(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
食品製品又は飲料製品の調製用の少なくとも1つの基本原材料が保存される内容積部であり、縁部が互いに接合されたシート材料によって画定されている内容積部を有する少なくとも1つの容器(10’)と、前記食品製品又は飲料製品が通される取付アセンブリ(20)と、調製する前記食品製品又は飲料製品に関する情報を含む識別手段(30)とを備えている、食品製品又は飲料製品を調製するためのパック(10)であって、
前記識別手段(30)は、前記識別手段(30)を読み取ることができる、前記取付アセンブリ(20)の空き領域にて、前記取付アセンブリ(20)に配置されており、
前記取付アセンブリ(20)は、流体が前記パック(10)に入る時に通る少なくとも1つの流体入口を更に備え、
前記識別手段(30)は、前記流体入口に対して、前記取付アセンブリ(20)の両側に配置されており、前記食品製品又は飲料製品に関する前記情報を複数回含むように更に構成されており、
前記食品製品又は飲料製品の前記情報の一部が一方の側にあり、かつ他方の側に続くように配置されている、パック(10)。
前記データ読取機(50)は、前記パック(10)の前記識別手段(30)から前記食品製品又は飲料製品に関する前記情報を取り出すための発光デバイスを備えている、請求項6に記載のシステム(100)。
前記パック(10)の前記取付アセンブリ(20)は、前記パックを前記デバイス(40)に配置した時に前記デバイス(40)の前記データ読取機(50)を前記識別手段(30)と向かい合わせるように構成されている、請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、以下の本発明の非限定的実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読めば、当業者には明らかになるはずである。
【
図1a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するための、1つの容器と取付アセンブリとを備えるパックの全体図を示す。
【
図1b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するための、2つの容器と取付アセンブリとを備えるパックの全体図を示す。
【
図1c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するための、2つの容器と取付アセンブリとを備えるパックの全体図を示す。
【
図2a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第1の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図2b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第1の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図2c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第1の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図3a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第2の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図3b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第2の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図3c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第2の可能な実施形態の様々な図を示す。
【
図4a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第3の可能な実施形態を示す。
【
図4b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第3の可能な実施形態を示す。
【
図4c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第3の可能な実施形態を示す。
【
図5a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第4の可能な実施形態を示す。
【
図5b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第4の可能な実施形態を示す。
【
図5c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第4の可能な実施形態を示す。
【
図6a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第5の可能な実施形態を示す。
【
図6b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第5の可能な実施形態を示す。
【
図6c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第5の可能な実施形態を示す。
【
図7a】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第6の可能な実施形態を示す。
【
図7b】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第6の可能な実施形態を示す。
【
図7c】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第6の可能な実施形態を示す。
【
図7d】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの第6の可能な実施形態を示す。
