特許第6832385号(P6832385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6832385サンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832385
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】サンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/04 20060101AFI20210215BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20210215BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20210215BHJP
【FI】
   G01N1/04 V
   G01N1/02 B
   G01N27/62 E
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-88220(P2019-88220)
(22)【出願日】2019年5月8日
(65)【公開番号】特開2019-197053(P2019-197053A)
(43)【公開日】2019年11月14日
【審査請求日】2019年5月8日
(31)【優先権主張番号】201810437372.9
(32)【優先日】2018年5月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514326214
【氏名又は名称】清▲華▼大学
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 清▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】李 元景
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 自然
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 以▲農▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 耀▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 秋峰
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼ 李李
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲偉▼平
(72)【発明者】
【氏名】曹 彪
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第206235468(CN,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0264186(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/063796(WO,A1)
【文献】 特開2017−215174(JP,A)
【文献】 特表2004−535563(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0345364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入された検出対象のチケット・証明書を収容するための収容装置と、
前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うためのワイプサンプリングベルトを備えるワイプサンプリング装置と、
前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集するための吸気サンプリング装置と、
前記サンプルを検出し、検出結果を出力するための検出装置と、を含み、
前記吸気サンプリング装置は、
前記ワイプサンプリング装置の下に位置し、前記サンプルを吸気サンプリング装置に吸引するためのサンプリング吸気口と、
気流を形成するための気流排出口と、
前記サンプルを収集するためのサンプリングヘッダとを含む
ことを特徴とするサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項2】
前記収容装置は、
前記検出対象のチケット・証明書を載置するためのカードスロットと、
前記検出対象のチケット・証明書と前記ワイプサンプリングベルトとの接触圧力を増加させて、前記検出対象のチケット・証明書を前記ワイプサンプリングベルトと接触するためのスプリングプランジャーとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項3】
前記収容装置は、さらに、
内蔵チップで前記検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して情報の検証を行うための情報リーダーと、
前記検出対象のチケット・証明書の情報の検証が完了した後、前記検出対象のチケット・証明書をカードスロットからイジェクトするための弾性シートとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項4】
