(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超音波プローブに接続され、かつ第1超音波トランスデューサアレイからの第1画像と第2超音波トランスデューサアレイからの第2画像との双方を表示するように構成されたスクリーンをさらに備える、請求項2に記載の超音波プローブ。
第2レーザーは一定の投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように構成されており、前記投射角度は90°未満である、請求項2に記載の超音波プローブ。
前記ステッパモータは、第2レーザーを回転させ、それにより前記投射角度を調節するように構成されており、調整された投射角度は90°未満である、請求項8に記載の超音波プローブ。
前記超音波プローブに接続された滅菌カバーをさらに備え、前記滅菌カバーは、第1光源及び第2光源の上に配置されるように構成された硬質光透過性材料を含む、請求項10に記載の超音波プローブ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
残念ながら、訓練及び操作者の技術だけでなく、超音波技術における改善にもかかわらず、合併症を有することなく器具を標的構造物に確実に、かつ連続的に導くことは依然として困難である。無誘導アプローチにおける改善の一方で、現在の超音波プローブは、それらが提供する誘導において依然として制限されている。
【0004】
医療関係者が、より容易かつ正確で合併症のより少ない体内構造物に関係する処置を安全に実施することを可能にする超音波プローブの必要性があることが認識されるはずである。前記プローブは、器具を表面から前記表面下に位置する標的構造物に確実に、かつ連続的に導かなければならない。本発明はこれらの要求を満たし、さらに関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は超音波プローブで具体化され、前記超音波プローブは、ハウジング、第1超音波トランスデューサアレイ、第2超音波トランスデューサアレイ、第1光源及び第2光源を備える。第1超音波トランスデューサアレイは、前記ハウジングに接続されており、かつ第1平面内の第1方向に第1平面超音波ビームを放射するように構成されている。第2超音波トランスデューサアレイは、前記ハウジングに接続されており、かつ第1平面にほぼ直交する第2平面内の第1方向に第2平面超音波ビームを放射するように構成されている。第1光源は、前記ハウジングに接続されており、かつほぼ第1平面内に第1ライトラインを投射するように構成されている。第2光源は前記ハウジングに接続されており、また第1平面にほぼ直交し、かつ第2平面と斜角で交差する第3平面内に第2ライトラインを投射するように構成されている。第1ライトラインは、第2ライトラインに交差し、かつ第2ライトラインにほぼ直交する。
【0006】
一実施形態において、前記超音波プローブはハンドヘルド装置で具体化される。別の実施形態では、第1超音波トランスデューサアレイ及び第2超音波トランスデューサアレイはT字形構成に配列されている。
【0007】
一実施形態において、第1光源は第1レーザーであり、第2光源は第2レーザーである。別の実施形態において、第2レーザーは一定の投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように構成されており、前記投射角度は90°未満である。さらなる実施形態において、第2レーザーにはステッパモータが接続されている。さらなる実施形態において、前記ステッパモータは、第2レーザーを回転させ、それにより前記投射角度を調節するように構成されており、調整された投射角度は90°未満である。さらに別の実施形態において、第1レーザーに対する第2レーザーの位置は調整可能である。
【0008】
一実施形態において、前記超音波プローブはさらにコントロールパネルを備える。別の実施形態では、前記コントロールパネルはタッチスクリーンを備える。さらなる実施形態において、前記超音波プローブは、前記超音波プローブに接続され、かつ第1超音波トランスデューサアレイからの第1画像と第2超音波トランスデューサアレイからの第2画像との双方を表示するように構成されたスクリーンを備える。さらなる実施形態において、前記スクリーンは中心線を表示するように構成されている。別の実施形態では、前記中心線は第2超音波トランスデューサアレイの中心に一致する。さらに別の実施形態では、前記中心線は、第1超音波トランスデューサアレイと第2超音波トランスデューサアレイとの間の交点に一致する。
【0009】
一実施形態において、前記超音波プローブは、前記超音波プローブに接続された滅菌カバーをさらに備える。別の実施形態において、前記滅菌カバーは、第1光源及び第2光源の上に配置されるように構成された硬質光透過性材料を含む。さらなる実施形態において、前記滅菌カバーは、前記硬質光透過性材料に接続された軟質バッグをさらに備える。
