(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性支持部は、弾性変形していない状態において、前記結合部材の厚さ方向の高さが前記剛性支持部より低い基部と、前記結合部材の厚さ方向の高さが前記剛性支持部より高く、前記ベース部側に向けて突出して湾曲したアーチ状部とを有する請求項1または2に記載の挿込み結合構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、挿込み部の結合を、部材の弾力性を用いて行う場合、結合時の保持力は部材の弾性力に頼ることになるため、弾性力によっては適切な保持力を確保し難くなる虞がある。一方で、挿込み部の結合後における保持力を確保するために、弾性力を発揮する部材が大きな弾性力を発揮することができる形状にすると、挿込み部の挿し込み時における力である挿入力に、大きな力が必要になる虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することのできる挿込み結合構造、電気接続箱、及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る挿込み結合構造は、結合部材の厚さ方向における一方側の面に接触するベース部と、前記結合部材の他方側の面に対向する挟持部と、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向と交差する方向であって前記結合部材を挿し込む挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する剛性支持部と、剛性が前記剛性支持部より低く、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向に弾性変形可能でかつ前記挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する弾性支持部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記挿込み結合構造において、前記剛性支持部は、前記ベース部に接触した状態の前記結合部材に対して接触することが好ましい。
【0008】
また、上記挿込み結合構造において、前記弾性支持部は、弾性変形していない状態において、前記結合部材の厚さ方向の高さが前記剛性支持部より低い基部と、前記結合部材の厚さ方向の高さが前記剛性支持部より高く、前記ベース部側に向けて突出して湾曲したアーチ状部とを有することが好ましい。
【0009】
また、上記挿込み結合構造において、前記弾性支持部は、前記アーチ状部の両脇にスリット部が形成されることが好ましい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発に明係る電気接続箱は、電子部品を収容する筐体と、前記筐体に設けられる挿込み結合構造とを備え、前記挿込み結合構造は、結合部材の厚さ方向における一方側の面に接触するベース部と、前記結合部材の他方側の面に対向する挟持部と、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向と交差する方向であって前記結合部材を挿し込む挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する剛性支持部と、剛性が前記剛性支持部より低く、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向に弾性変形可能でかつ前記挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する弾性支持部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する配索材と、前記配索材と接続される電気接続箱とを備え、前記電気接続箱は、電子部品を収容する筐体と、前記筐体に設けられる挿込み結合構造とを備え、前記挿込み結合構造は、結合部材の厚さ方向における一方側の面に接触するベース部と、前記結合部材の他方側の面に対向する挟持部と、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向と交差する方向であって前記結合部材を挿し込む挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する剛性支持部と、剛性が前記剛性支持部より低く、前記挟持部に、前記結合部材の厚さ方向に弾性変形可能でかつ前記挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられ、前記結合部材の他方側の面に接触する弾性支持部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る挿込み結合構造、電気接続箱、及びワイヤハーネスは、挟持部に剛性支持部と弾性支持部とを配設し、剛性支持部とベース部、及び弾性支持部とベース部で結合部材を挟持することにより、結合部材を保持することができる。その際に、剛性支持部は、弾性変形することなく、結合部材の他方側の面に接触することができるため、ベース部とで結合部材に対して適切な押圧力を付与しながら結合部材を保持することができる。一方で、弾性支持部は、結合部材の厚さ方向に弾性変形可能に形成されているため、結合部材を弾性支持部とベース部との間に挿し込む際に、弾性支持部が弾性変形することにより、挿し込むのに必要な力である挿入力が大きくなることを抑制することができる。この結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る挿込み結合構造、電気接続箱、及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
