特許第6832348号(P6832348)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6832348連鎖シャトリングに有用な多頭性または二頭性組成物、及びそれを調製するためのプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832348
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】連鎖シャトリングに有用な多頭性または二頭性組成物、及びそれを調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   C08F4/6592
【請求項の数】8
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2018-514801(P2018-514801)
(86)(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公表番号】特表2018-534383(P2018-534383A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】US2016054173
(87)【国際公開番号】WO2017058910
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】62/234,856
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】リシン・サン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ディー・ドボア
【審査官】 堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/002000(WO,A1)
【文献】 特表2013−500384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/00−4/82
C08F 2/00−2/60
C08F 6/00−246/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を調製するためのプロセスであって、
立体障害ジエンを、有機金属化合物、溶媒、触媒前駆体、及び共触媒と接触させ、式:R[R−]を有する前記組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせを含有する最終溶液を形成することを含み、
前記触媒前駆体は、
(A1):[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル]、
【化1】
(A2):(E)−((2,6−ジイソプロピルフェニル)(2−メチル−3−(オクチルイミノ)ブタン−2−イル)アミノ)トリメチルハフニウム、
【化2】
(A3):[[2’,2’’’−[1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチルハフニウム、
【化3】
(A4):[[2’,2’’’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−3’−フルオロ−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]−ジメチルハフニウム、
【化4】
(A5):シクロペンタジエニルビス((トリメチルシリル)メチル)スカンジウムテトラヒドロフラン錯体、
【化5】
(A6):(メシチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)トリベンジルハフニウム、または、
【化6】
(A7):(N−((6E)−6−(ブチルイミノ−κN)−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,6−ビス(1−メチルエチル)ベンゼンアミナト−κN)トリメチル−ハフニウム、であり、
【化7】
前記式中、
は、出現する毎に、ZnまたはMgであり、
は、出現する毎に、水素、アルキル、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、前記立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、出現する毎に、1〜150(これらの数を含む)の数である、プロセス。
【請求項2】
は、出現する毎に、水素またはC1〜20アルキル基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記有機金属化合物は、有機亜鉛化合物である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記立体障害ジエンは、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビス−ノルボルネンの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記溶媒は、トルエンまたは脂肪族炭化水素である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスであって、
少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、
前記触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び式:R[R−]を有する組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせ接触させた生成物を含み、
前記触媒前駆体は、
(A1):[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル]、
【化1】
(A2):(E)−((2,6−ジイソプロピルフェニル)(2−メチル−3−(オクチルイミノ)ブタン−2−イル)アミノ)トリメチルハフニウム、
【化2】
(A3):[[2’,2’’’−[1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチルハフニウム、
【化3】
(A4):[[2’,2’’’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−3’−フルオロ−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]−ジメチルハフニウム、
【化4】
(A5):シクロペンタジエニルビス((トリメチルシリル)メチル)スカンジウムテトラヒドロフラン錯体、
【化5】
(A6):(メシチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)トリベンジルハフニウム、または、
【化6】
(A7):(N−((6E)−6−(ブチルイミノ−κN)−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,6−ビス(1−メチルエチル)ベンゼンアミナト−κN)トリメチル−ハフニウム、であり、
【化7】
前記式中、
は、出現する毎に、ZnまたはMgであり、
は、出現する毎に、水素、アルキル、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、出現する毎に、1〜150(これらの数を含む)の数である、プロセス。
【請求項7】
は、出現する毎に、水素またはC1〜20アルキル基である、請求項6に記載のプロセス
【請求項8】
ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスであって、
少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、
前記触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び請求項1に記載のプロセスにより調製された組成物を接触させた生成物を含み、前記少なくとも1種の触媒前駆体はまた、請求項1に記載のプロセスにより調製された組成物を調製するための触媒前駆体である、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、連鎖シャトリングに有用な多頭性または二頭性組成物、及びそれを調製するためのプロセスに関する。一態様において、組成物は、オレフィン重合において使用され得る。
【0002】
序論
ポリオレフィンの特性及び用途は、その調製において使用される触媒の特定の特徴に、様々な程度で依存する。特定の触媒組成、活性化条件、立体的及び電子的特徴、及び同様のものは全て、得られるポリマー生成物の特性の要素となり得る。実際に、コモノマー組み込み、分子量、多分散性、及び長鎖分岐等の多くのポリマーの特徴、ならびに密度、弾性率、溶融特性、引張特徴、及び光学的特性等の関連した物理的特性は、全て触媒設計により影響され得る。
【0003】
近年、連鎖シャトリングに有用な組成物の使用に関して、ポリマー設計の進化が見られる。そのような組成物は、単一ポリマー分子の一部が少なくとも2つの異なる触媒により合成されるように、異なる触媒部位の間の成長ポリマー鎖を交換し得る可逆的連鎖移動能力を有する。現在、連鎖シャトリングに有用な最も良く知られている組成物は、典型的には各ポリマー鎖において金属への単一の結合点のみを含有する単純な金属アルキル、例えば、一端が亜鉛金属で終端されたポリマー鎖を生成するジエチル亜鉛である。連鎖シャトリングに有用なより高度な組成物、例えば、アルカン部分が2つの金属に結合した多頭性または二頭性連鎖シャトリング剤(CSA)が知られている。実際に、多頭性または二頭性CSAは、新たなポリオレフィン、例えばテレケリック機能性ポリマーを生成することができるため、非常に興味深い。
【0004】
多頭性または二頭性CSAを合成するための実現可能な方法が報告されているが、高コスト及び面倒で複雑な手順により妨げられることのない、そのような組成物を生成するための商業的に実行可能なプロセスが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
ある特定の実施形態において、本開示は、触媒前駆体、立体障害ジエン、及び有機金属化合物を使用することにより多頭性または二頭性組成物を合成するための方法を提供する。ある特定の実施形態において、本開示は、多頭性または二頭性組成物を調製するための経済的及び実用的なプロセスを提供し、プロセスは、
立体障害ジエンを、有機金属化合物、溶媒、触媒前駆体、及び共触媒と接触させ、式:
[R−]を有する組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせを含有する最終溶液を形成することを含み、式中、
は、出現する毎に、Zn、Mg、Ga、またはAlであり、
は、出現する毎に、水素、アルキル、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、前記立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、1〜150(これらの数を含む)の数である。
【0006】
さらなる実施形態において、本開示は、式:
[R−]を有する多頭性または二頭性組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせを提供し、式中、
は、出現する毎に、Zn、Mg、Ga、またはAlであり、
は、出現する毎に、水素、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、1〜150(これらの数を含む)の数である。
【0007】
上記組成物のさらなる実施形態において、Rは、出現する毎に、水素またはC1〜20アルキル基である。
【0008】
実際に、Nは、分子の見本を説明する平均であり、整数であるとは限らない。例えば、Nは、平均して、5〜140、10〜125、15〜110、または20〜100(これらの数を含む)の数であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物の接触生成物を含む触媒組成物を提供する。さらなる実施形態において、本開示は、触媒組成物を調製するためのプロセスを提供し、プロセスは、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び上述のような式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物を接触させることを含む。さらなる実施形態において、本開示は、触媒組成物を調製するための方法を提供し、プロセスは、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び上述のような式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物を接触させることを含み、少なくとも1種の触媒前駆体はまた、式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物を調製するために使用される触媒前駆体である。
【0010】
いくつかの実施形態において、本開示は、ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスを提供し、プロセスは、少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び上述のような式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物の接触生成物を含む。さらなる実施形態において、本開示は、ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスを提供し、プロセスは、少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び上述のような式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物の接触生成物を含み、少なくとも1種の触媒前駆体はまた、式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物を調製するために使用される触媒前駆体である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の組成物を形成するための例示的触媒プロセスを示す図である。
図1B】本開示の組成物を形成するための例示的触媒プロセスを示す図である。
図1C】本開示の組成物を形成するための例示的触媒プロセスを示す図である。
図2】本開示による例示的立体障害ジエンを示す図である。
図3】異なる有機亜鉛化合物を使用した二頭性組成物の例示的構造を示す図である。
図4】実施例1のH NMR分析を示す図である。
図5A】水でクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法1)を示す図である。
図5B】水でクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法1)を示す図である。
図6A】水でクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図6B】水でクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図7A】メタノールでクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図7B】メタノールでクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図8A】水またはCDODでクエンチされた実施例1の試料の妥当な反応を示す図である。
図8B】水またはCDODでクエンチされた実施例1の試料の妥当な反応を示す図である。
図8C】水またはCDODでクエンチされた実施例1の試料の妥当な反応を示す図である。
図9A】CDODでクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図9B】CDODでクエンチされた実施例1の試料のGCMS分析(方法2)を示す図である。
図10】実施例1の二頭性組成物で作製されたEOコポリマーのGPC曲線を示す図である。
図11】ジエチル亜鉛及び触媒(A2)と反応した5−ビニル−2−ノルボルネンのH NMR分析を示す図である。
図12A】ジエチル亜鉛及び触媒(A5)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図12B】ジエチル亜鉛及び触媒(A5)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図13A】ジエチル亜鉛及び触媒(A7)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図13B】ジエチル亜鉛及び触媒(A7)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図14A】ジエチル亜鉛及び触媒(A7)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法2)を示す図である。
図14B】ジエチル亜鉛及び触媒(A7)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法2)を示す図である。
図15A】ジエチル亜鉛及び触媒(A6)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図15B】ジエチル亜鉛及び触媒(A6)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法1)を示す図である。
図16A】ジエチル亜鉛及び触媒(A6)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法2)を示す図である。
図16B】ジエチル亜鉛及び触媒(A6)と反応したノルボルナジエンのGCMS分析(方法2)を示す図である。
図17】122の種の妥当な異性体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態は、上述のような式R[R−]を有する多頭性または二頭性組成物、及びそれを調製するためのプロセスに関する。ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物は、多頭性または二頭性連鎖シャトリング剤であってもよい。さらなる実施形態において、式R[R−]を有する組成物は、多頭性または二頭性連鎖移動剤であってもよい。
【0013】
定義
元素周期表に対する全ての参照は、CRC Press,Inc.、1990により出版され、著作権が取得された元素周期表を参照する。また、族(複数可)に対するいかなる参照も、族の番号付けにIUPACシステムを使用したこの元素周期表に反映される族(複数可)への参照であるものとする。逆の意味で説明される、文脈から暗に示唆される、または当技術分野において習慣的である場合を除き、全ての部及びパーセントは重量基準であり、全ての試験法は、本開示の出願日現在で最新である。米国特許における業務を目的として、任意の参照された特許、特許出願または出版物の内容は、特に合成技術、生成物及び処理設計、ポリマー、触媒、定義(本開示において具体的に規定される任意の定義と矛盾しない限り)、ならびに当技術分野における一般知識に関して、参照により全体的に組み込まれる(またはその等価の米国版が参照によりそのように全体的に組み込まれる)。
【0014】
