特許第6831854号(P6831854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831854
(24)【登録日】2021年2月2日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】洗剤投入ドアを備えた衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20210208BHJP
   D06F 39/14 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
   D06F39/02 Z
   D06F39/14 Z
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-554291(P2018-554291)
(86)(22)【出願日】2016年11月8日
(65)【公表番号】特表2019-500999(P2019-500999A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】KR2016012807
(87)【国際公開番号】WO2017119590
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0001208
(32)【優先日】2016年1月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ソンウン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,フンジュン
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−532842(JP,A)
【文献】 特開2012−081042(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0288452(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103726272(CN,A)
【文献】 特開2009−207651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
D06F 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理装置であって、
本体の下部に設けられ、洗剤容器を投入できるように前面開口部を備える洗剤容器収容部と、
前記洗剤容器収容部の前面で回転可能に設けられ、前記洗剤容器収容部を開閉する洗剤投入ドアとを備え、
前記洗剤投入ドアは、
前記前面開口部に結合され、前面に形成された洗剤投入口が前面開口部に連通し、下部にヒンジ収容部を備えるブラケットと、
前記ヒンジ収容部に挿入され、前記ブラケットに結合されて前記洗剤投入口を開閉するカバーと、
設定された角度まで前記カバーの回転速度を制限する軸ダンパーと、
前記カバーが前記ブラケットに対して設定された角度以上回転すると、回転とは反対方向に付勢して前記カバーを支持し、前記カバーが床に当接することを制限する弾性部材とを備えてなることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記カバーは、
前記洗剤投入ドアの外観を形成し、前記ブラケットに向かって突設されるブラケット支持部を両端に備える第1部材と、
前記第1部材の強度補強のために前記第1部材の背面に取り付けられ、下部に前記ヒンジ軸を備える第2部材とを備えてなることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記ブラケット支持部は、前記第1部材の中心部に向かって一側に突設され、前記カバーの回転のために前記ブラケットに収容されるように形成される回転突起を備えてなることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記第2部材は、前記ヒンジ収容部に挿入されるように前記洗剤容器収容部に向かって下部に突設されるヒンジ結合部を少なくとも1つ備えてなることを特徴とする、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記ヒンジ結合部は、
前記ヒンジ収容部に挿入される突出部と、
前記ブラケットにより支持され、前記弾性部材に挿入されるように前記突出部の一側から前記ヒンジ軸方向に延びる軸突起と、
