特許第6832007号(P6832007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832007
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】鉄筋切断機
(51)【国際特許分類】
   B23D 33/08 20060101AFI20210215BHJP
   B23D 23/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   B23D33/08 B
   B23D23/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-47803(P2017-47803)
(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-149633(P2018-149633A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2019年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223056
【氏名又は名称】東陽建設工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(72)【発明者】
【氏名】高 雲強
(72)【発明者】
【氏名】船津 忠博
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−089598(JP,A)
【文献】 特開2006−136969(JP,A)
【文献】 特開昭54−030588(JP,A)
【文献】 特開平08−290323(JP,A)
【文献】 実開平01−129016(JP,U)
【文献】 中国実用新案第203437741(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203875612(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 23/00−23/04,33/00−33/12,
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置した鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機であって、
前記固定刃と前記可動刃とによる鉄筋切断空間内で、
前記可動刃の下側で切断前の複数本の鉄筋を前記固定刃と共に受け止める板状の鉄筋受止め面部を、前記可動刃の下降に伴って被切断鉄筋と共に下降するのを許容するように、上下移動自在に設ける被切断鉄筋受止め装置を鉄筋切断機本体に取り付け、
前記被切断鉄筋受止め装置には、前記鉄筋受止め面部を上方に付勢する複数の付勢手段を、前記固定刃と前記可動刃とによる切断方向と、前記長手方向とに沿って、それぞれ複数設けてある鉄筋切断機。
【請求項2】
前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で正面側に設け、
前記可動刃の刃先を、前記固定刃に載置する複数本の鉄筋に対して一端側の鉄筋から他端側の鉄筋にかけて順に切断するように一端側の鉄筋に近い側ほど低くなる傾斜面に形成し、
前記鉄筋受止め面部を前記一端側の鉄筋に近い側から順次下降可能に構成してある請求項1に記載の鉄筋切断機。
【請求項3】
前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で正面側に設け、
前記可動刃の刃先を、前記固定刃に載置する複数本の鉄筋に対して前記鉄筋排出口に近い側の物から順に切断するように前記鉄筋排出口に近い側ほど低くなる傾斜面に形成し、
前記鉄筋受止め面部を前記鉄筋排出口に近い側から奥にかけて順次下降可能に構成してある請求項1に記載の鉄筋切断機。
【請求項4】
前記付勢手段は、バネ、又は、空気圧シリンダの少なくともいずれかにより構成してある請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄筋切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置した鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的に鉄筋切断機における前記固定刃と前記可動刃とによる鉄筋切断空間内では、可動刃が上下動するために、可動刃の下方は単に切断鉄筋の落下空間になっているだけであった(例えば、特許文献1参照)。
そのために、図9(a)〜(c)に示すように、可動刃2の下降によって鉄筋20が切断されるときに、可動刃2の下側で固定刃1に近接する鉄筋部分が湾曲状に撓み、鉄筋20の切り口が大きく変形しやすくなり、この現象は、特許文献1のように、鉄筋切断空間の外側にスプリングで受ける退避機構を設けてあっても、固定刃から退避機構までの距離が遠いために変わらなかった。
