(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係るエンゲージメントシステムについて説明する。実施形態のエンゲージメントシステムは、アンケートにより従業員の仕事に対するエンゲージメント(ワークエンゲージメント)を評価し、エンゲージメントを向上させるための施策を提案使用とするものである。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るエンゲージメントシステムの全体構成例を示す図である。本実施形態のエンゲージメントシステムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、従業員端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
従業員端末1は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットコンピュータなど、従業員が使用するコンピュータである。
【0013】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。管理サーバ2は、従業員端末1に対して定期的に又は不定期にアンケートを送信し、アンケートに対する従業員からの回答を取得して、従業員のエンゲージメントを評価する。
【0014】
本実施形態のエンゲージメントシステムでは、仕事や個人の資源がワークエンゲージメントを高めるプロセスを示すJD−Rモデル(Job Demands-Resources Model)に基づいて、従業員のエンゲージメントに関する状態を把握する。
【0015】
図2は、JD−Rモデルを説明する図である。ワークエンゲージメントを高める組織内の要因である仕事の資源と、個人内に存在するワークエンゲージメントを高める要因である個人の資源とは相互に関連性があり、いずれも心理的ストレス反応を低下させ、ワークエンゲージメントを高めることが知られており、これは動機づけプロセスとも呼ばれる。また、仕事のストレッサー(要求度)によりストレス反応が生じるプロセスは健康障害プロセスと呼ばれるところ、仕事のストレッサーの中にも心理的ストレス反応を低減させる効果をもつものも存在する。
【0016】
職場のメンタルヘルス対策には、このようなJD−Rモデルの考え方が取り入れられている。その一例が健康いきいき職場モデル(川上憲人、「厚生労働省厚生労働科学研究費補助金,労働安全衛生総合研究事業,労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防の浸透手法に関する調査研究,平成21−23年度総合研究報告書」東京大学;川上2012)である。
図3は、健康いきいき職場モデルを説明する図である。
図3に示すモデル図及び後述する
図6乃至8に示す質問項目については、川上2012に基づく。健康いきいき職場モデルでは、「仕事の負担」(仕事のストレッサー)が心身の健康を損なう「健康障害プロセス」の他に、様々な仕事の資源が、従業員や職場(組織)のいきいきを高めるという「個人と組織の活性化プロセス」が示される。健康いきいき職場モデルにおいて、仕事の資源は、「作業レベル」、「部署レベル」、「事業場レベル」に分類される。一方で、組織レベルでの対策に焦点が当てられていることから、個人の資源は省略される。
【0017】
本実施形態のエンゲージメントシステムでは、これらの「仕事の負担」や「仕事の資源」と、アウトカムとをアンケートにより測定し、その対策を提供する。
【0018】
また、本実施形態のエンゲージメントシステムでは、アンケートに対する回答傾向の近い2人の従業員を特定し、その従業員間で異なる負担及び資源の項目を特定することができる。2人のうちアウトカムの低い方の従業員について、当該特定した項目に関する改善がなされれば、職場としてのワークエンゲージメントを高めることができる。本実施形態では、特定した項目についての改善アドバイスを提示することができる。また、本実施形態では、部署及びアウトカムの異なる2人の従業員の回答傾向が似ている場合に、アウトカムが低い方の従業員を、アウトカムが高い方の従業員の部署に異動させることで、アウトカムの向上が期待できることを提示することもできる。
【0019】
<管理サーバ2>
図4は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0020】
図5は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、評価取得部211、スコア計算部212、従業員選択部213、項目特定部214、項目出力部215、異動先候補提示部216の各機能部と、質問記憶部231、回答記憶部232、スコア記憶部233、対応策記憶部231の各記憶部とを備える。
【0021】
なお、上記各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0022】
質問記憶部231は、従業員のエンゲージメントに関する項目についての質問を記憶する。本実施形態では、従業員のエンゲージメントに関する項目は、仕事の負担、仕事の資源、及びアウトカムに係る項目が含まれる。質問記憶部231は、質問を特定するための情報(質問ID)に対応付けて、質問内容と、回答形式と、回答に応じた点数(又は点数の決定方法)を記憶することができる。例えば、ある質問については、「はい」又は「いいえ」で回答する形式とし、「はい」の場合の点数(例えば、1点)と、「いいえ」の場合の点数(例えば、0点)とを記憶することができる。また、他の質問については、度合(例えば、5点中の何点か)を回答する形式とし、その度合が点数となることを記憶するようにしてもよい。
