(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記車速が前記第1速度範囲の速度である場合、前記第2比率が0になるように前記モータを制御する、請求項5〜9のいずれか一項に記載の自転車用制御装置。
前記制御部は、前記車速が第1速度範囲の速度よりも小さい第7速度範囲の速度である場合、前記比率が第3比率になるように前記モータを制御する、請求項3〜12のいずれか一項に記載の自転車用制御装置。
前記制御部は、前記車速が第1速度範囲の速度よりも小さく、0km/hの前記車速を含む第8速度範囲において、前記車速の増加に応じて、前記比率を増加させる、請求項3〜15のいずれか一項に記載の自転車用制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
走行状態に応じて好適にモータを制御できる自転車用制御装置が望まれている。
本発明の目的は、走行状態に応じて好適にモータを制御できる自転車用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う自転車用制御装置の一形態は、自転車の推進をアシストするモータを制御する制御部を含み、前記制御部は、前記自転車の車速が増加することによって前記車速が第1速度になった場合、前記第1速度において、前記自転車に入力される人力駆動力に対する前記モータの出力の比率が第1比率になるように前記モータを制御し、前記自転車の車速が減少することによって前記車速が前記第1速度になった場合、前記第1速度において、前記比率が第1比率とは異なる第2比率になるように前記モータを制御する。
上記第1側面に従えば、自転車の車速が増加することによって車速が第1速度になった場合と、自転車の車速が減少することによって車速が第1速度になった場合とで、自転車に入力される人力駆動力に対するモータの出力の比率を異ならせることができるので、走行状態に応じて好適にモータを制御できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の自転車用制御装置において、前記第2比率は、前記第1比率よりも小さい。
上記第2側面に従えば、自転車の車速が増加して第1速度になる場合よりも、自転車の車速が減少して第1速度になる場合の方が、比率が小さくなる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の自転車用制御装置において、前記第1速度は、第1速度範囲に含まれ、前記制御部は、前記自転車の車速が増加することによって前記第1速度範囲に入ると、前記第1速度において、前記比率が前記第1比率になるように前記モータを制御し、前記自転車の車速が減少することによって前記第1速度範囲に入ると、前記第1速度において前記比率が前記第2比率になるように前記モータを制御する。
上記第3側面に従えば、第1速度において走行状態に応じて好適にモータを制御できる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記車速が第1速度範囲の速度よりも大きい場合、前記モータを停止する。
上記第4側面に従えば、第1速度範囲の速度よりも大きい速度において、モータによるアシストを停止できる。
【0009】
前記第3または第4側面に従う第5側面の自転車用制御装置において、前記第1速度は、前記第1速度範囲の全ての速度を含む。
上記第5側面に従えば、自転車の車速が増加することによって車速が第1速度範囲に入った場合と、自転車の車速が減少することによって車速が第1速度範囲に入った場合とで、自転車に入力される人力駆動力に対するモータの出力の比率を異ならせることができるので、第1速度範囲において走行状態に応じて好適にモータを制御できる。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の自転車用制御装置において、前記車速が前記第1速度範囲の速度である場合、前記車速が増加するにつれて、前記第1比率が小さくなる。
上記第6側面に従えば、車速が第1速度範囲にある場合、車速が増加すると、第1比率を小さくすることができる。
【0011】
前記第6側面に従う第7側面の自転車用制御装置において、前記第1速度範囲は、第2速度範囲と、前記第2速度範囲よりも速度が高い第3速度範囲とを含み、前記第2速度範囲における前記車速の変化に対する前記第1比率の変化率は、前記第3速度範囲における前記車速の変化に対する前記第1比率の変化率よりも小さい。
上記第7側面に従えば、車速に応じて第1比率を小さくする場合であっても、車速の変化に対する第1比率の変化率を一定とする場合と比較して、第1速度範囲の高い速度まで第1比率の低下を抑制することができる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の自転車用制御装置において、前記第2速度範囲は、前記第3速度範囲よりも広い。
上記第8側面に従えば、第1速度範囲のうちの速度に応じて第1比率の変化しにくい第2速度範囲が広いため、第1速度範囲のできるだけ高い速度まで第1比率の低下を抑制することができる。
【0013】
前記第5〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の自転車用制御装置において、前記車速が前記第1速度範囲の速度である場合、前記車速が増加するにつれて、前記第2比率が小さくなる。
上記第9側面に従えば、車速が第1速度範囲にある場合、車速が増加すると、第2比率を小さくすることができる。
【0014】
