特許第6832675号(P6832675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6832675
(24)【登録日】2021年2月4日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】予備半田成形システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20210215BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20210215BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20210215BHJP
   H01R 12/51 20110101ALI20210215BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20210215BHJP
   B23K 1/20 20060101ALI20210215BHJP
   B23K 3/04 20060101ALI20210215BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20210215BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20210215BHJP
【FI】
   H05K3/34 501
   H01R4/02 Z
   H01R43/02 A
   H01R12/51
   B23K1/00 330E
   B23K1/20 J
   B23K3/04 B
   B23K3/04 Y
   B23K1/00 A
   B23K3/00 310P
   H05K3/34 501D
   H05K3/34 501F
   H05K3/34 512
   B23K101:42
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-206751(P2016-206751)
(22)【出願日】2016年10月21日
(65)【公開番号】特開2017-103452(P2017-103452A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2019年10月15日
(31)【優先権主張番号】201510713062.1
(32)【優先日】2015年10月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516239932
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス(ドングァン) リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515329610
【氏名又は名称】シェンジェン エーエムアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ホンツォウ
(72)【発明者】
【氏名】ツァーン,ダンダン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,キンロン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ロベルト フランシスコ−イー
(72)【発明者】
【氏名】タブニツキ,ジョージ
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−191133(JP,A)
【文献】 特開2013−187208(JP,A)
【文献】 特開2013−099779(JP,A)
【文献】 米国特許第04997122(US,A)
【文献】 国際公開第2006/098426(WO,A1)
【文献】 特開2010−074153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
B23K 1/00− 3/08
H01R 3/00− 4/22
H01R 12/00−12/91
H01R 24/00−24/86
H01R 43/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板のパッド上の予備半田を成形するための予備半田成形システムであって、
前記回路基板を確実に保持するための基板保持ユニットと、
前記予備半田を成形するように前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して熱プレス作業を行うための熱プレスユニットと、
前記基板保持ユニットに対して前記熱プレスユニットを移動させるための動作ユニットとを備え、
前記熱プレスユニットは、前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田を成形するための熱プレッサを備え
前記熱プレッサは、2つの支持部と、前記2つの支持部の間に配置された熱プレス部とを備え、
前記熱プレッサが前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行うときは、溶融した予備半田が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように前記支持部が前記回路基板に接触しながら、前記予備半田は、前記熱プレス部によってプレスされる予備半田成形システム。
【請求項2】
前記熱プレス部は、U字形又はV字形の断面を有する請求項に記載の予備半田成形システム。
【請求項3】
前記熱プレス部は、前記予備半田に付着しない材料から作られる請求項1又は2に記載の予備半田成形システム。
【請求項4】
前記予備半田に付着しない前記材料は、モリブデン合金又はチタン合金をからなる請求項に記載の予備半田成形システム。
