特許第6831392号(P6831392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6831392表面実装機および表面実装機の水平度調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831392
(24)【登録日】2021年2月1日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】表面実装機および表面実装機の水平度調整方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20210208BHJP
【FI】
   H05K13/04 Q
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-552306(P2018-552306)
(86)(22)【出願日】2016年11月22日
(86)【国際出願番号】JP2016084666
(87)【国際公開番号】WO2018096600
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 洋平
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/033473(WO,A1)
【文献】 特開平09−129677(JP,A)
【文献】 特開2001−24400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 − 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に配設され、電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、
回転操作可能な回転操作部を有した状態に設けられ、前記回転操作部を回転させることで、前記基台に対して前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、
前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットとを備えた表面実装機であって、
前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトと、前記回転シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記調整部材の前記回転操作部に係合可能な係合部材とを有しており、
前記調整部材は、上下方向に長い軸状であり、
前記回転操作部と、前記係合部材は、前記調整部材の軸心上で係合し、
前記回転シャフトを回転させることで、前記係合部材によって前記回転操作部を回転させて前記バックアッププレートの水平度を調整する表面実装機。
【請求項2】
電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、
回転操作可能な回転操作部を有した状態に設けられ、前記回転操作部を回転させることで前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、
前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットとを備えた表面実装機であって、
前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトと、前記回転シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記調整部材の前記回転操作部に係合可能な係合部材とを有しており、
前記回転シャフトには、前記電子部品を保持もしくは解放するための負圧もしくは正圧を供給する供給路が設けられており、
前記係合部材は、一端が前記供給路と連通すると共に、前記バックアッププレートに当接した際に、他端が前記バックアッププレートに閉塞される挿通路を有し、
前記挿通路を前記バックアッププレートによって閉塞させることで、前記バックアッププレートの水平度を測定し、
前記回転シャフトを回転させることで、前記係合部材によって前記回転操作部を回転させて前記バックアッププレートの水平度を調整する表面実装機。
【請求項3】
前記回転操作部と、前記係合部材とは、前記回転操作部の軸心が延びる方向に凹凸嵌合することにより係合する請求項1または請求項2に記載の表面実装機。
【請求項4】
さらに、データを記憶するメモリを有する制御部を有し、
前記制御部は、前記バックアッププレートの水平度が、前記メモリに記憶された水平度許容値を超えた場合に、前記回転操作部を回転させることで、前記バックアッププレートの水平度を調整する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表面実装機。
【請求項5】
前記回転シャフトには、前記電子部品を保持もしくは解放するための負圧もしくは正圧を供給する供給路が設けられており、
前記供給路を前記バックアッププレートによって閉塞させることで、前記バックアッププレートの水平度を測定する請求項1に記載の表面実装機。
【請求項6】
