特許第6832012号(P6832012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6832012クランプ金具及びクランプ金具の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832012
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】クランプ金具及びクランプ金具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/10 20060101AFI20210215BHJP
   E04G 7/06 20060101ALI20210215BHJP
   F16B 37/02 20060101ALI20210215BHJP
   F16B 37/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   F16B2/10 B
   E04G7/06
   F16B37/02 C
   F16B37/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-195053(P2017-195053)
(22)【出願日】2017年10月5日
(65)【公開番号】特開2019-66022(P2019-66022A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】395002098
【氏名又は名称】平和技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】内橋 義晴
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−238106(JP,A)
【文献】 特開平09−317741(JP,A)
【文献】 特開2015−174107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/10
E04G 7/06
F16B 37/00
F16B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が前記固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に前記可動受け部材の外側から前記ボルト挿通部に挿通され、前記雌螺子部に螺着される締付けボルトとを備え、
前記雌螺子部は、前記固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなり、
前記固定受け部材は、平面座と、前記平面座の両側に立設され前記第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、前記各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、前記各突起部の内周面に前記半割り雌螺子部が形成されて、
前記可動受け部材の他端側に、前記締付けボルトを前記雌螺子部に螺着した際に、前記各突起部の外側に係合する係合部が設けられたことを特徴とするクランプ金具。
【請求項2】
第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が前記固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に前記可動受け部材の外側から前記ボルト挿通部に挿通され、前記雌螺子部に螺着される締付けボルトとを備え、
前記雌螺子部は、前記固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなり、
前記固定受け部材は、平面座と、前記平面座の両側に立設され前記第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、前記各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、前記各突起部の内周面に前記半割り雌螺子部が形成されて、
前記可動受け部材の他端側に、前記締付けボルトを前記雌螺子部に螺着した際に、前記各突起部の外側に係合する係合部が設けられたクランプ金具の製造方法であって、
1枚の板材をプレス加工して前記一対の半割り雌螺子部を形成した後、該一対の半割り雌螺子部が対向するように前記板材を折り曲げて前記雌螺子部を形成することを特徴とするクランプ金具の製造方法。
【請求項3】
第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が前記固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に前記可動受け部材の外側から前記ボルト挿通部に挿通され、前記雌螺子部に螺着される締付けボルトとを備え、
前記雌螺子部は、前記固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなり、前記固定受け部材は、平面座と、前記平面座の両側に立設され前記第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、前記各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、前記各突起部の内周面に前記半割り雌螺子部が形成されているクランプ金具の製造方法であって、