【0010】
本発明はまた、器具を表面から前記表面下に位置する標的構造物に導く方法にて具体化される。一実施形態において、前記方法は、第1平面内の第1方向に第1平面超音波ビームを放射する工程と、第2平面内の第1方向に第2平面超音波ビームを放射する工程と、ほぼ第1平面内に第1ライトラインを投射する工程と、第3平面内に第2ライトラインを投射する工程と、前記器具の端部を進入点と整合させる工程と、前記一定長の器具を誘導経路及び進入角度の双方と整合させる工程と、前記一定長の器具の誘導経路及び進入角度の双方との整合を実質的に維持したまま、前記器具を前記進入点を介して前記表面下に位置する標的構造物に向けて誘導する工程とを含む。第2平面及び第3平面は双方とも第1平面にほぼ直交する。第3平面は第2平面と斜角で交差し、前記器具に対する進入角度を規定する。第1ライトラインは、前記器具のための誘導経路を画定する。第2ライトラインは第1ライトラインと交差し、第1ライトラインにほぼ直交し、かつ第1ライトラインと第2ライトラインとの間の交点は前記器具のための進入点を画定する。
【0011】
一実施形態において、前記方法は、第1平面超音波ビームからの第1画像及び第2平面超音波ビームからの第2画像の双方を表示することを含む。さらなる実施形態において、第2画像は中心線を含む。別の実施形態において、前記中心線は第2平面超音波ビームの中心に一致する。さらに別の実施形態において、前記中心線は、第1平面超音波ビームと第2平面超音波ビームとの間の交点に一致する。
【0012】
一実施形態において、前記方法は、第2画像の中心線が前記標的構造物の画像上のほぼ中心に置かれるように、第2平面超音波ビームを標的構造物上に整合させることを含む。別の実施形態では、前記方法は、第2画像の中心線が前記標的構造物上のほぼ中心に置かれている間に、前記標的構造物が第1画像において視認可能となるように、第1平面超音波ビームを前記標的構造物上に整合させることを含む。
【0013】
別の実施形態では、前記方法は、第1画像又は第2画像上において前記標的構造物を選択することを含む。さらなる実施形態では、前記方法は、所望の進入角度を選択することを含む。さらなる実施形態では、前記方法は第1画像上において所望の進入点を選択することを含む。さらに別の実施形態において、前記方法は第1画像上における所望の進入点及び所望の進入角度の双方を選択することを含む。
【0014】
一実施形態において、前記方法は、前記標的構造物と第2ライトラインを投射する光源との間の垂直距離及び水平距離の双方を求めることを含む。一実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面と前記標的構造物との間の交点に実質的に入射するように、第3平面内に第2ライトラインを投射するのに必要とされる光源の投射角度を計算することを含む。前記投射角度はα=arctan(y/x)の式によって定義され、前記式中、αは投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離である。別の実施形態において、前記方法は、ほぼ計算した投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように前記光源を回転させることを含む。
【0015】
一実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面と前記標的構造物との間の交点に実質的に入射するように、第3平面内に第2ライトラインを投射するのに必要とされる光源の位置を計算することを含む。前記位置はtan α=y/xの式から求められ、前記式中、αは前記光源の投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離である。別の実施形態において、前記方法は、前記光源をほぼ計算した位置に移動させることを含む。
【0016】
一実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面と前記標的構造物との間の交点に実質的に入射するように、第3平面内に第2ライトラインを投射するのに必要とされる前記光源の投射角度及び位置の双方を計算する工程を含む。前記投射角度及び位置は、tan α=y/xの式から求められ、前記式中、αは投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離である。別の実施形態において、前記方法は、ほぼ計算した投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように前記光源を回転させることと、前記光源をほぼ計算した位置に移動させることとを含む。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原理を示す添付図面とともに解釈される以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの左上斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの正面図。