前記係合部材は、一端が前記供給路と連通すると共に、前記バックアッププレートに当接した際に、他端が前記バックアッププレートに閉塞される挿通路を有している請求項に記載の表面実装機。
【請求項7】
前記バックアッププレートは、球面滑り軸受及び複数の前記調整部材により、下方から支持されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表面実装機。
【請求項8】
前記バックアッププレートは付勢部材を有し、
前記付勢部材により、前記バックアッププレートは下方に向けて付勢される、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表面実装機。
【請求項9】
基台上に配設され、電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、
回転操作可能な回転操作部を有した状態に設けられ、前記回転操作部を回転させることで、前記基台に対して前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、
前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットと、を備えた表面実装機の水平度調整方法であって、
前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトの先端に、上下方向に長い軸状の前記調整部材の軸心上で前記回転操作部と係合可能な係合部材を装着させ、
前記回転シャフトを回転させることにより、前記係合部材によって前記回転操作部を回転させて前記バックアッププレートの水平度を調整する表面実装機の水平度調整方法。
【請求項10】
電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、
回転操作可能な回転操作部を有し、前記回転操作部を回転させることで前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、
前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットと、を備え、
前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトと、前記回転シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記調整部材の前記回転操作部に係合可能な係合部材と、を有する表面実装機の水平度調整方法であって、
前記バックアッププレートの水平度を測定する測定ステップと、
測定された水平度が許容値を超えているか否かを確認する確認ステップと、
測定された水平度が前記許容値を超えている場合に、前記回転シャフトを回転させることで前記係合部材によって前記回転操作部を回転させ、前記バックアッププレートの水平度を調整する調整ステップと、を含み、
前記測定ステップにおいて、
前記回転シャフトに設けられた供給路に負圧を供給し、前記係合部材に設けられた挿通路の一端を前記供給路に連通し、前記係合部材の他端が前記バックアッププレートに当接して前記係合部材の他端が閉塞されると、閉塞を検知して、バックアッププレートの水平度を測定する、表面実装機の水平度調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、表面実装機および表面実装機の水平度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、基台上の位置決め部に位置決めされた基板に作業を行う電子部品実装用装置として、特開2004−235518号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。この電子部品実装用装置は、実装運転を開始する前に、作業者が基台の四隅に設けられた水平調整機構を操作して、基台の上面が水平になるように調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−235518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の電子部品実装用装置によると、作業者が手作業により、基台の調整を行っているため、作業者に起因した調整の差が生じると共に、作業者に負担となってしまう。
【0005】
本明細書では、作業者による調整の差をなくすと共に、作業者の負担を軽減する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される技術は、電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、回転操作可能な回転操作部を有した状態に設けられ、前記回転操作部を回転させることで前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットとを備えた表面実装機であって、前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトと、前記回転シャフトの先端に着脱可能に設けられ、前記調整部材の前記回転操作部に係合可能な係合部材とを有しており、前記回転シャフトを回転させることで、前記係合部材によって前記回転操作部を回転させて前記バックアッププレートの水平度を調整する構成とした。
