(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一方向で対向し且つ相対移動可能に係合した対向部材及び隣接部材のうちの前記隣接部材に対して第一方向と直交する第二方向の一方側と他方側とのそれぞれで隣り合うように配置された蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更することを含み、
前記対向部材と前記隣接部材との前記係合する部位は、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか一方に設けられた第一方向に中心を有する孔と、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか他方に設けられた軸部であって、自身の外周面と前記孔を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、前記孔に挿入された軸部と、を含み、
前記係合する部位において、前記軸部が前記孔内で移動可能な範囲での前記隣接部材と前記対向部材との第一方向と直交する面に沿った方向への相対移動、及び、前記軸部を回転中心にした前記対向部材に対する前記隣接部材の回転、の少なくとも一方が可能である、
蓄電装置の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本実施形態は、蓄電素子を適切な状態で位置決めすることのできる蓄電装置、該蓄電装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の蓄電装置は、
蓄電素子と、
第一方向において前記蓄電素子と対向する対向部材と、
第一方向において前記対向部材と対向し、且つ第一方向と直交する第二方向において前記蓄電素子と隣り合う隣接部材と、を備え、
該隣接部材と前記対向部材とが相対移動可能に係合した係合部を有する。
【0008】
かかる構成によれば、隣接部材と対向部材とが相対移動可能に係合した係合部を有するため、隣接部材と対向部材との相対移動によって、隣接部材が適切な状態にされる。これにより、蓄電素子が隣接部材に隣り合って配置されることで、蓄電素子が適切に位置決めされる。
【0009】
前記係合部は、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか一方に設けられた第一方向に中心を有する孔と、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか他方に設けられた軸部であって、自身の外周面と前記孔を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、前記孔に挿入された軸部とを含んでもよい。
【0010】
かかる構成によれば、係合部において、軸部が自身の中心を回転中心として回転可能となり、且つ孔内で移動可能となる。従って、隣接部材は、軸部を中心に回転可能となるとともに、孔内での軸部の移動範囲(軸部の外周面と孔を画定する内周面との間隔)に応じて移動可能となる。これにより、隣接部材が適正な配置或いは姿勢に調整される。
【0011】
この場合、
前記蓄電素子は、第一方向及び第二方向と直交する第三方向の端部に外部端子を有し、
前記軸部は、自身の外周面と前記孔を画定する内周面とが第三方向に間隔をあけた状態で、前記孔に挿入されていてもよい。かかる構成によれば、軸部の第三方向での移動範囲が大きくなるため、隣接部材の配置の調整許容量が多くなる。また、隣接部材が第三方向に移動することで、該隣接部材と隣り合う蓄電素子の配置が調整される。従って、蓄電素子の外部端子が適正な位置或いは高さに設定される。
【0012】
これらの場合、
前記隣接部材を前記対向部材に固定する固定部を有し、
該固定部は、前記対向部材と前記隣接部材とを相対移動不能にされてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、対向部材と隣接部材との相対移動によって隣接部材が適正になった状態において、固定部が対向部材と隣接部材とを相対移動不能な状態にすることで、隣接部材が対向部材に対する位置関係を保ちつつ適切な状態で維持する。従って、隣接部材に隣り合う蓄電素子も適切な状態になる。
【0014】
前記固定部は、第一方向に延びて前記対向部材と前記隣接部材とに跨る軸状部材を含み、
該軸状部材は、少なくとも前記隣接部材に対して抜き差し可能であってもよい。
【0015】
かかる構成によれば、第一方向に延びて対向部材と隣接部材とに跨る軸状部材は、対向部材及び隣接部材の両方に干渉するため、隣接部材の回転や移動が阻止される。そして、軸状部材が少なくとも隣接部材から抜かれると、隣接部材に対する干渉が解消され、隣接部材の回転や移動が許容されるため、隣接部材の姿勢や配置の調整が可能となる。
【0016】
本実施形態の蓄電装置は、
蓄電素子と、
第一方向において前記蓄電素子と対向する対向部材と、
第一方向において前記対向部材と対向し、且つ第一方向と直交する第二方向において前記蓄電素子と隣り合う隣接部材と、を備えるとともに、
該隣接部材と前記対向部材とが相対移動可能に係合した係合部と、
前記隣接部材を前記対向部材に固定する固定部と、を有し、
前記係合部は、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか一方に設けられた第一方向に中心を有する孔と、
前記対向部材又は前記隣接部材の何れか他方に設けられた軸部であって、自身の外周面と前記孔を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、前記孔に挿入された軸部とを含み、
前記固定部は、
前記対向部材に挿通される雄ねじ部と、該雄ねじ部と組み合わされる雌ねじ部とを含み、
前記隣接部材が前記雄ねじ部又は雌ねじ部の何れか一方を備える。
【0017】
かかる構成によれば、係合部において、軸部が自身の中心を回転中心として回転可能となり、且つ孔内で移動可能となる。従って、隣接部材は、軸部を中心に回転可能となるとともに、孔内での軸部の移動範囲(軸部の外周面と孔を画定する内周面との間隔)に応じて移動可能となる。これにより、隣接部材が適正な配置或いは姿勢に調整される。
【0018】
また、固定部が隣接部材を対向部材に固定することで、隣接部材が対向部材に対する位置関係を保ちつつ適切な状態で維持する。従って、隣接部材に隣り合う蓄電素子も適切な状態になる。特に、前記固定部は、前記対向部材に挿通される雄ねじ部と、該雄ねじ部と組み合わされる雌ねじ部とを含み、前記隣接部材が前記雄ねじ部又は雌ねじ部の何れか一方を備えるため、組み合わせた雄ねじ部と雌ねじ部とを弛めることで、隣接部材とこれに隣り合う蓄電素子とが位置調整可能となり、組み合わされた雄ねじ部と雌ねじ部とを締め付けることで、適正な状態にされた隣接部材が対向部材に強固に固定される。
【0019】
本実施形態の蓄電装置の製造方法は、
第一方向で対向し且つ相対移動可能に係合した対向部材及び隣接部材のうちの前記隣接部材に対して第一方向と直交する第二方向で隣り合うように配置された蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更することを含む。
【0020】
かかる方法によれば、蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更すると、蓄電素子と隣り合う隣接部材と対向部材との相対位置も変更される。従って、隣接部材が適切な状態(配置或いは姿勢)になることで、該隣接部材に隣り合う蓄電素子が適切に位置決めされる。
【0021】