「シャトリング剤」または「連鎖シャトリング剤」という用語は、重合条件下での様々な活性触媒部位間のポリメリル(polymeryl)移動をもたらすことができる化合物または化合物の混合物を指す。すなわち、ポリマー断片の移動は、容易に、及び可逆的に、活性触媒部位に、及びそこから生じる。シャトリング剤または連鎖シャトリング剤とは対照的に、単に連鎖移動剤として機能する薬剤、例えばいくつかの主族アルキル化合物は、例えば、連鎖移動剤上のアルキル基を、触媒上の成長ポリマー鎖と交換することができ、これは一般にポリマー鎖成長の停止をもたらす。この事象において、主族中心は、連鎖シャトリング剤が行う様式で触媒部位との可逆的移動に関与するのではなく、不活性ポリマー鎖の保管場所として機能し得る。望ましくは、連鎖シャトリング剤とポリメリル鎖との間に形成された中間体は、この中間体と任意の他の成長ポリメリル鎖との間の交換に比べて十分に安定ではなく、したがって連鎖停止は比較的稀である。
【0015】
「多頭性または二頭性連鎖シャトリング剤」、例えば米国特許第8,501,885B2号に開示されるもの、及び当技術分野において知られているもの等は、遷移金属触媒重合の間に連鎖移動に関与する金属−アルキル結合を有する種を含む。これらの連鎖シャトリング剤は、オリゴマー性となり得る、種のブレンドからなり得る、またはその両方であるため、これらの薬剤を正確に説明することは困難であるが、これは、それらが溶液中で使用される場合、CSA溶液が典型的には異なる種の複雑な混合物を含むためである。したがって、本明細書において開示される有用なCSAは、典型的には、平均組成、多頭性部位の平均価数、単一ヘッド部位の平均価数、及びこれらの数の比率を使用して説明される。
【0016】
「二頭性」または「多頭性」という用語は、多価連結基により繋がった2つ以上の連鎖シャトリング部分を含有する化合物または分子を指す。例示のみを目的として、二頭性CSAの一例は、一般式R−[Zn−R−]Zn−RまたはR−[AlR−R−]AlRの化合物で提供され、式中、Rは、一価ヒドロカルビル基であり、Rは、二価ヒドロカルバジイル基である。実際に、好適な連鎖シャトリング部分は、典型的には、元素周期表の2〜14族から選択され、配位重合触媒により調製された成長ポリマー鎖に可逆的に結合することができる1つ以上の利用可能な原子価を有する金属から誘導される金属中心を含む。連鎖シャトリング部分が成長ポリマー鎖に結合すると同時に、連鎖シャトリング部分(複数可)の喪失後に残った多価連結基の残部は、1つ以上の活性触媒部位を組み込む、または別様にそれに結合し、それによって、元々は多価連結基であったものの1つの末端においてポリマーを挿入することができる活性な配位重合部位を含有する触媒組成物を形成する。連結基に結合した新たなポリマー鎖を再び連鎖シャトリング部分に往復させることにより、連結基を含有し、両端で主族金属CSAに結合したポリマー鎖の断片が効果的に成長する。
【0017】
本明細書において使用される「誘導体」という用語は、化学基の金属アルキル結合への挿入反応後の前記化学基の反応生成物を指す。例えば、R−[Zn−R−]Zn−R中の「R」は、EtZn[(CHC(Et)H(CHC(Et)HCH)Zn]Etを形成する、連結基CH=CH(CHCH=CH及びZn(Et)の誘導体(すなわち反応生成物)を定義し得る。この例において、Rは、−CHC(Et)H(CHC(Et)HCH−、連結基CH=CH(CHCH=CHのZn−Et結合への挿入の誘導体である。
【0018】
「連結基」という用語は、各金属の金属アルキル結合に挿入することにより、その誘導体が複数の金属種を一緒に分子内に連結する化学種である。上記の例において、CH=CH(CHCH=CHは、N+1個の亜鉛種を繋げて種EtZn[(CHC(Et)H(CHC(Et)HCH)Zn]Etを形成する「連結基」である。
【0019】
本明細書において使用される「前駆体」という用語は、活性化剤共触媒と組み合わされると、不飽和モノマーの重合を行うことができる遷移金属種を指す。例えば、CpZr(CHは、活性化共触媒と組み合わされると、不飽和モノマーの重合を行うことができる活性触媒種「CpZr(CH」となる触媒前駆体である。
【0020】
「触媒前駆体」は、当技術分野において知られているもの、ならびにWO2005/090426、WO2005/090427、WO2007/035485、WO2009/012215、WO2014/105411、米国特許出願公開第2006/0199930号、同第2007/0167578号、同第2008/0311812号、及び米国特許第7,355,089B2号、同第8,058,373B2号、及び同第8,785,554B2号に開示されているものを含み、これらは全て、参照することにより全体的に本明細書に組み込まれる。「遷移金属触媒」、「遷移金属触媒前駆体」、「触媒」、「触媒前駆体」、「重合触媒または触媒前駆体」という用語及び同様の用語は、本開示において交換可能である。
【0021】
「立体障害ジエン」は、少なくとも1つの二重結合が五員環上の内部結合である環式ジエンを指す。したがって、ジエンの少なくとも1つの内部二重結合は、遷移金属触媒中心における金属炭素結合への第2のジエンの連続的挿入が妨げられるように立体的に妨害され、2つの金属原子の間に挟まれたただ1つのジエンをもたらす。
【0022】
「有機金属化合物」は、金属−炭素結合R−Mを含有する任意の化合物を指す。
【0023】
「共触媒」は、活性触媒組成物を形成するように触媒前駆体を活性化し得る、当技術分野において知られているもの、例えば、米国特許第8,501,885B2号において開示されているものを指す。
【0024】
「溶媒」は、当技術分野において知られているもの、及び本開示に関して当業者により適切であると知られているものを指す。好適な溶媒は、トルエン等の芳香族炭化水素、ならびにIsopar(商標)及びヘプタン等の脂肪族炭化水素を含む。
【0025】
「ポリマー」は、同じまたは異なる種類であるかどうかを問わず、モノマーを重合させることにより調製される化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、通常1種のモノマーのみから調製されたポリマーを指すように使用されるホモポリマーという用語、及び以下で定義されるようなインターポリマーという用語を包含する。これはまた、全ての形態のインターポリマー、例えば、ランダム、ブロック、均一、不均一等を包含する。
【0026】
「インターポリマー」及び「コポリマー」は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製されたポリマーを指す。これらの総称は、古典的コポリマー、すなわち2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、及び3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマー等の両方を含む。
【0027】
「ブロックコポリマー」または「セグメント化コポリマー」という用語は、直線的に繋がった2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、懸垂またはグラフト様式ではなく、重合官能基に関して端部同士が繋がった(共有結合した)化学的に区別される単位を含むポリマーを指す。ブロックは、それに組み込まれたコモノマーの量もしくは種類、密度、結晶化度の量、結晶化度の種類(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、そのような組成物のポリマーに起因する結晶子サイズ、立体規則性の種類もしくは程度(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)、位置規則性もしくは位置不規則性、長鎖分岐もしくは超分岐を含む分岐の量、均一性、及び/または任意の他の化学的もしくは物理的特性において異なる。ブロックコポリマーは、例えば触媒と組み合わせたシャトリング剤(複数可)の使用の効果に基づく、ポリマー多分散性(PDIまたはMw/Mn)及びブロック長さ分布の両方の特有の分布により特徴付けられる。
【0028】
組成物形成の一般的触媒プロセス
本開示は、遷移金属触媒の存在下で立体障害ジエン及び有機金属化合物を使用することにより、式R[R−]を有する多頭性または二頭性組成物を合成するためのプロセスに関する。ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、立体障害ジエンを、有機金属化合物、共触媒、溶媒、及び触媒前駆体と接触させ、式R[R−]を有する組成物を含む最終溶液を形成することを含む。ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、連結基を、有機金属化合物、共触媒、溶媒、及び触媒前駆体と接触させ、式R[R−]を有する組成物を含む最終溶液を形成することを含み、連結基は、立体障害ジエンである。さらなる実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、(a)立体障害ジエン及び有機金属化合物を溶媒と接触させ、第1の溶液を形成することと、(b)第1の溶液を触媒前駆体及び共触媒と接触させ、式R[R−]を有する組成物を含む最終溶液を形成することとを含む。さらなる実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、(a)連結基及び有機金属化合物を溶媒と接触させ、第1の溶液を形成することと、(b)第1の溶液を触媒前駆体及び共触媒と接触させ、式R[R−]を有する組成物を含む最終溶液を形成することとを含み、連結基は、立体障害ジエンである。
【0029】
ある特定の実施形態において、本開示は、触媒前駆体の存在下で立体障害ジエン及び有機亜鉛化合物を使用することにより二頭性組成物を合成するためのプロセスを提供し、これによって、二頭性組成物は、触媒前駆体中心におけるジエンの二重結合の挿入に続く亜鉛金属への即時的な連鎖移動により、in−situで生成される。例示的な限定されないプロセスを、スキーム1〜3及び図1に示す。
【0030】
図1中のスキーム2を参照すると、本開示の例示的プロセスにおいて、ジエン二重結合は触媒(1)と配位し、遷移金属−炭素結合内に挿入されて(2)を形成し、次いでアルキル亜鉛に移動して二頭性亜鉛種(3)を形成する。回収された触媒(1)は、触媒サイクルに戻り、別のジエンと反応する。二頭性亜鉛種(3)は、残りの末端ZnR2を使用して(2)とさらに連鎖移動を生じ、「ポリマー性」二頭性亜鉛種(4)を生じる。プロセスは、ジエン(または、Znに対するジエンの比率が1超である場合はZnR2)が枯渇するまで継続する。二頭性亜鉛鎖の長さ(n)は、ZnR2に対するジエンの比率により決定される。比率が1に近いほどn値は大きく、したがってオリゴマー性二頭性組成物の分子量が大きい。しかしながら、二頭性組成物は、鎖長が分布している可能性が最も高い。
【0031】
ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、いかなる単離、精製、または分離も必要としないワンポットプロセスである。さらなる実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、ワンポットプロセスであり、触媒前駆体(共触媒と組み合わせた)は、最終溶液中に活性触媒として残留し、その後の重合のための触媒としてさらに機能し得、その後の重合の前に除去される必要はない。ある特定の実施形態において、触媒前駆体は、その後の重合に対する悪影響を有さず、良好なより高次のアルファ−オレフィンを組み込む(すなわち良好なコモノマーを組み込む)触媒である。
【0032】
ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物は、最終溶液中で活性を維持し、重合中に連鎖シャトリング剤としてさらに機能し得る。したがって、ある特定の実施形態において、本開示のプロセスは、ワンポットプロセスであり、プロセスの最終溶液(活性触媒及び式R[R−]を有する組成物を含有する)は、いかなる単離、精製、または分離も必要とせずに、及び除去可能な担持触媒を有する必要なく、重合反応に直接使用され得る。
【0033】
したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスに関し、プロセスは、少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び式R[R−]を有する組成物の接触生成物を含む。さらなる実施形態において、本開示は、ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスに関し、プロセスは、少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び式R[R−]を有する組成物の接触生成物を含み、少なくとも1種の触媒前駆体はまた、式R[R−]を有する組成物を調製するために使用される触媒前駆体である。別の言い方をすれば、式R[R−]を有する組成物を形成するために使用される触媒前駆体は、重合反応に使用されるのと同じ触媒前駆体である。
【0034】
最終溶液中に残留する触媒は、重合に直接使用され得るが、いくつかの実施形態において、最終溶液中の触媒は、当業者に知られている手段により、例えば、活性触媒を除去するシリカ、アルミナ、または他の層媒体のプラグに最終溶液を通過させることにより、少なくはない割合の式R[R−]を有する組成物と反応することなく、またはそれを除去することなく重合前に最終溶液から任意選択で除去されてもよい。好ましくは、除去プロセスは、無水非晶質シリカを使用する。
【0035】
本明細書に記載のように、多頭性または二頭性組成物(例えば、多頭性または二頭性CSA)は、テレケリック機能性ポリマーを生成することができるため、非常に興味深い。具体的には、式R[R−]を有する組成物に関して、2つのM基の間に挟まれた連結基である立体障害ジエンの誘導体は、鎖の両方の末端が末端ポリメリル−金属結合を介してM基に結合したポリマー鎖に成長し得る。その後、末端ポリメリル−金属結合は、官能化化学により所望の官能基に変換され得、それにより所望の二官能性ポリマー鎖が得られる。
【0036】
立体障害ジエン
ある特定の実施形態において、本開示のプロセスは、式R[R−]を有する組成物を形成するために、触媒前駆体へのジエンの単一挿入に続く、有機金属化合物の金属への挿入されたジエンの即時的な連鎖移動を必要とする。ある特定の実施形態において、ジエンの選択は、単一挿入要件を満たすために重要である。ある特定の実施形態において、ジエンは、遷移金属とδ−結合を形成し、次いで即時的に亜鉛金属に移動するために、遷移金属触媒と配位して金属−炭素内に一度だけ挿入することができなければならない。ある特定の実施形態において、ジエンの五員環上の内部二重結合は、第2のジエンの連続的挿入が立体障害により妨げられるように立体的に妨害され(例えば、ジエンは、エチレンと共重合し得るが、連続的に挿入するにはあまりにかさ高い)、または、速度が、亜鉛金属への連鎖移動の速度よりはるかに遅くならなければならず、2つの亜鉛金属の間に挟まれたただ1つのジエンをもたらす。
【0037】
本開示による例示的な立体障害ジエンは、これらに限定されないが、図2に示されるように、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、及びビス−ノルボルネンの誘導体を含む。
【0038】
有機金属化合物
本開示のプロセスのある特定の実施形態において、有機金属化合物は、金属アルキルである。本開示のプロセスのある特定の実施形態において、有機金属化合物は、二価金属(例えばZnもしくはMg)、三価金属(Al、B、もしくはGa)、または二価金属及び三価金属の混合物を含有する金属アルキルである。ある特定の実施形態において、本開示のプロセスにおいて使用される有機金属化合物は、有機亜鉛化合物である。ある特定の実施形態において、有機亜鉛化合物は、ジアルキル亜鉛化合物(RZn)、モノアルキル亜鉛化合物(RZnX、式中、Xは、アルコキシル、アミノ、シリル、ホスフィン、アルキルチオ、及びハライドである)、ならびにRZn及びRZnXの任意の比率の混合物からなる群から選択される。
【0039】
ある特定の実施形態において、本開示の組成物の構造及びサイズは、有機金属化合物の選択、及び立体障害ジエンに対する有機金属化合物の比率により、所望通りに調整され得る。例えば、本開示のいくつかの実施形態において、組成物の長さは、ジエンに対する有機亜鉛化合物の比率により制御され得る。例えば、ジエンに対するEtZnの1を超える比率は、両端にエチル基を有する二頭性連鎖シャトリング剤をもたらし、各エチル−Znは、単官能性ポリマー鎖を生成する。所望により、末端エチル−Zn及び得られる単官能性ポリマー鎖は、RZnXまたはRZnX及びRZnの混合物を使用することにより除去され得る。二頭性亜鉛鎖の長さ(n)は、ZnEtに対するジエンの比率により決定される。異なる有機亜鉛化合物を使用した二頭性組成物の例示的な限定されない構造を、図3に示す。
【0040】
触媒または触媒前駆体
本明細書における使用に好適な触媒は、所望の組成または種類のポリマーを調製するために適合される、及び連鎖シャトリング剤による可逆的連鎖移動が可能な任意の化合物または化合物の組み合わせを含む。不均一及び均一触媒の両方が使用され得る。不均一触媒の例は、周知のチーグラー−ナッタ組成物、特に、2族金属ハライド上に担持された4族金属ハライドまたは混合ハライド、及びアルコキシド、及び周知のクロムまたはバナジウム系触媒を含む。好ましくは、本明細書における使用のための触媒は、比較的純粋な有機金属化合物または金属錯体、特に元素周期表の3〜10族またはランタニド系列から選択される金属に基づく化合物または錯体を含む均一触媒である。
【0041】
本明細書における使用のための金属錯体は、1つ以上の非局在化π結合リガンド、または多価ルイス塩基リガンドを含有する元素周期表の3〜15族から選択され得る。その例は、メタロセン、ハーフメタロセン、拘束幾何、及び多価ピリジルアミン、または他のポリキレート塩基錯体を含む。錯体は、一般に、式:MK、またはその二量体により示され、式中、
Mは、元素周期表の3〜15族、好ましくは3〜10族、より好ましくは4〜8族、最も好ましくは4族から選択される金属であり、
Kは、独立して、出現する毎に、それを介してKがMに結合する非局在化π電子または1つ以上の電子対を含有する基であり、前記K基は、水素原子を考慮せずに50個までの原子を含有し、任意選択で2つ以上のK基が互いに繋がって架橋構造を形成してもよく、さらに、任意選択で、1つ以上のK基が、Z、X、またはZ及びXの両方に結合してもよく、
Xは、独立して、出現する毎に、40個までの非水素原子を有する一価アニオン性部分であり、任意選択で、1つ以上のX基が互いに結合し、それにより二価または多価アニオン性基を形成してもよく、さらに、任意選択で、1つ以上のX基及び1つ以上のZ基が互いに結合し、それによりMに共有結合すると共にそれに配位した部分を形成してもよく、
Zは、独立して、出現する毎に、それを介してZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する、50個までの非水素原子の中性ルイス塩基ドナーリガンドであり、
kは、0〜3の整数であり、xは、1〜4の整数であり、zは、0〜3の数であり、
和k+xは、Mの形式酸化状態に等しい。
【0042】
好適な金属錯体は、環式または非環式非局在化π結合アニオン性リガンド基であってもよい、1〜3個のπ結合アニオン性または中性リガンド基を含有するものを含む。そのようなπ結合基の例は、共役または非共役環式または非環式ジエン及びジエニル基、アリル基、ボラタベンゼン基、ホスホール、及びアレーン基である。「π結合」という用語は、リガンド基が部分的非局在化π結合からの電子の共有により遷移金属に結合していることを意味する。
【0043】
