特許第6831287号(P6831287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831287
(24)【登録日】2021年2月1日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】防水レセプタクルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20210208BHJP
【FI】
   H01R13/52 301G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-84793(P2017-84793)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-181817(P2018-181817A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】三吉 利治
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−195125(JP,A)
【文献】 実開平03−126375(JP,U)
【文献】 特開平07−220799(JP,A)
【文献】 特開平07−094234(JP,A)
【文献】 特開平11−339878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象と電気的に接続されるコンタクトと、
前記コンタクトを保持する本体と、
前記本体に外嵌された筒状のシェルと、
前記シェルの外周側に配置される筒状の防水パッキンと、
前記防水パッキンに外嵌され、相手方のプラグコネクタが嵌入される筒状の嵌合部を有するハウジングと、を備え、
前記シェルと前記防水パッキンと前記嵌合部とは同心になるように配置されており、
前記本体及び前記シェルが前記ハウジングに固定されるとともに、前記本体及び前記シェルの一部が前記嵌合部に配置され、
前記シェル及び前記防水パッキンは、前記嵌合部の開口端から前記嵌合部の奥側に向かって離間した位置に配置され、
前記シェルの外周面及び前記防水パッキンの内周面のうち、一方に係合部が設けられ、他方に前記係合部に係合される被係合部が設けられる防水レセプタクルコネクタ。
【請求項2】
前記係合部が、前記シェルの径方向外側、または、前記防水パッキンの径方向内側に突出形成される凸部であり、
前記被係合部が、前記防水パッキンの内周面から径方向外側、または、前記シェルの外周面から径方向内側に向けて後退して形成され、前記凸部を保持する凹部である請求項1に記載の防水レセプタクルコネクタ。
【請求項3】
前記係合部及び前記被係合部が、前記シェルの径方向外側に突出形成される第1凸部と、前記防水パッキンの径方向内側に突出形成され前記第1凸部に係止される第2凸部とによって構成される請求項1に記載の防水レセプタクルコネクタ。
【請求項4】
前記係合部と前記被係合部とが係合する位置における前記ハウジングの内面と前記防水パッキンとの間の径方向の距離が、前記シェルの径方向において前記係合部及び前記被係合部とが係合する係合領域の長さよりも短くなるように設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の防水レセプタクルコネクタ。
【請求項5】
前記防水パッキンは、前記嵌合部の開口側に設けられる第1筒部と、前記嵌合部の奥側に設けられる第2筒部とを有し、
前記プラグコネクタが嵌入される方向に対して垂直な方向視で、前記シェルの外周面は前記防水パッキンの前記第1筒部と重複しており、
前記係合部又は前記被係合部が前記第2筒部の内周面に形成され、
前記プラグコネクタが嵌入される方向視で、前記シェルの前記外周面と前記第1筒部の内周面との間に前記プラグコネクタのプラグハウジングの一部が挿入可能な空隙が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の防水レセプタクルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグコネクタに嵌入され接続される防水レセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