【請求項5】
前記熱プレスユニットは1つ以上の熱プレッサを備える請求項1に記載の予備半田成形システム。
【請求項6】
前記基板保持ユニットは前記動作ユニットに対して移動可能である請求項1に記載の予備半田成形システム。
【請求項7】
前記熱プレスユニットに設けられ、前記熱プレス作業が前記熱プレスユニットによって行われる温度を制御するように構成された温度制御ユニットをさらに備える請求項1に記載の予備半田成形システム。
【請求項8】
請求項1に記載の予備半田成形システムによって前記予備半田を成形する方法であって、前記方法は、次のステップ、即ち、
前記基板保持ユニットによって前記回路基板を確実に保持するステップと、
前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレスユニットの前記熱プレッサを整列させるように、前記動作ユニットによって前記基板保持ユニットに対して前記熱プレスユニットを移動させるステップと、
前記予備半田を成形するように前記熱プレスユニットによって前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行うステップを備え
前記熱プレッサは、2つの支持部と、前記2つの支持部の間に配置された熱プレス部とを備え、本方法は、次のステップ、即ち、
前記熱プレッサが前記回路基板上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行うときは、溶融した予備半田が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように前記支持部が前記回路基板に接触しながら、前記予備半田は、前記熱プレス部によってプレスされるステップをさらに備える、方法。
【請求項9】
次のステップ、即ち、
前記動作ユニットに対して前記基板保持ユニットを移動させるステップをさらに備える請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記熱プレスユニットは1つ以上の熱プレッサを備え、前記方法は、次のステップ、即ち、
前記1つ以上の熱プレッサによって一斉に前記熱プレス作業を行うステップをさらに備える請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記システムは、前記熱プレスユニットに設けられる温度制御ユニットをさらに備え、前記方法は、次のステップ、即ち、
前記温度制御ユニットによって、閉ループフィードバック制御を用いて、前記熱プレス作業が前記熱プレスユニットによって行われる前記温度を調整するステップをさらに備える請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、中国知識産権局において2015年10月27日に出願された中国特許出願第201510713062.1号の利益を主張するものであり、その全開示は参照によって本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、電気コネクタの技術分野に関し、特に、本開示は、回路基板のパッドにおいて予備半田を成形するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタの技術分野では、スズめっきパッドを有する回路基板は、基本的な部品であり、スズめっきパッドは、SMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)によって回路基板の表面上に形成され、電気コネクタとの構造的かつ電気的接続を得るために、電気コネクタの電気コンタクトが、低温半田付け等の溶接技術によって回路基板のスズめっきパッド上に溶接される。しかしながら、実際には、電気コンタクトとスズパッドの間のイモ付け、即ち、接合不良によって生じる電気的な接続不良の問題が頻繁に生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、先行技術に存在する上述の技術的課題又はその他の技術的課題の少なくとも一部を解決することを目標とする。
【0005】
従って、本開示の一つの目的は、回路基板のパッド上の予備半田に対して成形作業を行うことにより、半田付け時に回路基板のパッド上の電気コンタクトの位置を精密に制御することができ、それによって半田付け品質を保証し、イモ付け、即ち、接合不良等のリスクを低減する予備半田成形システムを提供することである。
【0006】
本開示の他の目的は、回路基板のパッド上の予備半田に対して成形作業を行うことにより、半田付け時に回路基板のパッド上の電気コンタクトの位置を精密に制御することができ、それによって半田付け品質を保証し、イモ付け、即ち、接合不良等のリスクを低減する予備半田成形方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、回路基板のパッド上の予備半田を成形するための予備半田成形システムが提供され、この予備半田成形システムは、
前記回路基板を確実に保持するための基板保持ユニットと、
前記予備半田を成形するように前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して熱プレス作業を行うための熱プレスユニットと、
前記基板保持ユニットに対して前記熱プレスユニットを移動させるための動作ユニットとを備え、
前記熱プレスユニットは、前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田を成形するための熱プレッサを備える。
【0008】