なお、以下の説明では、互いに交差する3つの方向を便宜的にそれぞれ「第1方向X」、「第2方向Y」、「第3方向Z」という。ここでは、第1方向Xと第2方向Yと第3方向Zとは、相互に直交する。典型的には、第1方向Xは、後述する係合取付部21の剛性支持部35と弾性支持部40とが並ぶ方向に相当する。第2方向Yは、後述する結合部材50の挿し込み方向に相当し、後述する係合取付部21の剛性支持部35及び弾性支持部40の延在方向に相当する。第3方向Zは、後述する結合部材50の厚さ方向に相当し、後述するアッパーカバーとフレーム12とアンダーカバー13とが積層される方向に相当する。また、以下の説明では、第3方向Zにおいて、フレーム12に対してアッパーカバーが位置する側を上方或いは上側と呼び、フレーム12に対してアンダーカバー13が位置する側を下方或いは下側と呼ぶこともある。
【0016】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電気接続箱1の斜視図である。実施形態に示す電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれる。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各機器に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、配索材Wに電気的に接続される電気接続箱1とを備える。配索材Wは、例えば、金属棒、電線、電線束等によって構成される。金属棒は、導電性の棒状部材の外側を絶縁性の被覆部によって覆ったものである。電線は、複数の導電性の金属素線からなる導体部(芯線)の外側を絶縁性の被覆部によって覆ったものである。電線束は、当該電線を束ねたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の配索材Wを束ねて集約すると共に、束ねられた配索材Wの端末に設けられたコネクタ等を介して電気接続箱1が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0017】
電気接続箱1は、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンルームや車両室内に設置される。電気接続箱1は、配索材W等を介して、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続されている。電気接続箱1は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。
【0018】
具体的には、電気接続箱1は、筐体10と、種々の電子部品5とを備えている。筐体10は、樹脂材料からなり、電子部品5を収容することが可能になっている。また、筐体10は、フレーム12と、フレーム12の上部に取り付けられるアッパーカバー(図示省略)と、フレーム12の下部に取り付けられるアンダーカバー13とを有している。なお、
図1は、アッパーカバーが取り外された状態を示す図になっている。
【0019】
筐体10には、電気接続箱1を車両のボディに取り付ける取付部20が設けられており、取付部20は、電気接続箱1のフレーム12の下端寄りの位置に複数が配設されている。取付部20は、複数の種類を有しており、ボディに対して係合することにより電気接続箱1をボディに取り付ける係合取付部21と、ボルト(図示省略)等の固定部材を用いて電気接続箱1をボディに取り付ける締結取付部22とを有している。
【0020】
図2は、
図1のA部詳細図である。取付部20の一種である係合取付部21は、ベース部24と、支持部26と、補強壁27とを有している。支持部26は、フレーム12から第3方向Zにおける下側に向かって突出しており、ベース部24は、支持部26の下端位置から第2方向Yに突出することにより形成されている。補強壁27は、第3方向Zにおけるベース部24の上側でベース部24と支持部26との双方に接続される補強部材として形成されており、第1方向Xにおけるベース部24の両端の2箇所に、それぞれ配設されている。
【0021】
図3は、
図2に示す係合取付部21を下側から見た斜視図である。係合取付部21は、さらに挟持部30を有している。挟持部30は、ベース部24の下面側に形成されている。挟持部30は、挟持部本体部31と挟持部接続部32とを有しており、挟持部接続部32は、ベース部24の下面から第3方向Zにおける下側に向かって突出している。挟持部本体部31は、挟持部接続部32の下端位置から、第2方向Yにおいてベース部24が支持部26から突出する方向と同じ方向に、第2方向Yに突出することにより形成されている。
【0022】
図4は、
図2に示す係合取付部21の平面図である。
図5は、
図4のB−B矢視図である。ベース部24は、平面視における形状、即ち、第3方向Zに見た場合における形状が、略長方形の形状で形成されている。また、ベース部24には、ベース部24を第3方向Zに貫通する略長方形の開口部25が形成されている。挟持部30が有する挟持部接続部32は、開口部25における、支持部26が位置する側の辺の近傍から、ベース部24の下方に向かって突出している。挟持部本体部31は、平面視における形状が、ベース部24の開口部25の大きさと同程度の大きさの略長方形の形状で形成されており、支持部26の下端位置から、ベース部24と略平行に第2方向Yに突出している。
【0023】
図6は、
