【文献】
「サンダーV2」,パチスロ必勝ガイドMAX2002年3月号,株式会社白夜書房,2002年 3月 1日,pp.59−63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定演出状態では、遊技を開始させる前記スタートスイッチの操作を契機として前記特定の遊技を開始するときに出力される前記特殊な演出音の出力を制限可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
前記特定演出状態では、前記特定の遊技における役抽選で当選している特定役に対応する前記ストップスイッチの操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合に出力される前記特殊な演出音を制限可能としたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技機。
遊技の進行に影響を与えずに遊技者が操作可能な操作手段であって、遊技者が音量を調整する際に操作する第1操作手段と、この第1操作手段の近傍に配設されて前記第1操作手段により音量を調整する際の操作と同じ操作方法となる第2操作手段と、を設け、
前記第2操作手段を所定の複数回操作することで、
前記非特定演出状態の場合は、前記非特定演出状態から前記特定演出状態へ切り換えて前記特定演出状態を実行可能に形成され、
前記特定演出状態の場合は、前記特定演出状態から前記非特定演出状態へ切り換えて、前記非特定演出状態を実行可能に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の遊技機。
前記特定演出状態であっても、前記特定の遊技における当選している特定役を入賞させるためには当該特定役に対応する前記ストップスイッチの操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることを前記特殊な演出音以外の出力で報知することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の遊技機。
前記特定の遊技では、前記特殊な演出音には、当選している特定役に対応する前記ストップスイッチの操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出が含まれ、
前記特定演出状態であっても、当選している特定役に対応する前記ストップスイッチの操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出とは異なる態様の演出が実行されるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来の遊技機は、選択した遊技モードが示す演出用音量に設定するもので、技術介入性の高い所定の状態で出力される特殊な演出音のみの出力を制限するようなことはできなかった。
【0005】
つまり、従来の遊技機では、高齢者モードや、初心者モードでは、一律に所定の演出用音量に設定するものであり、所定の技術介入性の高い、停止操作を行う際にだけ、出力される特殊な演出音のみの出力を制限するようなものではない。すなわち、所定の遊技状態において、周囲からプレッシャーを感じることなく、平常心で技術介入性の高い遊技の停止操作を実行することができず、技術介入性の高い遊技の停止操作の成功率を高めることができないという問題点があった。
【0006】
上記の問題点に鑑み、本願発明は、所定の遊技状態において、特殊な演出音の出力のみの出力を制限することで、周囲からプレッシャーを感じることなく、平常心で技術介入性の高い遊技の停止操作を実行することができ、技術介入性の高い遊技の停止操作の成功率を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次の点を特徴とする。すなわち、複数の図柄61を変動表示可能な複数のリール62と、
前記リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのスタートスイッチ40と、
前記複数のリール62の各々に対応して設けられ、前記複数のリール62の変動表示の開始後、遊技者の操作により前記リール62の図柄61の変動表示を停止させるためのストップスイッチ50と、
複数の役のうちいずれの役に当選するか否かを決定する役抽選を行う役抽選手段120と、を備え、
前記ストップスイッチ50による遊技者の停止操作により、前記役抽選の結果、当選している役の図柄61組み合わせを有効ライン86上に揃えた場合に入賞し、当該入賞した場合に遊技者に有利な特典が付与可能に制御される遊技機10であって、
通常の遊技よりも、前記停止操作における技術介入性の高い特定の遊技
のみで出力される特殊な演出音のみを対象として出力を制限可能な特定演出状態
と、
前記特定演出状態以外の状態であって、前記特殊な演出音の出力を制限しない非特定演出状態と、
を備え、
前記特定演出状態は、遊技者による所定の操作手段31の操作により実行可能とし
、
当該特定演出状態の前記役抽選で、当選することにより前記特定の遊技が行われる特定役と、当選することにより前記通常の遊技が行われる所定役と、に当選可能であり、前記特定役の当選と前記所定役の当選は次回の遊技以降では無効となり、
前記特定演出状態では、前記特定の遊技だけでなく、前記通常の遊技も行われ得るものであると共に、
前記特定演出状態で行われる前記特定の遊技では、前記特殊な演出音のみを対象として出力が制限されることにより、前記特殊な演出音が、前記特定演出状態で行われる前記通常の遊技で出力される通常の演出音へ切り換えられることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、特定の遊技において、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出音が発生すると、当該遊技機10が設置されている遊技ホールにおいて、当該遊技機10の周囲にいる人達(隣や、背後の遊技者)には、この特殊な演出音が聞かれてしまうことで、「当該遊技機10に座っている人は、これから技術介入性の高い特定の遊技にチャレンジする、或いは、チャレンジしている」ということが察知されてしまう。すると、当該遊技機10に座って、これから停止操作における技術介入性の高い特定の遊技を行おうとしている当該遊技機10の前に座っている遊技者は、その周囲からプレッシャーを感じて緊張してしまい、停止操作における技術介入性の高い遊技を落ち着いて実行することが難しくなり、停止操作における技術介入性の高い遊技を行い難くなり、技術介入性の高い遊技で失敗し易くなってしまう。
【0009】
また、初心者や技量の乏しい遊技者にとっては、実際に周囲の人達が見ているか否かは問題ではなく、見られているかもと想像するだけで、肩に力が入ってしまい、停止操作における技術介入性の高い遊技に失敗し易くなってしまう。
そこで、遊技者による所定の操作手段31の操作により、特定演出状態(いわゆるサイレントモード)を実行することで、通常の遊技よりも停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特定の演出音のみを対象として出力を制限することができる。
すなわち、遊技者が所定の操作手段31の操作により、特定演出状態を実行させることで、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出のみを対象として出力を制限する。
【0010】
このため、遊技者が、特定演出状態を実行する場合には、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で技術介入性の高い停止操作にチャレンジしようとしていること、或いは、チャレンジしていることが、その周囲の遊技者に分からない。
したがって、遊技者は、周囲からプレッシャーを感じることなく、平常心で技術介入性の高い遊技の停止操作を実行することができ、技術介入性の高い遊技の停止操作の成功率を高めることができる。
【0011】
前記「ストップスイッチ50による遊技者の停止操作」は、複数のストップスイッチ50の全てに対する遊技者の停止操作に限られるものでなく、例えば中ストップスイッチCのみ或いは例えば中ストップスイッチCと右ストップスイッチRの2つのみ、のように一部のストップスイッチ50に対する遊技者の停止操作、であっても良い。
【0012】
前記通常の遊技は、前記特定の遊技とは異なる遊技であって、例えば再遊技役に当選した遊技のように、全てのリール62において所定のリール制御によって引込み可能な範囲内に図柄が配置されていることから、遊技者による停止操作タイミング(停止操作位置)に関わらず、当選した役を遊技者が必ず成立させることのできる遊技、が挙げられる。
