(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832273
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】非アルコール性脂肪性肝疾患を治療するための長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20210215BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20210215BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20210215BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20210215BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20210215BHJP
C07K 14/575 20060101ALN20210215BHJP
【FI】
A61K47/68
A61K38/22
A61P1/16
A61P35/00
A61P3/06
!C07K14/575ZNA
【請求項の数】21
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-514869(P2017-514869)
(86)(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公表番号】特表2017-529354(P2017-529354A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】KR2015009753
(87)【国際公開番号】WO2016043533
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年9月14日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0122862
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515022445
【氏名又は名称】ハンミ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ファン,サン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ,イン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,スン ヨブ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,セ チャン
【審査官】
渡邉 潤也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/017843(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/133667(WO,A1)
【文献】
Hepatobiliary Pancreat Dis Int.,2013年,12,p.584-588
【文献】
Hepatology Research,2015年,45,p.269-278,Epub 2014 May 28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/00
A61K 38/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストコンジュゲートを含む、コラーゲン−1a、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、およびステロール調節エレメント結合タンパク質−1c(SREBP−1c)、の少なくとも1つの発現または活性を低減することによる、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬組成物であって、
前記コンジュゲートが、
配列番号2〜配列番号34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト、
免疫グロブリンFc領域、および
非ペプチジルポリマーを含み、
前記非ペプチジルポリマーが、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストおよび免疫グロブリンFc領域に共有結合する、前記組成物。
【請求項2】
体重増加の副作用を有さないことまたは体重増加の副作用を減少することのいずれかを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記組成物が、さらに肝臓トリグリセリド、または血中コレステロールを低減する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、または肝臓がんである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、前記GLP−1受容体とグルカゴン受容体を同時に活性化する、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、配列番号24、25または26のアミノ酸配列を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、配列番号24のアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの位置12および16、または位置16および20のアミノ酸が環を形成する、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、配列番号25のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、配列番号26のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記非ペプチジルポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖、ポリビニルエチルエーテル、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸−グリコール酸(PLGA)、脂質ポリマー、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せである、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記非ペプチジルポリマーが、ポリエチレングリコールである、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記多糖が、デキストラン、キチンまたはこれらの組合せである、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記免疫グロブリンFc領域が、無グリコシル化状態にある、請求項1〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記免疫グロブリンFc領域が、CH1、CH2、CH3またはCH4ドメインの1〜4個のドメインを含む、請求項1〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記免疫グロブリンFc領域がヒンジ領域をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記免疫グロブリンFc領域が、IgG、IgA、IgD、IgEまたはIgM由来のFc領域である、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記CH1、CH2、CH3およびCH4ドメインが、IgG、IgA、IgD、IgEおよびIgMのCH1、CH2、CH3およびCH4ドメインのハイブリッドである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記免疫グロブリンFc領域が、IgG、IgA、IgD、IgE、IgMまたはそれらの組合せに由来するドメインからなる単鎖免疫グロブリンのダイマーまたはポリマーである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1〜19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項21】