【0007】
また、本明細書によって開示される技術は、電子部品を実装する基板が載置されるバックアッププレートと、回転操作可能な回転操作部を有した状態に設けられ、前記回転操作部を回転させることで前記バックアッププレートの水平度を調整する調整部材と、前記電子部品を前記基板に実装するヘッドユニットとを備えた表面実装機の水平度調整方法であって、前記ヘッドユニットは、前記回転操作部の回転と同一方向に回転可能な回転シャフトの先端に前記調整部材の前記回転操作部に係合可能な係合部材を装着し、前記回転シャフトを回転させることにより、前記係合部材によって前記回転操作部を回転させて前記バックアッププレートの水平度を調整する。
【0008】
このような構成の表面実装機および水平度調整方法によると、回転シャフトに係合部材を装着することで、回転シャフトの回転に伴って係合部材により調整部材の回転操作部を回転させることができるから、作業者が回転操作部を操作しなくとも、バックアッププレートの水平度を調整することができる。これにより、作業者に起因した調整の差が生じることを抑制することができると共に、作業者がバックアッププレートの水平度の調整をする負担を軽減することができる。
【0009】
本明細書によって開示される表面実装機は、以下の構成としてもよい。
前記回転操作部と、前記係合部材とは、前記回転操作部の軸心が延びる方向に凹凸嵌合することにより係合する構成としてもよい。
このような構成によると、回転操作部と係合部材とが凹凸嵌合することで、回転操作部を実装ヘッドによって確実に回転させてバックアッププレートの水平度を調整することができる。
【0010】
さらに、データを記憶するメモリを有する制御部を有し、前記制御部は、前記バックアッププレートの水平度が、前記メモリに記憶された水平度許容値を超えた場合に、前記回転操作部を回転させることで、前記バックアッププレートの水平度を調整する構成としてもよい。
【0011】
このような構成によると、制御部によってバックアッププレートの水平度が水平度許容値を超えなくなるまで、バックアッププレートの水平度の調整が行われる。つまり、バックアッププレートの水平度調整が制御部によって自動で行われるから作業者の負担を軽減することができる。
【0012】
前記回転シャフトには、前記電子部品を保持もしくは解放するための負圧もしくは正圧を供給する供給路が設けられており、前記供給路を前記バックアッププレートによって閉塞させることで、前記バックアッププレートの水平度を測定する構成としてもよい。
【0013】
このような構成によると、実装ヘッドの供給路がバックアッププレートによって塞がれて負圧もしくは正圧の供給圧が変化することに基づいてバックアッププレートの水平度を測定すると共に、バックアッププレートの水平度を調整することができる。つまり、水平度の測定から水平度の調整までの流れを全て自動化できるから、さらに作業者の負担を軽減することができる。
【0014】
前記係合部材は、一端が前記供給路と連通すると共に、前記バックアッププレートに当接した際に、他端が前記バックアッププレートに閉塞される挿通路を有している構成としてもよい。
【0015】
このような構成によると、係合部材に挿通路が設けられているから、係合部材によって水平度の測定と回転操作部の操作との双方の操作を行うことができる。これにより、水平度測定用の部材と回転操作部用の係合部材とを付け替えてバックアッププレートを水平に調整する場合に比べて、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本明細書によって開示される技術によれば、作業者による調整の差をなくすと共に、作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る表面実装機の平面図
図2】部品実装装置を正面から視た状態を示す正面図
図3】高さ調整部の上方に調整ノズルを配置した状態を示すヘッドユニットとバックアップユニットとの正面図
図4】高さ調整部の上方に調整ノズルを配置した状態を示すヘッドユニットとバックアップユニットとの側面図
図5図3のA−A線断面図
図6図3のB−B線断面図
図7】バックアップユニットの平面図
図8】高さ調整部のねじ部と調整ノズルとを嵌合させた状態を示すヘッドユニットとバックアップユニットとの正面図
図9】高さ調整部のねじ部と調整ノズルとを嵌合させた状態を示すヘッドユニットとバックアップユニットとの側面図
図10】調整ノズルが回転シャフトの下端部に装着された状態の正面図
図11】調整ノズルの側面図
図12】調整ノズルの底面図
図13】バックアッププレートの上面に調整ノズルを当接させた状態を示すヘッドユニットとバックアップユニットとの正面図
図14】表面実装機の電気的構成を示すブロック図
図15】水平調整処理のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
本明細書に開示された技術における一実施形態について図1から図15を参照して説明する。
本実施形態は、電子部品Eをプリント基板(「基板」の一例)P上に実装する表面実装機10を例示している。表面実装機10は、図1に示すように、平面視略矩形状の基台11と、基台11上にプリント基板Pを搬送する搬送コンベア12と、プリント基板P上に電子部品Eを実装するための部品実装装置20と、プリント基板Pを実装位置において支持するバックアップユニット50と、部品実装装置20に電子部品Eを供給するための部品供給装置14とを備えて構成されている。
