特許第6832404号(P6832404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6832404遠隔操作車両を備える先導レール車両及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832404
(24)【登録日】2021年2月3日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】遠隔操作車両を備える先導レール車両及び方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 37/00 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
   E01B37/00 Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-167485(P2019-167485)
(22)【出願日】2019年9月13日
(62)【分割の表示】特願2016-575091(P2016-575091)の分割
【原出願日】2015年6月26日
(65)【公開番号】特開2020-2774(P2020-2774A)
(43)【公開日】2020年1月9日
【審査請求日】2019年10月10日
(31)【優先権主張番号】62/018,709
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515256279
【氏名又は名称】ハースコ テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マスタード,ジョン
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0004795(US,A1)
【文献】 特開平06−049802(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0096739(US,A1)
【文献】 特開2000−230209(JP,A)
【文献】 特開2005−213779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道保守作業を行うシステムであって、
軌道保守作業のために事前に印を付けられたレールの区画を特定するように構成される先導車両であって、
作業されるべき第1の事前に印を付けられた軌道区画に対応する第1の軌道区画を特定する入力を受信し、
該入力に応答して、前記第1の軌道区画に対応する座標を受信し、
該座標を送信する
ように構成される、
制御システムを含む、
先導車両と、
前記制御システムから前記座標を受信するように構成される少なくとも1つの遠隔操作車両であって、
前記座標の受信に基づいて前記第1の軌道区画上で軌道保守作業を行うように構成される少なくとも1つのワークヘッドを含む、
少なくとも1つの遠隔操作車両とを含む、
システム。
【請求項2】
前記先導車両は、
軌道区画探知機と、
該軌道区画探知機と前記先導車両の操作者位置との間に配置される識別子とを更に含み、
該識別子は、1つ又はそれよりも多くの軌道区画を表すデータセットを得るように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記識別子は、カメラ又はセンサを含み、
前記制御システムによって受信される前記座標は、前記第1の軌道区画に割り当てられ、
前記制御システムは、前記第1の軌道区画に対応する前記受信される座標を保存するように更に構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、前記制御システムから前記座標を受信するように構成される受信器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、複数の遠隔操作車両を含み、各遠隔操作車両は、前記制御システムから前記座標を受信して、作業されるべき軌道区画を特定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記先導車両は、前記先導車両の速さ又は前記先導車両が走行する距離を決定するように構成されるエンコーダホイールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、前記少なくとも1つの遠隔操作車両の速さ又は前記少なくとも1つの遠隔操作車両が走行する距離を決定するように構成されるエンコーダホイールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
軌道保守作業を行うシステムであって、
軌道保守作業のために事前に印を付けられたレールの区画を特定するように構成される、先導車両であって、
作業されるべき第1の事前に印を付けられた軌道区画に対応する第1の軌道区画を特定する入力を受信するように構成される制御システムであって、前記入力に応答して、前記第1の軌道区画に対応する座標を受信して、該座標を送信するように更に構成される、制御システムと、
軌道区画探知機と、
該軌道区画探知機と前記先導車両の操作者位置との間に配置される識別子とを含む、
先導車両と、
前記制御システムから前記座標を受信するように構成される、少なくとも1つの遠隔操作車両であって、前記第1の軌道区画上で軌道保守作業を行うように構成される少なくとも1つのワークヘッドを有する、少なくとも1つの遠隔操作車両とを含む、
