(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、半導体記憶装置1を示す平面図である。
図2は、
図1のA1−A2線の断面図である。
図3は、半導体記憶装置1における柱状部CLを拡大して示す断面図である。
本実施形態に係る半導体記憶装置1においては、シリコン基板等の基板10が設けられている。以下、本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を採用する。基板10の上面10aに対して平行で、且つ、相互に直交する2方向を「X方向」及び「Y方向」とし、基板10の上面10aに対して垂直な方向を「Z方向」とする。
【0009】
図1及び
図2に示すように、半導体記憶装置1には、メモリセル領域Rmと、周辺領域Rpと、接続領域Rcと、が設けられている。
図1に示す例では、接続領域Rcに対してX方向の両側に、周辺領域Rp及びメモリセル領域Rmがそれぞれ配置されている。例えば、
図1に示すようなメモリセル領域Rm、周辺領域Rp及び接続領域Rcの配列は、X方向に周期的に配列されている。
【0010】
メモリセル領域Rmには、絶縁膜11と、導電膜12と、積層体15と、複数の柱状部CLと、が設けられている。
絶縁膜11は、基板10上に設けられている。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化物を含む。
【0011】
導電膜12は、絶縁膜11上に複数設けられている。導電膜12は、例えば、タングステン(W)等の金属を含む。導電膜12は、チタン(Ti)を含んでも良い。導電膜12は、タングステン窒化物(WN)やチタン窒化物(TiN)等の金属化合物を含んでも良い。また、導電膜12は、シリコンを含んでも良く、前述した金属や金属化合物を含む膜と、ポリシリコンを含む膜との積層膜でも良い。
導電膜12は、例えば、ソース線の一部を構成する。例えば、半導体記憶装置1の動作(書込、消去及び読出動作)において、導電膜12を介してチャネル20に流れる電流値が読み取られる。
【0012】
積層体15は、導電膜12上に設けられている。積層体15は、複数の電極膜40と、複数の絶縁膜41と、を有する。積層体15の積層方向がZ方向に相当する。例えば、複数の電極膜40の内、最下層の電極膜40は、ソース側選択ゲートであって、最上層の電極膜40は、ドレイン側選択ゲートである。例えば、複数の電極膜40の内、最下層の電極膜40(ソース側選択ゲート)及び最上層の電極膜40(ドレイン側選択ゲート)の間に設けられた電極膜40は、ワード線である。なお、電極膜40の積層数は、任意である。
【0013】
電極膜40は、導電材料、例えば、タングステン等の金属を含む。絶縁膜41は、電極膜40の間に設けられている。絶縁膜41は、例えば、シリコン酸化物(SiO)を含む。積層体15上には、絶縁膜42が設けられている。絶縁膜42は、例えば、シリコン酸化物を含む。
【0014】
柱状部CLは、積層体15の中央内に複数設けられている。柱状部CLは、積層体15及び絶縁膜42内をZ方向に延びている。柱状部CLは、例えば、円柱状または楕円柱状に形成される。複数の柱状部CLは、例えば、X−Y平面において所定の形状に配置される。
【0015】
図3に示すように、柱状部CLは、コア部60と、チャネル20と、メモリ膜24と、を有する。
コア部60は、例えば、シリコン酸化物を含む。コア部60の形状は、例えば、円柱状である。
チャネル20は、コア部60の側面上に設けられている。チャネル20の形状は、例えば、底を有する筒状である。チャネル20は、ボディ20aと、カバー層20bと、を有する。カバー層20bは、ボディ20aの側面上に設けられている。ボディ20a及びカバー層20bは、シリコン、例えば、アモルファスシリコンを結晶化させたポリシリコンを含む。チャネル20(ボディ20a)の下端は、導電膜12に接する。
【0016】
メモリ膜24は、トンネル絶縁膜21、電荷蓄積膜22及びブロック絶縁膜23を有する。
トンネル絶縁膜21は、チャネル20の側面上に設けられている。トンネル絶縁膜21は、例えば、シリコン酸化物を含む。
電荷蓄積膜22は、トンネル絶縁膜21の側面上に設けられている。電荷蓄積膜22は、例えば、シリコン窒化物(SiN)を含む。チャネル20と電極膜40(ワード線)との交差部分に、電荷蓄積膜22を含むメモリセルが形成される。
【0017】
