特許第6831958号(P6831958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6831958
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】温風暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 3/04 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   F24H3/04 302
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-10620(P2017-10620)
(22)【出願日】2017年1月24日
(65)【公開番号】特開2018-119724(P2018-119724A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】505384483
【氏名又は名称】株式会社巧
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 則夫
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−043456(JP,A)
【文献】 特開平04−073550(JP,A)
【文献】 特開2004−003797(JP,A)
【文献】 米国特許第05111012(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流方向上手側に設けられ、筐体内に空気を流入させると共に集塵する集塵フィルター及び電動ファンと、
筐体内の空気流方向下手側に設けられ、坦持材にマイクロ波吸収材が含有され、空気流方向に軸線を有した多数の貫通孔が形成されたマイクロ波吸収発熱体と、
マイクロ波吸収発熱体の空気流方向上手側に応じた筐体内を区画するように取付けられ、一部に開口を有した取付け板と、
該取付け板の空気流方向上手側に設けられ、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部材及び取付け板の空気流方向下手側に設けられ、マイクロ波発振部材に接続されてマイクロ波をマイクロ波吸収発熱体へ出力するマイクロ波出力部を備えたマイクロ波発振器と、
集塵フィルター又は電動ファンとマイクロ波発振器の間に応じた筐体内に取り付けられた金属材にマイクロ波波長の1/4より小さい内径で空気の通過が可能な多数の孔が形成された第1シールド体と、
マイクロ波吸収発熱体の空気流方向下手側に応じた筐体内に取り付けられた金属材にマイクロ波波長の1/4より小さい内径で空気の通過が可能な多数の孔が形成された第2シールド体と、
第1シールド体を通過した空気を、該第1シールド体及び取付け板間における取付け板の開口と反対側の筐体内に流入させた後に、マイクロ波発振部材周りを通過させて開口からマイクロ波吸収発熱体側へ流出するように案内する空気流路と、
を備え、
空気流路により第1シールド体及び取付け板間における開口と反対側の筐体内に流入した空気を、マイクロ波発振部材周りを通過させることにより予熱して開口からマイクロ波吸収発熱体側の筐体内へ流出させた後に、予熱された空気をマイクロ波発振器から出力されるマイクロ波により発熱されるマイクロ波吸収発熱体の貫通孔内を通過させることにより加熱する温風暖房装置。
【請求項2】
請求項1において、
マイクロ波発振器にはマイクロ波発振部材の熱を放熱する複数枚の冷却フィンを設けると共に空気流路は第1シールド体を通過した空気を、少なくともマイクロ波発振器の冷却フィンを通過させてマイクロ波吸収発熱体側へ案内し、
少なくともマイクロ波発振器の冷却フィンを通過する空気を放熱されるマイクロ波発振部材の熱により予熱可能とした温風暖房装置。
【請求項3】
請求項1において、
マイクロ波吸収発熱体の担持材をセラミックスとし、該セラミックスの余熱により貫通孔を通過する空気を加熱可能とした温風暖房装置。
【請求項4】
請求項1において、
筐体の空気流上手側には、筐体内に流入される空気温度を検知する温度センサを設け、
該温度センサからの検知信号に基づいてマイクロ波発振器をON−OFF制御可能にする温風暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流入する空気をマイクロ波吸収発熱材によるマイクロ波吸収に伴う発熱により空気を加熱して温風を生成する温風暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示す温風暖房装置にあっては、空気取入口と温風吹出口を設けている筐体本体内に設けられた温風流通路内に空気を送り込む送風ファンを配置すると共に温風流通路内にセラミックスヒーターを配置し、送風ファンにより送り込まれた空気をセラミックスヒーターにより加熱して送出することにより室内等の空間を暖房している。
【0003】
また、特許文献2に示す温風装置は、セラミックス製のハニカム体の両端面及び多数の孔内に電気的に接続された各導電性塗膜を設けると共にハニカム体の孔に向かって送風する送風手段を設け、通電されて発熱する導電性塗膜により加熱されたハニカム体の孔内を通過する空気を加熱して温風を生成することにより暖房している。