また、例えば、規定の停止操作順番が設定された押し順役に当選し、前記規定の停止操作順番が明確に判明するよう表示する押し順ナビ演出(いわゆる「フルナビ」)が実行される遊技のように、表示された押し順に沿って停止操作を実行すれば、当選した最も払出枚数の多い役を遊技者が容易に成立させることができる遊技、が挙げられる。
【0013】
前記特定の遊技としては、遊技者の停止操作態様によって遊技結果が変化し遊技者の操作技量に応じて獲得する利益が異なる遊技が好適である。例えば、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミング)によって成立し得る役が異なってメダルの払出枚数が異なる遊技の他、遊技者の停止操作態様によって、遊技者に有利な遊技状態(例えばAT状態や上乗せ特化ゾーン)へ移行させる抽選(例えばAT移行抽選や上乗せ移行抽選)が実行可能となる遊技、であっても良い。または、例えば、設定値を示唆する設定示唆演出が実行される遊技であって、遊技者の停止操作態様によって、設定示唆演出を通じて示唆される内容の正確性が変化する(例えば、より具体的な内容で示唆される)もの、であっても良い。
【0014】
前記特殊な演出音は、例えば前記通常の遊技では出力されず、前記特定の遊技でのみ出力されるものである。そして、前記特殊な演出音としては、具体的には効果音、音声、BGM、楽曲として出力されるものが含まれ、例えば操作手段が操作されることを契機に出力される操作音、例えば前記特定の遊技でのみ出力されるBGM(楽曲)、例えば前記特定の遊技でのみ実行される演出で出力される効果音、が挙げられる。
【0015】
前記特定演出状態は、遊技機10の稼働中であれば何れのタイミングであっても実行可能であるが、メダルの投入(またはベット操作)が可能な状態(1回の遊技が終了した後から次の遊技を開始するスタートスイッチ40の操作前)である期間に限って実行可能にする、と良い。この場合、スタートスイッチ40の操作を契機に特定役に当選して特定の遊技が開始される前に、特定演出状態を実行することが可能となり、特定の遊技が開始されたのちに、特定演出状態を実行しようとして手遅れになる事態を回避することができる。
【0016】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定演出状態以外の状態である非特定演出状態を備え、前記非特定演出状態では、前記特殊な演出音の出力を制限しないことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、特殊な演出音の出力を制限しない非特定演出状態を備えていることで、いわゆる目押しの技術に自信があって技術介入性の高い遊技を得意とする経験者や、目押しの技能の熟練者は、自分の目押しの技術を周囲に誇示することができる。
一方、特殊な演出音の出力を制限する特定演出状態を備えていることで、目押しの技術に自信が無い初心者や高齢者や目押しの技能に劣る未熟練者等であっても、上述したように、周囲からのプレッシャーを感じずに緊張することなく、技術介入性の高い遊技を落ち着いて実行することができる。
このように特定演出状態及び非特定演出状態の両方を有していることにより、高い目押しの技能を有する熟練者と、目押しの技能に劣る初心者や未熟練者との両方が、自己の技能に沿って特殊な演出音の出力の制限の有無を自ら決定し、その演出状態を実行することができる。
【0018】
例えば、特定の操作手段の操作を契機に第1の演出音と第2の演出音とが出力されるよう構成されている場合、「特定の遊技」において第1の演出音と第2の演出音とが出力されるのに対し、「特定の遊技とは異なる遊技」において第1の演出音は出力されずに第2の演出音が出力されるときには、第1の演出音は「特殊な演出音」に該当し、第2の演出音は「特殊な演出音」に該当しない。
【0019】
よって、上述の場合、「特定の遊技」では、特定演出状態に設定されているならば、特殊な演出音に該当する第1の演出音の出力が制限されるため、例えば第1の演出音が出力されずに第2の演出音が出力され、一方、非特定演出状態に設定されているならば、特殊な演出音に該当する第1の演出音の出力が制限されないため、第1の演出音と第2の演出音とが出力される。
【0020】
また、上述の場合、「特定の遊技とは異なる遊技」では、特定演出状態に設定されているならば、特殊な演出音に該当する第1の演出音の出力は設定されていないため、第1の演出音が出力されずに第2の演出音が出力され、一方、非特定演出状態に設定されているならば、特殊な演出音に該当する第1の演出音の出力は設定されていないため、第2の演出音が出力される。
【0021】
つまり、非特定演出状態に設定されている場合、「特定の遊技」では出力される第1の演出音が「特定の遊技とは異なる遊技」で出力されるため、演出音を通じて「特定の遊技」の発生を周囲の遊技客が察知する可能性がある。これに対し、特定演出状態に設定されている場合、「特定の遊技」であっても、「特定の遊技とは異なる遊技」であっても、第1の演出音が出力されずに第2の演出音が出力されるため、演出音を通じて「特定の遊技」の発生を周囲の遊技客が察知することは困難となる。
【0022】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、遊技者による設定操作に基づき音量に関する設定である音量設定を行う遊技者側音量設定手段410と、
遊技店従業員による設定操作に基づき音量に関する設定である音量設定を行う遊技店側音量設定手段420とが設けられ、
前記特定演出状態で行われる前記特定の遊技で技術介入に成功すると、前記通常の遊技で出力される通常の演出音が、前記遊技者側音量設定手段410で設定されている音量設定と、前記遊技店側音量設定手段420で設定されている音量設定との組み合わせに基づいた音量で出力されることを特徴とする。
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定演出状態では、遊技を開始させる前記スタートスイッチ40の操作を契機として前記特定の遊技を開始するときに出力される前記特殊な演出音の出力を制限可能としたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、スタートスイッチ40の操作を契機として、すなわち、遊技の冒頭で当該遊技の内容を理解可能な特殊な演出音(具体的には、例えば後述する「勝負じゃー!!」という音声出力)が出力される。当該特殊な演出音が遊技の冒頭で出力されることで、当該遊技機10の周囲の遊技者に当該遊技機10において、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技が開始されることが察知されてしまう。そこで、当該スタートスイッチ40の操作を契機として特定の遊技を開始するときに出力される特殊な演出音が制限されることで、当該遊技機10において、技術介入性の高い特定の遊技が実行されることを周囲に察知されないようにすることができる。
【0024】
例えば、スタートスイッチ40の操作を契機に第1の演出音が出力される場合、スタートスイッチ40の操作を契機に開始される遊技が「特定の遊技とは異なる遊技」であるときに、当該スタートスイッチ40の操作では第1の演出音が出力されず、一方、スタートスイッチ40の操作を契機に開始される遊技が「特定の遊技」であるときに、当該スタートスイッチ40の操作で第1の演出音が出力されると、この第1の演出音は「特殊な演出音」に該当する。よって、このような場合、特定演出状態に設定されていると、「特定の遊技」と「特定の遊技とは異なる遊技」といずれの遊技であっても、これら遊技を開始させるスタートスイッチ40の操作では、例えば第1の演出音が出力されない等、第1の演出音の出力が制限されることになる。
【0025】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定演出状態では、前記特定の遊技における役抽選で当選している特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合に出力される前記特殊な演出音を制限可能としたことを特徴とする。
ここで、「当選している特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合」とは、具体的には、例えば、特定の役における、いわゆるビタ押し操作、いわゆる滑りコマ数が0コマとなる停止操作タイミングに成功した場合が含まれる。
本発明は、特殊な演出音がスタートスイッチ40の操作を契機として特定の遊技を開始するときに出力される場合には、当該スタートスイッチ40の操作を契機として特殊な演出音を、通常の遊技で出力されるスタートスイッチ40の通常の演出音へ切り換えるようなものが含まれる。
また、本発明は、特殊な演出音がストップスイッチ50の操作を契機として特定の遊技を開始するときに出力される場合には、当該ストップスイッチ50の操作を契機として特殊な演出音を、通常の遊技で出力されるストップスイッチ50の通常の演出音へ切り換えるようなものが含まれる。
