特許第6832372号(P6832372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832372
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】スタイラスのソフトタッチ検出
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210215BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G06F3/041 580
   G06F3/041 600
   G06F3/03 400D
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-565247(P2018-565247)
(86)(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公表番号】特表2019-511072(P2019-511072A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】US2017019794
(87)【国際公開番号】WO2017155723
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2020年1月27日
(31)【優先権主張番号】15/062,127
(32)【優先日】2016年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ワインブランド,アミル
(72)【発明者】
【氏名】オーロフスキー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ビレンバーグ,ドミトリー
【審査官】 木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/105660(WO,A1)
【文献】 特開2011−209785(JP,A)
【文献】 特開平09−305693(JP,A)
【文献】 特開2013−200293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03 − 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信されたスタイラス信号を検出するステップと;
前記スタイラス信号を検出したことに基づいて、前記スタイラスの座標を決定するステップと;
前記スタイラス信号に基づいて前記スタイラスがホバー動作モードを識別していると判断するステップと;
決定された前記座標の周囲の定義されたエリア内における相互容量性検出に基づいて、前記デジタイザセンサ上の前記スタイラスの先端の容量効果を探すステップと
前記容量効果を識別したことに基づいて、前記スタイラスのタッチ動作モードを報告するステップと;
前記スタイラス信号が前記ホバー動作モードを示していると判断したことに基づき、及び前記定義されたエリア内において前記先端の容量効果が検出不可能であると特定したことに基づいて、前記スタイラスの前記ホバー動作モードを報告するステップと;
を備える、方法。
【請求項2】
前記スタイラスは、前記スタイラス内に埋め込まれたセンサからの出力に基づいて前記ホバー動作モードを識別するように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記容量効果に基づいて、前記スタイラスの先端における0〜15gmの力により前記タッチ動作モードを検出するステップを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記スタイラスによって発信される第2スタイラス信号を検出するステップであって、前記第2スタイラス信号は、前記スタイラスに埋め込まれた圧力センサからの圧力情報を含むステップと;
前記圧力情報に基づいて、前記スタイラスのタッチ動作モードを識別するステップと;
前記タッチ動作モードを識別したことに基づいて、決定された前記座標における前記スタイラスのタッチ動作モードを報告するステップと;
を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力情報が前記タッチ動作モードを示すことに基づいて、前記先端の前記相互容量性検出を無効にするステップ、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2スタイラス信号は、前記デジタイザセンサ又はホストコンピューティングデバイスに関連付けられる無線通信モジュールによって検出される、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
ホストコンピューティングデバイス上で動作するアプリケーションが、前記先端の相互容量性検出に基づいて前記タッチ動作モードを識別することを選択的に可能にする、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも前記定義されたエリア内でヒートマップを検出するステップであって、ここで、前記ヒートマップは、少なくとも前記定義されたエリア内に含まれる各接合点で出力をマップするステップと;
最尤コスト基準を適用して、前記定義されたエリア内で前記容量効果を検出することができる確率を決定するステップであって、ここで、前記最尤コスト基準は、前記デジタイザセンサの接合点からの出力を該接合点からの前記先端の位置に関連させる所定の応答関数に基づく、ステップと;
前記確率が所定の閾値を超えることに基づいて、前記容量効果を検出するステップであって、ここで、前記先端の前記容量効果を検出することは、前記定義されたエリア内でのみ行われる、ステップと;