図5のC−C断面図である。挟持部30には、挟持部本体部31に剛性支持部35と弾性支持部40とが形成されている。これにより、係合取付部21は、本実施形態に係る挿込み結合構造100を有している。当該挿込み結合構造100は、上述したベース部24と、挟持部30と、当該剛性支持部35と、当該弾性支持部40とを備えて構成されるものである。剛性支持部35と弾性支持部40とは、いずれも第1方向Xにおける幅がほぼ一定の幅で形成され、略平行に第2方向Yに延びている。また、剛性支持部35と弾性支持部40とは、第1方向Xにおける間隔が所定の間隔で離間して配置されている。第2方向Yに延びる剛性支持部35と弾性支持部40とは、第2方向Yに方向における一方の端部が、挟持部接続部32に接続されている。また、剛性支持部35と弾性支持部40との第2方向Yに方向における他方の端部は、挟持部本体部31の第2方向Yにおける挟持部接続部32が位置する側の端部の反対側の端部よりも、挟持部接続部32寄りに位置している。
【0024】
図7は、
図6のD−D断面図である。挟持部本体部31は、ベース部24側に位置する面が、ベース部24における挟持部本体部31側に位置する面に対してほぼ平行に形成されている。また、挟持部本体部31は、第2方向Yにおける挟持部接続部32が位置する側の反対側の端部である先端部31a付近では、挟持部接続部32が位置する側から先端部31a側に向かうに従って、第3方向Zにおける厚さが薄くなっている。このため、挟持部本体部31は、先端部31a付近の位置では、ベース部24側に位置する面とベース部24との距離が、挟持部接続部32が位置する側から先端部31a側に向かうに従って大きくなっている。
【0025】
挟持部本体部31に形成される剛性支持部35は、挟持部本体部31におけるベース部24側に位置する面に形成されており、挟持部本体部31から、第3方向Zにおけるベース部24が位置する側に向かって突出している。即ち、剛性支持部35は、挟持部本体部31から突出して第2方向Yに延びるリブ状の形状で形成されている。また、剛性支持部35は、挟持部本体部31からの第3方向Zにおける高さがほぼ一定の高さになっており、挟持部本体部31の先端部31a付近の位置で、第2方向Yにおいて挟持部接続部32が位置する側から先端部31a側に向かうに従って、挟持部本体部31からの高さが低くなっている。
【0026】
このように形成される剛性支持部35は、高さがほぼ一定に形成される部分とベース部24との第3方向Zにおける距離が、後述する結合部材50(
図10参照)と同程度の距離になっている。つまり、剛性支持部35は、結合部材50の厚さ方向におけるベース部24との距離が、結合部材50の厚さと実質的に同じ大きさの距離になっている。
【0027】
図8は、
図6のE−E断面図である。
図9は、
図6のF−F断面図である。弾性支持部40も剛性支持部35と同様に、挟持部本体部31におけるベース部24側に位置する面に形成されており、挟持部本体部31から、第3方向Zにおけるベース部24が位置する側に向かって突出している。このため、弾性支持部40も、挟持部本体部31から突出して第2方向Yに延びるリブ状の形状で形成されている。
【0028】
また、弾性支持部40は、基部41とアーチ状部42とを有している。基部41は、第2方向Yにおけるアーチ状部42の両側に配置されており、第3方向Zにおける挟持部本体部31からの高さがほぼ一定で、剛性支持部35の高さよりも低くなっている。また、基部41は、挟持部本体部31の先端部31a付近の位置では、第2方向Yにおいて挟持部接続部32が位置する側から先端部31a側に向かうに従って、挟持部本体部31からの高さが低くなっている。
【0029】
一方、アーチ状部42は、第1方向Xに見た場合における形状がアーチ状に形成されており、つまり、アーチ状部42は、第1方向Xに見た場合にベース部24側に向けて突出して湾曲する形状で形成されている。アーチ状に形成されるアーチ状部42は、第2方向Yにおける中央付近の位置での第3方向Zの高さが最も高く、第2方向Yにおける両端側に向かうに従って高さが低くなっている。アーチ状部42は、第2方向Yにおける両端の高さが基部41の高さと同じ高さになっており、アーチ状部42における第3方向Zの高さが最も高い位置での高さは、剛性支持部35の高さよりも高くなっている。
【0030】
また、弾性支持部40には、第1方向Xにおけるアーチ状部42の両脇にスリット部43が形成されている(
図6、
図9参照)。スリット部43は、第2方向Yにおける長さがアーチ状部42の長さと同じ長さで形成され、第2方向Yにおける位置がアーチ状部42と同じ位置に形成される、挟持部本体部31に対して第3方向Zに開口する孔状の形状で形成されている。アーチ状部42は、第1方向Xにおける両脇にスリット部43が形成されるため、第2方向Yにおける両端のみで挟持部本体部31に接続されている。
【0031】
アーチ状部42は、このように第2方向Yにおける両端のみで挟持部本体部31に接続され、ベース部24側に向けて突出して湾曲する形状で形成されるため、第3方向Zに弾性変形可能になっており、第3方向Zへの弾力性を有している。これにより、アーチ状部42を有する弾性支持部40は、剛性が剛性支持部35より低くなっている。また、アーチ状部42は、最も高い位置での高さが剛性支持部35よりも高くなっているため、アーチ状部42が弾性変形していない状態での結合部材50(
図11参照)の厚さ方向におけるアーチ状部42とベース部24との距離は、結合部材50の厚さ方向におけるベース部24と剛性支持部35の距離よりも小さくなっている。
【0032】
本実施形態に係る挿込み結合構造100、電気接続箱1、及びワイヤハーネスWHは、以上のような構成からなり、次に、その作用について説明する。電気接続箱1を車両に搭載する際には、取付部20を車両のボディに取り付けることにより、車両に固定する。取付部20は、係合取付部21と締結取付部22とを有しており、このうち係合取付部21は、ボディに対して係合することにより、電気接続箱1をボディに固定する構造になっている。