また、本発明の通常の遊技で出力される「通常の演出音」とあるが、通常の遊技で、いずれの演出音も発生しない「無音」の状態である場合には、無音の状態へ切り換えるようなものが含まれる。
【0026】
本発明によれば、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合に出力される特殊な演出音を制限可能とすることにより、技術介入性の高い場合に出力される特殊な演出音を制限することが可能となり、技術介入性の高い遊技であることを周囲に報知する特殊な演出音の出力を抑え、周囲に当該遊技状態であることを知られないようにすることができる。
【0027】
例えば、
図2に示す図柄配列の場合、左リール64において図柄番号2の「ダイヤ1図柄」が有効ラインにおける中段に位置したタイミングで左ストップスイッチLが押下操作され、中リール66において図柄番号1の「ダイヤ1図柄」が有効ラインにおける中段に位置したタイミングで中ストップスイッチCが押下操作され、右リール68において図柄番号16の「ダイヤ1図柄」が有効ラインにおける中段に位置したタイミングで右ストップスイッチRが押下操作されたときに、最後の停止操作(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR、のいずれかの押下操作)を契機に出力される停止操作音が「特殊な演出音」に該当するならば、これら一連の停止操作に係る「特定の遊技」が特定演出状態において行われていると、当該停止操作音の出力が制限されることになる。
【0028】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定演出状態では、前記特殊な演出音を前記通常の遊技で出力される通常の演出音へ切り換えることで制限することを特徴とする。
本発明では、「前記特定演出状態では、遊技を開始させる前記スタートスイッチ40の操作を契機として前記特定の遊技を開始するときに出力される前記特殊な演出音の出力を制限可能としたことを特徴とする」に従属する場合には、切り換えられる通常の演出音は、通常の遊技においてスタートスイッチ40を契機に出力される通常のスタート音となるものである。
また、本発明では、「前記特定演出状態では、前記特定の遊技における役抽選で当選している特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合に出力される前記特殊な演出音を制限可能としたことを特徴とする」に従属する場合には、切り換えられる通常の演出音は、通常の遊技においてストップスイッチ50の操作を契機として出力される通常の停止操作音となるものである。
【0029】
本発明によれば、特殊な演出音を通常の遊技で出力される通常の演出音に切り換えることにより、特殊な演出音の出力を特段制限することなく、特殊な演出音の出力を制限することと同様の効果を奏することができる。
【0030】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、
遊技の進行に影響を与えずに遊技者が操作可能な操作手段であって、遊技者が音量を調整する際に操作する第1操作手段(具体的には、例えば、音量アップボタンスイッチ47c、音量ダウンボタンスイッチ47b)と、この第1操作手段の近傍に配設されて
前記第1操作手段
により音量を調整する際の操作と同じ操作方法となる第2操作手段(具体的には、例えば、決定ボタンスイッチ47a)と、を設け、
前記第2操作手段を所定
の複数回操作することで、前記
非特定演出状態の場合は、前記
非特定演出状態から前記特定演出状態へ切り換えて前記特定演出状態を実行可能に形成され、前記特定演出状態の場合は、前記特定演出状態から前記
非特定演出状態へ切り換えて、前記
非特定演出状態を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0031】
第1操作手段は、音量アップボタンスイッチ47cと音量ダウンボタンスイッチ47bとに相当し、第2操作手段は、この第1操作手段(音量アップボタンスイッチ47c、音量ダウンボタンスイッチ47b)の近傍に配設されて第1操作手段(音量アップボタンスイッチ47c、音量ダウンボタンスイッチ47b)と同じ操作方法となる決定ボタンスイッチ47aに相当する。
【0032】
ここで、「同じ操作方法」とは、第1操作手段が押下操作するタイプのスイッチであれば、第2操作手段も同じタイプのスイッチを採用することを意味する。操作方法が異なると周囲に察知される危険性が高まるため、第2操作手段は、第1操作手段と同じ操作方法(例えば押下操作)に設定されている。また、「近傍」は、第1操作手段の近くにある第2操作手段を操作しても、周囲からは第1操作手段を操作しているかのように見えることになる。
【0033】
また、「第2操作手段を所定回数操作することで、前記特定演出状態以外の状態の場合は、前記特定演出状態以外の状態から前記特定演出状態へ切り換えて前記特定演出状態を実行可能に形成され、前記特定演出状態の場合は、前記特定演出状態から前記特定演出状態以外の状態へ切り換えて、前記特定演出状態以外の状態を実行可能に形成されている」とは、結果として、第2操作手段を所定回数操作することで、特定演出状態と非特定演出状態とを切り換え可能なものが含まれる。
【0034】
本発明によれば、第2操作手段(具体的には、決定ボタンスイッチ47a)を所定回数(具体的には、例えば8回)操作することによって、前記特定演出状態以外の状態の場合は、前記特定演出状態以外の状態から特定演出状態へ切り換えて特定演出状態を実行可能に形成され、特定演出状態の場合は、特定演出状態から前記特定演出状態以外の状態へ切り換えて、前記特定演出状態以外の状態を実行可能に形成されている。
【0035】
第2操作手段は、第1操作手段の近傍に配置されて第1操作手段と同じ操作方法であるため、周囲の遊技者から見て、両者を明確に区別することは容易では無い。このため、遊技者が特定演出状態へ移行させるべく、第2操作手段を操作しても、遊技者の操作を気にしている周囲の遊技者からは、音量を調整する際に操作する音量調整用の第1操作手段により音量を調整しているように見え、遊技者が意図的に特定演出状態へ切り換えたことは周囲の遊技者に察知され難い。
【0036】
なお、本発明に係る遊技機10は、遊技の進行に影響を与えずに遊技者が操作可能な前記操作手段31(具体的には、例えば、遊技進行影響非付与操作手段31b(後述する遊技者側音量設定スイッチ47、遊技店側音量設定スイッチ334、演出用ボタンスイッチ42等))を操作することによって、演出全体の音量を変更可能に形成され、音量を調整する際に操作する前記操作手段31を所定回数操作することで、前記特定演出状態以外の状態の場合は、前記特定演出状態以外の状態から前記特定演出状態へ切り換えて前記特定演出状態を実行可能に形成され、前記特定演出状態の場合は、前記特定演出状態から前記特定演出状態以外の状態へ切り換えて、前記特定演出状態以外の状態を実行可能に形成されているようにしてもよい。このようにしても、上述した場合と同様の効果を奏する。
【0037】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定演出状態であっても、前記特定の遊技における当選している特定役を入賞させるためには当該特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることを前記特殊な演出音以外の出力で報知することを特徴とする。
【0038】
本発明によれば、特殊な演出音以外の出力(例えば、所定のランプ点灯や、所定の画像表示等)で報知されることにより、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることは報知される。これにより、周囲の遊技者が気づかずに、当該遊技機10の遊技者だけが、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることを認識することが可能となる。
【0039】
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、前記特定の遊技では、前記特殊な演出音には、当選している特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出が含まれ、
前記特定演出状態であっても、当選している特定役に対応する前記ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出とは異なる態様の演出が実行されるようにしたことを特徴とする。
【0040】
本発明によれば、特定演出状態であっても、当選している特定役に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出とは異なる態様の演出が実行される。これにより、特定演出状態であっても、操作タイミングに対する評価を報知することができ、周囲の者には、評価の詳細について知られることなく、当該評価を知ることができる。