コラーゲン−1a、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、およびステロール調節エレメント結合タンパク質−1c(SREBP−1c)、の少なくとも1つの発現または活性を低減することによる、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬を製造するための、長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストコンジュゲートの使用であって、
前記コンジュゲートが、
配列番号2〜配列番号34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト、
免疫グロブリンFc領域、および
非ペプチジルポリマーを含み、
前記非ペプチジルポリマーが、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストおよび免疫グロブリンFc領域に共有結合する、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを含む非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬組成物、およびこの組成物を投与することを含む非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、アルコール性肝疾患と類似した組織形成を示すタイプの疾患であるが、アルコール消費とは関係がなく、非アルコール性脂肪肝(NAFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、および肝細胞癌と関係がある一種のメタボリックシンドロームである。非アルコール性脂肪性肝疾患の発生は、肥満および糖尿病がある集団の増加と共に増加する。韓国では、その年間発生率は約16%に達している。
【0003】
非アルコール性脂肪性肝疾患は、インスリン抵抗性、脂肪毒性および炎症反応などの様々な病因によって引き起こされることが知られている。これらの中で、最も一般的な病因はインスリン抵抗性である。
【0004】
非アルコール性脂肪性肝疾患の予防/治療目的で、インスリン抵抗性を改善するための多くの労力が費やされている。例えば現在、一種のインスリン増感薬であるチアゾリジンジオン(thiazolidnedinones)(TZD)またはメトホルミンに関する治験が活発に行われている(Hepatology (2003) 38: 1008-17, J Clin Invest (2001) 108: 1167-74を参照)。
【0005】
しかしながら、TZD系薬剤を用いた治療の場合、大幅な体重増加および体液流動の遅延という幾つかの欠点があり、したがってこのような治療剤の使用は、心臓疾患がある患者には実行不可能であることが知られている。TZD系薬剤以外に、非アルコール性脂肪性肝疾患用のVictozaまたはByettaなどのGLP−1受容体アゴニストを使用した臨床試験が活発に行われている。しかしながら、これらの場合in vivo半減期が非常に短く、したがって、他のポリペプチドホルモンと同様に、1日1回または少なくとも2回反復投与を行わなければならない。したがって、患者にとって不便であることによる欠点が存在する。このような頻繁投与は、患者に多大な痛みと不快感を引き起こす。すなわち、インスリン抵抗性を改善するメカニズムによって、非アルコール性脂肪性肝疾患用の治療剤として糖尿病に一般的な治療剤を単純に使用することには、様々な副作用または患者の不便などの幾つかの欠点がある。これらの要因のため、インスリン抵抗性を改善するための薬剤などの糖尿病の治療において有効であることが知られている薬剤を、非アルコール性脂肪性肝疾患用の治療剤として直接使用するとき、副作用などの問題をもたらし得る様々な要因が当技術分野で知られている。したがって、インスリン抵抗性を改善するための薬剤などの糖尿病の治療において有効であることが知られている薬剤を、非アルコール性脂肪性肝疾患用の治療剤として明確に使用できるかどうかは議論の余地がある。このように、依然として、副作用なしに患者の利便性を保証しながら、非アルコール性脂肪性肝疾患を治療することができる薬剤を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、体重増加などの副作用なしに半減期を増大させながら患者のコンプライアンスを最大にする、非アルコール性脂肪性肝疾患の予防または治療用の薬剤を開発するために多くの労力を費やしている。結果として本発明者らは、Fc断片と結合した長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのin vivo半減期が大幅に改善され、体重減少の有効な結果も得られ、さらに肝臓トリグリセリドおよび血中コレステロールが減少することを発見している。本発明は、このような発見に基づき完成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一目的は、長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを含む非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬組成物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、非アルコール性脂肪性肝疾患の疑いがあるまたはそれを有する対象にこの組成物を投与することを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための方法を提供することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、現在まで非アルコール性脂肪性肝疾患に適用されている薬剤の種類を増やすことにより患者の選択肢を広げることができ、血中半減期を著しく増大させることにより患者の利便性を増すことができる。さらに本発明は、体重増加などの副作用を減らすことにより、非アルコール性脂肪性肝疾患以外の疾患を有する患者への危険なしに適用することができる新たな代替物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】高脂肪、フルクトースおよびコレステロール含有高トランス脂肪飼料摂取ob/obマウスモデルにおける、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストによる体重および肝臓重量の変化を示すグラフである。
【
