(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記滞留シート束を生成する際に前記滞留シートを前記後続シートに比べて前記反転搬送方向に所定量先行させて重ねるべく前記第1排紙ローラ対と前記第2搬送ローラ対とを制御する、請求項1に記載の後処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。
図1に示す画像形成システムは、シート上に画像を形成する画像形成装置Aと、画像形成されたシートを後処理(仕上げ処理)する後処理装置Bで構成されている。この画像形成システムには、画像形成装置Aの上流側にネットワーク化され、画像データを作成するホスト装置(コンピュータなど)が配置されている。以下、画像形成装置A、後処理装置Bの順に説明する。
【0015】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは後処理装置Bの上流側に配置され、シート上に画像を形成して排紙口21から下流側の後処理装置Bに送る。図示の画像形成装置Aは装置ハウジング10内に給紙部11と、画像形成部13と、排紙部19と、データ処理部18を備えている。
【0016】
給紙部11は、画像形成するためのシートを給紙スタッカ12a、12b、12c(給紙カセット)を備え、オペレータが選択したサイズのシートを1枚ずつ下流側の画像形成部13に繰り出す。
【0017】
画像形成部13は、給紙部11から選択されて給送されたサイズのシートに指定された画像データで画像を形成する。画像形成機構は、図示の静電印刷機構、インクジェット印刷機構、転写リボン印刷機構、サーマル印刷機構、オフセット印刷機構など種々の画像形成機構が採用可能である。
【0018】
図示の静電印刷機構について説明すると、感光体ドラム14に光学ビーム(発光器)15で潜像を形成し、現像器16でトナーインクを付着させてドラム表面に画像を形成する。そして給紙部11から送られたシートにチャージャ17で画像を転写させる。排紙部19は、チャージャ17から送られたシートを加熱して画像を定着させ、排紙経路20から排紙口21に移送する。この排紙口21には、デュープレックス経路22が連結され、排紙口21から搬出したシートの搬送方向を反転(スイッチバック搬送)させて、シートを表裏反転させて再び画像形成部13に給送し、シート裏面側に画像を形成した後に排紙口21から搬出する。
【0019】
図示23はスキャナユニットであり、原稿をセットするプラテン24と、プラテン上の原稿をスキャンして画像読み取りする読取キャリッジ25と、読み取った画像データを画像形成装置Aのデータ処理部18に転送する画像処理部26を備えている。
【0020】
図示27はフィーダユニットであり、給紙スタッカ28上にセットした原稿シートを1枚ずつ分離してプラテン24に給送し、読取後の原稿シートを排紙スタッカ29に収納する。
【0021】
[後処理装置の構成]
上述の画像形成装置Aに連結された後処理装置Bは画像形成されたシートを部毎(グループ毎)に束状に集積して綴じ処理する「第1後処理モード」か、束状に集積して折り処理する「第2後処理モード」か、いずれかの後処理を施して下流側の収納部に収容する。図示のシステムでは、更に画像形成されたシートを下流側の収納部に収納する「第3後処理モード(プリントアウトモード)」を備えている。
【0022】
このため、後処理装置Bは
図2に示すようにケーシング30に第1後処理モードを実行するための第1後処理部(第1集積部;以下同様)35と、第2後処理モードを実行するための第2後処理部(第2集積部;以下同様)49を備えている。そして本体排紙口21に連なる搬入口31を有する搬送経路32から第1後処理部35と第2後処理部49にシートを振り分けて搬送するように構成されている。
【0023】
[搬送経路の構成]
上記搬送経路32は直進経路33と分岐経路34で構成されている。分岐経路34は直進経路33から経路分岐部32a(以下「分岐部」と云う)で分岐され、搬入口31から搬入したシートを直進経路方向と分岐経路方向に振り分けるように構成されている。このため分岐部32aには経路切換手段44が配置され、後述する制御手段76からの信号でシートを各経路排紙口に案内する。
【0024】
図示の直進経路33は、ケーシング30の一側面(右側壁)に搬入口31が、反対側側面(左側壁)に経路排紙口33aが位置する略直線経路で構成されている。つまり
図2に示すようにハウジング30を水平方向に横断する略直線状(湾曲させてもよい)の経路で直進経路33が構成され、経路排紙口33a(以下「第1排紙口」と云う)の下流側に第1後処理部35が配置されている。
【0025】
上記分岐経路34は直進経路33と交差する方向に配置され、ハウジング30に略水平方向の直進経路33に対し、分岐経路34は略鉛直方向に配置されている。
図2に示すように、分岐経路34は水平方向の直進経路33から分岐して鉛直方向にシートを案内し、経路排紙口34a(以下「第2排紙口」と云う)から第2後処理部49にシートを案内する。
【0026】