前記第9側面に従う第10側面の自転車用制御装置において、前記第1速度範囲は、第4速度範囲と、前記第4速度範囲よりも速度が高い第5速度範囲とを含み、前記第4速度範囲における前記車速の変化に対する前記第2比率の変化率は、前記第5速度範囲における前記車速の変化に対する前記第2比率の変化率よりも小さい。
上記第10側面に従えば、車速に応じて第2比率を小さくする場合であっても、車速の変化に対する第1比率の変化率を一定とする場合と比較して、第1速度範囲の高い速度まで第2比率の低下を抑制することができる。
【0015】
前記第9側面に従う第11側面の自転車用制御装置において、前記第1速度範囲は、前記制御部が前記第2比率を0とする第6速度範囲を含む。
上記第11側面に従えば、車速が第6速度範囲の場合にはモータを停止できる。
【0016】
前記第5〜第9側面のいずれか1つに従う第12側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記車速が前記第1速度範囲の速度である場合、前記第2比率が0になるように前記モータを制御する。
上記第12側面に従えば、車速が減少することによって第1速度範囲よりも大きい速度から第1速度範囲に入った場合にモータが駆動されない。
【0017】
前記第3〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記車速が第1速度範囲の速度よりも小さい第7速度範囲の速度である場合、前記比率が第3比率になるように前記モータを制御する。
上記第13側面に従えば、第7速度範囲に適した第3比率を設定することによって、第7速度範囲において好適にモータを制御できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の自転車用制御装置において、前記第3比率は、150%以上である。
上記第14側面に従えば、第7速度範囲において150%以上の比率になるようにモータを駆動できる。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面の自転車用制御装置において、前記第3比率は、250%以上である。
上記第15側面に従えば、第7速度範囲において250%以上の比率になるようにモータを駆動できる。
【0020】
前記第3〜第15側面のいずれか1つに従う第16側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、前記車速が第1速度範囲の速度よりも小さく、0km/hの前記車速を含む第8速度範囲において、前記車速の増加に応じて、前記比率を増加させる。
上記第16側面に従えば、0km/hの車速を含む第8速度範囲において、好適にモータを制御できる。
【0021】
前記第3〜第16側面のいずれか1つに従う第17側面の自転車用制御装置において、前記第1速度範囲の上限速度は、20km/h以上、55km/h以下である。
上記第17側面に従えば、上限速度を20km/h以上、55km/h以下とする第1速度範囲において、モータを好適に制御できる。
【0022】
前記第1〜第17側面のいずれか1つに従う第18側面の自転車用制御装置において、前記制御部は、少なくとも一部の車速において前記比率が異なる複数の動作モードで前記モータを制御可能であり、前記制御部は、前記複数の動作モードのうちの1つの動作モードで前記モータを制御している状態で、前記自転車の車速が増加することによって前記車速が第1速度になった場合、前記第1速度において、前記自転車に入力される人力駆動力に対する前記モータの出力の比率が第1比率になるように前記モータを制御し、前記自転車の車速が減少することによって前記車速が前記第1速度になった場合、前記第1速度において、前記比率が第1比率とは異なる第2比率になるように前記モータを制御する。
上記第18側面に従えば、複数の動作モードでモータを制御可能な自転車用制御装置において、モータを好適に制御できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の自転車用制御装置は、走行状態に応じて好適にモータを制御できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態)
図1を参照して、実施形態の自転車用制御装置30について説明する。自転車用制御装置30は、自転車Bに設けられる。自転車Bは、マウンテンバイクであってもよく、ロードバイクであってもよく、シティバイクであってもよい。また、自転車Bは、三輪車であってもよく、カーゴバイクであってもよく、リカンベントであってもよい。
【0026】
自転車用制御システム10は、モータ12、モータ12の駆動回路14、バッテリ18、トルクセンサ20、車速センサ24、および、自転車用制御装置30を含む。自転車用制御システム10は、好ましくは、操作部16およびクランク回転センサ22の少なくとも一方を更に含む。
【0027】
