特許第6831429号(P6831429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6831429クロマトグラフィー用層状管状膜及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831429
(24)【登録日】2021年2月1日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】クロマトグラフィー用層状管状膜及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/10 20060101AFI20210208BHJP
   B01D 63/12 20060101ALI20210208BHJP
   B01D 15/08 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
   B01D63/10
   B01D63/12
   B01D15/08
【請求項の数】17
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2019-165189(P2019-165189)
(22)【出願日】2019年9月11日
(62)【分割の表示】特願2018-131(P2018-131)の分割
【原出願日】2012年5月17日
(65)【公開番号】特開2020-6371(P2020-6371A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年9月11日
(31)【優先権主張番号】61/486,959
(32)【優先日】2011年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520023112
【氏名又は名称】メルク・ミリポア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カナニ,ダルメシュクマール,エム.
(72)【発明者】
【氏名】サイドゥ,ナヴニート
(72)【発明者】
【氏名】カチュイク,ブラッドリー,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハニーマン,チャールズ,エイチ.
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−524227(JP,A)
【文献】 特表2006−519273(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0059443(US,A1)
【文献】 特開昭50−002681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 15/00−42、61/00−71/82
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体から物質を分離する方法であって、
物質を含む第1の流体を流体処理装置の第1の開口部に入れ、それにより、複合材料に物質を吸着又は吸収させ、透過物を生じさせるステップ、
ここで、流体処理装置は
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料を含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含むハウジングユニットを含み、
ここで、複合材料は
支持部材を通って伸びている複数の細孔を含む支持部材と、
支持部材の細孔中に位置している、10nm〜3000nmの平均直径を有するマクロ細孔を含む非自己支持マクロ多孔性架橋ゲルと
を含み、
マクロ多孔性架橋ゲルのマクロ細孔は支持部材の細孔より小さく、
インナーコアは、その末端の両方にキャップが付けられ又は密閉されている円筒であり、
第1の開口部は入口であり、
巻き付け型流体処理エレメントは、第1の開口部に入る第1の流体が第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されており、第1の流体の流体流路がインナーコアから放射状に外側に向かっている;並びに
流体処理装置の第2の開口部から透過物を収集するステップ;
を含む方法。
【請求項2】
流体から物質を分離する方法であって、
物質を含む第1の流体を流体処理装置の第1の開口部に入れ、それにより、複合材料に物質を吸着又は吸収させ、透過物を生じさせるステップ、
ここで、流体処理装置は
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料を含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含むハウジングユニットを含み、
ここで、複合材料は
支持部材を通って伸びている複数の細孔を含む支持部材と、
支持部材の細孔中に位置している、10nm〜3000nmの平均直径を有するマクロ細孔を含む非自己支持マクロ多孔性架橋ゲルと
を含み、
マクロ多孔性架橋ゲルのマクロ細孔は支持部材の細孔より小さく、
インナーコアは、その末端の両方にキャップが付けられ又は密閉されている円筒であり、
第1の開口部は入口であり、
巻き付け型流体処理エレメントは、第1の開口部に入る第1の流体が第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されており、第1の流体の流体流路がインナーコアに向かって放射状に内側に向いている;並びに
流体処理装置の第2の開口部から透過物を収集するステップ;
を含む方法。
【請求項3】
層がインナーコアにらせん状に巻き付けられている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
層がインナーコアの周りの同心円でない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
インナーコアがプラスチックである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
インナーコアがポリプロピレンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
インナーコアが円筒に巻き付けられたスクリーンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
インナーコアの直径が0.2cm〜200cmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
インナーコアの長さが2cm〜200cmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ハウジングユニットが実質的に円筒状である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ハウジングユニットが1cm〜50cmの内径を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ハウジングユニットが使い捨て又は再使用可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ハウジングユニットがプラスチック又はステンレススチールである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
装置がセンサーをさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
非自己支持マクロ多孔性架橋ゲルが官能基を含み、官能基が生体分子又は生体イオンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
生体分子又は生体イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト又は動物由来のγ-グロブリン、ヒト又は動物由来の免疫グロブリン、組換え又は天然由来のタンパク質、合成又は天然由来のポリペプチド、インターロイキン2又はその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン又はその阻害剤、シトクロムC、ミオグロブリン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、核酸由来産物、合成又は天然由来のDNA及び合成又は天然由来のRNAからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
非自己支持マクロ多孔性架橋ゲルがプロテインAを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年5月17日に出願した米国仮特許出願第61/486,959号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
膜による水処理法は、1970年代に最初に導入された。それ以来、膜分離技術は、他の多くの産業において利用されている。製薬及びバイオテクノロジー産業において、分取クロマトグラフィー、精密、限外、ナノろ過及び透析ろ過を含むダイレクトフローろ過(DFF)及び接線流ろ過(TFF)の使用は、溶解分子又は懸濁粒子の分離のための十分に確立された方法である。限外ろ過(UF)及び精密ろ過(MF)膜は、生体分子の製造における分離及び精製に不可欠のものとなった。生体分子の製造には、その規模にかかわらず、ろ過を用いる1以上のステップが一般的に用いられる。これらの膜分離の魅力は、例えば、高い分離能力及び供給流と透過物との圧力差の印加のみを必要とする単純さなどのいくつかの特徴にある。試料の二つの画分へのこの単純で、信頼できる一段階ろ過により、膜分離が、分離及び精製の有用なアプローチとなっている。
【0003】
最適な結果を得るために、流体の分離の方法は、フィルターの多孔度及びフィルターの面積並びに必要な差圧及び選択されるポンプ速度に対する十分な注意を必要とする。しかし、ろ過装置は、長時間にわたって使用する場合、閉塞する傾向があり、適時に交換しなければならない。ろ過装置の閉塞は、(1)膜細孔が一般的に捕捉細胞、粒子状物質、細胞破片などにより閉塞した状態になるとき、又は(2)フィードチャンネルが固体若しくはコロイド物質及び/又は細胞破片により閉塞した状態になるときに起こる。このフィードチャンネル又は膜細孔の閉塞により、多孔質フィルター膜を横切る液体の流量の減少がもたらされる。その結果は、適切に対処しない場合には、ろ過処置を組み込む操作に深刻な害をもたらす危険がある、システムの圧力の変化である。
【0004】
したがって、ろ過技術のそれぞれにおける膜の選択は、分離の効率及び成功に極めて重要である。高い特異性及び高い結合容量を有する複合膜は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,316,919号並びに米国特許出願公開第2008/0314831号、第2008/0312416号、第2009/0029438号、第2009/0032463号、第2009/0008328号、第2009/0035552号、第2010/0047551号及び第2010/0044316号に記載された。これらの材料は、非常に汎用性があり、個々の分離状況に対応して設計することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、商業化に際して、一般的な装置構成にこれらの複合膜を使用することは、装置の結合容量が予想より低いことにしばしばつながる。したがって、性能又はスケーラビリティーを犠牲にすることなく、これらの膜の高処理能力を活用する装置構成の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の実施形態において、本発明は、
複合材料と、
インターリーフと、
インナーコアと
を含み、複合材料及びインターリーフがインナーコアの周りの層を形成している、流体処理エレメントに関する。
【0007】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットを含む流体処理装置に関し、ハウジングユニットは、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアの周りの層を形成している複合材料及びインターリーフを含む流体処理エレメントと
を含み、
流体処理エレメントは、第1の開口部に入る流体が、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている。
【0008】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットを含む流体処理装置に関し、ハウジングユニットは、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアの周りの層を形成している複合材料及びインターリーフを含む流体処理エレメントと
を含み、
流体処理エレメントは、第1の開口部に入る流体が、インナーコアに達し、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている。
【0009】
特定の実施形態において、本発明は、物質を含む第1の流体を上述の流体処理エレメントのいずれか一つの複合材料と接触させ、それにより、複合材料上に該物質を吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】強陽イオン交換(S)膜及び異なるインターリーフ材料(「スペーサー」)を有する本発明の様々な巻き付け型エレメント(wrapped element)を用いたタンパク質吸着の表形式の結果を示す図である。