また、鉄筋を鉄筋切断機に供給する搬送コンベアの先端部に、上下搖動可能で、且つ、上方にバネで付勢するように取り付けてある鉄筋の補助受板を設け、可動刃の下降に伴って鉄筋が切断されるときに補助受板の先端が下降搖動して反力を吸収する装置も提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−11015号公報
【特許文献2】実開平6−5733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した装置も、補助受板が鉄筋切断機の固定刃からの距離が遠く、しかも、上下搖動によって反力を吸収する構造になっているために、可動刃の下降によって鉄筋が切断されるときに、可動刃の下側で固定刃に近接する鉄筋部分が湾曲状に撓み、鉄筋の切り口が変形するという問題を解決することにはならなかった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、鉄筋の切断時に鉄筋の切り口が変形するのを抑制する鉄筋切断機を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、固定刃に対して近接操作自在な可動刃を、前記両刃間に配置した鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機であって、前記固定刃と前記可動刃とによる鉄筋切断空間内で、前記可動刃の下側で切断前の複数本の鉄筋を前記固定刃と共に受け止める板状の鉄筋受止め面部を、前記可動刃の下降に伴って被切断鉄筋と共に下降するのを許容するように、上下移動自在に設ける被切断鉄筋受止め装置を鉄筋切断機本体に取り付け、前記被切断鉄筋受止め装置には、前記鉄筋受止め面部を上方に付勢する複数の付勢手段を、前記固定刃と前記可動刃とによる切断方向と、前記長手方向とに沿って、それぞれ複数設けたところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、固定刃に対して可動刃を下降させて複数本の鉄筋を切断する際に、複数本の鉄筋は、固定刃と共に被切断鉄筋受止め装置の鉄筋受止め面部で受け止められ、可動刃の下降に伴って、被切断鉄筋は、可動刃とその下方の鉄筋受止め面部とで挟まれた状態で、固定刃とその固定刃に近接作動する可動刃との間の仮想剪断面を境にして、可動刃と共に剪断されながら平行に下降しようとする。
従って、可動刃の下側で固定刃に近接する鉄筋部分は湾曲状に撓むのが避けられ、鉄筋の切り口が大きく変形するのを抑制できる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で正面側に設け、前記可動刃の刃先を、前記固定刃に載置する複数本の鉄筋に対して一端側の鉄筋から他端側の鉄筋にかけて順に切断するように一端側の鉄筋に近い側ほど低くなる傾斜面に形成し、前記鉄筋受止め面部を前記一端側の鉄筋に近い側から順次下降可能に構成したところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、固定刃に載置した複数本の鉄筋が、一端側の鉄筋から他端側の鉄筋にかけて順に、可動刃の刃先と鉄筋受止め面部との間で被切断鉄筋が挟持されながら切断されるので、可動刃に大きな負荷がかからず、全ての鉄筋を綺麗に切断できる。
従って、鉄筋切断機で一度に切断加工する鉄筋の本数が多くなっても、夫々の鉄筋を、ほぼ均等に切り口の変形を抑制しながら切断することができ、鉄筋排出口から取り出すことができるようになる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記固定刃に載置する鉄筋に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口を、平面視で正面側に設け、前記可動刃の刃先を、前記固定刃に載置する複数本の鉄筋に対して前記鉄筋排出口に近い側の物から順に切断するように前記鉄筋排出口に近い側ほど低くなる傾斜面に形成し、前記鉄筋受止め面部を前記鉄筋排出口に近い側から奥にかけて順次下降可能に構成したところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、固定刃に載置した複数本の鉄筋が、鉄筋排出口に近い側の物から順に、可動刃の刃先と鉄筋受止め面部との間で被切断鉄筋が挟持されながら切断されるので、可動刃に大きな負荷がかからず、全ての鉄筋を綺麗に切断できる。
従って、鉄筋切断機で一度に切断加工する鉄筋の本数が多くなっても、夫々の鉄筋を、ほぼ均等に切り口の変形を抑制しながら切断することができ、鉄筋排出口から取り出すことができるようになる。
その上、可動刃の刃先を、鉄筋排出口に近い側ほど低くなる傾斜面に形成し、且つ、鉄筋受止め面部を鉄筋排出口に近い側から奥にかけて順次下降可能に構成してあるために、傾斜面を備えた可動刃が固定刃に対して下降して近接するに伴って、固定刃に載置される複数本の鉄筋が、鉄筋排出口から逃げずに鉄筋排出口から奥に向けて押されて固定刃上を逃げようとする動きを、鉄筋排出側とは反対の奥部で阻止され、結果として全ての鉄筋を軽い負荷で確実に切断することができる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記付勢手段は、バネ、又は、空気圧シリンダーの少なくともいずれか一つにより構成したところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、簡単で安価に被切断鉄筋受止め装置を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】鉄筋切断装置の全体平面図である。