【0019】
なお、以下の説明において、左右方向とは、図1における左右方向(基台11の長辺方向および搬送コンベア12の搬送方向)および図3における左右方向を基準とする。また、前後方向とは、図1における上下方向(基台11の短辺方向)および図4の左右方向を基準とし、図1においては図示下側を前側、図示上側を後側とし、図3においては図示左側を前側、図示右側を後側として説明する。
【0020】
基台11は、図1に示すように、搬送コンベア12、部品実装装置20およびバックアップユニット50などが配置される基台とされている。
【0021】
搬送コンベア12は、図1に示すように、基台11の前後方向の略中央部に配されており、プリント基板Pを左右方向に沿って搬送する。また、搬送コンベア12は、左右方向に循環駆動する一対のコンベアベルト13を備えており、一対のコンベアベルト13には、プリント基板Pが架設する形でセットされる。そして、プリント基板Pは、左右方向の右側からコンベアベルト13に沿ってバックアップユニット50上に搬入され、電子部品Eの実装作業がされた後、コンベアベルト13に沿って左右方向の左側に搬出される。
【0022】
部品供給装置14は、図1に示すように、フィーダ型とされ、搬送コンベア12の上下方向両側において左右方向に2つずつ並べることで、合計4箇所に配されている。これらの部品供給装置14には、複数のフィーダ16が左右方向に整列した状態で取り付けられている。各フィーダ16は、複数の電子部品Eが収容された部品供給テープをリールから引き出す図示しない電動式の送出装置などを備えており、各フィーダ16における搬送コンベア12側の端部から電子部品Eが一つずつ供給される。
【0023】
部品実装装置20は、図1に示すように、基台11の左右方向の両側に配される一対の支持フレーム21と、ヘッドユニット30と、ヘッドユニット30を移動させるヘッド駆動装置22とを備えて構成されている。各支持フレーム21は、前後方向に延びる細長い形態をなし、基台11の左右方向両側にそれぞれ配されている。
【0024】
ヘッド駆動装置22は、Y軸サーボ機構23とX軸サーボ機構27とを有しており、一対の支持フレーム21に架設するように設けられている。
【0025】
Y軸サーボ機構23は、図1に示すように、左右方向に延びた形態で各支持フレーム21に沿って設けられた一対のY軸ガイドレール24と、Y軸ガイドレール24の端部に設けられたY軸サーボモータ25とを有しており、一対のY軸ガイドレール24には、ヘッド支持体26が架設する形で取り付けられている。
【0026】
そして、Y軸サーボモータ25が通電制御されると、ヘッド支持体26およびヘッド支持体26に装着されたヘッドユニット30がY軸ガイドレール24に沿って前後方向に移動するようになっている。
【0027】
X軸サーボ機構27は、図2に示すように、左右方向に延びた形態でヘッド支持体26に設けられたX軸ガイドレール29と、X軸ガイドレール29の端部に設けられたX軸サーボモータ28とを有している。X軸ガイドレール29には、左右方向に沿ってヘッドユニット30が移動自在に取り付けられており、X軸サーボモータ28が通電制御されると、ヘッドユニット30がX軸ガイドレール29に沿って左右方向に移動するようになっている。
【0028】
これにより、ヘッドユニット30は基台11上において前後左右方向である水平方向に移動可能とされている。
【0029】
ヘッドユニット30は、部品供給装置14から基台11上に供給される電子部品Eを取り出してプリント基板P上に実装するものであって、図1から図3に示すように、箱形状をなすヘッドユニット本体31と、電子部品Eの実装動作を行う複数の実装ヘッド32を有している。
【0030】
複数の実装ヘッド32は、図2および図3に示すように、ヘッドユニット本体31から下方に突出した形態で左右方向に並んで配列されており、各実装ヘッド32は、上下方向に延びる回転シャフト33と、回転シャフト33の先端である下端部に着脱可能な吸着ノズル34とを有している。
【0031】
回転シャフト33には、ヘッドユニット本体31内に設けられたZ軸サーボモータ31AおよびR軸サーボモータ31Bが取り付けられており、回転シャフト33は、Z軸サーボモータ31Aによって上下方向に昇降可能とされると共に、R軸サーボモータ31Bによって上下方向に延びる回転シャフト33の軸心33Aを中心に軸周りに回転可能とされている。
【0032】
回転シャフト33の下端部には、図3および図10に示すように、一対の軸部35を中心に左右方向両側に開閉可能な一対の挟持部36と、一対の挟持部36を互いに接近させる方向に付勢する一対の板ばね37とが設けられており、一対の挟持部36の間に吸着ノズル34が下方から押し込まれて保持されている。
【0033】
吸着ノズル34は、図3および図8に示すように、上下に延びる筒状のノズル本体34Aの上下方向略中央部にフランジ部39を有した形態とされている。吸着ノズル34の上端部は、回転シャフト33の一対の挟持部36の間に挟持される頭部40とされており、一対の挟持部36に頭部40が挟持されることで、回転シャフト33の下端部に吸着ノズル34が保持固定されるようになっている。