図2】強陽イオン交換(S)膜及び異なるインターリーフ材料(「スペーサー」)を有する本発明の様々な巻き付け型エレメントを用いたタンパク質吸着の表形式の結果を示す図である。吸着されたタンパク質は、pH5.5の10mM MES緩衝液中リゾチームであった。
図3】強陰イオン交換(Q)膜及び異なるインターリーフ材料(「スペーサー」)を有する本発明の様々な巻き付け型エレメントを用いたタンパク質吸着の表形式の結果を示す図である。吸着されたタンパク質は、pH8.1の25mMトリス緩衝液中ウシ血清アルブミン(BSA)であった。
図4】強陰イオン交換(Q)膜及び異なるインターリーフ材料(「スペーサー」)を有する本発明の様々な巻き付け型エレメントを用いたタンパク質吸着の表形式での結果を示す図である。吸着されたタンパク質は、pH8.1の25mMトリス緩衝液中ウシ血清アルブミン(BSA)であった。
図5】弱陽イオン交換(C)膜及び異なるインターリーフ材料(「スペーサー」)を有する本発明の様々な巻き付け型エレメントを用いたタンパク質吸着の表形式での結果を示す図である。
図6図1〜5で用いた膜の要約を示す図である。結合容量は、ひだ状又は巻き付け型でない場合の通常のカットディスク膜(cut-disk membrane)装置に用いた場合の膜の結合容量を示す。
図7】本発明の流体処理装置の断面を示す図である。巻き付け型流体処理エレメントが見える。矢印は、膜を経る流体の流れの方向を示す。
図8】異なる流体処理エレメントを含む種々の市販製品の劣った結合容量を示す図である。
図9】異なる流体処理エレメントを含む種々の市販製品の劣った結合容量を示す図である。
図10】異なる流体処理エレメントを含む種々の市販製品の劣った結合容量を示す図である。
図11】S及びQ平面カットディスク膜と比較して、異なる流体処理エレメントを含む種々の市販製品の劣った結合容量を示す図である。
図12】(a)インナーコア、(b)均一流収集を促進するために熱溶融を用いてスクリーンで包まれているインナーコア及び(c)被包インナーコア材料を示す図である。
図13】(a)インターリーフ付き膜シート、(b)インナーコアに巻き付けられているインターリーフ付き膜シート及び(c)膜シートの縁全体に接着剤(シリコーンII*clear)を塗布した巻き付け型流体処理エレメントを示す写真である。
図14】膜シートの上のインターリーフの別の写真である。
図15】(a)漏れが起こらないことを確保するための接着剤による上層の縁全体の封止、(b)シリコーンII*clear接着剤を用いた末端の封止及び(c)完成した具体例としての巻き付け型流体処理エレメントを示す写真である。
図16】一つの装置に複数の巻き付け型流体処理エレメントを含む代替実施形態を示す図である。
図17】代替実施形態-らせん形流体処理エレメントを示す図である。
図18】らせん形装置の具体例としての構成を示す図である。3組の同心エンベロープが存在し、各エンベロープが内側のスペーサー材料を有し、三辺が密封されている。各エンベロープは、フィードスペーサーによって分離されている。原料流体が各エンベロープの外側を移動し、膜に透過させられるように流体の流れが方向づけられる。透過物は、透過物スペーサーに沿って透過物収集パイプに移動する。
図19】本発明の具体例としての流体処理装置の断面を示す図である。
図20】本発明の流体処理装置(巻き付け型流体処理エレメント、下の横列)とカプセル装置(ひだ状膜エレメント)との比較を示す図である。膜をひだ状にすることは、予想される結合容量より低い原因となるが、巻き付け型膜を用いることは、予想される結合容量を増加させる。
図21】本発明に用いる具体例としてのインターリーフ材料のいくつかの特性の要約を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
特定のマクロ多孔性架橋複合材料は、ひだをつけられ、流体処理装置に設置されたときにいくつかのレベルの性能を失う。図20を参照のこと。したがって、特定の実施形態において、本発明は、折り目又はひだがない装置内にマクロ多孔性架橋複合材料が充填されることを可能とする設計を有する巻き付け型流体処理エレメントに関する。特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、脆弱な膜、例えば、プロテインA官能基を含む膜に適し得る。
【0012】
特定の実施形態において、膜積層体における層の大部分は、最後の層が破過結合容量に達する時間までに飽和結合容量に達するので、膜の積層(又はインナーコアへの巻き付け)は、膜の体積基準での装置の破過結合容量を改善する。
【0013】
特定の実施形態において、本発明は、公知の装置と比較して優れた性能を示す装置に関する。特定の実施形態において、該装置は、樹脂より約10倍〜約100倍高い処理量に耐え得る。特定の実施形態において、該装置は、既存のクロマトグラフ膜及び樹脂より最大で約25倍高い結合容量を示し得る。
【0014】
特定の実施形態において、本発明は、従来の樹脂製品と異なり、スケーラブルであり、研究室からパイロットへ、パイロットから生産への移行において予測可能な結果をもたらす装置に関する。特定の実施形態において、本発明は、安価であり、製造するのが容易である装置に関する。
【0015】
特定の実施形態において、該装置の優れた機械的強度及び複合膜の特有の疎水性は、プロセスにおける製品のより長い寿命及びより一貫性のある性能につながる。
【0016】
特定の実施形態において、本発明は、使い捨て又は多重サイクル使い捨てユニットとして利用可能であり得る装置に関する。この柔軟性により、費用がかかり、時間がかかる洗浄及び貯蔵のバリデーションが不要となり得る。さらに、本発明の装置は、単純な工程を可能とし、規制遵守を改善し得る。
【0017】
特定の実施形態において、本発明は、緩衝液の使用量の低減を必要とし得る分離法に関する。特定の実施形態において、本発明の装置を使用することにより、カラムの洗浄、平衡化又は高価な緩衝液中の保存の必要がなくなる。特定の実施形態において、本発明の装置は、より高い濃度の供給流に耐えることができ、そのため、希釈は必要でない可能性がある。
【0018】
特定の実施形態において、本明細書で述べる装置を使用することにより、資本経費を節減することが可能となり、かなりの運転費の節約を顧客に提供することが可能となる。特定の実施形態において、本明細書の装置は、より低い初期費用及びより速やかな納入をもたらし得る。特定の実施形態において、該装置は、スタッフ配置の必要を少なくし、保守費を節減することを可能にする。
【0019】
特定の実施形態において、本発明は、小設置面積を有する装置に関する。特定の実施形態において、本発明の装置は、より高い結合容量を示し、一般的な樹脂床クロマトグラフィー装置より少ない床面積を必要とする。
【0020】
定義
便宜のため、本発明のさらなる説明の前に、本明細書、実施例及び添付の特許請求の範囲で用いる特定の用語をここでまとめる。これらの定義は、本開示の残りに照らして読み、当業者によるのと同様に理解すべきである。別途定義しない限り、本明細書で用いるすべての技術及び科学用語は、当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0021】
本発明を説明するに際して、様々な用語が説明に用いられる。標準的用語は、ろ過、流体送出及び一般的な流体処理技術で広く用いられている。
【0022】
本明細書において、冠詞「a」及び「an」は、一つ又は一つを超える(すなわち、少なくとも一つ)の冠詞の文法上の目的語を受ける。例として、「an element」は、一つのエレメント又は一つを超えるエレメントを意味する。
【0023】
本明細書において例えば、「安定化化合物と結合した無機金属酸化物(an inorganic metal oxide associated with an stabilizing compound)」のような語句に用いている「と結合した(associated with)」という用語は、分子間の弱い又は強い又は両方の相互作用の存在を意味する。例えば、弱い相互作用は、静電、ファンデルワールス又は水素結合相互作用を含み得る。より強い相互作用は、化学的に結合することとも呼ばれ、例えば、二つの分子間の共有、イオン又は配位結合を意味する。「と結合した」という用語は、上記の種類の結合のいずれも存在しない場合でさえ、他の分子の折りたたみの中に物理的にからみ合わされ得る化合物にも当てはまる。例えば、無機化合物は、ポリマーの間隙内に存在することによりポリマーと結合しているとみなすことができる。
【0024】
「含む(comprise)」及び「を含む(comprising)」という用語は、包含的且つ非限定的な意味で用いられ、さらなる要素を含めることができることを意味する。
【0025】
「を含む(including)」という用語は、「を含むが、に限定されない」を意味するために用いられる。「を含む」と「を含むが、に限定されない」と同義で用いられる。
【0026】
「ポリマー」という用語は、反復単位(モノマー)の結合により形成される巨大分子を意味するために用いられる。ポリマーという用語は、コポリマーも包含する。
【0027】
「コポリマー」という用語は、少なくとも2種以上の異なるモノマーのポリマーを意味するために用いられる。コポリマーは、架橋剤が二官能性モノマーである場合、架橋剤とモノマーから構成され得る。
【0028】
「2相流体」という用語は、実質的に固体粒子がその全体に分散している液相、又は第1の液相と混和することができない第2の液相の小滴若しくは粒子がそのような第1の液相中に分散している第1の液相を含む流体を意味するために用いられる。「多相流体」は、少なくとも一つのさらなる第2の固相又は液相がその全体に分散している第1の液相を含む流体を意味するために用いられる。
【0029】
「粒子」という用語は、例えば、約1ナノメートルから約10分の1メートルまでの直径又は長さなどの特性寸法を有する分離した液体小滴又は固体を意味するために用いられる。
【0030】
「粒径」という用語は、例えば、動的若しくは静的光散乱法、沈降フィールドフロー分別法、光子相関分光法又はディスク遠心分離法などの当業者に周知の従来の粒径測定技術により測定されるような数平均又は重量平均粒径を意味するために用いられる。「約1000nm未満の有効平均粒径」とは、上記の技術の少なくとも一つにより測定したとき、粒子の少なくとも約90%が約1000nm未満の数平均又は重量平均粒径を有することを意味する。処理される流体中の粒子の粒径は、特定用途に依存する。
【0031】
「間隙」という用語は、物体又は部分の間の空間、特に小さな又は狭い空間を意味するために用いられる。
【0032】
「分散」という用語は、実質的に固体の粒子が懸濁しており、少なくとも一時的に懸濁した状態のままである液相を含む流体を意味するために用いられる。
【0033】
「スラリー」という用語は、実質的に固体粒子が存在する液相を含む流体を意味するために用いられる。そのような粒子は、そのような流体中に懸濁していてもしていなくてもよい。
【0034】
「乳濁液」という用語は、その中に実質的に液体の第2の相の小滴又は粒子が懸濁しており、少なくとも一時的に懸濁した状態のままである第1の液相を含む流体を意味するために用いられる。第1の液相中の第2の液相の分離した存在物に関して、「小滴」及び「粒子」は本明細書で同義で用いる。
【0035】
ろ過に関連した「十字流」という用語は、流動流体がろ材の表面に沿って導かれ、そのようなろ材を通過する流体の一部が「交差するような」、すなわち、そのようなろ材の表面に沿って流れる流体の方向に垂直な速度成分を有する、ろ過構成を意味するために用いられる。
【0036】
「接線流ろ過」という用語は、流動流体がろ材の表面に実質的に平行(すなわち、接線方向)に導かれ、流体の一部がそのようなろ材を通過して透過物をもたらす、ろ過法を意味するために用いられる。「接線流ろ過」と「十字流ろ過」は、当技術分野でしばしば同義で用いられる。
【0037】
「透過物」という用語は、ろ材を通過し、そのようなろ材に作動可能に接続されているろ過装置における第1の出口部から出る流体の一部を意味するために用いられる。「傾斜物(decantate)」という用語は、ろ材の表面に沿って流れるが、そのようなろ材を通過せず、そのようなろ材に作動可能に接続されているろ過装置における第2の出口部から出る流体の一部を意味するために用いられる。
【0038】
十字流ろ過及び接線流ろ過は、周知のろ過法である。それらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、例えば、米国特許第5,681,464号、第6,461,513号、第6,331,253号、第6,475,071号、第5,783,085号、第4,790,942号を参照することができる。またその開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Filter and Filtration Handbook」、第4版、T. Christopher Dickenson、Elsevier Advanced Technology、1997年を参照することができる。
【0039】
マクロ多孔性架橋ゲルの「平均孔径」という用語は、適切な方法により測定されると当業者によって理解され得る。例えば、平均孔径は、表面の環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)画像により推定することができる。ESEMは、精密ろ過膜の特性を評価するための非常に簡単で、有用な技術であり得る。上層、断面及び最下層について膜の明瞭且つ簡明な像を得ることができ、写真から多孔度及び孔径分布を推定することができる。
【0040】
