特許第6832016号(P6832016)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832016
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】金属製パイプの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/20 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   B21D39/20 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-127470(P2018-127470)
(22)【出願日】2018年7月4日
(65)【公開番号】特開2020-6384(P2020-6384A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2020年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】592037217
【氏名又は名称】サンライズ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本玉 千道
(72)【発明者】
【氏名】柴原 宏紀
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−29362(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1499344(KR,B1)
【文献】 特開平5−337576(JP,A)
【文献】 特開2011−174610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、前記パイプ素管の一方の端末から所定の位置に複数有する金属製パイプの製造方法であって、
前記スプ−ルは、前記パイプ素管の縦断面視において、前記パイプ素管の一方の端末側を向く一方の傾斜面と前記パイプ素管の他方の端末側を向く他方の傾斜面のそれぞれの傾斜角度が異なる形状であり、
前記パイプ素管の他方の端末側から、前記他方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられた割型状の第1ダイ、前記第1ダイに圧縮バネを介して離間した状態で対向し、前記一方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられたスライド可能な割型状の第2ダイの順番に配置し、前記第1ダイと第2ダイで前記パイプ素管の外周を固定するパイプ素管の外周固定工程と、
前記パイプ素管の外周固定工程で固定された前記パイプ素管の一方の端末側から挿入可能な前記パイプ素管の内径より小さな外径を有した第1ピンを内蔵した第1パンチで前記圧縮バネが圧縮するように、前記第2ダイを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記パイプ素管に対して、前記パイプ素管の一方の端末から最も遠い位置に、第1スプ−ルを形成する第1スプ−ル形成工程と、
前記第1スプ−ル形成工程が終了した状態の前記第1ダイと前記第2ダイと前記パイプ素管の位置関係のままで、前記第2ダイの前記一方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられた側とは反対側に設けられた前記他方の傾斜面に対応した傾斜面と、前記パイプ素管の他方の端末側を向く入口から奥に向かって内径が小さくなるテーパー部と前記パイプ素管の一方の端末が挿入可能な有底部とを有した第2パンチと、を離間した状態で対向させ、前記第2パンチを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記第1スプ−ル形成工程で形成された前記第1スプ−ルの位置よりも前記パイプ素管の一方の端末側の位置に、第2スプ−ルを形成するための前記パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状の仮山を形成する仮山形成工程と、
前記仮山形成工程が終了した状態の前記第1ダイと前記第2ダイと前記パイプ素管の位置関係のままで、前記第2ダイの前記他方の傾斜面に対応した傾斜面と、前記パイプ素管の一方の端末側から挿入可能な前記パイプ素管の内径より小さな外径を有した第2ピンが内蔵され、前記パイプ素管の他方の端末側を向く入口に前記一方の傾斜面に対応した傾斜面と前記パイプ素管の一方の端末が挿入可能な有底部とを有した第3パンチと、を離間した状態で対向させ、前記第3パンチを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記仮山形成工程で形成された仮山から第2スプ−ルを形成する第2スプ−ル形成工程と、
を備えることを特徴とする金属製パイプの製造方法。
【請求項2】
前記第1ピンには、前記第1スプ−ルが形成される位置よりも前記パイプ素管の一方の端末側の位置に、前記パイプ素管の内径より大きな外径を有した拡径部を有し、前記拡径部を有した第1ピンが前記第1パンチに内蔵され、