凹状に構成され、前記軸ダンパーの一端が収容されるように前記突出部の他側に形成される軸ダンパー突起収容部とを備えてなることを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記突出部には、前記弾性部材が収容されて支持されるように一側に溝が形状される弾性部材支持部が備えられてなることを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、
一端が前記弾性部材支持部に固定され、前記カバーの設定された角度以上の回転により他端が前記ブラケットの一側に接触して前記カバーの回転を制限することを特徴とする、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記ヒンジ収容部は、前記カバーと前記ブラケットがヒンジ結合されるように下部から上部に向かって陥没する形状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記ヒンジ収容部の一側には、前記カバーが支持されて回転するように形成されるカバー支持孔が備えられることを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記ヒンジ収容部の他側には、前記軸ダンパーが貫通するように形成される軸ダンパー挿入孔が備えられることを特徴とする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記軸ダンパーは、前記軸ダンパー挿入孔を貫通して前記ヒンジ結合部に結合されて前記カバーの回転速度を制限することを特徴とする、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記弾性部材は、コイルばね及び板ばねのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記第2部材の上端には、前記ブラケットに結合して固定されるように突設される鉤部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤投入のためのドアを有する衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、ドラムの内部に衣服、寝具など(以下、洗濯物という。)を投入して洗濯物に付着した汚染を除去する装置である。衣類処理装置は、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥などの過程を行うことができる。衣類処理装置は、外観を形成する本体と、本体の内部に収容されるタブと、タブの内部に回転可能に装着されて洗濯物が投入されるドラムと、洗剤をドラムの内部に供給する洗剤供給装置とを含むものが一般的である。
【0003】
衣類処理装置は、ドラムに洗濯物を投入する方式によってトップローディング(top loading)方式とフロントローディング(front loading)方式に分けられる。フロントローディング方式の洗濯機を一般にドラム洗濯機というが、最近は本体に1つのドラムを備えたドラム洗濯機だけでなく、少量の洗濯物を洗濯できるように本体の下部に別途のサブドラムを備えたドラム洗濯機も市販されて用いられている。
【0004】
従来のドラム洗濯機は、本体の上部に洗剤投入口が位置し、洗剤投入口を掴んで本体前面に引き出すことにより洗剤投入容器を取り出す方式で構成されるのが一般的であった。このような方式は、洗剤投入口から大容量の洗剤を供給することが困難であり、比較的視線が集まる本体のドラムの上方に位置するので、美観がよくないという欠点がある。
【0005】
本発明によるドラム洗濯機は、洗濯過程で必要な洗剤をドラムに供給するために、液状の洗剤を収容する容器の挿入のための洗剤容器収容部が下部に位置する。洗剤容器収容部は洗剤容器が投入される洗剤容器投入口とフィルタが投入されるフィルタ投入口に分けられ、ユーザが必要に応じてこれらを開閉できるように、衣類処理装置には洗剤投入ドアが設けられる。
【0006】
従来から本体の下部に洗剤投入口を配置したものが存在していたが、洗剤容器を挿入するために洗剤投入ドアを開閉する方式ではなく、取っ手により洗剤容器及びそれを備えたフレームを引き出す引き出し方式でドラムに洗剤を供給し、フレームの下部又は側面に位置するレールにより洗剤容器を装着する方式を用いていた。
【0007】
本発明のように、洗剤容器を衣類処理装置の下部に挿入する方式を採用すると、洗剤投入ドアが床面の近くに設けられ、洗剤投入ドアが開くことにより洗剤投入ドアが床面に当接してキズが付いたり破損することがあり、当接して騒音が発生することもある。また、床面に当接しているので、ユーザの足に踏まれて破損するという問題が生じることがある。