前記固定受け部材の先部に、対向する一対の半円筒状の前記突起部を形成した後、該一対の突起部の内周面をタップで同時に加工して前記一対の半割り雌螺子部からなる前記雌螺子部を形成することを特徴とするクランプ金具の製造方法。
【請求項4】
第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が前記固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に前記可動受け部材の外側から前記ボルト挿通部に挿通され、前記雌螺子部に螺着される締付けボルトとを備え、
前記雌螺子部は、前記固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなり、
前記固定受け部材は、平面座と、前記平面座の両側に立設され前記第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、前記各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、前記各突起部の内周面に前記半割り雌螺子部が形成されて、
前記可動受け部材の他端側に、前記締付けボルトを前記雌螺子部に螺着した際に、前記各突起部の外側に係合する係合部が設けられたクランプ金具の製造方法であって、
前記固定受け部材の先部に、対向する一対の半円筒状の前記突起部を形成した後、該一対の突起部の内周面をタップで同時に加工して前記一対の半割り雌螺子部からなる前記雌螺子部を形成することを特徴とするクランプ金具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場等において、組立足場の組立等に用いられるクランプ金具及びクランプ金具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に建築現場等では、パイプ材(支持パイプ)に、持送り枠、床付き布枠、防音パネル、階段の踏み板等の各種部材を取付ける場合や、足場板を支持するパイプ材の交差部分等を結合する場合等にクランプ金具が使用される。
例えば、特許文献1には、外側中央に固定対象物が取付けられ、内側が半円状凹部となった固定受け部材と、半円状凹部と同一半径の円弧状凹部を内側に有し、固定受け部材の一方にその基部が回動自在に連結され、先部には切欠き溝を備えたナット受け座部が設けられた可動受け部材と、固定受け部材の他方にその基部が回動自在に連結され、可動受け部材の切欠き溝に嵌入する雄ねじ棒と、該雄ねじ棒に螺着する締め付けナットとを有するクランプ金具が記載されている。
このクランプ金具で、例えば、足場板を支持する垂直パイプと水平パイプの交差部分を結合する場合には、2つのクランプ金具を90度反転させた状態で、それぞれの固定受け部材同士を連結し、緊結金具を形成して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−209925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のクランプ金具は、雄ねじ棒の基部を固定受け部材の他方に回動自在に連結するためには、固定受け部材に取付け孔を形成し、雄ねじ棒の基部には取付け孔に軸着される突出ピンを設けなければならず、部品点数が多く、組立に手間がかかるという問題がある。また、雄ねじ棒に螺着する締め付けナットを必要とし、足場等の組立作業中にナットが落下して紛失するおそれもあり、施工性に欠けるという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、部品点数が少なく、組立に手間がかからず、施工性に優れたクランプ金具及びクランプ金具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係るクランプ金具は、第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が前記固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に前記可動受け部材の外側から前記ボルト挿通部に挿通され、前記雌螺子部に螺着される締付けボルトとを備え、
前記雌螺子部は、前記固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなる。
【0006】
第1の発明に係るクランプ金具において、前記固定受け部材は、平面座と、前記平面座の両側に立設され前記第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、前記各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、前記各突起部の内周面に前記半割り雌螺子部が形成されていることが好ましい。
【0007】
第1の発明に係るクランプ金具において、前記可動受け部材の他端側に、前記締付けボルトを前記雌螺子部に螺着した際に、前記各突起部の外側に係合する係合部が設けられることが好ましい。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係るクランプ金具の製造方法は、第1の発明に係るクランプ金具の製造方法であって、
1枚の板材をプレス加工して前記一対の半割り雌螺子部を形成した後、該一対の半割り雌螺子部が対向するように前記板材を折り曲げて前記雌螺子部を形成する。
【0009】
前記目的に沿う第3の発明に係るクランプ金具の製造方法は、第1の発明に係るクランプ金具の製造方法であって、
