(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る車載端末100の概略構成の一例を示した図である。車載端末100は、例えば、推奨経路(以下、「案内経路」という場合がある)の探索や、地図情報および交通情報の表示など、いわゆるナビゲーション機能を備えたナビゲーション装置によって実現される。
【0012】
図示するように、車載端末100は、演算装置1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)受信装置10と、FM多重放送受信装置11と、ビーコン受信装置12と、通信装置13とを有している。
【0013】
演算装置1は、車載端末100の様々な処理を行う中心的なユニットである。例えば、演算装置1は、通常のナビゲーション機能を実現する。具体的には、演算装置1は、車速センサ7などの各種センサおよびGPS受信装置9から出力された情報を用いて現在地を検出する。また、演算装置1は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、演算装置1は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示させる信号を出力する。また、演算装置1は、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図情報などを用いて、出発地と目的地とを結ぶ案内経路を探索する。また、演算装置1は、ディスプレイ2などに所定の信号を出力して経路誘導を行う。
【0014】
また、演算装置1は、車載端末100が搭載されている自動運転機能を備えた車両(以下、「自動運転車両」という場合がある)の車両制御装置(図示せず)に対し、探索した案内経路に関する情報(以下、「案内経路情報」という)を送信する。ここで、自動運転車両とは、例えば、車載カメラ、ミリ波レーダーおよびGPS受信装置9などを介して取得した所定情報を用いて車両周囲の環境を認識し、案内経路情報を用いて目的地まで自律的に走行を行うことができる車両のことである。自動運転車両は、車両周囲の環境その他様々な条件に応じて車両制御装置(ECU)からステアリング、アクセルおよびブレーキなどの各制御装置に対して制御信号を出力することにより自律走行を実現する。
【0015】
また、演算装置1は、自動運転終了事前警告処理を実行し、案内経路情報に従って自動運転が実施されており、かつ、VICS受信装置10などを介して渋滞情報が取得されている場合に自動運転継続可否判定を行う。
【0016】
また、演算装置1は、自動運転を継続できなくなる可能性のある地点が所定地点などである場合、ユーザに対して事前に報知を行う。
【0017】
このような演算装置1は、各デバイス間をバスで接続した構成となっている。具体的には、演算装置1は、数値演算や各デバイスの制御など様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3またはROM23から読み出した地図情報や演算データなどを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)22と、CPU21で実行されるブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)23と、演算装置1に各種ハードウェアを接続するためのI/F(インターフェイス)24と、これらを相互に接続するバス25とを有している。
【0018】
ディスプレイ2は、グラフィックス情報を表示するユニットであって、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成される。
【0019】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体であって、様々な情報(例えば、地図情報など)が格納されている。
【0020】
音声入出力装置4は、運転者や同乗者の発した声を取得するマイクロフォン41と、運転者などへの案内を音声として出力するスピーカ42とを有する。
【0021】
入力装置5は、タッチパネル51やダイヤルスイッチ52あるいはスクロールキーなどユーザからの指示入力を受け付ける装置である。
【0022】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROMなどのROM、IC(Integrated Circuit)カードなどの、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体であって、例えば動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0023】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0024】
VICS受信装置10は、現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などを含むVICS情報を受信する装置である。FM多重放送受信装置11は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する装置である。FM多重放送には、VICS情報の現況交通情報などが含まれている。ビーコン受信装置12は、VICS情報の現況交通情報などを受信する装置である。
【0025】
なお、VICS情報の現況交通情報には、渋滞区間を示す渋滞情報が含まれている。また、渋滞情報には、少なくとも渋滞区間に含まれるリンクのリンクIDや、渋滞開始地点を有するリンクのリンク開始地点から渋滞開始地点までの差分距離を示すオフセット情報(例えば、「渋滞開始地点はリンク開始地点からXmの地点」であることを示す情報)が含まれているものとする。なお、渋滞情報の内容およびデータ構成は特に限定されるものではない。