モータ12および駆動回路14は、同一のハウジング(図示略)に設けられることが好ましい。駆動回路14は、バッテリ18からモータ12に供給される電力を制御する。駆動回路14は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路14は、例えばシリアル通信によって制御部32と通信可能である。駆動回路14は、制御部32からの制御信号に応じてモータ12を駆動させる。モータ12は、自転車Bの推進をアシストする。モータ12は、電気モータを含む。モータ12は、ペダルから後輪までの人力駆動力の伝達経路、または、前輪に回転を伝達するように設けられる。モータ12は、自転車Bのフレーム、後輪、または、前輪に設けられる。一例では、モータ12は、クランク軸からフロント回転体までの動力伝達経路に結合される。モータ12とクランク軸との間の動力伝達経路には、クランク軸を自転車Bが前進する方向に回転させた場合にクランクの回転力によってモータ12が回転しないようにワンウェイクラッチ(図示略)が設けられるのが好ましい。モータ12および駆動回路14が設けられるハウジングには、モータ12および駆動回路14以外の構成が設けられてもよく、例えばモータ12の回転を減速して出力する減速機が設けられてもよい。
【0028】
操作部16は、ユーザが操作可能である。操作部16は、自転車Bの推進をアシストするモータ12の制御モードを変更するように構成される。制御モードは、人力駆動力に応じてモータ12を駆動するアシストモードを含む。アシストモードは、人力駆動力をアシストするアシスト力の強さの異なる複数のアシストモードを含むことが好ましい。制御モードはモータ12を駆動しないオフモード、および操作部16の操作に応じてモータ12を駆動するウォークモードの少なくとも一方をさらに含んでいてもよい。操作部16は、自転車Bのハンドルバーに取り付けられる。操作部16は、例えば操作部材と、操作部材の動きを検出するセンサと、センサの出力信号に応じて、制御部32と通信を行う電気回路とを含む。操作部16は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。操作部16は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって制御部32と通信可能である。ユーザによって操作部16が操作されることによって、操作部16は、制御部32に出力信号を送信する。操作部16は、モータ12の制御モードを変更するための1つ以上の操作部材を含む。各操作部材は、プッシュスイッチ、レバー式スイッチ、または、タッチパネルによって構成される。操作部16は、ウォークモードにおいてモータ12を駆動するための操作部材を含んでいてもよい。
【0029】
バッテリ18は、1または複数のバッテリセルを含むバッテリユニット、および、バッテリユニットを支持するバッテリホルダを含む。バッテリセルは、充電池を含む。バッテリ18は、自転車Bに搭載され、バッテリ18と有線で電気的に接続されている他の電機部品、例えば、モータ12および自転車用制御装置30に電力を供給する。バッテリ18は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。バッテリ18は、例えばPLCによって制御部32と通信可能である。バッテリ18は、フレームの外部に取り付けられてもよく、少なくとも一部がフレームの内部に収容されてもよい。
【0030】
トルクセンサ20は、人力駆動力TAに応じた信号を出力する。トルクセンサ20は、ペダルを介して駆動機構に入力される人力駆動力TAを検出する。トルクセンサ20は、クランク軸からフロント回転体までの間の人力駆動力TAの伝達経路に設けられてもよく、クランク軸またはフロント回転体に設けられてもよく、クランクアームまたはペダルに設けられてもよい。トルクセンサ20は、例えば、歪センサ、光学センサ、および、圧力センサ等を用いて実現することができる。歪センサは、歪ゲージ、磁歪センサ、および、圧電センサを含む。トルクセンサ20は、クランクアームまたはペダルに加えられる人力駆動力TAに応じた信号を出力するセンサであれば、いずれのセンサを採用することもできる。トルクセンサ20は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。トルクセンサ20は、人力駆動力TAに応じた信号を制御部32に出力する。
【0031】
クランク回転センサ22は、クランクの回転角度を検出する。クランク回転センサ22は、自転車Bのフレームまたはモータ12が設けられるハウジングに取り付けられる。クランク回転センサ22は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸またはクランク軸からフロント回転体までの間の動力伝達経路に設ける。磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを用いることによって、1つのセンサで、クランクの回転速度およびクランクの回転角度を検出することができ、構成および組立を簡略化することができる。クランク回転センサ22は、クランクの回転角度に加えて、クランクの回転速度を検出することもできる。クランク回転センサ22は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。クランク回転センサ22は、クランクの回転角度に応じた信号を制御部32に出力する。クランク回転センサ22は、クランクの回転速度のみを検出することができる構成としてもよい。
【0032】
クランク回転センサ22は、磁気センサに代えて、クランク軸またはクランクアームに設けられる加速度センサを含んでいてもよい。加速度センサの出力は、加速度センサの傾斜角度を含む。制御部32は、加速度センサの傾斜角度に応じてクランクの回転角度を演算する。
【0033】
クランク回転センサ22は、クランク軸からフロント回転体までの人力駆動力TAの伝達経路において、クランク軸と一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、クランク回転センサ22は、クランク軸とフロント回転体との間にワンウェイクラッチが設けられない場合、フロント回転体に設けられてもよい。
