特許第6833186号(P6833186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6833186ポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833186
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】ポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 226/02 20060101AFI20210215BHJP
   C08F 2/20 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   C08F226/02
   C08F2/20
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-186416(P2016-186416)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2018-52998(P2018-52998A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142148
【氏名又は名称】ハイモ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本多 剛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 愛子
【審査官】 岸 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−051007(JP,A)
【文献】 特開平06−190235(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/042846(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 226/02
C08F 2/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−ビニルカルボン酸アミドとポリビニル化合物を塩水中でカチオン性高分子分散剤と、アニオン性化合物として、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、エチルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、シクロヘキサンスルホン酸塩、安息香酸または安息香酸塩、フタル酸またはフタル酸塩、p−トルイル酸またはp−トルイル酸塩、ラウリン酸またはラウリン酸塩、オレイン酸またはオレイン酸塩から選択される一種以上のアニオン性化合物、及び/又は非イオン性界面活性剤存在下、懸濁重合して得ることを特徴とするポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法。
【請求項2】
前記N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニルホルムアミドであることを特徴とする請求項1に記載のポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ポリビニル化合物がジビニルベンゼンであることを特徴とする請求項1に記載のポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルカルビン酸アミド架橋重合体粒子を加水分解して得られるポリビニルアミン架橋重合体粒子は、ガス吸着剤や陰イオン交換樹脂等の幅広い用途が提案されている。ポリビニルアミン架橋重合体粒子の製造方法として、例えば、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド系の架橋性モノマーとN−ビニルホルムアミド(以下、NVFと略す)とを共重合させ、得られたポリビニルホルムアミド架橋重合体のホルムアミド基を加水分解によりアミノ基とするポリビニルアミン架橋物を得る方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、このものは重合終了後重合物を乾燥、粉砕する必要があり、また得られたものは不定形状のものとなる。また、シクロヘキサン中でNVFとジビニルベンゼンを撹拌しながら逆相懸濁重合する方法が開示されている(特許文献2)。この方法では一般的に架橋重合体粒子が得られるが、重合後、シクロヘキサンを除去する必要があり、留去等の操作が必要となる。またシクロヘキサン等を完全に除去することは難しく、残留するという問題がある。
塩水中でN−ビニルカルボン酸アミドをポリビニル化合物と分散剤存在下、懸濁重合することにより、ポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子を得る方法が開示されている(特許文献3)。当該方法は上記問題点を解決したものであるが、重合体粒子が凝集物となる場合があり、更なる改善が望まれている。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−51007号公報
【特許文献2】特開平6−190235号公報
【特許文献3】国際公開2016/042846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、簡便な操作で効率良く凝集物のないポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子を製造することにある。従来の方法では、凝集物が得られる場合が多く、特にポリビニル化合物の含有率が大きくなると凝集傾向が強くなり、安定して凝集物のない架橋共重合体は得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、塩水中でN−ビニルカルボン酸アミドとポリビニル化合物をカチオン性高分子分散剤と、アニオン性化合物及び/又は非イオン性界面活性剤の存在下、懸濁重合することにより、凝集物のない球状のポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子が得られることを見出した。
【0006】
即ち、本発明は、N−ビニルカルボン酸アミドとポリビニル化合物を塩水中でカチオン性高分子分散剤と、アニオン性化合物及び/又は非イオン性界面活性剤の存在下、懸濁重合し、ポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子を製造する方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡便に効率良く、凝集物のない球状のポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明におけるポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子の製造の手法としては、先ず一般的に使用される懸濁重合を適用する。即ち、本発明における塩水中での懸濁重合は、N−ビニルカルボン酸アミド、ポリビニル化合物、必要に応じてN−ビニルカルボン酸アミドと共重合が可能なモノマー、重合開始剤、カチオン性高分子分散剤と、アニオン性化合物及び/又は非イオン性界面活性剤を塩水中で懸濁させ、任意の強度で撹拌することによりモノマー液滴を発生させ、ラジカル重合することにより行うことができる。モノマー液滴の粒径は分散剤、撹拌強度で制御されるが、0.01mm〜10mm、好ましくは0.1mm〜5mmである。
【0010】
本発明で使用するN−ビニルカルボン酸アミドのモノマーの例としては、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−メチル−N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミド、N−ビニルイソブチルアミド等が挙げられ、好ましくはN−ビニルホルムアミドである。N−ビニルカルボン酸アミドのモノマー以外にN−ビニルカルボン酸アミドと共重合が可能なモノマーを使用しても良く、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリメチルアンモニウム塩、(メタ)アクリロイルオキシアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、N−ビニルピロリドン、ジアリル−ジアルキルアンモニウム塩、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルペンジルトリアルキルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられ、これらの中の1種使用しても良く、2種以上を組み合わせても良い。特にアクリロニトリルが好ましい。
