(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面は、本明細書に組み込まれるとともに、その一部を形成し、本発明のいくつかの実施形態を示し、詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。図面は単に、本発明の一実施形態または複数の実施形態を説明することを目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈されない。
【0007】
【
図1】
図1は、低TDSの飲料用ではない水および飲料用ではない水を提供(生成)するための、廃水を濾過する3ステップのプロセスのフロー図である。
【
図2】
図2は、本明細書における図のための、第1の配管および器具の概略的シンボルキーを示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書における図のための、第2の配管および器具の概略的シンボルキーを示す図である。
【
図4】
図4は、沈殿調整取込タンク(settling and equalization(調整、均等化) capture(取込、捕捉) tank)に取り込まれた廃水を提供する用途または器具における、本発明の再生システムの実施形態のプロセスのフロー図である。ポンプは、タンクから水を除去する。ポンプまたは自動バルブは、多孔性バリアによって固形物から守られている。水は、機械式凝集/凝固/濾過/漉し(ストレーナ;strainer)のプロセスのステップを通して処理され、調整タンクに貯蔵される。メータ(計測器)は、水の物理的特性を測定し、その特性が許容可能な範囲内にある場合、水の通過を許容する。物理的特性には、限定されないが、pH、酸化電位、および温度が含まれる。許容可能な範囲の例は、華氏113度未満の温度、酸化剤に依存する550mV+/−100mV未満の酸化還元電位、および、2から11の間のpHである。
【
図5】
図5は、プロセスの第1のステップのための、水の再生タンクの3つの異なる構成を示すプロセスのフロー図である。
【
図6】
図6は、プロセスの第1のステップのための、水の再生タンクの3つの異なる構成を示す例示的配管および器具の図である。
【
図7】
図7は、
図6からのタンクの構成の第3の選択肢を使用した、プロセスの完全な第1のステップの1つの構成を示す例示的配管および器具の図である。洗濯廃水は、タンクに入ると酸化される。多孔性バリアによって保護されている排水ポンプは、調整タンクに貯蔵する前に、機械式凝集/凝固/濾過/漉しの処理のステップを通して水をポンプで送る。
【
図8】
図8は、廃水が濾過され、次いで、その水が、必要とされる水質に基づき、一次用途および二次用途のためにソート(分類)される、プロセスの第2のステップのプロセスのフロー図である。二次用途はオプション(任意選択的)である。二次用途が存在しない場合、媒体濾過および消毒のステップが除かれ、たとえ有機物除去ステップが再生システムの構成要素であったとしても、水が第1の有機物除去ステップの洗浄(washing)およびバックウォッシング(逆洗;backwashing)に使用される。
【
図9】
図9は、プロセスの第2のステップ、濾過システムの例示的配管および器具の図である。この図は、一次用途と二次用途との両方のための水再使用タンクを有する完全な濾過システムを示している。処理の7つのステップが存在する。この7つのステップは:沈殿(図示せず)、濾過(図示せず)、(化学物質洗浄リザーバからの注入を介しての)凝固/乳化、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、およびuv消毒である。逆浸透からの排出された物は、二次用途のために、媒体濾過および消毒ステップ(uv消毒、オゾン、または塩素消毒など)を経ることができる。二次用途には、洗浄プロセスの第1のステップとしての、車、衣類、および材料を濡らすことが含まれる。水再使用二次タンクからの水の再使用はオプションである。二次用途が存在しない場合、媒体濾過および消毒のステップが除かれ、たとえ有機物除去ステップが再生システムの構成要素であったとしても、水が第1の有機物除去ステップの洗浄およびバックウォッシングに使用される。
【
図10】
図10は、濾過システムの一次ラインのサブ300マイクロジーメンス(300マイクロジーメンスより下)の透過水(permeate water)の質、および、加熱水の場合の、6日間にわたるシステムのエネルギの節約を示すグラフである。
【
図11】
図11は、濾過された廃水のpH反応を水道水と比較するグラフである。濾過された廃水は、90%少ない洗剤(洗浄剤;detergent)で、目標となるpHを達成する。洗剤のほぼ半分はpH調整剤である。この図は、洗濯用洗剤の添加を介しての、再利用廃水と水道水の滴定を示している。洗濯用洗剤が添加されると、両方の溶液のpHが増大する。再利用廃水は、水道水よりも75%少ない洗剤で、目標となる10.0のpHを得た。
【
図12】
図12は、濾過/再利用水が、十分な質である場合に、一次または二次用途に戻る、逆の孔サイズ濾過プロセスの第3のステップのプロセスのフロー図である。最も小さい孔サイズを有する濾過のためのバリアが最初に来ている。したがって、1つのポンプからの圧力であっても、いくつかの異なる孔サイズで水を濾過するのに使用できる。追加の特定用途向けの処理には、洗剤の混合、化学物質の混合、および/またはオゾンの添加などの処理が含まれ得る。これら特徴により、pH、浸透力、臭い、および他のパラメータに関して、再利用水が処理され得る。
【
図13】
図13は、水再使用プロセスの第3のステップの例示的配管および器具の図である。水は、2つのクラスの用途にソートされる:一次用途と二次用途。水は、プロセスの第3のステップの一部として、特定用途のために処理され得る。補給水は、飲料水のラインに接続された制御バルブを介して提供される。飲料水は、減圧逆流防止デバイスを介して保護されている。膜洗浄水は、クロスコンタミネーションの虞なしに、複数の膜に同時に適用可能である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態から15日の期間にわたって再使用された水のガロンのグラフである。このシステムは、透過水が300ppmを超えた場合に停止する。
【
図15】
図15は、本発明のシステムから得られた濾過データを示す図である。
【
図16】
図16は、本発明のシステムから得られた濾過データを示す図である。
【
図17】
図17は、一般的な洗車における水の流れの図である。水道水が洗車の準備ステップと濯ぎ(洗い流し)ステップとの両方に使用される。
【
図18】
図18は、本発明の、スポットフリー(染みなし、斑点なし)の再使用水プロセスの図である。洗車の準備ステップと濯ぎステップとの両方のための追加の水道水を無駄に消費する代わりに、再生水が浄化され、使用される。
【
図19】
図19は、逆浸透(RO)膜からの濃縮水(retentate)が、水の回復の割合を増大させるようにソートされるシステムの図である。逆浸透(RO)膜からの濃縮水は、水の回復の割合を増大させるためにソートされる。ソートには、3つのステップが含まれる。第1のステップは、水をポンプの流入口に戻すように繋ぐことにより、ROプロセスの濃縮水をリサイクルするために、バルブ(A)を開くことである。流入口における圧力が許容可能な値の範囲を超えた場合、濃縮水を調整タンク♯Nに戻してリサイクルするために、第2のバルブ(B)が開かれ得る。ここで、Nはこのシステムにおいて最も高いNの値である。通常の流入水は、総溶解固形分(不純物総溶解度;total dissolved solids(TDS))が200から2,000ppmの間である。本発明のいくつかの実施形態では、2,000ppmのTDSを処理すると評価されたかん水(塩分を含んだ水、半塩水;brackish water)RO膜が採用される。本発明のいくつかの実施形態では、35,000ppmのTDSを処理すると評価された海水RO膜が採用される。濃縮水のTDSが許容可能な範囲を超えた場合、濃縮水を排水するために、バルブが開かれる。再利用排水管(リサイクルドレイン)は、TDSが許容可能なレベルを超えた場合に閉じられ得る。バルブが閉じられることになる条件の1つは、TDSが長時間、すなわち、1分以上、1時間以上、許容可能なレベルを超えている場合である。
【
図20】
図20は、濾過プロセスにおける負荷平準化タンク(load leveling tanks)の位置を示すプロセスのフロー図である。負荷平準化タンクは、1〜240分の動作の間、水を保持するように設計され、かつ、用途からの水の廃棄および用途からの水の要求の周期的性質のために、必要である。
【
図21】
図21は、濾過システムからの用途のために複数の流出流が存在する場合の、濾過プロセスにある負荷平準化タンクの位置を示すプロセスのフロー図である。負荷平準化タンクは、1〜240分の動作の間、水を保持するように設計され、かつ、用途からの水の廃棄および用途からの水の要求の周期的性質のために、必要である。
【
図22】
図22は、排水ポンプを制御することなく、調整タンクがあふれることを防止するための方法の配管および機器の図である。廃水は用途から提供され、酸化されるとともに取込タンク内に貯蔵される。調整タンクが満杯である場合、あふれることを防止するために、バルブが閉じられる。機械的凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップは、プロセスの一部とすることができる。この構成により、排水ポンプを濾過システムから電気的に絶縁することが可能である。
【
図23】
図23は、本発明の一実施形態の再生システムのプロセスのフロー図である。この実施形態では、用途または器具が、沈殿調整取込タンクに取り込まれる廃水を提供する。ポンプは、タンクから水を除去する。ポンプまたは自動バルブは、多孔性バリアによって固形物から守られている。水は、機械式凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップを通して処理され、調整タンクに貯蔵される。メータは、水の物理的特性を測定し、その水が濾過システムの作動要件を満たすように調整する。物理的特性には、限定されないが、pH、酸化電位、および温度が含まれる。許容可能な範囲の例は、華氏113度未満の温度、酸化剤に基づく550mV+/−100mV未満の酸化還元電位、および、2から11の間のpHである。
【
図24】
図24は、濾過システムでの使用のために、調整タンク内の水を調整するための方法の配管および機器の図である。廃水は特定の用途から提供され、酸化され、取込タンク内に貯蔵される。調整タンクが満杯である場合、あふれることを防止するために、バルブが閉じられる。機械的凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップは、プロセスの一部とすることができる。調整タンク内のメータは、変化する物理的特性を監視する。物理的特性は、限定されないが、pH、酸化還元電位、および温度とすることができる。このことは、漂白剤などの酸化洗剤が一般的に使用される洗濯の用途に特に関連する。
【
図25】