上記分岐部32aには、経路切換え手段44が配置され、搬入口31から送られたシートを直進経路33の排紙口(第1排紙口)33aに案内するか、分岐経路34の排紙口(第2排紙口)34aに案内する。このため経路切換手段44は、可動ガイド部材(フラッパ部材)と、この部材の角度姿勢を偏向するシフト手段(作動ソレノイド、モータなど;不図示)で構成されている。
【0027】
上記直進経路33と分岐経路34には、シートを搬送する搬送手段が配置されている。
図3に示す実施形態では、直進経路33には排紙方向に搬入ローラ45と排紙ローラ46(第1排紙ローラ)が配置され、ローラ45は搬入口31に、ローラ46は排紙口33aに配置され、この両ローラの間に搬送ローラ(中間ローラ)43を配置している。また、分岐経路34には分岐経路口(分岐部)32aに配置された排紙ローラ47(第2排紙ローラ)と、その下流側に第3の排紙ローラ(第3排紙ローラ)が配置されている。
【0028】
上記各ローラ45、46、47、48(搬入ローラ及び第1第2第3排紙ローラ)には、シートを搬送方向に移送する搬送力が図示しない駆動モータから伝達されるように構成されている。上記搬入ローラ45と中間ローラ43にはシートを排紙方向に移送する搬送力が駆動モータから伝達され、上記第1排紙ローラ46にはシートを第1排紙口方向に搬出する搬送力(正回転)と、シートを分岐経路方向に搬送する搬送力(逆回転)が駆動モータから伝達される。
【0029】
上記第2排紙ローラ47には、シートを搬送する搬送力が駆動モータから正逆転両方向に伝達される。また第3排紙ローラ48にはシートを第2排紙口34aから搬出する搬送力が伝達される。図示の装置は単一の駆動モータからクラッチ機構を介して搬入ローラ45と第1第2第2排紙ローラ46,47,48に搬送力が伝達されるように連結されている。
【0030】
そして上記第1排紙口33aと第1後処理部35との間には、第1排紙ローラ46で搬出したシートを、搬送方向を反転させて所定の後処理位置に後退動させるスイッチバックパス60(以下「第1スイッチバックパス」と云う)が形成されている。同様に、分岐経路34にはシート後端が分岐部32aを通過した段階で搬送方向を反転させて第2排紙口34aに案内するスイッチバックパス61(以下「第2スイッチバックパス」と云う)が形成されている。これらのスイッチバックパス60,61は、シートを案内する経路(直進経路33と分岐経路34)と搬送ローラ(上述の第1第2排紙ローラ46,47)の正逆転制御によって構成する。
【0031】
従って、搬入口31から搬入したシートは直進経路33から第1後処理部35(後述の処理トレイ36)に搬入方向とは反対のシート後端から進入し、また、分岐経路34から第2後処理部(後述の集積ガイド49a)に搬入方向とは反対のシート後端から進入することとなる。そして直進経路33の排紙方向に第1スイッチバックパス60は下流側に、第2スイッチバックパス61は上流側に距離を隔てた位置に配置されている(
図2参照)。
【0032】
上記直進経路33には、搬入口31と第1排紙口33aを通過するシートを検出するシートセンサSe1、Se2が配置されている。これらのセンサSe1、Se2の検出信号はシートの搬送制御、例えば経路切換手段44のガイド方向の制御、搬送ローラの起動、停止などの制御、シートジャムの判別制御などの基準信号として使用する。
【0033】
図示の装置において、分岐部32aを挟んで対向する第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47は、それぞれシートを所定圧力で加圧する加圧状態と離間又は加圧軽減した加圧解除状態との間で離間するローラ対で構成されている。その構成は図示しないが、互いに圧接するローラ対で、その一方を圧接方向に移動可能に軸支持する。そして付勢スプリングで互いに圧接する方向に加圧し、その加圧力を作動ソレノイドなどのアクチュエータに連結した解除レバーで解除若しくは軽減する。このようにローラ対の加圧力を加圧状態と加圧軽減状態にシフトすることによってこのローラ対でシートを移動するときには加圧し、隣接するローラ対でシートを移送するときには加圧力を軽減してその搬送を妨げないようにする。
【0034】
そして解除レバー67と電磁ソレノイド48などのアクチュエータでローラを加圧状態と加圧解除状態との間でシフトする。このように構成するのは、複数のシートを重なり合った状態で所定方向に移送するときにはローラ対を圧接した状態で回転させ、シートを隣接するローラで移送するときにはシートから離間(または圧接力軽減)させて、その搬送を妨害しないためである。
【0035】
[第1後処理部]
第1排紙口33aの下流側に配置されている第1後処理部35について、
図3に従って説明する。第1排紙口33aの下流側には段差を形成してシートを載置する紙載面36aを有する処理トレイ36が配置されている。処理トレイ36には、シートを所定の後処理位置に向けて移送する搬送回転体62(パドル回転体、ベルト回転体など)がトレイ上方に配置されている。
【0036】
また、紙載面36aには所定位置(後処理位置)にシートを係止するシート端規制手段38と、紙載面上に積載したシートの幅方向姿勢を基準位置に位置決めする整合手段39と、シートを綴じ処理する後処理手段(ステープルユニット)37が配設されている。
【0037】