前記第1スプ−ル形成工程の際には、前記第1スプ−ルを形成するとともに、前記第1ピンの拡径部により、前記パイプ素管の一方の端末側の所定範囲を前記パイプ素管の外径より大きな外径を有した拡管部に形成する拡管部形成工程をさらに備え、
前記仮山形成工程は、前記拡管部形成工程で形成した拡管部を用いて、前記仮山を形成することを特徴とする請求項1に記載の金属製パイプの製造方法。
【請求項3】
前記一方の傾斜面は、前記パイプ素管の一方の端末側に向かって徐々に傾斜するテーパー面であり、
前記他方の傾斜面は、前記パイプ素管の外周面に対して垂直な面であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属製パイプの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用燃料ホース等に接続される金属製パイプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から車両用燃料ホース等と金属製パイプを締結する際には、燃料の漏れを防止するために、金属製パイプの一方の端末側の外周に環状凸部(「スプ−ル」とも称す)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の図6に示されるように、金属製パイプ60の一方の端末側の外周には、2個の環状凸部62、63が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−339393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の図6に示された2個の環状凸部62、63を、一度に(一回の工程で)形成しようとした場合、1個目の環状凸部63は、精度良く形成できる。しかし、2個目の環状凸部62が形成される際、金属製パイプ60の外周の肉の動きが悪く、1個目の環状凸部63が形成される際のような金属製パイプ60の外周の肉の動きにならないという問題点があった。すなわち、1個目の環状凸部63と2個目の環状凸部62とを同じ精度に形成できないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、金属製パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、前記パイプ素管の一方の端末から所定の位置に精度良く、かつ複数形成可能な金属製パイプの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、第1発明に係る金属製パイプの製造方法は、金属製パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、前記パイプ素管の一方の端末から所定の位置に複数有する金属製パイプの製造方法であって、
前記スプ−ルは、前記パイプ素管の縦断面視において、前記パイプ素管の一方の端末側を向く一方の傾斜面と前記パイプ素管の他方の端末側を向く他方の傾斜面のそれぞれの傾斜角度が異なる形状であり、
前記パイプ素管の他方の端末側から、前記他方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられた割型状の第1ダイ、前記第1ダイに圧縮バネを介して離間した状態で対向し、前記一方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられたスライド可能な割型状の第2ダイの順番に配置し、前記第1ダイと第2ダイで前記パイプ素管の外周を固定するパイプ素管の外周固定工程と、
前記パイプ素管の外周固定工程で固定された前記パイプ素管の一方の端末側から挿入可能な前記パイプ素管の内径より小さな外径を有した第1ピンを内蔵した第1パンチで前記圧縮バネが圧縮するように、前記第2ダイを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記パイプ素管に対して、前記パイプ素管の一方の端末から最も遠い位置に、第1スプ−ルを形成する第1スプ−ル形成工程と、
前記第1スプ−ル形成工程が終了した状態の前記第1ダイと前記第2ダイと前記パイプ素管の位置関係のままで、前記第2ダイの前記一方の傾斜面に対応した傾斜面が設けられた側とは反対側に設けられた前記他方の傾斜面に対応した傾斜面と、前記パイプ素管の他方の端末側を向く入口から奥に向かって内径が小さくなるテーパー部と前記パイプ素管の一方の端末が挿入可能な有底部とを有した第2パンチと、を離間した状態で対向させ、前記第2パンチを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記第1スプ−ル形成工程で形成された前記第1スプ−ルの位置よりも前記パイプ素管の一方の端末側の位置に、第2スプ−ルを形成するための前記パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状の仮山を形成する仮山形成工程と、