また、本発明に係る遊技機10は、さらに、通常に行われる通常状態と、
前記通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態との両方において、前記役抽選で前記特定役に当選することにより前記特定の遊技が可能に形成され、前記通常状態と前記ボーナス状態とのいずれの状態であっても、前記特定演出状態又は前記非特定演出状態を実行可能であることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0043】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0044】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記駆動モータ及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる報知手段70が形成されている。この報知手段70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより報知手段70の一種として使用してもよい。
【0045】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置としての表示装置84を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0046】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0047】
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応するリール62の回転を停止させるため、3個のリール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0048】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。なお、後述するRBB中には上記3枚投入が2枚投入に設定されている。
【0049】
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35を設けてもよい。
【0050】
上述したスタートスイッチ40、ストップスイッチ50、精算スイッチ36及びマックスベットスイッチ34により、遊技者が操作可能な操作手段31(
図3参照)を構成している。
ここで、遊技者が操作可能な操作手段31は、遊技の進行に影響を与える遊技進行影響付与操作手段31aと、遊技の進行に直接影響を与えない遊技進行影響非付与操作手段31bとを備えている。
遊技進行影響付与操作手段31aには、上述したスタートスイッチ40、ストップスイッチ50、精算スイッチ36及びマックスベットスイッチ34、シングルベットスイッチ35を有している。
また、遊技進行影響非付与操作手段31bには、後述する遊技者側音量設定スイッチ47と、遊技店側音量設定スイッチ334と、演出用ボタンスイッチ42とを備えている。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0051】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0052】
なお「有効ライン86」は、当選役が当該ライン上に並んだ場合に入賞となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、
図1及び
図5に示すように、5本のラインからなるものである。具体的には、有効ライン86は、左リール64の中段と、中リール66の中段と、右リール68の中段とを結んだ中段ラインと、左リール64の上段と、中リール66の上段と、右リール68の上段とを結んだ上段ラインと、左リール64の下段と、中リール66の下段と、右リール68の下段とを結んだ下段ラインと、左リール64の上段と、中リール66の中段と、右リール68の下段とを結んだ右下がりラインと、左リール64の下段と、中リール66の中段と、右リール68の上段とを結んだ右上がりラインとの5本からなるものである。
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7(赤セブン)」、「王冠」、「バー」、「ブランク」、「ダイヤ1」、「ダイヤ2」、「ベル」、「チェリー1」、「チェリー2」、「リプレイ」の複数の種々の図柄61が形成されている。
本実施の形態では、上述した図柄の組み合わせにより複数の役(RBB、RB、再遊技(リプレイ)、小役(入賞役)、増加役等)が予め設定されている(
図6参照)。
【0053】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0054】
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて各状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出の各状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
【0055】
なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御装置300は、音量設定手段400としての遊技者側音量設定スイッチ47(遊技者側音量設定手段410)、遊技店側音量設定スイッチ334(遊技店側音量設定手段420)、演出用ボタンスイッチ42の入力を受け付け、メイン制御装置110から信号を入力し、表示装置84等の報知手段70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、報知手段70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0056】
本実施の形態では、スピーカー72から出力される音量を複数段階のいずれかに設定可能な操作スイッチとしての音量設定手段400が設けられている。この音量設定手段400は、遊技者による設定操作に基づき音量に関する設定である音量設定(例えば7段階)を行う遊技者側音量設定手段410(具体的には、遊技者側音量設定スイッチ47)と、遊技店従業員による設定操作に基づき音量に関する設定である音量設定(例えば10段階)を行う遊技店側音量設定手段420としての遊技店側音量設定スイッチ334と備えている。
特に図示していないが、前記前扉14の裏側に遊技店側音量設定スイッチ334が配置されている。
【0057】
メダル投入口38の左側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
演出用ボタンスイッチ42は、遊技の進行に関係の無い操作手段の一例であり、「所定条件」の下、操作されることにより、「所定の演出」が実行されるように設定されている。
この「所定条件」は、具体的には、例えば、遊技の進行に関連する遊技操作が一定時間(30秒程度)行われていないときに移行するアトラクト演出状態(内部的には、待機状態であって、例えばアトラクト演出映像が表示装置に繰り返し出力される状態)へ移行しているときが含まれる。
また、上述した「所定の演出」は、具体的には、例えば、複数種類の演出効果音(例えばキャラクタボイス)の中から演出用ボタンスイッチ42の操作により抽選された特定の演出効果音が含まれる。
【0058】
演出用ボタンスイッチ42の左側には、遊技者によりスピーカー72から発する音量(具体的には、単位dBで示される数値)を設定する遊技者側音量設定手段410としての遊技者側音量設定スイッチ47が配置されている。また、この遊技者側音量設定手段410としての遊技者側音量設定スイッチ47を操作することで、演出音出力制限手段380により、特定演出状態と非特定演出状態とのいずれかに選択可能に形成されている。
【0059】
遊技者側音量設定スイッチ47は、丸形状の決定ボタンスイッチ47aと、決定ボタンスイッチ47aの左側に設けられる半円弧形状の音量ダウンボタンスイッチ47bと、決定ボタンスイッチ47aの右側に設けられる半円弧形状の音量アップボタンスイッチ47cと、の3種類の押しボタンスイッチを備え、これらボタンスイッチの何れかを押下操作することで、遊技者側の音量調整を許可する状態へ移行する。
【0060】
また、決定ボタンスイッチ47aを「所定の期間」において、所定回数(具体的には、8回)、操作することで、特定演出状態と、非特定演出状態とのいずれかに移行可能に形成されている。この「所定の期間」は、遊技者側音量設定スイッチ47の操作が有効となるメダルが投入可能な期間(具体的には、例えば1回の遊技が終了から次の遊技に係るベット操作又はメダル投入動作までの期間)が好適であり、このような期間以外にも、アトラクト状態に滞在している期間とすることも可能である。
【0061】