図2】高脂肪、フルクトースおよびコレステロール含有高トランス脂肪飼料摂取ob/obマウスモデルにおける、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストによるコラーゲン−1a、TNF−α、SREBP−1cのmRNAを測定した結果を示すグラフである。
【
図3】高トランス脂肪飼料摂取DI0マウスモデルにおける、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストによる肝臓トリグリセリドおよび血中コレステロールの含有量の低下を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
目的を達成するため、本発明の一態様は、長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを含む非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬組成物を提供する。
【0012】
長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、デュアルアゴニストの活性継続期間を増大することができる生体適合性材料または担体が共有結合またはリンカーによりアゴニストと結合したコンジュゲート型である長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであってよい。
【0013】
インスリン抵抗性を改善するメカニズムであるインスリン応答を改善する薬剤であるTZD系薬剤、および従来の非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤を用いた治療の場合、大幅な体重増加および体液流動の遅延などの副作用のため、心臓疾患がある患者にこの治療を施すのは実行不可能であった点で幾つかの欠点がある。ペプチドホルモンなどのタンパク質薬剤の場合、in vivo半減期が短く、したがって反復投与が必要である点で幾つかの欠点がある。本発明者らは、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、非アルコール性肝疾患の様々な動物モデルにおいて体重増加の副作用を有しない、または体重増加の副作用を減少させるのいずれかであること、および長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが、血中での持続性が劇的に増大される型で非アルコール性脂肪性肝疾患を治療できることを発見している。したがって本発明を実施して、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの使用をもたらした。
【0014】
本発明の組成物は、体重増加の副作用を有さないことまたは体重増加の副作用を減少させることのいずれかを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の組成物は、以下の機能:(a)線維症マーカーであるコラーゲン−1aの発現または活性の低減、(b)炎症促進性マーカーである腫瘍壊死因子−α(TNF−α)の発現または活性の低減、(c)脂肪生成マーカーであるステロール調節エレメント結合タンパク質−1c(SREBP−1c)の発現または活性の低減、(d)肝臓トリグリセリドの低減、および(e)血中コレステロールの低減の少なくとも1つを行うことによって、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療することができる。
【0016】
本発明の一実施形態では、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを非アルコール性脂肪性肝疾患の様々な動物モデルに投与した。結果として、体重および肝臓重量が非治療群と比較して有意に減少したこと(
図1)、および従来型治療剤の使用時ほどは体重増加などの副作用がなかったことが確認された。さらに、コラーゲン−1a、TNF−α、SREBP−1cの発現が非治療群と比較して顕著に低減し、これによって線維症、すなわち肝線維症を予防し、炎症を抑制し、脂肪蓄積を抑制すること(
図2)が確認された。したがって、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、様々な非アルコール性肝疾患の予防および治療用の薬剤として使用することができることが確認された。さらに、肝臓トリグリセリドおよび血中コレステロールが非治療群と比較して有意に減少したこと、およびそれらが正常動物レベルまで有意に減少したことが確認された(
図3)。したがって、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、様々な非アルコール性肝疾患の予防および治療用の優れた薬剤として使用することができることが確認された。
【0017】
本明細書で使用する用語「GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト」は、「GLP−1/グルカゴンデュアルアゴニスト」と区別なく使用することができる。GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、オキシントモジュリン、天然GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのようなGLP−1/グルカゴンデュアル活性を有する全てのペプチド、またはその断片、前駆体、誘導体もしくは変異体、およびGLP−1とグルカゴン受容体を同時に活性化することができる物質も含むが、これらだけには限られない。本発明では、GLP−1/グルカゴン受容体アゴニストは、長時間作用性の技法を施して短い半減期を克服した受容体デュアル−デュアルアゴニスト、および好ましくは1週間に1回投与することができる長時間作用性受容体デュアルアゴニストであってよいが、これらだけには限られない。本発明によるGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの具体例は、例えばその全容が参照により本明細書に組み込まれている韓国特許出願公開第10−2012−0137271号および同第10−2012−0139579号明細書中に記載されたような、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト、その誘導体、およびその長時間作用性タイプを部分的に含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、生体適合性材料または担体が共有結合またはリンカーによりアゴニストと結合したコンジュゲート型であってよい。別の実施形態では、このような長時間作用性タイプは、公知の遺伝子組み換え技法によって、生体適合性材料または担体が共有結合によりGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストと直接結合することができる型であってよい。長時間作用性タイプの前述のGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの配列が長時間作用性タイプではないが他は同じである型と比較して、半減期またはバイオアベイラビリティを改善することができる。本発明の一実施形態によれば、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの一例として、免疫グロブリンFc領域が非ペプチドポリマーリンカー、好ましくはPEGによりGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの第30アミノ酸と結合した組成物を使用することができるが、これらだけには限られない。
【0019】