【
図8】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用するパックのための取付アセンブリの更に別の可能な実施形態を示す。
【
図9】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムの全体図を示す。
【
図10】本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムで使用できる様々な寸法を有する各種のパックの概略図を示す。
【
図11】は、本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムにおけるデバイスの詳細図を示す。パックは、摺動可能に横方向に差し込まれている。
【
図12】は、本発明による、食品又は飲料を調製するためのシステムにおけるデバイスの詳細図を示す。パックは、正面に差し込まれている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、好ましくは可撓性のパックであるパック10から食品又は飲料を調製するためのシステム100に関する。パック10は、最終的な食品製品又は飲料製品を得るために、パック内で処理される食品又は飲料の基本原材料を含む。後に更に説明するように、パック10はまた、食品又は飲料の基本原材料に適用する処理パラメータに関する情報を含む識別手段30を備えており、これにより最適化された製品が供給される。本発明のシステム100はまた、パック10から食品又は飲料を調製するためのデバイス40を備える。
【0020】
本発明によれば、パックの食品又は飲料の基本原材料は、スープ、フルーツジュース、野菜ジュース、ブイヨン、コーヒー、ココア、お茶、ミルク若しくはクリーマー、スムージー、ピューレ、クーリ、クリーム又はこれらの組み合わせのリストに含まれ得る。食品又は飲料の基本原材料は、可溶性食品又は飲料の原材料であり得る。好ましくは、食品又は飲料の原材料は、
インスタントコーヒーパウダー、ミルクパウダー、クリームパウダー、インスタントティーパウダー、ココアパウダー、スープパウダー、フルーツパウダー又はこれらのパウダーの混合物、
コーヒー濃縮物、ミルク濃縮物、シロップ、フルーツ若しくは野菜濃縮物、お茶濃縮物、フルーツ若しくは野菜ピューレのリストから選択される可溶性食品又は飲料の原材料である。
【0021】
パウダーは、塊成又は焼結されたものであってもよい。パウダー又は液体濃縮物は、例えば、固体片の入ったスープを調製するために、固体片と混合されてもよい。食品又は飲料の原材料はまた、ローストして挽いたコーヒー又は茶葉などの、不溶性の食品又は飲料の原材料であってもよい。この実施形態において、水が不溶性原材料を抽出する。
【0022】
本発明では、流体は、飲料を調製するために可溶性の飲料の原材料又は食品製品を調製するために食品の原材料と混合することができる任意の水性希釈剤(例えば水、炭酸水、ミルク等)を包含する。しかし、本発明によれば、水が、使用する好ましい流体である。
【0023】
本発明のシステム100で使用されるパック10は、好ましくは、互いに接合された2枚の可撓性の水不透過性シートを備えて、食品製品又は飲料製品の調製用の少なくとも1つの原材料を保存する内容積部を画定する。パック10は、少なくとも1つの容器10’を備えるが、複数の製品を調製する場合、パック10は、複数の容器10’、10’’、10’’’などを備えることもできる。パック10から複数の製品を調製する場合、パック10は、複数の容器を備え、各容器は、最終的な複数の製品を調製するための食品又は飲料の原材料のうちの少なくとも1つを備える。この利点は、異なる原材料が別々に保存されて、保存期間の間、調製される瞬間まで良好に貯蔵されるということである。
【0024】
好ましくは、パック10は、本質的に平らな形状を呈し、パック自体は、実質的に可撓性であり、パウチ又は小袋のように見える。可撓性とは、そのシートを容易に曲げることができることを意味する。得られるパック10は、柔らかく、剛性容器とは対照的に変形可能であるため、得られるパック10は、屈曲も可能である。可撓性シート材料は、プラスチック積層体、金属蒸着箔若しくはアルミ箔又は繊維基材であり得る。本発明によれば、2枚の可撓性の水不透過性シートは、単一の可撓性の水不透過性シートを半分に折り、その自由縁部で接合することによって形成することができる。
【0025】
パック10はまた、ユーザ又は消費者がパック10を取り扱えるようにする突出部を備えることができる(図示せず)。
【0026】
本発明のパック10はまた、取付アセンブリ20を備え、取付アセンブリ20は、食品製品又は飲料製品の調製のために流体がパック10にそこを通って導入される流体入口として機能し、また最終的な食品製品又は飲料製品が調製されると、そこを通って最終的な食品製品又は飲料製品が注出される製品流出口としても機能する。取付アセンブリ20は、例えば
図1aに表す実施形態で示すように、流体がパック10の容器に注入される時に通る少なくとも1つの主流体入口21を備える。
図1b及び
図1cに表すように、パック10が複数の容器10’、10’’などを備える場合、典型的には、2つの容器10’及び10’’を備える場合、取付アセンブリ20は、1つの容器10’と連通する(典型的には、スパウトアセンブリ20の前側に配置される)少なくとも1つの主流体入口21と、別の容器10’’と連通する(典型的にはスパウトアセンブリ20の後側に配置される)少なくとも1つの副流体入口22とを備える。この場合、典型的には複数の食品製品又は飲料製品が調製され、原材料を適切に混合し、対応する食品製品又は飲料製品を調製するために、注出する製品に応じて、主流体入口及び副流体入口21、22を通して、流体が容器10’、10’’内に順次供給される。主流体入口21と副流体入口22とを備える取付アセンブリ20を、1つの容器10’(すなわち、単一の製品の調製用に使用される容器)のみを有したパック10に使用することもまた可能であり、この場合、流体は、調製デバイスにおけるパック10の差込み側に応じて、主流体入口21又を通るか副流体入口22を通るかのいずれかにより容器10’内に注入される。換言すると、取付アセンブリ20は、1つ又は複数の容器を有するパックについては同じであるが、1つの容器のみを有するパックで用いる場合、典型的には流体入口のうちの1つのみが使用される。このことには、要素の繰り返し性並びに取付アセンブリ20の製造及び交換コストがより少ないという利点がある。