非局在化π結合基における各原子は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル置換ヘテロ原子からなる群から選択されるラジカルで置換されてもよく、ヘテロ原子は、元素周期表の14〜16族から選択され、そのようなヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルは、15または16族ヘテロ原子含有部分でさらに置換される。さらに、2つ以上のそのようなラジカルが一緒になって、部分もしくは完全水素化縮合環系を含む縮合環系を形成してもよく、または、それらは、金属とメタロサイクルを形成してもよい。「ヒドロカルビル」という用語には、C1−20直鎖、分岐及び環式アルキルラジカル、C6−20芳香族ラジカル、C220アルキル置換芳香族ラジカル、及びC7−20アリール置換アルキルラジカルが含まれる。好適なヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルは、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リンまたは酸素の一置換、二置換及び三置換ラジカルを含み、ヒドロカルビル基のそれぞれは、1〜20個の炭素原子を含有する。その例は、N,N−ジメチルアミノ、ピロリジニル、トリメチルシリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジ(t−ブチル)シリル、トリフェニルゲルミル、及びトリメチルゲルミル基を含む。15族または16族ヘテロ原子含有部分の例は、遷移金属またはランタニド金属に結合し、ヒドロカルビル基、π結合基、またはヒドロカルビル置換へテロ原子に結合した、アミノ、ホスフィノ、アルコキシ、もしくはアルキルチオ部分またはそれらの二価誘導体、例えばアミド、ホスフィド、アルキレンオキシまたはアルキレンチオ基を含む。
【0044】
好適なアニオン性非局在化π結合基の例は、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基、ホスホール、及びボラタベンジル基、ならびにそれらの不活性置換誘導体、特にそれらのC10ヒドロカルビル置換またはトリス(C1−10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体を含む。好ましいアニオン性非局在化π結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、2,3−ジメチルインデニル、フルオレニル、2−メチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、1−インダセニル、3−ピロリジノインデン−1−イル、3,4−(シクロペンタ(l)フェナントレン−1−イル、及びテトラヒドロインデニルである。
【0045】
ボラタベンゼニルリガンドは、ベンゼンのホウ素含有類似体であるアニオン性リガンドである。これは、当技術分野において以前から知られており、G.HerberichらによりOrganometallics,14,1,471〜480(1995)で説明されている。好ましいボラタベンゼニルリガンドは、式:
【0046】
【化1】
【0047】
に対応し、式中、Rは、好ましくは水素、ヒドロカルビル、シリル、ハロまたはゲルミルからなる群から選択される不活性置換基であり、前記Rは、水素を考慮せずに20個までの原子を有し、任意選択で、2つの隣接するR基が互いに繋がっていてもよい。そのような非局在化π結合基の二価誘導体を含む錯体において、その1つの原子は、共有結合により、または共有結合した二価基により錯体の別の原子に結合し、それにより架橋系を形成する。
【0048】
ホスホールは、シクロペンタジエニル基のリン含有類似体であるアニオン性リガンドである。これは、当技術分野において以前から知られており、WO98/50392及びその他により説明されている。好ましいホスホールリガンドは、式:
【0049】
【化2】
【0050】
に対応し、式中、Rは以前に定義された通りである。
本明細書における使用に好適な遷移金属錯体は、式:MK、またはその二量体に対応し、式中:
Mは、4族金属であり、
Kは、それを介してKがMに結合する非局在化π電子を含有する基であり、前記K基は、水素原子を考慮せずに50個までの原子を含有し、任意選択で2つのK基が互いに繋がって架橋構造を形成してもよく、さらに、任意選択で、1つのKがXまたはZに結合してもよく、
Xは、出現する毎に、40個までの非水素原子を有する一価アニオン性部分であり、任意選択で、1つ以上のX及び1つ以上のK基が互いに結合して、メタロサイクルを形成し、さらに、任意選択で、1つ以上のX及び1つ以上のZ基が互いに結合し、それによりMに共有結合すると共にそれに配位した部分を形成し、
Zは、独立して、出現する毎に、それを介してZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する、50個までの非水素原子の中性ルイス塩基ドナーリガンドであり、
kは、0〜3の整数であり、xは、1〜4の整数であり、zは、0〜3の数であり、和k+xは、Mの形式酸化状態に等しい。
【0051】
好適な錯体は、1つまたは2つのK基を含有するものを含む。後者の錯体は、2つのK基を連結する架橋基を含有するものを含む。好適な架橋基は、式(ER’に対応するものであり、式中、Eは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、または炭素であり、R’は、独立して、出現する毎に、水素、またはシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組み合わせから選択される基であり、前記R’は、30個までの炭素またはケイ素原子を有し、eは、1〜8である。例示的には、R’は、独立して、出現する毎に、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、tert−ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシまたはフェノキシである。
【0052】
2つのK基を含有する錯体の例は、式:
【0053】
【化3】
【0054】
に対応する化合物であり、式中、
Mは、+2または+4の形式酸化状態のチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、好ましくはジルコニウムまたはハフニウムであり、Rは、出現する毎に、独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記Rは、20個までの非水素原子を有し、または、隣接するR基が一緒になって二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイルもしくはゲルマジイル基)を形成し、それにより縮合環系を形成し、
X”は、独立して、出現する毎に、40個までの非水素原子のアニオン性リガンド基であり、または、2つのX”基が一緒になって、40個までの非水素原子の二価アニオン性リガンド基を形成し、もしくは一緒になって非局在化π電子によりMに結合した4〜30個の非水素原子を有する共役ジエンであり、その後Mは+2の形式酸化状態にあり、
R’、E及びeは、以前に定義された通りである。
【0055】
2つのπ結合基を含有する例示的架橋リガンドは、ジメチルビス(シクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(2−エチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、ジメチルビス(2−t−ブチルシクロペンタジエン−1−イル)シラン、2,2−ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)プロパン、ジメチルビス(インデン−1−イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロインデン−1−イル)シラン、ジメチルビス(フルオレン−1−イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、ジメチルビス(2−メチル−4−フェニルインデン−1−イル)−シラン、ジメチルビス(2−メチルインデン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(フルオレン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレン−1−イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレン−1−イル)シラン、(1,1,2,2−テトラメチル)−1,2−ビス(シクロペンタジエニル)ジシラン、(1,2−ビス(シクロペンタジエニル)エタン、及びジメチル(シクロペンタジエニル)−1−(フルオレン−1−イル)メタンである。
【0056】
好適なX”基は、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロヒドロカルビル、ハロシリル、シリルヒドロカルビル及びアミノヒドロカルビル基から選択され、または、2つのX”基が一緒になって共役ジエンの二価誘導体を形成し、もしくは一緒になって中性π結合共役ジエンを形成する。例示的なX”基は、C1−20ヒドロカルビル基である。
【0057】
本発明における使用に好適な上記式の金属錯体の例は、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタン−アリル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
インデニルフルオレニルジルコニウムジメチル、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチル(2−(ジメチルアミノ)ベンジル)、
ビス(インデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムメチルトリメチルシリル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルメトキシド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、
ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)アリル
ジメチルシリルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、
(ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウム−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデン−1−イル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデン−1−イル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(テトラヒドロフルオレニル)ジルコニウムビス(トリメチルシリル)、
エチレンビス(インデニル(indbnyl))ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、
(イソプロピリデン)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジベンジル、及びジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチルを含む。
【0058】
本発明において利用される金属錯体のさらなるクラスは、上記式:MKZまたはその二量体に対応し、式中、M、K、X、x及びzは、以前に定義された通りであり、Zは、Kと共にMとメタロサイクルを形成する、50個までの非水素原子の置換基である。
【0059】
好適なZ置換基は、Kに直接結合した酸素、硫黄、ホウ素または元素周期表の14族のメンバーである少なくとも1つの原子、及び、Mに共有結合した窒素、リン、酸素または硫黄からなる群から選択される異なる原子を含む、30個までの非水素原子を含有する基を含む。
【0060】
より具体的には、本発明に従って使用されるこのクラスの4族金属錯体は、式:
【0061】
【化4】
【0062】
に対応する「拘束幾何触媒」を含み、式中、Mは、+2、+3、または+4の形式酸化状態のチタンまたはジルコニウム、好ましくはチタンであり、
は、1〜5個のR基で任意選択で置換された非局在化π結合リガンド基であり、
は、出現する毎に、独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記Rは、20個までの非水素原子を有し、または、隣接するR基が一緒になって二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイルもしくはゲルマジイル基)を形成し、それにより縮合環系を形成し、
各Xは、ハロ、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシもしくはシリル基であり、前記基は、20個までの非水素原子を有し、または、2つのX基が一緒になって中性C5〜30共役ジエンもしくはその二価誘導体を形成し、
xは、1または2であり、
Yは、−O−、−S−、−NR’−、−PR’−であり、
X’は、SiR’、CR’、SiR’SiR’、CR’CR’、CR’=CR’、CR’SiR’、またはGeR’であり、
R’は、独立して、出現する毎に、水素、またはシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組み合わせから選択される基であり、前記R’は、30個までの炭素またはケイ素原子を有する。
【0063】
上記拘束幾何金属錯体の具体例は、式:
【0064】
【化5】
【0065】
に対応する化合物を含み、式中、
Arは、水素を考慮せずに6〜30個の原子のアリール基であり、
は、独立して、出現する毎に、水素、Ar、またはAr以外のヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、トリヒドロカルビルシロキシ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルバジイルアミノ、ヒドロカルビルイミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルバジイルホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルから選択される基であり、前記R基は、水素原子を考慮せずに40個までの原子を有し、任意選択で、2つの隣接するR基が互いに繋がって多環式縮合環基を形成してもよく、
Mは、チタンであり、
X’は、SiR、CR、SiRSiR、CRCR、CR=CR、CRSiR、BR、BRL”、またはGeRであり、
Yは、−O−、−S−、−NR−、−PR−;−NR、または−PRであり、
は、独立して、出現する毎に、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、またはトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、前記Rは、水素以外の20個までの原子を有し、任意選択で、2つのR基またはR及びYまたはZが一緒になって環系を形成し、
は、独立して、出現する毎に、水素、またはヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、−NR、及びそれらの組み合わせから選択されるメンバーであり、前記Rは、20個までの非水素原子を有し、任意選択で、2つのR基またはR及びZが一緒になって環系を形成し、
Zは、R、R、またはXに任意選択で結合した中性ジエンまたは単座もしくは多座ルイス塩基であり、
Xは、水素、水素を考慮せずに60個までの原子を有する一価アニオン性リガンド基であり、または、2つのX基が互いに繋がって、それにより二価リガンド基を形成し、
xは、1または2であり、
zは、0、1または2である。
【0066】
上記金属錯体の好適な例は、シクロペンタジエニルまたはインデニル基の3及び4位の両方において、Ar基で置換される。上記金属錯体の例は、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,3−ジフェニル−l,3−ブタジエン;
(3−(ピロロ−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(ピロロ−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(ピロロ−1−イル)シクロペンタジエン−1−イル))ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(1−メチルピロロ−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(1−メチルピロロ−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(1−メチルピロロ−3−イル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3,4−ジフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン;
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−(3−N,N−ジメチルアミノ)フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−(4−メトキシフェニル)−4−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−4−メトキシフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
2−メチル−(3,4−ジ(4−メチルフェニル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
((2,3−ジフェニル)−4−(N,N−ジメチルアミノ)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3,4−トリフェニル−5−メチルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(3−フェニル−4−メトキシシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、
(2,3−ジフェニル−4−(n−ブチル)シクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジクロリド、
(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタンジメチル、及び(2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタジエン−1−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンを含む。
【0067】
本明細書における好適な金属錯体のさらなる例は、式:
【0068】
【化6】
【0069】
に対応する多環式錯体であり、式中、Mは、+2、+3または+4の形式酸化状態のチタンであり、
は、独立して、出現する毎に、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン−ホスフィノ置換ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R基は、水素を考慮せずに40個までの原子を有し、任意選択で、上記基の2つ以上が一緒になって二価誘導体を形成してもよく、
は、金属錯体の残りと縮合環を形成する二価ヒドロカルビレン−または置換ヒドロカルビレン基であり、前記Rは、水素を考慮せずに1〜30個の原子を含有し、
は、二価部分、またはMへの配位共有結合を形成することができる1つのσ結合及び中性の2つの電子対を含む部分であり、前記Xは、ホウ素、または元素周期表の14族のメンバーを含み、また窒素、リン、硫黄または酸素も含み、
Xは、環式非局在化π結合リガンド基であるリガンドのクラスを除く、60個までの原子を有する一価アニオン性リガンド基であり、任意選択で、2つのX基が一緒になって二価リガンド基を形成し、
Zは、独立して、出現する毎に、20個までの原子を有する中性リガンド化合物であり、
xは、0、1または2であり、