前記蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更した後に、前記対向部材と前記隣接部材とを相対移動不能にすることを更に含んでもよい。かかる方法によれば、適切な状態になった隣接部材及び蓄電素子の状態変更が阻止されるため、隣接部材及び蓄電素子が適切な状態で維持する。
【0022】
前記蓄電素子は、第一方向及び第二方向と直交する第三方向の端部に外部端子を有し、
前記蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更することには、第三方向において前記蓄電素子と前記対向部材との相対位置を変更することを含んでもよい。このようにすれば、蓄電素子の外部端子が適正な位置或いは高さに配置される。
【発明の効果】
【0023】
以上より、本実施形態によれば、蓄電素子を適切な状態で位置決めすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の蓄電装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0026】
蓄電装置は、
図1及び
図2に示すように、蓄電素子2と、蓄電素子2と隣り合う隣接部材3、4、5と、隣接部材3、4、5が蓄電素子2と隣り合う方向に対して直交する方向で蓄電素子2と対向する対向部材60を含み、蓄電素子2及び隣接部材3、4、5を一括保持する保持部材6とを備える。保持部材6は、導電材料により成形される。これに伴い、本実施形態に係る蓄電装置1は、蓄電素子2と保持部材6との間に配置されるインシュレータ7を備える。
【0027】
蓄電装置1は、蓄電素子2を複数備える。これに伴い、蓄電装置1は、蓄電素子2同士を電気的に接続するバスバー8、9を備える。
【0028】
尚、以下の説明において、便宜上、蓄電素子2と隣接部材3、4、5とが並ぶ方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する二軸方向のうちの一方の方向をY軸方向とし、X軸方向と直交する二軸方向のうちの他方の方向(X軸方向及びY軸方向と直交する方向)をZ軸方向とする。これに伴い、各図面には、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに対応する直交座標軸が図示される。
【0029】
蓄電素子2は、
図2及び
図3に示すように、正極及び負極を含む電極体を収容するケース20と、ケース20の外面上に配置された一対の外部端子21とを備える。
【0030】
ケース20は、直方体状に形成される。ケース20において、X軸方向における外寸は、Y軸方向における外寸よりも小さい。すなわち、ケース20は、扁平な直方体形状である。
【0031】
一対の外部端子21は、Z軸方向におけるケース20の両端面のうちの一方の端面上に配置される。一対の外部端子21は、Y軸方向に間隔をあけて配置される。一対の外部端子21のうちの一方の外部端子21は、ケース20内の電極体の正極に電気的に接続される。これに対し、一対の外部端子21のうちの他方の外部端子21は、ケース20内の電極体の負極に電気的に接続される。
【0032】
隣接部材3、4、5は、絶縁性を有する。隣接部材3、4、5は、
図2に示す如く、蓄電素子2のケース20と隣り合う本体部30、40、50と、該本体部30、40、50に隣り合う蓄電素子2の位置ずれを防止する規制部31、41、51とを有する。
【0033】
隣接部材3、4、5について、より具体的に説明する。蓄電装置1は、上述のように、複数の蓄電素子2を備える。これに伴い、蓄電装置1は、三種類の隣接部材3、4、5を備える。すなわち、蓄電装置1は、隣接部材として、X軸方向の途中位置にある蓄電素子2と隣り合う第一隣接部材3と、複数の蓄電素子2のうちの最も端にある蓄電素子2に隣り合う第二隣接部材4と、第一隣接部材3と第二隣接部材4との間にある蓄電素子2と隣り合う第三隣接部材5とを備える。
【0034】
本実施形態に係る蓄電装置1は、
図1に示す如く、第一隣接部材3と対向部材60とが相対移動可能に係合した係合部10を有する。また、蓄電装置1は、第一隣接部材3を対向部材60に固定する固定部11を有する。
【0035】
ここで、係合部10及び固定部11について、概略説明する。係合部10は、
図4に示す如く、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか一方(本実施形態においては、対向部材60)に設けられたY軸方向に中心を有する孔608と、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか他方(本実施形態においては、第一隣接部材3)に設けられ、相手方の孔608に挿入された軸部308とを含む。
【0036】
固定部11は、Y軸方向に延びて対向部材60と第一隣接部材3とに跨る軸状部材110であって、少なくとも第一隣接部材3に対して抜き差し可能な軸状部材110を含む。すなわち、固定部11は、対向部材60及び第一隣接部材3に設けられた孔306a、606と、該孔306a、606に挿入される軸状部材110とを含む。本実施形態において、軸状部材110は、軸状の雄ねじ部111と該雄ねじ部111よりも大径の頭部112とを含む雄ねじ部材であり、雄ねじ部111が対向部材60を通って第一隣接部材3に螺合される。
【0037】
各構成について、より具体的に説明すると、第一隣接部材3は、
図4乃至
図6に示す如く、X軸方向の途中位置に配置された蓄電素子2と隣り合う本体部(以下、第一本体部という)30を有する。すなわち、第一隣接部材3は、X軸方向の途中位置で隣り合う二つの蓄電素子2の間に配置される第一本体部30を有する。
【0038】
第一隣接部材3は、
図5及び
図6に示す如く、第一本体部30に隣り合う蓄電素子2の位置ずれを防止する規制部(以下、第一規制部という)31を有する。本実施形態において、第一隣接部材3は、蓄電素子2を冷却する冷却風を通過させる通風路を隣り合う蓄電素子2との間に形成するための凸部32を有する。
【0039】
第一本体部30は、X軸方向に第一面300と該第一面300の反対側の第二面301とを有する。第一本体部30は、X軸方向から見て四角形状に形成される。すなわち、第一本体部30は、蓄電素子2のケース20におけるX軸方向に向く外面と略同形且つ略同サイズに形成される。第一本体部30は、X軸方向に厚みを有する。これに伴い、第一本体部30は、Y軸方向に第一端部302と該第一端部302の反対側の第二端部303とを有し、Z軸方向に第三端部304と第三端部304の反対側の第四端部305とを有する。
【0040】
第一本体部30は、保持部材6(対向部材60)に連結される連結部(以下、第一連結部という)306をY軸方向における端部に有する。本実施形態において、第一本体部30は、
図5乃至
図7に示す如く、Y軸方向における両端部に第一連結部306を有する。すなわち、第一本体部30は、少なくとも一対の第一連結部306を有する。一対の第一連結部306は、Z軸方向に延びる仮想線(第一本体部30の中心線)を基準に対称的に配置される。
【0041】
本実施形態において、第一本体部30は、蓄電素子2を冷却する冷却風を送る送風ダクト(図示しない)を連結する連結部(以下、第二連結部という)307を有する。第一本体部30は、Y軸方向における両端部に第二連結部307を有する。すなわち、第一本体部30は、少なくとも一対の第二連結部307を有する。一対の第二連結部307のそれぞれは、第一連結部306に対してZ軸方向でずれた位置に配置され、Z軸方向に延びる仮想線(第一本体部30の中心線)を基準に対称的に配置される。
【0042】