さらに具体的に説明すると、本実施の形態では、音量を調整する際に操作する第1操作手段としての音量アップボタンスイッチ47c及び音量ダウンボタンスイッチ47bと、この第1操作手段の近傍に配設されて第1操作手段と同じ操作方法(押下操作方法)となる第2操作手段としての決定ボタンスイッチ47aとが設けられている。
この第2操作手段としての決定ボタンスイッチ47aを所定回数(8回)操作することで、特定演出状態以外の状態の場合は、特定演出状態以外の状態から特定演出状態へ切り換えて特定演出状態を実行可能に形成され、特定演出状態の場合は、特定演出状態から特定演出状態以外の状態へ切り換えて、特定演出状態以外の状態を実行可能に形成されている。
【0062】
また、本実施の形態では、表示装置84に代えて、演出用のサブリール装置を設け、これをサブ制御装置300により制御しても良い。また、表示装置84に加えて、演出用のサブリール装置を設け、これらをサブ制御装置300により制御しても良い。
【0063】
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0064】
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0065】
本実施の形態に係る遊技機10のメイン制御装置110では、通常に行われる通常状態が設けられている。メイン制御装置110では、この通常状態よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態が設けられている。このRT状態は、メイン制御装置110により制御される。
なお、本実施の形態では設けていないが、サブ制御装置300では、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態を設けてもよい。このAT状態は、サブ制御装置300により制御することができる。
【0066】
もちろん、各状態を制御する装置(メイン制御装置110、サブ制御装置300)は、上述したものに限定されるものではなく、各状態を他方の制御装置で制御するようにしてもよく、また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよいものである。
【0067】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技として、通常の遊技である通常遊技と、この通常遊技中において移行するか否かの抽選(役抽選)に当選することで移行可能であり通常遊技よりも多くの特典を付与可能な特別遊技としてのボーナス状態の遊技(ボーナス遊技)とを備えている。
【0068】
特別遊技としてのボーナス遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、特別遊技としてのボーナス遊技は、役抽選の抽選結果、所定のボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に係る図柄の組み合わせを所定の有効ライン86上に停止させることができた場合に移行可能である。
【0069】
また、ボーナス遊技は、例えばRBB1やRBB2の場合には、ボーナス遊技中に遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)メダルの枚数が所定の遊技枚数(いわゆる獲得規定枚数、具体的には、例えばRBB1の場合には、344枚に設定されている。もちろん当該枚数に限定されるものではない。)に到達することで終了可能なものである。また、レギュラーボーナスRBの場合には、RB中に所定回数の入賞又は所定回数の遊技回数経過で終了するように設定されている。
【0070】
なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、上述したメダルの獲得枚数として払出枚数の代わりに、払い出されたメダル枚数から投入したメダルの数を引いて計算した実質的なメダルの獲得枚数である純増枚数で設定してもよい。また、特別遊技中の遊技回数が所定の遊技回数(いわゆる初期遊技可能回数や最大遊技可能回数)を実行することで終了可能にしてもよいものである。また、それらの条件を、遊技回数とメダルの獲得枚数(又は純増枚数)とを組み合わせたものにしてもよい。
【0071】
リール演出は、リール62を用いた演出であって、3個のリール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
【0072】
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130(開始制御手段135、停止制御手段140)、通常状態制御手段160、RT制御手段170、ボーナス制御手段180、獲得規定枚数カウント手段210、フリーズ演出制御手段230、リール演出実行手段245、払出制御手段250及び送信手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0073】
なお、これらの手段、特に、獲得規定枚数カウント手段210等は、メイン制御装置110ではなく、サブ制御装置300が有しても良い。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110へのデータの直接的な送信は行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を報知手段70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順番で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達されるようにすることができる。
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0074】
メイン制御装置110は、主として遊技を制御するためのものであって、主に遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、5本の有効ライン86(
図1、
図5参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、RBB中など、基本的に「3枚投入/遊技」であって、
図7に示すように、RBB/RB内部中(RBBF/RBF)に限っては、「3枚投入/遊技」または「1枚投入/遊技」が可能となっている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚、2枚又は1枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべてのリール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技のRBB1及びRBB2では、規定の賭け数が2枚に設定され、RBでは1枚に設定されている。
【0075】
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技や演出の状態の移行を伴う役)が設けられている。
リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサによりリール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応したリール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべてのリール62の回転が停止する。
【0076】
本実施の形態では、当選した役に係る図柄が有効ライン86上に停止すると入賞となって、予め定めた所定の払出枚数の処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、各小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0077】
本実施の形態に係る遊技機10では、メイン制御装置110の状態として、通常に(一般的に)行われる通常状態と、この通常状態において役抽選手段120の役抽選によりボーナス(RBB)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、通常状態から移行する内部当選状態(具体的にはRBB1当選中状態(RBB1条件装置作動状態(RBB1F)や、RBB2当選中状態(RBB2条件装置作動状態(RBB2F)や、RB当選中状態(RB条件装置作動状態(RBF)であって、RT1状態)と、この内部当選状態(RBB1当選中状態、RBB2当選中状態、RT1当選中状態)において各ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(RBB1、RBB2、RB状態)とが設けられている(
図7参照)。
【0078】