zは、ゼロまたは1である。
【0070】
そのような錯体の好適な例は、式:
【0071】
【化7】
【0072】
に対応する3−フェニル置換s−インデセニル錯体、式:
【0073】
【化8】
【0074】
に対応する2,3−ジメチル置換s−インデセニル錯体、または式:
【0075】
【化9】
【0076】
に対応する2−メチル置換s−インデセニル錯体である。
【0077】
本発明による触媒として有用に使用される金属錯体の追加的な例は、式:
【0078】
【化10】
【0079】
のものを含む。
【0080】
具体的な金属錯体は、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−l−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−1−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−メチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジクロリド、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジメチル、
(8−ジフルオロメチレン−1,8−ジヒドロベンゾ[e,h]アズレン−2−イル)−N−(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシランアミドチタン(IV)ジベンジル、及びそれらの混合物、特に位置異性体の混合物を含む。
【0081】
本発明による使用のための金属錯体のさらなる例示的な例は、式:
【0082】
【化11】
【0083】
に対応し、式中、Mは、+2、+3または+4の形式酸化状態のチタンであり、
Tは、−NR−または−O−であり、
は、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ジヒドロカルビルボリル、もしくはハロヒドロカルビル、または水素を考慮せずに10個までの原子であり、
10は、独立して、出現する毎に、水素、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレン−ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ−置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、前記R10基は、水素原子を考慮せずに40個までの原子を有し、任意選択で、上記の隣接するR10基の2つ以上が一緒になって二価誘導体を形成し、それにより飽和または不飽和縮合環を形成してもよく、
は、局在化π電子を有さない二価部分、またはMへの配位共有結合を形成することができる1つのσ結合及び中性の2つの電子対を含むような部分であり、前記X’は、ホウ素、または元素周期表の14族のメンバーを含み、また窒素、リン、硫黄または酸素も含み、
Xは、非局在化π電子によりMに結合した環式リガンド基であるリガンドのクラスを除く、60個までの原子を有する一価アニオン性リガンド基であり、または、2つのX基が一緒になって、二価アニオン性リガンド基であり、
Zは、独立して、出現する毎に、20個までの原子を有する中性リガンド化合物であり、
xは、0、1、2、または3であり、
zは、0または1である。
【0084】
例示的には、Tは、=N(CH)であり、Xは、ハロまたはヒドロカルビルであり、xは、2であり、X’は、ジメチルシランであり、zは、0であり、R10は、出現する毎に、水素、水素を考慮せずに20個までの原子のヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル基、またはヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つのR10基が互いに繋がっていてもよい。
【0085】
本発明の実践において使用され得る上記式の例示的金属錯体は、以下の化合物をさらに含む。
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6J]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(t−ブチルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジメチル−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル、
(t−ブチルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(III)2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジクロリド、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジメチル、
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ジベンジル;及び
(シクロヘキシルアミド)ジ(p−メチルフェニル)−[6,7]ベンゾ−[4,5:2’,3’](1−メチルイソインドール)−(3H)−インデン−2−イル)シランチタン(IV)ビス(トリメチルシリル)。
【0086】
本発明の実践において使用され得る例示的な4族金属錯体は、さらに、
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−インデニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2−(ジメチルアミノ)ベンジル;
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)アリル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(III)2,4−ジメチルペンタジエニル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II) 2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3 −ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,3−ジメチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチルインデニル)ジメチルシランチタン(IV)ジベンジル、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジメチルシランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチル−シランチタン(IV)1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(IV)イソプレン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチル−シランチタン(II)1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタン(II)2,4−ヘキサジエン、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチル−シランチタン(II)3−メチル−1,3−ペンタジエン、
(tert−ブチルアミド)(2,4−ジメチルペンタジエン−3−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(6,6−ジメチルシクロヘキサジエニル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1−ジメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(1,1,2,3−テトラメチル−2,3,4,9,10−η−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロナフタレン−4−イル)ジメチルシランチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニルメチルフェニルシランチタン(IV)ジメチル、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニルメチルフェニルシランチタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)エタンジイルチタン(IV)ジメチル、及び
1−(tert−ブチルアミド)−2−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)エタンジイル−チタン(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンを含む。
【0087】
他の非局在化π結合錯体、特に他の4族金属を含有するものは、当然ながら当業者に明らかであり、中でもWO03/78480、WO03/78483、WO02/92610、WO02/02577、US2003/0004286及び米国特許第6,515,155号、同第6,555,634号、同第6,150,297号、同第6,034,022号、同第6,268,444号、同第6,015,868号、同第5,866,704号、及び同第5,470,993号において開示されている。
【0088】
触媒として有用に使用される金属錯体の追加的な例は、多価ルイス塩基の錯体、例えば式:
【0089】
【化12】
【0090】
に対応する化合物であり、式中、Tは、好ましくは、水素以外の2つ以上の原子を含有する架橋基であり、
及びYは、それぞれ独立して、窒素、硫黄、酸素及びリンからなる群から選択され、より好ましくは、X及びYの両方が窒素であり、
及びR’は、独立して、出現する毎に、水素、または1つ以上のヘテロ原子を任意選択で含有するC1−50ヒドロカルビル基、またはその不活性置換誘導体である。好適なR及びR’基の限定されない例は、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、(ポリ)アルキルアリール及びシクロアルキル基、ならびにそれらの窒素、リン、酸素及びハロゲン置換誘導体を含む。好適なRb及びRb’基の具体例は、メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ(イソプロピル)フェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−トリフルオロメチルフェニル、及びベンジルを含み、
gは、0または1であり、
は、元素周期表の3〜15族、またはランタニド系列から選択される金属元素である。好ましくは、Mは、3〜13族金属であり、より好ましくは、Mは、4〜10族金属であり、
は、水素を考慮せずに1〜50個の原子を含有する一価、二価または三価アニオン性リガンドである。好適なL基の例は、ハライド;ヒドリド;ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ;ジ(ヒドロカルビル)アミド、ヒドロカルビレンアミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド;ヒドロカルビルスルフィド;ヒドロカルビルオキシ、トリ(ヒドロカルビルシリル)アルキル及びカルボキシレートを含む。より好ましいL基は、C1−20アルキル、C7−20アラルキル、及びクロリドであり、
hは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数であり、jは、1または2であり、h、x、jの値は、電荷平衡を提供するように選択され、
は、Mに配位し、水素を考慮せずに50個までの原子を含有する中性リガンド基である。好ましいZ基は、脂肪族及び芳香族アミン、ホスフィン、及びエーテル、アルケン、アルカジエン、ならびにそれらの不活性置換誘導体を含む。好適な不活性置換基は、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ジ(ヒドロカルビル)アミン、トリ(ヒドロカルビル)シリル、及びニトリル基を含む。好ましいZ基は、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロフラン、ピリジン、及び1,4−ジフェニルブタジエンを含み、
fは、1〜3の整数であり、
、R及びR’の2つまたは3つは、互いに繋がって単一または複数環構造を形成してもよく、
hは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数であり、
【0091】
【0092】
は、複数の結合を含む任意の形態の電子相互作用、特に配位または共有結合を示し、矢印は、配位結合を表し、点線は、任意選択の二重結合を示す。
【0093】
一実施形態において、RがXに対して比較的低い立体障害を有することが好ましい。この実施形態において、最も好ましいR基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、分岐鎖アルキル基(最も近い分岐点はXから少なくとも3原子離れている)、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシまたはトリヒドロカルビルシリル置換誘導体である。この実施形態において極めて好ましいR基は、C1−8直鎖アルキル基である。
【0094】
同時に、この実施形態において、R’は、好ましくは、Yに対して比較的高い立体障害を有する。この実施形態に好適なR’基の限定されない例は、1つ以上の第二級または第三級炭素中心を含有するアルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル、アリール、アルカリル、脂肪族または芳香族ヘテロ環式基、有機または無機オリゴマー、ポリマーまたは環式基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシまたはトリヒドロカルビルシリル置換誘導体を含む。この実施形態における好ましいR’基は、水素を考慮せずに3〜40個、より好ましくは3〜30個、最も好ましくは4〜20個の原子を含有し、分岐状または環式である。
【0095】
好ましいT基の例は、以下の式:
【0096】
【化13】
【0097】
に対応する構造であり、式中、
各Rは、C1〜10ヒドロカルビル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル、またはトリルである。各Rは、C1〜10ヒドロカルビル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル、またはトリルである。さらに、2つ以上のRもしくはR基、またはRd及びRe基の混合が一緒になって、ヒドロカルビル基の多価誘導体、例えば1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、または多環式縮合環多価ヒドロカルビルもしくはヘテロヒドロカルビル基、例えばナフタレン−1,8−ジイルを形成してもよい。
【0098】
上記多価ルイス塩基錯体の好適な例は、
【0099】
【化14】
【0100】
を含み、Rd’は、出現する毎に、水素、及び任意選択で1つ以上のヘテロ原子を含有するC1−50ヒドロカルビル基、もしくはその不活性置換誘導体からなる群から独立して選択され、または、さらに任意選択で、2つの隣接するRd’基が一緒になって二価架橋基を形成してもよく、
d’は、4であり、
b’は、4族金属、好ましくはチタンもしくはハフニウム、または10族金属、好ましくはNiもしくはPdであり、
b’は、水素を考慮せずに50個までの原子の一価リガンド、好ましくはハライドもしくはヒドロカルビルであり、または、2つのLb’基が一緒になって、二価または中性リガンド基、好ましくはC2−50ヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイルもしくはジエン基である。
【0101】
本発明における使用のための多価ルイス塩基錯体は、特に、式:
【0102】
【化15】
【0103】
に対応するヒドロカルビルアミン置換ヘテロアリール化合物の4族金属誘導体、特にハフニウム誘導体を含み、式中、
11は、水素を考慮せずに1〜30個の原子を含有するアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、及びそれらの不活性置換誘導体、またはそれらの二価誘導体から選択され、
は、水素以外の1〜41個の原子、好ましくは水素以外の1〜20個の原子の二価架橋基、最も好ましくはモノ−またはジ−C1−20ヒドロカルビル置換メチレンまたはシラン基であり、
12は、ルイス塩基官能基を含有するC5−20ヘテロアリール基、特にピリジン−2−イルもしくは置換ピリジン−2−イル基、またはそれらの二価誘導体であり、
は、4族金属、好ましくはハフニウムであり、
は、アニオン性、中性または二価アニオン性リガンド基であり、
x’は、そのようなX基の数を示す0〜5の数であり、結合、任意選択の結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印により表される。
【0104】
好適な錯体は、リガンド形成がアミン基からの水素除去、及び任意選択で1つ以上の追加的な基、特にR12の喪失から生じるものである。さらに、ルイス塩基官能基、好ましくは電子対からの電子供与は、金属中心に追加的な安定性を提供する。好適な金属錯体は、式:
【0105】
【化16】
【0106】
に対応し、式中、M、X、x’、R11及びTは、以前に定義された通りであり、
13、R14、R15及びR16は、水素、ハロ、または水素を考慮せずに20個までの原子のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはシリル基であり、あるいは、隣接するR13、R14、R15またはR16基が互いに繋がって、それにより縮合環誘導体を形成してもよく、結合、任意選択の結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印により表される。上記金属錯体の好適な例は、式:
【0107】
【化17】
【0108】
に対応し、式中、
、X及びx’は、以前に定義された通りであり、
13、R14、R15及びR16は、以前に定義された通りであり、好ましくは、R13、R14、及びR15は、水素またはC1−4アルキルであり、R16は、C6−20アリール、最も好ましくはナフタレニルであり、
は、独立して、出現する毎に、C1−4アルキルであり、aは、1〜5であり、最も好ましくは、窒素に対して2つのオルト位にあるRは、イソプロピルまたはt−ブチルであり、
17及びR18は、独立して、出現する毎に、水素、ハロゲンまたはC1−20アルキルまたはアリール基であり、最も好ましくは、R17及びR18の一方は、水素であり、他方は、C6−20アリール基、特に2−イソプロピル、フェニルまたは縮合多環式アリール基、最も好ましくはアントラセニル基であり、結合、任意選択の結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印により表される。
【0109】
本明細書における使用のための例示的金属錯体は、式:
【0110】
【化18】
【0111】
に対応し、式中、Xは、出現する毎に、ハライド、N,N−ジメチルアミド、またはCアルキルであり、好ましくは、出現する毎に、Xは、メチルであり、
は、独立して、出現する毎に、水素、ハロゲン、C1〜20アルキル、もしくはC6〜20アリールであり、または、2つの隣接するR基が互いに繋がって、それにより環を形成し、fは、1〜5であり、
は、独立して、出現する毎に、水素、ハロゲン、C1−20アルキル、もしくはC6−20アリールであり、または、2つの隣接するR基が互いに繋がって、それにより環を形成し、cは、1〜5である。
【0112】
本発明による触媒としての使用のための金属錯体の好適な例は、以下の式:
【0113】
【化19】
【0114】
