特許第6831662号(P6831662)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000002
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000003
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000004
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000005
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000006
  • 特許6831662-繊維強化プラスチック成形体の製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831662
(24)【登録日】2021年2月2日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】繊維強化プラスチック成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/10 20060101AFI20210208BHJP
   B29C 39/42 20060101ALI20210208BHJP
   B29C 70/48 20060101ALN20210208BHJP
   B29K 101/10 20060101ALN20210208BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20210208BHJP
【FI】
   B29C39/10
   B29C39/42
   !B29C70/48
   B29K101:10
   B29K105:08
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-177622(P2016-177622)
(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公開番号】特開2018-43353(P2018-43353A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 健
(72)【発明者】
【氏名】市瀬 貴啓
(72)【発明者】
【氏名】久松 治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲杉▼ 宜実
(72)【発明者】
【氏名】木田 翔大
【審査官】 松田 成正
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−127426(JP,A)
【文献】 特開昭56−127427(JP,A)
【文献】 特開2002−307463(JP,A)
【文献】 特開2010−264944(JP,A)
【文献】 特開2006−240092(JP,A)
【文献】 特開昭56−127424(JP,A)
【文献】 特開2009−091446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/00−39/44
B29C 70/00−70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維シートが積層されて成る強化繊維基材を、前記複数の繊維シートが積層されている方向であるシート積層方向が水平方向となるように成形型のキャビティに配置するステップと、
前記キャビティに配置された前記強化繊維基材の下方に設けられた注入ポートから前記キャビティへ反重力方向に樹脂を注入して、前記強化繊維基材に前記樹脂を含浸させるステップと、
前記樹脂が含浸した前記強化繊維基材を前記シート積層方向に加圧するステップと、
前記強化繊維基材に含浸した前記樹脂を硬化させるステップとを、含み、
前記注入ポートは、複数が前記シート積層方向に亘って分散して設けられており、
前記樹脂を含浸させるステップにおいて、前記キャビティへの前記樹脂の注入開始当初は、前記強化繊維基材の前記シート積層方向の両端部の下方に設けられた前記注入ポートからの前記樹脂の注入量を、前記強化繊維基材の前記シート積層方向の中央部の下方に設けられた前記注入ポートからの前記樹脂の注入量よりも多くして、前記強化繊維基材を浸透する前記樹脂の液面レベルを前記シート積層方向の中央部よりも両端部が高くなるようにし、その後、前記樹脂の液面レベルが均されるように前記注入ポートのうち少なくとも1つの注入量を変化させる、
繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
【請求項2】