を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記スタイラスの前記タッチ動作モードを報告することに基づいてインキングするステップを含む、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ディスプレイと;
感知面に関連付けられるデジタイザセンサと;
前記デジタイザセンサに関連付けられる回路であって、
前記デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信されたスタイラス信号を検出し、
前記スタイラス信号を検出することに基づいて、前記スタイラスの座標を決定し、
前記スタイラス信号に基づいて、前記スタイラスがホバー動作モードを識別していると判断し、
決定された前記座標の周囲の定義されたエリア内における相互容量性検出に基づいて、前記デジタイザセンサ上の前記スタイラスの先端の容量効果を探し
前記容量効果を識別したことに基づいて前記スタイラスのタッチ動作モードを報告
前記スタイラス信号が前記ホバー動作モードを示していると判断したことに基づき、及び前記定義されたエリア内において前記先端の容量効果が検出不可能であると特定したことに基づいて、前記スタイラスの前記ホバー動作モードを報告する、
ように構成される回路と;
前記タッチ動作モードの報告に基づいて、前記ディスプレイ上にインクを表示するように構成されるコントローラと;
を備える、デバイス。
【請求項11】
前記ホバー動作モードを識別することは、前記スタイラスに埋め込まれたセンサからの出力に基づいて識別される、
請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記回路は、
前記スタイラスによって発信される第2スタイラス信号を検出し、ここで、前記第2スタイラス信号は、前記スタイラスに埋め込まれた圧力センサからの圧力情報を含み、
前記圧力情報に基づいて、前記スタイラスのタッチ動作モードを識別し、
前記タッチ動作モードを識別したことに基づいて、決定された前記座標における前記スタイラスのタッチ動作モードを報告する、
ように構成される、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記回路は、前記圧力情報が前記タッチ動作モードを示すことに基づいて、前記先端の前記相互容量性検出を無効にするように構成される、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記回路は、
少なくとも前記定義されたエリア内でヒートマップを検出することであって、ここで、前記ヒートマップは、少なくとも前記定義されたエリア内に含まれる各接合点で出力をマップし、
最尤コスト基準を適用して、前記定義されたエリア内で前記容量効果を検出することができる確率を決定することであって、ここで、前記最尤コスト基準は、前記デジタイザセンサの接合点からの出力を該接合点からの前記先端の位置に関連させる所定の応答関数に基づき、
前記確率が所定の閾値を超えることに基づいて前記容量効果を検出する、
ように構成され、前記回路は、前記確率が前記所定の閾値未満であることに基づいて、決定された前記座標における前記スタイラスのホバー動作モードを報告するように構成される、
請求項10乃至13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信されたスタイラス信号を検出するステップと;
前記スタイラス信号を検出することに基づいて前記スタイラスの座標を決定するステップと;
前記スタイラス信号に基づいて、前記スタイラスがタッチ動作モードとホバー動作モードのうちの一方を識別していると判断するステップと;
決定された前記座標の周囲の定義されたエリア内における相互容量性検出に基づいて、前記デジタイザセンサ上の前記スタイラスの先端の容量効果を探すステップと
前記容量効果を識別したことに基づいて、前記スタイラスがタッチ動作モードであると判断するステップと、
前記スタイラス信号が前記ホバー動作モードを示していると判断したことに基づき、及び前記定義されたエリア内において前記先端の容量効果が検出不可能であると特定したことに基づいて、前記スタイラスが前記ホバー動作モードであると判断するステップと、
前記タッチ動作モードと前記ホバー動作モードのうちの一方を報告するステップと;
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
デジタイザセンサは、ラップトップ、トラックパッド、MP3プレーヤ、コンピュータモニタ及びスマートフォンといった多くのヒューマンインタフェースデバイス(HID)でタッチ検出に使用される。容量性センサは、デジタイザセンサの1つのタイプである。容量性センサは、HIDと対話するために使用される導電性スタイラス又は指のような導電性物体の位置及び近接を感知する。容量性センサは、電子ディスプレイと一体化されてタッチスクリーンを形成することが多い。容量性センサは、銅、酸化インジウム錫(ITO)及び印刷インクのような異なる媒体から構成されるアンテナ又はラインを含む。ITOは典型的に、透明性を達成するために使用される。一部の容量性センサはグリッドベースであり、グリッド内の異なる接合点における電極間の相互静電容量を検出するか又はグリッドのラインにおける自己静電容量を検出するように動作する。
【0002】
信号を発するスタイラス、例えばアクティブスタイラスは、デジタイザシステムと共に使用するために当技術分野で知られている。スタイラスの位置は、デジタイザセンサにより、スタイラスが発した信号を選ぶことによって追跡される。一部のアクティブスタイラスは、情報を含む信号を発する。この情報は、スタイラス上に一体化された圧力センサによって感知されるような筆記先端(writing tip)に加えられる圧力であってよい。デジタイザシステムは、この情報を復号し、復号された情報に基づいてタッチ及びホバーのうちの一方として圧力又は先端の状態を報告する。