或いは、マクロ多孔性架橋ゲルの平均孔径は、平坦なカットディスク膜を通る流束(QH2O)の測定から間接的に計算することができる。膜の水力学的ダルシー透水係数k(m2)は、以下の式から計算した。
【数1】
【0041】
ここで、ηは、水の粘度(Pa・s)であり、δは、膜厚(m)であり、dH2Oは、水の密度(kg/m3)であり、ΔP(Pa)は、流束QH2Oが測定された圧力差である。
【0042】
膜の水力学的ダルシー透水係数を用いて、多孔性ゲルにおける細孔の平均流体力学半径を推定した。流体力学半径rhは、細孔容積と細孔濡れ表面積との比と定義され、J. Hapel及びH. Brennerによる書籍Low Reynolds Number Hydrodynamics、Noordhof Int. Publ.、Leyden、1973年、393頁に示されている以下のカルマン-コズニー式から得ることができる。
【数2】
【0043】
ここで、Kは、コズニー定数であり、εは、膜の多孔率(又は複合材料の気孔率)である。コズニー定数の値を仮定することが必要であり、本発明の膜についてのこれらの計算の目的のために、発明者らは、5の値を仮定する。膜の多孔率は、ゲルポリマーの容積を差し引くことによって支持体(support)から推定した。
【0044】
流体力学半径(rh)は、0.5x細孔半径(rp)であり、細孔半径(rp)は、0.5x孔径(細孔の大きさ)である。
【0045】
支持部材の「気孔率」は、簡単な計算により求められる。例えば、ポリプロピレン製の支持部材については、支持部材の外寸法を測定し、凝集体の容積を計算する[例えば、平らな円形ディスクの場合:むく(solid)であった又は多孔性でなかった場合の支持体の容積はV=πr2hである]。次いで、支持部材の質量を測定する。ポリプロピレンの密度は、公知であるか、又はBrandrupらにより編集されたPolymer Handbook、Chapter VII、Wiley and Sons、New York、1999から決定することができるので、気孔率は、以下の例のように計算される。
【0046】
気孔率={(むくである場合の支持部材の容積)-[(支持部材の質量)/(ポリプロピレンの密度)]}/ (むくである場合の支持部材の容積)
この計算において、支持部材の空隙容積=(支持部材の外部寸法の容積)-[(支持部材の質量)/(ポリプロピレンの密度)]である。例えば、ポリプロピレンの密度=0.91g/cm3である。
【0047】
複合材料の気孔率εは、各複合材料について実験的に決定される値である。それは、質量により計算される。マクロ多孔性架橋ゲルは、支持部材の空隙容積に組み込まれる。組み込まれたゲルの質量は、恒量まで乾燥した後に測定する。ポリマーの部分比容積は、公知であるか、又はBrandrupらにより編集されたPolymer Handbook、Chapter VII、Wiley and Sons、New York、1999から決定することができる。ゲルが占め得る最大の容積は、支持部材の空隙容積(上述のように計算される)である。ゲルの気孔率は、以下のように計算される。
【0048】
ε={(支持部材の空隙容積)-[(ゲルの質量)x(ゲルポリマーの部分比容積)]}/(支持部材の空隙容積)
具体例としての装置
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットを含む流体処理装置に関し、ハウジングユニットは、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料及びインターリーフを含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含み、
巻き付け型流体処理エレメントは、第1の開口部に入る流体が、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている。
【0049】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットを含む流体処理装置に関し、ハウジングユニットは、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料及びインターリーフを含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含み、
巻き付け型流体処理エレメントは、第1の開口部に入る流体が、インナーコアに達し、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている。
【0050】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が複合材料及びインターリーフの交互層(すなわち、(複合材料-インターリーフ)x又は(インターリーフ-複合材料)x)である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が配置されている(インターリーフ-第1の複合材料-第2の複合材料)x又は(第1の複合材料-第2の複合材料-インターリーフ)x、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が上述の配置の組合せで配置されている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、第1の複合材料と第2の複合材料は同じである。
【0051】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが円筒であり、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの第1の層であり、第1の開口部又は第2の開口部がインターリーフの第1の層に作動可能に接続されている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0052】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが円筒であり、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの第1の層であり、第1の開口部がインターリーフの第1の層に作動可能に接続されている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0053】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが円筒であり、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの第1の層であり、第1の開口部がインターリーフの第1の層に作動可能に接続され、第1の開口部が入口である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが円筒であり、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの第1の層であり、第2の開口部がインターリーフの第1の層に作動可能に接続され、第2の開口部が出口である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0055】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが第1の開口部に作動可能に接続され、第1の開口部が入口である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0056】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが第2の開口部に作動可能に接続され、第2の開口部が出口である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0057】
特定の実施形態において、本発明は、流体流路がインナーコアに向かっている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0058】
特定の実施形態において、本発明は、流体流路がインナーコアから離れている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0059】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットが実質的に円筒である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、ハウジングユニットは、約1cm〜約50cmの内径を有する。
【0060】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットの内径が巻き付け型流体処理エレメントの外径より大きい、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0061】
特定の実施形態において、ハウジングユニットの壁の厚さは、個別の操作条件に適応させることができる。
【0062】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットが使い捨て又は再使用可能である、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0063】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットがプラスチック又はステンレススチールである、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0064】
特定の実施形態において、本発明は、複数のハウジングユニットが直列に配置されている、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0065】
特定の実施形態において、本発明は、約2個から約10個のハウジングユニットを含む、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0066】
特定の実施形態において、第1の開口部又は第2の開口部は、プレスばめ接続点、ルアロック接続点又はホースバーブ接続点である。特定の実施形態において、第1の開口部は、プレスばめ、ルアロック又はホースバーブ接続点である。特定の実施形態において、第2の開口部は、プレスばめ、ルアロック又はホースバーブ接続点である。特定の実施形態において、第1の開口部又は第2の開口部は、互いに異なる種類の接続点である。特定の実施形態において、第1の開口部又は第2の開口部は、両方がプレスばめ接続点である。特定の実施形態において、第1の開口部又は第2の開口部は、両方がルアロック接続点である。特定の実施形態において、第1の開口部又は第2の開口部は、両方がホースバーブ接続点である。
【0067】
特定の実施形態において、本発明は、ハウジングユニットの直径又は長さを増加させることによって拡大することができる、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。
【0068】
特定の実施形態において、本発明は、センサーを含む、上述の流体処理装置のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、センサーは、高周波(RF)センサーである。特定の実施形態において、装置及びセンサーは、米国特許出願公開第2011/10031178号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように構成される。特定の実施形態において、装置及びセンサーは、米国特許出願公開第2011/10094951号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように構成される。特定の実施形態において、センサーは、装置の温度、圧力、pH又は伝導率に関する情報を提供する。特定の実施形態において、センサーは、装置の内部微小環境の温度、圧力、pH又は伝導率に関する情報を提供する。特定の実施形態において、センサーの通信システムは、例えば、無線RF送信機、赤外(IR)送信機、インダクタンスコイル又は音波発生装置などのあらゆる種類のものであり得る。特定の実施形態において、センサーは、バッテリーの保守又は交換の必要なしにデータを無線により報告する。代わりに、検出システムは、検出システムによりデータを収集し、保存し、又は伝達するために保存し使用するための電力への変換のために局所環境からの振動、ひずみエネルギー又は磁気結合エネルギーを得ることに依拠している。特定の実施形態において、センサーは、米国特許第7,901,570号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているようにシステムにより遠隔で電力供給される。
【0069】
具体例としての巻き付け型流体処理エレメント
特定の実施形態において、本発明は、巻き付け型流体処理エレメントに関する。特定の実施形態において、巻き付け型流体処理エレメントは、本発明の流体処理装置に用いるためのものである。
【0070】
特定の実施形態において、本発明は、
複合材料と、
インターリーフと、
インナーコアと
を含み、複合材料及びインターリーフがインナーコアに巻き付けられた層を形成している、巻き付け型流体処理エレメントに関する。