本実施形態において、第一連結部306及び第二連結部307は、金属製部品であり、第一隣接部材3において、第一連結部306及び第二連結部307以外が樹脂により形成される。
【0043】
より具体的には、第一連結部306は、金属製の雌ねじ部材であり、Y軸方向にねじ孔306a(ねじ中心)を位置させた状態で周辺の樹脂部分(第一本体部30の樹脂部分)に埋設されている。一方の第一連結部306は、第一本体部30のY軸方向の一端部に設けられ、第一本体部30の第一端部302から僅かに突出し、他方の第一連結部306は、第一本体部30のY軸方向の他端部に設けられ、第一本体部30の第二端部303から僅かに突出している。これにより、一対の第一連結部306は、相反する方向に向けてねじ孔306aを開放させている。第一連結部306のねじ孔306aは、固定部11を構成する孔である。すなわち、第一連結部306のねじ孔306aは、軸状部材(雄ねじ部材)110の雄ねじ部111が挿入(螺合)される固定部11の孔である。
【0044】
第二連結部307は、金属製の雌ねじ部材であり、Y軸方向にねじ穴(ねじ中心)を位置させた状態で周辺の樹脂部分に埋設されている。一方の第二連結部307は、第一本体部30のY軸方向の一端部に設けられ、第一本体部30の第一端部302から僅かに突出し、他方の第二連結部307は、第一本体部30のY軸方向の他端部に設けられ、第一本体部30の第二端部303から僅かに突出している。これにより、一対の第二連結部307は、相反する方向に向けてねじ穴を開放させている。
【0045】
本実施形態において、第一隣接部材3は、保持部材6と係合する軸部308を有する。すなわち、第一隣接部材3は、係合部10を構成する軸部308を有する。具体的には、第一隣接部材3は、Y軸方向における第一本体部30の端部から突出した軸部308を有する。本実施形態において、第一隣接部材3は、Y軸方向における第一本体部30の両端部(第一端部302及び第二端部303のそれぞれ)から突出する軸部308を有する。一対の軸部308のそれぞれは、Y軸方向に延びる軸心を有し、互いに同心で配置されている。第一本体部30は、第一連結部306及び第二連結部307を有するため、軸部308は、第一連結部306及び第二連結部307を躱した位置に配置される。本実施形態において、軸部308は、第一連結部306と第二連結部307との間に配置されている。
【0046】
第一本体部30は、Z軸方向における端部(第三端部304、第四端部305)で開口し、且つZ軸方向に延びる第一空洞部311と、Y軸方向における端部(第一端部302、第二端部303)の第一連結部306に対してZ軸方向にずれた位置で開口し、且つY軸方向に延びる第二空洞部312とを有する。第一本体部30は、第一空洞部311を複数有する。複数の第一空洞部311は、Y軸方向に並んでいる。
【0047】
第一本体部30は、Y軸方向における両端部に第一連結部306を有するため、Y軸方向における一方の端部(第一端部302)で開口する前記第二空洞部312と、Y軸方向における他方の端部(第二端部303)で開口する第二空洞部312とを有する。第一空洞部311は、貫通孔であり、第二空洞部312は、非貫通孔である。第一空洞部311と第二空洞部312とは、非連通状態である。
【0048】
より具体的に説明すると、本実施形態において、第一空洞部311は、Z軸方向から見て四角形状に形成される。複数の第一空洞部311のそれぞれは、Z軸方向から見て略同一形状である。複数の第一空洞部311は、第一連結部306の存在するY軸方向の両端部の間に設けられる。すなわち、複数の第一空洞部311は、第一連結部306の存在するY軸方向における端部を躱して配置されている。
【0049】
これに対し、第二空洞部312は、第一連結部306をZ軸方向で躱した位置に配置される。本実施形態において、第一本体部30は、第二連結部307、軸部308を有するため、第二空洞部312は、第一連結部306、第二連結部307及び軸部308を躱した位置に配置される。具体的には、第一連結部306、第二連結部307、及び軸部308は、Z軸方向で間隔をあけて配置される。これに伴い、第二空洞部312は、第一連結部306と第二連結部307との間、軸部308と第二連結部307との間、及び第一連結部306と軸部308との間に配置される。
【0050】
これにより、第一本体部30は、Y軸方向に並ぶ第一空洞部311の間にX軸方向及びZ軸方向に広がる板状のリブ313がY軸方向に間隔をあけて複数形成される。すなわち、第一本体部30は、X軸方向で間隔をあけて互いに対向する一対の隔壁部314と、一対の隔壁部314を連結するリブ313とを有し、一対の隔壁部314及びリブ313が第一空洞部311を形成している。
【0051】
また、第一本体部30は、第一連結部306を支持する実体部分と、第二連結部307を支持する実体部分と、軸部308を支持する実体部分とを有し、これらの実体部分が一対の隔壁部314に連結されることにより、一対の隔壁部314とともに第二空洞部312を形成している。
【0052】
第一規制部31は、
図5及び
図6に示す如く、第一本体部30の外縁に沿ってX軸方向に延出する規制片310を有する。より具体的に説明すると、第一隣接部材3は、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子2を規制する一対の第一規制部31を有する。一対の第一規制部31のそれぞれの規制片410は、第一本体部30からX軸方向において相反する方向に延出する。すなわち、一方の第一規制部31の規制片310は、第一本体部30の第一面300からX軸方向外方に向けて延出し、他方の第一規制部31の規制片310は、第一本体部30の第二面301からX軸方向外方に向けて延出する。
【0053】
一対の第一規制部31のそれぞれの規制片310は、少なくとも第一本体部30の四隅(四つの角部)に沿って配置される。すなわち、第一規制部31のそれぞれの規制片310は、第一本体部30の第一端部302と第三端部304との交点を含む第一角部、第一本体部30の第二端部303と第三端部304との交点を含む第二角部、第一本体部30の第一端部302と第四端部305との交点を含む第三角部、第一本体部30の第二端部303と第四端部305との交点を含む第四角部のそれぞれに沿って配置される。
【0054】
本実施形態の第一隣接部材3において、第一角部に沿った規制片310及び第二角部に沿った規制片310は、それぞれ独立し、第三角部に沿った規制片310及び第四角部に沿った規制片310は、第四端部305に沿った規制片310を介して連続している。
【0055】
これにより、第一規制部31の規制片310は、隣り合う蓄電素子2のケース20の周囲に配置され、蓄電素子2のY軸方向の移動及びZ軸方向の移動を規制する。
【0056】
第一隣接部材3において、凸部32は、X軸方向における第一本体部30の両面に設けられる。すなわち、第一隣接部材3は、第一本体部30の第一面300から突出する凸部32と、第一本体部30の第二面301から突出する凸部32とを有する。本実施形態において、第一隣接部材3は、第一本体部30の第一面300上及び第二面301上のそれぞれにおいて、凸部32を複数有する。
【0057】
複数の凸部32のそれぞれは、Y軸方向に延び、Z軸方向に間隔をあけて配置される。共通する面(第一面300、又は第二面301)上にある複数の凸部32の高さは、同一の高さに設定される。すなわち、複数の凸部32は、第一隣接部材3に隣り合う蓄電素子2のケース20のX軸方向に向く平面状の外面に対して均等に当接する高さに設定される。これにより、共通する面(第一面300、又は第二面301)上にある複数の凸部32は、隣り合う凸部32との間に通風路を形成する。
【0058】
第二隣接部材4は、
図8及び