【発明の概要】
【0003】
デジタイザ感知面上のスタイラスのソフトタッチを検出するための方法を説明する。ソフトタッチは、本明細書で使用されるとき、ゼロ力又はほぼゼロの力のタッチ、例えば15gm未満の力又は10mg未満の力又は既知の先端圧力センサによって典型的に検出可能な最小の力未満の力のタッチとして定義される。スタイラスで入力を提供している間、ユーザは異なるレベルの圧力を加えることがある。ソフトタッチは、典型的に、スタイラスの最初のタッチダウンのとき、スタイラスのリフトオフのとき及びデジタイザ面に対して実質的に鋭角でスタイラスを操作している間に生じる可能性がある。ソフトタッチは、スタイラスで描画又はスケッチしているときにも発生することがある。これらの場合、ユーザは典型的にインキング(inking)を見ることを期待する可能性がある。しかしながら、スタイラス先端に閾値レベルよりも低い圧力を適用するソフトタッチは、スタイラスに関連付けられる圧力センサによって検出できないことがある。
【0004】
いくつかの例示的な実施形態の一態様によれば、スタイラス圧力センサによる感知以外の感知方法がソフトタッチを検出するために適用される。いくつかの例示的な実施形態によれば、追加の方法は、デジタイザシステムによるスタイラスの導電性先端の容量性検出に基づく。典型的には、この方法は、デジタイザ感知面におけるスタイラス先端のほぼゼロの力のタッチ又はゼロの力のタッチを検出するために使用され得る。いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイラスによるインキングの感度を、本明細書で説明される方法に基づいて改善することができる。いくつかの例示的な実施形態では、本明細書で説明される方法は、スタイラス以外のハンドヘルドデバイスのソフトタッチを検出するためにも適用されてよい。
【0005】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で説明されるものと同様又は等価な方法及び材料を、本開示の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に説明する。競合する場合、定義を含む特許明細書が支配することになる。加えて、材料、方法、及び実施例は例示に過ぎず、必ずしも限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ本明細書で説明される。図面を詳細に具体的に参照するが、図示される詳細は例であり、本開示の実施形態の例示的説明のためであることを強調する。この点に関して、図面を用いた説明は、本開示の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0007】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なタッチ及びスタイラス対応コンピューティングデバイスの簡略ブロック図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス及び指タッチ対話の双方を検出するために、例示のスタイラス送信期間及び例示の対応するデジタイザシステムサンプリング期間を示す簡略化したタイムラインを示す図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス対話のみ検出するために、例示のスタイラス送信期間及び例示の対応するデジタイザシステムサンプリング期間を示す簡略化したタイムラインを示す図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス先端からの容量効果を検出するために、スタイラスの位置の周囲で選択されたデジタイザセンサ上のエリアの簡略図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス入力に基づくインキングを示す簡略図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、デジタイザ感知面上の圧力感知式スタイラスのタッチを識別する例示の方法の簡略化されたフローチャートである。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、圧力感知式ではないスタイラスを用いてデジタイザ感知面上のスタイラスのタッチを識別する例示的な方法の簡略化したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一部の態様によれば、デジタイザシステムにより、スタイラス先端が殆ど又は全く力を加えずにその感知面に接触しているときを検出する方法が提供される。この方法は、スタイラス先端に加えられる圧力を感知するスタイラスに埋め込まれた圧力センサによって提供される感度と比べて、ソフトタッチ範囲における改善された感度を提供することができる。典型的には、既知の圧力センサの機械的態様は、ゼロに近い低い圧力ではその感度を制限する。加えて、既知の先端圧力センサは、典型的に、先端の軸方向における先端の動き又は力を検出するように設計されており、したがって、そのようなセンサは、先端がある角度にあるときに、その先端で加えられる圧力に対する感度が低い。いくつかの実施形態によれば、デジタイザ感知面とのスタイラスのソフトタッチは、デジタイザセンサ上のスタイラス先端の検出された容量効果に基づいて検出される。典型的には、容量効果を検出するために相互容量性検出方法が適用される。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、閾値圧力レベルを超える接触圧力は、圧力感知式スタイラスによって送信される報告に基づいて識別され、閾値レベル未満の接触は、デジタイザセンサ上の導電性先端の容量効果を検出することに基づいて識別される。いくつかの例示的な実施形態では、スタイラス先端を検出するための容量効果検出方法は、スタイラスがホバー状態を感知している間に活性化され、スタイラスがタッチ状態を報告したことに基づいて非活性化される。