本明細書で使用する用語「生体適合性材料」または「担体」は、生体適合性材料および担体が直接的または間接的に本発明のGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストに共有または非共有結合してコンジュゲートを形成するとき、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの活性継続時間を増大することができる材料を指す。例えば、コンジュゲートの形成時に、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのin vivo半減期を増大することができる材料は、本発明による生体適合性材料または担体であり得る。半減期を増大するために使用することができる生体適合性材料または担体のタイプは変化し、その例はポリエチレングリコール、脂肪酸、コレステロール、アルブミンおよびその断片、アルブミン結合物質、特定アミノ酸配列の反復単位のポリマー、抗体、抗体断片、Fc胎児性受容体(FcRn)結合物質、in vivo結合組織、ヌクレオチド、フィブロネクチン、トランスフェリン、糖、ポリマーなどを含み得る。当然ながら、担体または生体適合性材料はその少なくとも2つの組合せで使用することができる。生体適合性材料または担体は、共有または非共有結合を介してin vivo半減期を延長する生体適合性材料を含む。
【0020】
本発明では、生体適合性材料または担体をGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストと結合させる方法は、遺伝子組み換え法、およびポリマーまたは低分子量化学物質を使用したin vitro結合を含むが、これらだけには限られない。FcRn結合物質は免疫グロブリンFc領域であってよい。例えば、ポリエチレングリコールを担体として使用する場合、ポリエチレングリコールに位置特異的に結合させることが可能であるAmbrx Inc.によるRecode技法が含まれ得る。これらの方法は、グリコシル化部分に特異的に結合させることが可能であるNeose社による糖ペグ化技法を含み得る。さらに、これらの方法は、ポリエチレングリコールを除去するPEG切断技法を含み得るが、これらだけには限られない。これらの方法は、PEGを使用してバイオアベイラビリティを増大することができる技法を含み得る。さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性ポリマー、脂質ポリマー、キチン、またはヒアルロン酸などのポリマーを含めることができる。
【0021】
アルブミンを担体として使用する場合、これらの方法は、アルブミンまたはアルブミン断片をGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのペプチドに直接共有結合させin vivo安定性を増大することができる技術を含み得る。アルブミンを直接結合させない場合でも、アルブミン結合物質、例えばアルブミン特異的結合抗体または結合断片をペプチドに結合させアルブミンに結合させる技法、およびアルブミンに対する結合アフィニティーを有する特定ペプチド/タンパク質をペプチドに結合させる技法が含まれ得る。さらに、これらの方法は、アルブミンに対する結合アフィニティーを有する脂肪酸などをペプチドに結合させる技法を含み得るが、これらだけには限られない。アルブミンを使用してin vivo安定性を増大することができる任意の技法または結合法が、本明細書中に含まれ得る。
【0022】
担体として抗体または抗体断片を使用することによりペプチドに結合させin vivo半減期を増大するための技法も、本発明中に含まれ得る。FcRn結合部位を有する抗体または抗体断片を使用することができ、FabなどのFcRn結合部位を含有しない任意の抗体断片を使用することができる。触媒抗体を使用するCovX社のCovX−body技法を本明細書中に含めることができ、Fc断片を使用してin vivo半減期を増大する技法を本発明中に含めることができる。Fc断片、Fc断片およびペプチドに結合するリンカーを使用するとき、その結合法はペプチド結合またはポリエチレングリコールなどだけには限られないがこれらを含むことができ、任意の化学結合法を適用することができる。さらに、本発明のGLP−1/グルカゴン受容体アゴニストデュアルアゴニストの結合比は1:1または1:2であってよいが、これらに限られず、in vivo半減期を増大することができる任意の比を非制限的に含めることができる。
【0023】
さらに、in vivo半減期を増大するために使用される担体は、多糖または脂肪酸などの非ペプチジル物質であってよい。
【0024】
in vivo半減期を増大するために使用され担体と結合するリンカーは、ペプチド、ポリエチレングリコール、脂肪酸、糖、ポリマー、低分子量化合物、ヌクレオチド、およびこれらの組合せなどを含むことができ、非制限的に、例えば非共有化学結合、共有化学結合などの任意の化学結合であってよい。
【0025】
バイオアベイラビリティを増大または活性を連続的に維持することができる製剤は、PLGA、ヒアルロン酸、キトサンなどを使用したマイクロ粒子、ナノ粒子などによる徐放性製剤を含むことができる。
【0026】
さらに、バイオアベイラビリティを増大または活性を連続的に維持することができる異なる態様の製剤は、インプラント、吸入薬、経鼻製剤またはパッチなどの製剤であってよい。
【0027】
本発明の例示的な一実施形態では、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの例は、オキシントモジュリンおよびその誘導体などの天然GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを含むことができ、その長時間作用性製剤なども含めることができる。
【0028】
本明細書で使用する用語「オキシントモジュリン」はグルカゴン前駆体、プレグルカゴン由来のペプチドを意味し、天然オキシントモジュリン、前駆体、誘導体、その断片、およびその変異体を含む。オキシントモジュリンは配列番号1のアミノ酸配列(HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTKRNRNNIA)を有し得ることが好ましい。
【0029】
用語「オキシントモジュリン変異体」は、天然オキシントモジュリンの配列と異なる1つまたは複数のアミノ酸配列を有するペプチドであり、GLP−1とグルカゴン受容体を活性化する機能を保持するペプチドを意味し、天然オキシントモジュリンのアミノ酸配列の一部における置換、付加、欠失、および修飾のいずれか1つによって、またはそれらの組合せによって、オキシントモジュリン変異体を調製することができる。
【0030】
用語「オキシントモジュリン誘導体」は、天然オキシントモジュリンと比較して高レベルでGLP−1受容体とグルカゴン受容体の両方を活性化するように、オキシントモジュリンのアミノ酸の付加、欠失または置換によって調製されるペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣体を含む。オキシントモジュリン誘導体は配列番号25のアミノ酸配列を有することが好ましく、その第16アミノ酸と第20アミノ酸は環を形成することがより好ましい。
【0031】
用語「オキシントモジュリン断片」は、非天然アミノ酸(例えば、D型アミノ酸)を付加することができ、GLP−1受容体とグルカゴン受容体の両方を活性化する機能がある、天然オキシントモジュリンのN末端またはC末端に付加または欠失状態の1つまたは複数のアミノ酸を有する断片を意味する。
【0032】