【0008】
上記問題を解決するために、洗剤投入ドアが開くとしても所定角度までしか開かないように構成され、床面から所定距離離隔して位置する洗剤投入ドアが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、洗剤容器を挿入するために洗剤投入口を開放するための洗剤投入ドアの構造を提案することを目的とする。
【0010】
本発明は、洗剤投入口を開放するために洗剤投入ドアを回転させる際に、洗剤投入ドアの上部が床面から所定距離離隔し、その後支持される洗剤投入ドアの構造を提案することを目的とする。
【0011】
本発明は、洗剤投入ドアが所定角度までは制限された速度で回転し、設定された角度に達するとそれ以上の回転が制限される洗剤投入ドアの構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態による洗剤投入ドアを備えた衣類処理装置は、本体の下部に設けられ、洗剤容器を投入できるように前面開口部を備える洗剤容器収容部と、前記洗剤容器収容部の前面に回動可能に設けられ、前記洗剤容器収容部が開閉するように構成される洗剤投入ドアとを含み、前記洗剤投入ドアは、前記前面開口部に結合され、一側に形成された洗剤投入口が前面開口部に連通し、下部にヒンジ収容部を備えるブラケットと、前記ヒンジ収容部に挿入され、前記ブラケットにヒンジ結合されて前記洗剤投入口を開閉するカバーと、前記ブラケットの一側でヒンジ軸に結合し、設定された角度まで前記カバーの回転速度を制限する軸ダンパーと、前記ブラケット及び前記カバーにそれぞれ支持され、前記カバーが前記ブラケットに対して設定された角度以上回転すると、回転とは反対方向に付勢する弾性部材とを含む。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記カバーは、前記洗剤投入ドアの外観を形成し、前記ブラケットに向かって突設されるブラケット支持部を両端に備える第1部材と、前記第1部材の強度補強のために前記第1部材の背面に取り付けられ、下部に前記ヒンジ軸を備える第2部材とを含む。
【0014】
ここで、前記ブラケット支持部は、前記第1部材の中心部に向かって一側に突設され、前記カバーの回転のために前記ブラケットに収容されるように形成される回転突起を備えてもよい。
【0015】
また、前記第2部材は、前記ヒンジ収容部に挿入されるように洗剤容器収容部18に向かって下部に突設されるヒンジ結合部を少なくとも1つ備えてもよい。
【0016】
ここで、前記ヒンジ結合部は、前記ヒンジ収容部に挿入される突出部と、前記ブラケットにより支持され、前記弾性部材に挿入されるように前記突出部の一側から前記ヒンジ軸方向に延びる軸突起と、凹状に構成され、前記軸ダンパーの一端が収容されるように前記突出部の他側に形成される軸ダンパー突起収容部とを含んでもよい。
【0017】
また、前記突出部には、前記弾性部材が収容されて支持されるように一側に溝が形状される弾性部材支持部が備えられてもよい。
【0018】
さらに、前記弾性部材は、一端が前記弾性部材支持部に固定され、前記カバーの設定された角度以上の回転により他端が前記ブラケットの一側に接触して前記カバーの回転を制限してもよい。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記ヒンジ収容部は、前記カバーと前記ブラケットがヒンジ結合されるように下部から上部に向かって陥没する形状に形成されてもよい。
【0020】
ここで、前記ヒンジ収容部の一側には、前記カバーが支持されて回転するように形成されるカバー支持孔が備えられてもよい。
【0021】
また、前記ヒンジ収容部の他側には、前記軸ダンパーが貫通するように形成される軸ダンパー挿入孔が備えられてもよい。
【0022】
ここで、前記軸ダンパーは、前記軸ダンパー挿入孔を貫通して前記ヒンジ結合部に結合されて前記カバーの回転速度を制限してもよい。
【0023】
本発明の一態様によれば、前記弾性部材は、コイルばね及び板ばねのいずれかである。
【0024】
本発明の一態様によれば、前記第2部材の上端には、ブラケットに結合して固定されるように突設される鉤部が備えられる。
【発明の効果】
【0025】
上記構成の本発明によれば、洗剤投入ドアの上部が下部のヒンジを中心に回転することにより洗剤投入口を開放することができるので、洗剤容器を洗剤投入口に挿入又は引き出すことができる。
【0026】
上記構成の本発明によれば、洗剤投入ドアが軸ダンパーにより所定角度だけ制限された速度で回転し、その後弾性部材によりそれ以上の回転が制限されるので、床面やサブドラムに当接しないようにすることができる。