【0004】
いずれの装置にあっても、セラミックスヒーターやセラミックス製ハニカム体に塗布された導電性塗膜に通電して発熱させることにより空気を加熱する構造であるため、消費電力が増大する問題を有している。特に短時間で空気を加熱するには、立ち上がり時にセラミックスヒーターや導電性塗膜に大電力を印加する必要があり、消費電力が増大する問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−115445号公報
【特許文献2】特開2007−155152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、温風を生成するのに時間が掛かると共にセラミックスヒーターに印加される電力の消費量が増大して暖房コストが高コスト化する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、空気流方向上手側に設けられ、筐体内に空気を流入させると共に集塵する集塵フィルター及び電動ファンと、筐体内の空気流方向下手側に設けられ、坦持材にマイクロ波吸収材が含有され、空気流方向に軸線を有した多数の貫通孔が形成されたマイクロ波吸収発熱体と、マイクロ波吸収発熱体の空気流方向上手側に応じた筐体内を区画するように取付けられ、一部に開口を有した取付け板と、該取付け板の空気流方向上手側に設けられ、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部材及び取付け板の空気流方向下手側に設けられ、マイクロ波発振部材に接続されてマイクロ波をマイクロ波吸収発熱体へ出力するマイクロ波出力部を備えたマイクロ波発振器と、集塵フィルター又は電動ファンとマイクロ波発振器の間に応じた筐体内に取り付けられ、金属材にマイクロ波波長の1/4より小さい内径で空気の通過が可能な多数の孔が形成された第1シールド体と、マイクロ波吸収発熱体の空気流方向下手側に応じた筐体内に取り付けられ、金属材にマイクロ波波長の1/4より小さい内径で空気の通過が可能な多数の孔が形成された第2シールド体と、第1シールド体を通過した空気を該第1シールド体及び取付け板間の筐体内にて取付け板の開口と反対側へ流入させた後にマイクロ波発振部材周りを通過して開口からマイクロ波吸収発熱体側へ流出するように案内する空気流路と、を備え、空気流路により第1シールド体及び取付け板間における開口と反対側の筐体内に流入した空気を、マイクロ波発振部材周りを通過させることにより予熱して開口からマイクロ波吸収発熱体側の筐体内へ流出させた後に、予熱された空気をマイクロ波発振器から出力されるマイクロ波により発熱させるマイクロ波吸収発熱体の貫通孔内を通過させることにより加熱することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、流入される空気を加熱するのに必要な消費電力を低減し、短時間に空気を高温化して効率的に暖房することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る温風暖房装置の概略を示す略体縦断面である。
図2】温風暖房装置の略体横断面図である。
図3】マイクロ波による空気の加熱状態を示す説明図である。
図4】冷却フィンによる空気の予熱状態を示す説明図である。
図5】マイクロ波発振器OFF時におけるマイクロ波吸収発熱体の温度変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
空気流路により第1シールド体及び取付け板間における開口と反対側の筐体内に流入した空気を、マイクロ波発振部材周りを通過させることにより予熱して開口からマイクロ波吸収発熱体側の筐体内へ流出させた後に、予熱された空気をマイクロ波発振器から出力されるマイクロ波により発熱させるマイクロ波吸収発熱体の貫通孔内を通過させることにより加熱することを最良の形態とする。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施例を図に従って説明する。
図1及び図2において、温風暖房装置1の筐体3は、後述するマイクロ波発振器7から出力されるマイクロ波を反射して外部への漏洩を規制可能なステンレス板、アルミニウム板若しくスチール板等の金属板を長方体形状に折曲し、該筐体3内の空気流方向中間部には取付け板5が内部を区画するように取り付けられる。該取付け板5には後述するマイクロ波発振器7のマイクロ波出力部7aを挿通して空気流方向下手側に突出させる透孔5aが形成される。また、取付け板5の図示する後方側端側には空気を流通させる開口5bが形成される。
【0012】
なお、マイクロ波出力部7aから出力されるマイクロ波が開口5bを介して後述する電動ファン11側へ伝播して筐体3外へ漏洩するのを防止するため、開口5bに後述する第1及び第2シールド体13,23と同様に多数の孔が設けられた金属製のシールドを設ける構成としてもよい。
【0013】