図3に示すように処理トレイ36には、第1排紙口33aからシートを紙載面36aに案内するシート搬入手段42と、後処理したシート(束)を紙載面から下流側の第1収納スタッカ41に搬出するシート搬出手段40が配置してある。
【0038】
シート搬入手段42は、第1排紙口33aと処理トレイ36との間に配置され、排紙口から搬出されたシートを、その搬送方向を反転(スイッチバックパス)させて紙載面36aに向けて送る。シート搬入手段42は、昇降ローラ、パドル回転体、ベルト回転体などで構成する。図示のものは第1排紙口33aから搬出されたシートと係合する作動位置と、これから退避した待機位置との間で昇降可能な昇降ローラで構成し、シート後端が第1排紙口33aから搬出されるまでは正方向に回転し、その後反対方向に逆転するように図示しない昇降モータと正逆転モータに連結されている。
【0039】
シート搬出手段40は、紙載面36aに沿って処理位置と下流側の収納スタッカ41との間を往復動するコンベア機構で構成されている。コンベア機構は紙載面上のシート束の端縁と係合する係合部材40aと、この係合部材を紙載面に沿って往復動するベルト(不図示)で構成されている。また紙載面36aには、前述のシート搬入手段42(昇降ローラ;以下同様)と対向するローラ(固定ローラ)63が配置され、昇降ローラ42との間にシート束をニップして排紙方向に移送する。
【0040】
[第2後処理部]
図4に従って第2排紙口34aの下流側に配置されている第2後処理部49について説明する。第2後処理部49には分岐経路34から送られたシートを積載して部揃え集積する集積ガイド49aと、集積されたシート束を綴じ処理する綴じ処理手段52と、シート束を中央部から折り合わせる折り処理手段53,54とが配置されている。
【0041】
集積ガイド49aは第2排紙口34aから送られたシートを鉛直方向に立てた状態(立位姿勢)で支持して積載する積載面49bを有するガイド部材で構成されている。この集積ガイド49aにはシートの端部(先端部)を係止して位置規制する先端規制手段50が積載面に沿って移動可能に配置されている。また集積ガイド49aには積載したシートの幅方向を基準位置に位置決めする整合手段51が配置されている。
【0042】
上記綴じ処理手段52は積載面49bに集積されたシート束の中央部を綴じ処理する中綴じステープルユニットで構成されている。このステープルユニットについては、その構成は広く知られているので説明は省略する。上記折り処理手段は折りロール53と折りブレード54で構成されている。折りロール53は一対の圧接したロール対で、
図4時計方向(折りシートを排紙する方向)に回転する駆動モータ(不図示)に連結されている。
【0043】
上記折りブレード54はシート束の折目位置をロール間に挿入する板状部材で構成され、ロール対から離間した待機位置とロール間の作動位置との間で往復動するようにシフトモータ(不図示)に連結されている。上記整合手段51は、積載面上に支持されたシートを幅方向に移動可能な左右一対の整合板で構成され、図示しない整合モータが備えられている。
【0044】
上記折りローラ53の下流側には折り処理したシート束を搬出する排紙経路65と排紙ローラ66(第4排紙ローラ)が配置され、その下流側に第2収納スタッカ55が配置されている。排紙経路65は第2後処理部49の積載面49bと略直交する方向に配置され、前記直進経路33と同一方向にシートを搬出する。第2収納スタッカ55は前記第1収納スタッカ41の下方に配置されている。
【0045】
「バッファ部」
上述の構成において搬入口31に送られたシートは、直進経路33を経て第1排紙口33aから第1後処理部35に案内されるか、分岐経路34から第2後処理部49に案内される。そして第1後処理部35で部毎(印刷グループ毎)に集積されたシート束は綴じ処理された後に第1収納スタッカ41に収納される(第1後処理モード)。また、第2後処理部49に部毎に集積されたシート束は、綴じ処理と折り処理を施された後に第2収納スタッカ55に収納される(第2後処理モード)。
【0046】
そこで第1後処理部35又は第2後処理部49における後処理動作中に、搬入口31に送られたシートを経路途中に滞留させ、下流側の後処理部の後処理動作が終了するまで待機させるシートの搬送制御が必要となる。これは上流側の画像形成装置Aでシートに画像を形成するプリントプロセスを(後処理動作中に)中断させることなく進行させるためである。
【0047】
このため搬送経路(直進経路33及び分岐経路34)内に経路バッファ部Pb(以下バッファ部と云う)を設けて、後処理動作中に上流から送られてくるシートを一時的にストックさせる。この経路内に滞留させるシートは後処理時間の長短によって1枚である場合と複数枚である場合がある。上流側の画像形成装置Aにおけるプロセススピードが高速になると後処理装置Bのバッファ部Pbに滞留されるシート枚数は多数となる。
【0048】
図示の装置は
図3に示すように分岐部32aの下流側に位置する直進経路33と分岐経路34にバッファ部Pbを配置している。同図には直進経路33の第1排紙ローラ46(第1搬送ローラ;以下同様)と分岐経路34の第2排紙ローラ47(第2搬送ローラ;以下同様)との間にバッファ部Pbを配置し、両ローラに跨った状態(ブリッジ支持構造)でシートを支持している。つまり第1排紙ローラ46と、第2排紙ローラ47の間の距離は後処理する最小サイズシートの搬送方向長さより短い間隔に配置されている。