【0027】
また、上記構成の本発明によれば、洗剤投入ドアが回転して洗剤投入口が開放されても、洗剤投入ドアは床面又はサブドラムから所定距離だけ離隔して位置するので、ユーザは容易に洗剤投入ドアを掴んで開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】洗剤投入ドアを含む衣類処理装置を示す斜視図である。
図2】洗剤投入ドアが開放された状態を示す斜視図である。
図3図2の洗剤投入ドアを一側から見た側面図である。
図4】洗剤投入ドアが閉じた状態を示す斜視図である。
図5図4を一側から見た側面図である。
図6】洗剤投入ドアの各構成を示す分解図である。
図7】カバーを構成する第1部材及び第2部材を示す斜視図である。
図8】ブラケットの背面にヒンジ結合部及び軸ダンパーが挿入された状態を示す斜視図である。
図9】カバーが回転することによりヒンジ収容部に配置されたヒンジ結合部、弾性部材及び軸ダンパーの関係を示す図である。
図10図9を左右方向に切断した断面図である。
図11】コイルばねによりカバー部がブラケットに支持された状態及びコイルばねの一例を示す図である。
図12】板ばねによりカバー部がブラケットに支持された状態及び板ばねの一例を示す図である。
図13】本体の下部にサブドラムが位置する場合の洗剤投入ドアを示す斜視図である。
図14図13を一側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明による洗剤投入ドアを備えた衣類処理装置についてより詳細に説明する。
【0030】
本発明においては、異なる実施形態であっても同一又は類似の構成には同一又は類似の符号を付し、その説明は省略する。本発明に用いられる単数の表現は、特に断らない限り複数の表現を含む。
【0031】
図1は洗剤投入ドア100を含む衣類処理装置を示す図である。
【0032】
衣類処理装置は、外観を形成する本体11と、本体11の内部に回転可能に装着されて洗濯物が投入されるドラムと、ドラムに洗剤を供給するために洗剤容器が収容される洗剤容器収容部18と、本体11を下部で支持する本体支持部材16とを含む。また、衣類処理装置は、洗剤容器収容部18の前面に位置する洗剤投入ドア100を有する。洗剤投入ドア100は、カバー120が下部を中心に回転することにより、洗剤容器収容部18の開閉を行う。
【0033】
すなわち、洗剤投入ドア100は、カバー120を回転させることにより洗剤容器収容部18を開放すると、洗剤容器を洗剤容器収容部18に挿入することができる。
【0034】
図2及び図3は洗剤投入ドア100が開放された状態を示す図である。
【0035】
洗剤投入ドア100はブラケット110とカバー120とを含み、ブラケット110は洗剤容器収容部18の前面開口部に結合されて固定され、カバー120はブラケット110に下部でヒンジ結合されることにより回動可能に設けられる。カバー120は、洗剤容器収容部18の前面で回転するので、洗剤容器収容部18の前面開口部に連通する洗剤投入口13の開閉を行うことができる。洗剤投入口の開放のためにカバー120を開くと、カバー120はブラケット110に結合されている一側により回転する。カバー120はブラケット110にヒンジ結合されるヒンジ結合部125を下部に備えるので、カバー120はブラケット110に対して所定角度だけ回転することができる。
【0036】
一般的な洗剤投入ドア100の場合、軸ダンパー130と弾性部材140が存在せず、洗剤投入ドア100の開放によりカバー120が地面に向かって速い速度で回転して地面に接触することにより、カバー120にキズが付いたり、破損する恐れがあり、洗剤投入ドア100の開放により好ましくない騒音が発生することもある。また、カバー120が制限された角度でなく、地面や地面に位置する他の物体に接触するまで回転するので、ユーザがカバー120を閉じる際にカバー120を支持するのが困難なことがある。
【0037】
本発明による洗剤投入ドア100は、ブラケット110にカバー120が結合することにより形成され、ブラケット110とカバー120の結合に軸ダンパー130と弾性部材140が用いられる。
【0038】
軸ダンパー130は、カバー120の上部がブラケット110に対して回転する場合、軸ダンパー130の内部に位置するオイルの抵抗によりカバー120を所定速度で回転させる。
【0039】