複数の繊維シートが積層されて成る強化繊維基材を、前記複数の繊維シートが積層されている方向であるシート積層方向が水平方向となるように成形型のキャビティに配置するステップと、
前記キャビティに配置された前記強化繊維基材の下方に設けられた注入ポートから前記キャビティへ反重力方向に樹脂を注入して、前記強化繊維基材に前記樹脂を含浸させるステップと、
前記樹脂が含浸した前記強化繊維基材を前記シート積層方向に加圧するステップと、
前記強化繊維基材に含浸した前記樹脂を硬化させるステップとを、含み、
前記注入ポートは、複数が前記シート積層方向に亘って分散して設けられており、
前記樹脂を含浸させるステップにおいて、前記複数の注入ポートのうち前記強化繊維基材の前記シート積層方向の両端部の下方に設けられた注入ポートから前記樹脂の注入を開始した後で、余の注入ポートからを前記樹脂の注入を開始する、
維強化プラスチック成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;以下、「FRP」と称する)成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FRPの軽量性などに注目が集まっており、従来の金属製部品のFRP部品への置き換えが進んでいる。特に、大型・厚肉の部品では、金属製部品をFRP部品へ置き換えると、顕著な軽量化効果が得られる。なお、本明細書では、強化繊維基材の積層方向の厚みが概ね100mmを超えるFRP成形体を「厚肉FRP成形体」と称することとする。
【0003】
FRPの成形方法の1つにRTM(Resin Transfer Molding)法がある。RTM法は、成形型のキャビティに強化繊維基材を配置し、そのキャビティに液体状のマトリクス樹脂を注入し、当該樹脂を硬化させる方法である。RTM法によれば、強化繊維基材に樹脂を含浸させつつ、強化繊維と樹脂からなるFRPを成形することができる。このようなRTM法によりFRPを成形する方法が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−213059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FRP成形体の強化繊維基材には、一般的に、繊維束が引き揃えられた又は織り込まれた繊維シートの積層体が用いられる。このような強化繊維基材には、サブマイクロメートルオーダーの繊維の空隙、マイクロメートルオーダーの繊維シートの層間(又は、繊維シート−金型間の間隙)、などの樹脂の浸透パスが存在する。これらの浸透パスの大きさが微小且つ不揃いであるため、強化繊維基材に樹脂を均質に浸透させることが困難となっている。
【0006】
特に、RTM法で厚肉FRP成形体を得る場合には、強化繊維基材を構成する繊維シートの積層枚数が多いことから、繊維シートの配列の乱れなどの薄肉FRP成形体の成形時には無視できる因子によって、強化繊維基材に樹脂を均質に浸透させることが更に難しくなる。繊維シートの配列の乱れは、FRP成形体の性能低下につながることから、望ましくない。
【0007】
特許文献1では、RTM法において強化繊維基材に樹脂を一様に含浸させるために、樹脂の注入前に強化繊維基材を型で圧締めして繊維体積含有率(Vf:全体積に対する繊維の体積の割合)を60%未満としたり、樹脂の注入圧力を段階的に増大したり、繊維シートを注入された樹脂の流れと垂直とならないように配向したりすることが記載されている。
【0008】
しかし、上記特許文献1に記載の方法は、厚肉FRP成形体の成形を想定していないと推定される。なぜなら、仮に、特許文献1に記載の方法を用いて厚肉FRP成形体の成形しようとすれば、圧締めによって繊維シート間の間隔が狭まり、樹脂の流動抵抗が過度に高まるおそれがある。樹脂の流動抵抗が高まると、樹脂の充填時間の増加に伴って樹脂の粘度が増大する結果、浸透不良が生じるおそれがある。また、上記特許文献1に記載の方法では、樹脂の注入開始時及び注入圧の段階的な増加時に、樹脂シートの層間が広がるなどの樹脂シートの配列の乱れが生じるおそれがある。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、強化繊維基材に樹脂が均質に含浸した厚肉FRP成形体を製造するために好適な、RTM法を用いたFRP成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、
複数の繊維シートが積層されて成る強化繊維基材を、前記複数の繊維シートが積層されている方向であるシート積層方向が水平方向となるように成形型のキャビティに配置するステップと、
前記キャビティに配置された前記強化繊維基材の下方に設けられた注入ポートから前記キャビティへ反重力方向に樹脂を注入して、前記強化繊維基材に前記樹脂を含浸させるステップと、
前記樹脂が含浸した前記強化繊維基材を前記シート積層方向に加圧するステップと、