図9に示す如く、X軸方向で最も端にある蓄電素子2と隣り合う本体部(以下、第二本体部という)40を有する。
【0059】
第二隣接部材4は、第二本体部40に隣り合う蓄電素子2の位置ずれを防止する規制部(以下、第二規制部という)41を有する。本実施形態において、第二隣接部材4は、蓄電素子2を冷却する冷却風を通過させる通風路を隣り合う蓄電素子2との間に形成するための凸部42を有する。
【0060】
第二本体部40は、X軸方向に第一面400と該第一面400の反対側の第二面401とを有する。第二本体部40は、X軸方向から見て四角形状に形成される。すなわち、第二本体部40は、蓄電素子2のケース20におけるX軸方向に向く面と略同形且つ略同サイズに形成される。
【0061】
本実施形態において、第二隣接部材4は、保持部材6に対して位置決めするための位置決部402を有する。具体的には、第二隣接部材4は、X軸方向で隣り合う保持部材6(後述する終端部材61)と係合可能な位置決部402であって、第二本体部40の第二面401からX軸方向に突出した位置決部402を有する(
図9参照)。
【0062】
第二規制部41は、
図8に示す如く、第二本体部40の外縁に沿ってX軸方向に延出する規制片410を有する。第二規制部41の規制片410は、第二本体部40の第一面400からX軸方向外方に向けて延出する。第二規制部41の規制片410は、少なくとも第二本体部40の四隅(四つの角部)に沿って配置される。これにより、第二規制部41の規制片410は、隣り合う蓄電素子2のケース20の周囲に配置され、蓄電素子2のY軸方向の移動及びZ軸方向の移動を規制する。
【0063】
第二隣接部材4において、凸部42は、X軸方向における第二本体部40の第一面400に設けられる。本実施形態において、第二隣接部材4は、第二本体部40の第一面400上に凸部42を複数有する。複数の凸部42のそれぞれは、Y軸方向に延び、Z軸方向に間隔をあけて配置される。共通する面(第一面400)上にある複数の凸部42の高さは、同一の高さに設定される。すなわち、複数の凸部42は、第二隣接部材4に隣り合う蓄電素子2のケース20のX軸方向に向く平面状の外面に対して均等に当接する高さに設定される。これにより、共通する面(第一面400)上にある複数の凸部42のそれぞれは、隣り合う凸部42との間に通風路を形成する。
【0064】
第三隣接部材5は、
図10及び
図11に示す如く、第一隣接部材3と第二隣接部材4との間にある蓄電素子2と隣り合う本体部(以下、第三本体部という)50を有する。すなわち、第三隣接部材5は、第一隣接部材3と第二隣接部材4との間で隣り合う二つの蓄電素子2の間に配置される第三本体部50を有する。第三隣接部材5は、第三本体部50に隣り合う蓄電素子2の位置ずれを防止する規制部(以下、第三規制部という)51を有する。
【0065】
第三本体部50は、X軸方向に第一面500と該第一面500の反対側の第二面501とを有する。第三本体部50は、X軸方向から見て四角形状に形成される。すなわち、第三本体部50は、蓄電素子2のケース20におけるX軸方向に向く面と略同形且つ略同サイズに形成される。第三本体部50のY軸方向から見た断面形状は、矩形波形状である。
【0066】
具体的には、第三本体部50は、Z軸方向に間隔をあけて配置される複数の第一当接部502であって、X軸方向の一方側で隣り合う蓄電素子2のケース20と当接する複数の第一当接部502と、複数の第一当接部502の間に位置し、且つ第一当接部502に対してX軸方向に変位した複数の第二当接部503であって、X軸方向の他方側で隣り合う蓄電素子2のケース20と当接する複数の第二当接部503と、第一当接部502及び第二当接部503のZ方向において対応する端部同士を接続する複数の接続部504とを有する。これにより、第三本体部50は、蓄電素子2を冷却する冷却風を通過させる通風路をZ軸方向において間隔をあけて配置される接続部504間(一方側で隣り合う蓄電素子2のケース20と第二当接部503との間、及び他方側で隣り合う蓄電素子2のケース20と第一当接部502との間)に形成する。
【0067】
第三規制部51は、第三本体部50の外縁に沿ってX軸方向に延出する規制片510を有する。より具体的に説明すると、第三隣接部材5は、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子2を規制する一対の第三規制部51を有する。
【0068】
一対の第三規制部51のそれぞれの規制片510は、第三本体部50からX軸方向において相反する方向に延出する。すなわち、一方の第三規制部51の規制片510は、第三本体部50の第一面500からX軸方向外方に向けて延出し、他方の第三規制部51の規制片510は、第三本体部50の第二面501からX軸方向外方に向けて延出する。第三規制部51の規制片510は、少なくとも第三本体部50の四隅(四つの角部)に沿って配置される。これにより、第三規制部51の規制片510は、隣り合う蓄電素子2のケース20の周囲に配置され、蓄電素子2のY軸方向の移動及びZ軸方向の移動を規制する。
【0069】
本実施形態において、第三隣接部材5は、蓄電素子2を挟んで隣り合う別の第三隣接部材5と接触状態又は非接触状態で嵌合する。すなわち、第三隣接部材5における第三規制部51(規制片510)は、蓄電素子2を挟んで隣り合う別の第三隣接部材5の第三規制部51(規制片510)と接触状態又は非接触状態で嵌合する。
【0070】
蓄電素子2を挟んで第一隣接部材3と隣り合う第三隣接部材5は、該第一隣接部材3と接触状態又は非接触状態で嵌合する。すなわち、蓄電素子2を挟んで第一隣接部材3と隣り合う第三隣接部材5の第三規制部51(規制片510)は、第一隣接部材3の第一規制部31(規制片310)と接触状態又は非接触状態で嵌合する。
【0071】
蓄電素子2を挟んで第二隣接部材4と隣り合う第三隣接部材5は、該第二隣接部材4と接触状態又は非接触状態で嵌合する。すなわち、蓄電素子2を挟んで第二隣接部材4と隣り合う第三隣接部材5の第三規制部51(規制片510)は、第二隣接部材4の第二規制部41(規制片410)と接触状態又は非接触状態で嵌合する。
【0072】
図2に戻り、保持部材6は、Y軸方向において複数の蓄電素子2と対向する対向部材60と、対向部材60に連結され、第一隣接部材3とともに蓄電素子2を挟み込む終端部材61とを備える。
【0073】
より具体的には、保持部材6は、Y軸方向において複数の蓄電素子2を挟んで配置される一対の対向部材60であって、それぞれがX軸方向に延びる一対の対向部材60と、各第二隣接部材4に対してX軸方向外方側から重ね合わされる一対の終端部材61であって、それぞれが一対の対向部材60に連結される一対の終端部材61とを備える。
【0074】
一対の対向部材60のそれぞれは、それぞれがX軸方向に延びる一対の梁部600であって、Z軸方向に間隔をあけて配置される一対の梁部600と、X軸方向における途中位置で一対の梁部600同士を接続した第一接続部601であって、第一隣接部材3を支持する第一接続部601と、一対の梁部600の端部同士を接続した一対の第二接続部602であって、それぞれに終端部材61が連結される一対の第二接続部602とを備える。本実施形態において、対向部材60は、第一接続部601と第二接続部602との間で一対の梁部600同士を接続する第三接続部603を備える。
【0075】