【0011】
ポリビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族ポリビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等を用いることもできる。芳香族ジビニル化合物を用いるのが好ましい。最も好ましいのはジビニルベンゼンである。添加率はモノマーに対して0.1〜50質量%の範囲であり、0.1〜20質量%の範囲が好ましい。5質量%を越えるとN−ビニルカルボン酸アミドのみでは球状粒子が得られ難くなるので、N−ビニルカルボン酸アミドと共重合が可能なモノマーを使用した方が好ましい。共重合が可能なモノマーの添加率は、全モノマーに対して50質量%以下の範囲で使用する。特にアクリロニトリルを使用するのが好ましい。
【0012】
重合開始剤としてはアゾ系やパーオキサイド系の重合開始剤、例えば2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2、2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、4、4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩等、ペルオキソ二硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。これらの中で、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性開始剤が好ましい。又、開始剤二種以上を併用しても差し支えない。添加率はモノマーに対し通常0.02〜5質量%、好ましくは0.05〜2質量%である。
【0013】
塩としては、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等が挙げられ、これらのうちでは、硫酸アンモニウムが特に好ましい。又、これらのものを単独で用いても、混合して用いてもよい。添加率は水に対し50〜100質量%の範囲であり、50質量%より少ないとN−ビニルカルボン酸アミドが二相に分離せず、100質量%で塩による効果が十分得られており、100質量%を越えて添加しても不経済である。好ましくは60〜90質量%である。
【0014】
カチオン性高分子分散剤としては、カチオン性モノマーである(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物などを重合したものであるが、これらカチオン性モノマーと非イオン性モノマーとの共重合体も使用可能である。非イオン性モノマーの例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N’−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。カチオン性高分子分散剤の重量平均分子量としては、5000〜200万、好ましくは5万〜100万である。添加率は水に対し通常0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
【0015】
アニオン性化合物としては、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸ナトリウム等のトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸ナトリウム等のキシレンスルホン酸塩、エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のエチルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等のドデシル硫酸塩、シクロヘキサンスルホン酸ナトリウム等のシクロヘキサンスルホン酸塩、脂肪族硫酸塩、芳香族硫酸塩、安息香酸または安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩、フタル酸またはフタル酸ナトリウム等のフタル酸塩、p−トルイル酸、p−トルイル酸ナトリウム等のp−トルイル酸塩、ラウリン酸またはラウリン酸ナトリウム等のラウリン酸塩、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム等のオレイン酸塩、その他、脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩等が挙げられる。アニオン性化合物の添加率は、モノマー総量に対して0.1〜20質量%の範囲であり、0.5〜10質量%が好ましい。
【0016】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルなどのポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物などのポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのソルビタン化合物が挙げられる。これらのHLB値は任意のものが使用されるが、8.0〜17.0の範囲が好ましい。非イオン性界面活性剤の添加率は、モノマー総量に対して0.1〜20質量%の範囲であり、0.5〜10質量%が好ましい。
【0017】
カチオン性高分子分散剤とアニオン性化合物を併用する、あるいはカチオン性高分子分散剤と非イオン性界面活性剤を併用することによって、凝集物のないポリビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子が得られることができる。これは、アニオン性化合物を添加することにより、塩析されモノマー相側に存在するアニオン性化合物のアニオン性基と水相側に存在するカチオン性高分子分散剤のカチオン性基が相互作用することによりモノマー液滴界面にこれらの複合体が存在する結果、モノマー液滴の安定性が向上し、凝集物のない球状の重合体が得られるものと推測される。又、非イオン性界面活性剤は疎水基がモノマー相側に存在し親水基が水相側に存在する結果、カチオン性高分子分散剤の分散安定効果と共同的にモノマー液滴の分散安定性を向上させ、凝集物のない球状の重合体が得られるものと推測される。又、アニオン性化合物及び非イオン性界面活性剤の両者を任意の割合で存在させることも可能である。
【0018】
重合反応は、通常、温度30℃〜100℃、時間は1時間〜15時間で行う。
【0019】
重合後、水洗により塩、カチオン性高分子分散剤、アニオン性化合物及び/又は非イオン性界面活性剤、未反応モノマー等を除去することができる。
【0020】
本発明における製造方法により得られたビニルカルボン酸アミド架橋重合体粒子は、加水分解しビニルアミン架橋重合体粒子とすることにより、ガス処理用途や一般的な水処理用途の他に、半導体製造用、原子力用、火力発電用、医薬・化粧品用等の純水の製造、プロセス用水、ボイラー用水、反応溶液、発酵液からの脱塩、廃水等からの酸性物質、ホルムアルデヒド類、金属イオンの吸着除去、有機化合物等の吸着処理、等に利用される。又、本発明における架橋重合体粒子は球状であるため、吸着剤としてカラムで使用する場合には、充填効率が高く流路が安定になり分離効率が高まることや、一般的な水処理用途等においても対象物質との吸着能が高まり処理能力が向上する等の利点がある。
【実施例】
【0021】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0022】
(実施例1)
500mLの4つ口フラスコに脱塩水146.4g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.2gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド50.1g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18g、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら200rpmで撹拌した。30分後昇温し、50℃で3時間、続いて60℃で2時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子133.2gを得た。
【0023】
(実施例2)