前記固定受け部材の先部に、対向する一対の半円筒状の前記突起部を形成した後、該一対の突起部の内周面をタップで同時に加工して前記一対の半割り雌螺子部からなる前記雌螺子部を形成する。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明に係るクランプ金具は、第1の円弧状凹部を内側に有し、先部に雌螺子部が設けられた固定受け部材と、第2の円弧状凹部を内側に有し、一端側が固定受け部材の基部に回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部が設けられた可動受け部材と、使用時に可動受け部材の外側からボルト挿通部に挿通され、雌螺子部に螺着される締付けボルトを備えているので、固定受け部材の第1の円弧状凹部と、可動受け部材の第2の円弧状凹部で、パイプ材を挟持した後、締付けボルトを雌螺子部に螺着して締め付けるだけで、簡単かつ強固にパイプ材を保持することができ、施工性に優れる。また、雌螺子部が、固定受け部材の先部に対向して設けられた一対の半割り雌螺子部からなるので、別途、ナット等の雌螺子部品を用意する必要がなく、部品点数が少なくなり、組立の手間を低減できる。
固定受け部材が、平面座と、平面座の両側に立設され第1の円弧状凹部が形成される左右一対の側板部と、各側板部に延設されて対向する半円筒状の突起部とを有し、各突起部の内周面に半割り雌螺子部が形成されているので、雌螺子部が固定受け部材と一体化されており、ナットのように紛失するおそれがなく、施工性に優れる。
可動受け部材の他端側に、締付けボルトを雌螺子部に螺着した際に、各突起部の外側に係合する係合部が設けられているので、締付けボルトを雌螺子部に螺着した後、半割り雌螺子部が外方に開くことがなく、可動受け部材を強固に固定することができ、パイプ材の保持安定性に優れる。
第2の発明に係るクランプ金具の製造方法は、1枚の板材をプレス加工して一対の半割り雌螺子部を形成した後、一対の半割り雌螺子部が対向するように板材を折り曲げて雌螺子部を形成するので、金型を用いることなく、1枚の板材から雌螺子部が一体化した固定受け部材を廉価に製造することができ、量産性に優れる。
第3の発明に係るクランプ金具の製造方法は、固定受け部材の先部に、対向する一対の半円筒状の突起部を形成した後、一対の突起部の内周面をタップで同時に加工して一対の半割り雌螺子部からなる雌螺子部を形成するので、一対の半割り雌螺子部の位相を確実に一致させることができ、雌螺子部の形状の正確性、安定性に優れ、歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係るクランプ金具の使用状態の側面図である。
図2】(A)は同クランプ金具の使用状態の正面図であり、(B)は同クランプ金具の可動受け部材を開いた状態の正面図である。
図3】(A)は同クランプ金具の使用状態の平面図であり、(B)は同クランプ金具の可動受け部材を開いた状態の平面図である。
図4図1のA−A線端面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るクランプ金具の製造方法に用いる固定受け部材の平面展開図である。
図6】本発明の第2の実施の形態に係るクランプ金具の製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
以下、図1図4を参照して、本発明の一実施の形態に係るクランプ金具10について説明する。
図1図2(A)、(B)、図3(A)、(B)、図4に示すように、クランプ金具10は、建築現場等において、組立足場の組立等に用いられ、固定受け部材11に対して可動受け部材12を開閉することにより、パイプ材13を着脱自在に保持するものである。
固定受け部材11は、一枚の板材37(例えば、普通鋼、炭素鋼、高張力鋼等の鋼材、図5参照)からなっており、長方形状の平面座15と、平面座15の両側に立設された左右一対の側板部16、17とを有している。各側板部16、17に円弧状の切り欠き18、19が設けられることにより、固定受け部材11の内側に第1の円弧状凹部20が形成されている。また、各側板部16、17の上端側に、半円筒状の突起部21、22が対向するように延設されている。そして、各突起部21、22の内周面に半割り雌螺子部23、24が形成されており、この対向する一対の半割り雌螺子部23、24により、固定受け部材11の先部に雌螺子部25が形成されている。
【0013】
また、可動受け部材12は、第2の円弧状凹部27を内側に有し、一端側が固定受け部材12の基部28にピン30によって回動自在に連結され、他端側にボルト挿通部31が設けられている。使用時に可動受け部材12の外側から締付けボルト32をボルト挿通部31に挿通し、雌螺子部25に螺着することにより、図1図4に示すように、第1、第2の円弧状凹部20、27でパイプ材13の外周を挟持することができる。なお、可動受け部材12の他端側に、締付けボルト32を雌螺子部25に螺着した際に、半割り雌螺子部23、24が形成された突起部21、22の外側に係合する係合部33が設けられている。係合部33で突起部21、22を両外側から押さえ付けることができるので、使用中に半割り雌螺子部23、24が外方に開くことがなく、可動受け部材12を強固に固定して、パイプ材13を安定的に保持することができる。なお、係合部33は突起部21、22の外側に係合して半割り雌螺子部23、24が外方に開くことを防止できればよく、その構造は適宜、選択することができる。特に、図4に示すように、先側(開口側)に向かって拡開し、基部側が突起部21、22の先側に係合する一対の傾斜部34、35を設けた場合、締付けボルト32を締め付けるにつれて突起部21、22の外側が傾斜部34、35で両側から押さえ付けられ、締付けボルト13と雌螺子部25が強固に締結されて、固定受け部材11と可動受け部材12が確実に固定される。