トンネル絶縁膜21は、電荷蓄積膜22と、チャネル20との間の電位障壁である。トンネル絶縁膜21において、チャネル20から電荷蓄積膜22に電子が移動するとき(書込動作)、及び、電荷蓄積膜22からチャネル20に電子が移動するとき(消去動作)、これらの電荷はトンネリングする。
電荷蓄積膜22は、膜中に、電荷をトラップするトラップサイトを有する。メモリセルのしきい値は、トラップサイトにトラップされた電荷の有無、及び、トラップされた電荷の量によって変化する。これにより、メモリセルは、情報を保持する。
【0018】
ブロック絶縁膜23は、電荷蓄積膜22の側面上に設けられている。例えば、ブロック絶縁膜23は、シリコン酸化物を含むシリコン酸化膜、または、アルミニウム酸化物(AlO)を含むアルミニウム酸化膜である。ブロック絶縁膜23は、シリコン酸化膜及びアルミニウム酸化膜の積層膜でも良い。ブロック絶縁膜23は、電極膜40を形成するとき、例えば、電荷蓄積膜22を、エッチングから保護する。
柱状部CLの上方には、Y方向に延びる複数のビット線(図示せず)が設けられている。柱状部CLの上端は、コンタクトを介して、ビット線の1つに接続されている。
【0019】
積層体15の端部15tにおいて、その形状は階段状であり、電極膜40毎にテラスが形成されている。階段状の端部15t上には、絶縁膜43が設けられている。例えば、絶縁膜43は端部15tを覆う。絶縁膜43は、例えば、TEOS(tetraethoxysilane)を含む。
【0020】
コンタクト30は、電極膜40のテラス上に位置して、絶縁膜43内をZ方向に延びている。コンタクト30において、その下端は電極膜40に接続され、その上端は、X方向に延びる上層配線(図示せず)に接続される。コンタクト30は、例えば、タングステン等の導電材料を含む。コンタクト30の数及び配置は任意である。
【0021】
周辺領域Rpには、周辺回路(図示せず)が設けられている。周辺回路上には、コンタクト31が複数設けられている。コンタクト31において、その下端は周辺回路に接続され、その上端は、例えば、X方向に延びる上層配線に接続される。つまり、各電極膜40は引き出されて、コンタクト30、31及び上層配線を介して、周辺回路に接続される。コンタクト31は、例えば、タングステン等の導電材料を含む。コンタクト31の数及び配置は任意である。
【0022】
メモリセル領域Rm及び周辺領域Rpには、スリットSTが設けられている。スリットSTは、積層体15及び絶縁膜43内をX方向及びZ方向に延びている。スリットSTは、Y方向に沿った複数の積層体15に分離する。
スリットST内には、絶縁膜44が設けられている。
【0023】
接続領域Rcには、絶縁部材50が複数設けられている。絶縁部材50は、例えば、シリコン酸化物を含む。絶縁部材50は、シリコン窒化物を含んでも良い。絶縁部材50は、第1部分50a及び第2部分50bを有する。
【0024】
第1部分50aにおいて、一部が絶縁膜11内に位置し、他部がX方向で隣り合う導電膜12間に位置するように設けられている。第1部分50aは、例えば板状を有し、Y方向に延びている。
第2部分50bは、絶縁膜43内に位置するように第1部分50a上に設けられている。第2部分50bは、例えば円柱状を有し、Z方向に延びている。
第1部分50aのX方向の幅W1は、第2部分50bのX方向の幅W2より大きい。
【0025】
なお、絶縁部材50の数及び配置は任意であって、第1部分50a及び第2部分50bの形状は任意である。また、絶縁部材50が設けられている部分(第1部分50a及び第2部分50b)は、空隙でも良い。
【0026】
メモリセル領域Rmにおいては、多数のメモリセルが、X方向、Y方向及びZ方向に沿って三次元マトリクス状に配列されており、各メモリセルにデータを記憶できる。周辺領域Rpにおいては、メモリセル領域Rmから各電極膜40を引き出し、コンタクト30、31及び上層配線を介して、周辺回路に接続する。接続領域Rcにおいては、X方向で隣り合う導電膜12が絶縁部材50によって絶縁されている。
【0027】
次に、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を説明する。
図4(a)及び
図4(b)〜
図9(a)及び
図9(b)、ならびに、
図11(a)及び
図11(b)〜
図14(a)及び
図14(b)は、半導体記憶装置1の製造方法を示す図である。
図10は、半導体記憶装置1の一部を示す断面図である。
図4(a)〜