オキシントモジュリンの変異体、誘導体、および断片用のそれぞれの調製法は、個別または組合せで使用することができる。例えば本発明は、天然ペプチドのアミノ酸と異なる1つまたは複数のアミノ酸およびN末端アミノ酸残基の脱アミノ化を有し、GLP−1受容体とグルカゴン受容体の両方を活性化する機能があるペプチドを含む。
【0033】
本発明のオキシントモジュリンの変異体、誘導体、および断片のC末端はアミド化することができる。
【0034】
本発明において使用することができる担体物質は、抗体、免疫グロブリンFc領域、アルブミン、脂肪酸、炭水化物、ペプチドの反復単位を有するポリマー、トランスフェリン、およびPEGからなる群から選択することができ、免疫グロブリンFc領域が好ましい。本発明の例示的な一実施形態では、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、リンカーとしての非ペプチジルポリマーによって担体と結合する。より例示的な一実施形態では、非ペプチジルポリマーと結合する担体は免疫グロブリンFc断片である。
【0035】
本発明では、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストが免疫グロブリンFc領域にそれぞれ結合し、持続性と安全性を示す型である。免疫グロブリンFc領域とGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの結合はリンカーなしのインフレーム融合であってよく、または非ペプチドポリマーリンカーを使用して結合することができる。本発明では、免疫グロブリンFcと免疫グロブリン断片は区別なく使用することができる。
【0036】
本明細書で使用する用語「非ペプチジルポリマー」は、ペプチド結合以外の任意の共有結合により互いに結合した少なくとも2つの反復単位を含む生体適合性ポリマーを指す。本発明では、非ペプチジルポリマーと非ペプチジルリンカーは区別なく使用することができる。
【0037】
本発明において使用することができる非ペプチジルポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、ポリ乳酸(PLA)またはポリ乳酸−グリコール酸(PLGA)、脂質ポリマー、キチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組合せなどの生分解性ポリマーからなる群から選択することができ、生分解性ポリマーはポリエチレングリコールであることが好ましい。さらに、当技術分野で知られるその誘導体、および当技術分野で知られる方法により容易に調製される誘導体を、本発明の範囲内に含めることができる。
【0038】
従来型インフレーム融合法によって得られる融合タンパク質中で使用されるペプチドリンカーには、それがプロテアーゼによりin vivoで容易に切断され、したがって担体により活性薬剤の血中半減期を増大する充分な効果を、予想ほど得ることができない点で欠点がある。しかしながら本発明では、プロテアーゼに対する耐性を有するポリマーを使用して、担体と同様にペプチドの血中半減期を維持することができる。したがって、それが前述の機能を有するポリマー、すなわちin vivoプロテアーゼに対する耐性を有するポリマーである限り、任意の非ペプチジルポリマーを非制限的に使用することができる。非ペプチジルポリマーは1〜100kDa、および好ましくは1〜20kDaの範囲の分子量を有する。さらに、免疫グロブリンFc領域と結合した本発明の非ペプチジルポリマーは、1種のポリマーまたは異なるタイプのポリマーの組合せであってよい。
【0039】
本発明において使用する非ペプチジルポリマーは、免疫グロブリンFc領域およびタンパク質薬剤に結合することができる反応基を有する。非ペプチジルポリマーの両末端における反応基は、反応アルデヒド基、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド基、マレイミド基、およびスクシンイミド誘導体からなる群から選択されることが好ましい。スクシンイミド誘導体は、スクシンイミジルプロピオネート、ヒドロキシスクシンイミジル、スクシンイミジルカルボキシメチル、またはスクシンイミジルカーボネートであってよい。特に、非ペプチジルポリマーがその両末端に反応アルデヒド基の反応基を有するとき、非特異的反応を最少にし、生理的活性があるポリペプチドと免疫グロブリンを非ペプチジルポリマーの両末端で結合させることが有効である。アルデヒド結合による還元アルキル化によって生じる最終産物は、アミド結合によって結合したそれよりはるかに安定している。反応アルデヒド基は低pHでN末端に選択的に結合し、pH9.0などの高pHでリシン残基に結合し共有結合を形成する。非ペプチジルポリマーの両末端における反応基は、互いに同じであるかまたは異なってよい。例えば非ペプチジルポリマーは、一末端にマレイミド基、および他の末端にアルデヒド基、プロピオンアルデヒド基、またはブチルアルデヒド基を有し得る。両末端に反応ヒドロキシ基を有するポリエチレングリコールを非ペプチジルポリマーとして使用するとき、公知の化学反応によりヒドロキシ基を様々な反応基に活性化することができ、または修飾反応基を有する市販のポリエチレングリコールを使用して、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストコンジュゲートを調製することができる。
【0040】
さらに、コンジュゲートの調製、精製、および収率の点で免疫グロブリンFc領域は有利である。その分子量が全分子と比較して比較的小さいだけでなく、物質の均一性も大幅に高く、血中抗原性を誘導する可能性が低いからであり、そのアミノ酸配列は各抗体において異なり、したがって高い非均一性を示すFab部分は除去されるからである。
【0041】
本明細書で使用する用語「免疫グロブリンFc領域」は、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域、重鎖定常領域1(CH1)および軽鎖定常領域1(CL1)以外の、免疫グロブリンの重鎖定常領域2(CH2)および重鎖定常領域3(CH3)を指す。免疫グロブリンFc領域は、重鎖定常領域にヒンジ領域をさらに含むことができる。さらに、本発明の免疫グロブリンFc領域は、それが天然タンパク質と実質的に同等または天然タンパク質を超える効果を有する限り、免疫グロブリンの重鎖と軽鎖の可変領域以外の、重鎖定常領域1(CH1)および/または軽鎖定常領域1(CL1)を含むFc領域の一部または全部を含有することができる。さらに、免疫グロブリンFc領域は、CH2および/またはCH3に対応するアミノ酸配列の比較的長い部分の欠失がある断片であり得る。すなわち、本発明の免疫グロブリンFc領域は、1)CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、およびCH4ドメイン、2)CH1ドメインとCH2ドメイン、3)CH1ドメインとCH3ドメイン、4)CH2ドメインとCH3ドメイン、5)1つまたは複数のドメインと免疫グロブリンヒンジ領域(またはヒンジ領域の一部分)の組合せ、および6)重鎖定常領域と軽鎖定常領域の各ドメインのダイマーを含むことができる。
【0042】
さらに、本発明の免疫グロブリンFc領域は天然アミノ酸配列およびその配列誘導体(突然変異体)を含む。アミノ酸配列誘導体は、天然アミノ酸配列の1つまたは複数アミノ酸残基の欠失、挿入、非保存的または保存的置換、またはこれらの組合せが原因で異なる配列を有する。例えばIgG Fcでは、結合に重要であることが知られている位置214〜238、297〜299、318〜322、または327〜331におけるアミノ酸残基を修飾に適した標的として使用することができる。
【0043】