の錯体であり、式中、Rは、C1−4アルキルまたはシクロアルキル、好ましくはメチル、イソプロピル、t−ブチル、またはシクロヘキシルであり、
は、出現する毎に、ハライド、N,N−ジメチルアミド、またはC1−4アルキル、好ましくはメチルである。
【0115】
本発明による触媒として有用に使用される金属錯体の例は、
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);及び
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリドを含む。
【0116】
本発明において使用される金属錯体を調製するために使用される反応条件下において、ピリジン−2−イル基の6位において置換されたα−ナフタレン基の2位の水素は除去され、それにより独自に金属錯体が形成され、金属は、得られるアミド基、及びα−ナフタレニル基の2位の両方に共有結合するだけでなく、窒素原子の電子対を介したピリジニル窒素原子への配位により安定化される。本明細書における使用のための多価ルイス塩基の追加の好適な金属錯体は、式:
【0117】
【化20】
【0118】
に対応する化合物を含み、式中、
20は、水素を考慮せずに5〜20個の原子を含有する芳香族もしくは不活性置換芳香族基、またはそれらの多価誘導体であり、
は、水素を考慮せずに1〜20個の原子を含有するヒドロカルビレンもしくはシラン、またはそれらの不活性置換誘導体であり、
は、4族金属、好ましくはジルコニウムまたはハフニウムであり、
Gは、アニオン性、中性または二価アニオン性リガンド基、好ましくは、水素を考慮せずに20個までの原子を有する、ハライド、ヒドロカルビルまたはジヒドロカルビルアミド基であり、
gは、そのようなG基の数を示す1〜5の数であり、結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線及び矢印により表される。
【0119】
例示的には、そのような錯体は、式:
【0120】
【化21】
【0121】
に対応し、式中、
は、水素を考慮せずに2〜20個の原子の二価架橋基、好ましくは置換または非置換C3〜6アルキレン基であり、
Arは、独立して、出現する毎に、水素を考慮せずに6〜20個の原子のアリーレンまたはアルキルもしくはアリール置換アリーレン基であり、
は、4族金属、好ましくはハフニウムまたはジルコニウムであり、
Gは、独立して、出現する毎に、アニオン性、中性または二価アニオン性リガンド基であり、
gは、そのようなX基の数を示す1〜5の数であり、電子供与性相互作用は、矢印により表される。
【0122】
上記式の金属錯体の好適な例は、以下の化合物
【0123】
【化22】
【0124】
を含み、式中、Mは、HfまたはZrであり、
Arは、C6−20アリールまたはその不活性置換誘導体、特に3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、
は、独立して、出現する毎に、C3−6アルキレン基、C3−6シクロアルキレン基、またはそれらの不活性置換誘導体であり、
21は、独立して、出現する毎に、水素、ハロ、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、または水素を考慮せずに50個までの原子のトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、
Gは、独立して、出現する毎に、ハロ、または水素を考慮せずに20個までの原子のヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリルであり、あるいは、2つのG基が一緒になって、上記ヒドロカルビルまたはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である。
【0125】
好適な化合物は、式:
【0126】
【化23】
【0127】
の化合物であり、式中、Arは、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、
21は、水素、ハロ、またはC1−4アルキル、特にメチルであり、
は、プロパン1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、
Gは、クロロ、メチルまたはベンジルである。
【0128】
上記式の例示的金属錯体は、
【0129】
【化24】
【0130】
である。
【0131】
上記多価ルイス塩基錯体は、4族金属の源及び中性多官能性リガンド源が関与する標準的な金属化及びリガンド交換手順により便利に調製される。さらに、錯体は、対応する4族金属テトラアミド及びヒドロカルビル化剤、例えばトリメチルアルミニウムから開始するアミド除去及びヒドロカルビル化プロセスを用いても調製され得る。他の技術も同様に使用され得る。これらの錯体は、中でも、米国特許第6,320,005号、同第6,103,657号、WO02/38628、WO03/40195、及びUS04/0220050の開示から知られている。
【0132】
高いコモノマー組み込み特性を有する触媒は、β−ヒドリド除去及び成長ポリマーの連鎖停止、または他のプロセスにより重合中に付随して得られるin situ調製長鎖オレフィンを再び組み込むことが知られている。そのような長鎖オレフィンの濃度は、高い変換率、特に95パーセント以上のエチレン変換率、より好ましくは97パーセント以上のエチレン変換率での連続溶液重合条件の使用により、特に高められる。そのような条件下では、少量ではあるが検出可能な量のオレフィン末端ポリマーが成長ポリマー鎖内に再び組み込まれ、長鎖分岐、すなわち他の意図的に添加されたコモノマーから得られるものよりも長い炭素長さの分岐の形成をもたらし得る。さらに、そのような鎖は、反応混合物中に存在する他のコモノマーの存在を反映する。すなわち、鎖は、反応混合物のコモノマー組成に依存して、短鎖または長鎖分岐も同様に含み得る。オレフィンポリマーの長鎖分岐は、米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号、及び同第5,665,800号においてさらに説明されている。
【0133】
代替として、超分岐を含む分岐は、得られるポリマーに「チェーンウォーキング(chain−walking)」をもたらすことが知られている特定の触媒の使用により、本明細書の複数ブロックコポリマーの特定セグメントにおいて誘引され得る。例えば、Kaminski,et al.,J.Mol.Catal.A:Chemical,102(1995)59−65;Zambelli,et al.,Macromolecules,1988,21,617−622;またはDias,et al.,J.Mol.Catal A:Chemical,185(2002)57−64により開示されているある特定の均一架橋ビスインデニル−または部分水素化ビスインデニル−ジルコニウム触媒は、エチレンを含む単一モノマーから分岐コポリマーを調製するために使用され得る。Brookhart,et al.,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,64145−6415において開示されているように、より高族の遷移金属触媒、特にニッケル及びパラジウムもまた、超分岐ポリマー(その分岐もまた分岐している)をもたらすことが知られている。
【0134】
使用に好適な追加の錯体は、式:
【0135】
【化25】
【0136】
に対応する4〜10族誘導体を含み、式中、
は、元素周期表の4〜10族の金属、好ましくは4族金属、Ni(II)またはPd(II)、最も好ましくはジルコニウムであり、
は、窒素、酸素またはリン含有基であり、
は、ハロ、ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルオキシであり、
tは、1または2であり、
x”は、電荷平衡を提供するように選択される数であり、
及びNは、架橋リガンドにより連結される。
そのような触媒は、他の開示の中でも、J.Am.Chem.Soc.,118,267−268(1996)、J.Am.Chem.Soc.,117,6414−6415(1995)、及びOrganometallics,16,1514−1516,(1997)において以前に開示されている。
【0137】
触媒としての使用のための上記金属錯体の好適な例は、式:
【0138】
【化26】
【0139】
に対応する、4族金属、特にジルコニウムの芳香族ジイミンまたは芳香族ジオキシイミン錯体であり、式中、
、X及びTは、以前に定義された通りであり、
は、独立して、出現する毎に、水素、ハロゲン、またはRであり、
は、独立して、出現する毎に、C1−20ヒドロカルビル、またはそのヘテロ原子、特にF、N、SもしくはP置換誘導体、より好ましくはC1−20ヒドロカルビル、またはそのFもしくはN置換誘導体、最も好ましくはアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピロリル、ピペリデニル、ペルフルオロフェニル、シクロアルキル、(ポリ)アルキルアリール、またはアラルキルである。
【0140】
触媒としての使用のための上記金属錯体の好適な例は、式:
【0141】
【化27】
【0142】
に対応するジルコニウムの芳香族ジオキシイミン錯体であり、式中、
は、以前に定義された通りであり、好ましくはC1−10ヒドロカルビル、最も好ましくはメチルまたはベンジルであり、
’は、メチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、2,4−ジメチルシクロヘキシル、2−ピロリル、N−メチル−2−ピロリル、2−ピペリデニル、N−メチル−2−ピペリデニル、ベンジル、o−トリル、2,6−ジメチルフェニル、ペルフルオロフェニル、2,6−ジ(イソプロピル)フェニル、または2,4,6−トリメチルフェニルである。
【0143】
触媒としての使用のための上記錯体はまた、EP−A−890581において開示されるようなある特定のホスフィンイミン錯体を含む。これらの錯体は、式:[(R−P=N]M(K)(Rに対応し、式中、Rは、一価リガンドであり、または、2つのR基が一緒になって二価基であり、好ましくは、Rは、水素またはC1〜4アルキルであり、
Mは、4族金属であり、
は、それを介してKがMに結合する非局在化π電子を含有する基であり、前記K基は、水素原子を考慮せずに50個までの原子を含有し、fは、1または2である。
【0144】
式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスの上記議論に関して、触媒前駆体(共触媒との組み合わせ)は、最終溶液中に活性触媒として残留してもよく、その後の重合において触媒としてさらに機能し得る。したがって、本開示のプロセスの最終溶液(触媒及び式R[R−]を有する組成物を含む最終溶液)は、いかなる単離、精製、または分離も必要とせずに、及び除去可能な担持触媒を有する必要なく、重合に直接使用され得る。
【0145】
本開示に好適な触媒前駆体は、有機金属化合物との良好な連鎖移動能力を有する任意の触媒を含む。好適な触媒前駆体は、その後の重合に対する悪影響を有するべきではない、したがって重合の前に最終溶液から除去される必要がない。好適な触媒前駆体は、良好なコモノマー組み込み触媒であってもよく、式R[R−]を有する組成物を作製するために使用され得、また、以下で議論されるように、重合反応器内で所望のポリマーを作製するために触媒としての活性を維持し続ける(共触媒と組み合わせて)ことができる。
【0146】
本開示に従って使用され得る例示的触媒前駆体は、これらに限定されないが、以下に列挙されるような触媒(A1)〜(A7)を含む。
【0147】
触媒(A1):WO03/40195及びWO04/24740の教示、ならびに当技術分野において知られている方法に従って調製される、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル]。
【0148】
【化28】
【0149】
触媒(A2):当技術分野において知られている方法に従って調製される、(E)−((2,6−ジイソプロピルフェニル)(2−メチル−3−(オクチルイミノ)ブタン−2−イル)アミノ)トリメチルハフニウム。
【0150】
【化29】
【0151】
触媒(A3):当技術分野において知られている方法に従って調製される、[[2’,2’’’−[1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチルハフニウム。
【0152】
【化30】
【0153】
触媒(A4):当技術分野において知られている方法に従って調製される、[[2’,2’’’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−3’−フルオロ−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]−ジメチルハフニウム。
【0154】
【化31】
【0155】
触媒(A5):当技術分野において知られている方法に従って調製される、シクロペンタジエニルビス((トリメチルシリル)メチル)スカンジウムテトラヒドロフラン錯体。
【0156】
【化32】
【0157】
触媒(A6):当技術分野において知られている方法に従って調製される、(メシチル(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)トリベンジルハフニウム。
【0158】
【化33】
【0159】
触媒(A7):WO2010/022228の開示、及び当技術分野において知られている方法に従って調製される、(N−((6E)−6−(ブチルイミノ−κN)−1−シクロヘキセン−1−イル)−2,6−ビス(1−メチルエチル)ベンゼンアミナト−κN)トリメチル−ハフニウム。
【化34】
【0160】
共触媒
本開示の触媒前駆体はそれぞれ、共触媒、好ましくはカチオン形成共触媒、強ルイス酸、またはそれらの組み合わせと組み合わせることにより、活性触媒組成物を形成するように活性化され得る。したがって、本開示はまた、少なくとも1種の触媒前駆体、及び本明細書において開示されるような式R[R−]を有する少なくとも1種の組成物と併せた、触媒組成物における少なくとも1種の共触媒の使用及び様々な方法を提供する。
【0161】
好適なカチオン形成共触媒は、金属オレフィン重合錯体に関して当技術分野において以前から知られているものを含む。その例は、中性ルイス酸、例えば、各ヒドロカルビルまたはハロゲン化ヒドロカルビル基に1〜10個の炭素を有する、C1〜30ヒドロカルビル置換13族化合物、特にトリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−またはトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、及びそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体、より特段には、過フッ素化トリ(アリール)ホウ素化合物、最も特段にはトリス(ペンタフルオロ−フェニル)ボラン;非ポリマー性、適合性、非配位イオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)、特に適合性非配位アニオンのアンモニウム、ホスホニウム、オキソニウム、カルボニウム、シリリウムもしくはスルホニウム塩、または、適合性非配位アニオンのフェロセニウム、鉛もしくは銀塩の使用ならびに、上記カチオン形成触媒及び技術の組み合わせを含む。上記の活性化共触媒及び活性化技術は、以下の参考文献において、オレフィン重合のための異なる金属錯体に関して以前に教示されている:EP−A−277,003、米国特許第5,153,157号、同第5,064,802号、同第5,321,106号、同第5,721,185号、同第5,350,723号、同第5,425,872号、同第5,625,087号、同第5,883,204号、同第5,919,983号、同第5,783,512号、WO99/15534、及びWO99/42467。
【0162】
中性ルイス酸の組み合わせ、特に各アルキル基に1〜4個の炭素を有するトリアルキルアルミニウム化合物、及び各ヒドロカルビル基に1〜20個の炭素を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの組み合わせ、そのような中性ルイス酸混合物とポリマー性またはオリゴマー性アルモキサンとのさらなる組み合わせ、及び単一中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマー性またはオリゴマー性アルモキサンとの組み合わせが、活性化共触媒として使用されてもよい。金属錯体:トリス(ペンタフルオロフェニル−ボラン:アルモキサンの好ましいモル比は、1:1:1〜1:5:20、より好ましくは1:1:1.5〜1:5:10である。
【0163】
本開示の一実施形態における共触媒として有用な好適なイオン形成化合物は、プロトンを供与することができるブレンステッド酸であるカチオン、及び適合性非配位アニオンAを含む。本明細書において使用される場合、「非配位」という用語は、4族金属含有前駆体錯体及びそれから誘導される触媒誘導体に配位しない、またはそのような錯体に弱く配位するのみであり、それにより中性ルイス塩基により置き換えられるのに十分な不安定性を維持するアニオンまたは物質を指す。非配位アニオンは、具体的には、カチオン性金属錯体内で電荷平衡化アニオンとして機能する場合、アニオン性置換基またはその断片を前記カチオンに移動させ、それにより中性錯体を形成しないアニオンを指す。「適合性アニオン」は、最初に形成された錯体が壊れる際に中性まで分解されず、所望のその後の重合または錯体の他の使用に干渉しないアニオンである。
【0164】
好ましいアニオンは、電荷保持金属または半金属コアを含む単一配位錯体を含有するものであり、このアニオンは、2つの成分が組み合わされた際に形成され得る活性触媒種(金属カチオン)の電荷を平衡化することができる。また、前記アニオンは、オレフィン性、ジオレフィン性及びアセチレン性不飽和化合物、または他の中性ルイス塩基、例えばエーテルもしくはニトリルにより置き換えられるのに十分に不安定であるべきである。好適な金属は、これらに限定されないが、アルミニウム、金及び白金を含む。好適な半金属は、これらに限定されないが、ホウ素、リン、及びケイ素を含む。単一金属または半金属原子を含有する配位錯体を含むアニオンを含有する化合物は、当然ながら周知及び数多くあり、特に、アニオン部分に単一ホウ素原子を含有するそのような化合物が市販されている。
【0165】
一態様において、好適な触媒は、以下の一般式:
(L*−H)AA)(A)g−により表すことができ、式中、
L*は、中性ルイス塩基であり、
(L*−H)は、L*の共役ブレンステッド酸であり、
g−は、g−の電荷を有する非配位適合性アニオンであり、gは1〜3の整数である。
【0166】
より具体的には、Ag−は、式:[MiQに対応し、式中、
Miは、+3の形式酸化状態のホウ素またはアルミニウムであり、
Qは、独立して、出現する毎に、ヒドリド、ジアルキル−アミド、ハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシド、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシ、及びハロ置換シリルヒドロカルビルラジカル(過ハロゲン化ヒドロカルビル−過ハロゲン化ヒドロカルビルオキシ−及び過ハロゲン化シリルヒドロカルビルラジカルを含む)から選択され、各Qは、20個までの炭素を有するが、但し、1回以下の出現においてQハライドである。好適なヒドロカルビルオキシドQ基の例は、米国特許第5,296,433号において開示されている。
【0167】
より好ましい実施形態において、dは、1であり、すなわち、対イオンは単一の負電荷を有し、Aである。本開示の触媒の調製におい特に有用なホウ素を含む活性化共触媒は、以下の一般式:
(L*−H)(BQにより表すことができ、式中、
L*は、以前に定義された通りであり、
Bは、3の形式酸化状態のホウ素であり、