また、ノズル本体34A内には、回転シャフト33内に設けられた供給路38と連通する図示しないエア通路が設けられている。エア通路には、回転シャフト33の供給路38に接続された図示しないエア供給装置から負圧もしくは正圧が供給されるようになっており、吸着ノズル34は負圧によって電子部品Eの保持を行い、正圧によって電子部品Eを解放するようになっている。
【0034】
したがって、吸着ノズル34が電子部品Eを保持した状態で、回転シャフト33が軸周り方向一側、もしくは軸周り方向他側に回転することで、電子部品Eをプリント基板Pに対応した位置に位置決めすることができるようになっている。
【0035】
つまり、表面実装機10では、各種サーボモータが駆動することにより、部品供給装置14から供給される電子部品Eの吸着およびプリント基板Pに対する電子部品Eの実装が最適な位置となるように制御される。
【0036】
なお、部品実装装置20には、図2に示すように、ヘッドユニット30と共に移動する基板認識カメラ20Aが設けられており、基板認識カメラ20Aがプリント基板Pを撮影して、プリント基板Pを画像認識するようになっている。また、図1に示すように、基台11上における搬送コンベア12の前後方向の両側には、部品認識カメラ15が一対設置されており、一対の部品認識カメラ15は、ヘッドユニット30の実装ヘッド32の先端に吸着保持された電子部品Eを撮影するようになっている。
【0037】
バックアップユニット50は、プリント基板P上に電子部品Eを実装する際に、そのプリント基板Pをバックアップするためのものであって、図1に示すように、基台11における搬送コンベア12の下方に配置されている。
【0038】
また、バックアップユニット50は、図3図4および図7に示すように、左右方向に横長な箱形状をなしており、プリント基板Pを実装位置において保持するバックアッププレート51と、バックアッププレート51の下方に設けられた平板状の保持部材60と、保持部材60のさらに下方に配された平板状の支持部材70とを備えて構成されている。
【0039】
バックアッププレート51は、金属製であって、保持部材60に載置されるようになっており、プリント基板Pが載置される上側プレート52と、上側プレート52の下方に配される平面視略矩形の平板状の下側プレート53とを備えて構成されている。
【0040】
上側プレート52は、図5および図7に示すように、下側プレート53よりも板厚が薄く、下側プレート53とほぼ同じ寸法の略矩形平板状をなしている。また、上側プレート52の上面52Aは、平面度が高く設定されており、上側プレート52の上面52Aには、空気が挿通可能な程度の小さい吸着孔54が上側プレート52を上下方向に貫通した状態で前後左右に複数並んで設けられている。
【0041】
上側プレート52の下面52Bには、図5に示すように、固定ねじ56が下方から締込可能な被締結部55が下方に向けて突設されており、この被締結部55に対して、下側プレート53を下方から貫通させた固定ねじ56を締め込むことで上側プレート52と下側プレート53とが互いに固定されている。
【0042】
また、上側プレート52の外周縁部には、下方に突出する支持枠57が全周に亘って設けられており、支持枠57の突出寸法は、被締結部55とほぼ同じ突出寸法とされている。
【0043】
したがって、上側プレート52と下側プレート53とが互いに固定されると、図5に示すように、上側プレート52は、下側プレート53から上方に離れた位置に配され、上側プレート52と下側プレート53との間には、図示しない負圧供給源から負圧が供給される負圧供給空間58が形成されるようになっている。そして、この負圧供給空間58に負圧が供給されると、各吸着孔54に負圧が供給されることで、上側プレート52上に載置されたプリント基板Pが負圧によってバックアッププレート51に保持固定されるようになっている。
【0044】
保持部材60は、金属製であって、図7に示すように、バックアッププレート51よりも左右方向にやや大きい略矩形平板状に形成されており、図3および図4に示すように、バックアッププレート51が載置される上側保持部材61と、上側保持部材61の下方に配される下側保持部材62とを備えて構成されている。
【0045】
上側保持部材61は、略矩形平板状をなしており、図示しない固定ボルトによってバックアッププレート51の下側プレート53および下側保持部材62に固定されている。
【0046】
下側保持部材62は、上側保持部材61とほぼ同じ大きさの略矩形平板状に形成されている。下側保持部材62は、図7に示すように、支持部材70に対して、下側保持部材62の後縁部62Aにおける左右方向略中央部に設けられた球面滑り軸受部63と、下側保持部材62の前縁部62Bにおける左右方向両側の端部に設けられた一対の高さ調整部(「高さ調整部」の一例)64との3箇所において支持されている。
【0047】
支持部材70は、略矩形状の支持基台71の四隅に設けられた支持柱72の上方に略矩形平板状の支持プレート73が支持固定された形態とされており、図4および図5に示すように、球面滑り軸受部63が支持プレート73の後縁部73Aにおける左右方向略中央部に配置され、図4および図6に示すように、支持プレート73の前縁部73Bにおける左右方向両側の端部に一対の高さ調整部64が配置されている。
【0048】