ボーナス状態は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組合せ(例えば、「赤7、赤7、赤7」や、「王冠、王冠、王冠」や、「王冠、王冠、バー」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技からRBB1や、RBB2や、RBが開始される遊技である。
【0079】
なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態(いわゆる内部当たり状態)が有効である。その他の役は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組合せが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス状態は、例えば、RBB1やRBB2では、ボーナス状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数(具体的には例えば344枚)を超えたときに終了する。なお、RBでは、8回の入賞又は8回の遊技で終了するように設定されている。
【0080】
本実施の形態では、ボーナス状態として、主にメイン制御装置110により制御されるビッグボーナス状態(RBB1、RBB2状態)が設けられている。ビッグボーナス状態は、全ての小役の抽選確率が通常状態よりも高確率にすることで小役の入賞を容易にしているものである。本実施の形態に係るビッグボーナス状態は344枚を超える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は344枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0081】
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(RBB1状態、RBB2状態、RB状態)用、内部当選状態(RBB1当選中状態(RBB1F)、RBB2当選中状態(RBB2F)、RB当選中状態(RBF))用のそれぞれに対応して複数備えており(
図7、
図8参照)、メイン制御装置110のROM上に記憶されている。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0082】
本実施の形態における役抽選手段120は、役抽選によって、複数の役に同時当選している抽選結果(役抽選結果)が得られるように設けられている。具体的には、DA1役からDA12役の12種類のDA役に同時当選している役抽選結果(「GDA」と言う)が設けられ、少なくとも通常状態およびボーナス状態における役抽選の抽選対象となっており、通常状態の遊技およびボーナス状態の遊技で得られることになる。ここで、役抽選の結果が前記GDAであった遊技は、後述する様に、遊技者の停止操作タイミングによってメダルの払出枚数が異なり得る技術介入性の高い遊技となる。このため、前記「GDA」は「特定役」に相当し、前記「役抽選の結果がGDAであった遊技」は「特定の遊技」に相当する。
【0083】
なお、役抽選手段120の役抽選に用いる抽選確率は、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その抽選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ(図示せず)を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つを選択することで前記抽選確率の変更が可能となる。本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が大きくなるほど、抽選確率が遊技者に原則として有利になり得るように規定されている。
【0084】
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各リール62の回転を開始させるための開始制御手段135と、各リール62の回転を停止させるための停止制御を行う停止制御手段140とを備えている。
【0085】
通常状態制御手段160は、通常状態の進行を制御するものである。ここで、通常状態とは、後述するRT制御手段170によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス制御手段180によるボーナス遊技状態(RBB1、RBB2、RB状態)以外の状態をいう。RBB1状態、RBB2状態、RB状態中においては、再遊技の当選確率は0に設定されている。
なお、通常状態中における再遊技役の当選確率は、通常確率(約1/7.3)に設定され、RBB1状態、RBB2状態、RB状態中よりも高確率に設定されている。
また、ボーナス内部状態(RBB1F、RBB2F、RBF)は、賭け数に応じて再遊技役の当選確率が変化し、3枚遊技であれば、高確率、1枚遊技であれば通常確率に設定されている。
内部当選状態(RBB1当選中状態、RBB2当選中状態及びRB当選中状態のRT1状態)におけるリプレイタイム(RT)よりも低く設定されている。
【0086】
RT制御手段170は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
【0087】
RBB1状態、RBB2状態、RB状態が終了すると、RT0状態となる。このRT0状態では、再遊技の当選確率は、通常確率(約1/7.3)に設定されている。
RBB1当選中状態、RBB2当選中状態、RB当選中状態、いわゆるRBB1、RBB2、RBの内部当たり状態(条件装置作動状態)では、RT1状態であり、再遊技の当選確率は、規定の賭け数3枚において、通常確率よりも高目に設定され、規定の賭け数1枚において、通常確率と同程度に設定されている。
ボーナス制御手段180は、ボーナス遊技、具体的には、RBB1、RBB2、RB状態を制御するものである。
獲得規定枚数カウント手段210は、特別遊技の遊技区間中に獲得規定枚数を減算(又は加算)によりカウントするためのものである。
【0088】
本実施の形態では、特に図示していないが、獲得規定枚数カウント手段210は、特別遊技として獲得可能なメダルの枚数として当初に設定されている初期獲得規定枚数(例えば344枚)をカウントし記憶するカウント手段を有している。
各獲得規定枚数カウント手段210は、特に図示していないが、メダルの払い出しが行われる毎に、獲得規定枚数から払出枚数を減算する演算手段と、この演算手段により算出された数値を記憶する記憶手段とを備えているものである。
【0089】
また、この初期獲得規定枚数は、予め344枚に設定されてあるが、特にこれに限定されるものではなく、344枚未満、又は、344枚を超える枚数であってもよいものである。
また、獲得規定枚数カウント手段210は、上述したように初期獲得規定枚数から払出枚数を減算するものに限定されるものではなく、遊技者に対するメダルの払出が行われるごとに、当初の0枚から払出枚数を加算するようにして、所定の獲得規定枚数に到達することで特別遊技を終了させるようにしてもよい。
【0090】
獲得規定枚数カウント手段210がカウントした獲得規定枚数が所定の枚数(具体的には344枚)に到達したことを条件としてボーナス制御手段180が特別遊技としてのボーナス遊技の遊技区間の終了を決定する。
【0091】
すなわち、獲得規定枚数カウント手段210が特別遊技としてのボーナス遊技の遊技区間中にカウントする枚数は、特別遊技としてのボーナス遊技の遊技区間の終了を決定するための直接的なパラメータである。かかる獲得したメダルの枚数が、特別遊技において獲得可能な最大のメダル枚数に到達したか否かによって特別遊技の遊技区間の終了を判断するか否かがボーナス制御手段180により判断される。
【0092】
なお、特別遊技の遊技区間を決定するパラメータとして、上述したように獲得したメダル枚数(獲得規定枚数)を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではない。最終的に特別遊技の遊技区間を決定する(遊技区間の長さに影響を与える(長さを左右し、制限する))パラメータになり得るものであれば、他のパラメータを用いてもよい。具体的には、直接的な遊技回数を前記パラメータとして用いてもよい。特別遊技としてのボーナス遊技中に実行可能な遊技回数の最大の遊技回数(いわゆる最大遊技回数)が決定され、特別遊技としてのボーナスは、ボーナス遊技中に実行される遊技回数が最大遊技回数に達することで終了するようにしてもよいものである(なお、この場合は、遊技回数を加算する場合であるが、減算する場合には、最大遊技回数から実行した遊技回数を減算して、減算後の数値が0回に達することで終了するようにしてもよい)。また、その他の最終的な遊技区間を決定可能(制限可能)な直接的又は間接的なパラメータ、または、それらのパラメータを組み合わせたものを用いてもよい。
【0093】