図9(a)及び
図11(a)〜
図14(a)は、平面図であって、
図1に示された領域に相当する。
図4(b)〜
図9(b)及び
図11(b)〜
図14(b)は、断面図であって、
図2に示された領域に相当する。
図10は、半導体記憶装置1のX方向の一端の断面図であって、基板10、絶縁膜11及び導電膜12が露出している部分(ベベル部Bp)を示している。
【0028】
先ず、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、シリコンを含む基板10上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、絶縁膜11及び導電膜12を順に形成する。例えば、絶縁膜11は、シリコン酸化物により形成され、導電膜12は、タングステンにより形成される。
【0029】
次に、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、マスク70の一部を除去してパターンを形成する。
次に、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等のエッチング処理により、絶縁膜11の一部、及び、導電膜12の一部を除去してトレンチT1を形成する。トレンチT1は、X方向に所定の幅を有し、Y方向に延びている。続いて、マスク70を除去する。
【0030】
次に、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、例えばCVD法により、トレンチT1内に犠牲膜71aを埋め込んで形成する。犠牲膜71aは、導電性の材料であって、後の工程(
図13の工程)による犠牲膜71aの除去を考慮して、絶縁膜11及び導電膜12との間でエッチング選択比がとれる材料により形成される。例えば、犠牲膜71aは、ポリシリコンにより形成される。犠牲膜71aは、導電性のカーボンにより形成されても良い。続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、導電膜12の上面、及び、犠牲膜71aの上面を平坦化する。
【0031】
次に、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、導電膜12及び犠牲膜71a上に、絶縁膜41及び犠牲膜72をZ方向に沿って交互に積層させて、積層体15aを形成する。続いて、積層体15a上に絶縁膜42を形成する。例えば、絶縁膜41は、シリコン酸化物により形成され、犠牲膜72は、シリコン窒化物により形成される。
【0032】
次に、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、リソグラフィ法によるパターンの形成と、RIE等のエッチング処理を複数回行うことにより、積層体15aの端部15tを階段状に加工する。続いて、犠牲膜71a上、及び、積層体15aの端部15t上に、絶縁膜43を形成した後、CMP法により、絶縁膜43の上面を平坦化する。
【0033】
次に、
図10に示すように、エッチング処理により、半導体記憶装置1のX方向の一端(ベベル部Bp)において絶縁膜43の一部を除去する。除去された絶縁膜43は、基板10、絶縁膜11及び導電膜12を覆っていた部分に相当する。これにより、ベベル部Bpにおいて、基板10、絶縁膜11及び導電膜12が露出する。
【0034】
次に、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、リソグラフィ法によるパターンを形成し、RIE等のエッチング処理により積層体15a内に複数のメモリホールを形成した後、メモリホール内に、トンネル絶縁膜21、電荷蓄積膜22及びブロック絶縁膜23を有するメモリ膜24と、チャネル20と、コア部60と、が形成される(
図3参照)。これにより、柱状部CLが形成される。
【0035】
続いて、リソグラフィ法によるパターンを形成し、RIE等のエッチング処理により積層体15a及び絶縁膜43内にスリットSTを形成する。その後、スリットSTを介してウェットエッチングを施すことにより、犠牲膜72を除去する。例えば、ウェットエッチングのエッチャントには燐酸を用いる。犠牲膜72を除去することで空洞が形成され、スリットSTを介してタングステン等の金属を堆積させて空洞内を埋め込む。これにより、電極膜40が形成され、絶縁膜41及び電極膜40を有する積層体15が形成される。その後、スリットST内に絶縁膜44を形成する。