【
図3】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの平面図。
【
図4】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの左立面図。
【
図5】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの左下斜視図。
【
図6】本発明の一実施形態に従った超音波プローブの底面図。
【
図7】超音波プローブが器具を表面に向けて導いている、本発明の一実施形態に従った使用時における超音波プローブの左上斜視図。
【
図8】超音波プローブが器具を表面下に位置する標的構造物に導いている、本発明の一実施形態に従った使用時における超音波プローブの右前斜視図。
【
図9】超音波プローブが器具を表面下に位置する標的構造物に導いている、本発明の一実施形態に従った使用時における超音波プローブの左後斜視図。
【
図10】超音波プローブが器具を表面下に位置する標的構造物に向けて第1角度で導いている、本発明の一実施形態に従った使用時における超音波プローブの左側面図。
【
図11】超音波プローブが器具を表面下に位置する標的構造物に向けて第2角度で導いている、本発明の一実施形態に従った使用時における超音波プローブの左側面図。
【
図12】超音波プローブが器具を表面に向けて導いている、本発明の一実施形態に従った使用における超音波プローブの上面図。
【
図13】標的構造物に関連して表面上に位置する超音波プローブを示す、本発明の一実施形態に従った超音波プローブの左側面図。
【
図14】本発明の一実施形態に従って表面下に位置する標的構造物に器具を導くための使用時における超音波プローブ及びスクリーンの図。
【
図15】本発明の一実施形態に従った滅菌カバーを備えた超音波プローブの正面図。
【
図16】本発明の一実施形態に従った滅菌カバーを備えた超音波プローブの左立面図。
【
図17】折り畳まれた滅菌カバーの側面が折り目を示すように断面で示されている、本発明の一実施形態に従った超音波プローブ及び折り畳まれた滅菌カバーの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで例示的な図面の
図1〜
図6を参照すると、本発明の実施形態に従った超音波プローブ100が示されている。一実施形態において、超音波プローブは、ハウジング105、第1超音波トランスデューサアレイ110、第2超音波トランスデューサアレイ115、第1光源120及び第2光源125を備える。
【0020】
一実施形態において、第1超音波トランスデューサアレイ110及び第2超音波トランスデューサアレイ115は、ハウジング105内に直接的又は間接的に封入されており、かつ互いにほぼ直交している。一実施形態において、前記超音波トランスデューサアレイはT字形構成に配列されている。さらなる実施形態では、前記超音波トランスデューサアレイは、バイプレーン線形(biplane linear)構成、マルチプレーン(multiplane)構成、又は3D配置に構成され得る。別の実施形態では、前記超音波トランスデューサアレイは、線形シーケンシャルアレイ(linear sequential arrays)、線形フェイズドアレイ(linear phased arrays)又は湾曲シーケンシャルアレイ(curved sequential arrays)として構成される。
【0021】
第1光源120及び第2光源125は、ハウジング105に接続されている。前記光源の各々は、平面内にライトライン(light line)を放射することができるレーザー又は他の光源であり得る。
【0022】
図7〜
図13を参照すると、第1超音波トランスデューサアレイ110は、第1平面112内の第1方向113に第1平面超音波ビーム111を放射するように構成されている。第2超音波トランスデューサアレイ115は、第2平面117内の第1方向に第2平面超音波ビーム116を放射するように構成されている。第2平面は、第1平面にほぼ直交している。一実施形態において、第1平面超音波ビーム及び第2平面超音波ビームは掃引された超音波ビーム(swept ultrasonic beams)であってもよい。
【0023】