【0071】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が複合材料及びインターリーフの交互層(すなわち、(複合材料-インターリーフ)x又は(インターリーフ-複合材料)x)である、のいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が配置されている(インターリーフ-第1の複合材料-第2の複合材料)x又は(第1の複合材料-第2の複合材料-インターリーフ)x、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフの層が上述の配置の組合せで配置されている、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、第1の複合材料と第2の複合材料は同じである。
【0072】
特定の実施形態において、本発明は、層がインナーコアにらせん状(spirally)に巻き付けられている、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、複合材料は、インターリーフと接触している。特定の実施形態において、複合材料の第1の面は、複合材料の第2の面と接触していない。特定の実施形態において、インターリーフは、複合材料の第1の面が複合材料の第2の面と接触することを防いでいる。
【0073】
特定の実施形態において、本発明は、層がインナーコアの周りの同心円である、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、層がインナーコアの周りの同心円でない、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0074】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの層である、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0075】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアが円筒であり、インナーコアに直接隣接する層がインターリーフの層である、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0076】
特定の実施形態において、本発明は、インナーコアの周りに約3〜約50層の複合材料を含む、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、インナーコアの周りに約5〜約35層の複合材料を含む、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0077】
特定の実施形態において、本発明は、膜を含む巻き付け型流体処理エレメントに関する。特定の実施形態において、本発明は、膜として使用するための複合材料を含む巻き付け型流体処理エレメントに関する。
【0078】
特定の実施形態において、巻き付け型流体処理エレメントは、使い捨て又は再使用可能である。
【0079】
特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、高い固体密度の物質に適合する。特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、それらの強度のために用いられる。特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、重負荷用途に用いられる。特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、持続時間にわたり高温に耐え得る。
【0080】
特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、クロマトグラフィー応用における捕獲時間の短縮を示す。特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、高い結合容量を示す。
【0081】
特定の実施形態において、複合材料の充填密度は、巻き付け型流体処理エレメントの巻きの数を増加させることによって改善することができる。
【0082】
特定の実施形態において、本発明の巻き付け型流体処理エレメントは、一体膜エレメントに関する。特定の実施形態において、複合材料及びインターリーフを巻き付けると同時に、巻き付け型流体処理エレメントの構成要素を密封する。特定の実施形態において、巻き付け型流体処理エレメントの構成要素は、巻き付け後の状態で密封する。特定の実施形態において、本発明は、封止エンドキャップをさらに含み、封止エンドキャップが、巻き付けられた複合材料及びインターリーフの層を密封する、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、末端は、シールが形成されるように低粘度接着剤をエレメントにウィッキングさせ、それを硬化させることによって密封することができる。
【0083】
特定の実施形態において、本発明は、らせん状装置として構成される巻き付け型流体処理エレメントに関する。特定の実施形態において、この流体処理エレメントは、例えば、膜の2枚のシートと同様のサイズの透過物スペーサー(permeate spacer)の1枚の長方形シートによって分離されている膜(複合材料)の2枚の長方形シートを含む。膜エンベロープは、三辺(二つの長片と一つの短辺)で密封されている。エンベロープの密封されていない短辺は、インナーコアに取り付けられ、密封されたエンベロープは、インナーコアに巻き付けられている。この方法により、透過物は、透過物スペーサーに沿ってらせん状にインナーコアに移動する前に、一つの膜層のみを通過しなければならない。
【0084】
具体例としてのインターリーフ
特定の実施形態において、膜層の間のインターリーフ材料の存在は、装置の性能を改善する。特定の実施形態において、インターリーフは、背圧を低下させる助けとなる。特定の実施形態において、インターリーフは、結合容量を維持する助けとなる。
【0085】
特定の実施形態において、インターリーフは、スクリーン又は不織材料であり得る。
【0086】
特定の実施形態において、インターリーフは、メッシュである。特定の実施形態において、インターリーフは、1-mmメッシュ又は0.45-mmメッシュである。
【0087】
特定の実施形態において、インターリーフは、カプセルスペーサーである。特定の実施形態において、カプセルスペーサーは、ひだ状カプセル装置にスペーサーとして用いられているのと同じ材料製である。特定の実施形態において、カプセルスペーサーは、Midwest Filtration製のUNIPRO FX(100%SBポリプロピレン(フラットボンド))である。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm〜約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm又は約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約210μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約50%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約70%〜約95%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約80%〜約90%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に圧縮性である。
【0088】
特定の実施形態において、インターリーフは、ラボ基材(lab substrate)である。特定の実施形態において、インターリーフは、ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、不織ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、Hollingsworth及びVose製の不織ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm〜約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm又は約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約250μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約50%〜約90%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約60%〜約85%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約65%、約70%、約75%、約80%又は約85%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約70%〜約80%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に圧縮性である。
【0089】
特定の実施形態において、インターリーフは、ポリエチレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、高密度ポリエチレンである。
【0090】
特定の実施形態において、インターリーフは、ラボ様基材(lab-like substrate)である。特定の実施形態において、インターリーフは、ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、スパンボンド(spunbound)ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、約0.70oz/yd2〜約0.95oz/yd2の坪量のスパンボンドポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、約0.70oz/yd2、約0.75oz/yd2、約0.80oz/yd2、約0.85oz/yd2、約0.90oz/yd2又は約0.95oz/yd2の坪量のスパンボンドポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、約0.86oz/yd2の坪量のスパンボンドポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約50μm〜約300μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm又は約300μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約150μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約50%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約80%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約80%、約85%、約90%又は約95%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約85%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に圧縮性である。
【0091】
特定の実施形態において、インターリーフは、フィルターである。特定の実施形態において、インターリーフは、ポリプロピレンである。特定の実施形態において、インターリーフは、Midwest Filtration製のAVSPUN 70 GSM POLYPROである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm〜約500μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm又は約500μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約365μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約50%〜約90%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約65%〜約90%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約75%〜約85%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に圧縮性である。
【0092】
特定の実施形態において、インターリーフは、メッシュである。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、押出成形網である。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、約0.45-mmメッシュである。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、2平面熱可塑性網である。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、DelStar Technologies, Inc.製のNaltex(特定の2平面熱可塑性網)と実質的に類似している。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約300μm〜約600μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、約500μm、約550μm又は約600μmである。
【0093】