Qは、20個までの非水素原子のヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、フッ素化ヒドロカルビル、フッ素化ヒドロカルビルオキシ、またはフッ素化シリルヒドロカルビル基であるが、但し、1回以下の出現においてQヒドロカルビルである。
【0168】
特に有用なルイス塩基塩は、アンモニウム塩、より好ましくは1つ以上のC12−40アルキル基を含有するトリアルキル−アンモニウム塩である。この態様において、例えば、Qは、それぞれの場合において、フッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基であってもよい。
【0169】
本開示の改善された触媒の調製における活性化共触媒として使用され得るホウ素化合物の例示的な限定されない例は、三置換アンモニウム塩、例えば、
トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
いくつかのジアルキルアンモニウム塩、例えば
ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタドデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
様々な三置換ホスホニウム塩、例えば
トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換オキソニウム塩、例えば
ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
ジ(オクタデシル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ならびに
二置換スルホニウム塩、例えば
ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
メチルコタデシルスルホニウム(methylcotadecylsulfonium)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含む。
【0170】
本開示のこの態様に加えて、有用な(L*−H)カチオンの例は、これらに限定されないが、メチルジオクタデシルアンモニウムカチオン、ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン、及び1つまたは2つのC14−18アルキル基を含有するトリアルキルアミンの混合物から誘導されるアンモニウムカチオンを含む。
【0171】
別の好適なイオン形成活性化共触媒は、式:
(Oxh+(Ag−により表されるカチオン性酸化剤及び非配位適合性アニオンの塩を含み、式中、
Oxh+は、h+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり、
hは、1〜3の整数であり、
g−及びgは、以前に定義された通りである。
【0172】
カチオン性酸化剤の例は、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag、またはPb+2を含む。Ag−の特に有用な例は、活性化共触媒、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含有するブレンステッド酸に関して以前に定義されたアニオンである。
【0173】
別の好適なイオン形成活性化共触媒は、以下の式:
[C]
により表されるカルベニウムイオン及び非配位適合性アニオンの塩である化合物であってもよく、式中、
[C]は、C1−20カルベニウムイオンであり、
−1の電荷を有する非配位適合性アニオンである。例えば、良好に機能する1つのカルベニウムイオンは、トリチルカチオン、すなわちトリフェニルメチリウムである。
【0174】
さらなる好適なイオン形成活性化共触媒は、以下の式:
(QSi)
【0175】
により表されるシリリウムイオン及び非配位適合性アニオンの塩である化合物を含み、式中、
は、C1〜10ヒドロカルビルであり、Aは、以前に定義された通りである。
【0176】
好適なシリリウム塩活性化共触媒は、トリメチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、及びそれらのエーテル置換付加物を含む。シリリウム塩は、J.Chem.Soc.Chem.Comm.1993,383−384、及びLambert,J.B.,et al.,Organometallics 1994,13,2430−2443において以前に一般的に開示されている。付加重合触媒のための活性化共触媒としての上記シリリウム塩の使用はまた、米国特許第5,625,087号に記載されている。
【0177】
アルコール、メルカプタン、シラノール及びオキシムの、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとのある特定の錯体もまた、効果的な触媒活性化剤であり、本開示に従って使用され得る。そのような共触媒は、米国特許第5,296,433号において開示されている。
【0178】
本明細書における使用に好適な活性化共触媒はまた、ポリマー性またはオリゴマー性アルモキサン(アルミノキサンとも呼ばれる)、特にメチルアルモキサン(MAO)、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン(MMAO)、またはイソブチルアルモキサン;ルイス酸修飾アルモキサン、特に各ヒドロカルビルまたはハロゲン化ヒドロカルビル基に1〜10個の炭素を有する過ハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウムまたは過ハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ボロン修飾アルモキサン、最も特段にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン修飾アルモキサンを含む。そのような共触媒は、米国特許第6,214,760号、同第6,160,146号、同第6,140,521号、及び同第6,696,379号において以前に開示されている。
【0179】
米国特許第6,395,671号においてさらに開示される、一般に拡張アニオンと呼ばれる非配位アニオンを含む共触媒のクラスは、オレフィン重合のために本開示の金属錯体を活性化するために好適に使用され得る。一般に、これらの共触媒(イミダゾリド、置換イミダゾリド、イミダゾリニド、置換イミダゾリニド、ベンズイミダゾリド、または置換ベンズイミダゾリドアニオンを有するものにより例示される)は、以下のように示され得る。
【0180】
【化35】
【0181】
式中、
A*は、カチオン、特にプロトン含有カチオンであり、1つまたは2つのC10−40アルキル基を含有するトリヒドロカルビルアンモニウムカチオン、特にメチルジ(C14−20アルキル)アンモニウムカチオンであってもよく、
は、独立して、出現する毎に、水素、または水素を考慮せずに30個までの原子のハロ、ヒドロカルビル、ハロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリルヒドロカルビル、もしくはシリル(例えばモノ−、ジ−及びトリ(ヒドロカルビル)シリルを含む)基、例えばC1−20アルキルであり、
は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランまたはトリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)である。
【0182】
これらの触媒活性化剤の例は、トリヒドロカルビルアンモニウム塩、特に以下のメチルジ(C14−20アルキル)アンモニウム塩を含む。
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、及び
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド。
【0183】
他の活性化剤は、PCT公開第WO98/07515号に記載のもの、例えばトリス(2,2′,2″−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートを含む。活性化剤の組み合わせ、例えば組み合わせとしてのアルモキサン及びイオン化活性化剤もまた本開示により企図され、例えば、EP−A−0573120、PCT公開第WO94/07928号及び同第WO95/14044号、ならびに米国特許第5,153,157号及び同第5,453,410号を参照されたい。例えば、一般的に、WO98/09996は、その水和物を含む過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩で触媒化合物を活性化することを説明している。WO99/18135は、有機ホウ素アルミニウム活性化剤の使用を説明している。WO03/10171は、ブレンステッド酸のルイス酸との付加物である触媒活性化剤を開示している。触媒化合物を活性化するための他の活性化剤または方法は、例えば、米国特許第5,849,852号、同第5,859,653号、及び同第5,869,723号、EP−A−615981、ならびにPCT公開第WO98/32775号に記載されている。上記触媒活性化剤、及び遷移金属錯体触媒用の任意の他の知られている活性化剤は全て、本開示に従って、単独で、または組み合わせて使用され得る。しかしながら、一態様において、共触媒は、アルモキサン不含であってもよい。別の態様において、例えば、共触媒は、本明細書において開示されるような任意の特定の名前の活性化剤または活性化剤のクラスを含まなくてもよい。
【0184】
さらなる態様において、使用される触媒/共触媒のモル比は、一般に、1:10,000〜100:1、例えば1:5000〜10:1、または1:1000〜1:1の範囲である。アルモキサンは、単独で活性化共触媒として使用される場合、大量に、一般的にはモル基準で金属錯体の量の少なくとも100倍で使用され得る。
【0185】
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランは、活性化共触媒として使用される場合、一般に、0.5:1〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1、最も好ましくは1:1〜5:1の金属錯体に対するモル比で使用され得る。残りの活性化共触媒は、一般に、金属錯体とほぼ等モル量で使用される。
【0186】
本開示の例示的実施形態において、共触媒は、[(C16−1833−37CHNH]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩である。
【0187】
重合法
本開示の一態様において、プロセス及び得られるポリマーが提供され、プロセスは、重合反応器またはゾーン内で、オレフィン重合触媒及び式R[R−]を有する組成物の存在下で、1種以上のオレフィンモノマーを重合させ、それにより、式R[R−]を有する組成物の残部と繋がった少なくともいくらかの量のポリマーの形成をもたらすことを含む。例示的な限定されない重合プロセスは、当技術分野において知られているもの、米国特許第8,501,885B2号において開示されているもの、及びランダムコポリマーを生成するための技術において知られているものを含む。例示的な限定されない重合プロセスは、単一の反応器または2つの反応器内で行われるものを含む。
【0188】
さらに別の態様において、プロセス及び得られるポリマーが提供され、プロセスは、重合反応器またはゾーン内で、オレフィン重合触媒及び式R[R−]を有する組成物の存在下で、1種以上のオレフィンモノマーを重合させ、それにより、反応器またはゾーン内で、式R[R−]を有する組成物の残部と繋がった少なくともいくらかの量の初期ポリマーの形成をもたらすことと、第1の反応器またはゾーンから、第1の重合反応器またはゾーンの重合条件とは区別可能な重合条件下で動作している第2の重合反応器またはゾーンに反応生成物を排出することと、第2の重合反応器またはゾーン内で、式R[R−]を有する組成物の少なくとも1つの残りのシャトリング部位を用いて、式R[R−]を有する組成物の残部と繋がった初期ポリマーの少なくともいくらかを活性触媒部位に移動させることと、式R[R−]を有する組成物の残りを用いて、初期ポリマーの一部または全てに結合した第2のポリマーセグメントを形成するために、第2の重合反応器またはゾーン内で重合を行うこととを含み、第2のポリマーセグメントは、初期ポリマーセグメントと区別可能なポリマー特性を有する。
【0189】
重合中、反応混合物は、任意の好適な重合条件に従って、活性化された触媒組成物と接触させられる。プロセスは、一般に、高い温度及び圧力の使用により特徴付けられ得る。所望により、既知の技術に従って、分子量制御のための連鎖移動剤として水素が使用され得る。他の類似した重合と同様に、一般に、使用されるモノマー及び溶媒は、触媒不活性化または早すぎる連鎖停止が生じない十分に高い純度のものであることが望ましい。減圧下での液化、分子篩もしくは高表面積アルミナとの接触、または上記プロセスの組み合わせ等の、モノマー精製のための任意の好適な技術が使用され得る。
【0190】
本方法において、特にスラリーまたは気相重合において、担体が使用されてもよい。好適な担体は、固体の微粒子化された高表面積金属酸化物、半金属酸化物、またはそれらの混合物(本明細書において同義的に無機酸化物と呼ばれる)を含む。その例は、これらに限定されないが、タルク、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、Sn、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、粘土、及びそれらの任意の組み合わせまたは混合物を含む。好適な担体は、好ましくは、B.E.T.法を用いた窒素多孔度測定により決定されるような、10〜1000m/g、好ましくは100〜600m/gの表面積を有する。平均粒径は、典型的には0.1〜500μm、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0191】
本開示の一態様において、触媒組成物及び任意選択の担体は、固体の微粒子化形態で噴霧乾燥または別様に回収され、容易に輸送及び取り扱われる組成物を提供し得る。液体含有スラリーを噴霧乾燥するための好適な方法は、当技術分野において周知であり、本明細書において有用に使用される。本明細書における使用のための触媒組成物を噴霧乾燥させるための好ましい技術は、米国特許第5,648,310号及び同第5,672,669号に記載されている。
【0192】
重合は、望ましくは、連続重合、例えば、触媒成分、モノマー、及び任意選択で溶媒、アジュバント、捕捉剤、及び重合助剤が1つ以上の反応器またはゾーンに連続的に供給され、そこからポリマー生成物が連続的に取り出される連続溶液重合として行われる。この文脈において使用される場合、「連続的」及び「連続的に」という用語の範囲内には、経時的にプロセス全体が実質的に連続的となるように反応物質の断続的添加及び短い規則的または不規則的間隔での生成物の取り出しが行われるそれらのプロセスが含まれる。式R[R−]を有する組成物(使用される場合)は、第1の反応器もしくはゾーン内、第1の反応器の出口もしくは出口の若干前、第1の反応器もしくはゾーンと任意の後続の反応器もしくはゾーンとの間、またはさらには第2の反応器もしくはゾーンのみを含む、重合中の任意の点で添加されてもよいが、存在する場合は、両方とも、典型的には重合の初期段階で添加される。反応器内、または直列で接続された2つ以上の反応器もしくはゾーンの間で、モノマー、温度、圧力または他の重合条件に任意の差異が存在する場合、同じ分子内で異なる組成、例えばコモノマー含量、結晶化度、密度、立体規則性、位置規則性、または他の化学的もしくは物理的な差異を有するポリマーセグメントが、本開示のポリマー中に形成され得る。そのような場合、各セグメントまたはブロックのサイズは、ポリマー反応条件により決定され、典型的には、最も可能性のある分布のポリマーサイズである。
【0193】
複数の反応器が使用される場合、それぞれ、高圧、溶液、スラリー、または気相重合条件下で独立して操作され得る。複数ゾーン重合では、全てのゾーンが溶液、スラリー、または気相等の同じ種類の重合であるが、異なるプロセス条件下で動作する。溶液重合プロセスの場合、ポリマーが使用される重合条件下で可溶である液体希釈剤中の触媒成分の均一分散液を使用することが望ましい。通常金属錯体または共触媒が極めて難溶性であるそのような均一触媒分散液を生成するために極めて微細なシリカまたは同様の分散剤を利用した1つのそのようなプロセスが、米国特許第5,783,512号において開示されている。高圧プロセスは、通常、100℃〜400℃の温度、及び500バール(50MPa)超の圧力で行われる。スラリープロセスは、典型的には、不活性炭化水素希釈剤、及び0℃から得られるポリマーが不活性重合媒体中に実質的に可溶となる温度の直下の温度までの温度を使用する。例えば、スラリー重合における典型的な温度は、調製されているポリマーに依存して、30℃から、一般的には60℃〜100℃までを含む115℃までである。圧力は、典型的には、周囲圧力(100kPa)〜500psi(3.4MPa)までの範囲である。
【0194】
上記プロセスの全てにおいて、連続的または実質的に連続的な重合条件が、一般に使用される。そのような重合条件、特に連続溶液重合プロセスの使用は、高い反応器温度の使用を可能にし、これにより、高い収率及び効率での本明細書のブロックコポリマーの経済的生成がもたらされる。
【0195】
触媒は、必要な金属錯体または複数の錯体を、重合が行われる溶媒、または最終的な反応混合物に適合する希釈剤に添加することにより、均一組成物として調製され得る。所望の共触媒または活性化剤、及び任意選択で式R[R−]を有する組成物は、触媒と重合されるモノマー及び任意の追加的反応希釈剤との組み合わせの前に、それと同時に、またはその後に、触媒組成物と組み合わされてもよい。望ましくは、存在する場合、式R[R−]を有する組成物は、同時に添加される。
【0196】
常に、個々の構成成分及び任意の活性触媒組成物は、酸素、水分、及び他の触媒毒から保護される。したがって、触媒成分、式R[R−]を有する組成物、及び活性化触媒は、酸素及び水分を含まない雰囲気中、一般に乾燥した不活性ガス、例えば窒素下で、調製及び保存される。
【0197】
決して本開示の範囲を限定しないが、そのような重合プロセスを行うための1つの手段は、以下の通りである。溶液重合条件下で動作する1つ以上の十分に撹拌された槽またはループ反応器において、重合されるモノマーが、反応器の1つの部分において任意の溶媒または希釈剤と共に連続的に導入される。反応器は、任意の溶媒または希釈剤及び溶解したポリマーと共に実質的にモノマーで構成される比較的均一の液相を含有する。好ましい溶媒は、C4〜10炭化水素またはそれらの混合物、特にヘキサン等のアルカンまたはアルカンの混合物、及び重合に使用されるモノマーの1種以上を含む。直列で動作する複数ループ反応器の使用を含む、好適なループ反応器、及びそれと共に使用される様々な好適な動作条件の例は、米国特許第5,977,251号、同第6,319,989号及び同第6,683,149号に見出される。
【0198】
触媒及び共触媒、ならびに式R[R−]を有する組成物は、最低でも1つの場所において、反応器液相またはその任意のリサイクル部分に連続的または断続的に導入される。反応器温度及び圧力は、例えば、溶媒/モノマー比率または触媒添加速度を調節することにより、及び冷却もしくは加熱コイル、ジャケット、またはその両方を使用することにより制御され得る。重合速度は、触媒添加の速度により制御され得る。ポリマー生成物中の所与のモノマーの含量は、反応器内のモノマーの比率により影響され、この比率は、これらの成分の反応器への各供給速度を操作することにより制御される。任意選択で、ポリマー生成物分子量は、当技術分野において知られているように、温度、モノマー濃度等の他の重合変数を制御することにより、または式R[R−]を有する組成物、もしくは連鎖停止剤、例えば水素により制御される。
【0199】