【0023】
図6は、仕事の負担に関する項目を説明する図である。
図6に示すように、仕事の負担には、量的、質的、身体的、あるいは情緒的な負担や、対人関係、役割葛藤などの項目が含まれる。仕事の負担に関する質問としては、例えば、
図6の質問項目の例のようなものを質問記憶部231に記憶させることができる。例えば、仕事の負担に関する質問としては、例えば、「時間内に仕事が処理しきれない」、「勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない」、「からだを大変よく使う仕事だ」、「感情面で負担になる仕事だ」、「仕事のことを考えているため自分の生活を充実させられない」、「私の部署と他の部署とはうまが合わない」、「私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない」、「複数の人からお互いに矛盾したことを要求される」などが考えられる。
【0024】
図7は、仕事の資源に関する項目を説明する図である。
図7に示すように、仕事の資源には、作業レベル、部署レベル、事業場レベルの項目が含まれうる。仕事に関する作業レベルの項目に関する質問としては、例えば、「自分のペースで仕事ができる」、「自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない」、「仕事の内容は自分にあっている」、「働きがいのある仕事だ」、「自分の職務や責任が何であるか分かっている」、「仕事で自分の長所をのばす機会がある」などが考えられる。仕事に関する部署レベルの項目に関する質問としては、例えば、「上司とはどのくらい気軽に話ができますか?」、「あなたが困った時、上司はどのくらい頼りになりますか?」、「上司は、部下が能力を伸ばす機会を持てるように、取り計らってくれる」、「上司は誠実な態度で対応してくれる」、「職場の同僚とはどのくらい気軽に話ができますか?」、「あなたが困った時、職場の同僚はどのくらい頼りになりますか?」、「努力して仕事をすれば、ほめてもらえる」、「失敗しても挽回(ばんかい)するチャンスがある職場だ」、「自分の仕事に見合う給料やボーナスをもらっている」、「私は上司からふさわしい評価を受けている」、「職を失う恐れがある」などが考えられる。また、仕事に関する事業場レベルの項目に関する質問としては、「経営層からの情報は信頼できる」、「一人ひとりの価値観を大事にしてくれる職場だ」などが考えられる。
【0025】
図8は、アウトカムに関する項目を説明する図である。
図8に示すように、アウトカムに関する項目についての質問としては、例えば、「自分の仕事に誇りを感じる」、「この会社を働きがいのある会社として推薦できますか?」などが考えられる。また、
図8の例では、アウトカム以外にも、心身の健康に関する項目についても示している。
【0026】
上述したような質問内容を従業員端末1に送信してアンケートを行い、従業員からの回答に応じた点数を、カテゴリごとに集計することができる。本実施形態では、カテゴリには、上述したとおり、仕事の負担、作業レベルの仕事の資源、部署レベルの仕事の資源、事業場レベルの仕事の資源、アウトカムが含まれるものとする。
【0027】
評価取得部211は、従業員のエンゲージメントに関する複数の項目に対する従業員からの評価を取得する。本実施形態において、評価取得部211は、質問記憶部231に記憶されているレコードの全部又は一部に含まれる質問内容を従業員端末1に送信してアンケートを実施することができる。評価取得部211は、質問に対する回答(即ち、項目についての評価)を従業員端末1から受信することができる。評価取得部211は、取得した回答を回答記憶部232に登録することができる。
【0028】
回答記憶部232は、質問に対する従業員の回答を記憶する。回答記憶部232は、例えば、アンケートが行われた日時と回答した従業員を示す従業員IDとに対応付けて、質問を示す質問IDと、回答内容とを記憶することができる。
【0029】
スコア計算部212は、評価に基づいてエンゲージメントに係るアウトカムを計算する。本実施形態では、スコア兼三部212は、アウトカムに関する項目についての回答を集計することで、アウトカムのスコアを計算することができる。なお、スコア計算部212は、アウトカムに関する項目以外の項目に対する回答に基づいて、アウトカムを推測するようにしてもよい。スコア計算部212はまた、アウトカム以外のカテゴリ別のスコアも計算することができる。スコア計算部212は、計算したスコアをスコア記憶部233に登録することができる。
【0030】
スコア記憶部233は、カテゴリ別のスコアを記憶する。スコア記憶部233は、例えば、従業員を示す従業員IDと、アンケートが行われた日時とに対応付けて、集計したカテゴリ(仕事の負担、作業レベルの仕事の資源、部署レベルの仕事の資源、事業場レベルの仕事の資源、又はアウトカム)及びそのスコアを記憶することができる。
【0031】
対応策記憶部231は、項目ごとに、項目についての評価の低い従業員に対する対応策を記憶する。
【0032】
従業員選択部213は、評価の類似する第1及び第2の従業員を選択する。従業員選択部213は、全ての従業員のペアについて、例えば、回答が一致する質問の個数を類似度として、類似度の高いペアを特定することができる。また、従業員選択部213は、例えば、ある特定の従業員について、他の従業員のそれぞれについて、特定の従業員と他の従業員との上記類似度を計算するようにしてもよい。従業員選択部213は、アウトカムの差が大きく、かつ、類似度が高くなるように第1及び第2の従業員を選択するようにすることができる。