【0033】
図10は、剛性支持部35の位置での結合部材50との結合についての説明図である。係合取付部21をボディに対して係合する際には、ボディを構成する鉄板であり、係合取付部21と係合する結合部材50を、係合取付部21におけるベース部24と挟持部30の挟持部本体部31との間に挿し込む。結合部材50をベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込む際には、挟持部本体部31の先端部31a側からベース部24と挟持部本体部31との結合部材50を入り込ませ、挟持部接続部32が位置する側に向かって結合部材50を第2方向Yに相対移動させる。即ち、第2方向Yは、ベース部24と挟持部本体部31との間に結合部材50を挿し込む際の挿し込み方向になっており、挿し込み方向は、結合部材50の厚さ方向と交差する方向になっている。挟持部30に形成される剛性支持部35と弾性支持部40とは、結合部材50を挿し込む挿し込み方向に沿ってリブ状に設けられている。
【0034】
ベース部24は、結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれることにより、結合部材50の厚さ方向における一方側の面51が接触する。以下の説明では、結合部材50における、ベース部24に接触する側の面51を上面51として説明し、結合部材50の厚さ方向におけるにおける他方側の面52を下面52として説明する。即ち、結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれた際には、ベース部24は、結合部材50の上面51に接触する。
【0035】
結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれた際には、挟持部本体部31は、結合部材50の下面52に対向する。挟持部本体部31に形成される剛性支持部35は、結合部材50の厚さ方向におけるベース部24との距離が、結合部材50の厚さと実質的に同じ大きさになっているため、結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれた際には、剛性支持部35は、結合部材50の下面に接触する。即ち、剛性支持部35は、ベース部24に接触した状態の結合部材50に対して、ベース部24が接触する面の反対側から接触する。
【0036】
結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれた際には、ベース部24が結合部材50の上面51に接触し、剛性支持部35が結合部材50の下面52に接触することにより、係合取付部21は、剛性支持部35が配設される位置では、ベース部24と剛性支持部35とで結合部材50を挟持して保持する。
【0037】
図11は、弾性支持部40の位置での結合部材50との結合についての説明図である。弾性支持部40の基部41は、第3方向Zにおける挟持部本体部31からの高さが剛性支持部35の高さよりも低くなっているため、基部41の位置では、結合部材50をベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込む際の挿し込み方向の力に対する抵抗が発生し難くなっている。つまり、弾性支持部40の基部41は、弾性支持部40が弾性変形していない状態において、結合部材50の厚さ方向の高さが、剛性支持部35の高さよりも低くなっているため、ベース部24との距離が、ベース部24と剛性支持部35との距離よりも大きくなっている。これにより、結合部材50がベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込まれた際には、弾性支持部40の基部41が配置されている位置では、ベース部24や基部41と、結合部材50との間の摩擦力は大きくなり難くなるため、挿し込み方向の力に対する抵抗が大きくなり難くなる。
【0038】
結合部材50を挟持部本体部31の先端部31a側からベース部24と挟持部本体部31との間に挿し込み、弾性支持部40のアーチ状部42とベース部24との間に結合部材50が挿し込まれた際には、アーチ状部42は弾性変形する。つまり、アーチ状部42は、弾性変形していない状態において、結合部材50の厚さ方向の高さが剛性支持部35より高くなっている。このため、アーチ状部42は、弾性変形していない状態でのベース部24との距離が、ベース部24と剛性支持部35との距離より小さくなっており、弾性変形していない状態のアーチ状部42とベース部24との距離は、結合部材50の厚さよりも小さくなっている。
【0039】
一方で、弾性支持部40のアーチ状部42は、結合部材50の厚さ方向に弾性変形可能に形成されているため、結合部材50がアーチ状部42とベース部24との間に挿し込まれた際には、アーチ状部42は、結合部材50の厚さ方向に弾性変形する。このため、弾性支持部40のアーチ状部42は、結合部材50がアーチ状部42とベース部24との間に挿し込まれた際には、アーチ状部42は、結合部材50に押圧されて弾性変形しながら、結合部材50の下面52に接触する。これにより、アーチ状部42は、結合部材50に対して厚さ方向に押圧力を付与しながら、ベース部24との間に結合部材50を挟持して保持する。
【0040】