特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約450μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約90%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約97%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に非圧縮性である。
【0094】
特定の実施形態において、インターリーフは、メッシュである。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、押出成形網である。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、0.45-mmメッシュである。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、2平面熱可塑性網である。特定の実施形態において、メッシュインターリーフは、DelStar Technologies,Inc.製のNaltexと実質的に類似している。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約800μm〜約1200μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約800μm、約850μm、約900μm、約950μm、約1000μm、約1050μm、約1100μm、約1150μm又は約1200μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約1000μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約90%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約97%〜約99%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に非圧縮性である。
【0095】
特定の実施形態において、インターリーフは、紙である。特定の実施形態において、インターリーフは、非結合ガラスである。特定の実施形態において、インターリーフは、セルロースである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約20μm〜約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、厚さが約20μm、約40μm、約60μm、約80μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm又は約400μmである。特定の実施形態において、インターリーフは、約40%〜約90%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約45%〜約85%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%又は約85%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、約50%〜約80%の気孔率を有する。特定の実施形態において、インターリーフは、実質的に圧縮性である。
【0096】
特定の実施形態において、インターリーフの厚さは、インターリーフ層の数を単に増加させることによって増加させることができる。
【0097】
特定の実施形態において、例えば、圧縮性、開放率(percentage of openness)などのインターリーフの特性は、流体処理装置の性能に対する著しい影響を有する。
【0098】
具体例としてのインナーコア
特定の実施形態において、本発明は、複合材料及びインターリーフがインナーコアに巻き付けられている、上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0099】
特定の実施形態において、インナーコアは、巻き付け型流体処理エレメントを支える。特定の実施形態において、インナーコアは、流体用のフローチャンネルを与える。
【0100】
特定の実施形態において、インナーコアは、円筒である。特定の実施形態において、インナーコアは、円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、むく円柱である。
【0101】
特定の実施形態において、インナーコアは、円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、円筒であり、円筒は、その表面に溝又はチャンネルを含む。
【0102】
特定の実施形態において、インナーコアは、円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、円筒であり、円筒は、機械加工されている。
【0103】
特定の実施形態において、インナーコアは、円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、その末端の両方にキャップが付けられ又は密閉されている円筒である。
【0104】
特定の実施形態において、インナーコアは、円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、有孔円筒管である。特定の実施形態において、インナーコアは、その末端の一つにキャップが付けられ又は密閉されている有孔円筒管である。
【0105】
特定の実施形態において、インナーコアは、プラスチックである。特定の実施形態において、インナーコアは、ポリプロピレンである。
【0106】
特定の実施形態において、インナーコアは、プラスチックである。特定の実施形態において、インナーコアは、ポリスルホンである。
【0107】
特定の実施形態において、インナーコアを構成する材料は、本質的に多孔性であり得る。特定の実施形態において、インナーコアは、POREXである。
【0108】
特定の実施形態において、インナーコアを構成する材料は、本質的に多孔性でないが、非多孔性インナーコアに穴を機械的にあけることができる。特定の実施形態において、穴は、ドリルによりインナーコアにあけられる。特定の実施形態において、機械加工によりフローチャンネルを造成することができる。
【0109】
特定の実施形態において、インナーコアは、パイプに巻き付けられたスクリーンである。特定の実施形態において、スクリーンは、流体が流れ得る方法をもたらす。
【0110】
特定の実施形態において、インナーコアの直径は、約0.2cm〜約200cmである。特定の実施形態において、インナーコアの直径は、約0.2cm、約0.4cm、約0.5cm、約0.6cm、約0.8cm、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約10cm、約20cm、約30cm、約40cm、約50cm、約75cm、約100cm、約125cm、約150cm又は約175cmである。
【0111】
特定の実施形態において、インナーコアの長さは、約2cm〜約200cmである。特定の実施形態において、インナーコアの長さは、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約10cm、約20cm、約30cm、約40cm、約50cm、約75cm、約100cm、約125cm、約150cm又は約175cmである。
【0112】
特定の実施形態において、インナーコアは、有孔円筒管であり、有孔は、スロット又は穴である。
【0113】
特定の実施形態において、インナーコアは、高度に多孔性のセル構造様材料を含む。特定の実施形態において、インナーコアは、それ自体に巻かれたインターリーフを含む。
【0114】
特定の実施形態において、インナーコアは、スクリーンで包まれている。
【0115】
特定の実施形態において、インナーコアは、有孔直方柱、有孔三角柱又は正四角柱である。特定の実施形態において、インナーコアは、有孔直方柱、有孔三角柱又は正四角柱であり、有孔直方柱、有孔三角柱又は正四角柱の一端にキャップが付けられ又は密閉されている。
【0116】
具体例としての複合材料
特定の実施形態において、本発明は、複合材料を含む上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、膜として使用するための複合材料を含む。
【0117】
特定の実施形態において、本発明において膜として使用した複合材料は、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,316,919号並びに米国特許出願公開第11/950,562号、第12/108,178号、第12/244,940号、第12/250,861号、第12/211,618号及び第12/250,869号に記載されている。
【0118】
特定の実施形態において、本発明は、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関し、複合材料は、
支持部材を通って伸びている複数の細孔を含む支持部材と、
10nm〜3000nmの平均直径を有するマクロ細孔を含み、支持部材の細孔中に位置している非自己支持マクロ多孔性架橋ゲルと
を含み、
前記マクロ多孔性架橋ゲルの前記マクロ細孔が前記支持部材の前記細孔より小さい。
【0119】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが約25nm〜約1500nmの平均直径のマクロ細孔を有する、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、マクロ多孔性架橋ゲルは、約50nm〜約1000nmの平均直径のマクロ細孔を有する。特定の実施形態において、マクロ多孔性架橋ゲルは、約700nmの平均直径のマクロ細孔を有する。特定の実施形態において、マクロ多孔性架橋ゲルは、約300nmの平均直径のマクロ細孔を有する。
【0120】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルがヒドロゲル、高分子電解質ゲル、疎水性ゲル、中性ゲル又は官能基を含むゲルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが中性又は荷電ヒドロゲルであり、中性又は荷電ヒドロゲルが架橋ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシメチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド)、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド又はビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸とアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド又はビニルピロリドンとのコポリマー、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド又はN-ビニルピロリドンとのコポリマー及びジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド又はビニルピロリドンとのコポリマーからなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが高分子電解質ゲルであり、高分子電解質ゲルが架橋ポリ(アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)及びその塩、ポリ(アクリル酸)及びその塩、ポリ(メタクリル酸)及びその塩、ポリ(スチレンスルホン酸)及びその塩、ポリ(ビニルスルホン酸)及びその塩、ポリ(アルギン酸)及びその塩、ポリ[(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム]塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)塩、ポリ(4-ビニル-N-メチルピリジニウム)塩、ポリ(ビニルベンジル-N-トリメチルアンモニウム)塩並びにポリ(エチレンイミン)及びその塩からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが疎水性ゲルであり、疎水性ゲルがアクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、オクタデシルアクリルアミド、アクリル酸ステアリル及びスチレンの架橋ポリマー又はコポリマーからなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが中性ゲルであり、中性ゲルがアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メタクリロイルアクリルアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド及びN-ビニルピロリドンの架橋ポリマー又はコポリマーからなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0121】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが官能基を含むゲルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルは、モノマーを含み、モノマーは、官能基を含む。特定の実施形態において、官能基は、チオール又は保護チオールである。特定の実施形態において、マクロ多孔性架橋ゲルは、モノマーを含み、モノマーは、アリル3-メルカプトプロピオネートチオアセテート、(S-ベンゾイル-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-2,2-ジメチルプロパノイル-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-3-メルカプト-2-アセチルプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-3-メルカプト-2-アセトアセチルプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-3-メルカプト-2-テトラヒドロピラニル)-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-3-メルカプト-2-(2-メトキシ-2-プロポキシ))-2-メチル-2-プロペノエート、(S-アセチル-2-メルカプト-3-アセチルプロピル)-2-メチル-2-プロペノエート、S-アセチル-(1-アリルオキシ-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロパン)、S-ベンゾイル-(1-アリルオキシ-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロパン)及びS-2,2-ジメチルプロパノイル-(1-アリルオキシ-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロパン)からなる群から選択される。