幾つかの実施形態では、前記熱プレッサは、2つの支持部と、前記2つの支持部の間に配置された熱プレス部とを備え、前記熱プレッサが前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行う時は、溶融した予備半田が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように前記支持部が前記回路基板に接触している間に、前記予備半田は、前記熱プレス部によってプレスされる。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記熱プレス部はU字形又はV字形の断面を有する。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記熱プレス部は、前記予備半田に付着しない材料から作られる。幾つかの実施形態では、前記予備半田に付着しない前記材料は、モリブデン合金又はチタン合金からなる。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記熱プレス部は1つ以上の熱プレッサを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記基板保持ユニットは前記動作ユニットに対して移動可能である。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記システムは、前記熱プレスユニットに設けられ、前記熱プレス作業が前記熱プレスユニットによって行われる温度を制御するように構成された温度制御ユニットをさらに備える。
【0014】
本開示の他の態様では、上述の予備半田成形システムによって前記予備半田を成形する方法が提供され、この方法は、次のステップ、即ち、
前記基板保持ユニットによって前記回路基板を確実に保持するステップと、
前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレスユニットの前記熱プレッサを整列させるように、前記動作ユニットによって前記基板保持ユニットに対して前記熱プレスユニットを移動させるステップと、
前記予備半田を成形するように前記熱プレスユニットによって前記回路基板の前記パッド上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行うステップを備える。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記熱プレッサは、2つの支持部と、前記2つの支持部の間に配置された熱プレス部とを備え、前記方法は、次のステップ、即ち、
前記熱プレッサが前記回路基板上の前記予備半田に対して前記熱プレス作業を行うときは、溶融した予備半田が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように前記支持部が前記回路基板に接触しながら、前記予備半田が前記熱プレス部によってプレスされるステップをさらに備える。
【0016】
幾つかの実施形態では、前記方法は、次のステップ、即ち、前記動作ユニットに対して前記基板保持ユニットを移動させるステップをさらに備える。
【0017】
幾つかの他の実施形態では、前記熱プレスユニットは1つ以上の熱プレッサを備え、前記方法は、次のステップ、即ち、前記1つ以上の熱プレッサによって一斉に前記熱プレス作業を行うステップをさらに備える。
【0018】
幾つかの実施形態では、前記システムは、前記熱プレスユニットに設けられる温度制御ユニットをさらに備え、前記方法は、次のステップ、即ち、前記温度制御ユニットによって、閉ループフィードバック制御を用いて、前記熱プレス作業が前記熱プレスユニットによって行われる前記温度を調整するステップをさらに備える。
【0019】
本開示は、少なくとも次の技術的効果を達成する。
【0020】
本明細書において提供される予備半田成形システムおよび方法を用いれば、基板保持ユニットに確実に保持された回路基板のパッド上の予備半田に対する熱プレス作業は、熱プレッサによって、パッド上の予備半田が所定の形状にプレスされる(例えば、成形された予備半田が、V字形又はU字形の断面又は任意のその他の適当な断面形状を有する)ように行われ、それにより、後続の工程で行われる電気コンタクト(図示せず)と回路基板のパッド上の予備半田との間の半田付け接続が容易になる。本明細書において提供される予備半田成形システムおよび方法を用いれば、回路基板のパッド上の予備半田に対して成形作業を行うことにより、半田付け時の回路基板のパッド上の電気コンタクトの位置が精密に制御され、それにより、半田付け品質が保証され、イモ付け、即ち、接合不良等のリスクが低減することが分かる。
【0021】
本開示の上述のおよびその他の目的およびその他の技術的効果は、添付の図面を伴う本開示の次の例示的な実施形態で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の上記のおよびその他の目的、技術的特徴および技術的効果をより明白にするために、本開示は、例示的な実施形態および添付の図面と組み合わせてさらに説明される。
【0023】
図1】本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムの概略的な構造図である。
図2】本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムを使用することによって熱プレス作業を行う前の、回路基板およびそのパッド上の予備半田の概略的な構造図である。
図3】本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムを使用することによって熱プレス作業を行った後の、回路基板およびそのパッド上の予備半田の概略的な構造図である。
図4】熱プレッサが回路基板上で熱プレス作業を行っているときの、本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムにおける熱プレッサの概略的な部分的な構造図である。