上記取付け板5の空気流方向上手側にはマグネトロン管型またはソリッドステート型で、2.45GHz以上のISM周波数のマイクロ波を発振出力するマイクロ波発振器7が、そのマイクロ波出力部(アンテナ)7aが透孔5aを挿通して図示左側へ突出するように取り付けられる。
【0014】
図は従来公知のマグネトロン管型のマイクロ波発振器7を示し、該マイクロ波発振器7はマグネトロン管7eの陰極が接続されるボックス状のフィルターケース7bと、マグネトロン管7eの陰極及び陽極側にそれぞれ設けられた磁石の磁気回路を形成し、両側面が開口した枠形状のヨーク7cと、該ヨーク7c内におけるマグネトロン管7eの陽極外周面に軸線直交方向へ延出し、相互間に間隙を設けて積層される多数の冷却フィン7d等とから構成される。該マイクロ波発振器7は従来公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0015】
筐体3の空気流上手側には集塵フィルター9が筐体3の図示右端の開口を覆い、着脱可能に設けられ、該集塵フィルター9の図示左側に応じた筐体3内には電動ファン11が設けられる。該電動ファン9の図示左側に応じた筐体3内には第1シールド体13が、各端縁が筐体3の内面に密着して隙間のない状態で取り付けられる。
【0016】
該第1シールド体13はマイクロ波を反射可能なステンレス、アルミニウム、スチール等の金属板、金属シートにマイクロ波発振器7から出力されるマイクロ波の1/4波長より小さい内径の孔が多数形成され、電動ファン11の駆動に伴って筐体3内に流入された空気を通過させると共にマイクロ波発振器7から出力されるマイクロ波が筐体3外へ漏洩するのを規制する。
【0017】
上記第1シールド体13の空気流方向下手側にはマイクロ波発振器7の少なくとも冷却フィン7dを通過して上記開口5bへ延びる空気流路15が設けられる。該空気流路15は第1シールド体13の孔を通過した空気をヨーク7c内の冷却フィン7dに通過させた後に開口5bから後述するマイクロ波吸収発熱体21側へ流出させるように案内する。そして空気は冷却フィン7dを通過する際に放熱されるマグネトロン管7eの熱により予熱される。なお、空気流路15は上記冷却フィン7dの他にフィルターケース7bを含めて空気を案内する構成であってもよい。
【0018】
上記取付け板5の空気流方向下手側に応じた筐体3の内面には発泡ウレタン樹脂等の断熱材19が適宜の厚さで取り付けられる。そして上記取付け板5の図示左側に応じた筐体3内にはマイクロ波吸収発熱体21が空間全体に亘って取り付けられる。該マイクロ波吸収発熱体21は担持材をセラミックス材とし、これに酸化スラグ、フェライト、パーマロイ等の電磁波吸収材が混合され、多数の貫通孔21aを設けて焼成することにより形成される。
【0019】
マイクロ波吸収発熱体21における電磁波吸収材の含有量としては20〜90wt/%の範囲で適宜に設定すればよく、例えば含有量を20wt/%として場合には約100〜110度前後、40wt/%として場合には約130〜160度前後、60wt/%とした場合には210〜270度前後、80wt/%とした場合には280〜340度前後、90wt/%とした場合には300〜430度前後に発熱する。
【0020】
該マイクロ波吸収発熱体21はマイクロ波発振器7のマイクロ波出力部7aから出力されるマイクロ波を、混合された電磁波吸収材により吸収する際に熱エネルギーへ変換し、その熱エネルギーにより坦持体としてのセラミックスを加熱して貫通孔21a内を通過する空気を加熱することにより温風化する。
【0021】
筐体3の空気流方向下手側には第2シールド体23が、各端縁が筐体3の内面に密着して図示左端開口を覆うように取り付けられる。第2シールド体23は第1シールド体13と同様にマイクロ波を反射可能なステンレス、アルミニウム、スチール等の金属板、金属シートにマイクロ波発振器7から出力されるマイクロ波の1/4波長より小さい内径の孔が多数形成され、マイクロ波吸収発熱体21の貫通孔21aを通過して加熱された温風を筐体3外へ放出可能にさせると共にマイクロ波吸収発熱体21を透過したマイクロ波が筐体3外へ漏洩するのを規制する。
【0022】
また、上記集塵フィルター9の近傍にはサーミスタ、熱電対、IC温度センサ等の温度センサ25が取り付けられ、該温度センサ25は温風暖房装置1に流入される空気の温度を検知し、該温度センサ25からの検知信号に基づいてマイクロ波発振器7をONーOFF制御することにより室内を所望の温度に保たせる。
【0023】
なお、筐体3の外面には操作盤が設けられ、該操作盤には制御手段が内蔵されると共に電源スイッチ、温度設定ボタン、設定温度表示部、温度表示部(いずれも図示せず)等が設けられる。制御手段は電源スイッチがON操作された状態で温度設定ボタンにより所望の温度が設定されると、上記温度センサ25からの検知信号に基づいてマイクロ波発振器7をON−OFF制御して室内の温度を一定に保つ。
【0024】
また、筐体3の空気流方向下手側の端部(温風吹き出し口)には角度調整可能なルーバ−27が設けられ、送出される温風の吹き出し角度が可変される。
【0025】
上記のように構成された温風暖房装置1の作用を説明する。