【0049】
また、第1、第2排紙ローラ46、47は、正逆転可能に駆動モータ(不図示)に連結されている。そして後述する制御手段76は第1排紙ローラ46を正方向回転から逆方向回転に反転させて直進経路33に送られたシートを分岐経路47に案内し、バッファ部Pbに送る。その後の給紙タイミングで第1、第2排紙ローラ46,47を時計方向回転(正回転)することによってバッファ部Pbに滞留させたシートを、第1後処理部35に案内し、第1、第2排紙ローラ46,47を反時計方向回転(逆回転)することによって第2後処理部49にシートを移送する。
【0050】
なお、本発明にあってシートを一時的に滞留させるための第1、第2搬送ローラは、「直進経路33の排紙口(第1排紙口)に配置したローラ対46」と「分岐経路34の経路入口に配置したローラ対47」で構成する場合を示している。これはシートの搬送方向長さより短いスパン(間隔)でシートと係合する前後一対のローラ対であればその位置は排紙口、経路入口に限らず経路途中の任意のロケーションであっても良い。また、第1、第2搬送ローラは正逆転可能なローラ対であることが好ましいが、シートを排紙方向と排紙反対方向に移送可能な複数のローラ対で構成しても良い。
【0051】
上記バッファ部Pbにシートを滞留させる際の上記各搬送ローラ(排紙ローラ)の制御について説明する。搬入口31に送られたシートを搬入ローラ45と第1排紙ローラ46(第1搬送ローラ)を排紙方向(正回転方向;
図3時計方向;以下同様)に回転し、シート後端が分岐部32aを通過した段階で第1排紙ローラ46を排紙反対方向(逆回転方向;
図3反時計方向;以下同様)に回転する。これと同時に経路切換手段44を第2排紙口側にシートを案内する姿勢(
図3破線状態)に偏向し、第2排紙ローラ47(第2搬送ローラ)を
図3反時計方向に回転させてシートを後端部側から分岐経路34に案内する。
【0052】
上記経路切換手段44と搬送ローラ(排紙ローラ)46,47の制御はシートセンサSe1、Se2からの検出信号を基準に駆動機構を制御する。後述する制御手段75は、第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47をシートサイズに応じてあらかじめ設定された回転量を回転し、両ローラを停止する。すると搬入口31から送られたシートは分岐経路34のバッファ部Pdに送られ、この位置に一時的に停止する。
【0053】
[制御構成]
図1の画像形成システムにおける制御構成について説明する。
図12は制御構成のブロック図であり、画像形成制御部70と後処理制御部75で構成されている。画像形成制御部70は、給紙制御部72と、モード設定手段71とを備えている。またモード設定手段71はコントロールパネルなどの入力部73を備えている。上記画像形成制御部70は、モード設定手段71で設定された画像形成条件でシート上に画像を形成する。給紙制御部72はモード設定手段71で設定されたサイズのシートを給紙部11から画像形成部13に給送する給紙動作を制御する。モード設定手段71は、カラー・モノクロ設定、縮倍率設定、表紙印刷設定などの画像形成条件を設定する。これと同時に、モード設定手段71は、画像形成したシートを後処理する後処理モードを設定する。
【0054】
図示の後処理装置Bは、第1後処理モード(端綴じ処理モード)と、第2後処理モード(製本綴じ処理モード)と、第3後処理モード(プリントアウトモード)に設定可能に構成されている。上記第1後処理モードは画像形成されたシートを処理トレイ36(第1集積部)に部揃え集積して綴じ処理し、第1収納スタッカ41に収納する。上記第2後処理モードは、画像形成されたシートを集積ガイド49a(第2集積部)に部揃え集積して中綴じ処理した後に折り処理して第2収納スタッカ55に収納する。上記第3後処理モードは搬入口31に送られたシートを後処理することなく第1収納スタッカ41に収納する。なお、ここで「端綴じ処理」とは、部揃え集積したシート束の端面に沿って1個所又は複数個所を綴じ処理する仕上げ処理を、「中綴じ処理」とは部揃え集積したシート束の中央部(シートセンタ)の複数個所を位綴じ処理する仕上げ処理を、それぞれ意味する。
【0055】
後処理制御部75は、指定された後処理モード(仕上げ処理)に応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU76と、動作プログラムを記憶したROM77と、制御データを記憶するRAM78を備えている。そしてこの制御CPU76は、搬入口31に送られたシートの搬送を制御する搬送制御部76aと、シートの集積動作を制御する集積動作制御部76bと、シート束の綴じ処理を制御する綴じ動作制御部76cと、シートの束折り動作を制御する折り動作制御部76dを備えている。
【0056】
この各制御部76a〜76dは、第1後処理部35でシートに後処理する動作モード(第1後処理モード)と第2後処理部49でシートに後処理する動作モード(第2後処理モード)を選択していずれかのモードを動作させる。
【0057】