図5図4の一部の部分的に拡大された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の具体的な実施形態は以下で詳細に説明されるが、その例が、添付の図面に示されており、それらの図面では、同様の数字は同様の要素を指す。添付の図面を参照して説明される具体的な実施形態は、本開示を説明するための例示に過ぎず、本開示に対する制限事項と解釈されるべきではない。
【0025】
図1を参照すると、図1は、本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムの概略的な構造図を示す。図示のように、本開示は、回路基板4のパッド上の予備半田5を成形するための予備半田成形システムを提供する。この予備半田成形システムは、主に、熱プレスユニット1と、基板保持ユニット2と、動作ユニット3を備え、基板保持ユニット2は、回路基板4を確実に保持するように構成され、熱プレスユニット1は、予備半田を成形するように回路基板4上の予備半田5に対して熱プレス作業を行うように構成され、熱プレスユニット1は、回路基板上の予備半田を成形するための熱プレッサ10を含み、動作ユニット3は、熱プレスユニット1の熱プレッサ10と基板保持ユニット2によって確実に保持された回路基板4との間の相対的位置を決定するために基板保持ユニット2に対して熱プレスユニット1を移動させるように構成され、それにより、熱プレッサ10によって回路基板4のパッド上の予備半田5に対して熱プレス作業を行うことに寄与する。本開示によって提供される予備半田成形システムによれば、回路基板4のパッド上の予備半田5に対する熱プレス作業は、熱プレッサ10によって、パッド上の予備半田5が所定形状にプレスされる(例えば、図3に示す実施形態では、成形された予備半田6はV字形の断面を有する)ように行われ、それにより、後続の工程で行われる電気コンタクト(図示せず)と回路基板4のパッド上の予備半田5の間の半田付け接続を容易にする。例えば、図2は、本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムを使用することによって熱プレス作業を行う前の、回路基板とそのパッド上の予備半田の概略的な構造図を示し、図3は、上述の予備半田成形システムによって熱プレス作業を行った後の、回路基板とそのパッド上の予備半田の概略的な構造図である。本開示によって提供される予備半田成形システムを使用することによって熱プレス作業を行う前に、回路基板4のパッド上の予備半田5は、電気コンタクトとの半田付け接続に不利である平らな表面を有している(図2に示す)。しかしながら、本開示によって提供される予備半田成形システムを使用することによって熱プレス作業が行われる場合、回路基板4のパッド上の成形された予備半田6は、V字形の断面を有し(図3に示す)、回路基板4のパッドにおける電気コンタクトの位置を精密に制御するのに有利であり、従って、半田付け接続に有利である。
【0026】
図4は、熱プレッサが回路基板上で熱プレス作業を行っているときの、本開示の具体的な一実施形態に係る予備半田成形システムに含まれる熱プレッサの概略的な部分的な構造図を示し、図5は、図4の部分拡大図である。図1図4図5に示すように、熱プレッサ10の一端は、動作ユニット3に接続され、その他端は、2つの支持部11と、2つの支持部11の間に配置された熱プレス部12とを備える(図4および図5を参照)。熱プレス部12は、必要に応じて、V字形(図5を参照)又はU字形、又はその他の任意の適当な形状等の特定の断面形状を有してよい。本明細書において提供されるシステムが使用される場合、特に、回路基板4のパッド上の予備半田5に対する熱プレス作業が熱プレッサ10によって行われる場合、回路基板4のパッド上の予備半田5は、熱プレッサ10によってプレスされ、成形対象の予備半田5は、予備半田が溶融する温度で熱プレス部12によって溶かされ、熱プレッサ10の熱プレス部12の断面形状(図5に示すV字形等)に対応する断面形状に成形される。その間、熱プレス部12の両側の支持部11は、溶融した予備半田5が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように回路基板4のパッドの両側で回路基板のベースに接触する。
【0027】
本開示によれば、熱プレッサ10は、予備半田に付着しない材料から作られる。好ましくは、熱プレッサ10の少なくとも支持部11および熱プレス部12は、予備半田に付着しない材料から作られる。例えば、予備半田に付着しない材料は、限定ではないが、モリブデン合金又はチタン合金よりなる。
【0028】
本開示によれば、熱プレスユニット1は、1つ以上の熱プレッサ10を備えていてもよい。図1図4図5に示す実施形態等の幾つかの実施形態では、熱プレスユニット1は、1つの熱プレッサ10を備える。この場合、本明細書において提供されるシステムが使用されるとき、熱プレスユニット1内の熱プレッサ10は、回路基板4のパッド上の予備半田5に対して一つずつ熱プレス作業を行い、回路基板4のパッド上の予備半田5を一つずつ成形するように動作ユニット3によって移動させられる。しかしながら、幾つかの他の実施形態では、熱プレスユニット1は、回路基板4のパッド上の予備半田5に対する熱プレス作業を一斉に行うように並列に配置された複数の熱プレッサ10を含んでもよい。熱プレッサ10の具体的な個数に関しては、適宜設計されてよい。
【0029】
さらに、本開示によって提供される予備半田成形システムにおいて、このシステムは、熱プレス作業が熱プレスユニット1によって行われる温度を制御するように構成された熱制御ユニット(図示せず)をさらに備えていてもよい。例えば、閉ループフィードバック制御を用いて、温度制御ユニットは、熱プレスユニット内の熱プレッサを、予備半田の様々な組成に応じて、予備半田が溶融する様々な所定の温度に加熱してもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、温度制御ユニットは、熱プレスユニットに設けられてもよい。幾つかその他の実施形態では、温度制御ユニットは、個別に設けられてもよい。温度制御ユニットに関して、この技術において一般的な温度制御装置および技術が採用されてよい。