前記強化繊維基材に含浸した前記樹脂を硬化させるステップとを、含むことを特徴としている。
【0011】
上記繊維強化プラスチック成形体の製造方法では、強化繊維基材のシート積層方向が水平であり、且つ、樹脂の注入方向が反重力方向である。このことから、樹脂が強化繊維基材に浸透しやすく、且つ、浸透する樹脂の液面が均されるので、強化繊維基材に樹脂が均質に含浸しやすい。一方で、繊維シートの層間の広がりや配列の乱れが懸念される。そこで、上記の製造方法では、樹脂が含浸した強化繊維基材を、シート積層方向に圧縮し、硬化させる。これにより、繊維シートの配列の乱れや、繊維シートの層間の広がりを抑えることができる。
【0012】
上記の前記樹脂を含浸させるステップにおいて、前記注入ポートは、複数が前記シート積層方向に亘って分散して設けられており、前記キャビティへの前記樹脂の注入開始当初は、前記強化繊維基材の前記シート積層方向の両端部の下方に設けられた前記注入ポートからの前記樹脂の注入量を、前記強化繊維基材の前記シート積層方向の中央部の下方に設けられた前記注入ポートからの前記樹脂の注入量よりも多くして、前記強化繊維基材を浸透する前記樹脂の液面レベルを前記シート積層方向の中央部よりも両端部が高くなるようにし、その後、前記樹脂の液面レベルが均されるように前記注入ポートのうち少なくとも1つの注入量を変化させるようにしてよい。
【0013】
また、上記の前記樹脂を含浸させるステップにおいて、前記注入ポートは、複数が前記シート積層方向に亘って分散して設けられており、前記複数の注入ポートのうち前記強化繊維基材の前記シート積層方向の両端部の下方に設けられた注入ポートから前記樹脂の注入を開始した後で、余の注入ポートからを前記樹脂の注入を開始するようにしてもよい。
【0014】
上記のように、複数の注入ポートを操作して、キャビティへ樹脂の注入開始当初において、強化繊維基材を浸透する樹脂の液面レベルをシート積層方向の中央部よりも両端部が高くなるようにすることで、キャビティへ注入される樹脂による繊維シートの配列の乱れや、繊維シートの層間の広がりを、更に抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、強化繊維基材に樹脂が均質に含浸した厚肉FRP成形体を製造するために好適な、FRP成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るFRP成形体の製造方法に使用する成形装置の概略図である。
図2図2は、FRP成形体の製造方法の流れを示す図である。
図3図3は、樹脂の注入開始当初において、強化繊維基材に樹脂が浸透していく様子を説明する図である。
図4図4は、図3よりも後の樹脂の注入開始当初において、強化繊維基材に樹脂が浸透していく様子を説明する図である。
図5図4は、図4よりも後の樹脂の注入開始当初において、強化繊維基材に樹脂が浸透していく様子を説明する図である。
図6図6は、実施例及び比較例1〜4の製造条件と製造されたFRP成形体の観察結果とをまとめた図表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
〔FRP成形体の構成〕
本実施形態に係るFRP成形体の製造方法によって製造されるFRP成形体は、強化繊維基材(プリフォーム)と、強化繊維基材に含浸し硬化した樹脂(マトリックス)とから成る。このFRP成形体の製造方法は、厚み(後述するシート積層方向の寸法)が概ね100mmを超える、「厚肉」のFRP成形体の製造に適している。このような厚肉FRP成形体として、例えば、航空機の翼や機体部品、鉄道車両台車の板バネ部品、風力発電装置のブレードなどを挙げることができる。但し、このFRP成形体の製造方法の適用範囲は、厚肉FRP成形体に特に限定されず、厚肉FRP成形体よりも厚みの小さいFRP成形体の製造にも適用可能である。
【0019】
強化繊維基材は、複数の繊維シートをその厚み方向に積層したものである。以下、複数の繊維シートの積層方向を、「シート積層方向」と称する。強化繊維基材は、積層された複数の繊維シートの間にコア材が配置されたものであってもよい。本実施形態では、複数の繊維シートを積層して簡易接着や縫合などで一纏めにしたものを強化繊維基材として用いる。強化繊維の種類については特に限定されず、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等、従来FRPに用いられている各種繊維を使用できる。繊維シートの形態についても特に限定されず、平織、綾織、朱子織等の織物や、一方向又は複数の方向の繊維をステッチ糸で取りまとめたものや、編物などを使用できる。
【0020】
上記の樹脂は、所定温度(例えば、60℃)で流動性のある液状の樹脂を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0021】