システム。
【請求項9】
前記識別子は、前記先導車両の前方方向において前記先導車両の操作者の視野と実質的に整列させられ、カメラ又はセンサを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御システムによって受信される前記座標は、前記第1の軌道区画に割り当てられ、
前記制御システムは、前記第1の軌道区画に対応する前記受信される座標を保存するように更に構成され、
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、前記制御システムから前記座標を受信するように構成される受信器を含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、複数の遠隔操作車両を含み、各遠隔操作車両は、前記制御システムから前記座標を受信して、作業されるべき軌道区画を特定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記先導車両は、前記先導車両の速さ又は前記先導車両が走行する距離を決定するように構成されるエンコーダホイールを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの遠隔操作車両は、前記少なくとも1つの遠隔操作車両の速さ又は前記少なくとも1つの遠隔操作車両が走行する距離を決定するように構成されるエンコーダホイールを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
軌道保守作業を行う方法であって、
軌道に沿って先導車両を前進させるステップであって、前記先導車両は、作業されるべき軌道の事前に印を付けられる区画を特定する識別子を有する、ステップと、
ユーザインターフェースによって、前記作業されるべき第1の軌道区画を特定する入力を受信するステップと、
該入力を受信するステップに応答して、
前記第1の軌道区画の座標を格納するステップと、
前記先導車両に続く1つ又はそれよりも多くの遠隔操作車両に前記座標を無線式に送信するステップとを含む、
方法。
【請求項15】
前記入力を受信するステップの前に、前記識別子によって、前記事前に印を付けられた区画に対応するインジケータの存在を検出するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入力を受信するステップの前に、前記先導車両の軌道区画探知機によって、前記第1の軌道区画に連結される枕木を検出するステップを更に含み、
前記識別子は、前記先導車両の操作者位置と前記軌道区画探知機との間に配置される、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
鉄道は、典型的には、複数の横断方向に延びる枕木(ties)に連結される一対の細長い実質的に平行なレールを含むように構成される。枕木は、砂利のような硬質粒子材料のバラスト床の上に配置される。時間の経過と共に、鉄道に対する通常の摩損及び裂目は、鉄道が修復され或いは交換され得るよう、保守を必要とする。枕木、従って、レールがシフトせず、正しく位置付けられることを保証するために、例えば、バラストは、突き固められ或いは圧縮されることが必要な場合がある。他の保守作業は、アンカが締められるか或いは枕木が交換され或いは修復されることを必要とする場合がある。
【0002】
軌道保守作業は、現在のところ、そのような作業を行うのに操作者制御車両を必要とする。例えば、枕木保守作業において、操作者は、例えば、枕木上の塗料マーキングを介して、作業対象の枕木を視覚的に特定する。よって、人間の操作者は、作業される必要がある枕木の無作為パターンを認識することを必要とする。作業されるべき枕木が特定されると、操作者は、枕木修復作業と関連するワークヘッド(workheads)を作動させる。そのようなワークヘッドは、大釘プーラー(spike pullers)及びアンカ圧搾機(anchor squeezers)を含む、レール修復作業における使用のための様々なワークヘッドを含むことがある。他の軌道保守作業は、操作者が作業対象の軌道の区画を特定することを同様に必要とする。
【0003】
軌道保守作業における使用のための操作者制御車両は、各機械についての人間操作者の必要を考慮すると、高価である。更に、軌道保守作業における人間操作者の使用は、世話人の安全性リスクを伴う。何故ならば、操作者は作業中にレール車両を降ろすことが必要になることがあるからである。従って、軌道保守作業のために必要とされる人間の作業を減少さえるデバイス及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、鉄道の区画又は部品に対する修復及び/又は交換作業のような、軌道保守作業を行う軌道保守連動体(track maintenance gang)に関する。1つの実施態様において、軌道保守連動体は、人間操作者を伴う先導車両(lead vehicle)と、枕木、アンカ、及び/又は接合修復及び突固め作業のような軌道保守作業を行う1つ又はそれよりも多くの遠隔操作車両(drone vehicles)とを含む。作業されるべき軌道の部分は、例えば、塗料又は同等物を介して、事前に印が付けられ、操作者は、作業中に軌道のそのような部分を視覚的に特定する。作業されるべき軌道部分の特定後、操作者は、作業されるべき軌道部分に電子的に印を付け、制御システムを用いて、そのような軌道部分の座標を、先導車両と共に作業している1つ又はそれよりも多くの遠隔操作車両に伝える。次に、遠隔操作車両は、特定された軌道部分を探し出し、軌道保守作業を行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示に従った例示的なレール保守連動体を示している。