さらに、ジスルフィド結合を形成することができる領域が欠失し、特定アミノ酸残基が天然FcのN末端で除去され、メチオニン残基が天然FcのN末端に付加されているなどの誘導体を含めた、様々な種類の誘導体が考えられる。さらに、エフェクター機能を除去するため、Clq結合部位などの補体結合部位、および抗体依存性細胞介在性細胞障害作用(ADCC)部位を欠失させることが可能である。このような免疫グロブリンFc領域の配列誘導体を調製するための技法は、国際公開第97/34631号パンフレット、国際公開第96/32478号パンフレットなどの中に開示される。分子の活性を完全には変えないタンパク質とペプチドにおけるアミノ酸の交換は、当技術分野で知られている(H. Neurath, R. L. Hill, The Proteins, Academic Press, New York, 1979)。最も一般的に起こる交換は、両方向での、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Thy/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、およびAsp/Glyである。さらに、望む場合はFc領域を、リン酸化、硫酸化、アクリル化、グリコシル化、メチル化、ファルネシル化、アセチル化、アミド化などにより修飾することができる。
【0044】
Fc誘導体は、本発明のFc領域と同一の生物活性を有し、例えば熱、pHなどに対するFc領域の構造安定性が改善された誘導体である。
【0045】
さらに、これらのFc領域は、ヒト、および乳牛、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラット、モルモットなどを含めた他の動物から単離した天然型から得ることができ、または形質転換動物細胞もしくは微生物から単離した、その組換え体もしくは誘導体であってよい。本明細書では、ヒトまたは動物生物から免疫グロブリン全体を単離し、次いでプロテアーゼで免疫グロブリンを処理することにより天然型から、それらを得ることができる。パパインで処理すると、パパインは天然免疫グロブリンをFab領域とFc領域に消化し、ペプシンで処理すると、天然免疫グロブリンはpF’cとF(ab)2に切断される。FcまたはpF’cはサイズ排除クロマトグラフィーなどにより単離することができる。ヒト由来Fc領域は、微生物から得られる組換え免疫グロブリンFc領域であることが好ましい。
【0046】
さらに、免疫グロブリンFc領域は、天然糖鎖を有する、または天然型と比較して糖鎖が増大もしくは減少した型である可能性があり、または脱グリコシル化型である可能性がある。免疫グロブリンFc糖鎖の増大、減少、または除去は、化学法、酵素法および微生物を使用した遺伝子組み換え法などの、当技術分野で一般的な方法により実施することができる。Fc領域からの糖鎖の除去は、C1q部分に対する結合アフィニティーの顕著な低下、および抗体依存性細胞介在性細胞障害作用もしくは補体依存性細胞障害作用の低下または消失をもたらし、したがってin vivoで不必要な免疫応答は誘導しない。この点において、脱グリコシル化(deglycosylated)型または無グリコシル化(aglycosylated)型である免疫グロブリンFc領域は、薬剤担体として本発明の目的により適している可能性がある。
【0047】
本明細書で使用する用語「脱グリコシル化」は酵素によりFc領域から除去された糖部分を指し、用語「無グリコシル化」は、原核生物、好ましくは大腸菌(E. coli)において生成されグリコシル化状態ではないFc領域を指す。
【0048】
一方、免疫グロブリンFc領域は、ヒト、または乳牛、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ハムスター、ラット、モルモットなどを含めた他の動物に由来してよく、ヒトに由来することが好ましい。
【0049】
さらに、免疫グロブリンFc領域は、IgG、IgA、IgD、IgEおよびIgM、その組合せ、またはそのハイブリッドに由来するFc領域であってよい。免疫グロブリンFc領域は、ヒト血液中に最も多く存在するIgGまたはIgM、最も好ましくはリガンド結合タンパク質の半減期を増大することが知られているIgGに由来することが好ましいが、これらだけには限られない。
【0050】
本明細書で使用する用語「組合せ」は、同一起源の単鎖免疫グロブリンFc領域をコードするポリペプチドが異なる起源の単鎖ポリペプチドと結合して、ダイマーまたはマルチマーを形成することを指す。すなわち、ダイマーまたはマルチマーは、IgG Fc、IgA Fc、IgM Fc、IgD Fc、およびIgE Fc断片からなる群から選択される2つ以上の断片から形成され得る。
【0051】
本明細書で使用する用語「ハイブリッド」は、異なる起源の少なくとも2つのFc断片に対応する配列が、単鎖免疫グロブリンFc領域中に存在することを指す。本発明では、様々なタイプのハイブリッドが考えられる。すなわち、IgG Fc、IgM Fc、IgA Fc、IgE FcおよびIgD FcのCH1、CH2、CH3およびCH4からなる群から選択される1〜4個のドメインからなるハイブリッドが考えられ、ヒンジを含む可能性がある。
【0052】
他方で、IgGはIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4サブクラスにさらに分類することができ、本発明では、その組合せまたはハイブリダイゼーションが考えられる。IgG2およびIgG4サブクラスが好ましく、補体依存性細胞障害作用(CDC)などのエフェクター機能を実質的に有していないIgG4のFc領域が最も好ましい。
【0053】
すなわち、本発明の薬剤の担体に関する免疫グロブリンFc領域は、例えばヒトIgG4由来無グリコシル化Fc領域であってよいが、これだけには限られない。ヒト由来Fc領域は、望ましくない免疫応答を引き起こし得る、例えばヒト身体中で抗原として作用し新たな抗体を産生し得る非ヒト由来Fc領域より好ましい。
【0054】
本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを調製するための方法には特に制約があるわけではない。例えば、調製法およびその効果の詳細は、例えば韓国特許出願公開第10−2012−0139579号明細書中に記載されている。
【0055】
長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの使用には、毎日の投与を必要とする慢性患者への投与回数が、血中半減期とin vivo持続性の増大が原因で劇的に減少する可能性があり、それによって患者の生活の質が改善する大きな利点がある。したがって、これは非アルコール性脂肪性肝疾患の治療において非常に役に立つ。
【0056】
本明細書で使用する用語「非アルコール性脂肪性肝疾患」は、アルコール消費の病歴がない、またはアルコール消費がその発生と関係がない脂肪肝症例を指す。脂肪肝は、正常トリグリセリドレベルと比較して、肝細胞中にトリグリセリドの異常な蓄積がある現象を指す。正常肝臓の約5%は脂肪組織からなり、脂肪の主成分はトリグリセリド、脂肪酸、リン脂質、コレステロール、およびコレステロールエステルである。しかしながら、脂肪肝が発生した後、大部分の成分はトリグリセリドに置換される。トリグリセリドの量が肝臓重量の5%を超える場合、それは脂肪肝として診断される。脂肪肝は脂質代謝障害、または肝細胞中に過剰な脂肪を運ぶプロセスの欠陥によって引き起こされ、肝臓における脂質代謝の障害によって主に引き起こされる。脂肪肝中に蓄積する脂肪の大部分はトリグリセリドであり得る。非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、肝臓がんなどを含むが、本発明の組成物で予防または治療される脂肪性肝疾患は非制限的に含まれる。