【0036】
次に、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、リソグラフィ法によるパターンを形成し、犠牲膜71aに対して開口するような複数の孔73を形成する。なお、孔73のかわりに溝を形成しても良い。また、孔73の形成時にコンタクトホール74、75を形成する。
【0037】
次に、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、絶縁膜11及び導電膜12との間でエッチング選択比がとれる薬液処理、例えばTMYにより、犠牲膜71aを除去することで、X方向に延びている導電膜12を分断する。犠牲膜71aの除去によって、トレンチT1が形成される。
【0038】
次に、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、例えばCVD法により、トレンチT1及び孔73内にシリコン酸化物等を埋め込んで絶縁部材50を形成する。これにより、X方向で隣り合う導電膜12が絶縁部材50によって絶縁される。絶縁部材50において、トレンチT1内に埋め込まれた部分が第1部分50aに相当し、孔73内に埋め込まれた部分が第2部分50bに相当する。なお、トレンチT1及び孔73内を埋め込まなくても良く、この場合、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、絶縁膜43内に空隙が形成される。
続けて、コンタクトホール74、75内にタングステン等をそれぞれ埋め込んで、コンタクト30、31を形成する。
このようにして、半導体記憶装置1が製造される。
【0039】
次に、本実施形態の効果について説明する。
図15(a)及び
図15(b)は、基板への放電を説明する図である。
図15(a)及び
図15(b)に示すように、3次元構造の半導体記憶装置において、基板10からフローティングされた導電膜12がベベル部BpでプラズマPに対して露出されていない場合、例えば、RIE等の異方性エッチングを用いたメモリホールMH加工であって、高密度かつ高アスペクト構造の加工においては、シェーディング効果により構造直下の導電膜12に正電荷が蓄積され易い。これにより、基板10と導電膜12間に電位差が発生し、基板10及び導電膜12間に設けられた絶縁膜11が絶縁破壊して放電Ar(アーキング)が発生する問題があった。
【0040】
本実施形態の半導体記憶装置1には、接続領域Rcにおいて、第1部分50a及び第2部分50bを有する絶縁部材50が設けられている。また、第1部分50aのX方向の幅W1は、第2部分50bのX方向の幅W2より大きい。
また、本実施形態では、
図10、
図11(a)及び
図11(b)に示す工程のように、ベベル部Bpまで犠牲膜71aによって導電膜12を電気的に接続し、ベベル部Bpで広面積をプラズマ露出させることにより、導電膜12を基板10と同電位とすることで、絶縁膜11の絶縁破壊を抑制し放電Arの発生を抑制する。
【0041】
ベベル部Bpで露出させない場合でも、導電膜12の一部に大面積の開口部、例えば、500ナノメートル×500ナノメートル以上の面積を有し、アスペクト比が8以下の開口部を設けても良い。これにより、前述した同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態では、
図13(a)及び
図13(b)に示す工程のように、異なる導電材料によって形成された導電膜12及び犠牲膜71aにより導通した後、高選択の薬液処理により分断加工することで、高アスペクト構造の底の導電膜12の分断加工を簡便かつ、小さい体積を有する孔73で行うことができる。
【0043】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図16は、半導体記憶装置2を示す断面図である。
図16に示された領域は、
図2に示された領域に相当する。
図16に示すように、本変形例に係る半導体記憶装置2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と比較して、絶縁部材50のかわりに、絶縁部材51及び導電部材55が設けられている点で異なっている。
【0044】
接続領域Rcには、絶縁部材51及び導電部材55が設けられている。