防水レセプタクルコネクタは防水性能を確保するために、通常、コネクタの嵌合部にリング状のパッキンを配設して構成されている。特許文献1に記載の技術では、コネクタ用ハウジングにおいて、筒状の嵌合部に径方向の貫通孔を複数形成し、リング状のパッキンの外周面に嵌合部の貫通孔と一体となる突出部を射出成形によって形成する構成が示されている。リング状のパッキンは、外周側に予め突出部を形成した上で、当該突出部を筒状の嵌合部の貫通孔に嵌合して固定することもできる。
【0003】
特許文献2には、ハウジングの嵌合部の内部に半径方向に突出する突起を設け、防水パッキンに当該突起が係止する段部を設けるコネクタが示されている。ハウジングの嵌合部に防水パッキンが差し込むことで、嵌合部の突起が防水パッキンの段部に係止される。これにより、防水パッキンがハウジングに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−47436号公報
【特許文献2】実開平3−40775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、コネクタ用のハウジングに対して金型を用いてパッキンを射出成形する必要がある。このため、ハウジングにパッキンを簡単に固定することができない。また、嵌合部に貫通孔を設ける必要があるため、ハウジング用の金型が複雑になる。パッキンの外周側に予め突起部を設ける構成の場合には、ハウジングの貫通孔に対するパッキンの取付けは容易になる。しかし、防水レセプタクルコネクタから相手方コネクタを引く抜かれる際にパッキンが一緒に引っ張られることがあり、その場合にはハウジングの貫通孔から突起部が離脱してパッキンが捲れてしまうおそれがある。
【0006】
特許文献2の構成では、ハウジングの嵌合部の内部に、パッキンの段部に係止する突起が形成されている。嵌合部の内部に突起を形成するには突起用の金型が別途必要となるため、ハウジングを成形するための金型の数が増す。また、突起用の金型は成形後のハウジングの嵌合部から容易に抜きだすことができない。このため、突起用の金型を分割可能な形態にすることや、特許文献2に示されるようにハウジングに突起用の金型を抜くための型抜き孔を設けて対応することになる。このように、パッキンを固定するためにハウジングに貫通孔や突起を設ける構成では、防水レセプタクルコネクタにおいてパッキンを固定する部位を設ける加工が容易ではなく、改善の余地があった。
【0007】
上記実情を鑑み、防水パッキンを簡易に固定することができる防水レセプタクルコネクタが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る防水レセプタクルコネクタの特徴構成は、接続対象と電気的に接続されるコンタクトと、前記コンタクトを保持する本体と、前記本体に外嵌された筒状のシェルと、前記シェルの外周側に配置される筒状の防水パッキンと、前記防水パッキンに外嵌され、相手方のプラグコネクタが嵌入される筒状の嵌合部を有するハウジングと、を備え、前記シェルと前記防水パッキンと前記嵌合部とは同心になるように配置されており、前記本体及び前記シェルが前記ハウジングに固定されるとともに、前記本体及び前記シェルの一部が前記嵌合部に配置され、前記シェル及び前記防水パッキンは、前記嵌合部の開口端から前記嵌合部の奥側に向かって離間した位置に配置され、前記シェルの外周面及び前記防水パッキンの内周面のうち、一方に係合部が設けられ、他方に前記係合部に係合される被係合部が設けられる点にある。
【0009】
本構成によれば、本体に外嵌される筒状のシェルの外周側に筒状の防水パッキンが配置されており、シェルの外周面及び防水パッキンの内周面のうち、一方に設けられた係合部と他方に設けられた被係合部との係合によって防止パッキンがシェルに対して固定される。シェルの外周面は加工し易い部位であるため、シェルに係合部(または被係合部)を容易に設けることができる。係合部(または被係合部)は筒状のシェルの外周において任意の箇所に配置することができる。また、シェル及び防水パッキンは、周の一部ではなく全周に亘って係合部及び被係合部を設けることもできる。また、シェルが防水パッキンに係合する係合部(被係合部)を有することで、ハウジングには防水パッキンを固定するための特別な形状は不要となる。すなわち、防水レセプタクルコネクタは、加工が容易な部材を用いて防水パッキンを簡易に固定することができる。
【0010】