図25は、濾過システムでの使用のために、調整タンク内に酸化部分インラインを提供する方法の配管および機器の図である。廃水は用途から提供され、酸化され、取込タンク内に貯蔵される。機械的凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップは、プロセスの一部とすることができる。水は、一重項分子状酸素またはオゾンの化学的および/または電気的発生源を使用して酸化される。メータは、酸化防止剤の投入と、酸化防止剤が投入される濾過システムとの両方を制御し、ORPが550mV+/−10mV超である場合に濾過システムがオフにされ、酸化防止剤は投入されず、また、ORPが550mV+/−100mV未満である場合、濾過システムはオンとなる。ORPの範囲は、使用される酸化剤の活性度、および、濾過ユニットの酸化剤の公差を示している。洗浄モードでは、ORPが550mV超である場合に、濾過システムはオンとなり得、酸化防止剤の投入はオフとなる。このことは、ワックスなどの有機物が膜を汚している洗車の用途に特に関連する。調整タンク内の他のメータは、変化する物理的特性を監視する。物理的特性は、限定されないが、pH、酸化還元電位、および温度とすることができる。この用途では、メータにより、インライン酸化ステップの後にラインに残っている酸化剤を中和するために、酸化還元電位を監視することができる。
【
図26】
図26は、濾過システムでの使用のために、調整タンク内に酸化部分インラインを提供するための方法の配管および機器の図である。廃水は用途から提供され、酸化され、取込タンク内に貯蔵される。機械的凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップは、プロセスの一部とすることができる。水は、一重項分子状酸素、オゾン、または塩素の化学的および/または電気的発生源を使用して酸化される。調整タンク内のメータは、変化する物理的特性を監視する。物理的特性は、限定されないが、pH、酸化還元電位、および温度とすることができる。この用途では、メータにより、インライン酸化ステップの後にラインに残っている酸化剤を中和するために、酸化還元電位を監視することができる。このことは、活性な生物学上の汚染物質が濾過プロセスに入ることを防止するための汚水(下水;blackwater)の用途に特に関連している。
【
図27】
図27は、濾過システムでの使用のために、殺菌タンク内への酸化部分を提供する方法の配管および機器の図である。廃水は用途から提供され、酸化され、取込タンク内に貯蔵される。機械的凝集/凝固/濾過/漉しのプロセスのステップは、プロセスの一部とすることができるが、通常は、フィルタ表面での生物学的危険物質の蓄積を防止するために、省略される。水は、殺菌タンク内に投入される一重項分子状酸素、オゾン、または塩素の化学的および/または電気的発生源を使用して酸化される。殺菌タンク内のメータにより、殺菌プロセスの品質が監視される。第2のバルブおよび/またはポンプシステムにより、殺菌された水が中和タンク内に入ることが許容される。逆流は、2重の逆流防止部または1つのエアギャップのいずれかを使用して防止される。中和タンク内では、酸化還元電位を濾過システムが動作可能となる550mV未満とするために、酸化防止剤が添加される。メータは、酸化防止剤の投入と、酸化防止剤が投入される濾過システムとの両方を制御し、ORPが550mV+/−10mV超である場合に濾過システムがオフにされ、酸化防止剤は投入されず、また、ORPが550mV+/−100mV未満である場合、濾過システムはオンとなる。ORPの範囲は、使用される酸化剤の活性度、および、濾過ユニットの酸化剤の公差を示している。洗浄モードでは、ORPが550mV超である場合に、濾過システムはオンとなり得、酸化防止剤の投入はオフとなる。
【
図28】
図28は、再生タンクに使用される一般的な固形物トラップの図である。水をこぼすことなく、トラップを除去することを可能にするために、ユニオンが排水バルブの上に置かれている。排水バルブは、排水バルブ上に固形物が蓄積することを防止するために、重力に対し直交するようになっている。排水バルブは通常、ボールバルブまたはバタフライバルブなどの大型のポートバルブである。タンクから水が抜かれた後に、バルブの上のユニオンが連結解除される。通常、バルブと排水管との間でソフトな接続が使用され、トラップおよびバルブ内に残っている水がコンテナ内に入れられることを可能にする。トラップの上の追加のユニオンにより、トラップ内に残った水が除去された後にのみ、トラップの除去が可能である。トラップは、トラップされた固形物の除去を可能にするために、より大型の除去キャップまたはプラグを有している。トラップの直径は、タンクの底部のポートの直径と同じサイズか、それより大きい。
【
図29】
図29は、排水ポンプを有する洗濯機からの水を取り込む場合に、取込タンクがあふれることを防止するための方法の配管および機器の図である。廃水は洗濯機から提供され、洗濯機の排水管にポンプで送られる。排水管は、水を貯蔵するタンクに繋がっている。タンクが満杯である場合、洗濯機と排水管とを接続する制御バルブが閉じ、排水管に繋がっている制御バルブが開き、これにより、余分な水が排出されることを可能にする。水は、取込タンクと調整タンクとの間で、ポンプまたは制御バルブを介して移送され得る。0.01”から1”の間の開口を有するストレーナ(濾過器、漉し器;strainer)が、自動バルブおよび/またはポンプを保護するために使用され得る。2重のスイングチェックバルブまたはエアギャップなどの逆流防止デバイスにより、調整タンクから取込タンクへ水が流れることが防止される。
【
図30】
図30は、廃棄物除去ステップと、それに続く分子分離ステップが存在し逆浸透または正浸透ステップで終了している、本発明の一実施形態を示すプロセスのフロー図である。正浸透/逆浸透ステップは、分子分離ステップの濾過されたサイドの圧力センサによって始動される。逆浸透または正浸透の後に、オプションの酸化ステップが存在する。分子分離ステップは、精密濾過膜、限外濾過膜、またはこれら2つの組合せとすることができる。
【
図31】
図31は、2つの廃棄物除去ステップと、それに続く逆浸透または正浸透ステップが存在する、本発明の一実施形態を示すプロセスのフロー図である。正浸透/逆浸透ステップは、分子分離ステップの濾過されたサイドの圧力センサによって始動される。逆浸透または正浸透の後に、オプションの酸化ステップが存在する。廃棄物除去ステップは、精密濾過膜、限外濾過膜、またはこれら2つの組合せとすることができる。
【
図32】
図32は、沈殿、濾過、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、および紫外線消毒を伴う6つのステップのプロセスで水が処理される、RO濃縮水を再利用しない、洗濯水再利用システムの例示的P&IDを示す図である。濾過ユニットは、フィルタプレス、またはカートリッジフィルタなどの、手動で洗浄されなければならない受動(passive)ユニットである。濾過ユニットは、300ミクロン未満のサイズの孔を有している。この方法により、より高い水の回復が可能になる。いくつかの実施形態では、限外濾過膜の前に設置されたストレーナが存在する。いくつかの実施形態では、溶解された有機物を乳化するために、洗剤が第1の調整タンクに添加される。いくつかの実施形態では、排水ポンプの前に、排水ポンプを大きいごみから保護するための多孔性バリアが存在する。バリアは通常、直径が0.25”より小さい開口を有している。逆浸透膜上の圧力は、圧力開放バルブ、直径が小さいパイプ(<3/8”)、またはフローリストリクタなどのフローリストリクタ(流れ制限装置)を使用して制御される。逆浸透による濃縮水は、再利用される(A)か、排出される(C)。
【
図33】
図33は、沈殿、濾過、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、および紫外線消毒を伴う6つのステップのプロセスで水が処理される、RO濃縮水を再利用する、洗濯水再利用システムの例示的P&IDを示す図である。濾過ユニットは、フィルタプレス、またはカートリッジフィルタなどの、手動で洗浄されなければならない受動ユニットである。濾過ユニットは、300ミクロン未満のサイズの孔を有している。この方法により、より高い水の回復が可能になる。いくつかの実施形態では、限外濾過膜の前に設置されたストレーナが存在する。いくつかの実施形態では、溶解した有機物を乳化するために、洗剤が第1の調整タンクに添加される。いくつかの実施形態では、排水ポンプの前に、排水ポンプを大きいごみから保護するための多孔性バリアが存在する。バリアは通常、直径が0.25”より小さい開口を有している。逆浸透膜上の圧力は、圧力解放バルブ、直径が小さいパイプ(<3/8”)、またはフローリストリクタなどのフローリストリクタを使用して制御される。逆浸透による濃縮水は、再利用される(A)か、調整タンクに戻される(B)か、排出される(C)。
【
図34】
図34は、沈殿、濾過、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、および紫外線消毒を伴う6つのステップのプロセスで水が処理される、例示的洗濯水再利用システムを示す図である。濾過ユニットは、遠心分離機、ベルトフィルタ、スピンディスク、ディスクフィルタまたはドラムフィルタなどの、固形廃棄物の自動的な廃棄および収集を可能にする能動的(active)ユニットである。濾過ユニットは、300ミクロン未満のサイズの孔を有している。濾過ユニットからの廃棄物は、濾過ユニットによって再び処理される前に、沈殿タンク内で処理され得る。この方法により、より高い水の回復が可能になる。いくつかの実施形態では、限外濾過膜の前に設置されたストレーナが存在する。いくつかの実施形態では、溶解した有機物を乳化するために、洗剤が第1の調整タンクに添加される。いくつかの実施形態では、排水ポンプの前に、排水ポンプを大きいごみから保護するための多孔性バリアが存在する。バリアは通常、直径が0.25”より小さい開口を有している。逆浸透膜上の圧力は、圧力開放バルブ、直径が小さいパイプ(<3/8”)、またはフローリストリクタなどのフローリストリクタを使用して制御される。逆浸透による濃縮水は、再利用される(A)か、調整タンクに戻される(B)か、排出される(C)。
【
図35】
図35は、沈殿、濾過、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、および紫外線消毒を伴う6つのステップのプロセスで水が処理される、例示的洗濯水再利用システムを示す図である。濾過ユニットは、遠心分離機、ベルトフィルタ、スピンディスク、ディスクフィルタ、またはドラムフィルタなどの、固形廃棄物の自動的な廃棄および収集を可能にする能動的ユニットである。濾過ユニットは、300ミクロン未満のサイズの孔を有している。濾過ユニットからの廃棄物は、濾過ユニットによって再び処理される前に、沈殿タンク内で処理され得る。この方法により、より高い水の回復が可能になる。いくつかの実施形態では、限外濾過膜の前に設置されたストレーナが存在する。いくつかの実施形態では、溶解した有機物を乳化するために、洗剤が第1の調整タンクに添加される。いくつかの実施形態では、排水ポンプの前に、排水ポンプを大きいごみから保護するための多孔性バリアが存在する。バリアは通常、直径が0.25”より小さい開口を有している。逆浸透膜上の圧力は、圧力解放バルブ、直径が小さいパイプ(<3/8”)、またはフローリストリクタなどのフローリストリクタを使用して制御される。逆浸透による濃縮水は、再利用される(A)か、調整タンクに戻される(B)か、排出される(C)。