【0010】
デジタイザセンサの感知要素のピッチと比較してスタイラス先端の比較的小さい直径に起因して、デジタイザシステム上のスタイラス先端の容量効果は小さく、ホバリングとは対照的に、スタイラス先端が感知面に触れている間にのみ識別することができる。スタイラスが感知面から持ち上げられると、スタイラス先端と感知面との間のエアギャップは、スタイラス先端と感知面との間の容量結合を著しく弱める。エアギャップによる容量結合の急激な変化は、検出された容量効果に基づいて、タッチとホバーとの間を区別することを容易にする。
【0011】
スタイラスが感知面に接触しているときであっても、容量効果は、雑音の多い環境の存在下では識別することが難しいことがある。いくつかの例示的な実施形態では、期待される容量効果の所定のモデルに基づく統計的アプローチが、容量効果を識別するために適用される。いくつかの例示的な実施形態では、所定の閾値を超える信頼レベルで容量効果を検出したことに基づいて、スタイラスのタッチが報告される。デジタイザシステムは、典型的に、スタイラスが発した信号に基づいてスタイラスの位置を追跡するので、スタイラスの位置は既知であり、容量性検出方法は、スタイラスの検出された位置の周囲のエリアに制限され得る。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、デジタイザシステムは、検出されたタッチモードをホストコンピュータに報告し、それに基づいてインキングが表示される。低い力又は力を伴わないタッチに対するデジタイザシステムの感度の改善は、インキングの間のユーザ体験を改善することができ、また、描画するとき等に感知面に対して鋭角でユーザがスタイラスを操作することを可能にすることもできる。任意選択で、低い又は力を伴わないタッチ接触がホストに対して特定され、ホストはそれに応じてインキングの外観を選択又は調整する。
【0013】
ここで図1を参照する。図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なタッチ及びスタイラス対応コンピューティングデバイスの簡略ブロック図を示している。本開示のいくつかの実施形態によれば、コンピューティングデバイス100は、デジタイザセンサ50と一体化されたディスプレイ45を含む。一部の例示的な実施形態では、デジタイザセンサ50は、グリッドベースの容量性センサであり、グリッドベースのセンサのグリッドラインを形成している行と列の導電性ストリップ58で形成されている。典型的には、導電性ストリップ58は互いに電気的に絶縁されており、各導電性ストリップは少なくとも一端で回路25、例えばタッチコントローラに接続されている。典型的には、導電性ストリップ58は、行と列の導電性ストリップの間の容量結合、例えば行と列の間に形成される接合点59の周囲を強化するように配置される。行及び列の導電性ストリップの間に形成される容量結合は、導電性及び誘電性の物体の存在に敏感である。あるいは、デジタイザセンサは、行及び列の導電性ストリップに基づいて必ずしも構成されていない電極接合点の行列で形成される。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、導電性ストリップ58は、1つ以上の指先140又は手142又は他の導電性物体のタッチ、並びに典型的には筆記先端20を介して電磁信号を送信するスタイラス120による入力を検出するよう動作する。典型的には、行及び列の導電性ストリップ58の双方からの、例えば2つの垂直軸からの出力がサンプリングされてスタイラス120の座標を検出する。いくつかの例示的な実施形態では、回路25は、スタイラス120と同期し、スタイラス120によって受信された入力を処理し、スタイラス120の座標を追跡し、かつ/又はペンアップ(タッチ)及びペンダウン(ホバー)イベントを追跡するためにスタイラス検出エンジン27を含む。いくつかの例示的な実施形態では、スタイラス120は、先端20上に加えられた圧力を感知するために先端20に関連付けられる圧力センサ15を含む。
【0015】
本開示の例示的な実施形態では、スタイラス120は、その先端のペンアップ状態とペンダウン状態とのうちの一方の指示を周期的に送信する。指示は、圧力センサ15からの出力に基づく。典型的に、第1閾値は、ペンアップとペンダウンとの間で異なるように定義される。第1閾値未満の圧力読取値はペンアップとして報告され、第1閾値を超える圧力読取値はペンダウンとして報告される。任意選択で、ヒステリシスに起因して、第1閾値は、ペンアップからペンダウンに切り替えるための1つの閾値と、ペンダウンとペンアップとの間の切り替えのための別の閾値という、一対の閾値を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、圧力測定値に対する第2閾値は、書き込み送信モード(writing transmission mode)がいつ始まるかを定義する。典型的に、第2閾値は、第1ストロークが開始される前に加速された送信が開始され得るよう、第1閾値よりも低くなるように定義される。いくつかの例示的な実施形態によれば、書き込み送信モードの間に、位置信号、例えばビーコン信号、並びに圧力センサから出力される圧力信号圧力もスタイラスによって送信される。
【0016】