上記搬送制御部76aは前述の搬送経路32の搬入ローラ45、(中間ローラ43)、第1排紙ローラ46の駆動モータ(不図示)の制御回路(ドライバ)に結線され、また、搬送経路32に配置されたシートセンサSe1、Se2から検知信号を受信する。また、搬送制御部76aは前述の第2、第3排紙ローラ47、48の駆動モータ(不図示)の制御回路(ドライバ)に結線され、分岐経路34のシートセンサSe3から検出信号を受信する。
【0058】
また上記搬送制御部76aは、第1、第2後処理部35,49における処理動作中(例えば後処理動作、折り処理動作など)に搬入口31に送られたシートをバッファ部Pbに滞留させる制御を実行する。このため搬送制御部76aには、後処理動作中に滞留させるシート枚数を算出するバッファシート数演算手段79と、搬入口31のバッファシートをバッファ部Pbに移送するバッファシート搬送量設定手段80が内在されている。このバッファシート数演算手段79とバッファシート搬送量設定手段80の詳細は後述する。
【0059】
なお直進経路33の駆動モータと、分岐経路34の駆動モータとは、単一のモータで構成するか若しくは個別のモータで構成する。単一のモータで構成する場合には、クラッチ手段を介して各搬送ローラに駆動を伝達する。上記集積動作制御部76bは、第1集積部35にシートを集積するために前述のシート搬入手段42(昇降ローラ)の正逆転モータ、シート搬出手段40の排紙モータの駆動回路に制御信号を送信する。更に上記綴じ動作制御部76cは、第1集積部35の端綴じステープル装置37と第2集積部49の中綴じステープル装置52に内蔵されたドライブモータ(不図示)の駆動回路に制御信号を発信する。
【0060】
上記折り動作制御部76dは、前記折ロール対53を駆動回転するロール駆動モータの駆動回路に結線され、この制御部は前述の分岐経路34の第2第3排紙ローラ47、48及び集積ガイド49aの先端規制手段50を所定位置に移動制御するシフト手段の制御回路に制御信号を発信し、これらの経路に配置されたシートセンサ(不図示)から検出信号を受信する。
【0061】
[バッファシート数演算手段]
次に上記バッファシート数演算手段79について説明する。この演算手段79は搬送制御部76aに内在されている。この演算手段79は画像形成装置Aから送られたシートの搬送方向長さ(サイズ情報)と予め設定されRAM78にデータ記憶されている後処理時間(例えばシート整合時間+綴じ処理時間+折り処理時間+処理シート搬出時間)から経路中に滞留させるシート枚数を演算する。これは後処理時間をTd、画像形成のプロセス時間をTp、バッファシート数Bsとするとき、[Bs=Td/Tp]・・・(式1)で算出する。これによって第1、第2後処理部35,49における後処理動作中に画像形成装置Aから送られたシートをバッファ部Pbに滞留させるシート数が設定される。
【0062】
[バッファシート搬送量設定手段]
上記バッファシート数演算手段79で算出されたバッファシートをバッファ部Pbに移送して一次的に停止(滞留)するとき、搬送制御部76aはバッファシートを経路方向の前後にオフセットさせて重畳的に停止させる。これはバッファシートを後処理動作が終了した後に、第1第2後処理部35、49に迅速(スピーディ)に、且つ確実(ジャムすることなく)に移送するためである。
【0063】
図示の装置は1枚目のバッファシートnをバッファ部Pbに搬送し、2枚目のバッファシートを予め設定したオフセット量δだけ搬送方向の上流側にオフセットさせて(位置ズレさせて)停止する。このため搬送制御部76aは、例えば排紙センサSe2でシート先端を検出した信号を基準に第1、第2排紙ローラ46、47の搬送量をバッファシート数に応じて(異なる搬送量に)設定する。
【0064】
例えば1枚目のバッファシートの搬送量を(Ln)に設定するとき、2枚目のバッファシートの搬送量を(Ln−δ)に、3枚目のバッファシートの搬送量は(Ln−2×δ)に設定し、以降同様に搬送量を徐々に短く設定する。このように複数のシートを搬送方向に位置ズレ(オフセット)させて滞留させる理由は後述する。
【0065】
[後処理動作の説明]
上述のように構成された後処理制御部75は後処理装置Bに次の処理動作を実行させる。前述したように後処理制御部75は第1後処理モード(第1後処理部35における端綴じ処理)、第2後処理モード(第2後処理部49における製本処理)、第3後処理モード(第1後処理部35におけるプリントシート収納処理)を備えている。そして、モード設定手段71で設定されたモードに応じて画像形成装置Aから送られたシートを第1後処理部35か、または第2後処理部49に集積して後処理したのちに下流側のスタッカ41,55に収納する。以下、[後処理部へのシート搬送順序の説明][バッファシートの移送動作説明][第1後処理モード動作][第2後処理モード動作]の順に説明する。
【0066】
[後処理部へのシート搬送順序の説明]
図5に示すように搬入口31のシートは第1後処理部35に第1スイッチバック経路60で、第2後処理部49に第2スイッチバック経路61で移送される。搬入口31にシートは画像形成順に(n)(n+1)(n+2)送られる。制御手段(制御CPU)76は、このシートを直進経路33から第1後処理部35に、分岐経路34から第2後処理部49に移送する。そして第1、第2後処理部35、49で後処理動作時間中にはバッファ部Pbにシートを一時的に滞留させる。