【0027】
2つの容器10’及び10’’を備えるパック10の場合では、これらの容器のそれぞれが、最終的な食品製品又は飲料製品の調製ための1つの基本原材料を含み、最終的な食品製品又は飲料製品は、2つの容器から原材料を組み合わせるレシピで作られる。このような例では、主流体入口21は容器10’に接続される一方、副流体入口22は容器10’’に接続される。この場合、取付アセンブリ20は、流体を容器内に順次供給できるように構成されている。例えば、まず、流体を容器10’内に主流体入口21を通して供給して、製品の第1の構成原材料を通すようにし、次に、流体を容器10’’内に副流体入口22を通して供給して、製品の第2の構成原材料を通すようにして、適切なレシピを調製する。後に更に説明するように、レシピひいては容器内の原材料に応じて、それらの処理の順番が確立され、処理順序に関する適切な情報は、識別手段30において提供される。
【0028】
図1b又は
図1cに示すように、取付アセンブリ20は、好ましくは、順次注出を提供するように、複数の食品又は飲料の容器を一緒にするように配置される。
【0029】
好ましくは、パック10は、本質的に平らな形状を呈し、取付アセンブリ20は、パック10の一方の側に配置される。
【0030】
取付アセンブリ20はまた、1つ又は複数の製品がそこを通って注出される少なくとも1つの流体注出口23を備えている。流体注出口23は、好ましくは、製品を自由流れとして通すように(すなわち、製品が注出口23から単純な重力落下によって流れることができるように)構成される。本発明の好ましい実施形態によれば、流体注出口23は、開口部230を取付アセンブリ20の底部に備え、上記開口部230は、横断面の表面積が、直径が少なくとも1mm、好ましくは最大で4mm、更にいっそう好ましくは1.5〜3mmの円形表面の表面と等価である。流体注出口23は、典型的には、取付アセンブリ20内で本質的に垂直に向けられたまっすぐな管として構成され、その端部に開口部230を備えている。管の長さは好ましくは少なくとも5mmである。このような長さであれば概ね、製品(典型的には飲料)の泡を、泡が飲料コップ内に供給される前に完成させることができる。このような流体注出口23を使用することの利点は、通される製品の流れを方向付けるために、食品製品又は飲料製品を生成する時に出口とマシンとの間に特定の接続を実施する必要がないことである。すなわち、食品製品又は飲料製品は、流体注出口23から直接飲用カップ又は適切な入れ物に流入することができる。
【0031】
本発明によれば、食品又は飲料調製ステップの前に、流体注出口23がその端部で閉じられる。全般的に、注出口は、製造時に閉じられ、食品又は飲料の生成ステップで開くように構成されている。「製造時に閉じられ」の意味は、完成パック(容器及び取付アセンブリ20を備える)が、流体注出口23が閉じた状態で製造されるということである。このように閉じることによって、衛生及び貯蔵寿命が保証される。注出口23はマシン又は手で開くことができる。
【0032】
好ましくは、例えば
図2a又は
図8に概略的に表されているように、流体注出口23は栓27によって閉じており、上記栓27は、注出口23を開けた後に栓27を取付アセンブリ20に取り付けた状態に維持するための手段を備えている。結果として、栓27は、飲料又は食品内にその生成中に落下することはない。栓27を取付アセンブリ20に取り付けた状態に維持するための手段は、例えば、取付アセンブリ20に取り付けられたプラスチック接合部又は同様の効果を提供する他の任意の適切な手段とすることができる。また、流体注出口23は、弱化領域を栓27の付近に備えることもできる。この弱化領域を、例えば注出口の管の狭窄部として作製させて、マシンが栓27を切断又は引裂くことがより簡単になるようにすることができる。
【0033】
好ましくは、栓27は、注出口と流体入口とを備える単一の取付アセンブリ20の一部である。特に、取付アセンブリ20が射出成形により作製される時、成形型の設計は栓27をも含む。同様に、プラスチック接合部を射出成形によって形成する時には、プラスチック接合部を取付アセンブリ20の設計の一部とすることもできる。この場合もやはり、同じ部分が流体入口、栓27及び接合部を備えているため、製造の観点から優位点が得られる。
【0034】
取付アセンブリ20は、好ましくは、硬質であり、硬質プラスチック材料で作製され、また射出成形によって作製されるのが好ましい。典型的には、このプラスチック材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリ乳酸から選択することができる。またそれほど好ましくはない実施形態によれば、取付アセンブリ20は、例えば、アルミニウム又はブリキなどの金属製とすることができる。
【0035】
好ましくは、流体入口21、22は、注入手段41(典型的には、穿孔及び注入手段41、好ましくは流体ニードル、以下ではニードルと言う)によって穿孔可能であり、そのため、典型的には、これらの注入手段41には、高圧流体がそこを通って流体入口21、22に注入される内部ダクト又はパイプが備えられている。しかしながら、外部の蓋又は膜を何ら穿孔する必要なくこれらの流体入口に流体を直接注入する注入手段によって、これらの流体入口21、22に直接アクセス可能とすることもできる。
【0036】
好ましくは、流体を注入する圧力は2バールよりも高く、より好ましくは3バールよりも高く、好ましくは2〜10バールであり、より好ましくは約7バールである。流体入口21、22は、注入手段41によって流体入口21、22を通して注入される高圧流体が高速噴流に変換されるように構成されている。高速噴流は容器又は複数の容器内に流し込まれる。典型的には、流体入口の直径は1mm〜4mmであり、より好ましくは1.5mm〜3mmである。流体入口21、22は、好ましくは、注入手段41が穿孔できるような降伏可能な覆いを流体入口21、22の上に備えている。注入手段41はまた、好ましくはゴムによって作製されたトロイダルリングを含み、注入手段41が流体入口内に流体を注入している間、流体入口の外側に流体が漏れないことを確実にする。各流体入口は、容器の内容積部に注入孔を通して連通されている(例えば