【0122】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が官能基を含み、官能基がアミノ酸配位子、抗原及び抗体配位子、色素配位子、生体分子、生体イオン及び金属アフィニティー配位子からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0123】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が官能基を含み、前記官能基が金属アフィニティー配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、本発明は、複合材料が官能基を含み、前記官能基が金属アフィニティー配位子であり、複数の金属イオンが複数の前記金属アフィニティー配位子と錯体形成している、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0124】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が多座配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0125】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0126】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0127】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0128】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0129】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0130】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0131】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子の塩である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0132】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子のナトリウム塩である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0133】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子のカリウム塩である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0134】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がエチレンジアミン部分を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0135】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がヘキサメチレンジアミン部分を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0136】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がジエタノールアミン部分を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0137】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がペンタエチレンヘキサミン部分を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0138】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がトリエチレンテトラミン部分を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0139】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がトリス(カルボキシメチル)エチレンジアミンを含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0140】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がカルボン酸の共役塩基を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、共役塩基は、塩として利用可能である。特定の実施形態において、共役塩基は、ナトリウム塩又はカリウム塩として利用可能である。特定の実施形態において、共役塩基は、ナトリウム塩として利用可能である。特定の実施形態において、共役塩基は、カリウム塩として利用可能である。
【0141】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0142】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0143】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0144】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0145】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0146】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0147】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0148】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0149】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0150】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が八座、六座、四座、三座又は二座配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0151】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0152】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0153】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0154】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0155】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が四座配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0156】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0157】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0158】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0159】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0160】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が三座配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0161】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0162】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0163】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0164】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0165】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子が二座配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0166】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0167】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0168】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0169】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0170】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノジカルボン酸配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0171】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子であり、前記金属イオンが遷移金属イオン、ランタニドイオン、卑金属イオン又はアルカリ土類金属イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0172】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子であり、前記金属イオンがニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0173】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子であり、前記金属イオンがニッケル又はジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0174】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子であり、前記金属イオンがニッケルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0175】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が、複数の金属イオンと錯体を形成した金属アフィニティー配位子を含み、前記金属アフィニティー配位子がイミノ二酢酸配位子であり、前記金属イオンがジルコニウムである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0176】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が官能基を含み、官能基が生体分子又は生体イオンである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、生体分子又は生体イオンは、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物由来のγ-グロブリン、ヒト及び動物由来の免疫グロブリン、合成又は天然由来のポリペプチドを含む組換え又は天然由来のタンパク質、インターロイキン2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、抗原、レクチン、細菌免疫グロブリン結合タンパク質、トリプシン及びその阻害剤、シトクロムC、ミオグロブリン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ペプチドH、核酸由来産物、合成又は天然由来のDNA並びに合成又は天然由来のRNAからなる群から選択される。