【
図36】
図36は、プロセスの第2のステップ、濾過システムの例示的配管および器具の図である。この図は、一次用途と二次用途との両方のための水再使用タンクを有する完全な濾過システムを示している。処理の7つのステップが存在する。この7つのステップは:沈殿(図示せず)、濾過(図示せず)、(化学物質洗浄リザーバからの注入を介しての)凝固/乳化、限外濾過、逆浸透、媒体濾過、およびuv消毒である。逆浸透からの排出された物は、二次用途のために、媒体濾過および消毒ステップ(uv消毒、オゾン、または塩素消毒など)を経ることができる。二次用途には、洗浄プロセスの第1のステップとして、車、衣類、および材料を濡らすことが含まれる。水再使用二次タンクからの水の再使用はオプションである。二次用途が存在しない場合、媒体濾過および消毒のステップが除かれ、たとえ有機物除去ステップが再生利用システムの構成要素であったとしても、水が第1の有機物除去ステップの洗浄およびバックウォッシングに使用される。
【
図37】
図37は、本発明の一実施形態の水質のパフォーマンス(性能)を示す図である。平均して、総溶解固形分(TDS)の96.2%が、1722の平均濃縮水TDS濃度を有し、平均温度華氏93.8度で65.1マイクロジーメンスを有する得られた透過水とともに除去される。温度は、華氏70から110度の間である。
【
図38】
図38は、媒体濾過ベースの水の再使用のプロセスのフロー図を示している。媒体フィルタの前処理は、限外濾過と逆浸透との組合せである。限外濾過は精密濾過であるか、精密濾過の後に限外濾過がされてもよい。UV消毒ステップは、オゾン、塩素投入、または糞便の大腸菌の99.99%が不活性化されていることが証明されているか若しくは2ppmの遊離塩素を提供する他の代替的な消毒方法とすることができる。逆浸透からの透過水は、濁度が2NTU未満であることを確実とするために、継続して監視される。濁度は、総溶解固形分(TDS)を測定することによって間接的に測定され得る。
【
図39】
図39は、6か月の間にわたる洗濯水ユニットの日々のパフォーマンスを示すグラフである。濾過のパフォーマンスが、1日当たりに再利用された平均ガロンに関してプロットされ、監視の最終日にパフォーマンスに対して正規化(normalize)される。
【
図40】
図40は、3ヶ月の期間にわたってTDSによって測定された水質を示すグラフであり、線は、参考のために、平均的な水道水の品質を示している。グラフの下の表は、ウォールナットクリーク(米国の地名;Walnut Creek)、zNanoの水の濾過ユニットに関する最小、最大、平均TDSの数値、および、ウォールナットクリークの水道水と比較しての、zNanoユニットの割合の向上を示している。
【
図41A】
図41は、zNanoの前処理された廃水と処理されていない廃水との間の光学的透明度の差を示している。光学的透明度に関する値を含むグラフが、光学的透明度を比較するために使用される画像上に重ねられている。マイクロジーメンス(mS)での、各廃水流の伝導度(伝導率)の値も含まれる。
【
図41B】
図41は、zNanoの前処理された廃水と処理されていない廃水との間の光学的透明度の差を示している。光学的透明度に関する値を含むグラフが、光学的透明度を比較するために使用される画像上に重ねられている。マイクロジーメンス(mS)での、各廃水流の伝導度の値も含まれる。
【
図42】
図42は、前処理された廃水と処理されていない廃水とを精密濾過(0.1ミクロン)で濾過した際のRO濾過システムのパフォーマンスを比較する図である。廃水は、洗車からのものとした。左上には、前処理された廃水(実線)と処理されていない廃水(破線)との間の濾過速度(濾過量)の比較が示されている。右上には、圧力に対して正規化された、前処理された廃水(実線)と処理されていない廃水(破線)との間の濾過速度の比較が示されている。右下のプロットは、前処理された廃水(実線)と処理されていない廃水(破線)との透過水の総溶解固形分である。
【
図43】
図43は、UFとROとの両方を使用するシステムの特性と、ROのみを使用するユニットの特性とを比較し、
図42からの結果をまとめている。表は、
図42におけるプロットの平均を含んでいる。
【
図44】
図44は、嫌気性消化装置の廃水濾過のGFDに関してRO濾過のパフォーマンスを比較している。濾過は、交差流速100cm/sで、100psiにおいて実施した。4つの膜のサンプルが並行してテストされた。このテストにおいて使用した膜のサンプルは、3in
2の商業的に利用可能であるRO膜のサンプルとした。浄化された水が1時間の間、ベースラインテストとして濾過され、その後に廃水の濾過を行った。サンプルは20分毎に取った。RO濾過において使用した、予め濾過された嫌気性消化装置の廃水は、2つの異なる方法で用意した。一方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過を伴うものとした。他方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過と、それに次ぐ100kのMWCOのPES膜を通る濾過を伴うものとした。
【
図45】
図45は、嫌気性消化装置の廃水濾過のファウリング率(ファウリング速度;fouling rate)に関するRO濾過のパフォーマンスを比較している。濾過は、交差流速100cm/sで、100psiにおいて実施した。4つの膜のサンプルを並行してテストした。このテストにおいて使用した膜のサンプルは、3in
2の商業的に利用可能であるRO膜のサンプルとした。浄化された水を1時間の間、ベースラインテストとして濾過し、その後に廃水の濾過を行った。サンプルは20分毎に取った。RO濾過において使用した、予め濾過された嫌気性消化装置の廃水は、2つの異なる方法で用意した。一方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過を伴うものとした。他方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過と、それに次ぐ100kのMWCOのPES膜を通る濾過を伴うものとした。ファウリング率は、20分のフラックスに対する各サンプリング時におけるフラックスを正規化することによって決定される。
【
図46】
図46は、RO膜の純水のフラックスに対して比較したRO濾過のパフォーマンスをまとめた表である。濾過は、交差流速100cm/sで、100psiにおいて実施した。4つの膜のサンプルを並行してテストした。このテストにおいて使用した膜のサンプルは、3in
2の商業的に利用可能であるRO膜のサンプルとした。浄化された水を1時間の間、ベースラインテストとして濾過し、その後に廃水の濾過を行った。サンプルは20分毎に取った。RO濾過において使用した、予め濾過された嫌気性消化装置の廃水は、2つの異なる方法で用意した。一方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過を伴うものとした。他方の方法は、0.2μmのPES膜を通る濾過と、それに次ぐ100kのMWCOのPES膜を通る濾過を伴うものとした。ファウリング率は、20分のフラックスに対する各サンプリング時におけるフラックスを正規化することによって決定される。
【
図47】
図47は、廃水(「濃縮水」)、再利用水(「透過水」)、および水道水の温度を比較するグラフである。水道水は、カリフォルニアのサクラメントにおけるテストに基づいて見積もられた値である。廃水は、水の再利用プロセスを通してその温度が維持され、それにより、再利用水が、水道水よりも温かい華氏20度超であるようになっている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、以下の用語は以下のように定義される。
【0009】
「両親媒性物質」は、溶媒を好むドメインと溶媒を排除するドメインとの両方を有した分子を意味する。
【0010】
「界面活性剤」は、親水性の少なくとも1つのドメインと、疎水性の少なくとも1つのドメインとを有する両親媒性物質の種類を意味する。界面活性剤とともに動作するように構成されたシステムは、すべての両親媒性物質でも動作することが最も見込まれ得る。
【0011】
「メソフェーズ(中間相;Mesophase)」は、1つまたは複数の溶媒と1つまたは複数の界面活性剤との間の相互作用によって形成された界面活性剤の液晶構造を意味している。
【0012】
「安定化した界面活性剤のメソ構造」は、溶媒の除去の後にその構造を維持するメソフェーズを意味している。
【0013】
「中空ファイバ膜」は、中空孔の筒状構造を意味している。この材料は、多孔性であることを除いてストローに類似している。この材料は通常、水の分離に使用される。
【0014】
「膜/半透膜」は、特定のクラスのイオン、分子、タンパク質、エンザイム、ウイルス、細胞、コロイド、および/または他のクラスからの粒子を分離するために使用される材料を意味している。膜/半透膜は、溶媒(たとえば水)に対しては透過性であり、すべてまたはいくつかの溶質(たとえばNaCl)に対しては非透過性である。
【0015】
「浸透圧」は、理想気体の法則によって近似された混合物の圧力を意味している。
【0016】
「浸透」は、半透膜が2つの水の体積を分離する場合で、一方の体積はより高い浸透圧を有している場合に、水が半透膜を通過するプロセスを意味している。
【0017】
「逆浸透」または「RO」は、ゼロより大きい浸透圧を、塩と水とを分離するのに使用するプロセスを意味している。
【0018】
「正浸透」または「FO」は、水のフラックスを形成するために浸透勾配を使用するプロセスを意味している。
【0019】
「エマルジョン」は、水、少なくとも1つの両親媒性物質、および油を含む溶液を意味している。
【0020】
「フィルタ」は、溶液から溶質を除去するために使用される材料を意味しており、限定されないが、膜、精密濾過フィルタまたは精密濾過膜、限外濾過フィルタまたは限外濾過膜、逆浸透フィルタまたは逆浸透膜、正浸透フィルタまたは正浸透膜、中空ファイバ膜、および半透膜を含む。
【0021】
「全浮遊固形物」は、0.2ミクロン(またはそれ未満)の濾過によって除去された固形物を意味している。
【0022】
「逆フラックスカーブ」は、印加される圧力の増大の結果としての、膜のフラックスの低下を意味している。
【0023】
「固形物(固体)セパレータ」は、サイズが4.99ミクロンより大きい粒子を除去するために使用される水処理デバイスを意味している。
【0024】
「遠心フィルタ」は、遠心力を使用する固形物セパレータを意味している。
【0025】
「スピンディスクフィルタ」は、それ自体を洗浄するためにスピンするプラスチック製濾過ディスクを使用する固形物セパレータを意味している。スピンディスクフィルタは、ディスクフィルタとは同じではない。
