【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明による空気圧維持タイヤ組立体は、タイヤトレッド領域まで延びる第1および第2のサイドウォールによって閉じられたタイヤキャビティを有するタイヤと、タイヤキャビティ内の空気圧を予め設定された圧力レベルに維持するために圧縮空気を生成し、コンプレッションフィッティングに対する動的荷重を軽減するためのソフトチュービングおよびコンプレッションフィッティングを有するエアポンピング手段と、弁棒の外側端部に隣接して配置され、弁棒内部通路からタイヤキャビティ内へ圧縮空気が流れるように選択的に開閉動作可能なバルブハウジングとを含む。バルブハウジングは、コンプレッションフィッティングに対する動的荷重を軽減するためにソフトチュービングおよびコンプレッションフィッティングによってエアポンピング手段に連結される。第1のサイドウォールは、転動するタイヤフットプリント内で動作可能に屈曲する少なくとも1つの屈曲領域と、第1のサイドウォールの屈曲領域内に配置された溝側壁によって画定されたサイドウォール溝とを有し、溝は、転動するタイヤフットプリント内の第1のサイドウォール屈曲領域が屈曲することに応じて非変形状態と変形圧搾状態との間でセグメントごとに変形する。
【0004】
組立体の別の態様によれば、ソフトチュービングは、引張り強度が120000psi未満である。
【0005】
組立体のさらに別の態様によれば、バルブハウジングは円筒形である。
【0006】
組立体のさらに別の態様によれば、バルブハウジングは、エアポンピング手段を「開」状態および「閉」状態にするために開閉する逃がし弁をさらに含む。
【0007】
組立体のさらに別の態様によれば、エアポンピング手段は、第1のタイヤサイドウォール内にチューブを有する。このチューブは、タイヤが荷重を受けながら回転することによって漸進的に平坦化される。
【0008】
組立体のさらに別の態様によれば、バルブハウジングは、バルブハウジングの外側端部の所に配置された手動充填組立体をさらに含む。
【0009】
組立体のさらに別の態様によれば、バルブハウジングの手動充填組立体は、タイヤキャビティを弁棒を介して手動によって直接圧縮するのと同様に手動によって圧縮するように逆止め弁を含む。
【0010】
組立体のさらに別の態様によれば、タイヤが路面上を荷重を受けながら回転し続けると、エアポンピング手段のチューブの一部が、タイヤフットプリントに隣接するときに順次圧搾される。
【0011】
組立体のさらに別の態様によれば、エアポンピング手段の一部がセグメントごとに順次平坦化すると、空気がバルブハウジングおよびタイヤキャビティに送られる。
【0012】
組立体の別の態様によれば、タイヤキャビティ内の空気圧が予め設定された圧力レベルよりも低くなると、空気がバルブハウジングを通過し、弁棒を通過してタイヤキャビティに流入する。
【0013】
組立体のさらに別の態様によれば、タイヤキャビティ内の空気圧が予め設定された圧力レベルであるとき、空気は逃がし弁を通って大気に排出される。
【0014】
本発明による方法は、タイヤ内を所定の空気圧に維持する。この方法は、圧縮空気をタイヤキャビティ内に送る細長い内部空気通路を有する細長い弁棒をタイヤのタイヤキャビティから外側に突き出るように配置するステップと、弁棒上にバルブハウジングを配置するステップと、圧縮空気が弁棒内部通路からタイヤキャビティ内に流れるように制御するために弁棒内部通路を選択的に開閉するステップと、圧縮空気が弁棒内部通路の外側端部を通ってタイヤキャビティ内に送られるようにバルブハウジングにエアポンピング手段を結合するステップとを含む。結合ステップは、バルブハウジングコンプレッションフィッティングに対する動的荷重を軽減するためにソフトチュービングをコンプレッションフィッティングおよびバルブハウジングと相互に連結することを含む。エアポンピング手段は、タイヤフットプリントに隣接するときに屈曲するように動作可能な少なくとも1つの屈曲領域と、屈曲領域内に配置された溝側壁によって画定されたサイドウォール溝とを有する第1のサイドウォールを含み、溝は、タイヤフットプリント内の第1のサイドウォールが屈曲することに応じて非変形状態と変形圧搾状態との間でセグメントごとに変形する。
【0015】
この方法の別の態様によれば、さらなるステップは、タイヤをリム上に支持することと、弁棒をタイヤからリムの開口を通して延ばすことと、バルブハウジングをタイヤキャビティの外部に配置することとを含む。
【0016】
この方法のさらに別の態様によれば、弁棒内の逆止め弁は、弁棒通路からタイヤキャビティ内への空気通路を選択的に開閉する。
【0017】
この方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、バルブハウジング内に逃がし弁を組み込むステップを含む。
【0018】
この方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、バルブハウジングの内部チャンバをエアポンピング手段から加圧空気を受け取るように結合するステップと、内部チャンバ内の圧縮空気の有無に応じて弁棒の逆止め弁を選択的に開閉するステップとを含む。
【0019】