カバー120の回転速度は軸ダンパー130によって決定され、軸ダンパー130の内部のシリンダのオイルの特性に応じてカバー120の回転速度が決定される。カバー120を開放する場合、軸ダンパー130によりカバー120が所定速度で回転し、設定された所定角度以上回転すると、洗剤投入ドア100の内部に位置する弾性部材140がカバー120を支持しているので、カバー120の回転とは反対方向に付勢する。
【0040】
図3は所定角度だけ地面に向かって回転したカバー120が地面から所定高さhだけ離隔して位置する状態を示す図である。本体支持部材16は、本体を所定距離だけ下から支えている。カバー120がブラケット110から所定角度だけ回転し、その後回転する方向とは反対方向に弾性部材140により付勢されるので、カバー120は所定角度以上の回転が制限される。よって、カバー120が地面から所定高さを有するので、洗剤投入ドア100のカバー120が地面に当接することにより発生する上記問題を解決することができる。
【0041】
図4及び図5は洗剤投入ドア100が洗剤投入口13を閉塞した状態を示す図である。
【0042】
カバー120の上端には鉤部126が位置するが、鉤部126がブラケット110の上端に位置する鉤掛部114に挿入されることにより、カバー120がブラケット110に固定される。カバー120とブラケット110が結合されると、カバー120が洗剤投入口の前面に位置して洗剤投入口を閉塞するので、外観がすっきりする。
【0043】
図5に示すように、カバー120が開放されると、カバー120の端部が地面から所定高さだけ離隔して位置するので、ユーザは地面から所定高さを有する部位に指を入れてカバー120を容易に支持することができ、カバー120を持ち上げてブラケット110に固定することができる。
【0044】
図6は洗剤投入ドア100の各構成を示す分解図である。
【0045】
衣類処理装置は、下部に洗剤容器が挿入される空間である洗剤容器収容部18を備え、洗剤容器収容部18は前面が開放された前面開口部を有する。前面開口部を介して洗剤容器を投入することができる。
【0046】
洗剤投入ドア100は、洗剤容器投入口を外部に露出又は閉塞する役割を果たし、洗剤容器収容部18を開閉する役割を果たす。洗剤投入ドア100は、カバー120と、ブラケット110と、軸ダンパー130と、弾性部材140とを含む。
【0047】
カバー120は、ブラケット110に対して回転することにより、洗剤容器投入口の開閉を行う。カバー120は、ブラケット110のヒンジ収容部111に挿入されることによりブラケット110にヒンジ結合され、ヒンジ軸124を中心に回転することにより洗剤容器投入口の開閉を行うことができる。
【0048】
カバー120が洗剤投入口を開放する場合、カバー120はブラケット110にヒンジ結合されることにより形成された軸を中心に予め設定された角度だけ回転し、その後ブラケット110とカバー120を支持する弾性部材140により所定角度以上の回転が制限される。ここで、設定された角度は、ユーザにより決定される値である。例えば、弾性部材140はカバー120がブラケット110に対して約60度回転した時から付勢力をカバー120に作用し始め、カバー120とブラケット110の角度がそれより大きい角度になると、弾性部材140の提供する付勢力がさらに大きくなるので、カバー120がブラケット110に対して約90度回転すると、重力によりカバー120に作用する力と弾性部材140の付勢力が平衡をなすように設定してもよい。カバー120とブラケット110の角度が約90度の場合、ユーザはカバー120の下に手を入れることができるので、ユーザはカバー120を支持し、持ち上げてブラケット110に固定することができる。
【0049】
ブラケット110とカバー120がヒンジ結合されると、カバー120の回転速度を制限するために軸ダンパー130の一側がカバー120の一側に結合され、そうすることによりカバー120の回転速度が制限される。
【0050】
すなわち、カバー120は、軸ダンパー130により所定速度で回転し、所定角度に達すると、弾性部材140により回転が制限されて支持される。
【0051】
図7はカバー120を構成する第1部材121及び第2部材123を示す図である。
【0052】
カバー120は、第1部材121と、第2部材123とを含む。
【0053】
第1部材121は、外部から見ると、洗剤投入ドア100の外観を形成する役割を果たす。第1部材121は一般的なプレート形状を有し、第1部材121の両端にはブラケット110に向かって突設されるブラケット110支持部が備えられる。
【0054】