図2c、
図3c、
図4c、
図6c、
図7dにおいて、主注入孔24は主流体入口21に対応し、副注入孔25は副流体入口22に対応する)。注入孔のそれぞれの直径は、最大で1mm、好ましくは少なくとも0.24mm、好ましくは0.3mm〜1mm、好ましくは0.3〜0.5mm、より好ましくは約0.4mmである。このような構成によって、注入手段41によって注入された高圧流体は、流体入口の内部を注入孔に向かって運ばれる。小断面の注入孔を通る時に、この注入孔により流体は高速噴流の流体に変換されて容器の内部に注入される。典型的に、容器内に提供されるこの流体噴流の速度は、少なくとも20m/sである。
【0037】
容器の内部に形成されるこの流体噴流によって、食品製品又は飲料製品があまりにも急速に注出口を通って流れることのないようになる。したがって、原材料を容器容積の内部の流体と共に撹拌する時間が増える。
【0038】
本発明によれば、流体入口はまた、向きを変えることが可能な高速噴流を、好ましくは、注入手段41が流体入口内に提供する流体供給に対して約90°で、容器内へ提供するように構成することもできるが、任意の他の角度も可能であり、本出願の範囲に含まれる。
【0039】
上述のように、取付アセンブリ20の流体入口は、流体を噴流という形で容器の内容積部の中に導入するように構成されている。噴流とは、流体入口から出て、食品又は飲料容器の内容積部内へと、急速かつ強制的に入る、液体又は流体の流れとして理解されたい。したがって、流体入口は、流体を容器の内容積部の中に高速度で導入するように構成されており、この流体噴流は、好ましくは、速度として少なくとも約20m/s、好ましくは少なくとも30m/sを呈する。前述のように、本発明では、このような構成は、好ましくは、流体入口の流体経路に狭窄部(注入孔による狭窄部)を設けて、流体入口の断面の寸法を小さくすることによって得られる。流体が容器の内容積部の中に進む時に通る注入孔の表面が小さいために、加圧流体は容器の内容積部の中に噴流を形成する。
【0040】
注入孔の表面が小さいということは、流体が容器の内容積部から流体入口内にわずかでも逆流することが回避されるという優位点を示している。流体入口を通して同じ流体を供給するために、注入孔の表面を、流体と混合される、容器内部の食品及び飲料の原材料の性質により変えることができる。詳細には、原材料の溶解が難しい時には、注入孔を小さくすることによって噴流の速度を高めて、容器内でのこの原材料の撹拌及び溶解を改善する。
【0041】
好ましくは、本発明によれば、パック10は、飲料生成中に本質的に垂直に向けられる平面に沿って向けられる平らな形状を呈し、流体入口によって、流体の噴流が上記平面からなる方向に向けられる。底部から容器内に導入される流体噴流は、円形及びらせん状の動きに進展して、流体分子(典型的に水分子)と原材料粒子との間の乱流、摩擦及び高接触面が形成される。平均して、いったん混合されると、流体分子は、飲料又は食品製品と共に容器を出るまでに、容器内で複数回回転する。最良の結果(還元)が、矩形形状のパックを用いた時に観察されている。また単一スパウトアセンブリが矩形のパックの隅に配置されたパックも還元を改善することが分かっている。
【0042】
本発明によれば、食品又は飲料用容器は、1つ又は複数の製品を生成及び注出する間は本質的に垂直に配置され、取付アセンブリ20は、流体入口を通り抜ける流体が容器に上向きに供給されるように構成されている。
【0043】
本発明の取付アセンブリ20は、好ましくは、長手方向の中心軸線に対して2次の回転対称性(2回回転対称性又は2次の離散回転対称性とも言う)の下で構成されている。したがって、取付アセンブリ20は表面も裏面も同様であり、マシンにおいて一方の向きでも他方の向きでも動作させることができる。本発明の好ましい実施形態は、2次の回転対称性(すなわち、n=2)のものであるが、他の実施形態として取付アセンブリ20の回転対称性が異なるnの値を伴う場合も可能であり、本出願の範囲に含まれる。取付アセンブリ20は、2つの実質的に同一の構成部品を共に合わせて取り付けられて作製することもできるし、1つの構成部品のみで作製することもできる。特定の実施形態又は構成では、流体入口並びに注入及び穿孔手段に対して、同様の外形及び同様の外部構成が、2つの構成部品で作製される又は単一構成部品で形成される取付アセンブリ20によって提供されており、それらのいずれも同じマシン又はデバイスで用いることができる。
【0044】
したがって、例えば
図2a−
図2b−
図2c〜
図7a−
図7b−
図7c−
図7dに示すように、対称的であり、そのためデバイス40において一方の差込み向きでも他方の差込み向きでも使用できる取付アセンブリ20を提供する、様々な好ましい実施形態が可能である。対称性は、(流体を注入する)流体入口及び穿孔すること(典型的には、以下、詳述するように、取付アセンブリに流体を注入する手段もまた、外部の保護蓋又は覆いを穿孔する)に関して提供される。取付アセンブリ20のためのこれらの好ましい実施形態の一部は、以下のとおりである。
【0045】
図2a−
図2b−
図2cは、第1の実施形態を示しており、ここで、取付アセンブリ20は、一つに取り付けられた、全く同じ2つの構成部品201、202を備える。2つの構成具品201、202は、対称な部品でも鏡像部品でもないが、全く同じものである。好ましくは、この取付アセンブリ20は、2つの容器10’及び10’’と共に使用され、構成部品のうちの一方201が、主容器10’に取り付けられ、他方の構成部品202が、副容器10’’に取り付けられる。
【0046】
図3a−
図3b−
図3cは第2の実施形態を示しており、
図2a−
図2b−