電源スイッチがON操作されると、電動ファン11を駆動して集塵フィルター9を介して空気を筐体3内に流入させた後に第シールド体13の孔を通過させる。そして空気は空気流路15により冷却フィン7d間を通過した後に開口5aを介してマイクロ波吸収発熱体21側の筐体3内へ案内される。
【0026】
そしてマイクロ波吸収発熱体21側の筐体3内へ送出された空気は該マイクロ波吸収発熱体21の貫通孔21a内を通過した後に第2シールド体23の孔を通過して筐体外へ送出される。
【0027】
上記のように筐体3内に流入された空気がマイクロ波吸収発熱体21の貫通孔21aを通過する際に、マイクロ波発振器7のマイクロ波出力部7aからマイクロ波がマイクロ波吸収発熱体21側へ出力されると、マイクロ波はマイクロ波吸収発熱体21に対して直接、または筐体3の内面に反射しながら到達し、そのマイクロ波材に吸収されて変換される熱エネルギーにマイクロ波吸収発熱体21が加熱されることにより空気が加熱されて温風に生成される。(図3参照)
【0028】
また、マイクロ波発振器7のマグネトロン管7eはマイクロ波の発振出力時に高温化し、その熱が冷却フィン7dを介して放熱される。このため、筐体3内に流入された空気が冷却フィン7d間を通過する際に、冷却フィン7dから放熱されるマグネトロン管7eの熱により予熱され、マイクロ波吸収発熱体21に導入される空気を短時間で、かつ少ない消費電力で昇温し、温風を効率的に生成させる。(図4参照)
【0029】
なお、冷却フィン7d間に対して空気を通過させることによりマグネトロン管7eを効率的に冷却し、マイクロ波出力を安定化させると共にマグネトロン管7eの寿命を長くすることができる。
【0030】
そして温風暖房装置1による暖房により室内温度、従って筐体3内に流入される空気温度が予め設定された温度に達して温度センサ25から検知信号が出力されると、制御手段は温度センサ25からの検知信号に基づいてマイクロ波発振器7をOFF制御してマイクロ波の発振出力を停止し、マイクロ波吸収発熱体21による空気の加熱を中断させる。
【0031】
このとき、マイクロ波吸収発熱体21における電磁波吸収材の担持材がセラミックスであるため、その蓄熱作用による余熱により貫通孔21aを通過する空気の加熱を持続させることができ、急激な温度低下を回避し、次に電源がONされるまでの間隔を長くすると共に設定温度までに回復する際の消費電力を低減することができる。(図5参照)
【0032】
なお、図5に示す例は温風の吐出口における温度変化を示し、その際の設定条件は以下の通りである。
吐出口初期温度:17.7℃
マグネトロン出力:670W
消費電力:938W
消費電力(送風機電力32Wを含む):267W/h
吐出風量:約8m/s
【0033】
本実施例は、筐体3内に流入した空気をマイクロ波発振器7の冷却フィン7d間を通過させて予熱することによりマイクロ波吸収発熱体21の貫通孔21a内を通過する空気を短時間で、かつ少ない消費電力で効率的に昇温させて暖房することができる。
【0034】
また、マイクロ波吸収発熱体21における電磁波吸収材の坦持体をセラミックス材とすることによりマイクロ波発振器7の発振停止時にマイクロ波吸収発熱体21が急激に温度低下するのを防止して加熱状態を持続することができ、貫通孔21a内を通過する空気を有効に昇温させると共にマイクロ波発振器7の発振間隔を長くして電力の消費を低減することができる。
【0035】
上記説明は、マグネトロン管型のマイクロ波発振器7により説明したが、マイクロ波発振器7をソリッドステート型とした場合であっても、マイクロ波の発振出力により半導体素子が高温化するため、半導体素子を収容する金属製シールドボックスの外面に多数の冷却フィンを設け、冷却フィン間に対して流入された空気を通過させることにより予熱し、マイクロ波吸収発熱体21の貫通孔21a内を通過する空気を効率的に昇温させる構成としてもよい。
【0036】
上記説明は、空気流路15内に少なくとも冷却フィン7dが位置するようにマイクロ波発振器7を取り付けて流入される空気の一部を予熱する構成としたが、流入される空気の全体が冷却フィン7dを通過するように空気流路15を構成してもよい。
【0037】
上記説明は、筐体3においてマイクロ波発振器7、集塵フィルター9、電動ファン11、マイクロ波吸収発熱体21等を直列状(同一軸線状)に配置して温風暖房装置1を構成したが、本発明においてはこれらを同一軸線上に配置する必要はなく、例えば集塵フィルター9、電動ファン11を下部に配置すると共にマイクロ波発振器7、マイクロ波吸収発熱体21を上部に配置した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 温風暖房装置
3 筐体
5 取付け板
5a 透孔
5b 開口
7 マイクロ波発振器
7a マイクロ波出力部
7b フィルターケース
7c ヨーク
7d 冷却フィン
7e マグネトロン管
9 集塵フィルター
11 電動ファン
13 第1シールド体
15 空気流路
19 断熱材
21 マイクロ波吸収発熱体
21a 貫通孔
23 第2シールド体
25 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5