一対の梁部600のそれぞれは、X軸方向に整列した複数の蓄電素子2のケース20の角部に沿って配置される。これに伴い、一対の梁部600のそれぞれは、ケース20の角部に即して断面屈曲形状に形成される。具体的には、一対の梁部600のそれぞれは、Z軸方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有し、且つX軸方向の延びる帯状の第一片604と、Y軸方向に第一片604の第一端に接続された第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有し、且つX軸方向の延びる帯状の第二片605とを有する。梁部600の第一片604は、蓄電素子2のY軸方向に向いたケース20の外面と対向し、梁部600の第二片605は、蓄電素子2のZ軸方向に向いたケース20の外面と対向する。
【0076】
第一接続部601は、Z軸方向に延びている。第一接続部601は、第一隣接部材3の第一連結部306、第二連結部307、及び軸部308と対応する位置に貫通孔606、607、608を有する。すなわち、第一接続部601は、第一連結部306と対応する第一貫通孔606、第二連結部307に対応する第二貫通孔607、軸部308と対応する第三貫通孔608を有する。第一貫通孔606は、軸状部材110(第一連結部306に螺合される雄ねじ部材110の雄ねじ部111)を挿通可能に形成され、第二貫通孔607は、第二連結部307に螺合される雄ねじ部材(図示しない)を挿通可能に形成される。軸部308と対応する第三貫通孔608は、軸部308を挿入可能で、且つ挿入された軸部308の外周面が当該第三貫通孔608を画定する内周面と係合するように形成される。すなわち、第三貫通孔608は、係合部10を構成する孔である。本実施形態において、第三貫通孔608は、軸部308を遊挿可能なサイズに設定される。これにより、軸部308は、自身の外周面と第三貫通孔608を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、該第三貫通孔608に挿入される。本実施形態において、軸部308は、自身の外周面と第三貫通孔608を画定する内周面とがZ軸方向に間隔をあけた状態で、第三貫通孔608に挿入される。具体的には、第三貫通孔608は、Z軸方向に延びる長孔であり、挿入された軸部308の移動及び回転を許容する。
【0077】
第二接続部602は、一対の梁部600の第一片604に接続された接続片609と、該接続片609からY軸方向に延出した固定片610であって、終端部材61に固定される固定片610とを有する。固定片610は、第二隣接部材4に重ね合わされた終端部材61を外方から覆う。これに伴い、固定片610は、終端部材61を連結(固定)するための雄ねじ部材を挿通させる貫通孔611を有する。
【0078】
本実施形態において、対向部材60は、梁部600、第一接続部601、第二接続部602、及び第三接続部603により、枠状に形成される。すなわち、対向部材60は、Y軸方向に冷却風を通過させる通風用の開口613を画定する。
【0079】
一対の終端部材61のそれぞれは、X軸方向から見て第二隣接部材4の第二本体部40と略同形且つ略同サイズに形成される。終端部材61は、対向部材60の第二接続部602の固定片610に対して面接触するように形成される。これに伴い、終端部材61は、固定片610の貫通孔611と対応した位置に雄ねじ部材115を螺合させるねじ孔612を有する。なお、本実施形態に係る蓄電装置1を電源とする自動車等の機器に固定するために、終端部材61は、機器に対して固定するための固定部材(ここでは、雄ねじ部材)620を有する。
【0080】
保持部材6は、導電性を有する材料(一般的には金属)で構成される。これに伴い、インシュレータ7は、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子2と保持部材6との電気絶縁を達成する。すなわち、インシュレータ7は、対向部材60の少なくとも複数の蓄電素子2と対向する領域を被覆する。本実施形態において、インシュレータ7は、一対の梁部600、第一接続部601、第二接続部602、及び第三接続部603における蓄電素子2側に向く面に加え、一対の梁部600のうちのX軸方向に延出する第二片605全体を覆う。
【0081】
バスバー8、9は、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子2の外部端子21に跨って配置される。本実施形態において、バスバー8、9は、外部端子21に対して溶接により機械的且つ電気的に接続される。本実施形態において、蓄電装置1は、第一隣接部材3を備えるため、該第一隣接部材3が複数の蓄電素子2を二つのブロックに区画している。これに伴い、蓄電装置1は、バスバーとして、同一ブロック内にある蓄電素子2同士を接続する第一バスバー8と、第一隣接部材3を挟んで隣り合う蓄電素子2であって、二つブロックの蓄電素子2を接続する第二バスバー9とを備える。
【0082】
第一バスバー8、及び第二バスバー9のそれぞれは、接続の対象となる蓄電素子2の外部端子21に対し、溶接によって機械的且つ電気的に接続される。複数の蓄電素子2の外部端子21は、Z軸方向において同一レベルにある。従って、同一ブロック内にある蓄電素子2を接続する第一バスバー8は、プレート状に形成される。第二バスバー9は、第一隣接部材3を跨ぐため、中央部が両端部よりも隆起した形状に形成される。
【0083】
本実施形態に係る蓄電装置1は、以上の通りである。次に、蓄電装置1の製造方法について説明する。まず、
図12に示す如く、第一隣接部材3の第一空洞部311に治具100を挿入し、該治具100に第一隣接部材3を保持させる。そして、治具100を定位置に維持させることで、第一隣接部材3が対向部材60と連結でき且つ蓄電素子2を第一本体部30に沿わせることのできる姿勢で維持する。この状態で、蓄電素子2が第一隣接部材3に対してX軸方向で隣り合わされる。本実施形態において、第一隣接部材3によってX軸方向で区画された二つの領域のそれぞれに蓄電素子2が配置され、各蓄電素子2が第一隣接部材3に対して隣り合わせに配置される。
【0084】
そして、X軸方向で区画された二つの領域のそれぞれにおいて、蓄電素子2と第三隣接部材5とがX軸方向で交互に配置され、さらに最も端にある蓄電素子2のケース20に第二隣接部材4が重ね合わされるとともに第二隣接部材4に終端部材61が重ね合わされる。
【0085】
ここでは、第一隣接部材3に蓄電素子2を隣り合わせに配置した後に、蓄電素子2及び第三隣接部材5が順々に重ね合わされ、さらに第二隣接部材4及び終端部材61が重ね合わされるが、蓄電素子2と第三隣接部材5とが交互に重ね合わせるとともに第二隣接部材4及び終端部材61が重ね合わされて単一のブロックにした上で、蓄電素子2が第一隣接部材3と隣り合わせになるようにブロックを配置してもよい。
【0086】
そして、上述の如く、治具100によって第一隣接部材3が保持部材6の対向部材60に連結できる姿勢で維持しているため、Y軸方向で第一隣接部材3と隣り合って配置された対向部材60の第一接続部601の第一貫通孔606と第一連結部306とが同心となる。
【0087】
本実施形態において、第一隣接部材3は、軸部308を有するため、上述の如く、第一隣接部材3の軸部308と対向部材60の第三貫通孔608とも同心となる。これに伴い、本実施形態においては、
図13に示す如く、第一連結部306に雄ねじ部材110を螺合(軸状部材110を挿入)させる前段階として、軸部308が第三貫通孔(長孔)608に挿入される。
【0088】
そして、
図14及び
図15に示す如く、雄ねじ部材110が、第一接続部601の第一貫通孔606に挿通され、第一連結部306に螺合される。本実施形態において、この状態で雄ねじ部材110を完全に締め付けることなく、第一隣接部材3は、対向部材60に仮止めされる。
【0089】