図2】鉄筋切断機の右側からの斜視図で、一部拡大図を示してある。
図3】鉄筋切断機の左側からの斜視図で、一部拡大図を示してある。
図4】鉄筋切断機の正面図である。
図5】鉄筋切断作用側面図で、(a)は切断前の状態を示し、(b)は切断途中の状態を示し、(c)は切断完了時点を示す。
図6】鉄筋切断作用正面図で、(a)は切断前の状態を示し、(b)は切断途中を示し、(c)は切断完了時点を示す。
図7】別実施形態の鉄筋切断作用側面図で、(a)は切断前の状態を示し、(b)は切断途中の状態を示し、(c)は切断完了時点を示し、(d)第1払い出し装置による切断鉄筋の排出途中を示す。
図8】別実施形態の第1払い出し装置による切断鉄筋の排出途中を示す要部の作用側面図である。
図9】従来技術の鉄筋切断作用正面図を示し、(a)は切断前の状態を示し、(b)切断途中の状態を示し、(c)切断直後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1図6に示すように、固定刃1に対して近接操作自在な可動刃2を、両刃間に配置する鉄筋20の長手方向に位置ずれさせて設けてある鉄筋切断機3を設け、鉄筋20の搬送方向で鉄筋切断機3よりも上手側に配置して鉄筋20を受け止めて鉄筋切断機3に送り込み搬送する第1コンベア装置4を設け、鉄筋20の搬送方向で鉄筋切断機3よりも下手側に配置して鉄筋20を受け止めて取り出し搬送する第2コンベア装置5を設け、固定刃1に載置する鉄筋20に対してその径方向に排出自在にする鉄筋排出口6を、平面視で鉄筋切断機3の正面側に設け、鉄筋切断機3の鉄筋切断空間内において、固定刃1とその固定刃1に近接作動する可動刃2との間の仮想剪断面18に対して、鉄筋長手方向の上手側で、鉄筋20を鉄筋排出口6に押し出す第1払い出し装置7を設け、仮想剪断面18に対して、鉄筋長手方向の下手側で、鉄筋20を鉄筋排出口6に押し出す第2払い出し装置8を設けてある鉄筋切断装置を構成してある。
尚、前記第1払い出し装置7は、鉄筋を押し出して鉄筋切断機3の切断空間から外方に排出するために、伸縮操作自在な第1シリンダ7Bとその第1シリンダ7Bのピストンロッド先端に取り付けた第1鉄筋排出板7Aとから構成してある。同様に、第2払い出し装置8は、鉄筋を押し出して鉄筋切断機3の切断空間から外方に排出するために、伸縮操作自在な第2シリンダ8Bとその第2シリンダ8Bのピストンロッド先端に取り付けた第2鉄筋排出板8Aとから構成してある。
【0016】
前記鉄筋排出口6において、図4に示すように、第1払い出し装置7に対応する箇所を閉塞可能な第1ガード板9を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設けると共に、第2払い出し装置8に対応する箇所を閉塞可能な第2ガード板10を閉塞状態と開放状態とに切換え操作自在に設け、第1ガード板9を第1払い出し装置7の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第1駆動装置11を設け、第2ガード板10を第2払い出し装置8の払い出し作動に基づいて閉塞状態から開放状態に切換え操作する第2駆動装置12を設けてある。
尚、前記第1ガード板9と第2ガード板10とは、夫々鉄筋排出口6の前側に上下搖動自在に垂下させて鉄筋切断機本体3Aに取り付けてあり、前述のように第1ガード板9が第1駆動装置11により上下搖動操作され、第2ガード板10が第2駆動装置12により上下搖動操作される。
【0017】
第1コンベア装置4に、鉄筋切断機3に送り込んだ鉄筋20の後端部を鉄筋切断機3から引き戻し操作する後退操作機構を設け、後退操作機構により引き戻した鉄筋20を第1コンベア装置4の横側方に排出する鉄筋残材排出機構15を設けてある。
【0018】
つまり、第1コンベア装置4には、図1に示すように、上手側の送り込み後コンベア4Aと下手側の送り込み前コンベア4Bとで構成してあり、送り込み前コンベア4Bが正逆駆動回転可能に構成してあって、鉄筋20を前進させて鉄筋切断機3に供給する前進操作機構と、鉄筋切断機3に送り込んだ鉄筋20の後端部を鉄筋切断機3から引き戻し操作する後退操作機構とを設けてある。
そして、送り込み前コンベア4Bに、鉄筋切断機3から引き戻した後端側の鉄筋残材を、上下搖動自在なアーム13と、そのアーム13を上下搖動駆動するシリンダ14とで構成される鉄筋残材排出機構15により、残材ストッカ16に排出可能に構成してある。
尚、図中30は、ピンチローラで鉄筋切断機3に上下動自在に取り付けてあり、送り込み前コンベア4Bの先端側(下手側)に設けた正逆駆動回転する受けローラ31との協働で、その受けローラ31の上に載った鉄筋20を、ピンチローラ30と共に挟み込んで鉄筋切断機に供給したり引き戻したりできるように構成してある。
【0019】