【0026】
「ドラムフィルタ」は、ウォータジェットと組み合わせてドラムを使用する固形物セパレータを意味している。
【0027】
「フィルタプレス」は、機械的圧力下にあるフィルタを使用する固形物セパレータを意味している。
【0028】
「ディスクフィルタ」は、機械的圧力下にあるフィルタディスクを使用する固形物セパレータである。
【0029】
「精密濾過」または「MF」は、孔の平均サイズが0.1から0.2ミクロンの間である膜を使用した濾過を意味している。
【0030】
「限外濾過」または「UF」は、5kダルトンから250kダルトンの間の分子の重量の削減がされる膜を使用した濾過を意味している。
【0031】
「臨界ミセル濃度」は、その濃度より上においては、界面活性剤がメソ構造を形成する濃度を意味している。
【0032】
「エマルジョン」は、有機物、分子、タンパク質、固形物、細胞、ウイルスなどの、溶融しにくい浮遊固形物および/または溶解した固形物に凝固された界面活性剤で構成されたミセルを意味している。
【0033】
「触媒酸化」は、一重項分子状酸素、過酸化水素、および/またはオゾンなどの、接触酸素供給源を添加することにより、水の中の有機物の溶質を処理するプロセスを意味している。
【0034】
「UV−オゾン」は、UV光ならびに、水中および/または空気中の酸素を使用してオゾンが形成される触媒酸化プロセスを意味している。
【0035】
「電気−オゾン」は、電解ならびに、水中および/または空気中の酸素を使用してオゾンが形成される触媒酸化プロセスを意味している。
【0036】
「塩素処理」は、固体または液体の塩素が廃水に添加される殺菌プロセスを意味している。
【0037】
「嫌気性消化」は、バクテリアが、廃水内に存在する有機物を処理できるように、廃水から酸素を除去するプロセスを意味している。
【0038】
水の再生、濾過、および戻し(return)プロセスの水再使用用途
本発明の実施形態には、再使用用途のための任意の用途からの廃水を処理するためのプラットフォーム処理システムが含まれる。このシステムはオプションで以下のシステム:洗濯廃水再利用のための膜ベースの洗浄水再利用システム、洗車の廃水の再利用システム、ワインの水の再利用システム、ビールの廃水の再利用システム、日常の水の再利用システム、部品の洗浄システム;生物学的消化の廃水、冷却およびボイラのための膜ベースの廃水の再利用システム;部品、タンク、車、衣類などの洗浄からの廃水の膜ベースの再利用システムの内の1つを備えるか、または、オプションで廃棄物がさらに処理され、かつ/または他の用途に使用される、再生、濾過、および再使用を含む水の再利用のためのシステムおよびプロセスを備える。このシステムは、好ましくは、3つのサブシステム:再生サブシステムと、濾過サブシステムと、戻しサブシステムと、を備えている。再生サブシステムは、廃水が濾過サブシステムおよび戻しサブシステムに入ることを防止する。廃水が濾過サブシステムおよび戻しサブシステムに入ると、(i)それらシステムが適切に作動することが妨げられ得、(ii)それらシステムに損傷を与え得、(iii)それらシステムによって処理されないか処理され得ず、または、(iv)再使用から処理されることが法律上認められない。処理することができない廃水の例には、酸化電位が500mV超である廃水、2ppm超である遊離塩素を含む廃水、直径が1”より大きい粒子を含む廃水、または、シャツの襟の芯、ボタン、および/もしくはハンガを含む廃水が含まれる。廃水の処理の困難性には、華氏105度を超える廃水、または、汚水発生源(動物の廃棄物を含む)からの廃水が含まれる。汚水の例には、トイレ、シンク、およびキッチンからの下水(sewage)が含まれる。洗濯廃水の処理に関して、このことは好ましくは、4つの構成要素を使用して達成される。第1の1つまたは複数のタンクが洗濯機の排水管の下に配置される。タンクは好ましくは、別のタンク、または排水管のいずれかに排水する。複数のタンクが共に繋がっている場合、最も下のタンクが好ましくは、排水管を有するように備えている。ポンプは好ましくは、タンクまたは(複数のタンクが共に繋がっている場合には)複数のタンクの最も低い場所に配置される。ポンプは、限定されないが、排水ポンプ、放流ポンプ、下水ポンプ、または井戸ポンプとすることができる。ポンプは、メッシュ、ストレーナ、および/またはフィルタスクリーンにより、ブラジャのワイヤ、ボタン、襟の芯などの大きい物体から保護され得る。保護バリアのための開口のサイズは、好ましくは、0.04インチ(1.016mm)より大きく、かつ、2インチ(50.8mm)未満である。ポンプは、廃水の品質を測定する1つまたは複数のプローブに繋がれ得る。プローブは、水の伝導度、濁度、イオン濃度、酸化電位、濁度、および/または他のパラメータを継続的に測定することができる。代替的には、廃水は、システムの作動要求を満たすように処理され得る。例では、二亜硫酸ナトリウム(メタ重亜硫酸ナトリウム)などの酸化防止剤を投入することにより、酸化電位が500mV未満に低減され、熱交換器を使用して温度が低減され、(バクテリアおよびウイルスなどの)生物学剤が2つのステップの酸化および酸化中和プロセスを介して中和され得る。本発明では、伝導度が濁度の間接的測定として使用され得ることを示す、濁度と電気伝導度との相関関係を示す。
【0039】
本発明の実施形態には、孔が300ミクロン未満かつ5ミクロンより大きい濾過ステップを使用しての逆浸透膜に関する前処理が含まれている。このため、この前処理の後に、膜の孔のサイズが精密濾過膜および/または限外濾過膜の孔のサイズであり(精密濾過と限外濾過の孔のサイズは重複する場合がある)、かつ、膜の構成が筒状膜、中空ファイバ膜(内側から外側へおよび外側から内側への両方)、または、貫通チャネルスペーサを有するフラットシートの膜である、膜の処理ステップが行われることが好ましい。膜は、好ましくは、膜を横切る圧力差(膜の両側での圧力差)が5.0から50psiの間で作動することが好ましい。膜は、好ましくは、バックフラッシング(backflushing)、バックウォッシング、フォワードフラッシング(forward flushing)、およびフォワードウォッシング(forward washing)の組合せによって洗浄される。一定の間隔で、定置洗浄(CIP)プロトコルのために、膜が動作から外されることが好ましい。CIPでは優先的に、膜を洗浄するために過酸化水素が使用される。
【0040】
本発明は好ましくは、廃水の再生、濾過、および再使用のための3つのステップのプロセスを含んでいる。プロセスからの高濃度の廃水は、処分されるか、代替的方法を使用して処理され得る。望ましい代替的方法には、酸化、生物学的処理、電気的透析、漉し、および濾過が含まれる。代替的処理の目的は、限定はされないが、水がプロセスにフィードバックされ得るよう水を処理すること、他の用途に使用されるよう水を貯蔵および/または処理すること、高濃度の廃棄物が廃棄物の処理に許容可能および/または廃棄物を処理することであるよう水を処理すること、である。たとえば、代替的処理は蒸留プロセスであってもよい。たとえば、代替的処理は、大きい固形物が下水管に入ることを防止するストレーナバッグであってもよい。
図1は、廃水の再生、濾過、および戻しに使用される3つのシステム、ならびに代替的な処理のプロセスのフロー図を含んでいる。このNUF+RO(ナノ限外濾過プラス逆浸透)システムは、好ましくは、システムのフットプリント(設置面積)を最小化し、それにより、輸送費を低減する。直接的な利点は、特定用途のために廃水を再使用することにより、真水または水道水を節約することである。間接的な利点は、処理された廃水と、真水または水道水との間の物理的特性の差異である。これら物理的特性には、限定されないが、温度、pH、アルカリ度、硬度、洗剤濃度が含まれる。通常、廃水の発生源は、それら物理的特性の1つまたは複数を達成するために、真水または水道水を処理している。処理された廃水を再使用することにより、エネルギ、化学物質、および設備費が低減され得、この理由は、その水が理想的作動条件に近いためである。これら物理的特性は、用途特有のものであり、限定されないが、既存の飲料水処理および/または調整設備の除去または低減の能力を含んでおり、この理由は、再使用水がすでにこの設備によって処理および/または調整されているためである。そのような設備は、化学物質、または化学物質を投入する設備を含んでおり、水の軟水化、水の酸化、pH調整、ならびに、水溶性ワックスおよび/または洗剤などの化学物質の追加を含み得る。
【0041】
本発明に関連する特定の水の再使用用途には、限定されないが、洗車廃水、洗濯廃水、家庭雑廃水および汚水のリサイクル、が含まれる。家庭雑廃水は、腐敗しにくい廃水である。汚水はすべて廃水であり、家庭雑廃水は汚水のサブセット(一部、下位概念)である。本発明による処理の後には、流入水の約10%から90%が、飲料水に匹敵するか、飲料水に比べて総溶解固形分が少なく、消毒済み三次処理廃水の基準を満たし、かつ、一次用途に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、残りの水は消毒済み三次処理廃水の基準を満たし、二次用途に使用することができる。洗濯の用途に使用される場合、本発明により、洗濯洗剤の消費を約10%から90%低減することができ、水の加熱の要請を約10%から90%低減することができる。洗濯における一次的な水の用途はすべて、第1のサイクルの後の洗浄サイクルである。洗濯における二次用途は、第1の洗浄サイクルである。この理由は、二次用途の水における界面活性剤の濃度は一次用途より高いためである。同様に、洗車の用途では、一次的な水の用途は、最終的な車の洗浄と化学物質の混合である。二次的な水の用途は、車とホイールの洗浄の準備である。一次用途の水は常に、二次用途に使用され得る。一次的および二次的な水の他の用途には、トイレのフラッシング(洗い流し、水洗;flushing)、灌漑、レクリエーションのためではない貯水、および冷却が含まれる。
図2と
図3とは両方とも、残りの図に関して重要である配管および機器を示している。
【0042】
図17は、一般的な洗車の水の使用を示している。
図18に示すように、本発明の実施形態は、スポットフリー濯ぎ水を提供するために、水道水を使用する代わりに水を再使用する、スポットフリー再使用水処理システムである。洗車準備ステップは、洗車プロセスの第1のステップであり、車が濡らされ、大きなゴミが除去される。水道水は通常、このステップに使用される。洗車洗浄ステップは、洗車プロセスの中間ステップであり、再使用水によって車が洗浄される。洗車の再使用水は、洗車のプロセスの全ステップから収集された水であり、洗車濯ぎステップにおいて再使用される。洗車濯ぎステップは洗車の最後のステップであり、水道水またはスポットフリーの水が車の濯ぎに使用される。スポットフリー濯ぎ水は、逆浸透によって提供された、軟水化された水である。スポットフリー濯ぎ廃水は、1ガロンのスポットフリー濯ぎ水を作る際に生成される、約0.8から1.0ガロンの廃水である。z−スポットフリー再使用水は、zNanoプロセスを使用する再使用水から生成されたスポットフリー濯ぎ水である。したがって、水の消費ステップは水の節約技術となり、水のコストを毎年25000ドルも節約する。