本実施形態において、保持部材6は、一対の対向部材60を有するため、第一隣接部材3の第一本体部30のY軸方向における一端部にある第一連結部306に対して一方の対向部材60が仮止めされ、第一隣接部材3の第一本体部30のY軸方向における他端部にある第一連結部306に対して他方の対向部材60が仮止めされる。この状態において、第一隣接部材3は、軸部308を中心に回転可能で且つZ軸方向に移動可能な状態で維持する。なお、インシュレータ7は、第一隣接部材3に対向部材60を固定(仮止め)する前に、予め対向部材60に装着される。
【0090】
このように、第一隣接部材3が対向部材60に対して仮止めされると、
図14に示す如く、終端部材61に対して対向部材60の第二接続部602の固定片610が外方から重なった状態になる。
【0091】
この状態において、終端部材61と対向部材60とが連結される。すなわち、雄ねじ部材115が固定片610の貫通孔611に挿通され、終端部材61のねじ孔612に螺合される。これにより、複数の蓄電素子2は、第一隣接部材3によって位置決めされた状態で、終端部材61によって第一隣接部材3に向けて加圧される。すなわち、第一隣接部材3は、蓄電素子2を位置決めする位置決部材として機能する。
【0092】
第一隣接部材3は、対向部材60に対して仮止め状態であるため、対向部材60の第一貫通孔606に遊挿された軸部308を基準(支点)にして加圧状態に応じて姿勢変更或いは位置変更する。そして、複数の蓄電素子2の外部端子21のZ軸方向の位置が適正でない場合は、蓄電素子2のZ軸方向の位置が調整される。この場合、仮止めされた第一隣接部材3は、長孔にされた第三貫通孔608に沿ってZ軸方向に移動し、蓄電素子2の配置の調整も許容する。このように第一隣接部材3の姿勢及び配置が適正になることにより、蓄電素子2、第二隣接部材4、第三隣接部材5、終端部材61に対してX軸方向に向けての加圧が均一に作用した状態になる。このように、蓄電素子2、第二隣接部材4、第三隣接部材5、終端部材61が加圧状態にされると、第一隣接部材3の第一連結部306に螺合された雄ねじ部材110が締め付けられ、第一隣接部材3が対向部材60(保持部材6)に対して強固に固定される。
【0093】
その後、
図16に示す如く、隣り合う二つの蓄電素子2の外部端子21に跨るようにバスバー8、9(第一バスバー8、第二バスバー9)が配置され、該外部端子21に対してバスバー8、9が溶接される。これにより、複数の蓄電素子2が電気的に接続された蓄電装置1が完成する(
図1参照)。なお、送風ダクトは、蓄電装置1が対象となる機器(例えば、自動車)に搭載されるに併せ、蓄電装置1に接続される。このとき、送風ダクトに挿通された雄ねじ部材が対向部材60の第二貫通孔607に挿通され、蓄電装置1(第一隣接部材3の第二連結部307に螺合される。従って、送風ダクトを連結する雄ねじ部材は、第一連結部306に螺合された雄ねじ部材110と同様に、第一隣接部材3を対向部材60に連結(固定)する機能も発揮する。
【0094】
以上のように、蓄電装置1は、蓄電素子2と、Y軸方向(第一方向)において蓄電素子2と対向する対向部材60と、Y軸方向において対向部材60と対向し、且つY軸方向と直交するX軸方向(第二方向)において蓄電素子2と隣り合う第一隣接部材3を備え、該第一隣接部材3と対向部材60とが相対移動可能に係合した係合部10を有するため、第一隣接部材3と対向部材60との相対移動によって、第一隣接部材3が適切な状態にされる。これにより、蓄電素子2が第一隣接部材3に隣り合って配置されることで、蓄電素子2が適切に位置決めされる。
【0095】
係合部10は、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか一方に設けられたY軸方向(第一方向)に中心を有する第三貫通孔(孔)608と、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか他方に設けられた軸部308であって、自身の外周面と第三貫通孔(孔)608を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、第三貫通孔(孔)608に挿入された軸部308とを含むため、係合部10において、軸部308が自身の中心を回転中心として回転可能となり、且つ第三貫通孔608内で移動可能となる。従って、第一隣接部材3は、軸部308を中心に回転可能となるとともに、第三貫通孔608内での軸部308の移動範囲(軸部308の外周面と第三貫通孔(孔)608を画定する内周面との間隔)に応じて移動可能となる。これにより、第一隣接部材3が適正な配置或いは姿勢に調整される。
【0096】
特に、蓄電素子2は、Z軸方向(第三方向)の端部に外部端子21を有し、軸部308は、自身の外周面と第三貫通孔(孔)608)を画定する内周面とが第三方向に間隔をあけた状態で、第三貫通孔(孔)608に挿入されているため、軸部308のZ軸方向での移動範囲が大きくなり、第一隣接部材3の配置の調整許容量が多くなる。また、第一隣接部材3がZ軸方向に移動することで、該第一隣接部材3と隣り合う蓄電素子2の配置が調整される。従って、蓄電素子2の外部端子21が適正な位置或いは高さに配置される。これにより、蓄電素子21の外部端子21に対してバスバー8、9(第一バスバー8、第二バスバー9)が適正に接続される。
【0097】
具体的には、適切な位置にない蓄電素子2の外部端子21にバスバー8、9が接続されると、バスバー8、9に曲げ作用或いは捻り作用が生じることがある。このように、バスバー8、9に曲げ作用或いは捻り作用が生じると、バスバー8、9に内部応力が発生し、バスバー8、9の機械的強度に影響を与える。また、レーザー溶接により、蓄電素子2の外部端子21とバスバー8、9とを接続する場合、適切な位置にない蓄電素子2の外部端子21にバスバー8、9がレーザー溶接されると、溶接対象位置とレーザー光の焦点位置とが一致しなくなり、十分な溶接強度が得られなくなる。
【0098】
しかし、本実施形態においては、上記の通り、第一隣接部材3のZ軸方向の移動により、第一隣接部材3及び蓄電素子2の配置が調整されることで、蓄電素子2の外部端子21が適正な位置或いは高さに配置されるため、バスバー8、9に曲げ作用や捻り作用を生じさせることなく、必用な溶接強度でバスバー8、9が外部端子21に接続される。
【0099】
また、第一隣接部材3が対向部材60に固定される固定部11を有し、該固定部11は、対向部材60と第一隣接部材3とを相対移動不能にするため、対向部材60と第一隣接部材3との相対移動によって第一隣接部材3が適正になった状態において、固定部11が対向部材60と第一隣接部材3とを相対移動不能な状態にすることで、第一隣接部材3が対向部材60に対する位置関係を保ちつつ適切な状態で維持する。従って、第一隣接部材3に隣り合う蓄電素子2も適切な状態になる。
【0100】
固定部11は、Y軸方向に延びて対向部材60と第一隣接部材3とに跨る軸状部材110を含み、該軸状部材110は、少なくとも第一隣接部材3に対して抜き差し可能とされているため、第一隣接部材3の位置決めと調整が容易である。すなわち、Y軸方向に延びて対向部材60と第一隣接部材3とに跨る軸状部材110は、対向部材60及び第一隣接部材3の両方に干渉するため、第一隣接部材3の回転や移動が阻止される。そして、軸状部材110が少なくとも第一隣接部材3から抜かれると、第一隣接部材3に対する干渉が解消され、第一隣接部材3の回転や移動が許容されるため、第一隣接部材3の姿勢や配置の調整が可能となる。
【0101】
特に、軸状部材110は、軸状の雄ねじ部111と該雄ねじ部111よりも大径の頭部112とを含む雄ねじ部材であり、雄ねじ部111が対向部材60を通って第一隣接部材3に螺合されるため、雄ねじ部材110が締め付けられることで、対向部材60が頭部112と第一隣接部材3とに挟まれた状態になり、第一隣接部材3が適切な状態を維持しつつ対向部材60に対して強固に固定される。