スタイラス120によって送信される入力は、圧力並びにスタイラス120に直接関連する他の情報、スタイラス120の周辺の環境、スタイラス120を使用するユーザ、スタイラス120に割り当てられた特権、スタイラス120の能力又は第三者デバイスから受け取った情報に関連する他の情報を含んでよい。スタイラスに関連する追加の情報は、押下されたボタン35の指示、傾き、識別情報、製造業者、バージョン、メディア・アクセス・コントロール(MAC)アドレス、並びに色、先端のタイプ、ブラシ及びアドオンのような格納された構成(configurations)を含んでもよい。
【0017】
典型的には、スタイラス120は、該スタイラス120によって発信される信号の生成を制御するASIC40を含む。ASIC40は、典型的に、スタイラス120によって送信された信号に対して、スタイラス120によって生成、格納又は感知される情報を符号化する。典型的に、スタイラス検出エンジン27は、スタイラス120から受け取った情報を復号する。任意選択で、デジタイザセンサ50と対話するように構成された他のハンドヘルドデバイスを同様の方法で操作して、スタイラス検出エンジン27によって追跡してもよい。
【0018】
回路25、例えばタッチコントローラは、指先140のタッチ(又はホバー)によるか又は筆記先端20のタッチによる容量効果を感知するための相互静電容量検出又は自己静電容量を適用することができる。典型的に、相互静電容量及び自己静電容量検出の間、回路25は、トリガ信号、例えばパルスをデジタイザセンサ50の1つ以上の導電性ストリップ58に送信し、トリガ及び/又は問合せに応答して導電性ストリップ58からの出力をサンプリングする。いくつかの実施形態では、グリッドの1つの軸に沿った導電性ストリップ58の一部又は全てが同時に又は連続的にトリガされ、各トリガに応答して、他の軸上の導電性ストリップ58からの出力がサンプリングされる。典型的には、この手順は、同時にセンサ50に接触する複数の指先140(マルチタッチ)の座標を検出することを提供する。回路25は、典型的には、トリガ信号を管理し、タッチ信号を処理し、1つ以上の指先140の座標を追跡するための指検出エンジン26を含む。
【0019】
典型的に、回路25からの出力はホスト22に報告される。典型的には、回路25によって提供される出力は、1つ以上の指先140の座標、スタイラス120の筆記先端20の座標、先端20のペンアップ又はペンダウン状態、先端20に加えられる圧力、並びにスタイラス120によって提供される追加情報、例えば圧力、傾き及びバッテリレベルを含んでよい。典型的に、回路25は、アナログとデジタル処理の双方を使用して、デジタイザセンサ50で検出された信号を処理する。任意選択で、エンジン26及び27の機能の一部及び/又は全てが、デジタイザセンサ50の動作を制御するために適合された1つ以上の処理ユニットに統合される。任意選択で、回路25、エンジン26及び27の機能の一部及び/又は全てが、ホスト22に統合されるか、かつ/又は含まれる。ホスト22は、情報をアプリケーションマネージャ又は関連アプリケーションに送信してよい。任意選択で、回路25及びホスト22は、生の情報をアプリケーションに転送してもよい。生の情報は、アプリケーションによって必要に応じて分析又は使用され得る。スタイラス120、回路25及びホスト22のうちの少なくとも1つは、情報の分析又は情報を意識することなく生の情報を伝えてよい。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態によれば、スタイラス120は、無線通信ユニット30、例えばBluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC)、ホスト22のモジュール23を使用する無線周波数(RF)通信を用いる補助チャネルを更に含む。
【0021】
次に図2を参照する。図2は、本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス及び指のタッチ対話の双方を検出するために、例示的なスタイラス送信期間及び対応する例示的なデジタイザシステムサンプリング期間を示す簡略化したタイムラインを示す図である。いくつかの例示的な実施形態では、デジタイザシステムは、スタイラス信号を検出するサンプリング出力(サンプリングウィンドウ250)と、デジタイザセンサとの指のタッチ対話を検出する相互容量性検出(又は自己容量性検出)(サンプリングウィンドウ240)との間を切り替える。サンプリングウィンドウ250は、典型的に、スタイラス信号送信210の時間と同期するように定義され、相互容量性検出のためのサンプリングウィンドウ240は、サンプリングウィンドウ250のタイミング間の時間を実質的に埋めるように定義されてよい。あるいは、スタイラスは、その送信時間を同期させて、デジタイザシステムのサンプリング期間を設定してもよい。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、スタイラスは、該スタイラスのどの位置が追跡されるかに基づいてビーコン信号210を送信し、情報を提供する追加の信号を送信することもできる。典型的には、追加の情報は、ビーコン信号210に関して設定された時間(set times)に送信される。この時間は、デジタイザシステムに既知であるか又は伝えられる。任意選択で、スタイラスは、感知された圧力レベルに関する情報を含むか、先端のタッチ又は先端のホバーとして先端の状態を示す圧力信号230を周期的に送信する。スタイラスのバッテリ寿命を節約する目的のために、スタイラスは、図3に図示されるように、感知されたタッチモードの間にのみ圧力信号230を送信してよく、感知されたホバーモードの間には圧力信号を送信しなくてよい。タッチモードは、典型的に、所定の圧力感知閾値に基づく。所定の閾値は、典型的には、先端に加えられる15gmの力に対応する。圧力センサ15の機械的性質に起因して、15gm未満の力を十分な精度で感知することは典型的に困難である。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態によれば、閾値レベル未満、例えば15gm未満のソフトタッチは代わりに、相互容量性検出サンプリング期間240に基づき、デジタイザシステムによって検出される。スタイラス先端の容量効果が相互容量性検出によって検出可能である間、スタイラスはタッチ状態にあると判断され、スタイラス先端の容量効果が相互容量性検出によって検出可能でない間、スタイラスはホバー状態にあると判断される。
