特許第6831271号(P6831271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6831271カーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831271
(24)【登録日】2021年2月1日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】カーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/213 20110101AFI20210208BHJP
   B60R 21/232 20110101ALI20210208BHJP
【FI】
   B60R21/213
   B60R21/232
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-43396(P2017-43396)
(22)【出願日】2017年3月8日
(65)【公開番号】特開2018-144717(P2018-144717A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】318002149
【氏名又は名称】Joyson Safety Systems Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】杉森 栄
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−030555(JP,A)
【文献】 特開2016−041587(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/089847(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/132513(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16−21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常時は折り畳まれて車体の上部に格納されており、緊急時にサイドウィンドウに沿って膨張展開されるカーテンエアバッグにおいて、
膨張部を形成するメインパネルと、
前記メインパネルの前記サイドウィンドウ側に配置される背面に配置されるガイドパネルと、
前記メインパネルを前記車体に接続する接続部材と、を備え、
前記メインパネルは、平面展開した状態で下端が車両の前後方向に延伸する折り返し線に沿って前記背面側に折り返された折り返し部を有し、
前記ガイドパネルは、前記メインパネルに接続される上端と、前記折り返し部に接続される下端と、を有し、
前記接続部材は、前記車体に接続される第一端部と、前記折り返し部に接続される第二端部と、を有している、
ことを特徴とするカーテンエアバッグ。
【請求項2】
前記第一端部は前記車体のAピラーに接続され、前記第二端部は前記折り返し部の前端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
【請求項3】
前記第一端部は、前記メインパネルが膨張展開した状態で前記第二端部よりも上方に位置している、ことを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
【請求項4】
通常時は折り畳まれて車体の上部に格納されており、緊急時にサイドウィンドウに沿って膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグにガスを供給するインフレータと、を含むカーテンエアバッグ装置において、
前記カーテンエアバッグは、請求項1〜3の何れか一項に記載のカーテンエアバッグである、ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置に関し、特に、カーテンエアバッグの膨張展開位置の安定化に適した、カーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、一般に、衝突時や横転時等の緊急時に、エアバッグを車内で膨張展開させて乗員に生ずる衝撃を吸収するためのエアバッグ装置が搭載されている。特に、車両の横転(ロールオーバー)時等における乗員の車外放出を抑制するために、サイドウィンドウを覆うカーテンエアバッグ装置が搭載されることがある。
【0003】
かかるカーテンエアバッグ装置は、一般に、通常時は折り畳まれて車体の上部に格納されており緊急時にサイドウィンドウに沿って膨張展開されるカーテンエアバッグと、該カーテンエアバッグにガスを供給するインフレータと、を備えている。緊急時には、前記インフレータから前記カーテンエアバッグにガスが供給され、前記カーテンエアバッグが前記サイドウィンドウに沿って車内に放出され膨張展開する。