【0043】
本システムの実施形態の再生セクションは、好ましくは、以下の1つまたは複数を含む:1つまたは複数のフィルタ;ポンプの前のフィルタは300ミクロン以上である;ポンプの後のフィルタは100ミクロン以下である;および、再生タンク内の水を、再生タンクの水が除去される前に、24時間未満の間、より好ましくは12時間未満の間、さらにより好ましくは6時間未満の間、さらにより好ましくは2時間未満の間出す。
【0044】
図4は、水の再生システムの実施形態の各ステップのプロセスのフロー図を含んでいる。この第1のステップは、二つの機能の沈殿負荷調整タンク内の水を取り込むことである。廃水が空気中を通って落ちることにより、廃水が酸化することが許容される。いくつかのプロセスでは、廃水の提供は断続的である。たとえば、洗濯機は、毎サイクルの終了時、大まかには、10から20分毎にのみ廃水を提供する。洗車により、1分間オンとなるのに対して3分間オフとなる推定割合で、車がアーチの下に入る毎に廃水が提供される。さらに、プロセス内の様々なステップにより、様々な量の水が必要とされ得る。調整タンクは、各生成イベント間に、廃水の全体積を貯蔵する。廃水の貯蔵は好ましい、なぜなら、濾過速度が、イベント毎の水の体積をイベントの時間の長さで割った速度(量)の代わりに、イベント毎の水の体積をイベント間の時間で割った速度(量)を満たすか、それを超えることのみ必要であるため、廃水の貯蔵により、濾過ステップの費用が最小化されるからである。たとえば、洗濯機は10分毎のサイクルで10ガロンの廃水を提供し得、調整タンクを有する、毎分1ガロンの濾過システムを必要とする。調整タンクがなければ、洗濯機には毎分10ガロンのシステムが必要になる。沈殿調整タンクは好ましくは、オーバーフロー排水管、および、よどんだ水の蓄積を防止するために、底部に、常に開いているフル排水部(フル排水管、フルドレイン)を備えている。
【0045】
廃水取込タンクのいくつかの異なるスタイルが存在する。
図5は、プロセスのフロー図を含んでおり、
図6は、沈殿調整タンクの様々な構成の選択肢の配管および機器の図を含んでいる。沈殿調整タンクは、
図5および6の選択肢1のように、下水管ラインから水を収集するように繋げられ得る。このことは、汚水用途に典型的であるが、これらには限定されない。
図5および6の選択肢2は、廃水を捕捉する用途の下層の沈殿調整タンクである。このことは、限定はされないが、洗車の用途に典型的である。
図5および6の選択肢3は、用途の下に繋げられた地上タンクである。このことは、限定はされないが、重力による排水が一般的である洗濯の用途に典型的である。
【0046】
大きい粒子および物体は、沈殿調整タンク内で沈殿する。洗濯の用途では、これら物体には、シャツのタグ、ボタン、およびブラジャのワイヤが含まれ得る。洗車の用途では、これら物体には、土および車の部品が含まれ得る。汚水の用途では、これら固形物には、糞便およびトイレットペーパが含まれ得る。
図4に示すように、沈殿調整タンク内には、0.1”から2”の間の開口を有するストレーナが存在し得る。このストレーナにより、沈殿しなかった大きい物体がポンプに流入することが防止される。ポンプは、沈殿した固形物がポンプ内に入るのを低減するために、沈殿調整タンクの底部から持ち上げられていてもよい。ポンプは、限定ではないが、井戸ポンプ、自給ポンプ、放流ポンプ、排水ポンプ、または下水ポンプとすることができる。ポンプは、フロートスイッチまたはレベルスイッチによって制御することができる。ポンプは、貯蔵タンクまたは処理タンクに繋げることができる。有害な水が濾過システムに入ることを防止するために、オプションのメータをポンプに取り付けることができる。有害な水が濾過システムに入ることを防止するために、オプションのメータを処理タンクに取り付けることができる。このメータは、塩素濃度、酸化還元電位、pH、電気伝導度、温度、濁度、および/または他のパラメータを測定することができる。処理には、(たとえば、殺菌のための)酸化、(たとえば、濾過システムを保護するための)酸化防止剤、および/または(濾過システムを保護するための)熱交換器/冷却器の追加が含まれ得る。濾過システムを損傷させ得る廃水には、高コロニ形成単位(CFU)数、600mVを超える酸化還元電位、1ppmを超える塩素濃度、華氏113度を超える温度、11を超えるpH、および/または2未満のpHを有する汚水含む廃水が含まれ得る。メータは、ポンプをオフとするか、廃水を許容可能なレベルにする処理プロセスに関わり得る。処理の選択肢の例には、廃水の殺菌のための塩素もしくは同等の酸化剤の追加、廃水内の酸化剤および/もしくは廃水を殺菌するために追加された酸化剤を除去するための二亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤の追加、pHを7.0に調整するための酸もしくは塩基の追加、水の温度を下げるための熱交換器の使用、ならびに/または、廃水の温度を下げるための水道水の追加が含まれる。
【0047】
ポンプは好ましくは、濾過ステップにおいて、フィルタ、ストレーナ、機械式凝集沈殿装置、精密濾過膜、限外濾過膜、スピンディスクを通過させるように、廃水を加圧する。スピンディスクによる濾過は、洗濯システムにおける糸くずの除去について、好ましい。スピンディスクは通常、サイズが約32ミクロンまたは約60ミクロンの孔を有している。洗車の用途のためには、遠心固形物セパレータが好ましい。固形物セパレータにはストレーナが組み込まれている場合があり、好ましくは、サイズが約75ミクロンまたは約5ミクロンの開口を有している。
図7に示すようなチェックバルブにより、排水ポンプがオフとなる場合に、沈殿調整タンク内への水の逆流が防止される。チェックバルブがなければ、ポンプが水レベルセンサによって制御されている場合、水の逆流によりポンプが再び始動させられ得る。フィルタの孔のサイズは、約0.001ミクロンから1000ミクロンの間とすることができる。連続しての2つ以上の濾過ステップが存在してもよい。フィルタは、プリーツ(襞)フィルタ、バッグ(bag)フィルタ、カートリッジフィルタ、または別のタイプのフィルタを備え得る。ストレーナは、セルフクリーニング(自己洗浄)するようにしてもよい。フィルタが限外濾過膜または精密濾過膜である場合、渦巻き構成、プレートおよびフレームの構成、中空ファイバ構成、ならびに/または浸水構成では、バックウォッシュされ得る。膜の孔のサイズは、分画分子量(MWCO)で評価することができる。MWCOは、約1,000ダルトン程度の低さとすることができる。洗濯の用途のために、フィルタは、濾過ステップにおける第1の膜と第1のポンプとの両方の要求に応じて、糸くずを透過可能とするか、透過不可能とすることができる。糸くずを透過可能であるフィルタは、約300ミクロンより大きい開口または孔を有している。糸くずを透過不可能であるフィルタは、約300ミクロン未満である開口または孔を有している。
【0048】
濾過ステップにおける孔のサイズが十分に小さい場合(通常、0.2ミクロン以下)、この孔のサイズにより、濾過システム内の有機物およびエマルジョン除去ステップの必要性が除去される。フィルタは機械的に洗浄されるか、化学的に洗浄されるか、またはそれらの両方とすることができる。洗浄は、時間または流入圧力に応じて能動的に開始され得る。洗浄は、濾過ステップで排水され、濾過ステップが手で洗浄される受動洗浄にもすることができる。濾過ステップは、透過性がほとんどなくなった場合の濾過ステップの過剰な加圧を防止するために、流れ戻しラインを有する。濾過ステップは、フィルタハウジングの容易な洗浄を可能にするための受動的または能動的のいずれかの排水管を有し得る。濾過ステップの後に、水は調整タンク内に貯蔵される。圧力は、好ましくはポンプ動作の制御にひも付け(連動)された能動的制御(すなわち、タンクが満杯である場合、ポンプがオフになる)によって、または、沈殿調整タンクへの受動的水戻しラインによって、調整タンク内に蓄積することが防止される。能動的制御により、濾過ステップの洗浄の頻度が低減されるため、能動的制御がより好ましい。ポンプが調整タンクから長距離に位置している場合があるため、受動的制御がより実現可能である。能動的制御は、限定されないが、圧力センサおよびレベルセンサを含み得る。調整タンクも、洗浄を可能にし、よどんだ水を除去するために、能動的または受動的フル排水バルブを含み得る。
【0049】
調整タンクは好ましくは、膜を洗浄するのに使用される洗浄水を再利用するために使用される溶液のためのフィルタ洗浄ラインと、膜の洗浄の間、調整タンクを満たすための、ポンプ供給の消毒済み三次再利用水の一次または二次ラインと、消毒済み三次再利用水の二次タンク内に圧力が蓄積することを防止するための、消毒済み三次再利用水の二次タンクからのオプションの受動的オーバーフローラインとを備えている。受動的オーバーフローラインは、
図7に示されているように、調整タンクの代わりに沈殿調整タンクに繋がっていてもよい。調整タンクからの、濾過システムへの供給が存在することになる。濾過システムからのセンサは、調整タンク内に水が存在している場合を測定するために、調整タンクに接続されるか、調整タンクに直接接続しているパイプに接続される。このセンサは、限定されないが、レベルセンサまたは圧力センサとすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、濁度の要求が間接的な測定を介して満たされる。そのような間接的測定値の1つは、電気伝導度であり、この理由は、濁度の除去と電気伝導度の除去とが相関関係にあるためである。間接的測定は、一次用途と二次用途との両方に使用され得る。一次用途に関する電気伝導度の除去は通常、約40%から90%の間である。二次用途に関する電気伝導度の除去は通常、約5%から25%の間である。一次用途および二次用途の水は、好ましくは、調整タンク内に貯蔵される。これらタンクは、再生水に使用される調整タンクと同じ利点を有する。これらタンクからの水は、オンデマンドのポンプ(圧力スイッチにより制御される)および自動制御バルブを使用して洗浄のために使用され得る。
【0050】
濾過ステップの処理のフロー図が
図8に含まれており、配管および機器の図が
図9に含まれている。具体的には、再生システムからの濾過された水が濾過システムに渡される。再生システムのセンサは、好ましくは、第1のステージ、エマルジョンポンプを制御するためのフィルタへの再生水が存在することを示す。水は次いで、有機物およびエマルジョン除去ステージによって濾過される。このステージでは、固形物、いくつかの有機物、およびエマルジョンオイルが除去される。このステージは、好ましくは、膜を含んでいる。この膜は、好ましくは、限外濾過膜または精密濾過膜である。このステージの孔のサイズは、約1.0nmから300nmの間のいずれか、または約1.0nmおよび300nmと等しくすることができる。孔のサイズはMWCOとして測定され得る。MWCOは、約300MWCOと1,000,0000MWCOとの間のいずれかとすることができる。この膜は、好ましくは、バックウォッシュ可能である。膜の構成が渦巻き要素を備えている場合、スペーサは、好ましくは、二平面(バイプレーナ;biplanar)であるか、貫通チャネルを備えている。再生ステージにおけるフィルタが、孔のサイズの仕様が約1nm以上かつ約300nm以下であることを満たす精密濾過膜か限外濾過膜である場合、ポンプと膜のいずれも通常は必要とされない。再生ステージにおけるフィルタが、孔のサイズの仕様が300MWCO以上かつ1,000,000MWCO以下であることを満たす精密濾過膜か限外濾過膜である場合、ポンプと膜のいずれも通常は必要とされない。