前記仮山形成工程が終了した状態の前記第1ダイと前記第2ダイと前記パイプ素管の位置関係のままで、前記第2ダイの前記他方の傾斜面に対応した傾斜面と、前記パイプ素管の一方の端末側から挿入可能な前記パイプ素管の内径より小さな外径を有した第2ピンが内蔵され、前記パイプ素管の他方の端末側を向く入口に前記一方の傾斜面に対応した傾斜面と前記パイプ素管の一方の端末が挿入可能な有底部とを有した第3パンチと、を離間した状態で対向させ、前記第3パンチを前記パイプ素管の他方の端末側に向かって押すことにより、前記仮山形成工程で形成された仮山から第2スプ−ルを形成する第2スプ−ル形成工程と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、金属製パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、前記パイプ素管の一方の端末から所定の位置に精度良く、かつ複数形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る金属製パイプの製造方法において、パイプ素管の外周固定工程と、第1ピンを内蔵した第1パンチをセットする手順を説明するための説明図である。
図2図1に示す第1パンチを用いて、第1スプ−ルを形成する第1スプ−ル形成工程と、同時に拡管部を形成する拡管部形成工程とを説明するための説明図である。
図3図2に示す工程により、パイプ素管に形成された第1スプ−ルと拡管部を説明するための説明図である。
図4図3に示す拡管部に対して、第2パンチをセットする手順を説明するための説明図である。
図5図4に示す第2パンチを用いて、環状の仮山を形成する仮山形成工程を説明するための説明図である。
図6図5に示す工程により、パイプ素管の外周面から外側に向かって形成された凸となる環状の仮山を説明するための説明図である。
図7図6に示す仮山に対して、第2ピンを内蔵した第3パンチをセットする手順を説明するための説明図である。
図8図7に示す第3パンチを用いて、仮山から第2スプ−ルを形成する第2スプ−ル形成工程を説明するための説明図である。
図9図8に示す工程により、パイプ素管に形成された第2スプ−ルを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る金属製パイプの製造方法について、添付図1〜9を参照しながら、その製造工程手順に沿って説明する。
【0010】
図1は本実施形態に係る金属製パイプの製造方法において、パイプ素管の外周固定工程と、第1ピンを内蔵した第1パンチをセットする手順を説明するための説明図、図2図1に示す第1パンチを用いて、第1スプ−ルを形成する第1スプ−ル形成工程と、同時に拡管部を形成する拡管部形成工程とを説明するための説明図、図3図2に示す工程により、パイプ素管に形成された第1スプ−ルと拡管部を説明するための説明図である。
【0011】
図1図3において、1は内径D1、外径D2の金属製パイプ素管、1aは金属製パイプ素管1の一方の端末、1bは金属製パイプ素管1の他方の端末、2は割型状の第1ダイ、1dは第1スプ−ル、1eは金属製パイプ素管1の外径D2より大きな外径D3を有した拡管部、1hは金属製パイプ素管1の一方の端末1a側を向く一方の傾斜面、1jは金属製パイプ素管1の他方の端末1b側を向く他方の傾斜面、2aは金属製パイプ素管1の他方の傾斜面1jに対応した、第1ダイ2に設けられた傾斜面、3は圧縮バネ、4は第1ダイ2に圧縮バネ3を介して離間した状態で対向したスライド可能な割型状の第2ダイ、4aは金属製パイプ素管1の一方の傾斜面1hに対応した、第2ダイ4に設けられた傾斜面、4bは第2ダイ4の傾斜面4aが設けられた側とは反対側に設けられた傾斜面、5は金属製パイプ素管1の一方の端末1a側から挿入可能な金属製パイプ素管1の内径D1より小さな外径d1を有した第1ピン、5aは第1ピン5において、金属製パイプ素管1の内径D1より大きな外径d2を有した拡径部(すなわち、図1に示す第1ピン5の外径d1を有した部分より右側の外径d2を有した部分(図3に示す第1スプ−ル1dが形成される位置よりも金属製パイプ素管1の一方の端末1a側の位置に相当する部分))、6は第1ピン5を内蔵した第1パンチ、6aは第1パンチ6の左側部分、6bは第1パンチ6の右側部分である。また、金属製パイプ素管1の材料としては、高圧配管用炭素鋼鋼管STSW1−B、その他(ステンレススチール製、アルミニウム製等)の金属製材料を用いることが可能である。なお、以降、同一構成要素に関しては、同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0012】
(パイプ素管の外周固定工程)
図1に示すように、第1ダイ2、第1ダイ2に圧縮バネ3を介して離間した状態で対向させた第2ダイ4の順番に配置し、第1ダイ2と第2ダイ4で
金属製パイプ素管1の外周を固定する。
【0013】
(第1スプ−ル形成工程および拡管部形成工程)
図1に示すように、上記パイプ素管の外周固定工程で固定された金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に対峙させて、第1ピン5を内蔵した第1パンチ6をセットする。