第1光源120は、ほぼ第1平面内に第1ライトライン121を投射するように構成されている。第2光源125は、第3平面127内に第2ライトライン126を投射するように構成されている。第3平面は、第1平面にほぼ直交し、第2平面と斜角128で交差する。第1ライトラインは、第2ライトラインに交差し、かつ第2ライトラインにほぼ直交する。
【0024】
超音波トランスデューサアレイ110,115は、使用者が表面10の下に位置する標的構造物20を視覚化することを可能にする。例えば、超音波プローブ100は、皮膚下の静脈に向けて皮膚を通して平面超音波ビーム111,116を放射するために、患者の皮膚上に配置され得る。当業者にはよく分かるように、前記トランスデューサアレイは、反射した超音波を収集して、それらの音波を前記トランスデューサアレイの下に位置する領域の画像を生成するために用いることができる信号に変換するように構成されている。
【0025】
図14を参照すると、一実施形態において、スクリーン150は超音波プローブ100に接続されており、かつ第1超音波トランスデューサアレイ110からの第1画像151及び第2超音波トランスデューサアレイ115からの第2画像152の双方を表示するように構成されている。さらなる実施形態では、前記スクリーンは中心線153を表示するように構成されている。一実施形態において、前記中心線は、第2超音波トランスデューサアレイの中心118(
図5及び
図6)に一致する。別の実施形態では、前記中心線は、第1超音波トランスデューサアレイと第2超音波トランスデューサアレイとの間の交点に一致する。前記スクリーンは、前記超音波プローブに直接的又は間接的に接続され得る。例えば、前記スクリーンは、ワイファイ(WiFi)ラジオ、ブルートゥース、イーサネット、USB、又は他の有線又は無線接続手段によって前記超音波プローブに接続され得る。
【0026】
第1超音波トランスデューサアレイ及び第2超音波トランスデューサアレイ110,115が同一方向に、かつ直交平面内に平面超音波ビーム111,116を放射するように構成されているため、超音波プローブ100は表面10上に配置されて、前記表面下の標的構造物の長手方向画像及び横断画像を同時に提供することができる。一実施形態において、前記長手方向画像は、第1超音波トランスデューサアレイ110によって生成された第1画像151であり、横断画像は第2超音波トランスデューサアレイ115によって生成された第2画像152である。
【0027】
使用中に、この構成は、使用者が標的構造物20及び前記標的構造物に関連したニードルのような器具30の位置を視覚化することを可能にすることができる。より詳細には、第1画像及び第2画像151,152、並びに任意の中心線153は、標的構造物の位置を特定し、器具が表面下で標的構造物に向かって移動する際に前記器具を追跡するのを容易にするために用いることができる。
【0028】
例えば、小動脈及び神経の長手方向画像を得て維持することは困難であり得るが、これらの小さな構造物の横断画像を得て維持することは比較的容易である。2つの画像の組み合わせは、操作者が前記長手方向画像内において小動脈又は神経の実質的な長さを維持するために、前記超音波プローブの位置を調節する手段として横断画像を用いることを可能にする。より詳細には、操作者は、前記横断画像の中心線153が標的構造物上のほぼ中心に置かれるように、標的構造物20上において超音波プローブ100の位置を調節することができる。一実施形態において、前記中心線は第1超音波トランスデューサアレイ110と第2超音波トランスデューサアレイ115との間の交点に一致するので、前記標的構造物の少なくとも一部は前記横断画像に最も近い長手方向画像内において視認可能なはずである。整合を終了するために、操作者は、前記標的構造物の実質的な長さが前記長手方向画像内において視認可能となるように、前記超音波プローブを旋回させることができる。
【0029】
標的構造物20上にそのように整合させた超音波プローブ100では、第1ライトライン及び第2ライトライン121,126は、器具30を表面10から前記表面下の標的構造物20へ導くための視覚的ガイドとして用いられ得る。例えば、第1平面超音波ビーム111が標的構造物と整合されると、第1ライトライン121は実質的に第1平面超音波ビームの第1平面112内に位置するので、第1ライトライン121は前記器具のための誘導経路121を画定する。
【0030】
同様に、第3平面127は器具30に対して進入角度129を画定するように構成され得、また、第2ライトライン126と第1ライトライン121との間の交点130は、前記器具のための進入点130を画定し得る。上記で検討したように、第2ライトラインは、第2平面超音波ビーム116の第2平面117と斜角128で交差する第3平面内に投射される。実質的に第2平面が標的構造物20と交差する地点で第3平面が第2平面と交差するならば、第3平面は器具129に対して進入角度を規定するであろう。
【0031】