前記ワイプサンプリング装置は、さらに、
前記ワイプサンプリングベルトが伝動するように駆動するための電動ロールと、
前記ワイプサンプリングベルトを降温させるための半導体冷却フィンとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項5】
前記気流排出口は、中心回転気流排出口及び周辺回転気流排出口を含む
ことを特徴とする請求項に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項6】
前記中心回転気流排出口は、前記サンプリング吸気口を周回し、低速の気流を排出し、
前記周辺回転気流排出口は、前記中心回転気流排出口を周回し、高速の気流を排出する
ことを特徴とする請求項に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項7】
前記吸気サンプリング装置は、さらに、
Oリング及びホーン状のサンプリングヘッダカバーを含む
ことを特徴とする請求項に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項8】
前記吸気サンプリング装置は、サイクロン式のサンプリング装置を含む
ことを特徴とする請求項に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項9】
前記検出装置は、
カラム及びイオン遷移チューブのうちの少なくとも1つと、サンプル交換半透膜とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のサンプル検出用のゲートシステム。
【請求項10】
検出対象のチケット・証明書を受けることと、
ワイプサンプリング装置内のワイプサンプリングベルトを使用して、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うことと、
気流で前記ワイプサンプリングベルトからサンプルを吹き落とし、前記ワイプサンプリングベルトから落ちたサンプルを収集することと、
サンプリング吸気口で前記サンプルを吸気サンプリング装置に吸引し、気流排出口で気流を形成し、サンプリングヘッダで前記サンプルを収集することと、
前記サンプルを検出し、検出結果を出力することと、を含む
ことを特徴とするサンプル検出方法。
【請求項11】
検出対象のチケット・証明書を受けた後、ゲートシステムを利用して、収容装置内に置いた検出対象のチケット・証明書を読み出して検証することをさらに含み、
前記ゲートシステムは、
挿入された検出対象のチケット・証明書を収容するための収容装置と、
前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うためのワイプサンプリングベルトを備えるワイプサンプリング装置と、
前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集するための吸気サンプリング装置と、
前記サンプルを検出し、検出結果を出力するための検出装置とを含む
ことを特徴とする請求項10に記載のサンプル検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、検出分析技術分野に関し、具体的に、サンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テロ事件及び麻薬密輸を打撃するために、イオン遷移スペクトル、ガスクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーとイオン遷移スペクトルとの併用、ガスクロマトグラフィーと質量スペクトルとの併用等の技術を主に利用して、微量の麻薬や爆発物を検出する。例えば、空港、鉄道、道路、会場の出入り口等の多くの場所で、チケット、ICカード又は身分証等に対し、微量の麻薬、爆発物等の難揮発性、高沸点のサンプルを高速、有効に収集して分析する装置を提供する必要がある。
【0003】
従来、微量の麻薬、爆発物への検出は、試験紙で検査対象の服、荷物バッグを拭いて表面のサンプリングを行ってから、熱解析の機器で分析する。しかしながら、チケット、ICカード又は身分証等に対して、麻薬、爆発物等のサンプリング解析に適用される技術においては、報告例がない。ここで、Smithsはエアーポンプの吸気及び吸着ベルトの吸着を利用してサンプリングする方法を開示し、Hitachiはファンビームの気流を利用して証明書の表面を吹き、サイクロン式の吸気技術と結合しサンプリングする方法を報告する。この場合、チケット、ICカード、身分証等に対するサンプリングの検出を実現しているが、そのサンプリングの効率が低く、機器に対する検出感度の要求が高く、その実施が困難である。
【0004】
従来のサンプル捕集及びサンプル解析装置において、サンプル捕集部分には2つのボビンに巻回されるサンプリングベルトが装着されており、サンプリングベルトに吸着性の材料が塗布されている。サンプリングを行う時に、ポンプを起動して吸気し、サンプルがサンプリングベルトに吸引されて吸着される。サンプリングが完了した後、サンプルが吸着される部分を熱脱着領域に伝送し、瞬間熱脱着を行ってからGC−IMSに伝送して検出分析を行う。当該技術は、自動、連続のサンプリングを実現し、カード、証明書のサンプリング及び検出に適用される。しかしながら、その本質は、吸気式のサンプリングに属し、当該サンプリング方法は、高沸点、高粘着力を有する麻薬や爆発物サンプルに対する収集効率が低い。