【0177】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料がプロテインAを含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。プロテインAは、細菌黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の細胞壁に最初に見いだされた40〜60kDaのMSCRAMM表面タンパク質である。それは、spa遺伝子によりコードされ、その調節は、DNAトポロジー、細胞オスモル濃度及びArlS-ArlRと呼ばれている2成分系により制御される。それは、免疫グロブリンに結合するその能力のため、生化学研究に用いられている。それは、哺乳動物種の多くのタンパク質、最も顕著にはIgGsに結合する。それは、重鎖との相互作用により免疫グロブリンのFc領域に結合する。この種の相互作用の結果は、血清中で細菌は、オプソニン作用及び食作用を妨げるそれらの表面上での不適切な配向で(正常抗体機能に関して)IgG分子に結合する。それは、ヒトIgG1及びIgG2並びにマウスIgG2a及びIgG2bに高い親和力で結合する。プロテインAは、ヒトIgM、IgA及びIgE並びにマウスIgG3及びIgG1に中等度の親和力で結合する。それは、ヒトIgG3又はIgDと反応せず、マウスIgM、IgA又はIgEとも反応しない。
【0178】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルがマクロモノマーを含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、マクロモノマーは、ポリ(エチレングリコール)アクリレート及びポリ(エチレングリコール)メタクリレートからなる群から選択される。
【0179】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルがN,N-メチレンビスアクリルアミド又は多官能性マクロモノマーにより架橋されている、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。特定の実施形態において、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルは、多官能性マクロモノマーにより架橋されており、多官能性マクロモノマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート及びポリ(エチレングリコール)ジメタクリレートからなる群から選択される。特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルがN,N-メチレンビスアクリルアミドにより架橋されている、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0180】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料のマクロ多孔性架橋ゲルが、N,N-メチレンビスアクリルアミドにより架橋された(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)とN-(ヒドロキシメチル)アクリルアミドとのコポリマーを含む正に荷電したヒドロゲルである、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0181】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料が膜であり、マクロ多孔性架橋ゲルが荷電部分を有する、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0182】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料がサイズ排除分離においてフィルターとして用いる膜である、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0183】
特定の実施形態において、本発明の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントは、負に荷電した部分を含む、上述の複合材料のいずれか一つを含む。負に荷電した膜は、膜表面の汚染物質に反発し、これが、より高い流束、より容易な洗浄及びより低いシステム費用につながる。
【0184】
特定の実施形態において、本発明の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントは、親水性である、上述の複合材料のいずれか一つを含む。汚染物質は、一般的に疎水性種である。
【0185】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料の支持部材が、約10μm〜約500μmの厚さを有し、約0.1〜約25μmの平均直径の細孔を含む膜の形態のポリマー材料から本質的になる、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0186】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料の支持部材がポリオレフィンからから本質的になる、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0187】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料の支持部材が、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリエステル、セルロース及びセルロース誘導体からなる群から選択されるポリマー材料を含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0188】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料の支持部材が、約10μm〜約2000μmの厚さを有し、約0.1〜約25μmの平均直径の細孔を含む繊維織物の形態のポリマー材料から本質的になる、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0189】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料の支持部材が、2〜10個の別個の支持部材の積み重ねを含む、上述の流体処理装置又は巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つに関する。
【0190】
具体例としての方法
特定の実施形態において、本発明は、物質を含む第1の流体を上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つにおける複合材料と接触させ、それにより、複合材料上に該物質を吸着又は吸収させるステップを含む方法に関する。
【0191】
特定の実施形態において、本発明は、
流体処理装置の第1の開口部に第1の流体を入れるステップをさらに含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0192】
特定の実施形態において、本発明は、
第2の流体を複合材料上に吸着又は吸収した物質と接触させ、それにより、複合材料から物質を放出させるステップをさらに含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0193】
特定の実施形態において、本発明は、物質がサイズ排除に基づいて分離される、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0194】
特定の実施形態において、本発明は、マクロ多孔性ゲルが物質に対して特異的相互作用を示す、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0195】
特定の実施形態において、本発明は、特異的相互作用が静電相互作用、アフィニティー相互作用又は疎水性相互作用である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0196】
特定の実施形態において、本発明は、特異的相互作用が静電相互作用であり、複合材料がマクロ多孔性ゲル上に電荷を有し、物質が荷電しており、物質がドナン排除に基づいて分離される、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0197】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が細胞の懸濁液又は凝集体の懸濁液である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0198】
特定の実施形態において、本発明は、物質が生体分子又は生体イオンである、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0199】
特定の実施形態において、本発明は、生体分子又は生体イオンが、アルブミン、リゾチーム、ウイルス、細胞、ヒト及び動物由来のγ-グロブリン、ヒト及び動物由来の免疫グロブリン、合成又は天然由来のポリペプチドを含む組換え又は天然由来のタンパク質、インターロイキン2及びその受容体、酵素、モノクローナル抗体、トリプシン及びその阻害剤、シトクロムC、ミオグロブリン、組換えヒトインターロイキン、組換え融合タンパク質核酸由来産物、合成又は天然由来のDNA並びに合成又は天然由来のRNAからなる群から選択される、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0200】
特定の実施形態において、本発明は、生体分子又は生体イオンがタンパク質であり、タンパク質が、Glu、Asp、Try、Arg、Lys、Met及びHisからなる群から選択される露出アミノ酸残基を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0201】
特定の実施形態において、本発明は、生体分子又は生体イオンがタンパク質であり、タンパク質が露出Hisアミノ酸残基を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0202】
特定の実施形態において、本発明は、生体分子又は生体イオンがモノクローナル抗体である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0203】
特定の実施形態において、本発明は、物質が金属含有粒子又は金属含有イオンである、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0204】
特定の実施形態において、本発明は、金属含有粒子又は金属含有イオンが遷移金属、ランタニド、卑金属又はアルカリ土類金属を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0205】
特定の実施形態において、本発明は、金属含有粒子又は金属含有イオンが、ニッケル、ジルコニウム、ランタン、セリウム、マンガン、チタン、コバルト、鉄、銅、亜鉛、銀、ガリウム、白金、パラジウム、鉛、水銀、カドミウム及び金からなる群から選択される金属を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0206】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が廃水である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0207】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が製錬からの廃水又は海水である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0208】
特定の実施形態において、本発明は、物質が鉛又は水銀である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0209】
特定の実施形態において、本発明は、物質が白金、パラジウム、銅、金又は銀である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0210】
特定の実施形態において、本発明は、流体が廃水であり、金属含有粒子又は金属含有イオンが鉛又は水銀を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0211】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が製錬からの廃水であり、金属含有粒子又は金属含有イオンが鉛又は水銀を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0212】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が海水であり、金属含有粒子又は金属含有イオンが白金、パラジウム、銅、金又は銀を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0213】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が卵白を含む、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0214】