【0024】
相互容量性検出の間、デジタイザセンサ上のスタイラス先端の存在に対する容量効果を識別するためには、スタイラスの近傍で得られた出力を調べるだけでよい。スタイラスの位置は、サンプリング期間250の間に以前に検出された出力に基づいて決定されてもよい。
【0025】
典型的に、容量効果は、スタイラス先端20がデジタイザ感知面に接触しているときに検出され得るが、スタイラス先端20がデジタイザ感知面から離れるときに直ちに検出されないことがある。検出は近接に基づいており、圧力に基づくものではないので、ゼロ力又はゼロに近い力のタッチを、相互容量性検出に基づいて検出することができる。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態によれば、ソフトタッチが相互容量性検出に基づいて検出されると、タッチモードを示す報告がホストに送信される。いくつかの例示的な実施形態では、ソフトタッチを検出するための出力の分析は、スタイラスがホバーモードを指示している間にのみ開始される。任意選択で、ソフトタッチ検出は、スタイラスによって送信された圧力信号230を検出したこと応答して無効にされる。ソフトタッチ検出は無効にされてよいが、デジタイザシステムは、スタイラスがタッチモードを報告している間に、指のタッチ対話を検出するための相互容量性検出を継続することができる。任意選択で、タッチ対応デバイス上で動作するアプリケーションが、ソフトタッチ検出を有効又は無効にする。
【0027】
次に図3を参照する。図3は、本開示のいくつかの実施形態による、スタイラスの対話のみを検出するために、例示的なスタイラス送信期間及び例示的な対応するデジタイザシステムサンプリング期間を示す簡略化されたタイムラインを示す図である。いくつかの例示的な実施形態では、デジタイザシステムは、スタイラスのみモード(stylus only mode)で動作してよい。スタイラスのみモードでは、デジタイザシステムはスタイラス入力を追跡するが、指タッチ入力は追跡しない。このような実施形態又はモードでは、相互容量性検出ウィンドウ240はソフトタッチ検出の目的のためだけに含まれてもよく、スタイラスが圧力信号230を送信する期間の間は無効にされてもよい。加えて、スタイラス先端に起因する容量効果を識別するためには、スタイラスの近傍の感知ライン(sensing lines)を走査してサンプリングすれば良いだけであるので、サンプリングウィンドウ240は、比較的短くてよい。先端の位置は、サンプリング期間250にわたって検出される出力に基づいてよい。
【0028】
次に図4を参照する。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、スタイラス先端からの容量効果を検出するためにスタイラスの位置の周囲で選択されたデジタイザセンサ上のエリアの簡略化された図を示す。いくつかの実施形態によると、スタイラスのソフトタッチは、スタイラスの最後に検出された位置350の周囲の所定の数の接合点59からの出力に基づいて検出される。所定の数の接合点59を包含するエリア320を定義することができる。任意選択で、スタイラスの移動方向(ストローク310)が追跡され、容量効果を検出するためにスタイラスの最後に検出された位置の周囲のエリア320が、移動方向に向かって歪むように定義される。いくつかの例示的な実施形態では、スタイラスの最後に検出された位置の周囲の少なくとも9つの接合点からの出力を調べて、デジタイザセンサ50上のスタイラス先端の容量効果の存在を探す。いくつかの例示的な実施形態によれば、エリア320のヒートマップがデジタイザシステムによって分析されて、容量効果を検出する。典型的には、容量効果は負のピークであり、指のタッチが検出されるのと同じ又は同様の方法で検出される。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態によれば、容量効果は、エリア320のヒートマップに基づき、かつ接合点からの出力を該接合点からの導電性先端の距離及び任意選択で先端の方位に関連させる所定の応答関数に基づき識別されて決定される。応答関数は典型的に、測定された値に基づいて決定される。典型的に、最尤基準(maximum likelihood criteria)を適用して、先端がエリア320の特定の位置に位置する確率を決定する。先端がエリア320内の特定の位置に位置する確率が所定の閾値を上回るときに、容量効果の検出が決定される。
【0030】
次に図5を参照する。図5は、本開示のいくつかの実施形態によるスタイラス入力に基づくインキングを示す簡略図を示す。いくつかの実施形態によれば、本明細書で説明されるソフトタッチ検出は、インキングの感度を改善することができる。いくつかの例示的な実施形態では、スタイラスがホバーモードを報告しているときであっても、筆記先端に殆ど又は全く圧力を加えていないときに行われる初期ストローク420にインクを付けることができる。デジタイザシステムは、相互容量性検出に基づいてタッチを検出し、インキングのためのタッチモードを報告することができる。同様に、典型的にやはり筆記先端に殆ど又は全く圧力を加えずに行われるリフトオフに関連付けられるストローク420も、インク付けをすることができる。任意選択で、高い圧力で行われるストローク410は、それがタッチモードにあるというスタイラス報告に基づく。スタイラス報告は、デジタイザシステムによってピックアップされてもよく、あるいはBluetooth(登録商標)、NFC等によりホストに直接報告されてもよい。