【0067】
第1後処理部35には、搬入口31に送られたシートをその順序(n,n+1,n+2)で処理トレイ36の紙載面36aの上方に積み重ねて集積する。バッファ部Pbにも同順序(n,n+1,n+2)の順に経路に積み重ねて滞留させる。また第2後処理部49にも同順序(n,n+1,n+2)の順に積み重ねて集積する。このとき第1後処理部35とバッファ部Pbではシートの上下姿勢が同一であるが、第2後処理部49ではシートの上下姿勢が異なるように集積している。
【0068】
[バッファシートの後処理部への移送説明]
そしてバッファ部Pbに滞留させた複数のシートは、第1後処理部35に移送するときには、束状に重ね合わせた状態で同時に移送し、第2後処理部49に移送するときにはシートを搬入口31に送られた順序で1枚ずつ移送する。その状態を
図5に従って説明する。搬入口31にシートは画像形成順(n)(n+1)(n+2)に送られる。このシートはバッファ部Pbに同じ順序、(n)(n+1)(n+2)の順に積重ねられる。
【0069】
そして制御手段76は後処理部35(49)の後処理動作が終了した段階でバッファ部Pbに位置する第1、第2排紙(搬送)ローラ46、47を、シートを搬送する方向に回転制御する。このとき制御手段76は第1処理部35には、束状に重ね合わせられたバッファシートを束状態で同時に移送し、第2後処理部49には、束状に重ね合わせられたバッファシートを1枚ずつ移送する。
【0070】
[第1後処理モード]
図13に従って第1後処理モード(端綴じ処理モード)の動作手順について説明する。装置電源が投入されると制御手段76はイニシャライズ動作を実行する(St01)。イニシャライズ動作の説明を省くが経路切換手段44はシートを直進経路33を排紙方向に案内する。シート先端と後端をセンサSe1とセンサSe2で検出し、検出信号を基準にタイマを起動する(St02)。両センサSe1、Se2のいずれの検出信号を基準にシートの搬送状態を判別(監視)するかは適宜設定する。
【0071】
シート先端が第1排紙口33aから搬出されたタイミングで昇降ローラ42(シート搬入手段)を待機位置からシートと係合する作動位置に降下させる。これと共に昇降ローラ42を排紙方向に回転させてシートを排紙方向に移送する(St03)。第1排紙口33aからシート後端が搬出されたタイミングで昇降ローラ42を排紙反対方向に逆転する(St04)。するとシートは第1排紙口33aの下流側に配置されている処理トレイ36に後端側から搬送方向を反転(スイッチバック)して搬入し、トレイ上のシート端規制手段38に突き当て係止される(St05)。そして制御手段76は第1後処理部35に搬入されたシートを幅方向を基準位置に位置決めする。
【0072】
制御手段76は、画像形成装置Aからジョブ終了信号を受信するまで上述のステップSt02〜ステップSt05の動作を繰り返す。これによって画像形成装置Aで画像形成されたシートは第1後処理部35に部揃え集積される。そして画像形成装置Aからのジョブ終了信号を受信すると制御手段76は、第1後処理部35の後処理手段37(ステープラユニット)に後処理動作を実行させる(St06)。次いで制御手段76は後処理手段37から動作終了信号を受信すると処理済シート束を下流側の第1収納スタッカ41に向けて搬出する(St07)。
【0073】
上記後処理動作の実行と同時に制御手段76は、画像形成装置Aから後処理モードの設定情報(この場合は第1後処理モード)と、画像形成の処理速度(プロセススピード)と、シートサイズ情報を入手し、後処理装置BのRAM78に記憶されている第1後処理部35における後処理動作時間データを呼び出す。そしてこれらの情報を元にバッファシート数演算手段79で経路中に滞留させるシート枚数を算出し、バッファシートの搬送量を搬送量設定手段80で算出する(St08)。
【0074】
制御手段76は搬入口31に後続シートが到達すると、搬入センサSe1でこれを検出し、このシート後端が分岐部32aに到達する見込み時間をRAM78のタイマ時間から入手する。そして搬入センサSe1の検出信号でタイマを起動する。
【0075】
次に制御手段76はシート後端が分岐部32aを通過した見込み時間が経過する(タイマアップ)と経路切換手段44を
図3破線方向に変更し、同時に第1排紙ローラ46と、第2排紙ローラ47を排紙反対方向に回転する(St09)。するとシートは分岐経路34に後端側から進入し、制御手段76は第1第2排紙ローラ46,47を搬送量設定手段80で設定された量だけ回転して停止する(St10)。
【0076】
次に後続する次シート(n+1)が搬入口31に到達すると、制御手段76は同様に、このシートをバッファ部Pbに搬入する。このシートの搬送量は先のシート(n)の搬送量よりオフセット量δだけ少なく設定する。またその次のシート(n+2)も同様にバッファ部Pbに搬入して先のシート(n+1)よりオフセット量δだけ搬送量を少なく搬送する(St11)。
【0077】
このように第1後処理部35で後処理動作の実行中に画像形成装置Aから送られたシートは分岐部32aを挟んで直線経路33と分岐経路34との間にまたがった状態(ブリッジ状態)で一時的に保持される(上記St11の実行)。そこで制御手段76は第1後処理部35からシート搬入の許可信号を受信する(St12)。この信号を基準に第1、第2排紙ローラ46,47を排紙方向(