【0014】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るクランプ金具の製造方法について説明する。
まず、図5に示すように、固定受け部材11の形状を平面に展開した1枚の板材37を用意する。固定受け部材11の基部28となる板材37の両側下部には、可動受け部材12の一端側を回動自在に支持するピン30を挿通するための支持孔38、39が設けられている。そして、板材37の両側の上端部に、固定受け部材11の突起部21、22となる突片40、41が設けられている。この突片40、41にプレス加工を行って、一対の半割り雌螺子部23、24を形成する。その後、一対の半割り雌螺子部23、24が対向するように側板部16、17を折り曲げて、図1に示したように、雌螺子部25を形成する。このとき、一対の半割り雌螺子部23、24の山部同士(及び谷部同士)を一致させる(連続させる)ために、半割り雌螺子部23、24と螺合する雄螺子部材(例えば、締付けボルト32)を間に挟むようにして側板部16、17を折り曲げ、固定受け部材11の形状を成形することが好ましい。なお、必要に応じて、一対の突起部21、22の間(外周部)をスポット溶接したり、突起部21、22の外周に環状部材を嵌合させたりして、半割り雌螺子部23、24の開きを防止してもよく、その場合、可動受け部材12の係合部33を省略することもできる。
【0015】
可動受け部材12は、従来と同様に、金型を用いて成型することができる。可動受け部材12の一端側の幅方向両側には、図3(B)に示すように、ピン挿通孔43、44が設けられている。固定受け部材11の支持孔38、39と可動受け部材12のピン挿通孔43、44を重ね合わせた状態でピン30を挿通、固定することにより、可動受け部材12の一端側が固定受け部材11の基部28に回動自在に連結され、クランプ金具10が完成する。
なお、可動受け部材12の一端側が固定受け部材11の基部28に回動自在に連結されていればよく、その構造は、適宜、選択することができる。例えば、可動受け部材の一端側の幅方向両側に、固定受け部材11の支持孔38、39に回動自在に支持される支持突起を設ければ、ピンを用いずに連結することができる。
【0016】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るクランプ金具の製造方法を説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、図5に示した板材37を用意する。そして、両側の突片40、41を湾曲させて半円筒状の突起部21、22を形成し、これらが対向するように側板部16、17を折り曲げて、固定受け部材11の形状に成形する。その後、図6に示すように、固定受け部材11の先部に形成された一対の突起部21、22の内周面をタップ46で同時に加工して、図4に示したように一対の半割り雌螺子部23、24からなる雌螺子部25を形成する。このとき、突起部21、22が外方に開かないように、例えば、外周に環状部材47を嵌合させる等して突起部21、22を固定することが好ましい。なお、タップ46による加工は手動で行ってもよいし、電動で行ってもよい。
その他の可動受け部材12の製造方法や組立方法は第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。このようにして、図1図4に示したクランプ金具10が完成する。
【0017】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、第1の実施の形態では、板材の状態でプレス加工を行って、一対の半割り雌螺子部を形成したが、プレス加工のみで十分な螺子溝が形成できない場合は、一対の半割り雌螺子部(突起部)が対向するように側板部を折り曲げて固定受け部材の形状を成形した後、追加で突起部の内周面をタップで加工して雌螺子部を完成させてもよい。
なお、平面座と雌螺子部(突起部)の間を繋ぐ側板部を平面視した時の形状は、適宜、選択することができる。上記実施の形態のように、途中で屈曲させる代わりに、例えば直線状に形成してもよいし、円弧等の湾曲した曲線状に形成してもよい。
また、上記実施の形態では、ボルト挿通部として、可動受け部材の他端側に丸孔を設けたが、丸孔の代わりに切欠き溝を設けてもよい。
なお、本発明のクランプ金具は、単独で単クランプとして使用する以外に、2つ以上のクランプ金具を連結したり、その他の金具や部品を取り付けたりして、各種の用途に用いることができる。このとき、固定受け部材の平面座には、必要に応じて、貫通孔を設けることができ、その貫通孔を利用して、簡単にクランプ金具同士を連結したり、その他の金具や部品を取り付けたりできる。
【符号の説明】
【0018】
10:クランプ金具、11:固定受け部材、12:可動受け部材、13:パイプ材、15:平面座、16、17:側板部、18、19:切り欠き、20:第1の円弧状凹部、21、22:突起部、23、24:半割り雌螺子部、25:雌螺子部、27:第2の円弧状凹部、28:基部、30:ピン、31:ボルト挿通部、32:締付けボルト、33:係合部、34、35:傾斜部、37:板材、38、39:支持孔、40、41:突片、43、44:ピン挿通孔、46:タップ、47:環状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6