第2コンベア装置5は、図1図6に示すように、その長手方向において所定間隔置きに上下出退操作自在なストッパ17を設けると共に、鉄筋切断機3に対して設定距離内において遠近移動操作可能に構成してあり、その第2コンベア装置5の遠近移動操作によって、鉄筋切断機3の可動刃2と固定刃1とによって形成される仮想剪断面18から、複数のストッパ17の中から選択されたストッパ17までの距離を調整して鉄筋20の切断寸法を設定可能に構成してある。
つまり、複数のストッパ17間の離間距離は決まっており、前記仮想剪断面18から各ストッパ17までの長さの寸法以外の長さの鉄筋20を切断したい場合、第2コンベア装置5を移動操作して、所定の寸法の鉄筋20を切断できるように構成してある。
【0020】
図5図6に示すように、固定刃1はその刃先が水平面又は略水平面に沿った状態に取り付けてあると共に、可動刃2は、その刃先を鉄筋排出口6に近づく側ほど低くなる傾斜面に形成してあって、複数本の鉄筋20を固定に載置して切断する際に、鉄筋排出側に近いものから順に切断して、可動刃2に一度に大きな負荷がかかるのを防止して、複数本の鉄筋20夫々の切断面が変形するのを抑制するように形成してある。
尚、鉄筋切断空間S内では、固定刃1に載っている鉄筋20を、固定刃1と共に近傍で受け止める受止め板19を設けてある。
【0021】
固定刃1に対して近接操作自在な可動刃2を、両刃間に配置した鉄筋の長手方向に位置ずれさせて設けてあって、固定刃1と可動刃2とによる鉄筋切断空間S内で、可動刃2の下側で切断前の鉄筋20を固定刃1と共に受け止める鉄筋受止め面部24を、可動刃2の下降に伴って被切断鉄筋と共に下降するのを許容するように、上下移動自在に設ける被切断鉄筋受止め装置25を鉄筋切断機本体3Aに取り付け、被切断鉄筋受止め装置25には、鉄筋受止め面部24を上方に付勢する付勢手段21を設けてある。
前記付勢手段21は、空気圧シリンダにより構成してあり、空気圧シリンダ内の空気量又は圧力の調整機構によって、可動刃2による剪断加圧力に対する反力の調整や、被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24の下降下限値や、図2図4図6に示すように、第1払い出し装置7による切断鉄筋の排出時の上下位置の設定を可能にしてある。
【0022】
前記被切断鉄筋受止め装置25は、図5図6に示すように、順に作動するように構成してある。
1. 固定刃1に載置してある複数本の鉄筋20に対して、刃先を前記傾斜面に形成してある可動刃2が下降する。
2. 可動刃2の下降に伴って、鉄筋排出口6に近い鉄筋から奥の鉄筋にかけて順次切断されるに伴って、被切断鉄筋受止め装置25も鉄筋排出口6に近い部分から奥にかけて順次下降する。つまり、鉄筋受止め面部24を下から上向きに付勢するように支持する複数のエアーシリンダの各別な収縮作用によって、鉄筋受止め面部24が傾きながら下降する(図5(a)→図5(c)、図6(a)→図6(b))。
3. 全ての鉄筋20が切断されたら、可動刃2は上昇して元の切断作動前の位置に戻る。
4. 被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24は、固定刃1の上面位置より下側の排出用設定位置で水平又は略水平姿勢になるまで上昇付勢されて停止する(図6(c))。
5. 前記排出用設定位置に鉄筋受止め面部24が維持された状態で、第1払い出し装置7における第1シリンダ7Bの伸長作動により、切断された鉄筋が、第1鉄筋排出板7Aによって鉄筋排出口から鉄筋切断空間の外方に排出される(図2図6(c))。
6. 切断鉄筋の排出の終了後は、第1払い出し装置7の第1鉄筋排出板Aは、第1シリンダ7Bの収縮によって元の位置に引退し、被切断鉄筋受止め装置25の鉄筋受止め面部24は、固定刃1の上面位置と同高さに復帰上昇する。
【0023】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0024】
〈1〉 被切断鉄筋受止め装置25は、図7(a)〜(d)に示すように、鉄筋切断時に鉄筋受止め面部24が水平姿勢のまま平行に下降するように形成してあっても良い。
〈2〉 前記付勢手段21を、空気圧シリンダに代えて、バネで構成してあってもよい。
〈3〉 前記鉄筋受止め面部24に載っている切断鉄筋の排出時には、図8に示すように、鉄筋受止め面部24が固定刃の上面位置に上昇復帰した状態で、第1払い出し装置7により排出するようにしてあっても良い。
〈4〉 図3図4に示すように、前記受止め板19の鉄筋排出口側端部には、下方に鉄筋を摺動放出可能に先端側を下方に傾斜した第1排出ガイド板22が取り付けてあり、図7に示すように、鉄筋受止め面部24における鉄筋排出口側端部にも、鉄筋受止め面部24の上下移動と共に上下移動する第2排出ガイド板23を取り付けてあっても良い。
【0025】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
1 固定刃
2 可動刃
3 鉄筋切断機
3A 鉄筋切断機本体
6 鉄筋排出口
20 鉄筋
21 付勢手段
24 鉄筋受止め面部
25 被切断鉄筋受止め装置
S 鉄筋切断空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9