【0051】
有機物およびエマルジョン除去ステージは、好ましくは、膜のバックウォッシュと洗浄との両方の能動的制御を含む。有機物およびエマルジョン除去ステップの洗浄は、好ましくは、そのステップの前の圧力センサ、そのステップの後ろの流量センサ、そのステップからの濃縮水の流量センサ、そのステップからの透過水の圧力センサ、および/またはタイマによって制御される。膜は、好ましくは、二次用途の水によってバックウォッシュおよび洗浄されるが、この理由は、二次用途の水が、洗浄プロセスを向上させる非結合界面活性剤(unbound surfactant)を含むとともに一次用途の水よりも用途が少ないためである。再生システムの濾過ステップの孔のサイズが有機物およびエマルジョンの除去の基準を満たしているために、有機物およびエマルジョン除去ステージが存在しない場合、二次用途の水が、好ましくは、再生プロセスの濾過ステップの洗浄に使用される。この場合、再生プロセスにおける濾過ステップは濾過システム内の有機物およびエマルジョン除去ステージに記載のものと同じバルブすべてを含み得る。有機物およびエマルジョン除去ステージは、洗浄水を調整タンクに戻して再循環させるための、および、オフラインでの洗浄のために洗浄水を調整タンクから排水するための手動バルブおよび/または自動バルブを有している。洗車用途のために、酸化剤または、ブトキシエタノール、イソプロパノール、または同様の分子を含むディグリーザ(脱脂剤)などのワックスを溶解する他の化学物質が、ワックスの除去を向上させるために、洗浄水に加えられ得る。洗濯の用途では、衣類の洗浄に使用される洗剤が、膜の洗浄を向上させるために、洗浄水に加えられ得る。
【0052】
好ましくは、有機物およびエマルジョン除去ステージと、有機物およびエマルジョン除去ステージが洗浄されている場合に閉じる逆浸透ポンプとの間に、自動制御バルブが存在する。濾過中はこのバルブは開いている。逆浸透ポンプは、好ましくは、有機物およびエマルジョン除去ステージからの透過液パイプ上の圧力スイッチまたはフロースイッチによって制御される。ステージ間の圧力は、圧力解放バルブを含むことにより、制限され得る。その場合、その水は収集され、二次用途の水で処理され得る。有機物およびエマルジョン除去ステージが再生システムの一部である場合、圧力スイッチは再生システムからの透過液パイプ上にある。逆浸透ポンプにより、水が、好ましくは120から300psiの間に加圧される。水は、逆浸透圧力容器内の、かん水薄フィルム複合逆浸透膜渦巻き要素に流入する。圧力容器は、オフライン洗浄のための洗浄水の再循環および排水を可能にする手動バルブを有している。オフライン洗浄は、洗濯用途のために酸およびいくつかの界面活性剤とともに優先的に実施される。
【0053】
逆浸透膜は、好ましくは、供給水の10%から90%が回復される。回復量を増大させるために、逆浸透ステップからの濃縮水が再利用され得る。逆浸透プロセスの圧力を制御するために、圧力解放バルブが
図9に示すように使用され得る。逆浸透膜は、水の回復量を増大させるために、クリスマスツリーの構成に繋げることができる。
図10に示すように、洗濯プロセスからの透過水は、ほとんどいつでも、
約300ppm未満の総溶解固形分を含んでおり、かつ、平均して、
約200ppm未満の総溶解固形分(TDS)を含んでいる。通常は、供給水は、約450ppmから1000ppmの間であった。浸透におけるTDSのより高い濃度は、通常、有機物およびエマルジョン除去ステップにおけるファウリング(汚染、付着、堆積;fouling)を示している。TDSメータは、供給水のTDSが、濾過液のTDSとほぼ等しいか又は20%超であるべきであるステップのファウリングを監視するのに使用される。膜の洗浄は、好ましくは、透過液において測定されたTDS、および/または、供給水のTDSに対する透過液のTDSの割合によって制御される。TDSレベルが許容不可能、通常は300ppmを超えた場合、逆浸透膜が好ましくは自動的に、一次用途の水でフラッシュ(水洗)され、有機物およびエマルジョン除去ステップが二次用途の水でバックウォッシュされる。オプションのステップは、二次用途のための濃縮水を処理することためのものである。さらに、逆浸透ステップからの水の平均温度は、通常、洗濯の用途においては摂氏32度である。同じ期間にわたって、水道水が摂氏21度であったため、洗濯用途のために透過水を摂氏35度より上に加熱する必要がないことから、エネルギが節約される。表1は、濾過の各ステージの後の水の濁度の測定値を示している。水道水の濁度は比較のために載せている。表1に示すように、
透過液の濁度は2NTU未満であり、これは、このため、洗濯用途において水が媒体ベッド(媒体層)を通して濾過された場合の、消毒済み三次再利用水に関する、カリフォルニアの再使用の水の要件を満たしている。
【0055】
図8および9には、洗濯用途におけるその要件を満たすために、逆浸透ステップの後の媒体ベッドフィルタが存在する。水のメータは、好ましくは、水が一次用途の再使用の要件、具体的には、たとえば、洗濯プロセス、洗車プロセス、冷却、貯水、または洗浄の任意の部分を満たすことを確実にする。そのメータは、TDS、濁度、温度、pH、流量、または任意の他の水質のパラメータを測定し得る。表ではNUFという名称が付されている、有機物およびエマルジョン除去ステップからの水は、この要件を満たしておらず、その水が二次用途のために使用されるのに十分に濁度を除去するために、それに続く処理を必要とする場合がある。そのオプションの処理は、好ましくは、媒体ベッドを備え、好ましくは、活性炭を含んでいる。水のメータは、水が二次用途の再使用の要件を満たしていることを確実にする。二次的な再使用用途には、トイレのフラッシング、冷却、洗濯のための洗浄サイクル、洗車のための洗浄サイクル、洗車のための前処理噴霧器、および、噴水などの水の貯蔵が含まれる。そのメータは、TDS、濁度、温度、pH、流量、または任意の他の水質のパラメータを測定し得る。有機物およびエマルジョン除去ステップからの水は、有機物およびエマルジョン除去ステップを洗浄するために使用されるさらなる処理を必要としない。一次用途と二次用途との両方のために、水が使用される前に水を消毒する必要がある。そのステップは、
図8および9に示すように、定量ポンプを介しての紫外光、オゾン、または化学的酸化とすることができる。このシステムは、停止されると、好ましくは、両方の濾過ステップを自動的に洗浄し、プロセスに消毒ステップが含まれていない場合、二次用途の再使用水を排水してもよい。すべての排水管は、好ましくは、サイフォンを分割するためのエアベントを有している。エアベントは、好ましくは、臭いを防止するために、天井または外部に繋がっている。洗濯用途において、透過水のより高いpHと水の硬度の除去により、透過水が洗剤に対してより反応するようになる。
図11は、水道水および透過(濾過された)水の洗剤での滴定を示している。データは下記の表2に示している。透過水は、水道水に比べ、約75%低い重量割合の洗剤を使用して10のpHが得られた。pH調整が洗剤の特徴であるため、このことが、洗濯用途の洗剤の要請が75%まで低減され得たことを示している。有機物およびエマルジョン除去ステップからの濾過された水のより高い濁度により、最大で10%までの非結合界面活性剤の回復が暗示されている。非結合界面活性剤は、プロセスにおける洗剤の要求を低減するために、さらに利用され得る。
【0057】
流出水の総溶解固形分(TDS)は、濾過プロセスが適切に機能していることを確実にするために、継続的に監視される。TDSは、濁度よりも高い基準である。消毒済み三次再利用水のTDSは、どの時点においても200ppm未満となる。サンノゼ(米国の地名;San Jose)の水道水の平均TDSは、水の供給源に応じて、220から422の間である(以下の表3に示す、2012 Water Quality Report, San Jose Water Company)。予備試験では、本システムが、水のTDSが200ppm未満である場合に、濁度が2.0NTU未満である水を提供したことを示した。
【0059】
以下は、濾過された水が平均的な水道水のTDSよりも低いTDSを有する必要があることが、消毒済み三次再利用水に必要とされる基準よりも高い基準であることを示すデータである。消毒済み三次再利用水に関する濁度の要求は、2.0NTU未満である。表4のデータは、水道水の濁度(NTU)が0.3NTU未満であることを示している(2012 Water Quality Report, San Jose Water Company)。対照的に、システムは、TDSが200ppm未満である場合にのみ水を再利用する。サンノゼの平均的な水道水は、供給源に応じて220、279、または422ppmの平均TDSを有している。このデータは、消毒済み三次再利用水に対する要求が水道水ほど厳格ではないことを示している。したがって、濾過プロセスによって提供される水に対する基準が水道水よりも高い場合、濾過プロセスに対する基準が消毒済み三次再利用水に関する濁度の要求よりも高い。
【0061】
図12は、一次用途と二次用途の両方に関する戻しシステムのプロセスのフロー図である。水は、調整タンクから非飲料水ラインへの水を過剰に加圧するポンプを介して所望の用途に戻される。初期設定では、水が再使用に十分な品質ではない場合、非水道水ラインが汚染されるのを防止するために、調整タンクと非水道水ラインとを接続するバルブは閉じられている。水のメータは、好ましくは、システムのパフォーマンスを測定し、リークを示し得るフィードバックを提供するのに使用される。一次用途のタンクが満杯である場合、好ましくは、信号が、停止するために濾過システムに送られる。水のレベルが一次用途のタンクにおいて、フロートスイッチまたはレベルメータを介して測定される。一次タンクには3つのレベルスイッチが存在する。最も高いレベルは満杯のレベルであり、これにより、システムが停止される。中間のレベルは用途の準備であり、これにより、通常は閉じられている制御バルブが開かれる。底のレベルは空であり、これにより、システムを止めるか、非飲料水ラインからの水でタンクを満たすために、バルブが開かれる。二次用途のタンクは、同じフロートスイッチを有するが、最も高いフロートスイッチは、好ましくは、濾過システムをオフにしない。その代わりに、部分的にタンクの排水をするか、何もしない。非飲料水ラインに入る飲料水は、好ましくは、飲料水ラインのクロスコンタミネーションを防止するために、
図12および13に記載するようなダブルチェックバルブ逆流防止デバイスを通る。本発明の最終ステップは、化学物質の追加、洗剤の追加、水の軟水化、および/または酸化剤の追加などの特定用途の水の処理であり得、一次または二次用途の水をその特定用途に適するようにすることができる。最終ステップは、流量センサ、圧力センサ、またはメータによって制御され得る。