図2】本開示に従った例示的な遠隔操作車両を示している。
図3】本開示に従った例示的な遠隔操作車両を示している。
図4】本開示に従った例示的なプロセスのフローチャートを示している。
図5】本開示に従った例示的な制御システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示に従った遠隔操作車両保守連動体を備える先導レール車両及びレールの部分に作業するためにそのようなレール車両を用いる関連方法の様々な実施態様を記載する。しかしながら、以下の説明は本開示のデバイス及び方法を記載することにおいて例示的である過ぎないことが理解されるべきである。従って、幾つかの修正、変更、及び置換が想定される。
【0007】
図1を参照すると、レール保守連動体10(rail maintenance gang)は、先導車両12(lead vehicle)と、軌道保守作業(track maintenance operations)を行う1つ又はそれよりも多くの遠隔操作車両14(drone vehicles)とを含むように、描写されている。例示的な軌道保守作業は、バラスト突固め(ballast tamping)、スパイク引張り(spike pulling)、スパイク駆動(spike drive)、アンカ拡散(spike spreading)、アンカ圧搾(ancho squeezing)、軌道安定化(track stabilizing)、枠工ブーム(crib booms)、枕木抜取り(tie extracting)、又は他の保守作業のうちの、1つ又はそれよりも多くを含んでよい。先導車両12は、レールに沿って走行するために構成されるあらゆる種類の車両であってよい。例えば、先導車両12は、コストを削減するために単純化された設計を有してよい。これに関して、先導車両12は、水力学の必要がなく、小さくてよく、車両に運動を伝える伝動装置及びチェーン被駆動車軸を備えるディーゼルエンジンを単に含む。他の実施態様において、先導車両12は、それ自体が、軌道保守作業を行うワークヘッド(workheads)を有する軌道保守車両であってよい。3つの遠隔操作車両14を描写しているが、本開示に従って先導車両12と共に1つ又はそれよりも多くの遠隔操作車両を用いてよいことが理解されるべきである。
【0008】
先導車両12は、遠隔操作車両14によって作業される必要がある軌道の区画を特定するための人間操作者を含む。作業されるべき軌道の区画は、以前に特定されたものであることがあり、よって、操作者が遠隔操作車両12によって作業されるべき軌道の区画を特定するのを助けるマーキングを含む。例えば、図1では、特定の枕木16が(陰影付き枕木として例示する)マーキングによって特定されている。図1の実施態様では、操作者に作業されるべき枕木の視覚的な表示をもたらすよう、塗料が枕木16の一部に前もって適用されてよい。他の軌道保守作業では、アンカ及び他の軌道区画が遠隔操作車両12によって印を付けられてよい。
【0009】
先導車両12は、1つ又はそれよりも多くの軌道区画探知機18(track section locators)と、作業されるべき軌道区画をマッピングするエンコーダホイール20(encoder wheel)とを含む。軌道区画探知機18は、枕木又は他の軌道区画と関連付けられる金属枕木プレート又は金属区画を介して枕木16又は他の軌道区画を特定する金属検出器の形態であってよい。エンコーダホイール20は、先導車両12が走行する距離及び/又は車両の速さを決定するために用いられることがある情報を提供する。幾つかの実施態様において、エンコーダホイール20は、各回転(revolution)について既知の量又はパターンのパルスを備える信号を生成する。この情報は制御システムに伝送されてよく、特定の先導車両12が特定の場所から走行する距離又は速さを決定するために用いられてよい。
【0010】
先導レール車両12は、タッチスクリーンコンピュータのような、コンピュータ19を含み、操作者は、作業されるべき軌道区画を特定するために、コンピュータを用いてよい。1つの実施態様において、タッチスクリーンコンピュータ19は、ディスプレイを含み、更に議論するように、操作者が制御システムと相互作用するためのユーザーインターフェースをもたらす。
【0011】
先導車両12は、操作者と軌道区画探知機18との間に位置付けられ且つ(上の実施例において「FOV」として描写される)操作者の視野と実質的に整列させられる、カメラ又はセンサのような、識別子21(identifier)を更に含む。識別子21は、カメラシステム、レーザ測定システム、又は軌道区画を表すデータセットを取得し得るあらゆる他のシステムであってよい。データセットは、レールに連結されるエンコーダホイール20を参照することによって軌道の特定の位置に関して記録されてよい。識別子21がディスプレイ上の軌道区画識別子と整列するとき、操作者は制御システムを用いて軌道区画に電子的に印を付けてよい。よって、印が付けられた軌道区画、例えば、枕木16は、その座標を割り当てられ、それらは制御システムによって保存され、先導車両12に続く遠隔操作車両のうちの1つ又はそれよりも多くに無線式に伝送されてよい。