以上の実施形態に係る挿込み結合構造100は、挟持部30にリブ状の剛性支持部35と弾性支持部40とを配設し、剛性支持部35とベース部24、及び弾性支持部40とベース部24で結合部材50を挟持することにより、結合部材50を保持する。その際に、剛性支持部35は、弾性変形することなく、結合部材50におけるベース部24に接触する側の面である上面51の反対側の面である下面52に接触することができるため、ベース部24とで結合部材50に対して適切な押圧力を付与しながら結合部材50を保持することができる。一方で、弾性支持部40は、結合部材50の厚さ方向に弾性変形可能に形成されているため、結合部材50を弾性支持部40とベース部24との間に挿し込む際に、弾性支持部40が弾性変形することにより、挿し込むのに必要な力である挿入力が大きくなることを抑制することができる。
【0041】
さらに、弾性支持部40は、結合部材50の厚さ方向に弾性変形可能に形成されているため、結合部材50の厚さの誤差に追従して弾性変形して結合部材50に接触することができる。これにより、例えば、結合部材50の厚さが寸法誤差によって薄めに形成される場合でも、弾性支持部40が結合部材50の厚さの誤差に追従して弾性変形しながら接触することにより、結合部材50に対して適切な押圧力を付与することができ、ガタつきを発生させることなく結合部材50を保持することができる。これらの結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することができる。
【0042】
また、剛性支持部35は、ベース部24に接触した状態の結合部材50に対して接触するため、結合部材50に対して、より確実に適切な押圧力を付与しながら結合部材50を保持することができる。この結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、より確実に保持力を確保することができる。
【0043】
また、弾性支持部40は、結合部材50の厚さ方向の高さが剛性支持部35より低い基部41を有しているため、ベース部24と基部41とに間に位置する結合部材50と、基部41との間の摩擦力を低減することができる。これにより、結合部材50を挿し込む際における挿入力が大きくなることを、より確実に抑制することができる。また、弾性支持部40は、湾曲することにより弾性変形可能に形成されると共に、弾性変形していない状態における結合部材50の厚さ方向の高さが剛性支持部35より高いアーチ状部42を有しているため、結合部材50の厚さの誤差に関わらず、アーチ状部42を弾性変形させながら結合部材50に接触させることができる。これにより、結合部材50の厚さの誤差に関わらず、結合部材50に対して適切な押圧力を付与することができる。この結果、より確実に挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することができる。
【0044】
また、弾性支持部40は、アーチ状部42の両脇にスリット部43が形成されるため、アーチ状部42をより確実に弾性変形可能に形成することができる。これにより、結合部材50の厚さの誤差に関わらず、結合部材50の厚さに追従するようにアーチ状部42を弾性変形させながら結合部材50に接触させることができ、結合部材50に対して適切な押圧力を付与することができる。この結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、より確実に保持力を確保することができる。
【0045】
また、実施形態に係る電気接続箱1は、電子部品5を収容する筐体10に本実施形態に係る挿込み結合構造100が用いられるため、電気接続箱1を結合部材50に取り付ける際に、結合部材50の寸法誤差に関わらず、結合部材50に対して適切な押圧力を付与して保持することができ、また、挿し込み時の挿入力が大きくなることを抑制することができる。この結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することができる。
【0046】
また、実施形態に係るワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと電気接続箱1とを備え、電気接続箱1は、筐体10に本実施形態に係る挿込み結合構造100が用いられるため、電気接続箱1を結合部材50に取り付ける際に、挿し込み時の挿入力が大きくなることを抑制しつつ、結合部材50に対して適切な押圧力を付与して保持することができる。この結果、挿入力が大きくなり過ぎることを抑えつつ、保持力を確保することができる。
【0047】
[変形例]
なお、上述した実施形態では、1つの挟持部30には、剛性支持部35と弾性支持部40とがそれぞれ1つずつ設けられているが、剛性支持部35と弾性支持部40とは、これ以外の数で設けられていてもよい。剛性支持部35と弾性支持部40とは、それぞれ少なくとも1ずつ設けられていればよく、複数が設けられていてもよい。剛性支持部35の数や、弾性支持部40の数を調整することにより、挿入力と保持力とのバランスを適正に調整することができる。
【0048】
また、上述した実施形態では、挿込み結合構造100は、電気接続箱1を車両のボディに固定する固定部に用いられているが、挿込み結合構造100は、これ以外の部位に用いられていてもよい。挿込み結合構造100は、例えば、配索材Wを保護するプロテクタを車両のボディに固定する固定部や、プロテクタ同士の固定部等に用いてもよい。即ち、結合部材50は、車両のボディを構成する鉄板以外が適用されてもよい。
【0049】
また、上述した本発明の実施形態、変形例に係る電気部材締結構造及び電気接続箱は、上述した実施形態、変形例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態、変形例に係る電気部材締結構造及び電気接続箱は、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。