【0005】
従来のゲートセキュリティ機器において、ファンビームの気流を利用してカード、証明書の表面を吹き、サイクロン式の吸気サンプリング装置を利用して、カード、証明書から落ちたサンプルを収集してから、検出装置に送って検出を行う。このように、強いファンビームの気流を利用してカード、証明書の表面を吹き、サイクロン式のサンプリングと結合する方法は、直接の吸気のサンプリング方式と比べ、サンプリング効果が明らかに改良されるが、ファンビームの気流を利用してカードからサンプルを吹き、サイクロン式のサンプリング機器を利用して捕集する同時に、一部の吹き落としたサンプルがサイクロン式のサンプリング装置により捕集されなく、且つ、麻薬、爆発物等の高沸点の微粒子がカードや証明書に吸着された後、気流によってそれらを吹き落すことは困難であり、そして、このサンプリング技術が麻薬、爆発物に対するサンプリング効果をさらに向上させることは難しい。
【0006】
そして、新しいサンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法を提供する必要がある。
【0007】
上述した背景技術の説明における開示された上記情報は、本発明の背景に対する理解を深めるためのものに過ぎなく、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含んでいてもよい。
【発明の概要】
【0008】
この点に鑑み、本願は、応用範囲が広く、難揮発性物を高速にサンプリングして検出することができる検出サンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法を提供する。
【0009】
本願の他の態様及びメリットは、部分的に以下の記述に記載され、且つ、一部が以下の記述によって明瞭となり、又は、本発明の実践によって得られる。
【0010】
本願の1つの形態は、サンプル検出用のゲートシステムを提供し、当該ゲートシステムは、挿入された検出対象のチケット・証明書を収容するための収容装置と、前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うためのワイプサンプリングベルトを備えるワイプサンプリング装置と、前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集するための吸気サンプリング装置と、前記サンプルを検出し、検出結果を出力するための検出装置とを含む。
【0011】
本願の1つの例示的な実施例において、前記収容装置は、前記検出対象のチケット・証明書を載置するためのカードスロットを含む。
【0012】
本願の1つの例示的な実施例において、前記収容装置は、さらに、前記検出対象のチケット・証明書と前記ワイプサンプリングベルトとの接触圧力を増加させて、前記検出対象のチケット・証明書を前記ワイプサンプリングベルトと接触するためのスプリングプランジャーを含む。
【0013】
本願の1つの例示的な実施例において、前記収容装置は、さらに、内蔵チップで前記検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して、情報の検証を行うための情報リーダーと、前記検出対象のチケット・証明書の情報の検証が完了した後、前記検出対象のチケット・証明書を前記カードスロットからイジェクトするための弾性シートとを含む。
【0014】
本願の1つの例示的な実施例において、前記ワイプサンプリング装置は、さらに、前記ワイプサンプリングベルトが伝動するように駆動する電動ロールと、前記ワイプサンプリングベルトを降温するための半導体冷却フィンとを含む。
【0015】
本願の1つの例示的な実施例において、前記吸気サンプリング装置は、前記ワイプサンプリング装置の下に位置し、前記サンプルを吸気サンプリング装置に吸引するためのサンプリング吸気口と、気流を形成するための気流排出口と、前記サンプルを収集するためのサンプリングヘッダとを含む。
【0016】
本願の1つの例示的な実施例において、前記気流排出口は、中心回転気流排出口及び周辺回転気流排出口を含む。
【0017】
本願の1つの例示的な実施例において、前記中心回転気流排出口は、前記サンプリング吸気口を周回し、低速の気流を排出し、前記周辺回転気流排出口は、前記中心回転気流排出口を周回し、高速の気流を排出する。
【0018】
本願の1つの例示的な実施例において、前記吸気サンプリング装置は、さらに、Oリング及びホーン状のサンプリングヘッダカバーを含む。
【0019】
本願の1つの例示的な実施例において、前記吸気サンプリング装置は、サイクロン式のサンプリング装置である。
【0020】
本願の1つの例示的な実施例において、前記検出装置は、カラム及びイオン遷移チューブのうちの少なくとも1つと、サンプル交換半透膜とを含む。
【0021】