〔FRP成形体の製造方法〕
図1は、本発明の一実施形態に係るFRP成形体の製造方法に使用する成形装置1の概略図である。この図には、成形型2のキャビティ20に樹脂4を注入する際の、成形型2のシート積層方向Dと平行な垂直断面が示されている。
【0022】
本実施形態に係るFRP成形体の製造方法では、図1に例示される成形装置1を使用する。成形装置1は、成形型2と、成形型2を型締めする図示されない型締め装置(例えば、プレス装置)と、注入装置40と、加熱装置3と、排気装置6と、給気装置7とを備えている。
【0023】
成形型2は、上型と下型とから成り、それぞれにキャビティ形成部20a,20bが設けられている。そして、上型と下型とが型締めされ、双方のキャビティ形成部20a,20bが合わさることによって、キャビティ20が形成される。
【0024】
成形型2のキャビティ形成部20bには、複数の注入ポート21が設けられている。各注入ポート21は、キャビティ20の底部から反重力方向へ向けて樹脂4を注入するように、キャビティ形成部20bの底部に上向きに開口している。但し、注入ポート21からの樹脂の注入方向は厳密に反重力方向に限定されず、反重力方向から幾分かの傾き(±10°程度)が許容される。複数の注入ポート21は、キャビティ20に配置された強化繊維基材8のシート積層方向Dに亘って分散している。
【0025】
各注入ポート21は、注入装置40と接続されている。注入装置40は、液体状の樹脂4が貯溜された容器45と、容器45と注入ポート21とを接続する供給管41と、注入ポート21の開/閉を切り替える開閉装置42とを備えている。開閉装置42は、例えば、供給管41に設けられたバルブであってよい。なお、図1では、各注入ポート21に対応して開閉装置42が設けられているが、複数の注入ポート21の組み合わせに対し開閉装置42が設けられて、複数の注入ポート21が同時に開閉されてもよい。
【0026】
成形型2のキャビティ形成部20aには、複数の排出ポート22が設けられている。複数の排出ポート22も、注入ポート21と同様に、キャビティ20に配置された強化繊維基材8のシート積層方向Dに亘って分散していることが望ましい。各排出ポート22は、キャビティ20の頂部から排気できるように、キャビティ形成部20aの天井部に開口している。各排出ポート22は、排気装置6及び給気装置7と排気管43を介して接続されている。排出ポート22は、排気装置6と接続された状態、給気装置7と接続された状態、及び、閉止された状態に切り替えることができる。この切り替えは、切替装置44によって行われる。切替装置44は、例えば、排気管43に設けられた1又は複数のバルブによって構成されていてよい。
【0027】
成形型2には、キャビティ20に充填された樹脂4を加熱する加熱装置3が設けられている。加熱装置3は、例えば、成形型2に形成された熱媒体通路と当該熱媒体通路を流れる熱媒体を加熱する加熱器、電熱線とそれに電力を供給する電源装置などの、既知の構成を備えていてよい。
【0028】
成形型2には、キャビティ20に配置された強化繊維基材8(これには、樹脂4を含浸した強化繊維基材8も含む)をシート積層方向Dへ加圧する、押圧装置5が設けられている。押圧装置5により強化繊維基材8がシート積層方向Dへ押圧されることによって、押圧装置5と成形型2に挟まれた強化繊維基材8がシート積層方向Dの両側から加圧される。なお、押圧装置5は、例えば、キャビティ20に露出したプッシャと、プッシャを水平方向に進退移動させるアクチュエータとによって構成されていてよい。
【0029】
以下、FRP成形体の製造方法の流れについて、図2を用いて詳細に説明する。図2は、FRP成形体の製造方法の流れ図である。先ず、成形型2内に、強化繊維基材8を配置する(ステップS1)。ここで、成形型2のキャビティ形成部20b内に、シート積層方向Dが水平方向となるように強化繊維基材8が配置される。強化繊維基材8は、予め複数の繊維シート80が厚み方向に重ねられて一纏めにされたものを用いると、作業効率が良い。但し、成形型2のキャビティ形成部20b内に、シート積層方向Dが水平方向となるように複数の繊維シート80を並べることによって、複数の繊維シート80が積層されて成る強化繊維基材8を成形型2内に配置してもよい。また、成形型2のキャビティ形成部20b内に、繊維シート80が厚み方向に重ねられて一纏めにされたものを、複数配置してもよい。なお、シート積層方向Dは厳密に水平方向に限定されず、水平方向から幾分かの傾き(±10°程度)が許容される。
【0030】
次に、成形型2を組立てる(ステップS2)。ここでは、成形型2の下型に上型を組み合わせて固定する。更に、組立てられた成形型2を、型締め装置で型締めする(ステップS3)。これにより、成形型2の内部にキャビティ20が形成される。
【0031】