ブラケット支持部122は、ブラケット110の両側面を支持し、ブラケット110の両側面の外観をすっきりさせる役割を果たす。ブラケット支持部122は、図7に示すように、一側に第1部材121の中心部に向かって突設される回転突起122aを備える。回転突起122aは、ブラケット110の側面に形成される回転突起122a収容部に収容される。回転突起122aが回転突起122a収容部に収容されると、カバー120は回転突起収容部115との作用により一層円滑に回転することができる。
【0055】
第2部材123は、第1部材121の強度補強のために、第1部材121の背面に取り付けられる。第2部材123に形成されるリブは、第2部材123に結合される第1部材121の強度を向上させ、耐久性を向上させる。
【0056】
第1部材121と第2部材123は、合成樹脂で構成される接着剤を用いて接着することにより結合されてもよい。
【0057】
第2部材123の下部にはヒンジ結合部125が少なくとも1つ備えられ、ヒンジ結合部125はヒンジ軸124を備える。ヒンジ結合部125は、ブラケット110のヒンジ収容部111に挿入されるように、下部から洗剤容器収容部18に向かって突設される。
【0058】
図7においては第2部材123の下部にヒンジ結合部125が計3個形成された状態を示しているが、これに限定されるものではなく、複数箇所にさらに配置されてもよい。
【0059】
第2部材123の上部には、ブラケット110の鉤掛部114に挿入されてブラケット110に固定される鉤部126が位置する。鉤掛部114に鉤部126が挿入されて若干の外力が加えられると、鉤掛部114は鉤部126を保持することができるので、ブラケット110に第2部材123を固定することができる。
【0060】
図8の下部には第2部材123のヒンジ結合部125が示されている。
【0061】
ヒンジ結合部125は、ブラケット110のヒンジ収容部111に挿入されてヒンジ結合されることにより、カバー120がブラケット110に対して回転できるようにする。
【0062】
ヒンジ結合部125は、突出部125aと、軸突起125bと、軸ダンパー130突起収容部125cとを含む。
【0063】
突出部125aは、ヒンジ収容部111に挿入されるように形成されたものであり、ヒンジ結合部125の本体の役割を果たす。
【0064】
図9に示すように、突出部125aの一側には、弾性部材140の一端が収容されて支持されるように溝状の弾性部材140支持部125dが形成されることが確認される。
【0065】
軸突起125bは、ブラケット110により支持され、弾性部材140に挿入されるように突出部125aの一側からヒンジ軸124方向に沿って延びる。
【0066】
軸ダンパー突起収容部125cは、凹状に構成され、軸ダンパー130の一端が収容されるように突出部125aの他側に形成される。軸ダンパー突起収容部125cに軸ダンパー130の一端が挿入されることにより、軸ダンパー130は第2部材123のヒンジ結合部125を介して、カバー120の回転速度を軸ダンパー130の諸元に応じて調節することができる。
【0067】
図6はブラケット110の前面部を示す図であり、図8はブラケット110の背面部を示す図である。
【0068】
ブラケット110は、洗剤容器収容部18の前面に結合され、カバー120がブラケット110に結合されるか、ブラケット110に対して回転することにより洗剤容器投入口を開閉する役割を果たす。ブラケット110が洗剤容器収容部18の前面に結合された状態を図3及び図5に示す。図3及び図5に示すように、洗剤容器収容部18の前面開口部に結合されたブラケット110は、ブラケット110の上部が下部に比べて所定角度だけ傾斜して位置するが、これはカバー120の上部に位置する鉤部126がブラケット110の鉤掛部114から離脱すると、カバー120が外力を用いることなく自ずから下部に向かって地面側に傾斜して洗剤容器投入口が開放されるようにするためである。
【0069】
ブラケット110の下部には、ヒンジ結合のためのヒンジ収容部111が備えられる。ヒンジ収容部111は、カバー120とブラケット110がヒンジ結合されるように、下部から上部に向かって陥没した形状を有する。図6にはブラケット110にヒンジ収容部111が計3個形成された状態を示す。しかし、これはカバー120がブラケット110に結合されることにより安定した動作を実現する一例である。
【0070】
図8はブラケット110の背面部を示す図である。
【0071】
ブラケット110は、下部にヒンジ結合のためのヒンジ収容部111を複数備える。ヒンジ収容部111は、カバー120を構成する第2部材123のヒンジ結合部125が挿入されることにより、ヒンジ結合部125にヒンジ結合される。こうすることにより、カバー120がヒンジ軸を中心に回転することができる。
【0072】