フリーズ演出制御手段230は、遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ状態の演出であるフリーズ演出を実行するためのものである。具体的には、役抽選手段120の役抽選の結果、に当選したと判定された時には、フリーズ演出制御手段230は、フリーズ演出を実行する。なお、このフリーズ演出中に、リール演出実行手段245により、リール62の回転、停止、逆回転等を組み合わせた回胴演出を実行してもよいものである。
【0094】
リール演出実行手段245は、遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ状態において、種々の演出のうちリールを用いたリール演出を報知手段70として作動中のリール62により実行するためのものである。このリール演出実行手段245は、リール演出を実行する。
【0095】
払出制御手段250は、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段250は、入賞(成立)した役に予め設定されている払出枚数(なお、賭け数に応じて払出枚数は変化可能)のメダルの払い出しを行う。
【0096】
送信手段260は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
サブ制御装置300は、受信手段310、演出実行手段370及び演出音出力制限手段380を有する。
受信手段310は、送信手段260からの信号を受信するものである。
演出実行手段370は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
ここで、本実施の形態では、通常の遊技よりも、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出音のみを対象として出力を制限可能な特定演出状態(いわゆるサイレントモード)を備えている。
演出音出力制限手段380は、通常の遊技よりも、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出音のみを対象として出力を制限するためのものである。
この演出音出力制限手段380は、特定演出状態を、遊技者による所定の操作手段の操作により実行可能に形成されている。具体的には、演出音出力制限手段380は、遊技者側音量設定スイッチ47の決定ボタンスイッチ47aを8回、連続して押下操作することにより、上述した特殊な演出音の出力を制限する。ここで、「連続して」とは、押下操作間の間隔が予め定めた所定時間以内(例えば3秒以内)であることを意味する。
さらに、本実施の形態では、上述した特定演出状態以外の状態である非特定演出状態を備えている。演出音出力制限手段380は、非特定演出状態では、特殊な演出音の出力を制限しないように形成されている。
【0097】
また、演出音出力制限手段380は、特定演出状態において、遊技を開始させるスタートスイッチ40の操作を契機として特定の遊技を開始するときに出力される特殊な演出音の出力を制限可能に形成されている。
また、演出音出力制限手段380は、特定演出状態において、特定の遊技における役抽選で当選している特定役(具体的には、DA1、DA2、
図6参照)に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミング(具体的には、左リール64において、ダイヤ3連図柄を停止させるタイミングが所定の許容範囲に設定されてあり、この所定の許容範囲は、図柄61コマ数の1コマ分が回転する時間を超えない範囲(いわゆるビタ止めの範囲)に設定されている。いわゆる「ビタ止め」)で操作された場合に出力される特殊な演出音(具体的には、「ジャキーン」という効果音)を制限可能に形成されている。
また、演出音出力制限手段380は、特定演出状態において、特殊な演出音を通常の遊技で出力される通常の演出音へ切り換えることで制限するように形成されている。なお、通常の遊技で出力される通常の演出音が無音で有る場合には無音となるものである。
また、演出音出力制限手段380は、遊技の進行に影響を与えずに遊技者が操作可能な操作手段(具体的には、音量設定手段400の遊技者側音量設定スイッチ47)を操作することによって、演出全体の音量を変更可能に形成されている。
具体的には、演出音出力制限手段380は、遊技者側音量設定スイッチ47の音量ダウンボタンスイッチ47bを操作することで、演出全体の音量を下げることができる。また、演出音出力制限手段380は、遊技者側音量設定スイッチ47の音量アップボタンスイッチ47cを操作することで、演出全体の音量を上げることができる。なお、決定ボタンスイッチ47aを操作することで、演出全体の音量レベルが確定するように形成されている。
【0098】
演出音出力制限手段380は、上述した特殊な演出音の音量を調整する際に操作する操作手段(音量設定手段400としての遊技者側音量設定スイッチ47)を所定回数(具体的には、連続して8回)操作することで、現在の状態が非特定演出状態(非サイレントモード)の場合は、非特定演出状態から特定演出状態(サイレントモード)へ切り換えて特定演出状態を実行可能に形成され、現在の状態が特定演出状態(サイレントモード)の場合は、特定演出状態から非特定演出状態へ切り換えて、非特定演出状態を実行可能に形成されている。すなわち、決定ボタンスイッチ47aを8回押下操作する毎に、特定演出状態と、非特定演出状態とが切り替わるように形成されている。
【0099】
本実施の形態では、特定演出状態であっても、特定の遊技における当選している特定役(具体的には、DA1、DA2、
図6参照)を入賞させるためには当該特定役に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることを特殊な演出音以外の出力で報知するように形成されている。具体的には、非特定演出状態においては、遊技の冒頭において、具体的には、スタートスイッチ40の押下時、所定のキャラクターによるボイス「勝負じゃ〜!!」の音声が出力されるものであるが、特定演出状態においては、別の目立たない音で出力されたり、或いは、表示装置84に遊技者だけが気づく程度の目立たない画像が表示されるようなものが含まれる。
本実施の形態では、演出音出力制限手段380は、非特定演出状態における特定の遊技では、特殊な演出音には、当選している特定役に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミング(ビタ止め)で操作されたことに対する評価を報知する演出が実行されるように形成されている。具体的には、非特定演出状態において、上述したようなダイヤ3連図柄の停止操作においてビタ押しが成功した場合には、特殊な効果音(特殊な演出音である「ジャキーン」という出力が行われる。一方、特定演出状態では、当選している特定役(DA1、DA2)に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミング(いわゆるビタ止め)で操作されたことに対する評価を報知する演出(上述した「ジャキーン」という効果音)とは異なる態様の演出が実行される。具体的には、非特定演出状態において、通常のストップスイッチ50による停止操作音である「ボン!!」が出力される。
【0100】
なお、これらの手段はメイン制御装置110に配置してもよいものであり、演出実行手段370を、サブ制御装置300ではなくメイン制御装置110に配置してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、メイン制御装置110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0101】
図4に示すように、リール制御手段130は、リール62の回転を開始させるための開始制御手段135と、役抽選手段120の役抽選の結果及びストップスイッチ50の停止操作タイミングに応じてリール62の停止制御を行う停止制御手段140とを備えている。
開始制御手段135は、遊技者によるスタートスイッチ40の操作により、全リール62の回転を開始させ、予め定めた所定の回転速度に到達した状態で、当該回転速度を維持するように設定されている。
【0102】
停止制御手段140は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置(ストップスイッチ50の停止操作タイミング)とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、停止制御手段140は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順番)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0103】