続いて、キャビティ20に配置された強化繊維基材8を、押圧装置5によってシート積層方向Dに加圧する(ステップS4)。ここでは、所望の注入時繊維体積含有率(Vf)が得られるように、強化繊維基材8がシート積層方向Dに加圧される。なお、注入時繊維体積含有率(Vf)は、強化繊維基材8への樹脂4の浸透が阻害されない程度(例えば、50〜55%)に抑えられている。
【0032】
続いて、キャビティ20が排気される。ここでは、キャビティ20を、ほぼ真空とする(ステップS5)。この際、全ての注入ポート21が閉止されるとともに、各排出ポート22が排気装置6と接続される。排気装置6の稼働によって、ほぼ真空となるまでキャビティ20が真空引き(強制排気)される。このようにキャビティ20を真空とすることで、樹脂4に混入する空気を低減することができる。
【0033】
続いて、キャビティ20を真空引きするとともに、キャビティ20へ反重力方向に樹脂4を注入することにより、強化繊維基材8に樹脂4を含浸させる(ステップS6)。ここで、各排出ポート22は排気装置6と接続されており、引き続きキャビティ20は真空引きされている。また、注入ポート21が開放されて、注入装置40によって容器45内の溶融した樹脂がキャビティ20に注入される。
【0034】
注入ポート21からキャビティ20へ反重力方向に樹脂4が注入される。つまり、樹脂4の注入方向と、強化繊維基材8の各繊維シート80の面内方向とが平行となる。そのため、樹脂4の浸透が、強化繊維基材8の繊維シート80によって阻害されにくい。これにより、樹脂4の注入方向と繊維シート80の面内方向とが交差している場合と比較して、樹脂4の注入を短時間で行うことが可能となる。また、樹脂4の浸透が繊維シート80によって阻害されにくいので、強化繊維基材8への樹脂4の浸透方向が反重力方向となる。更に、樹脂4の浸透方向が反重力方向であるので、上昇する樹脂4の液面が水平となり、流動抵抗が異なる繊維シート80の内部と繊維シート80の層間との間で樹脂4の浸透が均衡化される。
【0035】
樹脂4の注入に際し、注入開始当初(即ち、注入を開始してから僅かな間)において、強化繊維基材8を浸透する樹脂4の液面レベル4Lをシート積層方向Dの中央部よりも両端部が高くなるようにし、その後、樹脂4の液面レベル4Lが均されるように、樹脂4の注入が制御される。なお、この明細書及び特許請求の範囲において、強化繊維基材8のシート積層方向Dの「端部」とは、強化繊維基材8のシート積層方向Dの端から、強化繊維基材8のシート積層方向Dの全体寸法の20%以内の範囲のことをいう。
【0036】
具体的には、図3に示すように、先ず、強化繊維基材8のシート積層方向Dの両端部の下方に位置する注入ポート21が開放され、次に、図4に示すように、開放された注入ポート21よりシート積層方向Dの中央側に位置する注入ポート21が開放される。ここで、各注入ポート21からの樹脂4の注入量は等しいものとする。
【0037】
これにより、図3及び図4に示された注入開始当初において、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部よりも両端部の方が、浸透している樹脂4の液面レベル4Lが高くなる。ここでは、強化繊維基材8に浸透している樹脂4の液面レベル4Lの高さが、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部から両端部へ向けて徐々に高くなっている。つまり、強化繊維基材8において、シート積層方向Dの中央部の繊維シート80よりも、シート積層方向Dの両端部の繊維シート80の方が大きな圧力を受けている。このような強化繊維基材8内の圧力差により、繊維シート80にシート積層方向Dの中央へ向けて押し込まれるような力(即ち、強化繊維基材8をシート積層方向Dへ圧縮する力)が作用する。これにより、繊維シート80の層間の広がり(即ち、繊維シート80の配列の乱れ)が抑制される。
【0038】
上記のように樹脂4の注入初期において、樹脂4の液面レベル4Lの高さをシート積層方向Dの位置で変化させた後、樹脂4の液面レベル4Lが均されるように、注入ポート21のうち少なくとも1つからの注入量を変化させる。ここでは、図5に示すように、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部の下方に位置する注入ポート21を開放して、当該注入ポート21からの注入量を増加させる。これにより強化繊維基材8への樹脂4の浸透の均質化が促進される。本実施形態では、図3〜5に段階的に示されるように、注入ポート21を開放するタイミングをシフトさせることによって、強化繊維基材8にシート積層方向Dの圧力差を生じさせ、その圧力差を徐々に緩和するようにしている。なお、最初に注入ポート21が開放されてから全ての注入ポート21が開放されるまでの時間は、キャビティ20の容量や形状、樹脂4の注入量などにも左右されるが、一例として、3〜5分程度である。