ヒンジ収容部111は、両側にカバー120支持孔112及び軸ダンパー130挿入孔113をそれぞれ備え、ヒンジ収容部111の一側には、カバー120が支持されて回転するように、ヒンジ結合部125の軸突起125bが通過するカバー支持孔112が備えられ、ヒンジ収容部111の他側には、軸ダンパー130が貫通してヒンジ結合部125の軸ダンパー130収容部に挿入されるように形成される軸ダンパー挿入孔113が位置する。
【0073】
図8には軸ダンパー130を示す。
【0074】
軸ダンパー130は、ブラケット110の一側に位置する。ブラケット110は軸ダンパー130が収容される空間を備えており、軸ダンパー130はその空間に位置してブラケット110との螺合により固定される。軸ダンパー130の一側には、ネジが挿入されてブラケット110に固定されるネジ挿入孔が位置する。軸ダンパーは、ヒンジ軸124方向に設けられ、一端は軸ダンパー挿入孔113を貫通してヒンジ結合部125の軸ダンパー130収容部に結合されることにより、カバー120の回転速度を制限することができる。
【0075】
図9及び図10はブラケット110とカバー120がヒンジ結合された状態を示す図である。
【0076】
図9はブラケット110のヒンジ収容部111にカバー120を構成する第2部材123のヒンジ結合部125が挿入された状態を示す図であり、図9の(a)、(b)、(c)段階を参照すると、カバー120の回転に伴う弾性部材140の位置変化が確認される。
【0077】
弾性部材140は、ブラケット110及びカバー120にそれぞれ支持され、カバー120がブラケット110に対して設定された角度以上回転すると、カバー120の回転方向とは反対方向に付勢する。弾性部材140は、カバー120とブラケット110の少なくとも一部を支持することにより、付勢することができる。
【0078】
弾性部材140にはヒンジ結合部125の軸突起125bが挿入され、弾性部材140の一端はヒンジ結合部125の突出部125aに形成される弾性部材支持部125dに位置して固定される。すなわち、一端は弾性部材支持部125dに固定され、他端はカバー120が設定された角度以上回転することにより、ブラケット110の一側に接触してカバー120の回転を制限するように付勢する。
【0079】
本発明における弾性部材140とは、変位又は変形して付勢力を与える部材を意味し、コイルばね141又は板ばね142を意味する。
【0080】
図10図9を左右方向に切断した断面図であり、ヒンジ収容部111にヒンジ結合部125が位置し、ヒンジ結合部125の軸突起125bが弾性部材140に挿入され、ヒンジ結合部125の軸ダンパー突起収容部125cに軸ダンパー130の一端が収容されていることが確認される。
【0081】
図11の(a)はコイルばね141によりカバー120がブラケット110に支持された状態を示す図であり、図11の(b)はコイルばね141の一般的な形状を示す図である。コイルばね141は、前述した方式でカバー120とブラケット110の一側を支持しつつ洗剤投入ドアを付勢することができる。本発明に用いられるコイルばねの形状は特に制限されない。
【0082】
図12の(a)は板ばね142によりカバー120部がブラケット110に支持された状態を示す図であり、図12の(b)は板ばね142の一例を示す図である。弾性部材140として板ばね142を用いる場合も、板ばね142はカバー120とブラケット110の一側を支持することにより、洗剤投入ドア100を付勢する役割を果たし、前記コイルばね141と同じ機能を有する。本発明に用いられる板ばね142は一例にすぎず、板ばね142は様々な形状を有する。
【0083】
図13及び図14は本体の下部にサブドラムが位置する場合を示す図である。
【0084】
本発明による洗剤投入ドア100を備えた衣類処理装置は、本体の下方に地面が位置する場合だけでなく、本体の下方に別途のサブドラム21が位置する衣類処理装置20の場合も同じ効果を奏する。洗剤投入口の開放のために洗剤投入ドア100の上部が洗剤投入口に対して回転すると、サブドラム21と洗剤投入ドア100は所定距離だけ離隔されるので、前述した洗剤投入ドア100を備えた衣類処理装置の利点を有することになる。
【0085】
以上説明した洗剤投入ドアを備えた衣類処理装置は上記実施形態の構成や方法に限定されるものではなく、上記実施形態は様々な変形が行われるように各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、衣類処理装置の洗剤投入ドアにおいて用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14