【0026】
通信装置13は、自動運転機能が搭載されている車両や外部装置(例えば、情報センタのサーバ装置など)との間で情報通信を行う装置である。
【0027】
以上、車載端末100のハードウェア構成について説明した。
【0028】
図2は、車載端末100の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。図示するように、車載端末100は、演算部101、記憶部102と、通信部103とを有している。演算部101には、入力受付部111と、出力処理部112と、経路探索部113と、自動運転継続可否判定部114と、報知部115とが含まれる。
【0029】
入力受付部111は、車載端末100が備える入力装置5(タッチパネル51やダイヤルスイッチ52など)を介して、ユーザからの指示や情報の入力を受け付ける機能部である。例えば、入力受付部111は、入力装置5を介して、出発地および目的地の設定や案内経路の探索指示などをユーザから受け付ける。
【0030】
出力処理部112は、表示画面を構成する画面情報を生成する機能部である。具体的には、出力処理部112は、ディスプレイ2への表示が要求される所定の画面情報(例えば、メニュー情報、地図情報、誘導経路情報および自動運転終了の警告情報など)を生成し、これをディスプレイ2に表示する。
【0031】
経路探索部113は、案内経路情報の生成を行う機能部である。具体的には、経路探索部113は、車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9から出力された情報を用いて、車両の現在地を特定する。また、経路探索部113は、入力受付部111を介して、出発地および目的地に関する情報をユーザから取得する。また、経路探索部113は、ダイクストラ法など所定の方法を用いて、出発地(あるいは現在地)と目的地とを結ぶ案内経路を探索し、かかる案内経路を含む案内経路情報を生成する。
【0032】
自動運転継続可否判定部114は、車両の自動運転の継続可否を判定する機能部である。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、自動運転終了事前警告処理を実行し、案内経路情報に従って自動運転が実施されており、かつ、VICS受信装置10などを介して渋滞情報が取得されている場合に自動運転継続可否判定を行う。自動運転終了警告処理および自動運転継続可否判定処理の詳細については後述する。
【0033】
報知部115は、自動運転の継続実施が困難であることをユーザに報知する機能部である。具体的には、報知部115は、出力処理部112を介して所定の警告メッセージをディスプレイ2に表示したり、所定の警告音や警告の音声発話をスピーカ42から出力するなどして自動運転が終了することを報知する。また、報知部115は、例えば、シートの駆動制御装置(図示せず)を介してシートを振動させる。
【0034】
記憶部102は、所定情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部102は、地図情報200を格納している。
【0035】
図3は、地図情報200の一例を示した図である。地図情報200は、地図上の道路に関する情報であるリンク情報などを有している。図示するように、地図情報200は、地図上の領域を識別するメッシュID201ごとに、各メッシュが有する道路のリンクID202と、各リンクID202に対応付けられているリンク情報203と、を有している。
【0036】
リンク情報203は、上り方面/下り方面別に、道路の両端を示す開始ノードおよび終了ノードの地点座標204と、国道、県道、有料道路/高速道路(以下、「高速道路等」という場合がある)の本線、高速道路等からの退出道路または合流道路といった所定の道路種別を示す道路種別205と、道路の名称を示す道路名称206と、道路の長さを示すリンク長207と、道路の通過に要する時間を示す旅行時間208と、道路の開始ノードあるいは終了ノードに接続する他の路線の道路(以下、「切替先路線」という場合がある)のリンクIDが格納されている開始接続リンク/終了接続リンク209と、制限速度210と、車線数211とを有している。
【0037】
通信部103は、車両および外部装置との間で情報通信を行うための機能部である。具体的には、通信部103は、案内経路情報を自動運転車両の通信部に送信する。なお、通信部103は、例えば、ユーザから受け付けた出発地(あるいは現在地)および目的地をサーバ装置に送信し、サーバ装置で生成された経路案内情報を取得しても良い。また、通信部103は、例えば、サーバ装置から渋滞情報を含む交通情報を取得しても良い。
【0038】
以上、車載端末100の機能構成について説明した。
【0039】
なお、車載端末100の演算部101は、CPU21に処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、ROM23あるいは記憶装置3に格納されており、実行にあたってRAM22上にロードされ、CPU21により実行される。また、記憶部102は、RAM22、ROM23または記憶装置3によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。
【0040】
また、各機能ブロックは、本実施形態において実現される車載端末100の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、車載端末100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0041】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0042】