図3時計方向)に回転する。するとバッファシートは複数が重なり合った状態でバッファ部Pbから第1排紙口33aに向けて移送される(St13)。制御手段76は昇降ローラ42と搬送回転体62を回転させてシート束を後処理装置Bの第1後処理部35のシート端規制手段38に突き当て停止させる。
【0078】
[第2後処理モード]
次に第2後処理モード(製本綴じ処理モード)について
図14に従って説明する。装置電源が投入されると装置のイニシャライズ動作を実行(St01)し、シートが搬入口31に送られるとその先端を検出してタイマを起動する(St02)。シート後端が分岐部32aを通過した見込み時間(タイマアップ)で、経路切換手段44を偏向し、第1、第2排紙ローラ46,47を排紙反対方向に回転させてシートを直進経路33から分岐経路34に案内する。このシートは第2排紙口34aから第2後処理部49に送られ集積ガイド49aに集積される(St20)。制御手段76は画像形成装置Aからジョブ終了信号を受信すると集積ガイド49aに集積されたシートを綴じ処理位置に移動して綴じ手段で綴じ処理する(St21)。
【0079】
次いで制御手段76はシート束を折り処理位置に移動し、折りロール対53を折り処理方向に回転すると同時に折りブレード54を待機位置から作動位置に移動する。するとシート束は、中央部から折り合わされ、折処理動作される(St22)。折り処理動作の実行後はこのシート束は第2収納スタッカ55に送られ収納される(St23)。
【0080】
上記後処理動作の実行と同時に制御手段76は、第1後処理モードと同様にバッファシート数演算手段79で滞留させるシート枚数と、各バッファシートの搬送量を搬送量設定手段80で算出する(St24)。
【0081】
そして制御手段76は搬入口31に後続シートが到達すると、第1後処理モードと同様に後続シートをバッファ部Pbに搬送して滞留させる(St25)。このバッファシート滞留も第1後処理モードと同様にオフセット量δだけ搬送量を少なくして複数のシートを重ね合わせた状態(重畳的に)で滞留させる。
【0082】
このように第2後処理部49において後処理動作の実行中(綴じ処理動作及び折り処理動作)に画像形成装置Aから送られたシートは分岐部32aを挟んで直線経路33と分岐経路34との間にまたがった状態(ブリッジ状態)で一時的に保持される。そこで制御手段76は第2後処理部49からシート搬入の許可信号を受信する(St26)。この信号を基準に第3排紙ローラ48を排紙方向(
図3反時計方向)に回転する。すると最初に滞留されたバッファシートnは、第2排紙口34aから集積ガイド49aに搬入される。
【0083】
このとき重なり合う後続バッファシート(n+1、n+2)が引き込まれないようにストッパ56がその位置に係止している。そして制御手段76はバッファ部Pbに滞留された複数のシートを順次滞留された順序で集積ガイド49aに移送する。この時のシートの搬送速度(第3排紙ローラ48の周速度)は画像形成装置Aのプロセススピードより高速に設定している。なお、このバッファシートの第2後処理部49への移送動作については後述する。
【0084】
このように第2後処理部49で後処理動作の実行中に画像形成装置Aから送られたシートは、分岐部32aを挟んで直線経路33と分岐経路34との間に配置されたバッファ部Pbに送られ、所定間隔の第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47にブリッジされた状態で一時的に保持される。(上記St25の実行)。そして制御手段76は第2後処理部49がシート搬入可能になると、バッファシート(n〜n+2)を送り順(搬入口31に送られてきた順序)に1枚ずつ第2排紙口34aから集積ガイド49aに移送する。そしてすべてのバッファシートが集積ガイド上に搬入されたのちに後続するシートをその上に集積する。
【0085】
なお、バッファシートを集積ガイド49aに移送する動作中に画像形成装置Aから搬入口31に送られたシートはバッファ部Pbに滞留させる。そしてバッファ部Pbからすべてのシートが第2後処理部49に移送されるまでその搬送を繰り返す。このためには、バッファシートを第2後処理部49に移送する速度Vb(図示実施形態では第3排紙ローラ48の周速度)を、画像形成装置Aで画像を形成する速度Va(プロセススピード)より高速(Vb>Va)に設定する必要がある。そしてこの速度差が滞留シートの搬送量に達したときすべての滞留シートが下流側の集積部49に移送される。
【0086】
[バッファシート搬送の動作状態説明]
「第1後処理モード」
図7に従って第1後処理モードにおけるバッファシートの搬送状態を説明する。同図(a)はバッファ部Pbに複数のシートが搬送され、一時的に滞留された状態を示す。バッファ部Pbに搬入口31から送られたシートは1枚目(n)の上に2枚目(n+1)、その上に3枚目(n+3)の順に重ねられて第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47で保持されている。そして複数のシートは送り順(搬入口31に送られてきた順序)にオフセット量δで鱗状に重ねられている。