【0034】
車速センサ24は、車輪の回転速度を検出する。車速センサ24は、有線または無線によって制御部32と電気的に接続されている。車速センサ24は、フレームのチェーンステイに取り付けられる。車速センサ24は、制御部32と有線または無線によって通信可能に接続されている。車速センサ24は、後輪に取り付けられる磁石と車速センサ24との相対位置の変化に応じた信号を制御部32に出力する。制御部32は、車輪の回転速度に基づいて自転車Bの車速Vを演算する。車速センサ24は、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含むことが好ましい。車速センサ24は、フロントフォークに設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。
【0035】
自転車用制御装置30は、制御部32を含む。一例では、自転車用制御装置30は、記憶部34をさらに含む。制御部32は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部32は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。記憶部34には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部34は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部32および記憶部34は、例えばモータ12が設けられるハウジングに設けられる。
【0036】
制御部32は、モータ12を制御する。制御部32は、自転車Bに入力される人力駆動力TAに対するモータ12の出力TMの比率Aが所定比率AXになるようにモータ12を制御する。人力駆動力TAおよびモータ12の出力TMは、トルクで表される。制御部32は、少なくとも一部の車速Vにおいて比率Aが異なる複数の動作モードでモータ12を制御可能である。所定比率AXは、各動作モードに対応する所定比率AXを含む。動作モードが、例えば第1モード、第2モード、および、第3モードの3つの動作モードを含む場合、所定比率AXは、第1所定比率AX1、第1所定比率AX1よりも小さい第2所定比率AX2、および、第1所定比率AX1よりも小さい第3所定比率AX3を含む。第1動作モードにおける所定比率AXを、第1所定比率AX1とする。第2動作モードにおける所定比率AXを、第2所定比率AX2とする。第3動作モードにおける所定比率AXを、第3所定比率AX3とする。動作モードは、1つ動作モードのみを含んでいてもよい。
【0037】
制御部32は、操作部16からの信号に応じて所定比率AXを変更する。制御部32は、操作部16からの信号に応じて動作モードを変更することによって、所定比率AXを変更する。具体的には、制御部32は、操作部16から所定比率AXの大きい動作モードへ変更する信号が入力され、かつ、第2または第3動作モードが設定されている場合、動作モードを所定比率AXが1段階大きなモードに変更する。制御部32は、操作部16から所定比率AXの小さい動作モードへ変更する信号が入力され、かつ、第1または第2動作モードが設定されている場合、動作モードを所定比率AXが1段階小さなモードに変更する。制御部32は、第3動作モードにおいて、操作部16から所定比率AXの小さいモードへ変更する信号が入力されると、モータ12を駆動しない動作モードになる。制御部32は、モータ12を駆動しない動作モードにおいて、操作部16から所定比率AXの大きいモードへ変更する信号が入力された場合、第3動作モードでモータ12の制御を行う。
【0038】
制御部32は、自転車Bの車速Vに応じて所定比率AXを変更する。記憶部34には、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報が記憶されている。車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報は、マップ、テーブル、および、関係式の少なくとも1つを含む。制御部32は、記憶部34に記憶されている車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報に応じて、所定比率AXを変更する。記憶部34には、車速Vと動作モードと対応する所定比率AXとの関係を規定する情報が記憶されている。動作モードが複数ある場合、記憶部34には、車速Vと各動作モードと対応する所定比率AXとの関係を規定する情報が記憶されている。具体的には、記憶部34には、車速Vと第1所定比率AX1との関係を規定する情報、車速Vと第2所定比率AX2との関係を規定する情報、および、車速Vと第3所定比率AX3との関係を規定する情報が記憶されている。制御部32は、車速Vと、設定されている動作モードと対応する所定比率AXとの関係を規定する情報に応じて所定比率AXを変更する。
【0039】
車速Vが含まれる速度範囲Rに応じて、車速Vと所定比率AXとの関係は異なる。速度範囲Rは、第1速度範囲R1、第7速度範囲R7、および、第8速度範囲R8を含む。速度範囲Rは、第8速度範囲R8、第7速度範囲R7、および、第1速度範囲R1の順に速度が高くなる。第8速度範囲R8と第7速度範囲R7とは連続する。第8速度範囲R8と第7速度範囲R7とは重複せずに連続する。このため、第7速度範囲R7は、第8速度範囲R8の上限値を含まない。第7速度範囲R7と第1速度範囲R1とは連続する。第7速度範囲R7と第1速度範囲R1とは重複せずに連続する。このため、第1速度範囲R1は、第7速度範囲R7の上限値を含まない。制御部32は、車速Vが第1速度範囲R1の速度よりも大きい場合、モータ12を停止する。制御部32は、車速Vが、例えば時速24km、時速26kmおよび時速28マイルになるとモータを停止する。