絶縁部材51は、一部が絶縁膜11内に位置し、他部がX方向で隣り合う導電膜12間に位置するように設けられている。絶縁部材51は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物を含む。
導電部材55は、絶縁膜43内に位置するように絶縁部材51上に設けられている。導電部材55は、例えば、タングステン等の金属を含む。
絶縁部材51のX方向の幅W3は、導電部材55のX方向の幅W4より大きい。
【0045】
なお、絶縁部材51及び導電部材55において、数、形状及び配置は任意である。また、絶縁部材51が設けられている部分は、空隙でも良い。導電部材55が設けられている部分は、空隙でも良い。つまり、絶縁部材51が設けられている部分、及び、導電部材55が設けられている部分の少なくとも一方は、空隙でも良い。
本変形例の効果は、第1実施形態と同じである。
【0046】
(第2実施形態)
図17は、半導体記憶装置3を示す平面図である。
図18は、
図17のB1−B2線の断面図である。
図17及び
図18に示された領域は、
図1及び
図2に示された領域に相当する。
図17及び
図18に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と比較して、絶縁部材50のかわりに、層間絶縁膜80、絶縁膜13、導電膜14及び絶縁部材52が設けられている点で異なっている。なお、
図17及び
図18において、メモリセル領域Rmの絶縁膜42、及び、周辺領域Rpのコンタクト31の図示を省略している。
【0047】
メモリセル領域Rmには、絶縁膜11と、層間絶縁膜80と、導電膜12と、絶縁膜13と、導電膜14と、積層体15と、複数の柱状部CLと、が設けられている。
層間絶縁膜80は、導電膜12内に位置し、X方向で隣り合う導電膜12を絶縁する。層間絶縁膜80は、例えば、シリコン酸化物を含む。
絶縁膜13は、層間絶縁膜80及び導電膜12上に設けられている。絶縁膜13は絶縁耐圧の低い材料を用いる、もしくは膜厚を薄くすることにより絶縁耐性を低くする。例えば、絶縁膜13は、Z方向の幅が30ナノメートル以下の酸化膜である。
【0048】
導電膜14は、絶縁膜13上に複数設けられている。導電膜14は、例えば、タングステン等の金属を含む。導電膜14は、例えば、ソース側選択ゲートとして機能する。
積層体15は、導電膜14上に設けられている。
【0049】
接続領域Rcには、絶縁部材52が設けられている。絶縁部材52は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物を含む。絶縁部材52は、第1部分52a及び第2部分52bを有する。
【0050】
第1部分52aは、X方向で隣り合う導電膜14間に位置する。第1部分52aは、例えば板状を有し、Y方向に延びている。
第2部分52bは、第1部分52a上に設けられ、絶縁膜43内に位置する。第2部分52bは、例えば板状を有し、Y方向及びZ方向に延びている。
第1部分52aのX方向の幅W5は、第2部分50bのX方向の幅W6より大きい。
【0051】
なお、絶縁部材52において、第1部分52a及び第2部分52bの形状は任意である。また、絶縁部材52が設けられている部分は、空隙でも良い。また、
図16のように、絶縁部材52が設けられている部分において、一部を導電体によって形成しても良い。
【0052】
次に、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を説明する。
図19(a)及び
図19(b)〜
図25(a)及び
図25(b)は、半導体記憶装置3の製造方法を示す図である。
図19(a)〜
図25(a)は、平面図であって、
図17に示された領域に相当し、
図19(b)〜
図25(b)は、断面図であって、
図18に示された領域に相当する。
なお、
図4(a)及び
図4(b)〜
図6(a)及び
図6(b)に示す工程において、第1実施形態と第2実施形態は同じであるので、図示及び詳細な説明は省略する。
【0053】
図6(a)及び
図6(b)に示す工程後、
図19(a)及び
図19(b)に示すように、トレンチT1内に層間絶縁膜80を埋め込んで形成する。続いて、導電膜12の上面、及び、層間絶縁膜80の上面を平坦化する。
次に、
図20(a)及び
図20(b)に示すように、層間絶縁膜80及び導電膜12上に絶縁膜13を形成する。続いて、絶縁膜13上に導電膜14を形成する。
【0054】
次に、
図21(a)及び