【0004】
車両の横転時や斜突(斜め衝突)時には、乗員が車両のAピラー(フロントピラー)に向かって移動することがあり、Aピラーとの衝突やAピラー近傍からの車外放出を抑制する必要がある。そこで、カーテンエアバッグを適正な位置に膨張展開するために、カーテンエアバッグの前端には、Aピラーに接続するためのテザー等の接続部材が配置されている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1に記載されたカーテンエアバッグでは、カーテンエアバッグの背面に配置されたガイドパネルに接続部材が配置され、特許文献2に記載されたカーテンエアバッグでは、カーテンエアバッグの高さ方向の略中央部に接続部材が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−91420号公報
【特許文献2】特開2015−80993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたカーテンエアバッグでは、ガイドパネルを介して間接的に膨張部を形成するメインパネルを引っ張っていることから、ガイドパネルに伸びや変形が生じることがあり、メインパネルの車長方向(前後方向)の位置をより安定させたいという課題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載されたカーテンエアバッグでは、膨張部を形成するメインパネルの略中央部を直接的に引っ張っていることから、車内側に膨張展開しようとするカーテンエアバッグがサイドウィンドウ側に引き寄せられることがあり、メインパネルの車幅方向(左右方向)の位置をより安定させたいという課題がある。
【0009】
本発明は上述した課題に鑑み創案されたものであり、膨張展開時におけるメインパネルの車長方向(前後方向)及び車幅方向(左右方向)の位置を安定させることができる、カーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、通常時は折り畳まれて車体の上部に格納されており、緊急時にサイドウィンドウに沿って膨張展開されるカーテンエアバッグにおいて、膨張部を形成するメインパネルと、前記メインパネルの前記サイドウィンドウ側に配置される背面に配置されるガイドパネルと、前記メインパネルを前記車体に接続する接続部材と、を備え、前記メインパネルは、平面展開した状態で下端が車両の前後方向に延伸する折り返し線に沿って前記背面側に折り返された折り返し部を有し、前記ガイドパネルは、前記メインパネルに接続される上端と、前記折り返し部に接続される下端と、を有し、前記接続部材は、前記車体に接続される第一端部と、前記折り返し部に接続される第二端部と、を有している、ことを特徴とするカーテンエアバッグが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、通常時は折り畳まれて車体の上部に格納されており、緊急時にサイドウィンドウに沿って膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグにガスを供給するインフレータと、を含むカーテンエアバッグ装置において、前記カーテンエアバッグは、膨張部を形成するメインパネルと、前記メインパネルの前記サイドウィンドウ側に配置される背面に配置されるガイドパネルと、前記メインパネルを前記車体に接続する接続部材と、を備え、前記メインパネルは、平面展開した状態で下端が車両の前後方向に延伸する折り返し線に沿って前記背面側に折り返された折り返し部を有し、前記ガイドパネルは、前記メインパネルに接続される上端と、前記折り返し部に接続される下端と、を有し、前記接続部材は、前記車体に接続される第一端部と、前記折り返し部に接続される第二端部と、を有していることを特徴とするカーテンエアバッグ装置が提供される。
【0012】
上述したカーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置において、例えば、前記第一端部は前記車体のAピラーに接続され、前記第二端部は前記折り返し部の前端に接続される。
【0013】
また、前記第一端部は、前記メインパネルが膨張展開した状態で前記第二端部よりも上方に位置していてもよい。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明に係るカーテンエアバッグ及びカーテンエアバッグ装置によれば、カーテンエアバッグの膨張部を形成するメインパネルの下端部を折り返し、該折り返し部に接続部材を配置したことにより、カーテンエアバッグの膨張展開時において、接続部材によりメインパネルを直接的に引っ張ることができ、膨張展開時におけるメインパネルの車長方向(前後方向)の位置を安定させることができる。