3000mLの4つ口フラスコに脱塩水980.3g、硫酸アンモニウム640.4g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)20.4gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド332.0g、ジビニルベンゼン28.0g、アクリロニトリル40.0g、トルエンスルホン酸ナトリウム10.0g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)1.2gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら90rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で4時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子858.7gを得た。固形分率は40.3%であった。
【0024】
(実施例3)
500mLの4つ口フラスコに脱塩水144.2g、硫酸アンモニウム96.4g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)6.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド37.9g、ジビニルベンゼン7.2g、アクリロニトリル15.0g、トルエンスルホン酸ナトリウム1.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら200rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1.5時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子88.4gを得た。固形分率は55.8%であった。
【0025】
(実施例4)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ラウリン酸ナトリウム0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子131.49gを得た。固形分率は40.1%であった。
【0026】
(実施例5)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、オレイン酸0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子126.57gを得た。固形分率は40.9%であった。
【0027】
(実施例6)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ドデシル硫酸ナトリウム0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子127.63gを得た。固形分率は40.4%であった。
【0028】
(実施例7)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、安息香酸ナトリウム0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子128.85gを得た。固形分率は40.5%であった。
【0029】
(実施例8)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、p−トルイル酸0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子104.18gを得た。固形分率は39.1%であった。
【0030】
(実施例9)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子121.95gを得た。固形分率は38.9%であった。
【0031】
(実施例10)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB16.7)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子129.51gを得た。固形分率は39.6%であった。
【0032】
(実施例11)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(HLB15.0)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子126.61gを得た。固形分率は42.1%であった。
【0033】
(実施例12)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(CL−70、HLB11.7、三洋化成工業株式会社)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子133.24gを得た。固形分率は41.4%であった。
【0034】
(実施例13)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(CL−100、HLB13.3、三洋化成工業株式会社)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子130.75gを得た。固形分率は39.2%であった。
【0035】
(実施例14)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ID−40、HLB8.0、三洋化成工業株式会社)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子143.59gを得た。固形分率は37.2%であった。
【0036】
(実施例15)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、ポリオキシエチレンジステアレート(DO−400、HLB8.4、三洋化成工業株式会社)0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過し、含水状態の凝集物のない重合体球状粒子137.46gを得た。固形分率は38.2%であった。
【0037】
(比較例1)
500mLの4つ口フラスコに脱塩水142g、硫酸アンモニウム96.1g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)8.1gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.9g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら250rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で2時間、続いて60℃で1時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過したが、得られた重合体は数百マイクロメートルから数mmの凝集物が多数存在した。
【0038】
(比較例2)
3000mLの4つ口フラスコに脱塩水1471g、硫酸アンモニウム942.8g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)30.2gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド332.4g、ジビニルベンゼン28.0g、アクリロニトリル40.0g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)1.20gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら110rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて70℃で2時間重合した。重合後濾過、水洗し、濾過したが、得られた重合体は数mmの凝集物が多数存在した。
【0039】
(比較例3)
500mLの3つ口フラスコに脱塩水150.0g、硫酸アンモニウム96.0g、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20質量%、重量平均分子量80万)4.0gを投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド49.8g、ジビニルベンゼン4.2g、アクリロニトリル6.0g、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム 0.5g、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.18gを混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら170rpmで撹拌した。30分後昇温し45℃で反応を開始させたが、得られた重合体は凝集物が発生した。