そのように配置され構成された超音波プローブにより、操作者は、器具30の端部を進入点130と整合させ、一定長の器具を誘導経路121及び進入角度129の双方と整合させ、前記一定長の器具と誘導経路及び進入角度の双方との整合を実質的に維持しながら、前記進入点を介して前記器具を表面10の下に位置する標的構造物20に向けて誘導する。このように、超音波プローブ100は、前記器具が、実質的に第1平面超音波ビーム及び第2平面超音波ビーム111,116の交差部において前記標的構造物に到達するように、前記器具を表面から表面下の標的構造物に導くために用いることができる。
【0032】
もちろん、前記表面下の異なる深さにおける異なる標的構造物では(例えば
図10及び
図11)、第3平面127は、実質的に第2平面が標的構造物20と交差する地点において第3平面127が第2平面117と交差するように調節される必要があり得る。従って、いくつかの実施形態では、第2光源125は、第3平面及びその平面内における第2ライトライン126の位置又は向きを変更するために、第1光源120に対して回転又は移動され得る。
【0033】
図7〜
図13を再度参照すると、一実施形態において、第2光源125は投射角度129において第3平面127内に第2ライトライン126を投射するように構成されており、前記投射角度は90°未満である。さらなる実施形態では、第2光源にステッパモータ(図示せず)が接続されている。前記ステッパモータは、第2光源に直接的又は間接的に接続され得る。特に
図10及び
図11を参照すると、さらなる実施形態において、前記ステッパモータは、第2光源を回転させ、それにより前記投射角度を調節するように構成されており、調整された投射角度は90°未満である。
【0034】
図13を参照すると、投射角度129(又は進入角度)は、α=arctan(y/x)の式によって定義され、前記式中、αは投射角度であり、yは前記標的構造物20と第2光源125との間の垂直距離135であり、xは前記標的構造物と第2光源との間の水平距離140である。
【0035】
さらに別の実施形態において、第1光源120に対する第2光源125の位置は調整可能である。例えば、実質的に第2平面が標的構造物20と交差する地点において第3平面127が第2平面117と交差するように、第2光源の位置は、第1光源に対して、水平方向、垂直方向、又はそれらの双方において調整可能であり得る。そのような場合、第2光源の位置は、tan α=y/xの式によって定義され、前記式中、αは第2光源の投射角度129であり、yは前記標的構造物と第2光源との間の垂直距離135であり、xは前記標的構造物と第2光源との間の水平距離140である。
【0036】
図2を再度参照すると、一実施形態において、超音波プローブ100は、任意でタッチスクリーンを備えてもよいコントロールパネル160をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記コントロールパネルは、電源ボタン、超音波画像を記録するためのボタン、及び前記超音波プローブによって生成されているリアルタイム画像のビデオを記録するためのボタンを含む。別の実施形態において、画像出力(image power)及びコントラストは、前記標的構造物の深さ及び角度と同様に、調節することができる。
【0037】
さらなる実施形態において、前記コントロールパネルは、異なる処置又は個人に対する事前設定(presets)を含み得る。これらの事前設定は個人によって変更され、将来の再呼び出し及び使用のために格納され得る。例えば、ある操作者には30°で橈骨動脈にアクセスすることが好ましいが、別の操作者には45°のようなより急な角度が好ましいことがある。そのような場合、操作者は、操作者の好ましい投射角度を選択し、これを将来の処置のために事前設定値として設定するであろう。
【0038】
図15〜
図17を参照すると、一実施形態において、超音波プローブ100は、超音波プローブ100に接続された滅菌カバー165をさらに備える。別の実施形態では、超音波の伝導を最適化し、かつ最小の超音波出力で画質を最適化するために、滅菌プローブカバー165とともに超音波ゲルを用いることができる。さらなる実施形態では、滅菌カバー165は、第1光源120及び第2光源125の上に配置されるように構成された、硬質プラスチックのような硬質光透過性材料165’を備える。この硬質光透過性材料は、光のひずみ及び減衰を最小限にしながら、光源を覆うことができる。そのため、硬質光透過性材料165’は、前記ライトラインと平面超音波ビームとの間の所望の関係を維持しながら滅菌環境を提供する。さらなる実施形態では、滅菌カバー165は、超音波プローブ、カバー又はそれらの双方の上に備えられ得る1つ以上の取付け点166によって超音波プローブ100に固定されている。
【0039】
特に