図21(b)に示すように、リソグラフィ法によるパターンを形成し、RIE等のエッチング処理により導電膜14の一部を除去してトレンチT2を形成する。トレンチT2は、X方向に所定の幅を有し、Y方向に延びている。続いて、マスク70を除去する。
【0055】
次に、
図22(a)及び
図22(b)に示すように、例えばCVD法により、トレンチT2内に犠牲膜71bを埋め込んで形成する。犠牲膜71bは、導電性の材料であって、例えば、タングステンやモリブデン(Mo)により形成される。続いて、CMP法により、導電膜14の上面、及び、犠牲膜71bの上面を平坦化する。
【0056】
次に、
図23(a)及び
図23(b)に示すように、導電膜14上に、絶縁膜41及び犠牲膜72をZ方向に沿って交互に積層させて、積層体15aを形成する。続いて、積層体15aの端部15tを階段状に加工し、犠牲膜71b上、及び、積層体15aの端部15t上に、絶縁膜43を形成し、絶縁膜43の上面を平坦化する。
【0057】
続いて、エッチング処理により、半導体記憶装置1のX方向の一端(ベベル部Bp)において絶縁膜43の一部を除去する。これにより、ベベル部Bpにおいて、基板10、絶縁膜11及び導電膜12が露出する(
図10参照)。
【0058】
続いて、積層体15a内に複数のメモリホールを形成した後、メモリホール内に、トンネル絶縁膜21、電荷蓄積膜22及びブロック絶縁膜23を有するメモリ膜24と、チャネル20と、コア部60と、が形成される。これにより、柱状部CLが形成される。その後、積層体15a及び絶縁膜43内に、X方向及びY方向に延びているスリットSTを形成する。Y方向に延びているスリットSTは、Y方向に延びている犠牲膜71bに接するように形成される。
【0059】
次に、
図24(a)及び
図24(b)に示すように、X方向に延びているスリットSTを介してウェットエッチングを施すことにより、犠牲膜72を除去する。犠牲膜72を除去することで空洞が形成され、スリットSTを介してタングステン等の金属を堆積させて空洞内を埋め込む。これにより、電極膜40が形成され、絶縁膜41及び電極膜40を有する積層体15が形成される。
一方、犠牲膜72の除去と同時に、Y方向に延びているスリットSTを介して犠牲膜71bを除去する。スリットSTは犠牲膜71bに接しているので、犠牲膜71bはスリットSTを介して除去される。犠牲膜71bの除去によって、トレンチT2が形成される。
【0060】
次に、
図25(a)及び
図25(b)に示すように、X方向に延びているスリットST内に絶縁膜44を形成する。
一方、Y方向に延びているスリットST、及び、トレンチT2内にシリコン酸化物等を埋め込んで絶縁部材52を形成する。これにより、X方向で隣り合う導電膜14が絶縁部材52によって絶縁される。絶縁部材52において、トレンチT2内に埋め込まれた部分が第1部分52aに相当し、スリットST内に埋め込まれた部分が第2部分52bに相当する。なお、トレンチT2及びスリットST内を埋め込まなくても良く、この場合、
図24(a)及び
図24(b)に示すように、絶縁膜43内に空隙が形成される。
続けて、コンタクトホール74を形成し、コンタクトホール74内にコンタクト30を形成する。
このようにして、半導体記憶装置3が製造される。
【0061】
本実施形態の半導体記憶装置3には、接続領域Rcにおいて、第1部分52a及び第2部分52bを有する絶縁部材52が設けられている。また、第1部分52aのX方向の幅W5は、第2部分52bのX方向の幅W6より大きい。
また、本実施形態では、
図23(a)及び
図23(b)に示す工程のように、ベベル部Bpまで犠牲膜71b及び絶縁膜13によって導電膜12を電気的に接続している。つまり、犠牲膜71b及び導電膜12の間に絶縁膜13が設けられているが、絶縁膜13の絶縁耐圧を低くすることで、低い電圧によって絶縁膜13を通電するので、ベベル部Bpまで犠牲膜71b及び絶縁膜13によって導電膜12を電気的に接続できる。そして、ベベル部Bpで広面積をプラズマ露出させることにより、導電膜12を基板10と同電位とすることで、絶縁膜11の絶縁破壊を抑制し放電Arの発生を抑制する。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同じである。
以上説明した実施形態によれば、信頼性の高い半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。