【0012】
遠隔操作車両14は、受信器で座標を受信し、受信器は、先導車両に含められる制御システムの部分を形成してよい。遠隔操作車両14は、受信した座標を用いて、先導車両によって特定されるような作業されるべき軌道区画を特定してよい。そのような特定を助けるために、遠隔操作車両14は、1つ又はそれよりも多くの軌道区画発見器(track section finders)、並びにエンコーダホイール20を備えてよい。上で議論したように、エンコーダホイール20は、エンコーダホイール20の回転を用いて走行した距離を特定するときに、位置決め情報を提供する。このようにして、遠隔操作車両14は、先導車両12によって通信されるときに、作業されるべき軌道区画を特定し得る。
【0013】
理解され得るように、多数の遠隔操作車両14が、先導車両12と共に動作し、それにより、軌道区画操作作業を実施する遠隔操作車両軌道保守連動体(drone track maintenance gang)を形成してよい。多数の遠隔操作車両14を備える1つの先導車両12を提供することによって、先導車両は、製造速度を制御し、タスクを割り当て、一組の遠隔操作車両を監視し且つ制御するために1人の操作者を効果的に利用する。従って、本開示の原理によれば、軌道保守作業は、効率的な方法において、低コストで実施されることがある。
【0014】
図2及び3は、本開示に従った軌道保守作業を実施する例示的な遠隔操作車両14を例示している。車両14は、車両本体32と、推進デバイス34と、ワークヘッドアセンブリ36と、探知機38と、関連付けられるエンコーダ40とを含む。車両本体32は、フレーム42と、車両フレームに連結される複数のレールホイール44とを含む。車両レールホイール44は、レールの上を走行するように更に構成される。車両推進デバイス34は、レールに沿って車両14を推進するように構成される。
【0015】
幾つかの実施態様において、車両エンコーダ40は、(図1に描写されるように)車両本体32に固定されてよく、(図2乃至3に描写されるように)レールのうちの1つの上を転動するように構成されるホイールとして提供され或いはそのようなホイールに連結されてよい。レールホイール44のうちの1つのレールホイールのハブ内のようなエンコーダ40のための他の場所が想定され、或いは、車両14の車軸に取り付けられるレールホイール44のうちの1つのレールホイールの上を転動するように位置付けられる。車両エンコーダ40は、遠隔操作車両14が動く距離及び/又は遠隔操作車両の速さを決定するために用いられてよい情報を提供する。車両エンコーダ40は、距離及び/又は速さを決定し得るよう、車両14の距離又は速さに対してある関係を有する信号を生成する。例えば、エンコーダ40は、既知の直径を有してよく、各回転について既知の量又はパターンのパルスを備える信号を生成してよい。よって、パルスを解析することによって、車両本体32が特定の場所から走行する距離及び/又は速さが決定されてよい。レールホイール44の直径は概ね固定されるので、車両本体が走行する距離又は速さのいずれかが既知であるならば、他のパラメータを決定し得る。
【0016】
軌道区画探知機38は、遠隔操作車両14の前方走行方向においてワークヘッド36の前方に位置付けられ、遠隔操作車両の前方端に位置付けられてよい。幾つかの実施態様において、軌道区画探知機38は、車両本体32の前に延びる延長部の上に設けられる。2つの軌道区画探知機38が遠隔操作車両14の上に位置付けられてよく、1つは各レールの上に位置付けられて、例えば、軌道区画探知機38が、軌道区画が斜めにされているか否かを検出するのを可能にする。軌道区画探知機38は、車両本体32から、より具体的には、車両ワークヘッド36から決定可能な距離を有する。幾つかの実施態様において、軌道区画探知機38は、軌道区画探知機38とワークヘッド36との間の既知の距離で固定的な位置を有してよい。他の実施態様において、軌道区画探知機38は、ワークヘッド36に対する相対的な位置を有してよい。例えば、軌道区画探知機38及び/又はワークヘッド36は、上昇し且つ下降するように構成されてよい。距離は、既知の幾何学的特性を備える停止部(stop)又は複数の停止部(stops)に対して軌道区画探知機38及び/又はワークヘッド36を位置付けることによって、決定されてよい。距離は、軌道区画探知機38及び/又はワークヘッド36の位置の、例えば、変換器からの、測定値に基づき決定される距離で、可変であってもよい。
【0017】
軌道区画探知機38は、枕木プレート若しくは他の軌道区画を検出し得る金属検出器又は枕木又は他の軌道区画を特定し得る光検出器若しくはレーダのような、軌道区画を探し出し得るあらゆるデバイスであってよい。金属検出器の場合、そのような検出器は、検出器が枕木プレート、従って枕木の中間の上にあるときにピークを記録することがある。何故ならば、枕木プレート16は、枕木12の前方側から枕木12の後方側に延びることがあるからである。
【0018】
よって、軌道区画探知機38とワークヘッド36との間の距離を決定し得るし、遠隔操作車両14の速さを決定し得るので、枕木に対するワークヘッド36の場所を決定し得る。幾つかの実施態様では、遠隔操作車両14及び作業されるべき軌道区画のような要素の間の相対的な位置が用いられ、遠隔操作車両の速さは参照されない。従って、遠隔操作車両14は、操作者からの僅かの入力で或いは操作者からの入力なしに、軌道作業を行うためにワークヘッド36が軌道区画の上に位置付けられるときを決定し得る。