図17を参照すると、一実施形態において、滅菌カバー165は、少なくとも1片の硬質光透過性材料165’に接続された軟質バッグ167をさらに備える。一実施形態において、硬質材料165’は軟質バッグ167上に熱融着されている。前記軟質バッグの溶融部分は、しわにならない、すなわち光がそれを通過したときに光のひずみ及び減衰を引き起こさないであろう溶融層を前記硬質材料上に形成するであろう。
【0040】
軟質バッグ167は、複数の折り目溝170を形成するようにそれ自体の上に折り畳まれ得る。
図17は、折り目溝170を示すために前記バッグの側面が断面で示されている、一実施形態に従った折り畳まれた軟質バッグ167を示している。硬質材料165’は中心ポケット171の前側において視認可能である。一実施形態において、前記軟質バッグは、前記軟質バッグの周縁から折り畳まれた軟質バッグ167の上部を横切って中心ポケット171内に延びるガイド部分168をさらに備える。さらなる実施形態において、前記ガイド部分は不透明であり、従って、上から見たときに、前記ガイド部分は中心ポケット171の底部以外を覆い隠す。従って、ガイド部分168は中心ポケット171につながる漏斗を形成するように構成され得る。このように、前記ガイド部分は、超音波プローブ100の適切な折り目溝(すなわち中心ポケット171)内への配置を容易にする。さらに別の実施形態では、ガイド部分168は、軟質バッグ167を広げて、それを超音波プローブ及びそのケーブル172上に引くために使用者が引っ張ってもよい1つ以上のタブ169をさらに備える。
【0041】
使用時、操作者は、超音波ゲルを中心ポケット171に添加し、中心ポケット内に超音波プローブ100を配置し、硬質光透過性部材165’を第1光源及び第2光源120,125上に整合させ、硬質部材165’を取付け点166において前記超音波プローブに取り付け、タブ169を引っ張って、軟質バッグ167を超音波プローブ上に引く。
【0042】
別の実施形態では、前記超音波プローブは、操作者が滅菌状態下で前記超音波プローブと相互に作用することを可能にし得る滅菌スクリーン保護材(図示せず)をさらに備える。一実施形態において、前記スクリーン保護材は、前記スクリーン保護材を適所に維持及び支持し、かつ自由選択のタッチスクリーン機能の使用を可能にするために前記スクリーン保護材を張り渡す真空システム(図示せず)によって適所に保持され得る。前記真空システムは、前記カバーが前記スクリーン上に配置されて、前記スクリーン内のセンサーと接触すると作動し得る。
【0043】
さらなる実施形態では、深さガイドを備えた反射性ニードルが器具30として提供される。前記ニードルの超音波反射性は、前記ニードルが標的構造物20に接近する際のニードルの可視化を向上するために増強され得る。別の実施形態において、前記ニードルの表面は超音波反射物を含む。さらなる実施形態において、前記ニードルは一定間隔でエッチングされている。これらのマーキングは表面下におけるニードルの深さを示すために用いることができる。
【0044】
図7〜
図13を再度参照すると、本発明はまた、器具30を表面10から前記表面下に位置する標的構造物20に導く方法にて具体化されている。一実施形態において、前記方法は、第1平面内112の第1方向113に第1平面超音波ビーム112を放射する工程と、第2平面117内の第1方向に第2平面超音波ビーム116を放射する工程と、ほぼ第1平面内に第1ライトライン121を投射する工程と、第3平面127内に第2ライトライン126を投射する工程と、前記器具の端部を進入点130と整合させる工程と、前記一定長の器具を誘導経路121及び進入角度129の双方と整合させる工程と、前記一定長の器具の誘導経路及び進入角度の双方との整合を実質的に維持したまま、前記器具を前記進入点を介して前記表面下に位置する標的構造物に向けて誘導する工程とを含む。第2平面及び第3平面は双方とも第1平面にほぼ直交する。第3平面は第2平面と斜角128で交差し、また前記器具に対する進入角度を規定する。第1ライトラインは、前記器具のための誘導経路を画定する。第2ライトラインは第1ライトラインと交差し、第1ライトラインにほぼ直交し、かつ第1ライトラインと第2ライトラインとの間の交点130は前記器具のための進入点を画定する。
【0045】
特に
図14を参照すると、一実施形態において、前記方法は、第1平面超音波ビーム111からの第1画像151及び第2平面超音波ビーム116からの第2画像152の双方を表示することを含む。別の実施形態では、第2画像は中心線153を含む。さらなる実施形態において、前記中心線は第2平面超音波ビームの中心118に一致する。さらに別の実施形態において、前記中心線は、第1平面超音波ビームと第2平面超音波ビームとの間の交点に一致する。
【0046】