本発明の他の特徴構成は、前記係合部が、前記シェルの径方向外側、または、前記防水パッキンの径方向内側に突出形成される凸部であり、前記被係合部が、前記防水パッキンの内周面から径方向外側、または、前記シェルの外周面から径方向内側に向けて後退して形成され、前記凸部を保持する凹部である点にある。
【0011】
本構成によれば、係合部がシェルの径方向外側に突出形成される凸部であり、被係合部が防水パッキンの内周面から径方向外側に向けて後退して形成される凹部である。逆に、係合部が防水パッキンの径方向内側に突出形成される凸部であり、被係合部がシェルの外周面から径方向内側に向けて後退して形成される凹部でもよい。このような凸部及び凹部が係合して凸部が凹部に保持されることで、シェルに防水パッキンを確実に固定することができる。また、凸部と凹部とは形状が簡単であるため、シェル及び防水パッキンに係合部及び被係合部としての凸部及び凹部を簡易に設けることができる。
【0012】
本発明の他の特徴構成は、前記係合部及び前記被係合部が、前記シェルの径方向外側に突出形成される第1凸部と、前記防水パッキンの径方向内側に突出形成され前記第1凸部に係止される第2凸部とによって構成される点にある。
【0013】
本構成によれば、係合部及び被係合部が、シェルの径方向外側に突出形成される第1凸部と防水パッキンの径方向内側に突出形成される第2凸部であるので、第1凸部と第2凸部とを係合させることで、ハウジングの嵌合部に防水パッキンを確実に固定することができる。また、凸部は形状が簡単であるため、シェルの外周面及び防水パッキンの内周面に係合部及び被係合部としての凸部を簡易に設けることができる。
【0014】
本発明の他の特徴構成は、前記係合部と前記被係合部とが係合する位置における前記ハウジングの内面と前記防水パッキンとの間の径方向の距離が、前記シェルの径方向において前記係合部及び前記被係合部とが係合する係合領域の長さよりも短くなるように設定されている点にある。
【0015】
シェルと防止パッキンとが係合状態であれば、防水パッキンのうちシェルに係合する位置に対応する外周面がハウジングの内面から離間して配置されたとしても、防水パッキンはシェルに保持される。ただし、この場合、防水パッキンの内側で接続状態にある相手方のプラグコネクタが防水レセプタクルコネクタから引き抜かれた際に、防水パッキンがプラグコネクタと同方向に引っ張られて防水パッキンが径方向外側に拡げられることがあり、最悪の場合、防水パッキンはシェルとの係合が外れて離脱するおそれがある。
【0016】
そこで、本構成では、係合部と被係合部とが係合する位置におけるハウジングの内面と防水パッキンとの間の径方向の距離が、シェルの径方向において係合部及び被係合部とが係合する係合領域の長さよりも短くなるように設定されている。このように設定すると、防水パッキンが引っ張られて防水パッキンが径方向外側に拡げられたとしても、シェルと防水パッキンとの係合領域は確保されるため、防水パッキンがシェルから離脱することはなく、シェルによって防水パッキンを安定的に保持することができる。
本発明の他の特徴構成は、前記防水パッキンは、前記嵌合部の開口側に設けられる第1筒部と、前記嵌合部の奥側に設けられる第2筒部とを有し、前記プラグコネクタが嵌入される方向に対して垂直な方向視で、前記シェルの外周面は前記防水パッキンの前記第1筒部と重複しており、前記係合部又は前記被係合部が前記第2筒部の内周面に形成され、前記プラグコネクタが嵌入される方向視で、前記シェルの前記外周面と前記第1筒部の内周面との間に前記プラグコネクタのプラグハウジングの一部が挿入可能な空隙が設けられている点にある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の防水レセプタクルコネクタの側断面である。
図2】第1実施形態の防水レセプタクルコネクタの斜視図である。
図3】第1実施形態の防水レセプタクルコネクタの分解斜視図である。
図4図1の防水レセプタクルコネクタの要部拡大図ある。
図5】第2実施形態の防水レセプタクルコネクタの要部拡大図ある。
図6】第3実施形態の防水レセプタクルコネクタの要部拡大図ある。
図7】第4実施形態の防水レセプタクルコネクタの要部拡大図ある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1図3に示すように、防水レセプタクルコネクタ100は、ハウジング10と、コネクタ20と、防水パッキン(以下、パッキンと称する)30とを備える。
【0020】