球面滑り軸受部63は、図5に示すように、支持プレート73にボルト74によって固定された球状内輪部75と、球状内輪部75に遊動可能に設けられた外輪部65とを備えて構成されている。
【0049】
球状内輪部75は、金属製であって、凸球面状の外周面75Aを有する略円筒状に形成されており、球状内輪部75内にボルト74を挿通して支持部材70に締め込むことで、球状内輪部75が支持部材70における支持プレート73の上面73Cに固定されている。
【0050】
外輪部65は、内周面65Aが凹球面状をなす略筒状に形成されている。外輪部65は保持部材60における下側保持部材62に凹設された凹部66内に固定されており、外輪部65内には、球状内輪部75が自在に摺動可能な状態で保持されている。
【0051】
したがって、保持部材60は、支持部材70に対して球面滑り軸受部63を中心に揺動可能であり、支持部材70に対して平行した姿勢のみならず、傾斜した姿勢をとることが可能となっている。
【0052】
一方、一対の高さ調整部64は、それぞれが支持部材70に対して保持部材60の高さ寸法を微少単位で調整するものであって、図3図4および図6に示すように、上下方向に長いボルト状に設けられている。
【0053】
各高さ調整部64は、保持部材60に対して保持部材60の板厚方向である上下方向に貫通して設けられると共に、高さ調整部64の下端部が支持部材70に設けられた台座部77に上方から当接した状態となっている。
【0054】
また、高さ調整部64は、保持部材60に固定された本体部67の下端部から当接部68が下方に突出した形態とされている。この当接部68は、本体部67の上端部に突設された回転操作可能なねじ部(「回転操作部」の一例)69を、図4および図6に示すねじ部69の軸心69Bを中心に軸周り方向一側に回転させることで、本体部67から当接部68を下方に向けて徐々に突出し、ねじ部69を軸周り方向他側に回転させることで、本体部67内に徐々に収納される。
【0055】
一方、台座部77は、図6に示すように、支持プレート73に凹設された支持凹部78内に被当接板79が上方から嵌め込まれた形態とされており、被当接板79の上面79Aは、当接部68が上方から当接する平面度の高い平面とされている。
【0056】
したがって、各高さ調整部64のねじ部69を回転させて、当接部68の突出寸法を調整することで、球面滑り軸受部63を支点に保持部材60、ひいてはバックアッププレート51における上側プレート52の傾斜角度を微調整することができるようになっている。
【0057】
また、高さ調整部64および台座部77の側方には、図6に示すように、保持部材60の下側保持部材62と支持プレート73とを互いに近づく方向に付勢する付勢部材90が装着されている。
【0058】
付勢部材90は、コイル状の引っ張りばねであって、付勢部材90の一端が下側保持部材62に設けられた保持側引っ掛け部62Cに引っ掛けられ、他端が支持プレート73に設けられた支持側引っ掛け部73Dに引っ掛けられることで、下側保持部材62と支持プレート73との間に装着されている。
つまり、保持部材60が支持部材70に対して上方に浮いた状態にならないように付勢保持され、高さ調整部64によって調整された高さ寸法の設定状態が安定して保持されるようになっている。
【0059】
さて、バックアップユニット50における高さ調整部64のねじ部69の上面には、図4図6および図7に示すように、下方に凹んだ切欠溝69Aが凹設されており、ヘッドユニット30の回転シャフト33の下端部には、ねじ部69の切欠溝69Aに対して上下方向(ねじ部69の軸心69Bの延び方向)に凹凸嵌合可能な調整ノズル(「係合部材」の一例)80が装着可能とされている。
【0060】
切欠溝69Aは、図6に示すように、ねじ部69の軸心69Bを通るようにして直線的に凹んだ形態とされている。
【0061】
一方、調整ノズル80は、図3および図10に示すように、フランジ部81を含めた上半分が吸着ノズル34と同様の形態をなしており、ノズル本体80Aの上端に設けられた頭部82が回転シャフト33の一対の挟持部36間に挟持されることで、回転シャフト33の下端部に装着可能とされている。
【0062】
調整ノズル80におけるフランジ部81よりも下部は、図10から図12に示すように、平板状をなす嵌合片部83とされており、この嵌合片部83がねじ部69の切欠溝69Aに対して上方から凹凸嵌合することでねじ部69と調整ノズル80とが係合するようになっている。
【0063】
そして、高さ調整部64のねじ部69における切欠溝69Aに、図8および図9に示すように、回転シャフト33の下端部に装着された調整ノズル80の嵌合片部83を嵌合させて、R軸サーボモータ31Bによって回転シャフト33を軸周りに回転させることで、高さ調整部64によって支持部材70に対する保持部材60の左右両端部の高さ調整を行うことができるようになっている。
【0064】
すなわち、作業者が高さ調整部64のねじ部69を回転させずに、ヘッドユニット30の回転シャフト33に装着された調整ノズル80によって高さ調整部64のねじ部69を回転シャフト33と同一方向に回転させることで、バックアッププレート51の傾斜角度を調整することができるようになっている。
【0065】