【0040】
第8速度範囲R8は、車速Vが第1速度範囲R1の速度よりも小さく、0km/hの車速Vを含む。制御部32は、車速Vが第8速度範囲R8の速度である場合、比率Aが第4比率A4になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが第8速度範囲R8の速度である場合、所定比率AXを第4比率A4に設定し、比率Aが第4比率A4になるようにモータ12を制御する。制御部32は、第8速度範囲R8において、車速Vの増加に応じて、比率Aを増加させる。具体的には、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報は、第8速度範囲R8に含まれる範囲において、所定比率AXは車速Vが大きくなるほど大きくなる。
【0041】
第7速度範囲R7は、車速Vが第1速度範囲R1の速度よりも小さい。制御部32は、第7速度範囲R7の速度である場合、比率Aが第3比率A3になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが第7速度範囲R7の速度である場合、所定比率AXを第3比率A3に設定し、比率Aが第3比率A3になるようにモータ12を制御する。好ましくは、第3比率A3は、150%以上である。より好ましくは、第3比率A3は、250%以上である。一例では、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報は、第7速度範囲R7に含まれる範囲において、所定比率AXは車速Vに関わらず一定になっている。
【0042】
第1速度範囲R1の上限速度は、20km/h以上、55km/h以下である。一例では、第1速度範囲R1の下限速度は、10km/h以上、35km/h以下である。記憶部34に記憶される車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報は、自転車Bの車速Vが増加することによって第1速度範囲R1に入った場合と、自転車Bの車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入った場合とで、車速Vと所定比率AXとの関係が第1速度範囲R1に含まれる第1速度V1において異なっている。一例では、第1速度V1は、第1速度範囲R1の全ての速度を含む。
【0043】
制御部32は、自転車Bの車速Vが増加することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが増加することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、所定比率AXを第1比率A1に設定し、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。制御部32は、自転車Bの車速Vが増加することによって第1速度範囲R1に入ると、第1速度V1において、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが増加することによって第1速度範囲R1に入ると、第1速度V1において、所定比率AXを第1比率A1に設定し、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。制御部32は、複数の動作モードのうちの1つの動作モードでモータ12を制御している状態で、自転車Bの車速Vが増加することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。第1速度V1が第1速度範囲R1の全ての速度を含む場合、制御部32は、自転車Bの車速Vが増加することによって第1速度範囲R1に入ると、車速Vが第1速度範囲R1に含まれる限り、比率Aが第1比率A1になるようにモータ12を制御する。車速Vが第1速度範囲R1の速度である場合、車速Vが増加するにつれて、第1比率A1が小さくなる。第1比率A1は、第1速度範囲R1の上限速度を超えると0になる。第1比率A1は、第1速度範囲R1の下限速度で、第7速度範囲R7の上限速度の所定比率AXよりも小さい。
【0044】
第1速度範囲R1は、第2速度範囲R2と、第2速度範囲R2よりも速度が高い第3速度範囲R3とを含むことが好ましい。第2速度範囲R2と第3速度範囲R3とは車速Vが増加することによって第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を規定するための範囲である。第2速度範囲R2と第3速度範囲R3とは重複せずに連続する。このため、第3速度範囲R3は、第2速度範囲R2の上限値を含まない。第2速度範囲R2は、第3速度範囲R3よりも広いことが好ましい。第2速度範囲R2における車速Vの変化に対する第1比率A1の変化率は、第3速度範囲R3における車速Vの変化に対する第1比率A1の変化率よりも小さい。一例では、第2速度範囲R2の上限速度と下限速度との差は、10km/h以下である。一例では、第2速度範囲R2の上限速度と下限速度との差は、約5km/hである。一例では、第3速度範囲R3の上限速度と下限速度との差は、3km/h以下である。一例では、第3速度範囲R3の上限速度と下限速度との差は、約1km/hである。一例では、第2速度範囲R2は、第3速度範囲R3の3倍以上である。一例では、第2速度範囲R2は、第3速度範囲R3の約5倍である。