【0087】
制御手段76は第1後処理部35にバッファシートを搬入するときには、停止している第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47を
図7(a)のようにシートを第1排紙口33aに抜けて案内する方向(図示時計方向)に回転する。すると重ね合わせられた複数のシートは第1排紙口33aから第1集積部(処理トレイ)35に送られ、昇降ローラ42の正逆転によって
図7(b)の状態にシート端規制手段38に突き当てられる。
【0088】
このとき複数シートには搬送回転体62から搬送力が付与される。
図8(b)に示すように、この搬送力(f1,f2,f3)は搬送回転体62と係合する重ね合わせ最上位のシート(n+2)に作用する搬送力f3が最も大きく、順次その下のシート(n+1)の搬送力f2、f1の順に小さくなる。このとき各シートはオフセット量δづつシート端規制手段38に近づくように位置ズレさせてある。
【0089】
従って送り順に所定量ずつ位置ズレさせて重ね合わせたシートは、重ね合わせ最下層に位置するシートがストッパ(シート端規制手段38)に最も近く、重ね合わせ最上層に位置するシートがストッパから最も遠くなるように位置ズレされている。そして各シートに付与される搬送力fは、これと逆に最上層に位置するシートに最大の搬送力が付与される。
【0090】
「第2後処理モード」
図9乃至
図11に従って第2後処理モードにおけるバッファシートの搬送状態を説明する。同図(a)はバッファ部Pbに複数のシートが搬送され、一時的に滞留された状態を示す。バッファ部Pbに搬入口31から送られたシートは1枚目(n)の上に2枚目(n+1)、その上に3枚目(n+3)の順に重ねられて第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47で保持されている。そして複数のシートは送り順(搬入口に送られてきた順序)にオフセット量δで鱗状に重ねられている。なおこのオフセット量δは、第1後処理モードのオフセット量と同一若しくは異なった間隔に設定する。
【0091】
制御手段76は第2後処理部49にシート搬入が可能となる(第2後処理部における後処理動作が終了したとき)と、バッファ部Pbに滞留させたシートを、その送り順に1枚ずつ第2排紙口33aから集積ガイド49aに搬入する。そのため制御手段76は第2排紙ローラ47と第3排紙ローラ48をシート搬送方向に回転する。このとき第1排紙ローラ46は同方向に回転するか、またはシートから離間させる。
【0092】
次に制御手段76は、第1排紙ローラ46と第2排紙ローラ47をシートから離間した状態に(待機姿勢)シフトする。すると
図10に示すようにシートは第3排紙ローラ48にニップされ、その回転で集積ガイド49aに送られる。このとき重なり合う上層シート(n+1、n+2)は連れ送りされないように係止ストッパ56を作動させる。
【0093】
このようにバッファ部Pbに滞留された複数のシートは最下層シート(n;最初に滞留されたシート)から上層シート(n+1、n+2)の順に集積ガイド49aに送られる。
【0094】
図6(b)に示す分岐経路34の搬送機構について説明する。上述したように分岐経路34には第2排紙ローラ47と第3排紙ローラ48が間隔を隔てて配置され、第2排紙口34aからシートを第2後処理部(集積ガイド49a)に送るように構成されている。この第3排紙ローラ48と第2排紙ローラ47との間にはシートの重送を阻止する分離手段が配置され、重なり合ったシートの1枚(最下層シート)を搬出するときとのシートが連れ送りするのを阻止する。
【0095】
図11はバッファ部Pbに滞留させたシート(n,n+1,n+2・・・)を第2後処理部49に搬送する動作中に画像形成装置Aから後続シートが搬入口31に送られた状態を示す。この状態において、第1排紙ローラ46では、バッファシートの後端部は同図矢印A方向に、搬入口31から送られた後続シートは矢印B方向に送られ、両シートは反対方向に重なってすれ違い方向に移動する。
【0096】
そこで制御手段76は第3排紙ローラ48を同図矢印方向に回転する。(第2排紙ローラ47は同方向に回転するか、停止して離間させるかいずれかを採用する)するとバッファ部Pbに滞留されたシートは第2排紙口34aから第2後処理部49に送られる。このとき制御手段76は第1排紙ローラ46を(ローラ対を)離間させる。これによって第1排紙ローラ46に反対方向に送られる後続シートの進行が妨げられることがない。
【0097】
その構造は図示しないが、ローラ対の一方を圧接方向と離間方向に移動可能に軸支持し、圧接方向に付勢スプリングで付勢する。そしてこの可動側のローラをスプリングに抗して離間する方向に位置移動(シフト)する解除レバーを設け、この解除レバーを作動ソレノイド、作動カムなどの駆動手段で移動させる。
【0098】
図6(b)に示す分離手段は、係止部を有する制動レバー56と、この制動レバーを待機位置と作動位置との間で揺動する作動ソレノイド57で構成されている。そして下層シート(例えば最初のバッファシート)を、第2排紙口34aから集積ガイド49aに移送するとき、上層シート(2枚目のバッファシート)を係止して連れ送りするのを防止している。