本開示の一態様において、第1の反応器内で調製された反応混合物がポリマー成長を実質的に停止させることなく第2の反応器に排出されるように、第2の反応器は、任意選択で導管または他の移動手段を用いて、第1の反応器の排出部に接続される。第1の反応器と第2の反応器との間に、少なくとも1つのプロセス条件の差異が確立されてもよい。一般に、2種以上のモノマーのコポリマーの形成における使用の場合、差異は、1種以上のコモノマーの存在もしくは非存在、またはコモノマー濃度の差異である。直列で第2の反応器と同様の様式でそれぞれ配置された追加的な反応器もまた提供され得る。さらなる重合は、反応器流出物を触媒失活剤、例えば水、蒸気もしくはアルコールと、またはカップリングされた反応生成物が望ましい場合にはカップリング剤と接触させることにより終了される。
【0200】
得られるポリマー生成物は、残留モノマー(複数種可)または希釈剤等の反応混合物の揮発性成分を減圧下で洗浄することにより、及び、必要な場合は、液化押出機等の機器においてさらなる液化を行うことにより回収される。連続プロセスでは、反応器内の触媒及びポリマーの平均滞留時間は、一般に、5分〜8時間、例えば10分〜6時間である。
【0201】
本開示のさらなる態様において、代替として、上記重合は、任意選択でモノマー、触媒、式R[R−]を有する組成物、その異なるゾーンまたは領域の間で確立された温度または他の勾配を用いて、栓流反応器内で行われてもよく、さらに任意選択で、触媒及び/または式R[R−]を有する組成物の別個の添加、ならびに断熱または非断熱重合条件下での動作が付随してもよい。
【0202】
さらなる態様において、触媒組成物はまた、以前に開示されたように、必要な成分を不活性無機または有機微粒子状固体上に吸着させることにより、不均一触媒として調製及び使用されてもよい。例えば、不均一触媒は、金属錯体と、不活性無機化合物及び活性水素含有活性剤の反応生成物、特にトリ(C1〜4アルキル)アルミニウム化合物及びヒドロキシアリールトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアンモニウム塩、例えば(4−ヒドロキシ−3,5−ジt−ブチルフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアンモニウム塩の反応混合物とを共沈させることにより調製され得る。不均一または担持形態で調製された場合、触媒組成物は、スラリーまたは気相重合において使用され得る。現実的な制限として、スラリー重合は、ポリマー生成物が実質的に不溶性である液体希釈剤中で生じる。一般に、スラリー重合用の希釈剤は、5個未満の炭素原子を有する1種以上の炭化水素である。所望により、エタン、プロパン、またはブタン等の飽和炭化水素が、全体的または部分的に希釈剤として使用されてもよい。溶液重合の場合のように、α−オレフィンコモノマーまたは異なるα−オレフィンモノマーの組み合わせが、全体的または部分的に希釈剤として使用されてもよい。最も好ましくは、希釈剤の少なくとも大部分が、重合されるα−オレフィンモノマー(複数種可)を含む。
【0203】
この態様において、気相重合プロセスにおける使用の場合、担体材料及び得られる触媒は、典型的には、20〜200μm、一般的には30μm〜150μm、典型的には50μm〜100μmの中央粒子直径を有し得る。スラリー重合プロセスにおける使用の場合、担体は、1μm〜200μm、一般的には5μm〜100μm、典型的には10μm〜80μmの中央粒子直径を有し得る。
【0204】
本明細書における使用のための好適な気相重合プロセスは、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィンコポリマー、及び他のオレフィンポリマーの製造のために大規模に商業的に使用されている既知のプロセスと実質的に同様である。使用される気相プロセスは、例えば、重合反応ゾーンとして機械的撹拌床またはガス流動床を使用する種類のものであってもよい。流動化ガスの流動により有孔プレートまたは流動化グリッド上に担持または懸濁されたポリマー粒子の流動床を含有する垂直円筒型重合反応器内で重合が行われるプロセスが好ましい。本開示のプロセスにおける使用に適合可能である好適な気相プロセスは、例えば、米国特許第4,588,790号、同第4,543,399号、同第5,352,749号、同第5,436,304号、同第5,405,922号、同第5,462,999号、同第5,461,123号、同第5,453,471号、同第5,032,562号、同第5,028,670号、同第5,473,028号、同第5,106,804号、同第5,556,238号、同第5,541,270号、同第5,608,019号、及び同第5,616,661号において開示されている。
【0205】
ポリマーの官能化誘導体の使用もまた、本開示に含まれる。その例は、金属化ポリマーを含み、金属は、使用された触媒または式R[R−]を有する組成物の残部、及びそのさらなる誘導体である。反応器を出るポリマー生成物の実質的な割合が、式R[R−]を有する組成物で終端されているため、さらなる官能化は比較的容易である。金属化されたポリマー種は、アミン−、ヒドロキシ−、エポキシ−、シラン、ビニル、及び他の官能化末端ポリマー生成物を形成するために、他のアルキル−アルミニウム、アルキル−ガリウム、アルキル−亜鉛、またはアルキル−1族化合物に好適なもの等の周知の化学反応において利用され得る。本明細書における使用に適合可能である好適な反応技術の例は、Negishi,「Organometallics in Organic Synthesis」,Vol.1 and 2,(1980)、ならびに有機金属及び有機合成における他の標準的な教本に記載されている。
【0206】
ポリマー生成物
本明細書において開示される場合、ポリマー生成物は、典型的には、反応性金属アルキル基を消費し、ポリマー生成物を遷移族または主族金属への結合から解放するために化学的処理に供される重合後のポリマー生成物を指す。このプロセスは、飽和ポリマー末端基を生成するための水による加水分解を含む。代替として、金属アルキル基を消費すること、及びポリマー鎖上に反応性官能性末端基を生成することの両方のために、様々な有機または無機試薬の添加が追加されてもよい。
【0207】
本開示のコポリマーの調製における使用に好適なモノマーは、任意の付加重合性モノマー、一般には任意のオレフィンまたはジオレフィンモノマーを含む。好適なモノマーは、直鎖、分岐状、アクリル性、環式、置換、または非置換であってもよい。一態様において、オレフィンは、例えば、エチレン及び少なくとも1つの異なる共重合性コモノマー、プロピレン及び4〜20個の炭素を有する少なくとも1つの異なる共重合性コモノマー、または4−メチル−1−ペンテン及び4〜20個の炭素を有する少なくとも1つの異なる共重合性コモノマーを含む、任意のα−オレフィンであってもよい。好適なモノマーの例は、これらに限定されないが、2〜30個の炭素原子、2〜20個の炭素原子、または2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐状α−オレフィンを含む。好適なモノマーの具体例は、これらに限定されないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンを含む。本明細書において開示されるコポリマーの調製における使用に好適なモノマーはまた、3〜30個、3〜20個の炭素原子、または3〜12個の炭素原子を有するシクロオレフィンを含む。使用され得るシクロオレフィンの例は、これらに限定されないが、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンを含む。本明細書において開示されるコポリマーの調製に好適なモノマーはまた、3〜30個、3〜20個の炭素原子、または3〜12個の炭素原子を有するジ−及びポリ−オレフィンを含む。使用され得るジ−及びポリ−オレフィンの例は、これらに限定されないが、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、及び5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンを含む。さらなる態様において、芳香族ビニル化合物もまた、本明細書において開示されるコポリマーの調製に好適なモノマーを構成し、その例は、これらに限定されないが、モノ−またはポリ−アルキルスチレン(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン及びp−エチルスチレンを含む)、ならびに官能基含有誘導体、例えばメトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン及びα−メチルスチレン、塩化ビニル、1,2−ジフルオロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ならびに3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを含むが、但し、モノマーは、使用された条件下で重合性である。
【0208】
さらに、一態様において、少なくとも本明細書において開示される式R[R−]を有する組成物と組み合わせた使用に好適なモノマーまたはモノマーの混合物は、エチレン、プロピレン、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、及びスチレンから選択される1種以上のモノマーとの混合物ならびにエチレン、プロピレン及び共役または非共役ジエンの混合物を含む。この態様において、コポリマーまたはインターポリマーは、二量体、直鎖、分岐状または多分岐状ポリマー構造で繋がった、異なる化学的または物理的特性を備える2つ以上の分子内領域、特に異なるコモノマー組み込みの領域を含有してもよい。そのようなポリマーは、式R[R−]を有する組成物を含む重合中に重合条件を改変することにより、例えば、異なるコモノマー比を有する2つの反応器、異なるコモノマー組み込み能力を有する複数の触媒、またはそのようなプロセス条件の組み合わせ、及び任意選択で多官能性カップリング剤を使用することにより調製され得る。
【0209】
本明細書において開示される重合プロセスを利用して、本明細書の分子量分布を有する1種以上のオレフィンモノマーのブロックコポリマーを含む新規ポリマー組成物が容易に調製される。望ましいポリマーは、重合形態において、エチレン、プロピレン、及び4−メチル−1−ペンテンから選択される少なくとも1種のモノマーを含む。極めて望ましくは、ポリマーは、重合形態において、エチレン、プロピレン、または4−メチル−1−ペンテン、及び少なくとも1種の異なるC2〜20α−オレフィンコモノマー、及び任意選択で1種以上の追加的な共重合性コモノマーを含むインターポリマーである。好適なコモノマーは、ジオレフィン、環式オレフィン、及び環式ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、ビニリデン芳香族化合物、ならびにそれらの組み合わせから選択される。一般に好ましいポリマーは、エチレンと1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンとのインターポリマーである。例示的には、本明細書において開示されるポリマー組成物は、ポリマーの総重量を基準として、1〜99パーセントのエチレン含量、0〜10パーセントのジエン含量、99〜1パーセントのスチレン及び/またはC3〜8α−オレフィン含量を有する。典型的には、本開示のポリマーは、500〜250,000(例えば、2,000〜150,000、3,000〜100,000、1,000〜25,000、5,000〜25,000等)の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0210】
本開示のポリマーの密度は、0.80〜0.99g/cmであってもよく、典型的には、エチレン含有ポリマーの場合、0.85g/cm〜0.97g/cm(例えば、0.853〜0.970g/cm)であってもよい。
【0211】
本開示によるポリマーは、中でもそれらの狭い分子量分布によって、逐次的モノマー付加、流動触媒、またはアニオン性もしくはカチオン性リビング重合技術により調製された従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド及びブロックコポリマーと異なり得る。この態様において、例えば、本開示に従って調製されたポリマー組成物は、1.5〜3.0の多分散性指数(PDI)により特徴付けられ得る。例えば、ポリマー組成物の多分散性指数(PDI)は、1.5〜2.8、1.5〜2.5、または1.5〜2.3であってもよい。
【0212】
存在する場合、各ポリマー内の別個の領域またはブロックは、反応器条件の均一性に依存して比較的均一であり、互いに化学的に異なる。すなわち、ポリマー内のセグメントのコモノマー分布、立体規則性、または他の特性は、同じブロックまたはセグメント内で比較的均一である。しかしながら、平均ブロック長は、狭い分布であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。平均ブロック長はまた、最も可能性のある分布であってもよい。
【0213】
さらなる態様において、得られるポリマーは、直鎖であってもよく、または、2中心、3中心、もしくはより多数の中心のシャトリング剤が使用されるかに依存して、1つ以上の分岐中心を含有してもよい。例示的には、これらのインターポリマーは、少なくともいくつかの残りのブロックまたはセグメントから、より高い立体規則性または結晶性を有するポリマーの末端ブロックまたはセグメントにより特徴付けられ得る。例示的には、ポリマーは、比較的非晶質またはさらにはエラストマー性である中心ポリマーブロックまたはセグメントを含有するトリブロックコポリマーであってもよい。
【0214】
本開示のさらなる態様において、(1)有機または無機ポリマー、好ましくはエチレンもしくはプロピレンのホモポリマー、及び/またはエチレンもしくはプロピレンと1種以上の共重合性コモノマーとのコポリマーと、(2)本開示による、または本明細書において開示されるプロセスに従って調製されるポリマーまたはポリマーの組み合わせとを含むポリマー組成物が提供される。
【0215】
本発明のポリマー生成物は、異なる化学組成の領域またはセグメント(ブロック)を含む2種以上のポリマーの組み合わせを含む。さらに、ポリマーの組み合わせの構成物質の少なくとも1つは、式R[R−]を有する組成物の残部である連結基を含有してもよく、それによりポリマーはある特定の物理的特性を有するようになる。
【0216】
本発明の組成物中に、様々な添加剤が、得られる組成物の特性を損なうことのない量で有用に組み込まれてもよい。これらの添加剤は、例えば、補強剤、導電性及び非導電性材料を含む充填剤、発火防止添加剤、酸化防止剤、熱及び光安定剤、着色剤、体質顔料、架橋剤、発泡剤、可塑剤、難燃剤、防滴剤、潤滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止助剤、劣化防止剤、柔軟剤、ワックス、顔料等を含み、これらの組み合わせを含む。
【0217】
得られるポリマーは、例えば米国特許第7,947,793号、同第7,897,698号、及び同第8,293,859号において議論されているような、平均ブロック指数により特徴付けられ得るブロックインターポリマーであってもよい。得られるポリマーは、例えば米国特許第8,563,658号、同第8,476,366号、同第8,686,087号、及び同第8,716,400号において議論されているような、ブロック複合材指数により特徴付けられ得るブロック複合材であってもよい。得られるポリマーは、例えば米国特許第8,785,554号、同第8,822,598号、及び同第8,822,599号において議論されているような、結晶性ブロック複合材指数により特徴付けられ得る結晶性ブロック複合材であってもよい。得られるポリマーは、例えばPCT/US15/046002において議論されているような、微細構造指数により特徴付けられ得る特定のブロック複合材であってもよい。得られるポリマーは、例えばPCT/US15/046031において議論されているような、改質ブロック複合材により特徴付けられ得る特定のブロック複合材であってもよい。
【0218】
ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、テレケリックオレフィンプレポリマーを開発するために、官能化化学と組み合わされてもよい。ある特定の実施形態において、式R[R−]を有する組成物は、両端が式R[R−]を有する組成物に結合したテレケリックポリマー鎖を生成及び成長させることができ、次いで、末端ポリメリル−金属結合の所望のジ−末端官能基へのその後の変換が生じて、テレケリックポリマーを形成し得る。
【0219】
本開示の式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスと官能化化学との組み合わせの用途は、決してテレケリックオレフィンプレポリマーの開発及び上記の例に限定されない。ある特定の実施形態において、本開示の式R[R−]を有する組成物を調製するためのプロセスは、例えば配位連鎖移動重合と組み合わされて、官能化ポリオレフィンを生成し得る。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
組成物を調製するためのプロセスであって、
立体障害ジエンを、有機金属化合物、溶媒、触媒前駆体、及び共触媒と接触させ、式:R[R−]を有する前記組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせを含有する最終溶液を形成することを含み、
式中、
は、出現する毎に、Zn、Mg、Ga、B、またはAlであり、
は、出現する毎に、水素、アルキル、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、前記立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、出現する毎に、1〜150(これらの数を含む)の数である、プロセス。
項2.
は、出現する毎に、水素またはC1〜20アルキル基である、項1に記載のプロセス。
項3.
前記有機金属化合物は、有機亜鉛化合物である、項1に記載のプロセス。
項4.
前記立体障害ジエンは、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビス−ノルボルネンの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項1に記載のプロセス。
項5.
前記溶媒は、トルエンまたは脂肪族炭化水素である、項1に記載のプロセス。
項6.
式:R[R−]を有する組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせであって、
式中、
は、出現する毎に、Zn、Mg、Ga、またはAlであり、
は、出現する毎に、水素、アルキル、ハライド、アミド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、ヒドロカルビルオキシド、ヒドロカルビルスルフィド、ジヒドロカルビルホスフィド、トリ(ヒドロカルビル)シリルから独立して選択され、任意のヒドロカルビル基は、少なくとも1種のハライド、アミド、ヒドロカルビルアミド、ジヒドロカルビルアミド、またはヒドロカルビルオキシドで任意選択で置換され、各炭素含有Rは、1〜50個(これらの数を含む)の炭素原子を有し、
は、出現する毎に、立体障害ジエンの誘導体であり、
Nは、平均して、出現する毎に、1〜150(これらの数を含む)の数である、組成物、もしくはその凝集体、そのルイス塩基含有誘導体、またはその任意の組み合わせ。
項7.
は、出現する毎に、水素またはC1〜20アルキル基である、項6に記載の組成物。
項8.
ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスであって、
少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、
前記触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び項6に記載の組成物の接触生成物を含む、プロセス。
項9.
