を得た。得られた酸性乳性飲料を、容器にホットパック充填し、室温まで水冷した。
【0034】
<実施例3〜5、比較例4〜5>
フジオリゴG67を表2に示す配合量に変更した。また、1質量%アセスルファムカリウム水溶液を表2に示す配合量に変更し、1質量%アスパルテーム水溶液の量を調整して甘味料の合計量を揃える以外は、実施例2と同様に酸性乳性飲料を調整した。
【0035】
調整した酸性乳性飲料について実施例1と同様に官能評価を行った。専門パネル7人による官能評価を実施し、その平均値を結果とした。結果を表3に示す。なお、以下の判定においては総合点(5つの評価により得られた点数の和)についても合格か否かの判定を行い、20点以上を合格と判断し、25点以上を好ましいと判断した。
【0036】
【表3】
【0037】
表3から理解できるとおり、実施例においてはすっきり感が向上し、後味において甘味や苦みが抑えられており、ボディ感も高く、且つ全体の風味についても4点(どちらとも言えない)より高い、5点以上であり、飲料のおいしさも維持されていた。