特定の実施形態において、本発明は、第1の流体が卵白を含み、物質がリゾチームである、上述の方法のいずれか一つに関する。
【0215】
特定の実施形態において、本発明は、接線流分離モードにおいて、本発明の装置における複合材料の高い特異性のため、原料反応混合物の前処理が必要でない方法に関する。特定の実施形態において、本発明は、分離を大規模に行うことができる方法に関する。特定の実施形態において、本発明は、分離を短時間で行うことができる方法に関する。特定の実施形態において、本発明は、装置が高い結合容量を有する方法に関する。
【0216】
特定の実施形態において、本発明は、複合材料上に所望の物質を収集するステップと複合材料から所望の物質を得るステップの二つのステップを含む方法に関する。
【0217】
特定の実施形態において、本発明は、
流体を上述の巻き付け型流体処理エレメントのいずれか一つにおける複合材料と接触させ、それにより、物質を複合材料に吸着又は吸収させるステップ
を含む、流体から物質を分離する方法に関する。
【0218】
特定の実施形態において、本発明は、
流体を上述の流体処理装置のいずれか一つの第1の開口部に入れ、それにより、物質を複合材料に吸着又は吸収させ、透過物を生じさせるステップと、
流体処理装置の第2の開口部から透過物を収集するステップと
を含む、流体から物質を分離する方法に関する。
【0219】
特定の実施形態において、本発明は、流体を複合材料のマクロ細孔に通し、物質を複合材料のマクロ細孔内に吸着又は吸収させる、上述の方法に関する。
【0220】
特定の実施形態において、本発明は、
流体を上述の流体処理装置のいずれか一つの第1の開口部に入れ、それにより、物質を複合材料に吸着又は吸収させるステップと、
流体処理装置の第2の開口部から透過物を収集するステップと、
第2の流体を流体処理装置の第1の開口部に入れ、それにより、複合材料から物質を放出させるステップと
を含む、流体から物質を分離する方法に関する。
【0221】
特定の実施形態において、本発明は、流体を複合材料のマクロ細孔に通し、物質を複合材料のマクロ細孔内に吸着又は吸収させ、第2の流体を複合材料のマクロ細孔に通し、それにより、複合材料から物質を放出させる、上述の方法に関する。
【0222】
特定の実施形態において、本発明は、物質が放射性である、上述の方法のいずれか一つに関する。
【実施例】
【0223】
本発明を今一般的に述べているが、本発明の特定の態様及び実施形態の例示の目的のために単に含めるものであって、本発明を限定するものでない、以下の実施例を参照することによって本発明がより容易に理解される。
【0224】
[実施例1]
4層巻き付け型装置を2.5"ひだ状膜装置と比較する結果を図20に示す。これらの結果は、S(強陽イオン交換)及びQ(強陰イオン交換)膜を用いて多数回再現された。
【0225】
[実施例2]
流体流路は、以下の制御を可能にした:
- 破過特性(より薄いインターリーフ、より多くの層又はより大きいコア=より急激な破過)
- 背圧特性(より薄いインターリーフ、より多くの層又はより大きいコア=より高い背圧)
- 循環能力(インナーコア内への流れ=背圧の増加;インナーコアから放射状に外側への流れ=安定した背圧、したがって循環が可能)
(装置の容積:膜容積)比は、以下への制御を増進させた:
- 工程処理能力を改善すること(比較的より多くの膜=定量を処理するのにより少ないサイクル;より少ないサイクル=より短い時間=処理能力の増大)
- より高い溶出力価へ(ホールドアップ容積の低減=装置の容積の低減=力価の増大)
- 緩衝剤の使用量の低減へ(ホールドアップ容積の低減=混合及び希釈の低減=緩衝剤の最適使用)
参照による組込み
本明細書で引用したすべての米国特許及び米国特許出願公開は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0226】
同等物
当業者は、本明細書で述べた本発明の特定の実施形態の多くの同等物をせいぜい常用の実験を用いて認識する又は確認することができる。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲によって含まれるものとする。
本願は、例えば以下の態様を含む。
[項1]
複合材料と、
インターリーフと、
インナーコアと
を含み、複合材料及びインターリーフがインナーコアに巻き付けられた層を形成している、巻き付け型流体処理エレメント。
[項2]
層がインナーコアにらせん状に巻き付けられている、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項3]
複合材料がインターリーフと接触している、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項4]
層がインナーコアの周りの同心円でない、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項5]
インターリーフがスクリーン又は不織材料である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項6]
インターリーフがメッシュである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項7]
インターリーフがカプセルスペーサーである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項8]
インターリーフがポリプロピレン又はポリエチレンである、項7に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項9]
インターリーフの厚さが約100μm〜約400μmである、項7又は8に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項10]
インターリーフが約50%〜約99%の気孔率を有する、項7から9のいずれか一項に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項11]
インターリーフがラボ基材である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項12]
インターリーフが不織ポリプロピレンである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項13]
インターリーフの厚さが約100μm〜約400μmである、項12に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項14]
インターリーフが約50%〜約90%の気孔率を有する、項12又は13に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項15]
インターリーフがスパンボンドポリプロピレンである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項16]
インターリーフが約0.70oz/yd2〜約0.95oz/yd2の坪量のスパンボンドポリプロピレンである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項17]
インターリーフの厚さが約50μm〜約300μmである、項15又は16に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項18]
インターリーフが約50%〜約99%の気孔率を有する、項15から17のいずれか一項に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項19]
インターリーフがメッシュであり、メッシュが押出成形網である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項20]
インターリーフが0.45-mmメッシュである、項1、6又は19に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項21]
インターリーフの厚さが約300μm〜約600μmである、項20に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項22]
インターリーフが約90%〜約99%の気孔率を有する、項20又は21に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項23]
インターリーフの厚さが約800μm〜約1200μmである、項20に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項24]
インターリーフが約90%〜約99%の気孔率を有する、項20又は23に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項25]
インターリーフが紙である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項26]
インターリーフの厚さが約20μm〜約400μmである、項25に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項27]
インターリーフが約40%〜約90%の気孔率を有する、項25又は26に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項28]
インナーコアが円筒管である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項29]
インナーコアが有孔円筒管である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項30]
インナーコアが、その末端の一つにキャップが付けられ又は密閉されている有孔円筒管である、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項31]
インナーコアがプラスチックである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項32]
インナーコアがポリプロピレンである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。[項33]
インナーコアが管に巻き付けられたスクリーンである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項34]
インナーコアの直径が約0.2cm〜約200cmである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項35]
インナーコアの長さが約2cm〜約200cmである、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項36]
インナーコアが高度に多孔性のセル構造様材料を含む、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項37]
インナーコアが、それ自体に巻かれたインターリーフを含む、項1に記載の巻き付け型流体処理エレメント。
[項38]
ハウジングユニットを含む流体処理装置であって、
ハウジングユニットが、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料及びインターリーフを含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含み、
巻き付け型流体処理エレメントが、第1の開口部に入る流体が、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている、流体処理装置。
[項39]
ハウジングユニットを含む流体処理装置であって、
ハウジングユニットが、
(a)第1の開口部及び第2の開口部と、
(b)第1の開口部と第2の開口部との間の流体流路と、
(c)インナーコアに巻き付けられた層を形成している複合材料及びインターリーフを含む巻き付け型流体処理エレメントと
を含み、
巻き付け型流体処理エレメントが、第1の開口部に入る流体がインナーコアに達し、第2の開口部を出る前に複合材料の少なくとも一つの層及びインターリーフの少なくとも一つの層を経て流れなければならないように、流体流路と交差した方向に配置されている、流体処理装置。
[項40]
ハウジングユニットが実質的に円筒状である、項38又は39に記載の流体処理装置。
[項41]
ハウジングユニットが約1cm〜約50cmの内径を有する、項40に記載の流体処理装置。
[項42]
ハウジングユニットが使い捨て又は再使用可能である、項38から41のいずれか一項に記載の流体処理装置。
[項43]
ハウジングユニットがプラスチック又はステンレススチールである、項38から42のいずれか一項に記載の流体処理装置。
[項44]
センサーを含む、項38から43のいずれか一項に記載の流体処理装置。
[項45]
物質を含む第1の流体を項1から37のいずれか一項に記載の巻き付け型流体処理エレメントの複合材料と接触させ、それにより、複合材料上に物質を吸着又は吸収させるステップを含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21