【0031】
次に図6を参照する。図6は、本開示のいくつかの実施形態による、デジタイザ感知面上の感圧スタイラスのタッチを識別する例示的な方法の簡略化されたフローチャートを示す。スタイラス対応デジタイザシステムの動作中、デジタイザシステムは、そのデジタイザセンサからの出力を周期的にサンプリングして、スタイラスが発した信号を検出する(ブロック510)。検出されたスタイラス信号に基づいて、スタイラスの座標を決定することができる(ブロック520)。典型的に、スタイラスは、デジタイザシステムと対話している間の先端状態も報告する。先端状態報告は、スタイラス先端が押されているという指示であってよい。任意選択で、先端状態報告は、スタイラス先端上に加えられた圧力レベルを示してもよい。典型的に、デジタイザシステムは報告を受け取り、スタイラスの先端状態をモニタする。スタイラスがタッチモードを報告している場合(ブロック530)、タッチモードは典型的にホストに報告される(ブロック555)。典型的には、タッチモードは、デジタイザシステムに関連付けられるディスプレイ上にインクを表示する指示である(ブロック565)。任意選択で、スタイラスが圧力レベル情報を送信している場合、情報は復号され(ブロック545)、また、任意選択でホストに報告される。いくつかの用途では、圧力レベルを使用して、インキング中に線幅を定義することができ、あるいはホスト上で動作するアプリケーションへの入力として使用することができる。
【0032】
スタイラスがホバーモードを報告しているとき又はスタイラスが圧力を報告していない間(これは、ホバーモードであることの指示である)の期間中に、デジタイザシステムは相互容量性検出を適用して、スタイラス先端の存在に起因する容量効果を、スタイラスの位置で識別することができるかどうかを確認する(ブロック540)。容量効果が識別された場合、スタイラスはタッチモード(ソフトタッチ)であると判断され、タッチモードがホストに報告される(ブロック555)。報告に基づいて、インキングをスタイラス位置に表示することができる(ブロック565)。容量効果がスタイラスの位置で識別されない場合、ホバーモードが確認され(ブロック560)、スタイラス・ストロークはインク付けされない。このプロセスは、スタイラスがデジタイザシステムと対話している限り、デジタイザシステムのリフレッシュサイクルごとに繰り返されてよい。
【0033】
次に図7を参照する。図7は、本開示のいくつかの実施形態による、圧力感知式ではないスタイラスを用いてデジタイザ感知面上のスタイラスのタッチを識別する例示的な方法の簡略化されたフローチャートを示す。本明細書で説明される方法は、圧力感知式ではないアクティブ信号発信スタイラスによるタッチを検出することにも適用されてよい。任意選択で、スタイラスに埋め込まれた圧力センサに基づく報告の代わりに、相互容量性検出方法を使用してもよい。
【0034】
スタイラス対応デジタイザシステムの動作中、デジタイザシステムは、そのデジタイザセンサからの出力を周期的にサンプリングして、スタイラスによって発信された信号を検出する(ブロック510)。検出されたスタイラス信号に基づいて、スタイラスの座標を決定することができる(ブロック520)。デジタイザシステムは相互容量性検出を適用して、スタイラス先端の存在に起因する容量効果を、スタイラスの位置で識別することができるかどうかを確認する(ブロック540)。容量効果が識別された場合、スタイラスはタッチモード(ソフトタッチ)であると判断され、タッチモードがホストに報告される(ブロック555)。報告に基づいて、インキングをスタイラス位置に表示することができる(ブロック565)。容量効果がスタイラスの位置で識別されない場合、ホバーモードが報告され(ブロック560)、スタイラス・ストロークはインク付けされない。このプロセスは、スタイラスがデジタイザシステムと対話している限り、デジタイザシステムのリフレッシュサイクルごとに繰り返されてよい。
【0035】
いくつかの例示の実施形態の態様によると、デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信された信号を検出するステップと;発信された信号を検出することに基づいてスタイラスの座標を決定するステップと;スタイラスがホバー動作モードを識別していると判断するステップと;相互容量性検出に基づいてデジタイザセンサ上のスタイラスの先端の容量効果を検出するステップであって、検出は、決定された座標の周囲の定義されたエリア内で実行される、ステップと;容量効果に基づいてスタイラスのタッチ動作モードを報告するステップと;を備える方法が提供される。
【0036】
任意選択で、本方法は、ホバー動作モードを識別することが、スタイラス内に埋め込まれたセンサからの出力に基づいて識別されることを含む。
【0037】
任意選択で、スタイラスのタッチ動作モードは、スタイラスが、その先端において15gm未満の力を感知することに基づく。
【0038】
任意選択で、本方法は、検出された容量効果に基づいて、スタイラスの先端における0〜15gmの力によりタッチ動作モードを検出するステップを含む。
【0039】
任意選択で、本方法は、スタイラスによって発信される第2信号を検出するステップであって、第2信号は圧力情報を含むステップと;圧力情報に基づいてスタイラスのタッチ動作モードを識別するステップと;タッチ動作モードを識別することに基づいて、決定された座標におけるスタイラスのタッチ動作モードを報告するステップとを含む。