【0102】
すなわち、係合部10は、対向部材60に設けられたY軸方向に中心を有する第三貫通孔(孔)608と、第一隣接部材3に設けられた軸部308であって、自身の外周面と第三貫通孔(孔)608を画定する内周面とが間隔をあけた状態で、第三貫通孔(孔)608に挿入された軸部308とを含み、固定部11は、対向部材60に挿通される雄ねじ部111と、該雄ねじ部111と組み合わされる雌ねじ部(第一連結部306のねじ孔306a)とを含み、第一隣接部材3が雌ねじ部(第一連結部306のねじ孔306a)を備えるため、組み合わせた雄ねじ部111と雌ねじ部306aとを弛めることで、第一隣接部材3とこれに隣り合う蓄電素子2とが位置調整可能となり、組み合わされた雄ねじ部111と雌ねじ部306aとを締め付けることで、適正な状態にされた第一隣接部材3が対向部材60に強固に固定される。
【0103】
蓄電装置1の製造方法は、Y軸方向で対向し且つ相対移動可能に係合した対向部材60及び第一隣接部材3のうちの第一隣接部材3に対してY軸方向と直交するX軸方向で隣り合う蓄電素子2と対向部材60との相対位置を変更することを含む。この蓄電素子2と対向部材60との相対位置の変更により、蓄電素子2と隣り合う第一隣接部材3と対向部材60との相対位置も変更される。従って、第一隣接部材3が適切な状態(配置或いは姿勢)になることで、該第一隣接部材3に隣り合う蓄電素子2が適切に位置決めされる。
【0104】
特に、蓄電素子2と対向部材60との相対位置を変更した後に、対向部材60と第一隣接部材3とを相対移動不能にするため、適切な状態になった第一隣接部材3及び蓄電素子2の状態変更が阻止され、第一隣接部材3及び蓄電素子2が適切な状態で維持する。
【0105】
また、蓄電素子2と対向部材60との相対位置を変更することには、Z軸方向において蓄電素子2と対向部材60との相対位置を変更することを含むため、蓄電素子2の外部端子21が適正な位置或いは高さに配置される。これにより、蓄電素子21の外部端子21とバスバー8、9(第一バスバー8、第二バスバー9)とが適正に接続される。
【0106】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0107】
上記実施形態において、第一隣接部材3が対向部材60に固定される固定部11が設けられたが、これに限定されない。例えば、対向部材60と第一隣接部材3とが係合した係合部10で、第一隣接部材3に対してX軸方向に作用する力(加圧)に対抗でき、且つ対向部材60と第一隣接部材3との接続状態(係合状態)を維持することができれば、固定部11は必要に応じて設けられればよい。
【0108】
上記実施形態において、第一隣接部材3がY軸方向における第一本体部30の両端部(第一端部302及び第二端部303のそれぞれ)から突出する一対の軸部308であって、Y軸方向で第一隣接部材3の両側に配置される対向部材60に設けられた孔608に挿入される一対の軸部308を備えたが、これに限定されない。
【0109】
すなわち、上記実施形態において、蓄電装置1は、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか一方(上記実施形態においては、対向部材60)に設けられたY軸方向に中心を有する孔608と、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか他方(上記実施形態においては、第一隣接部材3)に設けられ、相手方の孔608に挿入された軸部308とを含む係合部10を一対備えたが、これに限定されない。
【0110】
蓄電装置1は、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか一方に設けられたY軸方向に中心を有する孔608と、対向部材60又は第一隣接部材3の何れか他方に設けられ、相手方の孔608に挿入された軸部308とを含む係合部10を複数対備えてもよい。
【0111】
この場合、例えば、
図17乃至
図19に示す如く、第一隣接部材3は、Y軸方向における第一本体部30の両端部(第一端部302及び第二端部303のそれぞれ)から突出する複数対の軸部308(
図17乃至
図19においては、二対の軸部308)を備える。すなわち、第一隣接部材3は、Y軸方向における第一隣接部材3の一端(第一端部302)に設けられた二つ以上(
図17乃至
図19においては二つ)の軸部308と、Y軸方向における第一隣接部材3の他端(第二端部303)に設けられた二つ以上(
図17乃至
図19においては二つ)の軸部308とを備える。第一隣接部材3の一端及び他端のそれぞれに設けられた二つ以上の軸部308は、X軸方向又はZ軸方向(図においては、Z軸方向)に間隔をあけて配置される。これに伴い、第一隣接部材3の両側に配置される対向部材60のそれぞれは、軸部308の数及び配置に応じた孔608を備える。
【0112】
なお、第一隣接部材3の一端及び他端のそれぞれに二つ以上の軸部308が設けられる場合、第一隣接部材3は、X軸方向又はZ軸方向(図においては、Z軸方向)で隣り合う二つの軸部308の間に配置されたねじ孔306aを備え、対向部材60は、ねじ孔306aに対応した孔606であって、ねじ孔306aに挿入(螺合)される雄ねじ部材110の雄ねじ部111を挿通させる孔606を備えてもよい。すなわち、蓄電装置1は、第一隣接部材3を対向部材60に固定する固定部11であって、X軸方向又はZ軸方向(図においては、Z軸方向)で隣り合う二つの係合部10の間に配置された固定部11を備えてもよい。
【0113】
この場合においても、
図20に示す如く、治具100に第一隣接部材3を保持させることで、第一隣接部材3が対向部材60と連結でき且つ蓄電素子2を第一本体部30に沿わせることのできる姿勢で維持するため、上記実施形態と同様の手順で蓄電装置1を製造することができる。
【0114】
上記構成の蓄電装置1においては、第一隣接部材3と対向部材60とが係合する係合部20がX軸方向又はZ軸方向に間隔をあけて二つ以上設けられるため、Y軸周りで回転力が作用したときに、同列で隣り合う係合部20が回転力を受ける。従って、上記構成の蓄電装置1は、Y軸周りでの回転を規制したときに、特に有効である。
【0115】
蓄電素子2と対向部材60との相対位置をZ軸方向のみで調整した場合、間隔をあけて設けられる二つ以上の係合部20(同列に配置される係合部20)のうちの少なくとも一つの係合部20において、軸部308の外周面と該軸部308の挿入される孔(Z軸方向に長手をなす長孔)608の内周面とが、X軸方向で接触していればよい。
【0116】
より好ましくは、一つの係合部20のみにおいて、軸部308の外周面と該軸部308の挿入される孔(Z軸方向に長手をなす長孔)608の内周面とが、X軸方向で接触していればよい。すなわち、一つの係合部20において、軸部308の外周面及び該軸部308の挿入される孔(Z軸方向に長手をなす長孔)608の内周面は、X軸方向で互いに接触し且つZ軸方向における互いの間に隙間を形成していればよい。また、残りの係合部20において、軸部308の外周面及び該軸部308の挿入される孔(Z軸方向に長手をなす長孔)608の内周面は、Z軸方向における互いの間に隙間を形成していればよい。
【0117】
より好ましくは、一つの係合部20において、軸部308がY軸方向から見てX軸方向に延びた長円形状又は楕円形状に形成されればよい。また、残りの係合部20において、軸部308がY軸方向から見て円形状に形成されればよい。
【0118】
このようにすれば、全ての係合部20において、軸部308の外周面と該軸部308の挿入される孔(Z軸方向に長手をなす長孔)608の内周面とが接触する場合に比して、第一隣接部材3と対向部材60との組み付け性が向上する。