ポリマー組成物を形成するための少なくとも1種の付加重合性モノマーの重合のためのプロセスであって、
少なくとも1種の付加重合性モノマーを、重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、
前記触媒組成物は、少なくとも1種の触媒前駆体、少なくとも1種の共触媒、及び項1に記載のプロセスにより調製された組成物の接触生成物を含み、前記少なくとも1種の触媒前駆体はまた、項1に記載のプロセスにより調製された組成物を調製するための触媒前駆体である、プロセス。
【実施例】
【0220】
試験方法
以下の例において、標準的な分析機器及び分析方法が使用される。
【0221】
H及び13C核磁気共鳴(NMR)H NMR:H NMRスペクトルを、周囲温度でBruker AV−400分光計で記録した。ベンゼン−dにおけるH NMR化学シフトは、TMS(0.00ppm)に対して7.16ppm(CH)を基準とした。0.2mlの反応混合物を1mlのベンゼン−dに溶解することにより試料を調製した。13C NMR:ポリマーの13C NMRスペクトルを、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker 400MHz分光計を使用して収集した。10mm NMR管内で、0.025Mクロムトリスアセチルアセトネート(緩和剤)を含有するテトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物約2.6gを、0.2gのポリマーに添加することにより、ポリマー試料を調製した。管及びその内容物を150℃に加熱することにより、試料を溶解及び均質化した。データファイル毎に320スキャン、7.3秒のパルス繰り返し遅延及び120℃の試料温度を使用してデータを取得した。
【0222】
ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS):電子衝突イオン化(EI)を使用したタンデムガスクロマトグラフィー/低分解能質量分析を、Agilent Technologies 5975不活性XL質量選択検出器及びAgilent Technologies Capillaryカラム(HP1MS、15m×0.25mm、0.25ミクロン)を備えたAgilent Technologies 6890Nシリーズガスクロマトグラフで、70eVで行った。本開示の組成物のアリコートを、水及び重水素化メタノールで別個にクエンチし、100〜600までの分子量範囲内の分子の検出を確実とするための2つの異なる方法を使用して、GCMSにより分析した。2つの方法は以下の通りである。
【0223】
方法1
30℃で5分間
次いで5℃/分で50℃で0分間
次いで20℃/分で150℃で1分間
実行時間15分
【0224】
方法2
50℃で0分間
次いで25℃/分で300℃で10分間
実行時間20分
【0225】
密度は、ASTM D−792に従い測定される。結果は、立方センチメートル当たりのガンマ(gamma)(g)、またはg/ccで報告される。
【0226】
メルトインデックス(I)は、ASTM D−1238(190℃;2.16kg)に従い測定される。結果は、グラム/10分で報告される。メルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238(230℃;2.16kg)に従い測定される。結果は、グラム/10分で報告される。
【0227】
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238(230℃;2.16kg)に従い測定される。結果は、グラム/10分で報告される。
【0228】
分子量分布(MWD)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。特に、ポリマーの重量平均(Mw)及び数平均(Mn)分子量を決定するために、ならびにMWD(Mw/Mnとして計算される)を決定するために、従来のGPC測定が使用される。試料は、高温GPC機器(Polymer Laboratories,Inc.モデルPL220)で分析される。方法は、流体力学的体積の概念に基づく周知の普遍的な補正法を使用し、補正は、140℃のシステム温度で動作する4つのMixed A 20μmカラム(Agilent(以前はPolymer Laboratory Inc.)からのPLgel Mixed A)と共に、狭いポリスチレン(PS)標準を使用して行われる。1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒中「2mg/mL」濃度で試料を調製する。流速は1.0mL/分であり、注入サイズは、100マイクロリットルである。
【0229】
議論されたように、分子量の決定は、狭い分子量分布のポリスチレン標準(Polymer Laboratoriesから)をその溶出体積と関連して使用することにより推定される。等価ポリエチレン分子量は、ポリエチレン及びポリスチレンに対する適切なマルク−ホウインク係数(Williams and Ward in Journal of Polymer Science,Polymer Letters,Vol.6,(621)1968により説明されている通り)を使用して以下の等式を導出することにより決定される。
【0230】
Mポリエチレン=a*(Mポリスチレン)
この等式において、a=0.4316及びb=1.0である(Williams and Ward,J.Polym.Sc.,Polym.Let.,6,621(1968)において説明されている通り)。ポリエチレン当量分子量計算は、VISCOTEK TriSECソフトウェアVersion 3.0を使用して行った。
【0231】
示差走査熱量測定(DSC)は、ポリマー(例えばポリエチレン(PE)ポリマー)における結晶化度を測定するために使用される。約5〜8mgのポリマー試料を秤量し、DSCパン内に設置する。閉鎖雰囲気を確保するために、蓋をパンの上に圧着する。試料パンをDSCセル内に設置し、次いでPEの場合約10℃/分の速度で180℃の温度まで加熱する(ポリプロピレンまたは「PP」の場合230℃)。試料をこの温度で3分間維持する。次いで、PEの場合試料を10℃/分の速度で−60℃まで冷却し(PPの場合−40℃)、その温度で3分間等温に維持する。次に、試料を完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱する(第2の加熱)。パーセント結晶化度は、第2の加熱曲線から決定される融解熱(H)を、PEの場合は292J/g(PPの場合は165J/g)の理論融解熱で除し、この量に100を乗じることにより計算される(例えば、%結晶化度=(H/292J/g)×100(PEの場合))。
【0232】
別段に指定されない限り、各ポリマーの融点(複数可)(T)は、第2の加熱曲線から決定され(ピークTm)、結晶化温度(T)は、第1の冷却曲線から決定される(ピークTc)。
【0233】
高温液体クロマトグラフィー:高温液体クロマトグラフィー実験方法における器具使用法は、若干修正を加えた公開されている方法に従って行われるHTLC実験である(Lee,D.;Miller,M.D.;Meunier,D.M.;Lyons,J.W.;Bonner,J.M.;Pell,R.J.;Shan,C.L.P.;Huang,T.J.Chromatogr.A 2011,1218,7173)。2つの島津(Columbia、MD、USA)LC−20ADポンプを使用して、デカン及びトリクロロベンゼン(TCB)をそれぞれ送達する。各ポンプは、10:1固定流スプリッタ(部品番号:620−PO20−HS、Analytical Scientific Instruments Inc.、CA、USA)に接続される。スプリッタは、製造者に従い、HOにおいて0.1mL/分で1500psiの圧力降下を有する。両方のポンプの流速は、0.115mL/分に設定する。分離後、副次的流れは、デカン及びTCB両方に対して0.01mL/分であり、収集された溶媒を30分超秤量することにより決定される。収集された溶出物の体積は、室温における溶媒の質量及び密度により決定される。副次的流れは、分離のためにHTLCカラムに送達される。主要な流れは、溶媒貯蔵部に戻される。島津ポンプからの溶媒を混合するために、50μLミキサー(島津)がスプリッタの後に接続される。次いで、混合された溶媒は、Waters(Milford、MA、USA)GPCV2000の炉内の注入器に送達される。Hypercarb(商標)カラム(2.1×100mm、5μm粒径)が、注入器と10ポートVICI弁(Houston、TX、USA)との間に接続される。弁は、2つの60μL試料ループを備えている。弁は、第1の寸法(D1)のHTLCカラムから第2の寸法(D2)のSECカラムへの溶出物を連続的にサンプリングするために使用される。Waters GPCV2000のポンプ及びPLgel Rapid(商標)−Mカラム(10×100mm、5μm粒径)は、D2サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)のためにVICI弁に接続される。文献(Brun,Y.;Foster,P.J.Sep.Sci.2010,33,3501)において説明されているように、接続には対称構成を使用する。濃度、組成、及び分子量の測定のために、デュアルアングル光散乱検出器(PD2040、Agilent、Santa Clara、CA、USA)及びIR5推定(inferred)吸光度検出器がSECカラムの後に接続される。
【0234】
HTLCのための分離:160℃で2時間、バイアルを穏やかに振盪することにより、約30mgを8mLのデカンに溶解する。デカンは、ラジカル捕捉剤として、400ppmのBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)を含有する。次いで、試料バイアルを、注入のためにGPCV2000に移す。オートサンプラ、注入器、Hypercarb及びPLgelカラムの両方、10ポートVICI弁、ならびにLS及びIR5検出器の両方の温度は、分離の間140℃に維持される。
【0235】
注入前の初期条件は、以下の通りである。HTLCカラムの流速は、0.01mL/分である。D1 Hypercarbカラムにおける溶媒組成は、100%デカンである。SECカラムの流速は、室温で2.51mL/分である。D2 PLgelカラムにおける溶媒組成は、100%TCBである。D2 SECカラムにおける溶媒組成は、分離の間変化しない。
【0236】
試料溶液の311μLのアリコートを、HTLCカラムに注入する。注入により、以下に記載の勾配が誘引される。
0〜10分、100%デカン/0%TCB、
10〜651分、TCBが0%TCB〜80%TCBに直線的に増加される。
【0237】
また、注入により、EZChrom(商標)クロマトグラフィーデータシステム(Agilent)を使用した、15°の角度での光散乱信号(LS15)、ならびにIR5検出器からの「測定」及び「メチル」信号(IRmeasure及びIRmethyl)の収集が誘引される。検出器からのアナログ信号は、SS420Xアナログ−デジタル変換器を通してデジタル信号に変換される。収集周波数は、10Hzである。また、注入により、10ポートVICI弁の切り替えが誘引される。弁の切り替えは、SS420Xコンバータからのリレー信号により制御される。弁は、3分毎に切り替えられる。クロマトグラムは、0分〜651分まで収集される。各クロマトグラムは、651/3=217SECクロマトグラムからなる。
【0238】
勾配分離後、0.2mLのTCB及び0.3mLのデカンを使用して、次の分離のためにHTLCカラムを洗浄及び再平衡化する。このステップの流速は0.2mL/分であり、ミキサーに接続された島津LC−20 ABポンプにより送達される。
【0239】
HTLCのデータ分析:651分の未処理クロマトグラムを一次展開して、217SECクロマトグラムを得る。各クロマトグラムは、2D溶出体積の単位で0〜7.53mLである。次いで積分限界を設定し、SECクロマトグラムをスパイク除去、ベースライン補正、及び平滑化に供する。プロセスは、従来のSECにおける複数のSECクロマトグラムのバッチ分析と同様である。全てのSECクロマトグラムの合計を検査し、ピークの左側(積分上限)及び右側(積分下限)の両方がゼロとしてベースライン上にあることを確かめる。さもなくば、積分限界を調節してプロセスを繰り返す。
【0240】
1〜217の各SECクロマトグラムnは、HTLCクロマトグラムにおいてX−Y対を生成し、nは、分画数である。
【0241】
[数1]
=溶出体積(mL)=D1流速×n×tswitch
式中、tswitch=3分は、10ポートVICI弁の切り替え時間である。
【0242】
【数2】
【0243】
上記等式は、例としてIRmeasure信号を使用している。得られるHTLCクロマトグラムは、溶出体積の関数としての分離されたポリマー成分の濃度を示す。
【0244】
データのX−Y対はまた、IRmethyl及びLS15信号からも得られる。補正後の組成を計算するためには、IRmethyl/IRmeasureの比率が使用される。補正後の重量平均分子量(M)を計算するためには、LS15/IRmeasureの比率が使用される。
【0245】
補正は、Leeら(同書)の手順に従う。高密度ポリエチレン(HDPE)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)、及び20.0、28.0、50.0、86.6、92.0、及び95.8重量%Pのプロピレン含量を有するエチレン−プロピレンコポリマーが、IRmethyl/IRmeasure補正用の標準として使用される。標準の組成は、NMRにより決定される。標準は、IR5検出器を有するSECにより測定される。標準の得られたIRmethyl/IRmeasure比率をその組成の関数としてプロットし、補正曲線を得る。
【0246】
HDPE基準は、日常的なLS15補正に使用される。基準のMは、LS及びRI(屈折率)検出器を用い、GPCにより104.2kg/molとして予め決定されている。GPCは、GPCにおける標準としてNBS1475を使用する。標準は、NISTにより52.0kg/molの保証値を有する。7〜10mgの間の標準を、160℃で8mLのデカンに溶解させる。溶液を、100%TCB中でHTLCカラムに注入する。ポリマーは、一定の100%TCB下で、0.01mL/分で溶出される。したがって、ポリマーのピークは、HTLCカラム空隙容量で生じる。補正定数Ωは、全LS15信号(ALS15)及び全IRmeasure信号(AIR,measure)から決定される。
【0247】
【数3】
【0248】
次いで、実験LS15/IRmeasure比率は、ΩによりMに変換される。
【0249】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムは、Polymer Laboratories Model PL−210またはPolymer Laboratories Model PL−220機器からなる。カラム及びカルーセルコンパートメントは、140℃で操作する。3つのPolymer Laboratories 10ミクロンMixed−Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンである。200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの溶媒中0.1グラムのポリマーの濃度で、試料を調製する。試料は、160℃で2時間軽く撹拌することにより調製する。使用する注入体積は100マイクロリットルであり、流速は1.0ml/分である。
【0250】
GPCカラムセットの補正は、21の狭い分子量分布のポリスチレン標準を用いて行うが、分子量は580〜8,400,000の範囲であり、6つの「カクテル」混合物として用意され、個々の分子量の間に少なくとも10の間隔(a decade of separation)を有する。標準は、Polymer Laboratories(Shropshire、UK)から購入する。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中に0.025グラムで、及び1,000,000未満の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中に0.05グラムで調製する。ポリスチレン標準は、穏やかな撹拌と共に80℃で30分間溶解させる。狭い標準混合物を最初に、及び分解を最小限化するために最大分子量成分の高い順に測定する。ポリスチレン標準のピーク分子量は、以下の等式を使用してポリエチレン分子量に変換される(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載の通り)。
【0251】
[数4]
polypropylene=0.645(Mpolystyrene
【0252】
実施例1
無水トルエンをSigma−Aldrichから入手し、275℃の炉内で5時間活性化したアルミナ上でさらに乾燥させる。ノルボルナジエン及び5−ビニル−2−ノルボルネンをSigma−Aldrichから入手し、使用前に活性化アルミナ(DD6)上で乾燥させる。
【0253】
全ての反応は、別段に指定されない限り、窒素雰囲気下のドライボックス内で行う。ノルボルナジエン(1.18mL、11.7mmol)及びジエチル亜鉛(1.5mL、14.6mmol)をトルエン(35mL)に添加し、撹拌棒を備えた100mLガラス瓶内で窒素雰囲気下で混合し、0℃に冷却する。その後、アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1.8mLの0.0644M溶液、0.12mmol)及び触媒(A2)(10mLのトルエン中に47mg溶解、0.097mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌して、式R[R−]を有する組成物を含有する最終溶液を形成する。最終溶液は、0.3Mの亜鉛濃度及び0.00198Mのハフニウム濃度からなるものと計算される。H NMR分析用に試料を採取し、GCMS分析用に追加の試料を水/HCl及び重水素化メタノールで加水分解させる。
【0254】
図4に見られるように、H NMR分析は、ノルボルナジエンが一晩の反応後に完全に消費されること、及びジエチル亜鉛ピークが大幅に消失することを示し、ノルボルナジエンとジエチル亜鉛との間の反応の証拠を示している。
【0255】
分子量に基づく化合物の構造上の証拠のために、上述のような2つの方法によりGCMS分析を行うが、1つは低分子量分画(方法1)、1つは高分子量分画(方法2)に好適である。図5及び6は、それぞれ方法1及び2における水/HClにより加水分解された試料のGCMS分析を示す。図5及び6に見られるように、両方の方法が、予期される二頭性種の分子量と一致するm/z=152における主要ピーク群、及びm/z=166の副次的ピーク群を示す。より低い、またはより高い分子量範囲内の生成物は観察されない。より高い分子量においていかなるピークも存在しないことは、2つ以上のジエンの連続的挿入が成功裏に防止されることの強力な証拠である。複数のピークは、生成物のいくつかの可能な異性体の結果であると考えられる。
【0256】
図5及び6を参照すると、m/z=166における副次的ピーク群の強度は再現性がないことが分かり、同じ溶液の異なるクエンチに関連して変動する。確かに、図7に見られるように、ドライボックス内でのきれいに脱酸素化されたクエンチ剤(メタノール)の使用によって、これらのピークは排除される。したがって、m/z=166における副次的ピーク群は、152種の不完全加水分解から生じると考えられる。これに関して、図8、スキーム1は、水により加水分解された試料の妥当な反応を示す。
【0257】
図5及び6に示される152の種の「二頭性」構造をさらに検証するために、試料を重水素化メタノールCDODで加水分解させ、図9に見られるようにGCMS方法2により分析する。予測されるように、152のピークは154にシフトし、これは分子が加水分解の前に2つの亜鉛原子に結合することの強力な証拠であり、また166のピークは同様に167にシフトする。したがって、図8は、スキーム2及び3において、重水素化メタノールCDODにより加水分解した試料の妥当な反応を示す。
【0258】
重合評価
以下の表1中に示されるように、エチレン−オクテン共重合反応を、1ガロンバッチ反応器内で120℃で行う。DHCは、表1中に示される場合、実施例1の式R[R−]を有する二頭性組成物を指す。触媒(A2)は、上で定義された通りである。
【0259】
【表1】
【0260】
表1に示されるように、実施例1の二頭性組成物は、分子量の低減をもたらす効果的な連鎖移動能力を示した。測定Mn値は、「二頭性」構造に基づく計算Mnとおおよそ同等である。最終溶液からの遷移金属触媒は、重合において活性を維持し、同じコモノマー組み込みにより明らかなように新鮮な触媒と同様に機能し、それにより、本開示のプロセスのワンポット性を実証した。さらに、マルク−ホウインクプロットは、長鎖分岐の存在を示さず、二頭性組成物の調製におけるジエンの複数挿入が防止されることをさらに裏付けた。
【0261】
さらに、実施例1の二頭性組成物で作製されたEOコポリマーのGPC曲線を図10に示すが、これは、二頭性組成物がより低い分子量への曲線のシフトをもたらすことを示している。5−ビニル−2−ノルボルネン等の他の立体障害ジエン、及び上で定義されたような触媒(A4)〜(A7)等の他の触媒前駆体を含むさらなる例は、実施例1と同様の調製及び条件に基づいて、実施例1と同様の結果をもたらした。具体的には、図11は、ジエチル亜鉛及び触媒(A2)との反応後に5−ビニル−2−ノルボルネンのほぼ完全な消費が生じることを示す、H NMR分析を示している。図12は、ノルボルナジエン及びジエチル亜鉛の触媒(A5)との反応に基づく152種の加水分解された組成物を示す、GCMS分析を示している。図13及び14は、ノルボルナジエン及びジエチル亜鉛の触媒(A7)との反応に基づく152種の加水分解された組成物を示す、GCMS分析を示している。図15及び16は、ノルボルナジエン及びジエチル亜鉛の触媒(A6)との反応に基づく152種の加水分解された組成物を示す、GCMS分析を示している。示されてはいないが、GCMS分析はまた、ノルボルナジエン及びジエチル亜鉛の触媒(A4)との反応に基づく152種の加水分解された組成物も示す。図12、13、及び15に関して、122種は、図17に示されるような(A)及び(B)の異性体構造を有する副次的成分であると考えられる。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17