【0015】
また、カーテンエアバッグの膨張展開時において、乗員と接触する膨張部よりもサイドウィンドウ側に近い位置に接続部材が配置されていることから、膨張展開時におけるメインパネルの車幅方向(左右方向)の位置を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態に係るカーテンエアバッグを示す平面図であり、(A)はメインパネル、(B)はガイドパネル、を示している。
図2図1に示したカーテンエアバッグの製造方法を示す図であり、(A)は折り返し部を形成する第一工程、(B)はガイドパネルを接続する第二工程、(C)は図2(A)におけるC−C線断面拡大図、(D)は図2(B)におけるD−D線断面拡大図、を示している。
図3図1に示したカーテンエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は格納状態、(B)は膨張展開状態、を示している。
図4図1に示したカーテンエアバッグの膨張展開状態を示す図であり、(A)は部分拡大図、(B)は概念図、である。
図5】本発明の第二実施形態に係るカーテンエアバッグを示す平面図であり、(A)はメインパネル、(B)は第一ガイドパネル、(C)は第二ガイドパネル、を示している。
図6図5に示したカーテンエアバッグの製造方法を示す図であり、(A)は折り返し部を形成する第一工程、(B)はガイドパネルを接続する第二工程、(C)は図5(A)におけるC−C線断面拡大図、(D)は図5(B)におけるD−D線断面拡大図、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図1(A)〜図6(D)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るカーテンエアバッグを示す平面図であり、(A)はメインパネル、(B)はガイドパネル、を示している。図2は、図1に示したカーテンエアバッグの製造方法を示す図であり、(A)は折り返し部を形成する第一工程、(B)はガイドパネルを接続する第二工程、(C)は図2(A)におけるC−C線断面拡大図、(D)は図2(B)におけるD−D線断面拡大図、を示している。
【0018】
本発明の第一実施形態に係るカーテンエアバッグ1は、図1(A)〜図2(D)に示したように、膨張部21を形成するメインパネル2と、メインパネル2のサイドウィンドウ側に配置される背面22に配置されるガイドパネル3と、メインパネル2を車体に接続する接続部材4と、を備え、メインパネル2は、平面展開した状態で下端が背面22側に折り返された折り返し部23を有し、ガイドパネル3は、メインパネル2に接続される上端31と、折り返し部23に接続される下端32と、を有し、接続部材4は、車体に接続される第一端部41と、折り返し部23に接続される第二端部42と、を有している。
【0019】
メインパネル2は、例えば、図1(A)に示したように、二枚の基布を重ねて所定の縫合線2aに沿って縫合したものである。膨張部21は、縫合線2a及び留め点2bによって任意に形成されるものであり、図示した形状に限定されるものではない。
【0020】
また、メインパネル2は、膨張部21内にガスを供給するガス供給口25と、上端に配置された複数のタブ26と、を備えている。ガス供給口25には、カーテンエアバッグ1の膨張展開時にガスを放出可能なインフレータが接続される。また、タブ26は、それぞれ車体上部(例えば、ルーフサイドレール)に接続される。
【0021】
また、メインパネル2の下端部に示した一点鎖線は折り返し線Lである。折り返し線Lよりも下方の部分が折り返し部23に相当する部分である。折り返し部23は、例えば、少なくとも膨張部21の一部を含むように構成される。なお、本明細書において、説明の便宜上、折り返し線Lよりも上方の部分を本体部24と称する。
【0022】
ガイドパネル3は、例えば、図2(D)に示したように、メインパネル2の背面22に配置される。図1(A)に示したように、本体部24の高さをHa、折り返し部23の高さをHbとすれば、図1(B)に示したガイドパネル3の高さHgは、Hg=Ha−Hbに設定される(ただし、縫合代は除く)。このように、ガイドパネル3の高さHgを本体部24の高さHaよりも短く形成することにより、カーテンエアバッグ1の膨張展開時にメインパネル2の略中央部を車内側に屈曲させることができる。
【0023】
また、ガイドパネル3は、例えば、図1(B)に示したように、メインパネル2(本体部24)の背面22の略全面を覆うような外形を有しており、複数の開口部33を備えている。かかる開口部33を形成することにより、カーテンエアバッグ1の膨張展開時にメインパネル2とガイドパネル3との間に空気を流通させることができ、ガイドパネル3の貼り付きを抑制することができる。なお、ガイドパネル3の外形は、メインパネル2を屈曲させることができれば、図示した形状に限定されるものではなく、複数に分割されていてもよい。