[動作の説明]
図4は、車載端末100で実行される自動運転終了事前警告処理の一例を示したフロー図である。例えば、自動運転終了事前警告処理は、車載端末100の起動と共に開始される。
【0043】
自動運転終了事前警告処理が開始されると、自動運転継続可否判定部114は、自動運転継続可否判定を実行可能か否かを判定する(ステップS001)。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、案内経路情報に従って自動運転車両により自動運転が実施されており、かつ、VICS受信装置10、FM多重放送受信装置11あるいはビーコン受信装置12などを介して渋滞情報が取得されている場合に自動運転継続可否判定を実行可能と判定する。
【0044】
自動運転継続可否判定を実行不可と判定した場合(ステップS001でNo)、自動運転継続可否判定部114は、再度ステップS001の処理を行う。一方で、自動運転継続可否判定を実行可能と判定した場合(ステップS001でYes)、自動運転継続可否判定部114は、処理をステップS002に移行する。
【0045】
次に、自動運転継続可否判定部114は、案内経路上に渋滞区間があるか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、案内経路に含まれるリンクIDと、渋滞情報に含まれる渋滞区間のリンクIDとを比較することにより案内経路上に渋滞区間があるか否かを判定する。そして、案内経路上に渋滞区間があると判定した場合(ステップS002でYes)、自動運転継続可否判定部114は、処理をステップS003に移行する。一方で、案内経路上に渋滞区間がないと判定した場合(ステップS002でNo)、自動運転継続可否判定部114は、本フローの処理を終了する。
【0046】
ステップS003では、自動運転継続可否判定部114は、渋滞区間の開始地点となる案内経路上のリンク(以下、「渋滞開始リンク」という場合がある)を特定する(ステップS003)。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、案内経路情報および渋滞情報を用いて渋滞開始リンクのリンクIDを特定する。
【0047】
次に、自動運転継続可否判定部114は、自動運転継続可否判定を行う(ステップS004)。
図5は、自動運転継続可否判定処理の詳細を示したフロー図である。自動運転継続可否判定部114は、渋滞区間が複数ある場合、渋滞区間ごとに自動運転継続可否判定処理を行う。
【0048】
まず、自動運転継続可否判定部114は、渋滞区間の開始地点付近に路線の切替地点が存在するか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、地図情報200および渋滞情報を用いて、ステップS003で特定した渋滞開始リンク上の渋滞開始地点から案内経路に沿って手前方向の所定距離以内(例えば、手前方向に50m以内)に路線の切替地点が存在するか否かを判定する。なお、路線の切替地点とは、案内経路を構成する各リンクの属する路線が相互に切り替わる地点のことである。また、手前方向とは、渋滞開始地点を起点に案内経路に沿って車両の位置する方向のことである。
【0049】
より具体的には、自動運転継続可否判定部114は、地図情報200および渋滞情報を用いて、渋滞開始リンクの開始地点から渋滞開始地点までの差分距離を特定する。また、自動運転継続可否判定部114は、かかる距離が所定距離以上(例えば、50m以上)か否かを判定する。
【0050】
そして、渋滞開始リンクの開始地点から渋滞開始地点までの差分距離が所定距離以上と判定した場合、自動運転継続可否判定部114は、渋滞区間の開始地点付近に路線の切替地点が存在しないと判定し(ステップS021でNo)、処理をステップS025に移行する。一方で、渋滞開始リンクの開始地点から渋滞開始地点までの差分距離が所定距離未満(例えば、50m未満)と判定した場合、自動運転継続可否判定部114は、渋滞区間の開始地点付近に路線の切替地点が存在すると判定し(ステップS021でYes)、処理をステップS022に移行する。
【0051】
ステップS022では、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等の本線からの退出地点であるか否かを判定する。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、地図情報200を用いて、渋滞開始リンクの開始地点に接続されている案内経路上のリンクおよび渋滞開始リンクの道路種別を特定する。
【0052】
そして、これらのリンクの道路種別が各々、高速道路等および高速道路等からの退出道路である場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等の本線からの退出地点であると判定し(ステップS022でYes)、処理をステップS026に移行する。なお、後述するように、ステップS026において自動運転継続可否判定部114は、案内経路上に自動運転の継続が困難となる地点があると判定する。
【0053】
一方で、これらのリンクの道路種別が高速道路等および高速道路等からの退出道路でない場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等の本線からの退出地点ではないと判定し(ステップS022でNo)、処理をステップS023に移行する。
【0054】