本願の1つの形態は、サンプル検出方法を提供し、当該方法は、検出対象のチケット・証明書を受けることと、ワイプサンプリング装置内のワイプサンプリングベルトを使用して、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うことと、気流で前記ワイプサンプリングベルトからサンプルを吹き落とし、前記ワイプサンプリングベルトから落ちたサンプルを収集することと、前記サンプルを検出し、検出結果を出力することとを含む。
【0022】
本願の1つの例示的な実施例において、検出対象のチケット・証明書を取得した後、ゲートシステムを使用して、収容装置内に置いた検出対象のチケット・証明書を読み出して検証することを含む。前記ゲートシステムは、挿入された検出対象のチケット・証明書を収容するための収容装置と、前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うためのワイプサンプリングベルトを備えるワイプサンプリング装置と、前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集するための吸気サンプリング装置と、前記サンプルを検出し、検出結果を出力するための検出装置とを含む。
【0023】
本願のサンプル検出用のゲートシステム及びサンプル検証方法は、その応用範囲が広く、難揮発性物を高速にサンプリングして検出することができる。
【0024】
なお、以上及び以下の記載は、例示的なものであり、本願を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面を参照してその実施例を説明して、本願の上記の目的、特徴、及び利点が明らかになる。以下に記載された図面は、本願のいくつかの実施例であり、当業者は、創造な労働を貢献しない場合、これらの図面から他の図面を得ることができる。
図1】1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムを示す模式図である。
図2】1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムの収容装置を示す模式図である。
図3】1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムのワイプサンプリング装置を示す模式図である。
図4】1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムのサンプリング装置を示す模式図である。
図5】他の1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムを示す模式図である。
図6】1つの例示的な実施例におけるサンプル検証方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照しながら、例示的な実施形態をより全面的に説明する。ただし、例示的な実施形態は複数種類の形態で実施することができ、ここに記述する実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態の提供によれば、本開示を全面で完全に、且つ、例示的な実施形態の思想を全面的に当業者に伝達する。図面における同じ図面符号は、同じ又は類似する要素を示すので、それらの詳細な記述が省略される。
【0027】
なお、記載されている特徴、構成、または特性は、いかなる適当な方式で1つ以上の実施の形態に組み入れることができる。以下の記載において、多くの細部を提供して本開示の実施の形態をよく理解する。なお、当業者は、本開示の技術案を実践して1つ以上の特定の細部を省略し、又は他の方法、部品、装置、ステップ等を利用することができることを認識すべきである。その他の場合、本開示の各形態に影響を与えて不明にならないように、既知の技術案を詳しく示さなく、説明しない。
【0028】
図面に記載されるいくつかのブロック図は、機能的エンティティであり、物理的又は論理的に分離したエンティティに必ずしも対応する必要がない。ソフトウェア形態によりこれらの機能的エンティティを実現し、又は1つ以上のハードウェアモジュールや集積回路においてこれらの機能的エンティティを実現し、又は異なるネットワーク及び/又はプロセッサー装置及び/又はマイクロコントローラ装置においてこれらの機能的エンティティを実現することができる。
【0029】
図面に記載されるフォローチャートは、例示的なものであり、すべての内容、操作/ステップを含む必要がなく、記載される順番によって実行する必要がない。例えば、ある操作/ステップは分解しても良く、ある操作/ステップが合弁又は部分に合弁しても良く、この場合、実行の順番が実際によって変更しても良い。
【0030】
なお、本明細書において、第1、第2、第3の単語を使用して各部品を記載しているが、これらの部品は、これらの単語により限定しない。これらの単語は、部品を区別するためのものである。そして、以下の第1部品を第2部品と言っても、本願の概念から外れない。本明細書において、「及び/又は」は、関連する項目のうちの1つ及び複数の組み合わせを含む。
【0031】
なお、当業者は、図面が実施例の模式図であり、図面内のモジュール又はプロセスが本願の実施に必要なものでなく、本願の範囲を限定しないと理解される。
本願の装置の実施例は、本願の方法を実行するための実施例である。本願の装置の実施例に記載されない内容は、本願の方法の実施例を参照する。
【0032】