【0033】
項目特定部214は、第1及び第2の従業員で評価の異なる項目である問題項目を特定する。
【0034】
項目出力部215は、特定した問題項目を出力する。また、項目出力部215は、問題項目とともに、問題項目に対応する対応策を出力することができる。
【0035】
従業員選択部213は、部署が同じである従業員の中から、部署レベル以外の項目に対する評価(回答)が類似する第1及び第2の従業員を選択するようにすることができる。従業員選択部213は、第2の従業員のアウトカムが第1の従業員のアウトカムよりも所定値以上高く、かつ、第1及び第2の従業員の部署が異なるように、第1及び第2の従業員を選択することができる。ここで項目特定部214は、部署レベルの項目のうち第1及び第2の従業員で評価の異なるものを問題項目として特定し、項目出漁部215は、問題項目とともに、問題項目についての対応策を出力することができる。これにより、アウトカムの低い第1の従業員については、部署レベルで対応するべき項目が項目出力部215より出力され、さらに、その項目に対する対応策も出力されるようにすることができる。
【0036】
異動先候補提示部216は、従業員の異動先の候補となる部署を提案することができる。ここで、従業員選択部213は、例えば、特定の第1の従業員(例えば、アウトカムが標準値よりも低い従業員とすることができる。)について、第1の従業員と部署レベル以外の項目についての回答傾向が類似し(例えば、部署レベル以外の項目のうち、回答が同一又は値が所定値以内の差である項目の数を類似度として、類似度が所定値以上であることにより判断することができる。)、かつ、アウトカムが第1の従業員より高い、他部署の第2の従業員を選択することができる。そして、異動先候補提示部216は、第1の従業員の異動先候補として第2の従業員の部署を提案することができる。したがって、部署レベル以外の項目では回答傾向が類似している従業員のアウトカムが異なる場合に、アウトカムが高い第2の従業員の部署に、アウトカムの低い第1の従業員を異動させることにより、第2の従業員と同レベルのアウトカムまで引き上げられることが期待されるところ、そのような部署を提案することができる。ここで、異動先候提示部216は、異動先候補の部署とともに、第2の従業員のアウトカムを、第1の従業員が第2の従業員の部署に異動した場合に期待される期待アウトカムとして提示することができる。
【0037】
なお、ここで項目特定部214が、部署レベルの項目のうち、第1及び第2の従業員の回答で異なっているものを特定し、項目出力部215が、問題項目を出力することで、第1の従業員にとって部署の何が合わなかったのかを示すことができる。
【0038】
<部署内でのアウトカム向上策>
図9は、部署内での従業員のアウトカムを向上させるための情報を提示する処理の流れを説明する図である。
図9では、管理サーバ2は、従業員に対してアンケートを行い、質問記憶部231に記憶されている質問を従業員端末1に送信し、従業員からの回答を受け付けて回答記憶部232に登録していることを想定している。
【0039】
管理サーバ2は、アウトカムの低い第1の従業員を特定する(S321)。管理サーバ2は、例えば、アウトカムの最も低い従業員を特定してもよいし、アウトカムが所定値以下である従業員を提示し、その中から選択を受け付けるようにしてもよい。また、アウトカムによらず、特定の第1の従業員の指定を受け付けるようにしてもよい。
【0040】
管理サーバ2は、第1の従業員と部署が同じである従業員の中から、アウトカムが第1の従業員よりも高く、第1の従業員と部署レベルの項目についての回答が類似している第2の従業員を特定する(S322)。類似度は、例えば、回答が同一又は回答値の差が所定値以内である項目の個数とすることができるが、これに限られない。類似度が閾値以上であれば類似、閾値未満であれば非類似と判断することができる。ここで、管理サーバ2は、第2の従業員について、部署レベル以外の項目について非類似である者を選択するようにしてもよい。また、管理サーバ2は、アウトカムの差の大きさと、類似度の高さとを合わせて評価し、アウトカムが大きく、かつ、類似度が高い第2の従業員を特定するようにしてもよい。
【0041】
管理サーバ2は、部署レベル以外の項目のうち、第1及び第2の従業員で回答の異なる項目を問題項目として特定し(S323)、問題項目と、対応する対応策とを出力することができる(S324)。
【0042】
<部署異動によるアウトカム向上策>
図10は、従業員のアウトカムを向上させるような部署の異動に関する情報を提示する処理の流れを説明する図である。
図10では、管理サーバ2は、従業員に対してアンケートを行い、質問記憶部231に記憶されている質問を従業員端末1に送信し、従業員からの回答を受け付けて回答記憶部232に登録していることを想定している。
【0043】
管理サーバ2は、アウトカムの低い第1の従業員を特定する(S341)。管理サーバ2は、例えば、アウトカムの最も低い従業員を特定してもよいし、アウトカムが所定値以下である従業員を提示し、その中から選択を受け付けるようにしてもよい。また、アウトカムによらず、特定の第1の従業員の指定を受け付けるようにしてもよい。
【0044】
管理サーバ2は、第1の従業員とは部署の異なる従業員の中から、アウトカムが第1の従業員よりも高く、第1の従業員と部署レベルの回答が非類似であり、かつ、部署レベル以外の回答が類似している第2の従業員を特定する(S342)。
【0045】