図2cと同様であるが、ここでは、取付アセンブリ20は、代わりに、一体の構成部品201で作製されている。好ましくは、取付アセンブリ20は、1つの容器10’のみに取り付けされる。結果として得られる、第1及び第2の実施形態の取付アセンブリ20は、同様の外形を有し、流体入口並びに注入及び穿孔手段に関して同様の外部構成を有する。これにより、同じデバイスはこれらのいずれかであっても処理できる。
【0047】
図4a−
図4b−
図4cは、第3の実施形態を示しており、ここでは、
図2a−
図2b−
図2cで説明した第1の実施形態と同様に、取付アセンブリ20は、一緒に取り付けられた全く同じ2つの構成部品201、202を備える。好ましくは、取付アセンブリ20のこの構成は、主構成部品201に取り付けられる主容器10’と、副構成部品202に取り付けられる副容器10’’との2つの容器10’及び10’’と共に使用される。
【0048】
図5a−
図5b−
図5cは、第4の実施形態を示しており、
図4a−
図4b−
図4cと同様であるが、ここでは、取付アセンブリ20は、代わりに、一体の構成部品201で作製されている。第3及び第4の実施形態の得られる取付アセンブリ20は、同様の外形を有し、流体入口並びに注入及び穿孔手段に関して同様の外部構成を有する。これにより、同じマシンはこれらのいずれも処理できる。好ましくは、この第4の実施形態による取付アセンブリ20は、1つの主容器10’に取り付けられる。
【0049】
図6a−
図6b−
図6cは、第5の実施形態を示しており、ここで、取付アセンブリ20は、上述の第1及び第3の実施形態と同様に、一緒に取り付けられ、全く同じ2つの構成部品201、202を備える。好ましくは、得られる取付アセンブリ20は、それぞれ、注出される製品の原材料を備える、2つの容器、すなわち、主容器及び副容器10’及び10’’と共に使用される。
【0050】
図7a−
図7b−
図7cは、第6の実施形態を示しており、
図5a−
図5b−
図5cと同様であるが、ここでは、取付アセンブリ20は、代わりに、一体の構成部品201で作製されている。第5及び第6の実施形態の得られる取付アセンブリ20は、同様の外形を有し、流体入口並びに注入及び穿孔手段に関して同様の外部構成を有する。これにより、同じデバイスはこれらのいずれも処理できる。好ましくは、この第6の実施形態による取付アセンブリ20は、1つの主容器10’に取り付けられる。
【0051】
また更に別の実施形態によれば、取付アセンブリ20は、例えば
図8に表すように、取付アセンブリ20に取り付けられた、又は取付アセンブリ20と一体の部分として、フィルタ要素60を備えることができる。取付アセンブリ20のこの実施形態は、お茶又はローストし粉にしたコーヒーからの茶飲料又はコーヒー飲料などの浸出させる製品をパック10から生成する場合に特に有用である。この場合、調製デバイスの注入手段は、典型的には水である流体を、飲料の浸出又は飲料の抽出のために低圧で、典型的には1バール未満で、より好ましくは約0.5バールで、取付アセンブリ20を通してパック10内に導入することも可能である。圧力が低いため、パック10の液密に関する問題はなく、流体は、注入手段によって、ある一定時間、ある流量下で連続的に導入され、この情報が、識別手段30に含まれる。注入手段によって注入される流体は、高温であり、好ましくは60℃〜95℃の温度で提供される。
【0052】
この場合、食品製品又は飲料製品が浸出される場合には、取付アセンブリ20は、好ましくは
図8に示すように本明細書に記載したものとは異なるように構成される。この場合、噴流ではなく、主流体入口21を通って低圧で導入される流体がパックの上部に向けて注入され、次いで、食品製品又は飲料製品が配置され浸出される容器の内部を通って上向きに運ばれる。製品がパックで調製されると、製品は、流体注出口23を通って注出される。取付アセンブリ20はまた、表面も裏面も同様であるように構成されて、取付アセンブリ20を穿孔でき、かつ流体を前面から又は表面も裏面も同様に導入できるようにする。
【0053】
図10に示すような異なる寸法のパック10を、異なる量の原材料を保存するように構成された同じマシン内で用いることができる。典型的には、流体入口の外部形状及び穿孔要求に関する取付アセンブリ20の構成によって、用いるべきマシンが決まる。しかしながら、
図10に示すように、垂直に延びる場合、容器の寸法によってマシンが決まることも限定されることもない。結果として、様々な製品(例えば、カップ1杯のエスプレッソコーヒー又はスープ1杯など)を生成することができるようになる。取付アセンブリ20の外部設計及び構成は、対象とする製品にかかわらず、同じままである。しかしながら、取付アセンブリ20の内部設計、特に注入孔の直径は、処理される原材料に応じて、ひいては対象とする食品製品又は飲料製品に応じて異なる。また、例えば、1つ又は複数の容器に対する注入した流体の流量及び/又は注入した流体の温度及び/又は注入した流体の全体積などの他のパラメータは、処理すべき原材料に応じて、ひいては対象とする食品又は飲料製品に応じて変更される。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、前述したような各種のパックは、泡状飲料又は非泡状飲料を生成する能力が本質的に異なる少なくとも2つのタイプのパックを含むことができる。泡状飲料を生成することができる第1のタイプのパックは概ね、第2のタイプのパックよりも高速でパックの内容積部の中に水噴流を導入するように構成された水入口を呈する。第1のタイプのパックは、好ましくは、パックの内容積部の中に飲料を可能な限り長く保持するように構成された飲料出口を呈する。そして、第1のタイプのパックの注入孔は、注出口として、表面積が、第2のタイプのパックの場合よりも直径が小さい円形表面の表面に等価な注出口を呈する。また第1のタイプのパックは、好ましくは、飲料又は食品の調製中に容器内の流体及び飲料の動きを改善するように構成された形状を呈する。長さと幅の比率が約4対3であり、取付アセンブリ20が幅側に配置された矩形の容器が、流体の撹拌及び泡の生成を改善することが観察された。この効果は、取付アセンブリ20が幅と長さの側角部(side corner)に配置される時に更により強調される。また飲料の発泡は、食品又は飲料の原材料の性質に依存する可能性がある。本発明によって、容器内に含まれる異なるタイプの飲料又は食品原材料の撹拌及び溶解に適応する各種の異なるパック10を製造することができる。