図1は1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムを示す模式図である。図1に示すように、サンプル検出用のゲートシステム10は、収容装置102、ワイプサンプリング装置104、吸気サンプリング装置106、検出装置108を含む。ここで、1が検出対象のチケット・証明書であり、13が前記サンプル検出用のゲートシステム10のケースである。
【0033】
ここで、収容装置102は、挿入された検出対象のチケット・証明書を収容し、さらに、前記収容装置内の置いた検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して検証する。本願において、検出対象のチケット・証明書は、例えば、乗車券、ICカード及び身分証等の証明書などを含む。
【0034】
ワイプサンプリング装置104は、ワイプサンプリングベルト1042を含み、前記ワイプサンプリングベルト1042は、前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、さらに、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行う。
【0035】
吸気サンプリング装置106は、前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集する。
【0036】
検出装置108は、前記サンプルを検出し、検出結果を出力する。
図2は1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムの収容装置を示す模式図である。図2に示すように、収容装置102は、カードスロット1022、情報リーダー1024、スプリングプランジャー1026、弾性シート1028を含む。
【0037】
ここで、カードスロット1022は、前記検出対象のチケット・証明書を載置する。
【0038】
情報リーダー1024は、内蔵チップで前記検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して情報の検証を行う。情報リーダーは、例えば、情報読取チップを含み、情報読取チップは、乗車券、ICカード及び身分証等の証明書の内容を読み出して、情報の検証を行う。
【0039】
スプリングプランジャー1026は、前記検出対象のチケット・証明書と前記ワイプサンプリングベルトとの接触圧力を増加させて、前記検出対象のチケット・証明書を前記ワイプサンプリングベルトと接触する。
【0040】
弾性シート1028は、前記検出対象のチケット・証明書の情報の検証が完了した後、前記検出対象のチケット・証明書を前記カードスロットからイジェクトする。
【0041】
図3は1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムのワイプサンプリング装置を示す模式図である。図3に示すように、ワイプサンプリング装置104は、ワイプサンプリングベルト1042、電動ロール1044、半導体冷却フィン1046を含む。
【0042】
ここ、電動ロール1044は、前記ワイプサンプリングベルトが伝動するように駆動する。
【0043】
半導体冷却フィン1046は、前記ワイプサンプリングベルトを降温する。
【0044】
図4は、1つの例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムのサンプリング装置を示す模式図である。図4に示すように、吸気サンプリング装置106は、サンプリング吸気口1062、中心回転気流排出口1064与周辺回転気流排出口1066、サンプリングヘッダ1068、Oリング1067、ホーン状のサンプリングヘッダカバー1069を含む。
【0045】
ここで、サンプリング吸気口1062は、前記ワイプサンプリング装置104の下に位置し、前記サンプルをサンプリング装置に吸入する。
【0046】
気流排出口は、気流を形成し、前記気流排出口は、中心回転気流排出口1064及び周辺回転気流排出口1066を含む。
【0047】
サンプリングヘッダ1068は、前記サンプルを収集し、前記吸気サンプリング装置1068は、サイクロン式のサンプリング装置を含む。吸気サンプリング装置1068は、例えば、さらに、熱脱着室/チャンバ、従来の吸気サンプリングポンプの吸気サンプリング方式及び他の方式のサンプリング装置を含み、本願はこれに限定しない。
【0048】
前記吸気サンプリング装置106は、さらに、Oリング1067及びホーン状のサンプリングヘッダカバー1069を含む。
【0049】
本願の1つの例示的な実施例において、前記検出装置108は、サンプル交換半透膜、カラム、及びイオン遷移チューブを含む。サンプリング検出装置は、例えば、従来の技術において任意のタイプや種類の検出装置を使用して、サンプルに対するサンプリングを実現すればよく、本願はこれに限定しない。
【0050】
ここで、半透膜(semipermeable membrane)は、ある分子又はイオンを拡散進出し、異なる粒子に対する選択性を有する薄膜である。例えば、細胞膜、膀胱膜、羊皮紙及び人工のコロジオン薄膜等である。現代の半透膜は、多孔壁を利用して適切な化合物がその孔の空隙に沈殿して作成する。本願において、サンプル交換半透膜は、以上の1つ又は複数の組み合わせであっても良く、本願はこれに限定しない。