また、調整ノズル80には、図10から図12に示すように、上下方向に貫通する挿通路84が設けられており、回転シャフト33の下端部に調整ノズル80が装着されると、図10および図13に示すように、回転シャフト33の供給路38と調整ノズル80の挿通路84とが連通した状態となるように設定されている。
【0066】
挿通路84は、フランジ部81の下端部よりもやや上方の位置から頭部82までが嵌合片部83の板厚寸法よりも大径に設けられ、フランジ部81の下端部から嵌合片部83の下端部までが嵌合片部83の板厚寸法よりも小径に設けられている。そして、回転シャフト33の供給路38に負圧もしくは正圧が供給されると、調整ノズル80の下端開口80Bに、負圧もしくは正圧が供給されるようになっている。
【0067】
次に、表面実装機10の電気的構成について、図14を参照して説明する。
表面実装機10は、制御部110によってその全体が制御統括されている。制御部110は、CPU等により構成される演算処理部111と、メモリ112とを備えている。
【0068】
メモリ112には、演算処理部111が実行する実装プログラムやバックアップユニット調整プログラムなどの各種のプログラムやバックアッププレート51の水平度の許容値である水平度許容値などの各種データが記憶されている。また、メモリ112には、各種プログラムによって取得されたデータが記憶される。
【0069】
演算処理部111は、メモリ112に記憶されている各種プログラムにしたがって表面実装機10を制御し、例えば、実装プログラムよる実装処理に従って搬送コンベア12および部品実装装置20を駆動させると共に、部品供給装置14に取り付けられた各フィーダ16を制御する。
【0070】
また、演算処理部111には、基板認識カメラ20A及び部品認識カメラ15から出力される撮像信号がそれぞれ取り込まれ、撮像信号に基づいて、部品画像の解析並びに基板画像の解析がそれぞれ行われる。
【0071】
また、演算処理部111は、実装プログラムによる電子部品Eの実装処理を開始する前に、バックアップユニット50におけるバックアッププレート51を水平にするためのバックアップユニット調整プログラムを実行し、バックアッププレート51における上側プレート52の上面52Aを水平にする水平調整処理を行う。
【0072】
以下に、バックアッププレート51の水平調整処理について、図15に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0073】
水平調整処理では、基台11上に配置されたバックアップユニット50におけるバックアッププレート51の水平度を測定するために、まず、ヘッドユニット30をXY方向に移動させてバックアッププレート51の四隅のうちのいずれかの隅の上方に配置する(S11)。なお、調整ノズル80は、予め、回転シャフト33の下端部に装着された吸着ノズル34を図示しないノズル交換装置において交換しておく。
【0074】
次に、調整ノズル80の下端開口80Bに負圧を供給しつつ、回転シャフト33を下方に降下させて調整ノズル80の嵌合片部83の下端部をバックアッププレート51に上方から当接させる。そして、バックアッププレート51における上側プレート52の上面52Aによって調整ノズル80の下端開口80Bが閉塞され、負圧の漏れがなくなったところで、回転シャフト33の降下量に基づいてバックアッププレート51の高さ位置を測定する。
【0075】
そして、バックアッププレート51の四隅(4つの測定点)の全ての高さ位置を測定し、4つの測定点おける高さ位置をもとに一対の高さ調整部64の高さ位置を算出する(S12)。
【0076】
そして、一対の高さ調整部64の高さ位置の差であるずれ量がメモリ112に記憶された水平度許容値を超えていないか確認する(S13)。
【0077】
算出されたずれ量が、水平度許容値を超えていない場合(S13:NO)、バックアッププレート51は、水平であるとして、水平調整処理を終了する。
【0078】
一方、ずれ量が水平度許容値を超えている場合(S13:YES)、一対の高さ調整部64のねじ部69を調整ノズル80によって回転させ、一対の高さ調整部64の間のずれ量を調整する(S14)。
【0079】
そして、S12からS14を繰り返し実行し、一対の高さ調整部64間のずれ量が水平度許容値を超えなくなるまで、ずれ量の調整を実行する。
【0080】
具体的には、図7に示すように、球面滑り軸受部63の位置を原点(P0(X_0,Y_0,Z_0))とする(X,Y,Z)座標系において、一対の高さ調整部64の位置をM1(X_1,Y_1,Z_1)およびM2(X_2,Y_2,Z_2)とし、高さ測定を行うバックアッププレート51の4つの測定点をPA(X_A,Y_A,Z_A)、PB(X_B,Y_B,Z_B)、PC(X_C,Y_C,Z_C)、PD(X_D,Y_D,Z_D)とする。
すると、(X,Y,Z)座標系の平面は、以下の方程式である(1)式で表すことができる。なお、それぞれのX,Yの位置は固定されており、Zである高さのみが変化する。
【0081】
aX+bY+cZ+d=0 ・・・・(1)
そして、a,b,c,dは、(2)式から(5)式によって求めることができ、一対の高さ調整部64の高さ位置は、(6)式および(7)式によって算出できる。
【0082】
a=(Y_B-Y_A)×(Z_C-Z_A)-(Y_C-Y_A)×(Z_B-Z_A)・・・・(2)
b=(Z_B-Z_A)×(X_C-X_A)-(Z_C-Z_A)×(X_B-X_A)・・・・(3)