【0024】
接続部材4は、例えば、図1(A)に示したように、車両の前後方向に延伸した短冊形状を有している。また、接続部材4は、車両前方側に位置する第一端部41と車両後方側に位置する第二端部42とを備えており、第二端部42は、折り返し部23の前端に縫合される。具体的には、第二端部42は、メインパネル2に膨張部21を形成した際に膨張部21の外周に形成される余肉部2cに縫合される。なお、接続部材4は、短冊形状に限定されるものではなく、パネル形状であってもよいし、紐形状であってもよい。
【0025】
かかるカーテンエアバッグ1は、図2(A)及び図2(C)に示したように、図1(A)に示した折り返し線Lに沿って折り返し部23がメインパネル2の背面22側に折り返される。このとき、接続部材4もメインパネル2の背面22側に折り返される。
【0026】
次に、図2(B)及び図2(D)に示したように、ガイドパネル3の上端31をメインパネル2の背面22の上部に縫合し、ガイドパネル3の下端32を折り返し部23の上部に縫合する。なお、図2(B)では、説明の便宜上、ガイドパネル3を一点鎖線で図示している。
【0027】
その後、図示しないが、カーテンエアバッグ1は、下部をロール折りするとともに上部を蛇腹折りすることによってロッド状に折り畳まれ、ラッピング部材等によって折り畳み形状が保持される。なお、カーテンエアバッグ1の折り畳み方法は、ロール折りと蛇腹折りとの組み合わせに限定されるものではない。また、図示しないが、ガス供給口25にはインフレータが接続される。
【0028】
ここで、図3は、図1に示したカーテンエアバッグの膨張展開挙動を示す図であり、(A)は格納状態、(B)は膨張展開状態、を示している。図4は、図1に示したカーテンエアバッグの膨張展開状態を示す図であり、(A)は部分拡大図、(B)は概念図、である。なお、図3(A)及び図3(B)において、説明の便宜上、車体を一点鎖線で図示している。
【0029】
本実施形態に係るカーテンエアバッグ装置10は、図3(A)及び図3(B)に示したように、カーテンエアバッグ1と、カーテンエアバッグ1にガスを供給するインフレータ5と、を備えている。カーテンエアバッグ1は、図3(A)に示したように、通常時はロッド状に折り畳まれて車体Cの上部に格納されており、図3(B)に示したように、緊急時にサイドウィンドウWに沿って膨張展開される。
【0030】
図3(B)に示したように、インフレータ5及びタブ26は車体Cのルーフサイドレールに固定され、接続部材4の第一端部41は車体CのAピラーCaに接続される。このとき、接続部材4の第一端部41は、メインパネル2が膨張展開した状態で第二端部42よりも上方に位置するように接続してもよい。このように、第一端部41を第二端部42よりも上方に配置することにより、カーテンエアバッグ1の下端を上方に引き上げることができ、接続部材4がメインパネル2の背面22側に位置した状態を保持することができる。
【0031】
車両衝突時等の緊急時には、インフレータ5が作動し、メインパネル2の膨張部21にガスが供給され、カーテンエアバッグ1は、折り畳状態が解除されて車内に放出され、図3(B)に示したように、サイドウィンドウWに沿って膨張展開する。このとき、メインパネル2には折り返し部23が形成されており、この折り返し部23にガイドパネル3が接続されていることから、例えば、図4(B)に示したように、メインパネル2は車内側に屈曲した状態に膨張展開される。
【0032】
また、カーテンエアバッグ1の折り返し部23には、接続部材4の第二端部42が縫合されていることから、図4(A)及び図4(B)に示したように、少なくとも、折り返し部23のうち接続部材4が接続された部分の余肉部2cはメインパネル2の背面22側に引っ張られる。その結果、カーテンエアバッグ1の膨張展開時には、接続部材4の第二端部42は、メインパネル2の背面22、すなわち、サイドウィンドウWとメインパネル2との間に位置することとなる。
【0033】
したがって、カーテンエアバッグ1の膨張展開時において、接続部材4によりメインパネル2を直接的に引っ張ることができ、膨張展開時におけるメインパネル2の車長方向(前後方向)の位置を安定させることができる。
【0034】
また、本体部24よりもサイドウィンドウW側に近い位置に膨張展開される折り返し部23に接続部材4が接続されていることから、メインパネル2をサイドウィンドウW側に引き寄せる張力を低減することができ、膨張展開時におけるメインパネル2の車幅方向(左右方向)の位置を安定させることができる。
【0035】