【0051】
ここで、カラムは、充填カラム及びオープンカラムの2つの種類に分ける。多数は金属又はガラスからなる。直管形、巻管形、U字管等の形状を挙げる。液体クロマトグラフィーは、通常、充填カラムを採用する。カラムは、用途によって解析型及び調製型の2つのタイプに分け、そのサイズ規格も異なる。(1)通常解析カラム(定数カラム)として、内径2〜5mm、カラム長さ10〜30cmであり、(2)狭い径カラム(narrow bore)として、内径1〜2mm、カラム長さ10〜20cmであり、(3)マイクロカラム(microcolumn)として、内径0.2〜0.5mmであり、(4)半調製カラムとして、内径>5mmであり、(5)実験室調製カラムとして、内径20〜40mm、カラム長さ10〜30cmであり、(6)生産調製カラムの内径が数十cmである。カラム内径は、通常、カラム長さ、フィラー粒径及び流速によって確定され、管壁効果を回避するからである。本願において、カラムは上記の1つ又は複数の組み合わせであっても良く、本願はこれに限定しない。
【0052】
ここで、イオン遷移チューブは、イオン遷移スペクトルを計算するための重要な部品であり、イオン遷移チューブにおいて、イオンが電界による力により飛行し、遷移ガスと衝突し、空間大きさの相異するイオンを分離させ、検出器に前後に到達する。本願において、イオン遷移チューブは従来の技術において任意のタイプや種類の組み合わせであっても良く、本願はこれに限定しない。
【0053】
以上のように、麻薬、爆発物等の沸点が高く、揮発しにくくなり、吸気の方式で麻薬、爆発物等をサンプリングする場合、麻薬又は爆発物等を粘着する検出対象のチケット・証明書を一定の温度に(8℃より高い)に加熱し、麻薬又は爆発物を揮発させて良いサンプリング結果を得る。しかしながら、例えば、ICカード、身分証にはチップが内蔵されており、また、その全体がプラスチックからなるため、高温の場合、カードを変形させ、さらに、チップを破壊してしまう。麻薬、爆発物に対して、ワイプサンプリングを利用して良い効果を有する。本願において、ワイプサンプリングベルト1042を使用し、検出対象のチケット・証明書等を拭いてサンプルを吸着してから、吸気サンプリング装置106内の高温回転気流を利用してワイプサンプリングベルト1042を打ってサンプルを気化させ、次に、サンプルが吸気サンプリング装置106内のサイクロン式のサンプリング口を介して検出装置108内のサンプル交換半透膜を経過し、カラム及びイオン遷移チューブで解析検出する。
【0054】
図5は他の例示的な実施例におけるサンプル検出用のゲートシステムを示す模式図である。図5に示すように、サンプル検出用のゲートシステム10の動作は以下の通りである。
【0055】
ゲートを通過する人は、チケット/ICカード/身分証1を検出対象のチケット・証明書のカードスロット1022のカード口に挿入し、カード口の片側にスプリングプランジャー1026が設けられ、スプリングプランジャー1026は、チケット/ICカード/身分証1をワイプサンプリングベルト1042と確実に接触する。ワイプサンプリングベルト1042は、電動ロール1044の駆動により伝動するとともに、チケット/ICカード/身分証1を同期に運動させ、検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して検証し、チケット/ICカード/身分証1が検出対象のチケット・証明書のカードスロット1022の末端に位置する弾性シート1028と接触した後、弾性シート1028は、チケット/ICカード/身分証1をカードスロットからイジェクトし、乗客又は関係者は、チケット/ICカード/身分証1を取り出す。この時、乗客又は関係者のチケット/ICカード/身分証1に対するワイプサンプリング過程が終了する。
【0056】
証明書のサンプルが吸着するワイプサンプリングベルト1042は、モーターの駆動により継続して伝動し、サイクロン式のサンプリング器の上方を経過する。ここで、サイクロン式のサンプリングヘッダ1068の外表面に加熱フィルムが設けられ、加熱フィルムに保温綿が外装され、清浄された空気又は窒素ガスがサイクロン式のサンプリング器の下の4つの吸気口から内チャンバ、外チャンバを介して加熱され、中心回転気流排出口1064及び周辺回転気流排出口1066から回転されて排出される。ここで、周辺回転気流排出口1066から排出したものは、大流量、高速の回転気流で、サイクロンの部分負圧を主に形成するためのものであり、中心回転気流排出口1064から排出したものは、低速の高温気流で、ワイプサンプリングベルト1042を加熱し、サンプルの吸着を主に解除するためのものである。ここで、サイクロンの負圧効果を補強するために、サイクロン式のサンプリング器の上部にホーン状のサンプリングヘッダカバー1069が設けられ、ホーン状のサンプリングヘッダカバー1069は、サイクロンを集中させ、サイクロンの負圧効果を補強することができる。ホーン状のサンプリングヘッダカバー1069とサイクロン式のサンプリング器との間は、Oリング1067を使用して固定する。析出されたサンプルは、サイクロン式のサンプリング器の負圧でサンプリング吸気口1062の下のサンプリング吸気ポンプにより、検出装置108の半透膜、カラム及びイオン遷移チューブを介して解析されて検出される。