【0031】
さらに、本開示によって提供される予備半田成形システムでは、動作ユニット3は、基板保持ユニットに確実に保持された回路基板に対して熱プレスユニットにおける熱プレッサを移動させる移動精度の要求事項を満たすことができれば、任意の形態の動作システムでよく、即ち、二次元の動作システムでもよいし、三次元の動作システムでもよい。例えば、動作ユニット3は、4軸又は6軸の動作ロボット(アーム)等でもよい。
【0032】
さらに、本開示によって提供される予備半田成形システムでは、基板保持ユニット2は、回路基板4を確実に保持するように構成される。例えば、基板保持ユニット2は、PCB固定具等でもよい。さらに、基板保持ユニット2は、動作ユニット3に対して固定されてもよいし、動作ユニット3に対して移動可能でもよい。例えば、図示の実施形態では、基板保持ユニット2は、動作ユニット3に対して固定されている。しかしながら、基板保持ユニット2が動作ユニット3に対して移動可能である場合、基板保持ユニット2と動作ユニット3の間の相対移動の移動精度が保証されなければならない。
【0033】
同時に、本開示は、上述の予備半田成形システムによって予備半田を成形するための方法も提供する。この予備半田成形方法は、基板保持ユニット2によって回路基板4を確実に保持するステップと、熱プレスユニット1の熱プレッサ10を回路基板4のパッド上の予備半田5に対して整列させるように動作ユニット3によって回路基板4に対して熱プレスユニット1を移動させるステップと、予備半田5を成形するように熱プレスユニット1によって回路基板4のパッド上の予備半田5に対して熱プレス作業を行うステップとを含む。
【0034】
具体的には、この熱プレッサは、2つの支持部11と、この2つの支持部11間に配置された熱プレス部12とを備える。前記予備半田成形方法は、熱プレッサ10が回路基板4上の予備半田5に対して熱プレス作業を行うときに、熱プレッサ10によって、回路基板4のパッド上の予備半田5をプレスするステップであって、成形対象の予備半田5が、予備半田が溶融する温度で熱プレス部12によって溶かされ、次に、熱プレッサ10の熱プレス部12の断面形状(図5に示すV字形等)に対応する断面形状に成形され、その間、熱プレス部12の両側の支持部11が、予備半田5が隣接するパッドに向かって流れることを防止するように回路基板4のパッドの両側で回路基板のベースに接触するステップをさらに備える。その後、熱プレッサ10は、動作ユニット3によって回路基板4上の予備半田5から離れるように持ち上げられ、ここで、回路基板4上の予備半田は冷却され、V字形の断面を有する成形された予備半田6(図3に示す)を形成し、その結果、回路基板4のパッドにおける電気コンタクトの位置が精密に制御され、半田付け接続が容易になる。
【0035】
さらに、熱プレスユニット1は、1つ以上の熱プレッサ10を備えていてもよい。熱プレスユニット1が1つの熱プレッサ10を備える場合、前記方法は、次のステップ、即ち、回路基板4のパッド上の予備半田に対して一つずつ熱プレス作業を行うように動作ユニット3によって熱プレスユニット1における熱プレッサ10を移動させ、次に、回路基板4のパッド上の予備半田5を一つずつ成形するステップを備える。しかしながら、熱プレスユニット1が複数の熱プレッサ10を備える場合、前記方法は、次のステップ、即ち、回路基板4のパッド上の予備半田5に対して熱プレス作業を一斉に行うステップを備える。熱プレッサ10の具体的な個数に関しては、適宜設計されてよい。
【0036】
さらに、本開示によって提供される予備半田成形システムが、熱プレス作業が熱プレスユニット1によって行われる温度を制御するように構成された温度制御ユニット(図示せず)をさらに備える場合、本明細書において提供される予備半田成形方法は、閉ループフィードバック制御を用いて、温度制御ユニットによって、熱プレス作業が熱プレスユニットによって行われる温度を調整するステップをさらに備える。例えば、温度制御ユニットは、閉ループフィードバック制御を用いて、予備半田の様々な組成に応じて、予備半田が溶融する様々な所定の温度に熱プレスユニット内の熱プレッサを加熱してもよい。
【0037】
加えて、本明細書において提供される予備半田成形方法は、基板保持ユニット2と動作ユニット3の間の相対移動の移動精度が保証されれば、動作ユニット3に対して基板保持ユニット2を移動させる方法をさらに備える。
【0038】
上記から分かるように、本開示によって提供される予備半田成形システムおよび方法を用いれば、基板保持ユニットに確実に保持された回路基板のパッド上の予備半田に対する熱プレス作業は、熱プレッサによって、パッド上の予備半田が所定の形状にプレスされる(例えば、成形された予備半田が、V字形又はU字形の断面を有する)ように行われ、それにより、後続の工程で行われる電気コンタクト(図示せず)と回路基板のパッド上の予備半田との間の半田付け接続が容易になる。本開示によって提供される予備半田成形システムおよび方法を用いれば、回路基板のパッド上の予備半田に対して成形作業を行うことにより、半田付け時の回路基板のパッド上の電気コンタクトの位置が精密に制御され、それにより、半田付け品質が保証され、イモ付け、即ち、接合不良等のリスクが低減することが分かる。
【0039】
本明細書に開示された本開示の具体的な実施形態は、本開示の原理および機能を例示的に説明することを意図しており、本開示に対する制限事項として解釈されるべきではない。当業者には、これらの実施形態では、本開示の原理および精神から逸脱することなく、様々な変更又は修正が行われてもよく、本開示の範囲は、添付の請求項およびその均等物において定められることが理解されるだろう。
図1
図2
図3
図4
図5