【0045】
制御部32は、自転車Bの車速Vが減少することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、比率Aが第1比率A1とは異なる第2比率A2になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが減少することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、所定比率AXを第2比率A2に設定し、比率Aが第2比率A2になるようにモータ12を制御する。第2比率A2は、第1比率A1よりも小さい。制御部32は、自転車Bの車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入ると、第1速度V1において比率Aが第2比率A2になるようにモータ12を制御する。具体的には、制御部32は、車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入ると、第1速度V1において、所定比率AXを第2比率A2に設定し、比率Aが第2比率A2になるようにモータ12を制御する。制御部32は、複数の動作モードのうちの1つの動作モードでモータ12を制御している状態で、自転車Bの車速Vが減少することによって車速Vが第1速度V1になった場合、第1速度V1において、比率Aが第1比率A1とは異なる第2比率A2になるようにモータ12を制御する。第1速度V1が第1速度範囲R1の全ての速度を含む場合、制御部32は、自転車Bの車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入ると、車速Vが第1速度範囲R1に含まれる限り、比率Aが第2比率A2になるようにモータ12を制御する。車速Vが第1速度範囲R1の速度である場合、車速Vが増加するにつれて、第2比率A2が小さくなる。第2比率A2は、第1速度範囲R1の上限速度を超えると0になる。第2比率A2は、第1速度範囲R1の下限速度で、第7速度範囲R7の上限速度の所定比率AXよりも小さい。
【0046】
第1速度範囲R1は、第4速度範囲R4と、第4速度範囲R4よりも速度が高い第5速度範囲R5とを含む。第4速度範囲R4と第5速度範囲R5とは車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を規定するための範囲である。第4速度範囲R4と第5速度範囲R5とは重複せずに連続する。このため、第5速度範囲R5は、第4速度範囲R4の上限値を含まない。第4速度範囲R4は、第5速度範囲R5よりも広い。一例では、第4速度範囲R4の上限速度と下限速度との差は、10km/h以下である。一例では、第4速度範囲R4の上限速度と下限速度との差は、約5km/hである。一例では、第5速度範囲R5の上限速度と下限速度との差は、3km/h以下である。一例では、第5速度範囲R5の上限速度と下限速度との差は、約1km/hである。一例では、第4速度範囲R4は、第5速度範囲R5の3倍以上である。一例では、第4速度範囲R4は、第5速度範囲R5の約5倍である。
【0047】
第2速度範囲R2と第4速度範囲R4とは、少なくとも一部が重複する。一例では、第2速度範囲R2と、第4速度範囲R4とは等しい。第3速度範囲R3と第5速度範囲R5とは、少なくとも一部が重複する。一例では、第3速度範囲R3と、第5速度範囲R5とは等しい。
【0048】
制御部32は、人力駆動力TAに応じてモータ12を制御する動作モードにおいて、モータ12が停止した状態からモータ12を駆動する場合、所定の処理を行って所定比率AXを変化させることが好ましい。所定の処理では、制御部32は、所定値以上の人力駆動力TAが入力されている状態で、所定値以上の人力駆動力TAが入力されたクランクの角度から、クランクが所定角度回転すると所定比率AXになるように、所定値以上の人力駆動力TAが入力された位置から比率Aを徐々に増加させる。
【0049】
図2は、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報の第1の例を示す。
図2に示す第1の例では、第1速度V1は、第1速度範囲R1の全ての速度を含む。
図2の実線L10は、第8速度範囲R8および第7速度範囲R7における車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図2の二点鎖線L11は、車速Vが増加することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図2の破線L12は、車速Vが減少することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図2に示す第1の例では、第4速度範囲R4における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率は、第5速度範囲R5における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率と等しい。
【0050】
図3は、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報の第2の例を示す。
図3に示す第2の例では、第1速度V1は、第5速度範囲R5の全ての速度を含み、第4速度範囲R4の速度は含まない。