管理サーバ2は、第2の従業員の部署を、第1の従業員の異動先の候補として出力するとともに、現在の第1の従業員のアウトカムを出力し、第2の従業員のアウトカムを、第1の従業員が上記部署に異動した場合に期待されるアウトカムとして出力することができる(S343)。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のエンゲージメントシステムによれば、アウトカムの低い従業員について、当該従業員にとって部署内で問題になっている項目が何かを把握することが可能であり、さらにその対応策を得ることもできる。また、従業員を異動するにあたっては、その従業員のアウトカムが向上しそうな部署を特定することが可能となる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0048】
例えば、本実施形態では、管理サーバ2は1台のコンピュータであるものとしたが、複数台のコンピュータに機能を分散させた構成とすることができる。例えば、管理サーバ2の記憶部をデータベースサーバが備えるようにし、管理サーバ2がデータベースサーバにアクセスするようにすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、部署内の第2の従業員については、第1の従業員とペアになる特定の第2の従業員との間で異なる項目を問題項目として特定するようにしたが、例えば、同じ部署で、アウトカムが第1の従業員よりも所定値以上高く、かつ、第1の従業員と部署レベルの回答が類似している第2の従業員を複数特定するようにして、所定人以上の第2の従業員との間で回答の異なる項目のみを問題項目として特定するようにしてもよい。
【0050】
また、
図10において、部署の異なる第2の従業員を選択するにあたり、管理サーバ2は、複数の第2の従業員が存在する場合には、第1の従業員とのアウトカムの差が大きいものから順に所定数の第2の従業員を特定することができる。また、管理サーバ2は、異動に関する制約を考慮することもできる。例えば、従業員ごとに、特定のスキルが必要な部署などを考慮して従業員が異動可能な部署を予め設定しておき、第2の従業員は、第1の従業員が移動可能な部署に所属している従業員の中から選択するようにすることができる。
【0051】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
従業員のエンゲージメントに関する複数の項目に対する前記従業員からの評価を取得する評価取得部と、
前記評価の類似する第1及び第2の従業員を選択する従業員選択部と、
前記第1及び第2の従業員で前記評価の異なる前記項目である問題項目を特定する特定部と、
特定した前記問題項目を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目2]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記項目には、部署レベルの第1項目と、前記部署レベル以外の第2項目とが含まれており、
前記従業員選択部は、部署が同じである前記従業員の中から、前記第2項目に対する前記評価が類似する前記第1及び第2の従業員を選択し、
前記特定部は、前記第1項目のうち前記第1及び第2の従業員で前記評価の異なるものを前記問題項目として特定すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目3]
項目2に記載の情報処理装置であって、
前記評価に基づいて前記エンゲージメントに係るアウトカムを計算するスコア計算部をさらに備え、
前記従業員選択部は、前記アウトカムの差が大きく、かつ、前記評価の類似度が高くなるように前記第1及び第2の従業員を選択すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目4]
項目2又は3に記載の情報処理装置であって、
前記項目ごとに、前記項目についての評価の低い前記従業員に対する対応策を記憶する対応策記憶部をさらに備え、
前記出力部は、前記問題項目とともに、前記問題項目に対応する前記対応策を出力すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目5]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記評価に基づいて前記エンゲージメントに係るアウトカムを計算するスコア計算部をさらに備え、
前記従業員選択部は、第2の従業員の前記アウトカムが前記第1の従業員の前記アウトカムよりも所定値以上高く、かつ、前記第1及び第2の従業員の部署が異なるように、前記第1及び第2の従業員を選択し、
前記情報処理装置はさらに、前記第1の従業員の異動先候補として前記第2の従業員の前記部署を提案する異動先候補提示部を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目6]
項目5に記載の情報処理装置であって、
前記異動先候提示部は、前記異動先候補とともに、前記第2の従業員の前記アウトカムを、前記第1の従業員が前記第2の従業員の前記部署に異動した場合に期待される期待アウトカムとして提示すること、
を特徴とする情報処理装置。
【解決手段】情報処理装置であって、従業員のエンゲージメントに関する複数の項目に対する従業員からの評価を取得する評価取得部と、評価の類似する第1及び第2の従業員を選択する従業員選択部と、第1及び第2の従業員で評価の異なる項目である問題項目を特定する特定部と、特定した問題項目を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。