図14は、15日の期間にわたって洗濯水をリサイクルした、本発明からの水の再使用データのプロットを示している。再使用水はすべて、TDSが300ppm未満であった。一次または二次用途のいずれかのための水が再使用のための要件を満たさない場合、アラームが起動し、水が自動的に排水管に排出される。アラームは、好ましくは、手動でリセットされる。
【0062】
本発明の実施形態は、好ましくは、膜のバイオリアクタを使用する必要なく、良好に動作する。本発明の実施形態は、好ましくは、洗浄剤および洗剤の投入量を制御するために、圧力フィードバックの使用を含んでいる。本発明の実施形態は、好ましくは、本明細書に記載のように、廃水、汚水などを良好に洗浄および再使用することができる媒体フィルタを備えたシステムを備えている。
【0063】
本発明のいくつかの好ましい特徴により、膜、媒体フィルタ、およびUVランプの長期にわたるパフォーマンスを可能にする。これら特徴には、濃度分極を除去するための、膜のバックウォッシング、バックフラッシング、およびフラッシングが含まれる。膜に供給するポンプの圧力サイドでは、1つまたは複数の洗剤の注入ポートが含まれ、それにより、洗剤が膜の直前で注入され、効率的な洗剤の使用および最高の効率を可能にするようになっている。膜の濃縮水側では、廃棄流に関していくつかの選択肢が存在する。
図19は、濃縮廃水のソートの例を示している。第1に、小さいパイプ、圧力解放バルブ、フローリストリクタ、またはバルブなどの流れ制限デバイスを介して膜に圧力が印加される。デバイスの後に、制御バルブを使用して水がソートされる。3つの選択肢が存在する:第1の選択肢(バルブAと表記されている)は、ポンプに戻る水の再利用パイプであり、第2の選択肢(バルブBと表記されている)は、再生タンク/調整タンクに戻る水の排水パイプであり、第3の選択肢(バルブCと表記されている)は、システムから水を除去する水の排水パイプである。バルブAを通過可能な水の量により、システムの圧力を制御することができる。バルブBは、濃縮された洗剤または他の洗浄用分子をROから回復するのに使用され、それらをUFの洗浄に再使用する。バルブCは、好ましくは、排水管に水を送る。本発明のいくつかの実施形態では、バルブCは、他の用途における再使用のために、他の処理(媒体濾過および/または酸化)に水を送ることにより、システムから水を除去する。たとえば、洗車の場合、バルブCからの水は、車の準備、および/または洗車に使用され得る。産業用の洗濯においては、バルブCからの水は、トンネル式洗浄機の第1のポケットにおいて、衣類を濡らすために使用され得るか、洗濯機の第1のサイクルにおいて使用され得る。ソートには、好ましくは、3つのステップが含まれる。第1のステップは、水をポンプの流入口に戻すように配管することにより、ROプロセスの濃縮水を再利用するために、バルブ(A)を開くことである。流入口における圧力が許容可能な値の範囲を超えた場合、濃縮水を調整タンク♯N(ここで、Nはこのシステムにおいて最も高いNの値である)に戻して再利用するために、第2のバルブ(B)が開かれ得る。通常の流入水は、総溶解固形分(TDS)が200から2,000ppmの間である。本発明のいくつかの実施形態では、2,000ppmのTDSを処理すると評価されたかん水ROの膜が採用される。本発明のいくつかの実施形態では、35,000ppmのTDSを処理すると評価された海水ROの膜が採用される。濃縮水のTDSが許容可能な範囲を超えた場合、濃縮水を抜くために、バルブが開かれる。再利用排水管は、TDSが許容可能なレベルを超えた場合に閉じられ得る。バルブが閉じられることになる条件の1つは、TDSが長時間、すなわち、1分以上、1時間以上、許容可能なレベルを超えている場合である。
【0064】
濾過システムには、以下のいずれかが含まれ得る:単一パイプ(すなわち、MFまたはUFフィルタとROフィルタとの間の調整タンクを必要としない)のMF/UF/RO;高い濁度/水の再使用のための単一パイプのMF/UF/RO/媒体フィルタ;高い濁度/水の再使用のための単一パイプのUF/RO/媒体フィルタ;高い濁度/水の再使用のための単一パイプのMF/RO;高い濁度/水の再使用のための単一パイプのMF/UF;California Title 22の要請(すなわち、媒体フィルタの要求が2NTU未満の濁度であり、MF/UF/ROの膜が0.2NTU未満の濁度を有する)を満たすための媒体フィルタ前処理としてのROの使用;MF/UF/RO膜が媒体フィルタのファウリングを最小化するための前処理として使用されること;ファウリングを低減するために、廃水を7.0<pH<11.0に調整するよう塩基を添加すること;MF/UF/ROが80%を超えて回復すること;洗浄効率を向上させるための同時のフラッシング;UFおよびROの供給部への洗剤の注入;ROポンプのMF/UFの浸透圧スイッチの始動、中間の調整タンクに関する必要性をなくすこと;MF/UFバックウォッシュのMF/UF供給圧力スイッチまたは代替的にはタイマの始動;溶質のビルドアップ(集積、増大;buildup)を低減するための高TDSにおけるRO濃縮水のダンピング(廃棄;dumping);RO供給圧力スイッチによって始動される場合のRO濃縮水のダンピング;依然としてファウリングおよび臭いを最小化しつつ、生物学的、脱窒、酸化性または還元性の前処理が存在しないこと。これら実施形態のいくつかでは、媒体フィルタが単独で、濁度を低減するために使用され得る。
【0065】
水の再利用および再使用の用途のために、処理プロセスは、特定の基準を満たさなければならない場合がある。水は、沈殿させるか、酸化させるか、凝固されるか、フィルタベッドを通過させ、次いで消毒される必要がある場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、媒体フィルタ(0.1から1ミクロンの公称孔サイズ)を備えたフィルタベッドを水が通過し、次いでUV光、オゾン、塩素、および/または過酸化水素による消毒がされる。化学的消毒のために、化学薬品の投入が、好ましくは電子的メータを使用して制御される。オゾンおよびUV光などの電気化学的方法について、消毒の質を常に監視するために、好ましくはアラームが含まれる。
【0066】
水の再使用に関する要件は通常、厳格である。水は、濁度が2NTU未満である場合にのみ、濾過され得る。流入水の濁度を低減するために、MF+UF、MF+RO、UF+RO、またはMF+UF+ROの前処理プロセスが、好ましくは媒体フィルタの上流で使用される。この処理プロセスにより、廃水が媒体フィルタによって濾過され得るように、廃水の濁度が低減される。一般的な媒体フィルタは、流入水の濁度を5NTU未満とする必要がある。UF+ROプロセスが、好ましくは、濁度を1+/−0.15NTUに低減する。これは2NTU未満であり、このことは、媒体フィルタによって処理される水に関する要請である。
図8は、本発明の図の一例である。限外濾過膜および逆浸透膜は、媒体フィルタおよびUV消毒光(または代替的には、オゾンまたは塩素)に対する前処理として使用される。逆浸透膜からの透過水の濁度は2NTU未満であり、媒体フィルタを通る低い圧力低下を確実にし、UV光からの高いパフォーマンスを可能にするために、鉄および他の溶質を除去する。媒体フィルタを通過する流量は、好ましくは、媒体フィルタの表面積の1.0平方フィート毎の流れの毎分1.0から3.0ガロンの間である。
【0067】
ROの前にMFおよび/若しくはUF処理を備えるシステムは以下の1つまたは複数を含み得る:最もエネルギの低い廃水のROプロセス(逆圧力カーブ)、圧縮性ケーキの除去、ケーキの圧縮に必要なより高い圧力、2xのフラットシート表面積、界面活性剤などの有機物の保持(retention);サブ100ミクロン(100ミクロンより小さい)のプレフィルタおよび/若しくはオープンチャネル/中空ファイバ膜を使用した閉塞防止;30psi未満かつ10psi超での動作;ならびに/またはUFとROとの間の流れの制限。
【0068】
本発明の実施形態は以下の1つまたは複数を含み得る:0.1から4.0時間の間のみの処理のための水の貯蔵を含むバッチ廃水処理;損失のないMFおよびUFバックウォッシング;フラックスを増大させるための20ppm超の界面活性剤の廃水への添加;廃水の乳化のための10ppmから100,000ppmの界面活性剤の添加;有機物のファウリングの最小化;バックフラッシング;MFフィルタが有機複合物を除去せず、複雑なファウリングを防止すること;逆浸透または正浸透を使用しての廃水の100%にも及ぶ処理および再使用;別々の用途のための浸透プロセスによって処理された廃水の濃縮水の使用;廃水が濾過された後の別個の用途のための水と分子との分離;プロセスが浸透ポテンシャルによって制限されないこと;ソートプロセスの一部としての分子の濃度の測定;所望の溶質を分離するために処理された水の量が逆浸透ステップによって処理された水の量以下であるプロセス;および/または廃水を濾過するために濃縮水の水圧を使用すること。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態には、1つのポンプが複数の濾過ステップを実施することを必要とすることのみを含み、好ましくは以下の1つまたは複数を含む:フィルタの孔のサイズが逆浸透ステップの後に増大すること;分子の濃度がソートプロセスの一部として測定されること;分子が乳化された界面活性剤であること;分離された分子が膜および廃水処理システム内の様々な構成要素の洗浄に使用されること;膜が、圧力センサ、タイマ、カウンタ、および/またはソフトウェアによって起動された、起動制御バルブを使用して洗浄されること;タンクがポンプステージNの後に除去された水を貯蔵するのに使用され、次いで、タンクは廃水処理システムによって処理された水の体積割合(体積量、体積速度;rate of volume)が少ない別々の用途のための瞬間的な高い要求を「負荷平準化」するために使用されること;処理された廃水を真水として使用するが、処理された廃水がいずれも利用可能でない場合にはそれを自動的にバイパスすること。
【0070】
本発明の実施形態は洗剤の使用を低減することを含み、以下の1つまたは複数を含む:pHを1つのpHユニット(単位)内に保持しつつ、固形物、有機物、多価のイオン、pH緩衝イオン、および濁度の99%を除去すること;pHの維持および/もしくは多価イオン、pH緩衝イオンの除去が既存の真水源に対する真水の処理に必要な化学物質量を低減すること;洗濯または他の洗剤の必要とされる量が20%から50%低減されること;酸化廃水のプロセスへの流入の防止;500mV超である酸化還元電位の廃水がプロセスに流入することの防止;2つの濾過ステップおよび1つの分離ステップを含むこと;最終的な酸化ステップを含むこと;圧力解放バルブを使用して1つまたは複数のポンプのステージで圧力を維持すること;圧力測定を使用して2つのポンプを共に作動させること;濾過された水の0%超かつ100%未満が、プロセスにおける1つもしくは複数の構成要素を洗浄するなどの用途のために、ポンプステージiの後に除去されること;膜要素とストレーナとの両方が同時にバックフラッシュされること;廃水処理システムによって処理された水の体積割合が低い廃水の瞬間的に高い体積を「負荷平準化」するためにタンクを使用すること;廃水処理システムによって処理された水の体積割合が低い用途による瞬間的な高い真水の要求を「負荷平準化」するためにタンクを使用すること;処理された廃水が真水として使用されることを可能にするが、処理された水がいずれも利用可能ではない場合には自動的にバイパスされること;廃水源が一地方の発生源、井戸、水処理システム、洗濯機、水再生タンク、産業プロセス、商業プロセス、商業洗車プロセス、部品の洗浄もしくは洗車からのものであること;ならびに/または廃水源が10ppm超である界面活性剤を含むこと。