【0057】
本明細書で使用する用語「予防」は、本発明の組成物の投与によって非アルコール性脂肪性肝疾患が予防または遅延される全ての作用を指す。「治療」は、それによって非アルコール性脂肪性肝疾患の症状が軽減される、または肯定的に変化する全ての作用を指す。非アルコール性脂肪性肝疾患の治療は、非アルコール性脂肪性肝疾患を経験し得る任意の哺乳動物に施すことができ、その例はヒトおよび霊長類だけでなく、乳牛などの畜牛、ブタ、ヒツジ、ウマ、イヌおよびネコも非制限的に含むが、ヒトであることが好ましい。
【0058】
本明細書で使用する用語「投与」は、適切な方法による、患者への一定量の所定物質の導入を指す。本発明の組成物は、それが所望の組織に到達することができる限り、任意の一般経路を介して投与することができる。例えば、それは腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、真皮内、経口、局所、鼻腔内、肺内、または直腸内投与であってよいが、これらだけには限られない。しかしながら、ペプチドは経口投与時に消化されるので、経口投与用組成物の活性成分は、胃中での分解に対して保護するためコーティングまたは製剤化しなければならない。組成物は注射の型で投与できることが好ましい。さらに、長時間作用性製剤は、標的細胞に活性物質を輸送することができる任意の装置により投与することができる。
【0059】
本発明の医薬組成物の投与用量および頻度は、治療される疾患、投与経路、患者の年齢、性別、および体重、ならびに疾患の重症度などの様々な要因と共に、活性成分のタイプによって決定される。
【0060】
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤をさらに含むことができる。本明細書で使用する用語「薬学的に許容される担体」は、生物に刺激を与えず、投与する化合物の生物活性または特性を抑制しない担体または希釈剤を指す。経口投与用に、担体は結合剤、潤滑剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定剤、懸濁剤、着色剤、および香味剤を含むことができる。注射用調製物用に、担体は緩衝剤、防腐剤、鎮痛剤、可溶化剤、等張剤、安定剤などを含むことができる。局所投与用調製物用に、担体は基剤、賦形剤、潤滑剤、防腐剤などを含むことができる。
【0061】
本発明の組成物は、前述の薬学的に許容される担体と組合せて、様々な剤形に製剤化することができる。例えば、経口投与用に、医薬組成物を錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップまたはカシェ剤に製剤化することができる。注射用調製物用に、医薬組成物を、一回剤形としてアンプルまたは多用量容器に製剤化することができる。医薬組成物は、溶液、懸濁剤、錠剤、ピル、カプセルおよび長時間作用性調製物に製剤化することもできる。
【0062】
他方で、医薬製剤に適した担体、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油がある。さらに、医薬製剤は充填剤、抗凝血剤、潤滑剤、湿潤剤、香味剤、および防腐薬をさらに含むことができる。
【0063】
別の態様では、本発明は、非アルコール性肝疾患を予防または治療するための方法であって、非アルコール性肝疾患のリスクが高いまたは非アルコール性肝疾患を有する対象(ヒトを除く)に、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを含む組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0064】
組成物および非アルコール性脂肪性肝疾患の記載は前述のとおりである。
【0065】
発明の態様
本明細書では以後、実施例によって本発明をさらに詳細に記載する。これらの実施例は本発明を単に例示することを目的とし、本発明の範囲がこれらの実施例に限られるとは解釈されない。
【実施例1】
【0066】
オキシントモジュリン誘導体の合成
この実施例では、以下のアミノ酸配列を有するオキシントモジュリン誘導体を合成した(表1)。
【0067】
【表1-1】
【0068】
【表1-2】
【0069】
表1中では、太字および下線のアミノ酸は環形成を表し、Xによって表されるアミノ酸は非天然アミノ酸、α−メチル−グルタミン酸を意味する。さらに、CAは4−イミダゾアセチルを表し、かつDAはデスアミノ−ヒスチジルを表す。
【0070】
本明細書では以後、代表的な長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト、すなわち非ペプチジルポリマー、PEG(ポリエチレングリコール)によってGLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの第30アミノ酸とFcが結合した、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを、以下の実施例2〜3において調製し使用した。
【実施例2】
【0071】
高脂肪、フルクトースおよびコレステロール含有高トランス脂肪飼料摂取ob/obマウスモデルにおける、非アルコール性脂肪性肝疾患に対する長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの効果の確認
非アルコール性脂肪性肝疾患に対する長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの効果を確認するため、高脂肪(40%kcal)、フルクトース(22%)およびコレステロール(2%)含有高トランス脂肪飼料(HTF食)を得てob/obマウスモデルに8週間投与し、非アルコール性脂肪性肝疾患の動物モデルを作製した。次いで、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを0.7および1.4nmol/kgで2日毎に1回(Q2D)マウスに皮下投与し、その投与を4週間繰り返した。4週間の試験中、動物の体重を溶媒処置群の体重と比較した。4週間の試験の終了後、肝臓重量を測定し比較した。さらに、4週間の試験の終了後、線維症マーカーであるコラーゲン−1a、炎症促進性マーカーであるTNF−α、および脂肪生成マーカーであるSREBP−1cのmRNAを確認した。
【0072】
結果として、4週間の投与後の体重および肝臓重量の測定によって、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストでは、重量が溶媒処置群と比較して有意に減少したことを示した(
図1)。このような結果は、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、非アルコール性脂肪性肝疾患の動物モデルにおいて生じる体重増加を抑制できること、およびそれがインスリン抵抗性を改善するための従来薬の副作用を減らすことができることを示唆する。
【0073】
さらに、コラーゲン−1a、TNF−α、SREBP−1cのmRNAの比較は、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト治療群では、これらのmRNAが有意に減少したことを示した(
図2)。このような結果は、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、非アルコール性脂肪性肝疾患の動物モデルにおいて線維症、炎症促進などを低減し脂肪生成を阻害し、したがって非アルコール性脂肪性肝疾患の予防と治療に有効であることを示唆する。