【0039】
なお、注入ポート21を開放するタイミングをシフトさせることに限定されず、樹脂4の注入初期において、全ての注入ポート21を同時に開き、強化繊維基材8のシート積層方向Dの両端部の下方に位置する注入ポート21の注入量よりも、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部の下方に位置する注入ポート21の注入量を少なくすることによっても、強化繊維基材8に上記と同様の圧力差を生じさせることができる。
【0040】
やがて、全ての排出ポート22から樹脂4が溢れたら、キャビティ20に樹脂4が充填されたと見做して、樹脂4の注入を終了する(ステップS7)。具体的には、開閉装置42によって全ての注入ポート21を閉止する。
【0041】
続いて、排出ポート22へ加圧気体を供給する(ステップS8)。ここでは、切替装置44によって、各排出ポート22と給気装置7とが接続された状態に切り替えられる。そして、給気装置7から排出ポート22へ、樹脂4の圧力よりも大きい圧力の気体(空気)が供給される。これにより、注入ポート21から排出ポート22へ向かう樹脂4の流れが止まり、また、キャビティ20内に充填された樹脂4が加圧されて、樹脂4及び強化繊維基材8に混入している気泡が縮小化される。
【0042】
続いて、キャビティ20に充填された樹脂4及び強化繊維基材8をシート積層方向Dに加圧する(ステップS9)。ここでは、FRP成形体に要求される繊維体積含有率(Vf)となるように、押圧装置5によって、樹脂4及び強化繊維基材8がシート積層方向Dの両側から加圧される。つまり、この工程で、FRP成形体の繊維体積含有率(Vf)を調整することができる。また、樹脂4及び強化繊維基材8がシート積層方向Dの両側から加圧されることで、強化繊維基材8の繊維シート80の配列の乱れや層間の開きを解消することができる。
【0043】
樹脂4が強化繊維基材8に十分含浸した後、樹脂4が含浸した強化繊維基材8をシート積層方向Dへ加圧しながら、加熱装置3による加熱下又は常温下で、樹脂4を硬化させる(ステップS10)。なお、樹脂4が含浸した強化繊維基材8のシート積層方向Dへの加圧を開始するタイミングは、樹脂4の硬化処理を開始する前、及び、樹脂4の硬化処理を開始してから樹脂4が硬化するまでの間のいずれかであってよい。最後に、樹脂4が硬化したら、樹脂4及び強化繊維基材8から成るFRP成形体を成形型2から離型する(ステップS11)。以上の工程で、FRP成形体を製造することができる。
【0044】
以上説明した通り、本実施形態に係るFRP成形体の製造方法では、複数の繊維シート80が積層されて成る強化繊維基材8を、シート積層方向Dが水平方向となるように成形型2のキャビティ20に配置するステップ(ステップS1)と、キャビティ20へ反重力方向に樹脂を注入して、強化繊維基材8に樹脂4を含浸させるステップ(ステップS6)と、樹脂4が含浸した強化繊維基材8をシート積層方向Dに加圧するステップ(ステップS9)と、その加圧を維持しながら強化繊維基材8に含浸した樹脂4を硬化させるステップ(ステップS10)とを、含んでいる。
【0045】
上記のFRP成形体の製造方法では、強化繊維基材8のシート積層方向Dが水平であり、且つ、樹脂4の注入方向が反重力方向であることから、樹脂4が強化繊維基材8に浸透しやすく、且つ、浸透する樹脂4の液面が均されるので、強化繊維基材8に樹脂4が均質に含浸しやすい。一方で、繊維シート80の層間の広がりや配列の乱れが懸念される。
【0046】
そこで、上記製造方法では、任意のタイミングでキャビティ20内の強化繊維基材8を押圧可能な押圧装置5を用いて、樹脂の注入終了後且つ硬化完了前に、樹脂4が含浸した強化繊維基材8を、シート積層方向Dに圧縮している。これにより、FRP成形体における繊維シート80の配列の乱れや、繊維シート80の層間の広がりの矯正効果が期待される。
【0047】
また、本実施形態に係るFRP成形体の製造方法では、強化繊維基材8に樹脂4を含浸させるステップ(ステップS6)において、キャビティ20へ樹脂4の注入開始当初は、強化繊維基材8のシート積層方向Dの両端部の下方に設けられた注入ポート21からの樹脂4の注入量を、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部の下方に設けられた注入ポート21からの樹脂4の注入量よりも多くして、強化繊維基材8を浸透する樹脂4の液面レベル4Lをシート積層方向Dの中央部よりも両端部が高くなるようにし、その後、樹脂4の液面レベル4Lが均されるように注入ポート21のうち少なくとも1つの注入量を変化させるようにしている。
【0048】
一例として、上記実施形態では、樹脂4の注入開始当初において、複数の注入ポート21のうち強化繊維基材8のシート積層方向Dの両端部の下方に設けられた注入ポート21から樹脂4の注入を開始した後で、余の注入ポート21からを樹脂4の注入を開始するようにしている。