一実施形態において、前記方法は、第2画像152の中心線153が前記標的構造物上のほぼ中心に置かれるように、第2平面超音波ビーム116を標的構造物20上に整合させることを含む。別の実施形態において、前記方法は、第2画像151の中心線が前記標的構造物上のほぼ中心に置かれている間に、前記標的構造物が第1画像151において視認可能となるように、第1平面超音波ビーム111を前記標的構造物上に整合させることを含む。
【0047】
別の実施形態では、前記方法は、第1画像又は第2画像151,152上の前記標的構造物20を選択することを含む。例えば、前記標的構造物を自動的又は手動のいずれかで識別することができ、表面10から標的構造物までの最良経路を選択するためにタッチスクリーンを用いることができる。さらなる実施形態では、前記方法は、所望の進入角度129を選択することを含む。さらなる実施形態では、前記方法は第1画像151上において所望の進入点130を選択することを含む。さらに別の実施形態において、前記方法は第1画像上における所望の進入点及び所望の進入角度の双方を選択することを含む。
【0048】
図13を参照すると、一実施形態において、前記方法は、前記標的構造物20と第2ライトライン126を投射する光源125との間の垂直距離135及び水平距離140の双方を求めることを含む。別の実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面117と前記標的構造物との間の交点に実質的に入射するように、第3平面127内に第2ライトラインを投射するのに必要とされる光源の投射角度129を計算することを含む。前記投射角度はα=arctan(y/x)の式によって定義され、前記式中、αは投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離135であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離140である。別の実施形態において、前記方法は、ほぼ計算した投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように前記光源を回転させることを含む。
【0049】
一実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面117と前記標的構造物20との間の交点に実質的に入射するように、第3平面127内に第2ライトライン126を投射するのに必要とされる光源125の位置を計算することを含む。前記位置はtan α=y/xの式から求められ、前記式中、αは前記光源の投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離135であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離140である。別の実施形態において、前記方法は、前記光源をほぼ計算した位置に移動させることを含む。
【0050】
一実施形態において、前記方法は、第3平面が第2平面117と前記標的構造物20との間の交点に実質的に入射するように、第3平面127内に第2ライトライン126を投射するのに必要とされる光源125の投射角度129及び位置の双方を計算する工程を含む。前記投射角度及び位置は、tan α=y/xの式から求められ、前記式中、αは投射角度であり、yは前記標的構造物と前記光源との間の垂直距離135であり、xは前記標的構造物と前記光源との間の水平距離140である。別の実施形態において、前記方法は、ほぼ計算した投射角度において第3平面内に第2ライトラインを投射するように前記光源を回転させることと、前記光源をほぼ計算した位置に移動させることとを含む。
【0051】
先の記載から、本発明は、医療関係者が、より容易かつ正確で、合併症の少ない体内構造物に関係する処置を安全に実施することを可能にする超音波プローブを提供することが理解されるはずである。前記超音波プローブは、器具を表面から前記表面下に位置する標的構造物に確実に、かつ連続的に導くために用いられ得る。
【0052】
特定の方法、装置及び材料が記載されているが、記載したそれらに類似しているか、又は均等であるいかなる方法及び材料も本実施形態の実施又は試験において用いることができる。別段に定義されていない限り、本願において用いられる技術用語及び科学用語はすべて、この実施形態が属する業における当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。
【0053】
それ以上の詳述を要することなく、当業者は前述の説明を用いて、本発明を最大限に製造及び使用することができると考えられる。本発明は、現在の好ましい実施形態のみに関して詳細に記載されている。当業者は、本発明から逸脱することなく、様々な変更をなすことができることを認識するであろう。従って、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。