次に、本発明の第二実施形態に係るカーテンエアバッグ1について、図5(A)〜図6(D)を参照しつつ説明する。ここで、図5は、本発明の第二実施形態に係るカーテンエアバッグを示す平面図であり、(A)はメインパネル、(B)は第一ガイドパネル、(C)は第二ガイドパネル、を示している。図6は、図5に示したカーテンエアバッグの製造方法を示す図であり、(A)は折り返し部を形成する第一工程、(B)はガイドパネルを接続する第二工程、(C)は図5(A)におけるC−C線断面拡大図、(D)は図5(B)におけるD−D線断面拡大図、を示している。なお、上述した第一実施形態に係るカーテンエアバッグ1と同じ構成部品については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0036】
第二実施形態に係るカーテンエアバッグ1は、第一実施形態に係るカーテンエアバッグ1と比較して、メインパネル2に形成された膨張部21の形状及びガイドパネル3の形状が異なるものである。
【0037】
メインパネル2は、図5(A)に示したように、略X字形状の縫合線2dを有するフロントチャンバ21f及びリアチャンバ21rを備えている。かかる縫合線2dにより膨張部を形成することによって、フロントチャンバ21f及びリアチャンバ21rを立体的に膨張展開させることができ、車内側に乗員を受け止める略平面部を形成することができる。
【0038】
ガイドパネル3は、図5(B)及び図5(C)に示したように、フロントチャンバ21fに配置される第一ガイドパネル3f及びリアチャンバ21rに配置される第二ガイドパネル3rを備えている。このように、ガイドパネル3は複数のパネルに分割されていてもよい。また、第一ガイドパネル3f及び第二ガイドパネル3rのように表面積が小さい場合には、カーテンエアバッグ1の膨張展開時におけるメインパネル2の背面22への貼り付き力が弱いことから、開口部を省略してもよい。
【0039】
図5(A)に示したように、第二実施形態に係るカーテンエアバッグ1においても、折り返し線Lによってメインパネル2の背面22側に折り返される折り返し部23を有し、折り返し部23に接続部材4の第二端部42が縫合されている。折り返し部23は、図示したように、少なくとも膨張部21の一部を含むように構成される。
【0040】
かかるカーテンエアバッグ1は、図6(A)及び図6(C)に示したように、図5(A)に示した折り返し線Lに沿って折り返し部23がメインパネル2の背面22側に折り返される。このとき、接続部材4もメインパネル2の背面22側に折り返される。
【0041】
次に、図6(B)及び図6(D)に示したように、第一ガイドパネル3f及び第二ガイドパネル3rの上端31をメインパネル2の背面22の上部に縫合し、第一ガイドパネル3f及び第二ガイドパネル3rの下端32を折り返し部23の上部に縫合する。なお、図6(B)では、説明の便宜上、第一ガイドパネル3f及び第二ガイドパネル3rを一点鎖線で図示している。
【0042】
その後、図示しないが、カーテンエアバッグ1は、下部をロール折りするとともに上部を蛇腹折りすることによってロッド状に折り畳まれ、ラッピング部材等によって折り畳み形状が保持される。なお、カーテンエアバッグ1の折り畳み方法は、ロール折りと蛇腹折りとの組み合わせに限定されるものではない。また、図示しないが、ガス供給口25にはインフレータが接続される。
【0043】
第二実施形態に係るカーテンエアバッグ1の膨張展開挙動は、第一実施形態に係るカーテンエアバッグ1と実質的に同じであり、第二実施形態に係るカーテンエアバッグ1の前方部は、図4に示したように膨張展開することとなり、第一実施形態に係るカーテンエアバッグ1と同一の作用効果を有する。
【0044】
上述した第一実施形態では屈曲するように膨張展開するカーテンエアバッグ1に適用した場合について説明し、第二実施形態では立体的に膨張展開するカーテンエアバッグ1に適用した場合について説明しているが、本発明は、これらと異なる膨張部を有するカーテンエアバッグにも適用することができる。
【0045】
また、上述した第一実施形態及び第二実施形態では、接続部材4がAピラーCaとメインパネル2の前端とを接続する場合について説明しているが、接続部材4は、例えば、Cピラー又はリアピラーとメインパネル2の後端とを接続するものであってもよい。
【0046】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 カーテンエアバッグ
2 メインパネル
2a,2d 縫合線
2b 留め点
2c 余肉部
3 ガイドパネル
3f 第一ガイドパネル
3r 第二ガイドパネル
4 接続部材
5 インフレータ
10 カーテンエアバッグ装置
21 膨張部
21f フロントチャンバ
21r リアチャンバ
22 背面
23 折り返し部
24 本体部
25 ガス供給口
26 タブ
31 上端
32 下端
33 開口部
41 第一端部
42 第二端部
L 折り返し線
C 車体
Ca Aピラー
W サイドウィンドウ

図1
図2
図3
図4
図5
図6