この方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、タイヤから、タイヤを支持するリムを貫通して延びる開口を通して弁棒を延ばすステップと、バルブハウジングを弁棒に取り付けるステップとを含む。
【0020】
この方法のさらに別の態様によれば、さらなるステップは、荷重を受けて回転するタイヤから第1のサイドウォール内に曲げ応力が伝達され、それによって空気がサイドウォール空気通路に沿ってセグメントごとに押し込まれることに応じて、拡張された直径から実質的に縮小された直径になるようにセグメントごとの圧縮が生じるように動作可能に配置された空気通路を第1のタイヤサイドウォール内に配置するステップと、空気通路を弁棒の半径方向外側の端部に連結し、それによって圧縮空気をタイヤキャビティに送るステップとを含む。
〈定義〉
タイヤの「アスペクト比」は、タイヤの断面幅(SW)に対するタイヤの断面高さ(SH)の比に、百分率として表せるように100パーセントを掛けた値を意味する。
【0021】
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面すなわち赤道面に対して対称ではないトレッドパターンを有するトレッドを意味する。
【0022】
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転軸に平行なラインまたは方向を意味する。
【0023】
「チェーファー」は、コードプライを摩耗および切断から防止し、たわみをリムの上方に分散させるように、タイヤビードの外側の周囲に配置された材料の狭いストリップである。
【0024】
「周方向の」は、軸線方向に垂直な環状のトレッドの表面の周囲に沿って延びるラインまたは方向を意味する。
【0025】
「赤道中心面(CP)」は、タイヤの回転軸に垂直であり、かつトレッドの中心を通過する平面を意味する。
【0026】
「フットプリント」は、零速度ならびに標準的な荷重および空気圧においてタイヤトレッドが平坦な表面に接触する接触部分または接触領域を意味する。
【0027】
「溝」は、トレッドの周りを周方向または横方向に、直線状、曲線状、またはジグザグに延びる細長い空隙領域を意味する。周方向および横方向に延びる溝は、共有部分を有することがある。「溝幅」は、溝または溝部が占めるトレッド表面積を、幅を問題にしているその溝または溝部の長さで割った値に等しく、したがって、溝幅は、溝の長さにわたる平均幅である。溝は、タイヤにおける深さが一定でなくてもよい。溝の深さは、トレッドの円周に沿って一定でなくてもよく、あるいは一定であるがタイヤにおける別の溝の深さとは異なってもよい。そのような狭いかあるいは広い溝は、相互に連結された広い周方向溝と比べて実質的に浅い深さを有している場合、対応するトレッド領域にリブ状の特性を維持する傾向がある「タイバー」を形成すると考えられる。
【0028】
「車内側」は、タイヤが車輪に取り付けられ、車輪が車両に取り付けられたときに車両に最も近いタイヤの側を意味する。
【0029】
「内側の」はタイヤキャビティに向かう方向を意味する。
【0030】
「横方向の」は軸線方向を意味する。
【0031】
「横方向縁部」は、標準的な荷重およびタイヤ空気圧の下で測定された軸線方向において最も外側のトレッド接触部分またはフットプリントに接し、赤道中心面に平行なラインを意味する。
【0032】
「ネット接触領域」は、トレッドの円周全体に沿った横方向縁部間の路面に接触するトレッド部材の総面積を、横方向縁部間のトレッド全体の総面積によって割った値を意味する。
【0033】
「非方向性トレッド」は、好ましい前進方向を有さないトレッドであり、トレッドパターンを好ましい走行方向に揃えるために車両上の特定の1つまたは2つ以上の車両位置に取り付けることを必要としないトレッドを意味する。逆に、方向性トレッドパターンは、特定の車輪位置を必要とする好ましい走行方向を有する。
【0034】
「車外側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたときに車両から最も遠く離れているタイヤの側を意味する。
【0035】
「外側の」は、タイヤキャビティから離れる方向を意味する。
【0036】
「蠕動運動」は、空気などの収容された物質を環状の経路に沿って推進する波状の収縮による動作を意味する。
【0037】
「ラジアル(半径方向の)」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に向かうかまたは離れる方向を意味する。
【0038】
「リブ」は、少なくとも1つの周方向溝と、同様な第2の溝または横方向縁部のいずれかとによって画定され、全深さ溝によって横方向に分割されることのない、トレッド上の周方向に延びるゴムのストリップを意味する。
【0039】
「サイプ」は、タイヤのトレッド部材に成形され、トレッド面を細分しトラクションを向上させる小さな長穴を意味し、一般に幅が狭く、タイヤのフットプリントおいて開口されたままである溝とは異なりタイヤのフットプリントにおいて閉じる。
【0040】
「トレッド部材」または「トラクション部材」は、溝に隣接する形状を有することによって画定されるリブまたはブロック部材を意味する。
【0041】
「トレッド弧幅」は、トレッドの横方向縁部間で測定されるトレッドの弧長を意味する。