c=(X_B-X_A)×(Y_C-Y_A)-(X_C-X_A)×(Y_B-Y_A)・・・・(4)
d=-(a×X_A+b×A_Y+c×Z_A)・・・・(5)
Z_1=-(a×X_1+b×Y_1+d)÷c・・・・(6)
Z_2=-(a×X_2+b×Y_2+d)÷c・・・・(7)
【0083】
そして、Z_1とZ_2との差を、ずれ量Zdとして算出し、ずれ量Zdが水平度許容値を超えている場合、(8)式および(9)式により、M1(X_1,Y_1,Z_1)における高さ調整部64の調整量Zm1、M2(X_2,Y_2,Z_2)における高さ調整部64の調整量Zm2を算出する。
【0084】
Zm1=Z_1-Z_0・・・・(8)
Zm2=Z_2-Z_0・・・・(9)
また、メモリ112には、各高さ調整部64のねじ部69を一回転させた場合の当接部68の突出量が記憶されており、Zm1およびZm2の調整量を、ねじ部69の一回転あたりの当接部68の突出量において除算することで、各高さ調整部64におけるねじ部69の回転量を算出する。
【0085】
そして、各高さ調整部64のねじ部69を、算出された回転量分だけ回転させることで、一対の高さ調整部64を迅速かつ正確に調整する。
これにより、バックアッププレート51の水平度の調整が迅速かつ正確に実行され、作業者に起因した調整の差が生じることを抑制することができると共に、作業者がバックアッププレート51の高さ調整をする負担を軽減することができる。
【0086】
そして、バックアップユニット調整プログラムによるバックアッププレート51の水平調整処理が完了したところで、搬送コンベア12によって、プリント基板Pが、バックアップユニット50上に搬入され、部品実装装置20によって電子部品Eの実装作業が実行される。
【0087】
以上のように、本実施形態によると、一対の高さ調整部64のねじ部69に切欠溝69Aをそれぞれ設けると共に、部品実装装置20のヘッドユニット30における回転シャフト33の下端部に切欠溝69Aと凹凸嵌合可能な調整ノズル80を装着し、回転シャフト33を軸周りに回転させて調整ノズル80によってねじ部69を回転させることができるから、作業者が高さ調整部64のねじ部69を調整せずに、バックアッププレート51の水平度を、表面実装機10の制御部110によって迅速かつ正確に自動的に調整することができる。
【0088】
すなわち、作業者に起因した調整の差が生じることを抑制することができると共に、作業者がバックアッププレート51の高さ調整をする負担を軽減することができる。
【0089】
また、本実施形態によると、バックアッププレート51の水平度が水平度許容値を超えなくなるまで、バックアッププレート51の高さ調整が繰り返し自動で実施されるから、例えば、高さ調整部64を1回の調整する毎に作業者が水平度を確認する場合に比べて、作業者の負担をさらに軽減することができる。
【0090】
さらに、本実施形態によると、調整ノズル80内に回転シャフト33の供給路38と連通する挿通路84が設けられているから、作業者が別途水平度を測定しなくとも、表面実装機10の制御部110がバックアッププレート51の水平度測定と、水平度調整を1つの調整ノズル80で兼用しつつ、バックアッププレート51の水平度を測定することができる。
【0091】
つまり、例えば、水平度調整の調整ノズルと、水平度測定の測定ノズルとをそれぞれ付け替えてバックアッププレートの水平度を調整したり、2本の回転シャフトに水平度調整の調整ノズルと、水平度測定の測定ノズルとを装着したりする場合に比べて、水平調整処理の作業時間を短縮し、作業効率を向上させることができる。
【0092】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0093】
(1)上記実施形態では、保持部材60と支持部材70との間に1つの球面滑り軸受部63と一対の高さ調整部64を設けた構成にした。しかしながら、これに限らず、保持部材と支持部材との間に3つ以上の高さ調整部を設けた構成にしてもよく、保持部材と支持部材との間を全て高さ調整部によって構成してもよい。
【0094】
(2)上記実施形態では、ねじ部69に切欠溝69Aを設け、調整ノズル80の下端部を切欠溝69Aに上方から嵌合可能な嵌合片部83として構成した。しかしながら、これに限らず、調整ノズルの下端部に複数の挟持片を設けて、複数の挟持片によってねじ部を挟持する構成など、調整ノズルの下端部がねじ部を回転させることができる程度にねじ部と係合できる構成であればよい。
【0095】
(3)上記実施形態では、ヘッドユニット30に実装ヘッド32が左右方向に複数一例に並んだ構成にした。しかしながら、これに限らず、ヘッドユニットを、実装ヘッドが円形上に並んだいわゆるロータリーヘッドに構成してもよい。
【符号の説明】
【0096】
10:表面実装機
30:ヘッドユニット
33:回転シャフト
34:吸着ノズル
38:供給路
51:バックアッププレート
64:高さ調整部(「調整部材」の一例)
69:ねじ部(「回転操作部」の一例)
80:調整ノズル(「係合部材」の一例)
84:挿通路
110:制御部
112:メモリ
E:電子部品
P:プリント基板(「基板」の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15