【0019】
幾つかの実施態様において、遠隔操作車両14は、鉄道の障害物(blockage)を走査するために、車両の前方に又は前方付近に配置されるレーダのような、追加的な器具を含む。このようにして、そのようなレーダは障害物を特定し、遠隔操作車両に合図を送って、そのような障害物が取り除かれるまで作業を融資させてよい。
【0020】
図4を参照すると、本開示の原理を実施するための例示的なプロセスのフローチャートが参照番号50として指し示されている。ステップ52で、先導車両12の操作者に遠隔操作車両14によって作業されるべきレールの区画を特定する視覚的な識別子を提供するために、例えば、塗料又は同等物を用いて、作業されるべき軌道の区画に事前に印が付けられる。軌道区画に事前に印が付けられた後に、ステップ54において、先導車両12はレールに沿って前進させられ、操作者は、識別子21と共に視覚的識別子を用いて、作業されるべき軌道区画を特定する。識別子21がディスプレイ上の軌道区画識別子と整列するとき、操作者は、制御システムを用いて軌道区画に電子的に印を付けてよい。よって、印を付けられる軌道区画、例えば、枕木16は、その座標が割り当てられ(ステップ56)、座標は制御システムによって保存され、先導車両12に続く遠隔操作車両14のうちの1つ又はそれよりも多くに無線式に伝送される(ステップ58)。この情報を用いて、先導車両12に続く遠隔操作車両14は、先導車両によって指令されるような適切な軌道保守作業を遂行してよい(ステップ60)。
【0021】
図5を参照すると、本明細書中に記載するような制御システム70は、本明細書中に開示するプロセスのうちの1つ又はそれよりも多くを遂行する目的のためにメモリ72内に格納される少なくとも1つのプログラムを実行するように構成されるプロセッサ71を含む、コンピュータ又はデータ処理システムのような形態を取ってよい。プロセッサ71は、通信インターフェース74に連結されて、遠隔検知データを受信し、且つ、ワークヘッドと関連付けられる受信器を含む、遠隔操作車両14を通じて分散させられる受信器に指令を送信してよい。プロセッサ70は、入力/出力ブロック76を介してデータを受信し且つ送信してもよい。プログラムのための指令を格納することに加えて、メモリ72は、本明細書中に記載する技法に含められる予備的、中間及び最終データセットを格納してよい。その他の構成の中でも、処理システムは、ディスプレイインターフェース78と、先導車両12と関連付けられるディスプレイ80とを含んでよく、ディスプレイ80は、本明細書中に記載するように生成される様々なデータを表示する。図5に示す制御システムは、本質的に例示的であるに過ぎず、本明細書中に記載するシステム及び方法の限定でないことが理解されるであろう。
【0022】
遠隔操作車両を備える先導レール車両及び車両を用いる関連方法の様々な実施態様を上述したが、それらは一例として提示されているに過ぎず、限定として例示されていないことが理解されるべきである。例えば、先導車両から指令を受信する車両は遠隔操作車両として記載されているが、幾つかの実施態様では、1つ又はそれよりも多くの以下の車両が、先導車両から受信する指令に基づき軌道保守作業を自動的に停止し且つ遂行する操作者制御される車両であってよい。更に、作業されるべき軌道の区画上の塗料及び他の視覚的マーカが先導車両の操作者に見えるものとして記載されているが、幾つかの実施態様では、RFIDタグがそのような軌道区画上に配置されてよい。そのような実施態様において、RFIDタグは操作者に見えないことがあり、むしろ先導車両に配置されるRFIDタグリーダによって検出される。よって、本開示の幅及び範囲は上述の例示的な実施態様のいずれによっても限定されてならず、後続の請求項及びそれらの均等物に従ってのみ定められるべきである。その上、上記利点及び構成は、記載した実施態様において提供されるが、請求項の用途を上記利点のいずれか又は全てを達成するプロセス及び構造に限定しない。
【0023】
加えて、本明細書中の節の見出しは、37 CFR 1.77の下の提案に従って提供されており、さもなければ、組織化する役割をもたらすために提供されている。これらの見出しは、この開示から発することがあるいずれかの請求項に定められる(複数の)発明を限定せず或いは特徴付けない。具体的には、一例として、「背景技術」中の技術の記述は、技術がこの開示中のいずれかの(複数の)発明の先行技術であることの自白として解釈されてならない。「発明の概要」も、本明細書中に見出される請求項中に示される(複数の)発明の特徴として解釈されてならない。更に、この開示中での「発明」への如何なる言及も、この開示において請求される一点の新規性だけがあることを議論するために用いられてならない。多数の発明がこの開示と関連付けられる多数の請求項の限定に従って示されてよく、従って、請求項は、それによって保護される(複数の)発明及びそれらの均等物を定める。全ての場合において、請求項の範囲は、明細書の観点からそれらのそれぞれの真価に基づいて考慮されなければならず、本明細書中に示す見出しによって制約されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5