図6は、高速道路等の本線からの退出地点付近における渋滞の一例を示した図である。
図7は、
図6の渋滞区間が延びた状態の一例を示した図である。渋滞区間の開始地点A1が高速道路等の本線M1からの切替先路線である退出道路R1の切替地点付近にある場合、自動運転車両C1が本線退出地点に到達する頃には、渋滞区間が本線M1上まで伸びている可能性がある(
図7)。本線から退出道路R1への進入可能車線L1が渋滞していた場合、自動運転車両C1は、退出道路R1に進入することができずに本線M1上に停車し続けてしまう可能性がある。そのため、自動運転継続可否判定部114は、高速道路等の本線からの退出地点付近に渋滞区間の開始地点がある場合、自動運転の継続が困難となる地点があると判定する。
【0055】
図5に戻って説明する。ステップS023では、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等への合流地点であるか否かを判定する。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、地図情報200を用いて、渋滞開始リンクの開始地点に接続されている案内経路上のリンクおよび渋滞開始リンクの道路種別を特定する。そして、これらのリンクの道路種別が各々、高速道路等への合流道路および高速道路等である場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等への合流地点であると判定し(ステップS023でYes)、処理をステップS026に移行する。
【0056】
一方で、これらのリンクの道路種別が各々、高速道路等への合流道路および高速道路等でない場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が高速道路等への合流地点ではないと判定し(ステップS023でNo)、処理をステップS024に移行する。
【0057】
図8は、高速道路等の合流地点付近における渋滞の一例を示した図である。
図9は、
図8の渋滞区間が延びた状態の一例を示した図である。図示するように、渋滞区間の開始地点A2が合流道路R2からの切替先路線である高速道路等の本線M2付近にある場合、自動運転車両C2が本線合流地点に到達する頃には、本線M2上の合流地点を越えて渋滞区間が伸びている可能性がある(
図9)。高速道路等の本線合流車線L2が合流地点を越えて渋滞している場合、自動運転車両C2はスムーズに本線合流車線L2に進入できない可能性がある。そのため、自動運転継続可否判定部114は、高速道路等の合流地点付近に渋滞区間の開始地点がある場合、自動運転の継続が困難となる地点があると判定する。
【0058】
図5に戻って説明する。ステップS024では、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が交差点であって、渋滞開始リンクが片側一車線の道路であるか否かを判定する。具体的には、自動運転継続可否判定部114は、地図情報200を用いて、渋滞開始リンクの車線数を特定する。
【0059】
そして、渋滞開始リンクの車線数が一車線の場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が交差点であって、渋滞開始リンクが片側一車線の道路であると判定し(ステップS024でYes)、処理をステップS026に移行する。
【0060】
一方で、渋滞開始リンクの車線数が複数車線である場合、自動運転継続可否判定部114は、路線の切替地点が交差点であって、渋滞開始リンクが片側一車線の道路ではないと判定し(ステップS024でNo)、処理をステップS025に移行する。
【0061】
図10は、交差点付近における渋滞の一例を示した図である。
図11は、
図10の渋滞区間が延びた状態の一例を示した図である。図示するように、渋滞区間の開始地点A3が切替先路線R3の交差点付近にある場合、自動運転車両C3が交差点に到達する頃には、渋滞区間が切替先路線R3上に伸びている可能性がある(
図11)。例えば、一般道は片側一車線の道路も多く、このような場合、自動運転車両C3はスムーズに切替先路線R3に進入できない可能性がある。そのため、自動運転継続可否判定部114は、片側一車線の道路の交差点付近に渋滞区間の開始地点がある場合、自動運転の継続が困難となる地点があると判定する。
【0062】
図5に戻って説明する。ステップS025では、自動運転継続可否判定部114は、全ての渋滞区間について判定処理(ステップS021〜ステップS024の処理)を行ったか否かを判定し、行っていないと判定した場合(ステップS025でNo)、処理をステップS021に戻す。なお、ステップS021では、自動運転継続可否判定部114は、未処理の渋滞区間を抽出し、前述と同様の処理を行う。一方で、全ての渋滞区間について判定処理を行ったと判定した場合(ステップS025でYes)、自動運転継続可否判定部114は、処理をステップS027に移行する。
【0063】
ステップS026では、自動運転継続可否判定部114は、前述の通り案内経路上に自動運転の継続が困難となる地点があると判定し、本フローの処理を終了する。
【0064】
ステップS027では、自動運転継続可否判定部114は、案内経路上に自動運転の継続が困難となる地点はないと判定し、本フローの処理を終了する。なお、本フローの処理を終了すると、自動運転継続可否判定部114は、処理を
図4のステップS005に移行する。
【0065】