【0040】
任意選択で、本方法は、圧力情報がタッチ動作モードを示すことに基づいて、先端の相互容量性検出を無効にするステップを含む。
【0041】
任意選択で、第2信号は、デジタイザセンサ又はホストコンピューティングデバイスに関連付けられる無線通信モジュールによって検出される。
【0042】
任意選択で、ホストコンピューティングデバイス上で動作するアプリケーションは、先端の相互容量性検出に基づいてタッチ動作モードを識別にすることを選択的に可能にする。
【0043】
任意選択で、本方法は、少なくとも定義されたエリア内でヒートマップを検出するステップであって、ヒートマップは、少なくとも定義されたエリア内に含まれる各接合点で出力をマップするステップと;最尤コスト基準(maximum likelihood cost criteria)を適用して、定義されたエリア内で容量効果を検出することができる確率を決定するステップであって、最尤コスト基準は、デジタイザセンサの接合点からの出力を該接合点からの先端の位置に関連させる所定の応答関数に基づく、ステップと;確率が所定の閾値を超えることに基づいて容量効果を検出するステップとを含む。
【0044】
任意選択で、先端の容量効果を検出することは、定義されたエリア内でのみ行われる。
【0045】
任意選択で、本方法は、スタイラスのタッチ動作モードを報告することに基づいてインキングするステップを含む。
【0046】
いくつかの例示的な実施形態の態様によると、ディスプレイと;感知面に関連付けられるデジタイザセンサと;デジタイザセンサに関連付けられる回路であって、デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信された信号を検出し、該発信された信号を検出することに基づいて、スタイラスの座標を決定し、スタイラスがホバー動作モードを識別していると判断し、相互容量性検出に基づいてデジタイザセンサ上のスタイラスの先端の容量効果を検出することであって、該検出を、決定された座標の周囲の定義されたエリア内で実行し、容量効果に基づいてスタイラスのタッチ動作モードを報告するように構成される回路と;タッチ動作モードの報告に基づいて、ディスプレイ上にインクを表示するように構成されるコントローラと;を備えるデバイスが提供される。
【0047】
任意選択で、ホバー動作モードを識別することは、スタイラスに埋め込まれたセンサからの出力に基づいて識別される。
【0048】
任意選択で、回路は、検出された容量効果に基づいて、スタイラスの先端における0〜15gmの力によりタッチ動作モードを検出するように構成される。
【0049】
任意選択で、回路は、スタイラスによって発信される第2信号を検出し、ここで、第2信号は圧力情報を含み、圧力情報に基づいてスタイラスのタッチ動作モードを識別し、タッチ動作モードを識別したことに基づいて、決定された座標における前記スタイラスのタッチ動作モードを報告するように構成される。
【0050】
任意選択で、回路は、圧力情報がタッチ動作モードを示すことに基づいて、先端の相互容量性検出を無効にするように構成される。
【0051】
任意選択で、本デバイスは、無線通信モジュールを含み、第2信号は、無線通信モジュールによって検出される。
【0052】
任意選択で、回路は、少なくとも定義されたエリア内でヒートマップを検出することであって、ここで、ヒートマップは、少なくとも定義されたエリア内に含まれる各接合点で出力をマップし、最尤コスト基準を適用して、定義されたエリア内で容量効果を検出することができる確率を決定することであって、ここで、最尤コスト基準は、デジタイザセンサの接合点からの出力を該接合点からの先端の位置に関連させる所定の応答関数に基づき、確率が所定の閾値を超えることに基づいて容量効果を検出するように構成される。
【0053】
任意選択で、回路は、確率が所定の閾値未満であることに基づいて、決定された座標におけるスタイラスのホバー動作モードを報告するように構成される。
【0054】
いくつかの例示的な実施形態の態様によると、デジタイザセンサにより、スタイラスによって発信された信号を検出するステップと;発信された信号を検出することに基づいて、スタイラスの座標を決定するステップと;スタイラスがホバー動作モードを識別していると判断するステップと;相互容量性検出に基づいてデジタイザセンサ上のスタイラスの先端の容量効果を検出するステップであって、該検出は、決定された座標の周囲の定義されたエリア内で実行される、ステップと;容量効果に基づいてスタイラスのタッチ動作モードを報告するステップと;スタイラスによって発信される第2信号を検出するステップと;スタイラスがタッチ動作モードを識別していると判断するステップと;容量効果の検出を無効にするステップと;スタイラスのタッチ動作モードを報告するステップとを備える方法が提供される。
【0055】
明確性のために別個の実施形態の文脈で説明されている本明細書に記載された実施例の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。反対に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈で説明されている本明細書に記載された実施例の様々な特徴も、別個に又は任意の適切なサブコンビネーションで、あるいは本開示のいずれかの他の説明される実施形態に適切であるように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴であると見なされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7