【実施例3】
【0074】
高トランス脂肪飼料摂取DI0マウスモデルにおける、非アルコール性脂肪性肝疾患に対する長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの効果の確認
非アルコール性脂肪性肝疾患に対する長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの効果を確認するため、60%高トランス脂肪飼料を正常マウスモデル(C57BL/6)に12週間投与し、非アルコール性脂肪性肝疾患の動物モデルを作製した。次いで、3nmol/kgの長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを1週間毎に1回(QW)マウスに皮下投与し、その投与を4週間繰り返した。4週間の試験の終了後、肝臓トリグリセリド(肝臓TG)および血中コレステロールを測定した。
【0075】
結果として、4週間の投与後の肝臓トリグリセリドおよび血中コレステロールの測定によって、長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストを投与した場合、それらが溶媒処置群と比較して有意に減少したこと、およびそれらが固形飼料(chow diet)を与えられた正常動物のレベルまで有意に減少したことを示した(
図3)。このような結果は、本発明の長時間作用性GLP−1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストは、非アルコール性脂肪性肝疾患の動物モデルにおいて正常動物レベルまで肝臓トリグリセリドと血中コレステロールを低減することができ、したがって非アルコール性脂肪性肝疾患の予防と治療に有効であることを示唆する。
【0076】
前述の記載から、当業者は、技術の精神または本質特性を変えずに、本発明を他の具体的な型に具体化できることを理解する。この点において、前に記載した実施形態は、それぞれの点で制限的ではなく例示的であると理解すべきである。本発明の範囲については、詳細な説明および均等の概念から派生するあらゆる変更または変形ではなく、添付の特許請求の範囲の意義および範囲が、本発明の範囲内にあると解釈すべきである。
本発明は以下の態様を含み得る。
[1]
長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュアルア
ゴニストを含む、非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための医薬組成物。
[2]
体重増加の副作用を有さないことまたは体重増加の副作用を減少することのいずれかを
特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
[3]
以下の特色:
a)線維症マーカーであるコラーゲン−1aの発現または活性の低減、
b)炎症促進性マーカーである腫瘍壊死因子−α(TNF−α)の発現または活性の低
減、
c)脂肪生成マーカーであるステロール調節エレメント結合タンパク質−1c(SRE
BP−1c)の発現または活性の低減、
d)肝臓トリグリセリドの低減、および
e)血中コレステロールの低減
の少なくとも1つを行う、請求項1に記載の医薬組成物。
[4]
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝
炎、肝硬変、および肝臓がんからなる群から選択される少なくとも1つの疾患である、請
求項1に記載の医薬組成物。
[5]
前記長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュア
ルアゴニストがGLP−1受容体とグルカゴン受容体を同時に活性化する、請求項1に記
載の医薬組成物。
[6]
前記長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュア
ルアゴニストが、前記デュアルアゴニストの活性継続期間を増大することができる生体適
合性材料または担体が共有結合またはリンカーにより前記アゴニストと結合したコンジュ
ゲート型である、請求項1に記載の医薬組成物。
[7]
前記長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュア
ルアゴニストが配列番号25のアミノ酸配列を有し、位置16および20のアミノ酸が環
を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
[8]
前記長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュア
ルアゴニストが非ペプチジルポリマーを介して免疫グロブリンFc領域と結合し、前記非
ペプチジルポリマーがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレング
リコール−プロピレングリコールコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニ
ルアルコール、多糖、デキストラン、ポリビニルエチルエーテル、生分解性ポリマー、脂
質ポリマー、キチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される、
請求項1に記載の医薬組成物。
[9]
前記免疫グロブリンFc領域が無グリコシル化状態にある、請求項8に記載の医薬組成
物。
[10]
前記免疫グロブリンFc領域が、CH1、CH2、CH3およびCH4ドメインからな
る群から選択される1〜4個のドメインを含む、請求項9に記載の医薬組成物。
[11]
前記免疫グロブリンFc領域がヒンジ領域をさらに含む、請求項10に記載の医薬組成
物。
[12]
前記免疫グロブリンFc領域が、IgG、IgA、IgD、IgEおよびIgMからな
る群から選択される免疫グロブリン由来のFc領域である、請求項8に記載の医薬組成物
。
[13]
前記免疫グロブリンFc領域上の各ドメインが、IgG、IgA、IgD、IgEおよ
びIgMからなる群から選択される異なる起源を有するドメインのハイブリッドである、
請求項12に記載の医薬組成物。
[14]
前記免疫グロブリンFc領域が、同じ起源を有するドメインからなる単鎖免疫グロブリ
ンからなるダイマーまたはポリマーである、請求項12に記載の医薬組成物。
[15]
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
[16]
前記長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)/グルカゴン受容体デュア
ルアゴニストが、配列番号25によって表されるGLP−1/グルカゴンデュアルアゴニ
ストと免疫グロブリンFc領域とが非ペプチジルポリマーリンカーにより結合したコンジ
ュゲートである、請求項1に記載の医薬組成物。
[17]
配列番号25によって表される長時間作用性グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)
/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの第16アミノ酸と第20アミノ酸が環を形成す
る、請求項16に記載の医薬組成物。
[18]
前記非ペプチジルポリマーリンカーがPEGである、請求項16に記載の医薬組成物。
[19]
非アルコール性肝疾患を予防または治療するための方法であって、非アルコール性肝疾
患のリスクが高いまたは非アルコール性肝疾患を有する、ヒトを除く対象に、請求項1か
ら18のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]