【0014】
次に、図2に示すように、上記パイプ素管の外周固定工程で固定された金属製パイプ素管1の一方の端末1a側から第1ピン5を挿入しながら、第1パンチ6で圧縮バネ3が圧縮するように、第2ダイ4を金属製パイプ素管1の他方の端末1b側に向かって押すことにより、金属製パイプ素管1に対して、金属製パイプ素管1の一方の端末1aから最も遠い位置に、第1スプ−ル1dを形成する(第1スプ−ル形成工程)。
【0015】
また、図2に示すように、第1ピン5には拡径部5aを有しているため、第1スプ−ル形成工程で第1スプ−ル1dが形成されると同時に、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側の所定の範囲に外径D3を有した拡管部1eが形成される(拡管部形成工程)。
【0016】
図3は、図2に示す工程を経て形成される、金属製パイプ素管1の第1スプ−ル1dおよび拡管部1eを拡大して、詳細に説明するための説明図である。
【0017】
本発明においては、第1スプ−ル1dの一方の傾斜面1hと他方の傾斜面1jのそれぞれの傾斜角度が異なる形状でありさえすればよい。しかし、本実施形態の図3に示す第1スプ−ル1dの一方の傾斜面1hと他方の傾斜面1jの構成にすることにより、下記のようなさらなる特有な効果を奏する。
【0018】
図3において、第1スプ−ル1dの一方の傾斜面1hは、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に向かって徐々に傾斜するテーパー面であり、他方の傾斜面1jは、金属製パイプ素管1の外周面に対して垂直な面である。したがって、本発明の金属製パイプの製造方法が適用された後の金属製パイプを車両用燃料ホース等に挿入し接続する際、2つのメリットがある。1つ目のメリットは、テーパー面である一方の傾斜面1hの存在により、車両用燃料ホース等への挿入がよりスムーズになる。2つ目のメリットは、金属製パイプ素管1の外周面に対して垂直な面である他方の傾斜面1jの存在により、一旦、挿入された前記金属製パイプの他方の傾斜面1jが、前記車両用燃料ホース等の内壁に食い込み、抜け難くなるばかりか、燃料の漏れを防止する機能もより高める。
【0019】
本発明において、上述した拡管部形成工程は、金属製パイプ素管1の外周面から外側に向かって凸となる環状の仮山(後記する)を形成するにあたって、必ずしも必須ではない。しかし、本実施形態の図3に示す拡管部1eを設けたことにより、下記のようなさらなる特有な効果(3つのメリット)を奏する。1つ目のメリットは、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に設ける先端部の外径精度と外周の面精度を高くできる。2つ目のメリットは、前記仮山(後記する)を形成する際に、金属製パイプ素管1の外周の肉が他方の端末1b側に流れてしまうのを防止できる。すなわち、金属製パイプ素管1の外周の肉が安定して移動するため、精度の良い仮山を形成できる。3つ目のメリットは、前述したような精度の良い仮山が形成できると、精度の良い第2スプ−ル(後記する)を形成することができる。
【0020】
図4図3に示す拡管部に対して、第2パンチをセットする手順を説明するための説明図、図5図4に示す第2パンチを用いて、環状の仮山を形成する仮山形成工程を説明するための説明図、図6図5に示す工程により、パイプ素管の外周面から外側に向かって形成された凸となる環状の仮山を説明するための説明図である。
【0021】
図4図6において、1fは金属製パイプ素管1の外周面から外側に向かって凸となる環状の仮山、7は第2パンチ、7aは金属製パイプ素管1の他方の端末1b側を向く、第2パンチ7の入口、7bは入口7aから奥に向かって内径が小さくなるテーパー部、7cは金属製パイプ素管1の一方の端末1aが挿入可能な有底部である。
【0022】
(仮山形成工程)
図4に示すように、第1スプ−ル形成工程および拡管部形成工程が終了した状態の第1ダイ2と第2ダイ4と金属製パイプ素管1の位置関係のままで、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に対向させて第2パンチ7をセットする。
【0023】
次に、図5に示すように、第2パンチ7を金属製パイプ素管1の他方の端末1b側に向かって押すことにより、前記第1スプ−ル形成工程で形成された第1スプ−ル1dの位置よりも金属製パイプ素管1の一方の端末1a側の位置に、第2スプ−ル(後記する)を形成するための金属製パイプ素管1の外周面から外側に向かって凸となる環状の仮山1fを形成する。
【0024】
図6は、図5に示す工程を経て形成される、金属製パイプ素管1の仮山1fを拡大して、詳細に説明するための説明図である。
【0025】
図6に示すような仮山1fを設けることにより、第2スプ−ル(後記する)を形成する際に、仮山1fの右側斜面が壁となり、第2スプ−ルを精度良く、安定して形成できるという作用効果を奏する。
【0026】