【0049】
上記のように、樹脂4の注入開始当初に、強化繊維基材8を浸透する樹脂4の液面レベル4Lをシート積層方向Dの中央部よりも両端部が高くなるようにすることで、強化繊維基材8を浸透する樹脂4から、強化繊維基材8のシート積層方向Dの中央部よりも両端部が大きな圧力を受けるので、強化繊維基材8にシート積層方向Dの両端部から中央部へ向かう力が生じ、樹脂4の注入による繊維シート80の配列の乱れや、繊維シート80の層間の広がりの抑制が期待される。更に、樹脂4が強化繊維基材8に浸透する過程で、繊維シート80の配列の乱れや、繊維シート80の層間の広がりが抑制されることで、樹脂4の浸透が阻害されにくく、強化繊維基材8の各部位において樹脂4の浸透の差が生じにくくなる。これにより、樹脂4の含浸(浸透)の均質性の向上が期待される。強化繊維基材8への樹脂4の含浸の均質性が向上すると、樹脂4の先回りなどに伴うボイドの形成が抑制される。
【0050】
よって、本実施形態に係るFRP成形体の製造方法によれば、シート積層方向Dの厚みの大きい厚肉FRP成形体であっても、強化繊維基材に樹脂が均質に含浸させることができ、且つ、強化繊維基材を構成している繊維シート80の配列の乱れや層間の広がりを抑制することができる。よって、上記の製造方法によれば、強化繊維基材に樹脂が均質に含浸した厚肉FRP成形体を製造することが可能となる。
【0051】
〔実施例及び比較例〕
以下、本発明に係るFRP成形体の製造方法の有用性を実証するための実施例1,2、及び、この実施例1,2と比較するための比較例1〜3について説明する。
【0052】
(実施例1)
強化繊維基材として、Eガラス繊維NCF(Non−Crimped Fibers)から成る400mm×75mmの繊維シートを積層したものを用いた。樹脂(マトリクス)として、エポキシ樹脂を用いた。エポキシ樹脂は、液状の主剤成分と液状の硬化剤成分とを予混合したものを用いた。
【0053】
以下のステップS1〜11(各ステップは、上記実施形態で説明したステップS1〜11と対応している)を実施してFRP成形体を得た。
ステップS1:強化繊維基材をそのシート積層方向が水平方向となるように成形型内に配置した。
ステップS2,S3:成形型を組立て、型締めした。
ステップS4:注入時繊維体積含有率(Vf)が55%となるように強化繊維基材をシート積層方向の両側から加圧した。
ステップS5:キャビティを真空となるまで強制排気した。
ステップS6:キャビティを真空引きしつつ、キャビティの底部から反重力方向に樹脂を注入した。樹脂の注入開始当初において、注入ポートの開閉操作により、初めに、強化繊維基材のシート積層方向の両端部の下方に位置する注入ポートを開き、次いで、それよりもシート積層方向の中央側の注入ポートを開き、続いて、残りの注入ポートを開いた。初めに開いた注入ポートからの注入量と、全ての注入ポートからの注入量との体積比は、3:10であった。
ステップS7,S8:キャビティに樹脂が充填されたことを確認して樹脂の注入を終了し、強制排気を加圧気体の供給に切り替えた。
ステップS9:繊維体積含有率(Vf)が60%となるように、樹脂が含浸した強化繊維基材をシート積層方向両側から加圧した。
ステップS10:樹脂が含浸した強化繊維基材をシート積層方向両側から加圧しながら、成形型内で樹脂を加熱硬化させた。
ステップS11:硬化完了後に、成形型を冷却し、FRP成形体を離型した。
【0054】
上記ステップS1〜11を実施して得られたFRP成形体を、実施例1に係るFRP成形体とした。実施例1に係るFRP成形体の寸法は、400mm×75mm×T600mm(シート積層方向厚み)であった。また、樹脂の含浸に要した時間は30分程度であった。
【0055】
(実施例2)
実施例2では、上記実施例1のステップS6において、キャビティへの樹脂の注入開始時に全ての注入ポートを同時に開いたことを除いて、上記実施例1と同様の工程を実施し、実施例2に係るFRP成形体を得た。
【0056】
(比較例1)
比較例1では、上記実施例1のステップS9を省略したことを除いて、上記実施例1と同様の工程を実施し、比較例1に係るFRP成形体を得た。なお、比較例1に係るFRP成形体の寸法は、ステップS9を省いたことで、400mm×75mm×T650mm(シート積層方向厚み)であり、繊維体積含有率(Vf)は55%であった。
【0057】
(比較例2)
比較例2では、上記実施例1のステップS6において、キャビティへの樹脂の注入開始時に全ての注入ポートを同時に開いたこと、及び、上記実施例1のステップS9を省略したことを除いて、上記実施例1と同様の工程を実施し、比較例2に係るFRP成形体を得た。なお、比較例2に係るFRP成形体の寸法は、ステップS9を省いたことで、400mm×75mm×T650mm(シート積層方向厚み)であり、繊維体積含有率(Vf)は55%であった。