図4に戻って説明する。ステップS005では、自動運転継続可否判定部114は、自動運転継続困難となる可能性が有るか否かを判定する。具体的には、自動運転継続可否判定処理において案内経路上に自動運転の継続が困難となる地点はないと判定した場合、自動運転継続可否判定部114は、自動運転継続困難となる可能性がないと判定し(ステップS005でNo)、自動運転終了事前警告処理のフローを終了する。一方で、自動運転継続可否判定処理において案内経路上に自動運転の継続が困難となる地点があると判定した場合、自動運転継続可否判定部114は、自動運転継続困難となる可能性があると判定し(ステップS005でYes)、処理をステップS006に移行する。
【0066】
ステップS006では、報知部115は、自動運転継続困難地点まで所定距離以内(例えば、1km以内)になったか否かを判定する。例えば、報知部115は、経路探索部113から取得した車両の現在地が、自動運転継続可否判定処理により自動運転の継続が困難と判定された地点まで所定距離以内(例えば、1km以内)になったか否かを判定する。そして、所定距離以内になっていないと判定した場合(ステップS006でNo)、報知部115は、再度ステップS006の処理を行う。一方で、所定距離以内になったと判定した場合(ステップS006でYes)、報知部115は、処理をステップS007に移行する。
【0067】
ステップS007では、報知部115は、自動運転終了事前警告を実施する。例えば、報知部115は、ディスプレイ2に所定の警告メッセージ(例えば、「この先1kmの地点で自動運転を継続できなくなる可能性があります」)を表示して自動運転の継続が困難となる地点が近づいていることをユーザに報知する。また、例えば報知部115は、スピーカ42から所定の警告音や音声発話(例えば、「この先1kmの地点で自動運転を継続できなくなる可能性があります」という音声発話)を出力して自動運転の継続が困難となる地点が近づいていることをユーザに報知する。また、例えば報知部115は、シートの駆動制御装置(図示せず)に所定の信号を出力し、シートを振動させることで自動運転の継続が困難となる地点が近づいていることをユーザに報知する。なお、報知部は、これらの警告の少なくともいずれか1つを実行しても良く、所定の警告を組み合わせた報知を行っても良い。また、警告メッセージ、警告音および警告の発話音声の内容は特に限定されるものではなく、自動運転の継続が困難となる地点が近づいていることを報知する内容であれば良い。
【0068】
報知部115は、自動運転終了事前警告を行うと本フローの処理を終了する。
【0069】
以上、自動運転終了事前警告処理について説明した。
【0070】
このような実施形態に係る車載端末によれば、自動運転を継続できない可能性のある地点を事前に特定し、より適切なタイミングでユーザに知らせることができる。これにより、運転者は、自動運転が困難となる可能性がある地点が近づいていることを事前に知ることができるため、ゆとりをもって自動運転から手動運転に切り替えることができる。
【0071】
なお、前述の実施形態に係る車載端末100は、自動運転の継続が困難となる地点が所定距離以内まで近づいたタイミングで警告報知を行ったが、本発明はかかる実施形態に限られるものではない。例えば、車載端末100は、自動運転継続可否判定を行ったタイミングすなわち自動運転の継続が困難となる地点を特定したタイミングでユーザに報知を行う。具体的には、車載端末100は、自動運転の継続が困難となる地点を示した地図を表示すると共に警告メッセージを表示したり、かかる地点を音声発話でユーザに報知する。
【0072】
このような車載端末によっても、自動運転を継続できない可能性のある地点を事前に特定し、より適切なタイミングでユーザに知らせることができる。
【0073】
また、前述の実施形態で述べた自動運転の継続が困難となる地点は一例に過ぎず、本発明に係る車載端末100は、自動運転の継続が困難となる可能性がある様々な所定地点について自動運転継続可否判定を含む自動運転終了事前警告処理を行うことが可能である。
【0074】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0075】
また、上記の各構成、機能、処理部および処理手段などは、それらの一部または全部を、プロセッサが各々の機能を実現するプログラムにより実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置33、または、ICカード、SD(Secure Digital)メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。なお、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。
【符号の説明】
【0076】
100・・・車載端末、1・・・演算装置、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、
4・・・音声入出力装置、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、
5・・・入力装置、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、
6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ
9・・・GPS受信装置、10・・・VICS受信装置、11・・・FM多重放送受信装置、
12・・・ビーコン受信装置、13・・・通信装置、21・・・CPU、
22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、
101・・・演算部、102・・・記憶部、103・・・通信部、
111・・・入力受付部、112・・・出力処理部、113・・・経路探索部、
114・・・自動運転継続可否判定部、115・・・報知部、200・・・地図情報