また、上述したような拡管部形成工程および拡管部形成工程を経由した仮山形成工程を有したことにより、前述したような精度の良い仮山が形成可能であるばかりか、図6に示す、第1スプ−ル1dの左側の金属製パイプ素管1の外径、第1スプ−ル1dと仮山1fの間の金属製パイプ素管1の外径、および、仮山1fの右側の金属製パイプ素管1の外径を精度良く、かつ、同一外径に仕上げることが可能になるため、より精度の高い第2スプ−ル(後記する)を形成できるという本願発明に特有な作用効果を奏する。
【0027】
本発明に係る仮山を2個以上、順次形成することにより、金属製パイプ素管1の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、金属製パイプ素管1の一方の端末1aから所定の位置に3個以上(ただし、1個目のスプ−ルは、前述した第1スプ−ル形成工程で、精度良く形成できる)、精度良く形成できる。
【0028】
図7図6に示す仮山に対して、第2ピンを内蔵した第3パンチをセットする手順を説明するための説明図、図8図7に示す第3パンチを用いて、仮山から第2スプ−ルを形成する第2スプ−ル形成工程を説明するための説明図、図9図8に示す工程により、パイプ素管に形成された第2スプ−ルを説明するための説明図である。
【0029】
図7図9において、1gは第2スプ−ル、1iは金属製パイプ素管1の一方の端末1a側を向く一方の傾斜面、1kは金属製パイプ素管1の他方の端末1b側を向く他方の傾斜面、8は金属製パイプ素管1の一方の端末1a側から挿入可能な金属製パイプ素管1の内径D1より小さな外径d3を有した第2ピン、9は第2ピン8を内蔵した第3パンチ、9aは金属製パイプ素管1の他方の端末1b側を向く、第3パンチ9の入口、9bは入口9aから奥に向かって内径が小さくなるテーパー部、9cは金属製パイプ素管1の一方の端末1aが挿入可能な有底部である。
【0030】
(第2スプ−ル形成工程)
図7に示すように、仮山形成工程が終了した状態の第1ダイ2と第2ダイ4と金属製パイプ素管1の位置関係のままで、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に対向させて、第2ピン8を内蔵した第3パンチ9をセットする。
【0031】
次に、図8に示すように、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側から第2ピン8を挿入しながら、第3パンチ9を金属製パイプ素管1の他方の端末1b側に向かって押すことにより、前記仮山形成工程で形成された仮山1fから第2スプ−ル1gを形成する。第2ピン8が存在することにより、仮山1fから第2スプ−ル1gを形成する際にも、金属製パイプ素管1の内径が維持されるばかりか、第2スプ−ル1gの一方の傾斜面1iを所定の傾斜角度に形成できる。
【0032】
図9は、図8に示す工程を経て形成される、金属製パイプ素管1の第2スプ−ル1gを拡大して、詳細に説明するための説明図である。図9において、第2スプ−ル1gの一方の傾斜面1iは、金属製パイプ素管1の一方の端末1a側に向かって徐々に傾斜するテーパー面であり、他方の傾斜面1kは、金属製パイプ素管1の外周面に対して垂直な面である。
【0033】
本発明においては、第2スプ−ル1gの一方の傾斜面1iと他方の傾斜面1kのそれぞれの傾斜角度が異なる形状でありさえすればよい。また、第1スプ−ル1dと第2スプ−ル1gは、必ずしも同一の形状である必要はなく、所定の形状に形成されればよい。しかし、本実施形態の図9に示す第2スプ−ル1gの一方の傾斜面1iと他方の傾斜面1kの構成にすることにより、図3図6および図9に示す第1スプ−ル1dと同じ(すなわち、前述したような)、本発明に特有な効果を奏する。
【0034】
上述した本発明に係る構成を採用したことにより、金属製パイプ素管の外周面から外側に向かって凸となる環状のスプ−ルを、前記金属製パイプ素管の一方の端末から所定の位置に精度良く、かつ複数形成可能である。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、発明を実施するための形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、発明を実施するための形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
1 金属製パイプ素管
1a 金属製パイプ素管1の一方の端末
1b 金属製パイプ素管1の他方の端末
1d 第1スプ−ル
1e 拡管部
1f 仮山
1g 第2スプ−ル
1h、1i 一方の傾斜面
1j、1k 他方の傾斜面
2 第1ダイ
2a 第1ダイ2に設けられた傾斜面
3 圧縮バネ
4 第2ダイ
4a 第2ダイ4に設けられた傾斜面
4b 傾斜面4aが設けられた側とは反対側に設けられた傾斜面
5 第1ピン
5a 拡径部
6 第1パンチ
6a 第1パンチ6の左側部分
6b 第1パンチ6の右側部分
7 第2パンチ
7a 第2パンチ7の入口
7b、9b テーパー部
7c、9c 有底部
8 第2ピン
9 第3パンチ
9a 第3パンチ9の入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9