ハウジング10は、箱状のベース部11と、筒状の嵌合部12とを備える。ベース部11は、側壁部13と、上面部14とを有する。上面部14には、当該上面部14を貫通すする状態で嵌合部12が設けられている。嵌合部12には、図2に示される、相手方のプラグコネクタ110が嵌入される。嵌合部12には、相手方のプラグコネクタ110のプラグハウジング111の形状に対応するよう、周方向にスリット12a及び係合孔12bが複数(図2ではスリット12aが5つと係合孔12bが2つ)設けられている。
【0021】
コネクタ20は、接続対象と電気的に接続されるコンタクト21と、本体22とを備える。コンタクト21は絶縁体等で構成された本体22に保持されている。コンタクト21は、一端が本体22の上面から突出し、他端が本体22の下面から突出している。本体22は筒状のシェル23によって外嵌されている。シェル23は、本体22を外嵌する第1筒部24と、コンタクト21の周囲を覆う第2筒部25とを備える。本実施形態では、第1筒部24の径が第2筒部25の径よりも大きい。本体22の形状に応じて、第1筒部24の径と第2筒部25の径を同じにしてもよい。
【0022】
コネクタ20及びシェル23は、ベース部11及び嵌合部12の内部に収容され、ハウジング10のベース部11の内部に固定される。本体22を含むコネクタ20及びシェル23は大部分がベース部11に収容されており、コンタクト21の一端が嵌合部12に位置するように配置され、コンタクト21の他端はベース部11の裏面から突出するように配置されている。
【0023】
パッキン30は、筒状に形成されてシェル23の外周側に配置される。パッキン30は、嵌合部12の開口側に設けられる第1筒部31と、嵌合部12の奥側に設けられる第2筒部32とを備える。第1筒部31は、内周面31a及び外周面31bが凹凸形状である。
【0024】
相手方のプラグコネクタ110のプラグハウジング111が嵌合部12に嵌合されると、パッキン30の内周面31aにプラグハウジング111が当接し、パッキン30の外周面31bはハウジング10の内面10aに押圧される。これにより、ハウジング10の内面10aとプラグハウジング111の外周面との間がパッキン30により密閉される。その結果、防水レセプタクルコネクタ100においてパッキン30による防水機能が発揮される。
【0025】
図4に示すように、シェル23の外周面に係合部26が設けられ、パッキン30の内周面に係合部26と係合する被係合部33が設けられる。係合部26は、シェル23の第1筒部24の上端に設けられており、第1筒部24の上端に立設される基部27と、シェル23の径方向に突出形成される係止爪部28とを備える。基部27及び係止爪部28はシェル23の外周面において全周に亘って設けられている。
【0026】
被係合部33は、パッキン30の第2筒部32に設けられている。本実施形態では、被係合部33は、凹部34と第2係止爪部35とによって構成されている。凹部34は第2筒部32の上部においてシェル23の径方向外方に後退するよう形成されている。第2係止爪部35は、第2筒部32の下部において凹部34よりも径方向内側に突出形成されている。凹部34及び第2係止爪部35は第2筒部32の内周面において全周に亘って設けられている。
【0027】
パッキン30は、嵌合部12に挿入された後に係合部26と被係合部33とが係合することで、シェル23及び嵌合部12に対して固定される。係止爪部28の外周側には、ベース部11に近づくにつれてシェル23の径方向外方に迫り出す傾斜面28aが設けられ、第2係止爪部35の内周側には、ベース部11に近づくにつれてシェル23の径方向外方に後退する傾斜面35aが設けられている。パッキン30は、傾斜面35aがシェル23の傾斜面28aに当接することで拡径しつつベース部11に向けて案内され、その後に係合部26と被係合部33とが係合する。具体的には、パッキン30の第2係止爪部35がシェル23の係止爪部28を乗り越えることで、第2係止爪部35に設けられた係止面35cに係止爪部28が係止されて係合状態になる。このとき、係合部26の外周面27aと第2筒部32(被係合部33)の内周面32aが当接する。同時に、シェル23の係止爪部28はパッキン30の凹部34に係合されて保持される。
【0028】