【0055】
各種のパックはすべて、収容されている食品又は飲料の基本原材料に関係なく、取付アセンブリ20と識別手段30とを備える(
図10に概略的に示すように)高さh
0の共通下部200を有し、よって、各種のパックにおけるパックは、この高さh
0の共通部分200から上の高さが互いに異なる。
【0056】
典型的には、容器の内容積部を画定するために互いに接合された2つの可撓性の水不透過性シートは、1つの単一の可撓性の水不透過性シートを半分に折り畳んでその自由縁で接合されたもので形成されている。上記モードによれば、容器は可撓性材料シートで作製された平面パウチであり、上記シートは容器の最上部で折り畳まれ、その複数の縁部で接合されて、内容積部を画定し、底部の接合された縁部には典型的に、取付アセンブリ20が含まれる。この実施形態は、容器と取付アセンブリとを備えるパック10を製造する特に容易な方法を構成している。なぜならば、必要なのは、シートの1つのピースのみを(最も好ましくは矩形形状に沿って)切断してそれを折り畳んで、食品又は飲料原材料に対する内容積部を形成することだからである。典型的には、製造もまた便利にするために、容器の底縁部の封止中に、取付アセンブリ20が容器の底縁部に導入される。
【0057】
流体入口は、典型的には、容器の内容積部を画定する材料シート(複数可)によって完成パック10内に封入されている。注入手段41が穿孔できる流体入口を覆う降伏可能な覆いは、したがって、これらの流体入口を覆うシート材料によって形成されており、このため、流体入口を覆う補足的な覆い又は膜を何ら用意する必要はない。その結果、製造が容易で簡便である。結果として、同じ材料片を用いて、同時に容器の内容積部を形成して流体入口を閉じることができる。こうして、本発明によって、製造が容易で、食品原材料及び飲料の原材料と、生産された食品製品又は飲料製品との衛生的保護及び保存可能期間の保護を保証するパック10が提供される。
【0058】
好ましくは、完成したパック10を構成するために、縁部を封止する間に、容器の底縁部に取付アセンブリ20を導入することにより、可撓性シートが流体入口を含む取付アセンブリ20の一部分を被覆し得ることが可能となる。したがって、シートの縁部を接合する単一のステップにおいて、食品又は飲料の原材料を保存するための内容積部の形成、取付アセンブリ20の配置及び流体入口の閉鎖を同時に行うことが可能である。好ましくは、注出口はシートによって覆われていない。更に、それをシートの一部(例えばシートのスカート)によって視覚的に隠すことができる。
【0059】
食品又は飲料用容器は、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは2つの傾斜領域(図示せず)を備えている。傾斜領域11は対称的に配置されて、取付アセンブリ20の付近に、取付アセンブリ20に向かって収束する斜めの形状を呈する。その結果、容器内部のすべての製品を注出口を通して注出することが強化されて容易になり、容器内部に残る量を最小限にできるため、飲料又は食品原材料がこれらの角部で詰まった状態になることが回避される。傾斜領域11は、容器の角部を側方で封止することによって得られる。食品容器又は飲料用容器は、種々の外部形状(例えば、矩形、四角形又は丸形状)を呈することができる。これらの容器の内容積部は、好ましくは、製品の調製中に容器内の流体及び食品又は飲料の原材料の動きを改善するように構成された形状を呈する。
【0060】
パック10は、食品又は飲料の基本原材料に対して適用する処理パラメータに関する情報を含む識別手段30を備えており、これにより最適化された製品が供給される。好ましくは、識別手段30は、食品又は飲料の基本原材料に応じて、適用する処理パラメータに関する情報を含む穿孔コードを構成する穿孔を備える。穿孔コードは、作るのが特に簡便でかつ低コストである。
【0061】
本発明によれば、穿孔は、好ましくは、例えば
図2a、
図3a、
図4a、
図5b、
図6a、
図7a又は
図8に示すように、取付アセンブリ20において、異なる部品や位置に配置される。識別手段30は、主流体入口21及び/又は副流体入口22に対して、取付アセンブリ20の両側のうちのいずれか一方の側、すなわち、主流体入口21及び/又は副流体入口22の左又は右のいずれかに配置することもできるし、主流体入口21及び副流体入口22のうちのいずれもの両側に配置することもできる。更に、識別手段30はまた、一部をこれらの一方の側にあり、かつ他方の側に続くのであってもよい(典型的には、パックが複数の容器を備える場合、識別手段に関する情報は多くなるため、取付アセンブリ20において分割される)。
【0062】
取付アセンブリ上の情報は、好ましくは、対応する調製デバイスにパックを配置した時に表面も裏面も読み取り可能に配置される。このため、識別手段30は、好ましくは、取付アセンブリ20において表面も裏面も同様に配置され、したがって、好ましくは、調製デバイスにパックを差し込んだ向きと関係なく情報を読み取ることができるように、取付アセンブリ20の前面と後部との両方に配置される。この場合、識別手段30を構成するコードは、前面及び後部に、対称的に配置され、これにより、両方の場合において、デバイスのデータ読取機に同じ情報を提供する。実際、本発明による取付アセンブリは、(容器内に対応する流体を導入するために)取付アセンブリを表面も裏面も同様に穿孔できるように構成され、識別手段上の情報はまた、調製デバイスにパックを差し込んだ/配置した向きに関係なく、表面も裏面も同様に読み取ることができる。このことは、消費者にとっての大きな利点を示唆している。なぜなら、ユーザは、デバイスにパックを差し込む向きに注意を払わなくてよいからである。
【0063】
典型的には、識別手段30(すなわち、穿孔コード)は、
図2a、
図3a、
図4a、
図5b、
図6a、
図7a又は