【0058】
(比較例3)
比較例3では、上記実施例1のステップS1〜5を実施したのち、ステップS6において、キャビティへの樹脂の注入開始時に全ての注入ポートを同時に開き、樹脂を重力方向に注入した。比較例3では、強化繊維基材によって樹脂の浸透が阻害されるため、樹脂の注入に過大な時間を要し、ステップS6の途中で樹脂の硬化による注入圧力が過度に上昇したため、成形を中止した。
【0059】
実施例1,2及び比較例1,2に係るFRP成形体について、樹脂の含浸の均質性を評価し、割れ及びシート配列の乱れを目視観察した。実施例1,2及び比較例1〜3に係るFRP成形体の製造条件と、樹脂の含浸の均質性の評価結果と、割れ及びシート配列の乱れの観察結果とが、図6に示されている。
【0060】
図6に示すように、実施例1,2及び比較例1に係るFRP成形体では、割れや、繊維シートの層間の開きが生じていなかった。一方、比較例2に係るFRP成形体では、シート積層方向の中央部分で繊維シートの層間の開きが生じており、その開きを起点とする割れが生じていた。
【0061】
また、実施例1,2に係るFRP成形体では、繊維シートの蛇行(うねり)が生じていなかった。一方、比較例1に係るFRP成形体では、シート積層方向の中央部分において、繊維シートの蛇行が生じていた。また、比較例2に係るFRP成形体では、シート積層方向の全体に亘って、繊維シートの蛇行が生じていた。
【0062】
樹脂の含浸の均質性は、樹脂を強化繊維基材に含浸させるステップ(ステップS6)における、平均注入時間に対する各排出ポートの注入時間のバラツキに基づいて評価した。「注入時間」とは、各排出ポートについて、最初の注入ポートを開放してから当該排出ポートに樹脂が到達するまでの時間である。「平均注入時間」とは、全ての排出ポートの注入時間の平均値である。各排出ポートについて、次式で「均質性評価値」を算出した。
均質性評価値=(平均注入時間−注入時間)/(平均注入時間)×100[%]
全ての排出ポートの均質性評価値から最も絶対値の大きなものを「均質性評価値の最大絶対値」として抽出し、均質性評価値の最大絶対値が0〜10%以下では「樹脂の含浸の均質性が極めて良好(AA)」とし、均質性評価値の最大絶対値が10%より大きく20%以下では「樹脂の含浸の均質性が良好(A)」、均質性評価値の最大絶対値が20%より大きいときは「樹脂の含浸の均質性が不良(B)」とした。
【0063】
実施例1及び比較例1に係るFRP成形体では、樹脂の含浸の均質性は極めて良好(AA)であった。比較例2に係るFRP成形体では、樹脂の含浸の均質性が良好(A)であった。一方、比較例2に係るFRP成形体では、樹脂の含浸の均質性が不良(B)であった。この評価結果によれば、樹脂を強化繊維基材に含浸させるステップ(ステップS6)において、キャビティへの樹脂の注入開始時に全ての注入ポートを同時に開いても良好な樹脂の含浸の均質性が得られるが、キャビティへの樹脂の注入開始時に注入ポートの強化繊維基材のシート積層方向に対応して解放タイミングをシフトさせることで、更に良好な樹脂の含浸の均質性が得られる。但し、樹脂を強化繊維基材に含浸させるステップ(ステップS6)において、注入ポートの注入開始タイミングをシフトさせずとも、比較例2のように、許容され得る範囲で樹脂の含浸の均質性が得られている。注入ポートの注入開始タイミングをシフトさせない場合は、複数の注入ポートをシート積層方向に亘って分散して設ける代わりに、シート積層方向に亘って長いスリット状の注入ポートを設け、このスリット状の注入ポートから樹脂を注入しても、許容され得る範囲で樹脂の含浸の均質性を得られると考えられる。
【0064】
以上の評価及び観察結果から、本発明に係るFRP成形体の製造方法によれば、従来のRTM法では困難とされていた、シート積層方向の寸法が100mmを大きく上回る600mmの厚肉FRP成形体を製造することが可能である。この製造方法では、樹脂の含浸工程(ステップS6)は1回で済み、また、FRP成形体の体積が400×75×600mm程度であれば樹脂の注入時間は30分程度で済むことから、本発明に係るFRP成形体の製造方法によれば、FRP製品の量産性を高めることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 :成形装置
2 :成形型
3 :加熱装置
5 :押圧装置
6 :排気装置
7 :給気装置
8 :強化繊維基材
20 :キャビティ
20a :キャビティ形成部
20b :キャビティ形成部
21 :注入ポート
22 :排出ポート
40 :注入装置
41 :供給管
42 :開閉装置
43 :排気管
44 :切替装置
45 :容器
80 :繊維シート
D :シート積層方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6