このように、シェル23において外周面に設けられた係合部26と、パッキン30において内周面に設けられた被係合部33とが係合することで、パッキン30はシェル23に安定的に固定される。シェル23の外周面は内周面に比べて加工し易い部位であるため、シェル23に係合部26を容易に設けることができる。また、シェル23がパッキン30に係合する係合部26を備えることで、ハウジング10にはパッキン30を固定するための特別な形状は不要となる。すなわち、防水レセプタクルコネクタ100は、加工が容易な部材を用いて簡易にパッキン30を固定することができる。
【0029】
〔第2実施形態〕
本実施形態では、図5に示すように、シェル23の外周側には係合部26として係止爪部28(第1凸部の一例)が設けられ、パッキン30の内周側には被係合部33として第2係止爪部35(第2凸部の一例)が設けられている。すなわち、本実施形態では、第1実施形態とは異なり、パッキン30の内周側には被係合部としての凹部は設けられていない。このように、被係合部33が凸部である第2係止爪部35のみで構成することで、被係合部33の構成を簡素にすることができる。
【0030】
〔第3実施形態〕
本実施形態では、図6に示すように、シェル23の外周側には、係合部26として、基部41と、径方向に突出形成される凸部42とが設けられている。一方、パッキン30の内周側には、被係合部33として、径方向に後退して形成され、凸部42を保持する凹部43が設けられている。凸部42は、凹部43との係合を容易にするために、外周面42aがR状に形成されている。
【0031】
〔第4実施形態〕
本実施形態では、パッキン30は、第2筒部32の外周面32bがハウジング10の内面10aから離間した状態で配置されている。パッキン30がシェル23に係合している状態であれば、パッキン30はシェル23によって保持される。ただし、この場合、接続状態にある相手方のプラグコネクタ110が防水レセプタクルコネクタ100から引き抜かれた際に、パッキン30が引っ張られてパッキン30が径方向外側に拡げられることがあり、パッキン30はシェル23との係合が外れて離脱する可能性がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、係合部26と被係合部33とが係合する位置(図7の領域T)におけるハウジング10の内面10aとパッキン30の外周面32bとの間の距離L1が、シェル23の径方向において係合部26及び被係合部33とが係合する係合領域Eの距離L2よりも短くなるように設定されている。このように設定すると、パッキン30が引っ張られてパッキン30が径方向外側に拡げられたとしても距離L1までしか拡げられず、シェル23とパッキン30との係合領域Eは確保される。その結果、シェル23によってパッキン30を安定的に保持することができる。
【0033】
〔他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、シェル23に係合部26として係止爪部28(凸部42)を設け、パッキン30に被係合部33として凹部34(凹部43)を設ける例を示したが、シェル23に被係合部を設け、パッキン30に係合部が設けられてもよい。すなわち、パッキン30の内周側に係合部としての凸部を設け、シェル23の外周側に被係合部としての凹部を設けてよい。
【0034】
(2)上記の実施形態では、シェル23の外周面及びパッキン30の内周面が、全周に亘って係合部26及び被係合部33を有する例を示した。これに代えて、係合部26及び被係合部33は、シェル23(又はパッキン30)において、全周のうちの一部に設けてもよい。ただし、この場合には、係合部26及び被係合部33は周方向においてバランスよく配置する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、パッキンを有する防水レセプタクルコネクタにおいて広く利用することできる。
【符号の説明】
【0036】
10 :ハウジング
10a :内面
12 :嵌合部
20 :コネクタ
21 :コンタクト
22 :本体
23 :シェル
24 :第1筒部
25 :第2筒部
26 :係合部
26a :外周面
27 :基部
28 :係止爪部(第1凸部)
30 :パッキン(防水パッキン)
31 :第1筒部
31a :内周面
31b :外周面
32 :第2筒部
32a :内周面
32b :外周面
33 :被係合部
34 :凹部
35 :第2係止爪部(第2凸部)
35c :係止面
100 :防水レセプタクルコネクタ
L1 :距離
L2 :距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7