図8に示す、空き領域301、302、303又は304のいずれか又はすべてに配置できる。コードの配置は、(パックが提供する必要がある情報の量に応じた)コードの寸法に応じて、上記空き領域301、302、303、304でなされる。情報のこのような配置のいくつかの異なる例示的な実施形態は、引用した図に示されている。コードを何回か繰り返すように、上記空き領域にコードを配置することも可能であり、これにより、エラーの可能性やコードが損傷を受ける可能性を最低限にする。典型的には、流体チャネル等に関する取付アセンブリ20の内部構成によって、穿孔コードの通しでの配置は、範囲が定められる。したがって、識別手段は、デバイスにおいて表面も裏面も同様に読み取り可能である必要がある時、取付アセンブリ20の両側、前面及び背面に配置される必要がある。
【0064】
加えて、コードは、コードの穿孔を阻む製品がなく、食品又は飲料調製のプロセスがこの識別手段30のこの配置を妨げない、パックの領域に配置される。
【0065】
また本発明によれば、識別手段30はまた、パックを差し込んだ向きに関する特定の情報を含み、実際には、コードは、調製マシン又はデバイスの適切な手段が読む側に特定の情報を含む。つまり、主流体入口及び/又は副流体入口に対して、読み取っているのがパックのコードの右側であるか左側であるか、読み取り中の側がコードの部分から分かる。
【0066】
上述の構成により、適用する処理パラメータに関してより多くの情報を含むコード及び/又は得ることができる食品製品又は飲料製品に関するより多数の情報を提供するコードもまた可能である。更に、取付アセンブリ20は、
図10から分かるように、h
0までの高さを覆う、共通下部200を有する各種のパックに対して共通である。
【0067】
識別手段30は、食品製品又は飲料製品を調製するためのパラメータに関する情報を含み、典型的には、パックに注入/導入される流体の温度、流体の全体積及び導入される流量を少なくとも含む。複数の容器がある場合、これらの識別手段30は、パックを構成する容器のそれぞれについて、これらのパラメータを含む(コードは、より長くされ、したがって、好ましくは、取付アセンブリの空き領域で分割される)。
【0068】
他にあり得るのは、識別手段30が特定のレシピに関する情報を含み、マシンが、読み出したレシピに応じて、具体的なパラメータ(温度、流量及び全流体体積)を適用するための特定のレシピを保存することになることである。
【0069】
穿孔コードを構成する孔は、任意の所望の形状の孔であり得る。好ましくは、孔は円形であるが、矩形、正方形、三角形、多角形又は任意の他の形状などの、他の形状もまた適する。穿孔は、穿孔が配置される空き領域301、302、303、304において利用可能な領域に応じて、任意の所望の形状から作製される。
【0070】
本発明の穿孔コードでは、様々な情報の符号化は、好ましくは、2進符号化によってなされる。食品製品又は飲料製品を調製するためのパック10と共に使用されるデバイス40は、パック10がデバイス40に差し込まれると識別手段30(すなわち、穿孔コード)に向かい合うデータ読取機50を備える。データ読取機50は、光学センサ又は機械センサのいずれかとして構成される。光学センサとして構成される場合、データ読取機は、識別手段30を構成する穿孔を通って光を放出する発光デバイスを備える。
【0071】
上述のように、穿孔コードを、主流体入口21及び/又は副流体入口22に対して、取付アセンブリ20の両側に分割して配置する場合、センサには、(一方の側、すなわち右又は左に配置されたコードの部分を読み取る)主センサと(パックの他方の側、すなわち左又は右に配置されたコードの部分を読み取る)副センサとが設けられる。取付アセンブリ20が表面も裏面も同様に読み取る狙いのものである場合、データ読取機50は、パックをデバイスに差し込む向きに関係なく、コードが配置される取付アセンブリ20の両側から情報を得るように構成される。コードは、好ましくは、何回か繰り返されているため、エラーの可能性は極めて最小化される。
【0072】
データ読取機50が光学センサとして構成される場合、孔は、閉鎖されている又は光がほとんど貫通しない又は光を通す孔を有する又は穿孔を有するのいずれかによって、識別される。データ読取機50(又は主センサ及び副センサ)には、穿孔コードを受信するように構成される複数の光バリアが設けられ、光バリアは、コードを光学的に読み取ることができる。光学読み取りは、完全に非接触な方式でコードを読み出すという利点を有し、このことにより、時間が経ったり使用したりした後、機械的部品が摩滅したり劣化したりするのを防ぐことができる。
【0073】
本発明の別の実施形態によれば、データ読取機50は、機械センサとして構成でき、その場合、穿孔コードは、開放孔と閉鎖孔との組み合わせによって構成され、データ読取機50は、例えば、コードの開放孔と係合し、閉鎖孔によって押し戻される複数のピンを備える。電気読取機を備える読取機を使用して、孔に係合するピンが追加的に電流を生じるようにできる。
【0074】
上で定義した実施形態のいずれかにおいて、データ読取機が光学センサとして構成されたか機械センサとして構成されたかによらず、穿孔コードを適切に読み取るために、パック10をデバイス40に差し込んだ時に、コードがデータ読取機50と正確に向かい合うことが必要となる。コードが取付アセンブリ自体に直接配置されているため、データ読取機50に対する識別手段30の正しい配置は、取付アセンブリ40は、デバイス40に対するパック10の心合わせデバイスとして機能するため、直接達成される。注入手段41が適切に穿孔及び流体注入できるようにするために、パックの取付アセンブリ20をデバイス40において正確に配置する必要があるので、データ読取機50に対する識別手段30の正確な配置は、心合わせデバイスに依存して設計され、そのため、これ以上の配置用の孔は必要とされない。
【0075】
しかしながら、更なる可能性は、例えば心合わせ孔によって、心合わせデバイスを取付アセンブリに提供することである。
【0076】
複数の製品を作るために、パック10が複数の容器10’、10’’などを備える場合、取付アセンブリ20は、この場合には、(例えば
図1b又は
図1cに概略的に示すように)パック10を構成する複数の容器を共に合わせる。したがって、このようにして、取付アセンブリ20によって心合わせが同様になされる。
【0077】