【0119】
上記実施形態において、係合部10は、第一隣接部材3の第一本体部30に一体成型された軸部308と、対向部材60の第一接続部601に設けられた第三貫通孔608とを含んだが、これに限定されない。
【0120】
例えば、
図21に示す如く、第一隣接部材3が第一本体部30に設けられたねじ孔320と該ねじ孔320に螺合された雄ねじ部材321であって、第一本体部30から突出する軸部に相当する雄ねじ部材321とを備え、該雄ねじ部材321が対向部材60の第一接続部601の第三貫通孔608に挿通されてもよい。すなわち、係合部10は、第一隣接部材3の軸部としての雄ねじ部材321と、該雄ねじ部材321が挿通される対向部材60の貫通孔608とを含んでもよい。このようにすれば、雄ねじ部材321を基準に第一隣接部材3と対向部材60とを相対移動させることで、第一隣接部材3の姿勢或いは配置が変更されるため、蓄電素子2が適正な状態で位置決めされる。
【0121】
なお、この場合、雄ねじ部材321を締め付けることで、第一隣接部材3が対向部材60に対して強固に固定されるため、係合部10に対して独立した固定部11は必須ではない。すなわち、係合部10が固定部11と兼用できる為、係合部10と独立した固定部11は、必要に応じて設けられればよい。
【0122】
上記実施形態において、固定部11が軸状部材としての雄ねじ部材110を含んだが、これに限定されない。例えば、蓄電装置1が固定部11を有する場合、固定部11は、対向部材60に挿通されて第一隣接部材3に打ち込まれた軸状部材としてのノックピンを含んでもよい。この場合、ノックピンは、第一隣接部材3に打ち込まれる軸部と、該軸部よりも大径の頭部とを含むことが好ましい。
【0123】
上記実施形態において、軸部308が挿入される第三貫通孔608がZ軸方向に延びる長孔にされたが、これに限定されない。例えば、第三貫通孔608は、軸部308が回転自在に挿入される丸孔であってもよい。このようにすれば、第一隣接部材3が軸部308を中心に回転することで姿勢変更(対向部材60に対する姿勢を変更)するため、該第一隣接部材3に隣り合う蓄電素子2も適正な姿勢になる。この場合、第三貫通孔608が軸部308を遊挿可能(第三貫通孔608を画定する内周面と軸部308の外周面とが間隔をあけた状態(隙間のある状態)で軸部308を挿入可能)にサイズ設定されれば、第一隣接部材3が軸部308を中心に回転する他、軸部308が第三貫通孔608内で移動可能な範囲で第一隣接部材3の配置も変更可能となる。従って、蓄電素子2の姿勢及び配置を適正な状態に調整することができる。なお、軸部308及び第三貫通孔608は、自身の中心線の延びる方向から見た形状が円形状である必用はなく、例えば、軸部308及び第三貫通孔608の少なくとも何れか一方は、自身の中心線の延びる方向から見た形状が非円形状であってもよい。
【0124】
上記実施形態において、第一隣接部材3の第一本体部30に第一空洞部311、及び第二空洞部312が設けられたが、これに限定されない。例えば、第一隣接部材3の第一本体部30全体が中実で形成されてもよい。すなわち、第一空洞部311及び第二空洞部312は、必要に応じて設けられればよい。但し、蓄電装置1の重量化を抑えるには、第一隣接部材3に第一空洞部311及び第二空洞部312が設けられることが好ましいことは言うまでもない。また、第一空洞部311及び第二空洞部312が設けられる場合、これらの配置や形状等については適宜変更可能である。
【0125】
上記実施形態において、第一隣接部材3に対し、対向部材60と連結する連結部として、対向部材60に対して連結されることのみを目的とした第一連結部306と、送風ダクトを連結するのに併せて対向部材60に対して連結されることになる第二連結部307とが設けられたが、これに限定されない。例えば、第一隣接部材3は、対向部材60に対して連結されることのみを目的とした第一連結部306のみを有してもよいし、送風ダクトを連結するのに併せて対向部材60に対して連結されることになる第二連結部307のみを有してもよい。
【0126】
上記実施形態において、保持部材6が一対の対向部材60を備え、これに伴って、第一隣接部材3における第一本体部30の両端部に連結部(第一連結部306、第二連結部307)が設けられたが、例えば、保持部材6が単一の対向部材60を備える場合には、第一隣接部材3における第一本体部30の何れか一方の端部(対向部材60と対向する端部)に連結部306(307)が設けられればよい。
【0127】
上記実施形態において、第一隣接部材3が通風路を形成するための凸部32を有したが、これに限定されない。凸部32は、通風路の要否に応じて設けられればよい。
【0128】
上記実施形態において、固定部11は、第一隣接部材3に設けられた雌ねじ部としてのねじ孔306aと、軸状部材としての雄ねじ部材110の雄ねじ部111とを含んだが、これに限定されない。例えば、固定部11は、第一隣接部材3に設けられた雄ねじ部であって、対向部材60に挿通される雄ねじ部と、該雄ねじ部に組み合わされる雌ねじ部(例えば、ナット)とを含んでもよい。すなわち、固定部11は、対向部材60に挿通される雄ねじ部と、該雄ねじ部と組み合わされる雌ねじ部とを含み、該雄ねじ部又は雌ねじ部が第一隣接部材3に設けられればよい。
【0129】
上記実施形態において、連結部306、307が金属製の雌ねじ部材で構成され、これに伴い、第一隣接部材3がインサート成型されたが、これに限定されない。例えば、連結部306、307は、他の部分と同様に樹脂成形されてもよい。但し、連結部306、307は、対向部材60と連結されるため、強度(剛性)が担保されることは勿論である。
【0130】
上記実施形態において、隣接部材3、4、5の本体部30、40、50は、蓄電素子2のケース20におけるX軸方向に向く外面に対応して四角形状に形成されたが、これに限定されない。隣接部材3、4、5の本体部30、40、50は、隣り合う蓄電素子2の縁面距離を確保できれば、種々形状に変更可能である。
【0131】
上記実施形態において、第一隣接部材3の第一本体部30を境にしたX軸方向の二つの領域のそれぞれに蓄電素子2が配置され、該第一隣接部材3が二つの領域にある蓄電素子2を位置決めしたが、これに限定されない。例えば、第一隣接部材3の第一本体部30を境にしたX軸方向の二つの領域のうちの何れか一方の領域に蓄電素子2が配置され、該第一隣接部材3が一方の領域に配置された蓄電素子2を位置決めしてもよい。より具体的には、X軸方向に間隔をあけて二つの第一隣接部材3が配置され、一方の第一隣接部材3がX軸方向の一方側の領域に配置された蓄電素子2を位置決めし、他方の第一隣接部材3がX軸方向の他方側の領域に配置された蓄電素子2を位置決めしてもよい。なお、この場合においても、各第一隣接部材3が対向部材60に係合(連結)されることは勿論である。
【0132】
上記実施形態において、第二隣接部材4の第二本体部40は、断面矩形波形状に形成されたが、これに限定されない。例えば、第二本体部40は、平板状に形成されてもよい。この場合において、上記実施形態のように通風路を形成する場合には、第二隣接部材4は、平板状の第二本体部40から突出する凸部(凸条)を有すればよい。
【0133】
上記実施形態において、隣接部材3、4、5が規制部31、41、51を備えたが、これに限定されない。規制部31、41、51は、必要に応じて設けられればよい。また、上記実施形態において、規制部31、41、51が本体部30、40、50の四隅(四つの角部)に沿った規制片310、410、510を備えたが、これに限定されない。規制部31、41、51は、蓄電素子2のケース20を拘束できる位置に設けられればよい。