図3の実線L20は、第8速度範囲R8および第7速度範囲R7における車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図3の二点鎖線L21は、車速Vが増加することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図3の破線L22は、車速Vが減少することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図3に示す第2の例では、第4速度範囲R4における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率は、第5速度範囲R5における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率よりも小さい。
【0051】
図4は、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報の第3の例を示す。
図4に示す第3の例では、第1速度V1は、第5速度範囲R5の全ての速度を含み、第4速度範囲R4の速度は含まない。
図4の実線L30は、第8速度範囲R8および第7速度範囲R7における車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図4の二点鎖線L31は、車速Vが増加することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図4の破線L32は、車速Vが減少することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図4に示す第3の例では、第1速度範囲R1は、制御部32が第2比率A2を0とする第6速度範囲R6を含む。第6速度範囲R6は、第5速度範囲R5と一致する。
【0052】
図5を参照して、所定比率AXを変更する制御について説明する。制御部32は、操作部16が操作されて人力駆動力TAに応じてモータ12を駆動する動作モードが設定されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部32は、人力駆動力TAに応じてモータ12を駆動する動作モードが設定されている限り、所定周期ごとにステップS11からの処理を実行する。
【0053】
制御部32は、ステップS11において、車速Vが第8速度範囲R8に含まれるか否かを判定する。制御部32は、ステップS11において、車速Vが第8速度範囲R8に含まれると判定した場合、ステップS12において第8速度範囲R8における車速Vと所定比率AXとの関係に応じてモータ12を制御し、処理を終了する。具体的には、制御部32は、ステップS12において、所定比率AXを第4比率A4に設定し、比率Aが第4比率A4になるように、モータ12を制御する。
【0054】
制御部32は、ステップS11において、車速Vが第8速度範囲R8に含まれないと判定した場合、ステップS13に移行する。制御部32は、ステップS13において、車速Vが第7速度範囲R7に含まれるか否かを判定する。制御部32は、ステップS13において、車速Vが第7速度範囲R7に含まれると判定した場合、ステップS14において第7速度範囲R7における車速Vと所定比率AXとの関係に応じてモータ12を制御し、処理を終了する。具体的には、制御部32は、ステップS14において、所定比率AXを第3比率A3に設定し、比率Aが第3比率A3になるように、モータ12を制御する。
【0055】
制御部32は、ステップS13において、車速Vが第7速度範囲R7に含まれないと判定した場合、ステップS15に移行する。制御部32は、ステップS15において、車速Vが第1速度範囲R1に含まれるか否かを判定する。制御部32は、ステップS15において、車速Vが第1速度範囲R1に含まれると判定した場合、ステップS16に移行する。制御部32は、車速Vが増加することによって第1速度範囲R1になったか否かを判定する。制御部32は、車速Vが増加することによって第1速度範囲R1になったと判定した場合、ステップS17において第2速度範囲R2および第3速度範囲R3における車速Vと所定比率AXとの関係に応じてモータ12を制御し、処理を終了する。具体的には、制御部32は、ステップS17において、所定比率AXを第1比率A1に設定し、比率Aが第1比率A1になるように、モータ12を制御する。
【0056】
制御部32は、ステップS16において、車速Vが増加することによって第1速度範囲R1になっていないと判定した場合、車速Vが減少することによって第1速度範囲R1になっているので、ステップS18において第4速度範囲R4および第5速度範囲R5における車速Vと所定比率AXとの関係に応じてモータ12を制御し、処理を終了する。具体的には、制御部32は、ステップS18において、所定比率AXを第2比率A2に設定し、比率Aが第2比率A2になるように、モータ12を制御する。
【0057】
制御部32は、ステップS15において、車速Vが第1速度範囲R1に含まれないと判定した場合、ステップS19に移行する。制御部32は、ステップS19において、モータ12を停止して処理を終了する。制御部32は、ステップS19においてモータ12が既に停止している場合には、モータ12の停止状態を維持する。
【0058】
制御部32は、車速Vが減少することによって第1速度範囲R1になった場合、少なくとも第1速度範囲R1の上限値および上限値付近において、第1比率A1よりも小さい第2比率A2になるようにモータ12を制御する。このため、車速Vが第1速度範囲R1の上限値をまたいで増加と減少を繰り返す場合に、比率Aの変動を小さくすることができる。このため、ユーザの乗り心地を向上させることができる。