また本発明によれば、パック10の識別手段30はまた、パック10が複数の容器10’、10’’などを備える場合のために、流体入口から様々な容器内へと流体を順次供給するための情報を含む。容器内の原材料のこの順次処理は、対象とする製品のレシピに応じてなされるため、(典型的には、パック10が2つの容器10’及び10’’を備える場合)どの容器を最初に処理するかそして次に処理するかに関する情報は、識別手段30によって、パック10が処理される予定のデバイス又はマシンに提供される。取付アセンブリ20ひいてはパック10が表も裏も同様に使用できるため、ユーザは、パック10を一方の向きでも他方の向きでもマシン又はデバイスに差し込むことができ、マシンは、パック10が実際にどの向きに差し込まれたかを確認可能である必要があり、これにより、パック10を構成する複数の容器の正確な順次処理がなされ、この情報は、対象とする正確な最終的な製品レシピに関して識別手段30によって提供される。したがって、識別手段30には、ユーザがデバイス40にパック10を実際に差し込んだ向きに関する情報を提供する必要がある。
【0078】
パック10の識別手段30は、パック10が最適な方法で食品製品又は飲料製品を調製するように差し込まれるように、デバイス40によって適用される処理パラメータに関する情報を含む。これらの処理パラメータは、1つ又は複数の容器内に導入する流体の温度、流体の全体積及び1つ又は複数の容器内に導入する流量のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである。またこれらのパラメータは、パックを構成する1つ又は複数の容器の順次処理に関する情報と共に提供される。
【0079】
更に別の態様によれば、本発明は、前述したようなパック10から1つ又は複数の食品製品又は飲料製品を調製するためのデバイス40に言及する。デバイス40は、パック10を収容するように、好ましくは、パックが垂直に配置され、取付アセンブリがパック10の底部に配置されるようにパック10を収容するように適合された受容手段42と、取付アセンブリ20と係合するため及び取付アセンブリ20の流体入口内へと流体を注入するために設計された注入手段41(好ましくは穿孔手段であり、典型的には流体ニードルである)とを備える。典型的には、パック10は、デバイス40内で本質的に垂直にして、飲料製品又は食品製品が得られるように処理されるので、パック10は(
図12に概略的に示されるように)デバイスにおいて前向き又は横向きのいずれかで差し込まれる。その結果、パック10は、(
図11に概略的に示されるように)デバイス40の専用挿入体内に摺動可能に挿入される。
【0080】
本発明によれば、流体は、対象とする食品製品又は飲料製品の種類に応じて、低温、常温又は高温の、任意の温度でパック10へと供給され得る。
【0081】
本発明によれば、また
図9に概略的に例示するように、前述したようにパック10から食品製品又は飲料製品を調製するためのデバイス40は、
取付アセンブリ20の流体入口に流体(加圧又は非加圧)を供給するための流体供給源又はタンク43及びポンプ44、
流体を最終的に加熱するためのヒータ45、
周囲温度で流体を通すためのバイパスライン46、
高温又は周囲温度の流体を選択するためのバルブ(例示せず)、
場合により、低温流体を通すためにデバイス40内に設けることができる冷却ユニット(図示せず)、
流体入口を穿孔して、流体供給源から来る流体を流体入口内に注入する注入手段41、好ましくは、穿孔及び注入手段、より好ましくは、1つ又は複数の流体ニードル、
場合により、栓27を切断又は引裂くためのデバイス47、
を備え得る。
【0082】
栓27を切断又は引裂くためのデバイス47は、好ましくは、パック10がデバイスに差し込まれる時又は食品若しくは飲料調製が起動される時に栓が自動的に切断されるように、デバイス内に配置される。
【0083】
デバイス40はまた、(光読取機又は機械読取機として構成される)データ読取機50を備えている。データ読取機は、識別手段30から、食品又は飲料製品をパック10から調製するために用いるべき処理パラメータに関する情報を読み取る(1つ又は複数の容器の順次処理、温度、1つ又は複数の容器に対する流速及び全流量)。
【0084】
好ましくは、デバイスは、食品製品又は飲料が調製された時に、パック10の注出口の下に飲料コップを配置するための配置領域49を更に備えている。
【0085】
また本発明により、上述のようなパック10を製造するための方法であって、パック10は、取付アセンブリ20と1つ又は複数の食品又は飲料用容器とを備え、方法は、
シート材料を折り畳み、その両方の側縁部を接合してパウチを形成するステップと、
そのように形成されたパウチに、残りの開いた複数の縁部を通して、食品又は飲料の原材料を充填するステップと、
残りの開いた複数の縁部の間で取付アセンブリ20を配置して、前記縁部を接合する、ステップであって、取付アセンブリ20は、識別手段30を既に備える、ステップと、を含む。
【0086】
ここで、本発明のシステムによって提供される主な利点の一部を詳述する。
【0087】
取付アセンブリと、識別手段を備え、共通下部に有する各種のパックは、同じデバイスで使用され、それにより、同じマシン又はデバイスで、より多岐にわたる飲料製品及び食品製品を作製でき、その結果、これらのパックは、(食品製品又は飲料製品を作製する時にパックが本質的に垂直に配置されることを考慮すれば)全高が多様になる。これにより、部品のより高い繰り返し性と、最適化された製造コストと、交換部分とが可能になる。
【0088】
コードを何回か繰り返すことができることから、エラーを読み取る可能性とコードが損傷する可能性とが極めて最小化される。
【0089】
本システムは、表も裏も同様に作られることにより、その使用が容易になることから、消費者が使用するのに非常に容易かつ簡便である。
【0090】
コードがパックの硬質な部分(取付アセンブリ)に配置されるため、コードが損傷を受ける可能性は極めて最小化される。
【0091】
本発明は、その好ましい実施形態を参照して記述されているが、添付の請求項によって規定されている本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって多くの改変及び変形が行われてもよい。