【0057】
本願のサンプル検出用のゲートシステムは、その応用範囲が広く、難揮発性物を高速にサンプリングして検出することができる。空港/道路/鉄道ゲート、大会議の入場等の人の通行現場での高速検査に適用され、従来のサンプリング方式による麻薬、爆発物等の難揮発性物に対するサンプリング困難及び検出精度の低下等の課題を解決し、微量の物質についての通関検査に新しいモードを創出する。
【0058】
当業者は、上記の各モジュールが上記の実施例によって装置に位置しても良いし、対応に変更して本実施例に相異する1つ以上の装置に位置しても良いと理解する。上記の実施例のモジュールは、1つのモジュールに結合しても良く、複数のモジュールに分けても良い。
【0059】
図6は1つの例示的な実施例におけるサンプル検証方法を示すフローチャートである。
【0060】
図6に示すように、S602において、前記収容装置内に置いた検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して検証する。ゲートシステムを利用して、収容装置内に置いた検出対象のチケット・証明書を読み出して検証し、前記ゲートシステムは、前記収容装置内に置いた検出対象のチケット・証明書の情報を読み出して検証するための収容装置と、前記検出対象のチケット・証明書を前記収容装置内で移動させ、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行うためのワイプサンプリングベルトを備えるワイプサンプリング装置と、前記ワイプサンプリング装置から落ちたサンプルを収集するためのサンプリング装置と、前記サンプルを検出し、検出結果を出力するための検出装置とを含む。
【0061】
S604において、ワイプサンプリング装置内のワイプサンプリングベルトを使用して、前記検出対象のチケット・証明書に対しワイプサンプリングを行う。
【0062】
S606において、気流で前記ワイプサンプリングベルトからサンプルを吹き落とし、前記ワイプサンプリングベルトから落ちたサンプルを収集する。
【0063】
S608において、前記サンプルを検出し、検出結果を出力する。
【0064】
本願のサンプル検出の方法は、サンプル、特に、難揮発性、高沸点のサンプルに対するサンプリング効果の良いサンプリング方式及び気体に対するサンプリング収集効果の高いサイクロン式のサンプリングモードを採用する。この2つの方式を結合して使用することで、ICカード、身分証等を直接に加熱して破壊することを回避し、一方、従来の熱脱着及び吸気サンプリング方式と比べ、サイクロン式のサンプリング器を採用して、設計を簡単化させ、また、従来の吸気方式と比べ、析出されたサンプルに対する収集効果が優れる。
【0065】
なお、本願は、特定例を形成し使用することを記載されるが、本願の原理は、例示的なものに限定しない。逆に、本願の開示する内容に基づいて、これらの原理は、多くの他の実施例に応用される。
【0066】
当業者は、上記の実施例を実現するためのすべての又は一部のステップをCPU実行可能なコンピュータプログラムとして実現すると理解する。当該コンピュータプログラムがCPUにより実行される場合、本願の上記の方法の機能を実現する。前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、当該記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であっても良い。
【0067】
なお、上記の図面は、本願の実施例における方法の処理の模式的な記載であり、限定するものではない。理解を容易にするために、上記の図面に示す処理は、処理の順番を示し又は限定しない。また、理解を容易にするために、これらの処理は、例えば、複数のモジュールに同期又は非同期に実行する。
【0068】
上記の実施例によって、当業者は、ここの実施例はソフトウェアで実現しても良いし、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現しても良いと理解する。そして、本願の実施例に係る技術案は、ソフトウェア方式で体現し、当該ソフトウェア製品が不揮発性記憶媒体(CD−ROM、Uディスク、モバイルハードディスク等)又はネットワークに記憶され、いくつかの命令を含み、これによって、コンピューターデバイス(パソコン、サーバー、移動端末、ネットワークデバイス等)は本願の実施例の方法を実行する。
【0069】
以上、本願の実施例を説明する。なお、本願は、以上の構成、方式、実現方法に限定しなく、逆に、本願は、請求項の精神及び範囲内の各種の変更、相当する構成を含む。
【0070】
なお、本明細書の図面に示す構成、比例、大きさ等は、明細書の内容を説明するためのものであり、当業者の読みや理解に用いられ、本願の範囲を限定するものではなく、技術において実質的な意味を有しなく、構成の変更、比例関係の変更又は大きさの調整は、本願の技術効果を影響しない場合、本願の範囲に含まれる。また、本明細書に引用する「上」、「第1」、「第2」及び「一」等の用語は、説明するためのものであり、本願の範囲を限定するものではなく、その相対関係の変更や調整は、技術を実質的に変更しない場合、本願の実施可能な範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6