【0059】
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用制御装置は、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
・制御部32は、車速Vが第1速度範囲R1の速度である場合、第2比率A2が0になるようにモータ12を制御してもよい。
図6は、車速Vと所定比率AXとの関係を規定する情報の第4の例を示す。
図6に示す第4の例では、第1速度V1は、第4速度範囲R4および第5速度範囲R5の全ての速度を含む。
図6の実線L40は、第8速度範囲R8および第7速度範囲R7における車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図6の二点鎖線L41は、車速Vが増加することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図6の破線L42は、車速Vが減少することによって車速Vが第1速度範囲R1に入った場合の車速Vと所定比率AXとの関係を示す。第1速度範囲R1は、制御部32が第2比率A2を0とする第6速度範囲R6を含む。第6速度範囲R6は、第1速度範囲R1の全体を含む。第6速度範囲R6は、第4速度範囲R4および第5速度範囲R5の全体を含む。
【0061】
・制御部32は、第4速度範囲R4における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率を、第5速度範囲R5における車速Vの変化に対する第2比率A2の変化率よりも大きくしてもよい。
【0062】
・制御部32は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有するようにモータ12を制御してもよい。この場合、第2速度範囲R2は、車速Vの変化に対する第1比率A1の変化率が異なる複数の速度範囲を含む。第1速度範囲R1の上限値および下限値は、各動作モードにおいて同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0063】
図7は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有する場合の車速Vと所定比率AXとの関係の第1例を示す。
図7の線L51は、第1動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図7の線L52は、第2動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図7の線L53は、第3動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図7に示す第1例では、各動作モードにおいて、制御部32は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有するようにモータ12を制御する。
【0064】
図8は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有する場合の車速Vと所定比率AXとの関係の第2例を示す。第2例では、自転車用制御装置30は、車速Vと所定比率AXとの関係において車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有する動作モードと、変曲点を有しない動作モードとを備える。
図8の線L61は、第1動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図8の線L61は、第2速度範囲R2において変曲点を有しない。
図8の線L62は、第2動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図8の線L62は、第2速度範囲R2において変曲点を有する。
図8の線L63は、第3動作モードにおける車速Vと所定比率AXとの関係を示す。
図8の線L63は、第2速度範囲R2において変曲点を有する。
図8に示す第2例では、第2動作モードおよび第3動作モードにおいて、制御部32は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の所定比率AXを、車速Vが大きくなるほど小さくし、かつ、第2速度範囲R2において変曲点を有するようにモータ12を制御する。
【0065】
・制御部32は、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合の、第1速度V1における第1比率A1を、車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入った場合の第2比率A2よりも低くしてもよい。この場合、例えば、第2比率A2を高くすることによって、上り坂等の走行負荷が高い状況下において早期にモータ12の出力を上昇させることができる。このため、走行状態に応じて好適にモータを制御できる。
【0066】
・第1速度V1は、第5速度範囲R5の一部の速度のみを含むようにしてもよい。この場合、第5速度範囲R5のうちの第1速度V1ではない速度においては、車速Vが上昇することによって第1速度範囲R1に入った場合と、車速Vが減少することによって第1速度範囲R1に入った場合とで、同一の車速Vに対して同一の所定比率AXが設定される。