【0071】
本発明の一プロセスは以下のようになる。
●再生タンクの排水
●膜のフラッシュ(洗い流し、水洗;flush)/バックフラッシュ(backflush)/バックウォッシュ(backwash)
●洗剤の補充および水の浄化
○54”の要素/18”の要素毎に15ガロン
●洗剤水を3から20分間再循環させる
○オプションの加熱
○洗浄の効果が再循環圧力を介して間接的に測定される
●バルブを開くことによるタンクの排水
●1xから3xの洗浄体積の膜のフラッシュ
○バックフラッシュ(濾過とは逆向きに水が流れるが膜を通過しない)を介して達成できる
●バックフラッシュまたはバックウォッシュ
○バックフラッシュ(定義(def))−濾過とは逆向きに水が流れるが膜を通過しない
○バックウォッシュ(定義(def))−濾過とは逆向きに水が流れ、膜を通過する
●洗濯のためのクレンザ(洗浄剤)には、以下が含まれる。
○UF膜のためのTideなどの、商業上利用可能な洗剤
○RO膜のためのCLRなどの、商業上利用可能なスケール防止剤(antiscalant)
【0072】
廃水の濾過のための他のシステム
本発明の実施形態は、システム内の膜が少なくとも部分的にゾルゲル材料を含む、1つまたは複数の膜の濾過ステップを含む、水の処理に使用されるシステムである。水の処理のために、本システムは、好ましくは、前処理ステップと脱塩ステップとの2つのステップを含む。前処理ステップは、好ましくは、固形物と、濁度の80%超が除去される。脱塩ステップにより、塩度の50%超が除去される。いずれか一方または両方の膜がゾルゲル前駆物質から得られ、好ましくは、安定化した界面活性剤を含み、および/または、安定化された界面活性剤のメソ構造または膜である。フィルタとして使用され、好ましくはゾルゲル、界面活性剤、またはそれら両方を備えているこれら膜は、本明細書において、AM、すなわち改良された膜(advanced membranes)と呼ばれる。回復の割合は、流入水に対する処理された水の割合である。以下の表は、以下のプロセスのフロー図(PFD)における各要素のためのシンボルキーであり、これらは、本発明に係るPFDの特定の非限定的な実施形態である。
【0076】
以下は、AMを組み込んだ受動的水処理システムのプロセスのフロー図(PFD)である。水は、最大で3つのAMを通して濾過される。AMでの処理の後に、酸化ステップを含むことにより、水が酸化され得る。
【0078】
以下は、AMを組み込んだ能動的水処理システムのプロセスのフロー図である。水は、最大で3つのAMを通して濾過される。最終的なAMによって水が脱塩され、水を分別処理することになる。古典的に、このことは、水の回復の割合、流入水に対する処理された水の割合として測定される。AMでの処理の後に、酸化ステップを含むことにより、水が酸化され得る。ブースタポンプP1からの圧力が解放バルブR1を使用して制御される。
【0080】
以下は、能動的制御のAMを組み込んだ能動的水処理システムのプロセスのフロー図である。水は、最大で3つのAMを通して濾過される。最終的なAMによって水が脱塩され、水を分別処理することになる。古典的に、このことは、水の回復の割合、流入水に対する処理された水の割合として測定される。AMでの処理の後に、酸化ステップを含むことにより、水が酸化され得る。ブースタポンプP1からの圧力が解放バルブR1を使用して制御される。圧力センサ(P1、P2、およびP3)は、システムの洗浄サイクル(複数の場合もある)を調整する。洗浄サイクルには、フラッシング、バックフラッシング、圧力低減、流量増大、化学物質の導入、またはそれらの任意の組合せを介することが含まれ得る。圧力が設定点より大きい場合、1つまたは複数の洗浄サイクルが開始される。システムの適切な動作は、伝導度センサ(C1、C2、C3、およびC4)を介して維持される。システムの完全な動作は、流量メータおよび/または流体レベルセンサ(F1およびF2)によって制御される。
【0082】
以下は、能動的制御のAMを組み込んだ能動的水処理システムのプロセスのフロー図である。水は、最大で3つのAMを通して濾過される。最終的なAMによって水が脱塩され、水を分別処理することになる。古典的に、このことは、水の回復の割合、流入水に対する処理された水の割合として測定される。AMでの処理の後に、酸化ステップを含むことにより、水が酸化され得る。ブースタポンプP1からの圧力が解放バルブR1を使用して制御される。圧力センサ(P1、P2、およびP3)は、システムの洗浄サイクル(複数の場合もある)を調整する。洗浄サイクルには、フラッシング、バックフラッシング、圧力低減、流量増大、化学物質の導入、またはそれらの任意の組合せを介することが含まれ得る。圧力が設定点より大きい場合、1つまたは複数の洗浄サイクルが開始される。システムの適切な動作は、伝導度センサ(C1、C2、C3、およびC4)を介して維持される。システムの完全な動作は、流量メータおよび/または流体レベルセンサ(F1、F2、およびF3)によって制御される。ポンプP2を介してのCT1からの化学物質の投入は、酸化還元電位センサO1を介して制御される。プロセスのフロー図(PFD)では、化学物質の投入が代表例として記載されている。プロセスのフロー図では、そのことは、M1およびM2の前に起こっているが、別の位置で起こり得る。本発明は、M1およびM2の後に化学物質を投入することも含んでいる。本発明は、2つ以上の化学物質投入ステップも含んでいる。例では、PFDに示されるM1の前の酸化防止剤の化学物質の投入および、M3の前のスケール防止剤の化学物質の投入である。スケール防止剤の化学物質の投入は、P1の前かつM2の後のpHセンサを使用して制御され、このことは、PFDに示されていない。PFD5は、水処理トレインに水を供給する移送ポンプまたは排水ポンプP4を追加した、PFD4と同じPFDである。
【0085】
以下は、能動的制御のAMを組み込んだ能動的水処理システムのプロセスのフロー図である。水は、最大で3つのAMを通して濾過される。最終的なAMによって水が脱塩され、水を分別処理することになる。古典的に、このことは、水の回復の割合、流入水に対する処理された水の割合として測定される。AMでの処理の後に、酸化ステップを含むことにより、水が酸化され得る。ブースタポンプP1からの圧力が解放バルブR1を使用して制御される。圧力センサ(P1、P2、およびP3)は、システムの洗浄サイクル(複数の場合もある)を調整する。洗浄サイクルには、フラッシング、バックフラッシング、圧力低減、流量増大、化学物質の導入、またはそれらの任意の組合せを介することが含まれ得る。圧力が設定点より大きい場合、1つまたは複数の洗浄サイクルが開始される。システムの適切な動作は、伝導度センサ(C1、C2、C3、およびC4)を介して維持される。システムの完全な動作は、流量メータおよび/または流体レベルセンサ(F1、F2、およびF3)によって制御される。ポンプP2を介してのCT1からの化学物質の投入は、酸化還元電位センサO1を介して制御される。プロセスのフロー図(PFD)では、化学物質の投入が代表例として記載されている。PFDでは、化学物質の投入がM1およびM2の前に生じる。本発明は、M1およびM2の後に化学物質を投入することも含み得る。本発明は、2つ以上の化学物質投入ステップも含んでいる。たとえば、PFDに示されるM1の前の酸化防止剤の化学物質の投入および、M3の前のスケール防止剤の化学物質の投入である。スケール防止剤の化学物質の投入は、P1の前かつM2の後のpHセンサを使用して制御され、このことは、PFDに示されていない。膜すべてによる濾過の前に、水がPFD6および7におけるストレーナ1によって濾過される。膜すべてによる濾過の前に、水がPFD8および9におけるストレーナ1およびストレーナ2によって濾過される。PFD6から9では、タンクおよびストレーナの配置により、PFD9に示すように、電子制御バルブの開口を介して重力によって駆動するストレーナの逆流が可能になる。PFD7および9は、水処理トレインに水を供給する移送ポンプまたは排水ポンプP4をそれぞれ追加したPFD6および8と同じである。
【0090】
例
図15から16は、PFDがPFD2に類似しているシステムからの濾過データを示す図である。このシステムは、2つの膜M1およびM2を備えていた。このシステムはM3またはO1を含んでいなかった。M1はAMとした。M2はAMではないものとした。水質は、伝導度メータを使用して毎日測定した。流入する廃水は、商業上利用可能な55ポンドの洗濯機からのものとした。M1ステップの後の水質は、電気伝導度および濁度の測定を使用して定量化した。濾過の前後の水質の差異は、表8にまとめられている。
【0092】
追加の利点は、濾過液のpHが水道水のpHよりも大きかったことである。石けんおよび界面活性剤が高いpHでより有効であるため、衣類や車などの対象の洗浄のための、pHの高い水の再生および再使用が望ましい。表9は、濾過された水に関するpHの増大をまとめ、それを水道水と比較している。塩素の総量は、不活性クロロアミンを濃縮したものである。このタイプの塩素は、膜を傷つけない。遊離塩素は、Cl
2を濃縮したものである。膜M2の保証には、1ppm未満の遊離塩素が必要である。
【0094】
完全なシステムに関するシステムのパフォーマンスおよび電力消費は、表10に列挙されている。第1の列は、濾過の各ステージにおける水圧である。第2の列は、各ステージにおける濾過されなかった水の量である。第3の列は、各ステージにおいて濾過された水の量である。M2における濾過速度はM1より大きかったが、この理由は、M1における圧力がM2における圧力よりかなり低かったためである。結果は、M2による不連続の濾過であった。第4の列は、回復の割合である。古典的に、回復の割合は、流入水に対する処理された水の割合である。第5の列は、各ステージにおけるエネルギ消費の推定値(見積)である。ブースタポンプが、エネルギを消費する第1のステージに使用された。最後の列は、各ステージがどの程度の頻度で洗浄されたかを示している。
【0096】
図1、8、9、21、および30に示すように、処理プロセスの特定の部分からの廃水は、他の用途で使用されるのに十分にきれいである場合がある。用途には、車の洗浄サイクル、衣類を濡らすこと、灌漑、建物の洗浄、トイレのフラッシング、および他の認可された水の用途が含まれる。逆浸透からの廃棄物は、廃水を殺菌フィルタおよび消毒ステップを通して処理することにより、消毒済み三次再利用水にされ得る。
【0097】
本発明が、記載の実施形態を特に参照して詳細に記載されてきたが、他の実施形態が同じ結果を得られる。本発明の変形形態および変更形態は、当業者には明らかであり、そのような変形形態および変更形態をすべて包含することが意図されている。上述の特許および公開すべての開示全体は、これにより、参照することにより組み込まれる。