本実施の形態において、上述したように特定の役(DA1、DA2)は、通常状態において、左リール64で設定されたタイミングでストップスイッチ50が操作されると、その他のタイミングで操作されたときよりもメダルの払出枚数が多くなって遊技者に対して有利となるように設定されている。特定の役(DA1、DA2)で有利となるタイミングは、左リール64において、所定の許容範囲が設定されてあり、所定の許容範囲は、図柄61コマ数の1コマ分が回転する時間を超えない範囲(いわゆるビタ止めの範囲)に設定されてある。
【0104】
本実施の形態では、通常状態の非特定演出状態において、役抽選の結果、この特定の役(DA1、DA2)に当選した場合、所定のキャラクターによる「勝負じゃー!!」のボイス音が発生するが、特定演出状態では、この「勝負じゃー!!」のボイス音が発生しないように形成されている。
そして、上述したように当該特定の役(DA1、DA2)に当選した場合に、左リール64において、遊技者の停止操作タイミングがいわゆるビタ止めにより入賞させた場合には、ビタ止めでない場合よりも払出枚数が多く、遊技者にとって有利となるように形成れているものである。
そして、非特定演出状態では、この特定の役(DA1、DA2)で上述したようなビタ止めで停止させることができた場合には、効果音として「ジャキーン」という効果音が発生するが、特定演出状態では、効果音として「ジャキーン」という効果音が発生せずに、通常のストップスイッチ50の停止操作音である「ボン!!」という効果音が発生する。
【0105】
本実施の形態では、上述したような特定の役におけるビタ止めによる停止制御処理は、通常状態において、行われるが、当該停止制御処理を共通に利用する複数の状態として、「通常状態」に加えて、「RBB状態」においても設定してもよい。このようにすると、RBB状態において3連図柄のビタ押しの目押しを練習し、通常状態において3連図柄のビタ押し遊技を行って最大枚数を獲得するようにしてもよいものである。つまり、「目押し練習が可能な状態」と「その目押し練習の成果を発揮させるビタ押し遊技が可能な状態」とで特定の停止制御処理を共通に利用可能に形成されている。
【0106】
図7、
図8に示すように、メイン制御装置110における移行状態は、通常状態(RT0)と、内部当選状態(RBB1、RBB2、RBの当選中状態(RBB1F、RBB2
F、RBF)であるRT1状態と、ボーナス状態(RBB1、RBB2、RB状態)とがある。
通常状態(RT0)は、通常状態制御手段160により制御される。通常状態において役抽選手段120による役抽選によりボーナス(RBB1、RBB2、RB)に当選した場合に、通常状態から内部当選状態(RBB1F、RBB2F、RBF)に移行する。なお、この内部当選状態では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高いRT1状態となっている。
【0107】
この内部当選状態(RT1状態、RBB当選中状態)におけるRT1状態は、RT制御手段170により制御される再遊技が高確率で当選する状態である。
内部当選中状態において、ボーナス移行役の図柄61の組合せが揃った場合に、当選中状態からボーナス状態(RBB1、RBB2、RB状態)に移行する。このボーナス状態は、ボーナス制御手段180により制御される。このボーナス状態(RBB状態)では、再遊技の抽選確率は0に設定されている。
【0108】
ボーナス状態(RBB状態)において所定枚数、例えば、344枚の払出がされた場合に、例えばRBB1、RBB2、RB状態から通常状態(RT0)に移行する。
【0109】
(
図9を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図9に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0110】
ステップS10において、メイン制御装置110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0111】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(例えば3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0112】
ステップS11において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0113】
ステップS12において、リールユニット60におけるリール62の回転変動処理が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御装置110により、回転中のリール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御装置110に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0114】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御装置110の送信手段260からサブ制御装置300の受信手段310へ全リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべてのリール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止制御手段140により、有効ライン86上の図柄61の組み合わせに対して所定の役の図柄61の組み合わせが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0115】
ステップS14において、払出制御手段250により、停止制御手段140の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0116】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上述したように、リール62が3個ある場合を用いて説明したが、これに限定されず、3個以外の、例えば4個であっても良い。
【0117】
次に
図10を用いて、特定演出状態(サイレントモード)と非特定演出状態との変更処理を説明する。
先ず、ステップ210において、遊技者側音量設定スイッチ47の決定ボタンスイッチ47aが押下される。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、現在の遊技状態が、遊技メダルが投入可能な状態であるか否かが判定される。そして、投入可能な状態であると判定された場合、次のステップ212に進み、投入可能な状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ212において、決定ボタンスイッチ47aが押下されて、演出音出力制限手段380により、この押下回数のサイレントPUSHカウンタが1加算される。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、決定ボタンスイッチ47aが押下されて、その押下回数のサイレントPUSHカウンタが8回に到達したか否かが判定される。到達していると判定された場合、次のステップ214に進み、到達していないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0118】
ステップ214において、決定ボタンスイッチ47aのサイレントPUSHカウンタが初期化されて0クリアとなる。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、現在の状態が、特定演出状態(サイレントモード)であるか否かが判定される。特定演出状態であると判定された場合、次のステップ216に進み、特定演出状態でないと判定された場合、ステップ217に進む。
ステップ216において、特定演出状態(サイレントモード)がオフ状態、すなわち非特定演出状態に設定される。そして、当該処理が終了する。
ステップ217において、特定演出状態(サイレントモード)がオフ状態であるか否か、すなわち現在の状態が非特定演出状態であるか否が判定される。非特定演出状態であると判定された場合、次のステップ218に進み、非特定演出状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ218において、現在の状態が、特定演出状態(サイレントモード)に設定される(特定演出状態がON状態)。そして、当該処理が終了する。
【0119】
ここで、本実施の形態では、図示していないが、電源投入時に設定値が変更されて各種遊技情報がリセットされた場合、演出音出力制限手段380は、非特定演出状態に設定する。このため、遊技者が決定ボタンスイッチ47aを「8回」押下するまでは非特定演出状態であって、遊技者が決定ボタンスイッチ47aを「8回」押下する毎に、特定演出状態→非特定演出状態→特定演出状態→・・・、へと交互に切り換わることになる。
次に
図11を用いて、特定演出状態と非特定演出状態とにおける特殊な効果音(特殊な演出音等の出力状態を説明する。
なお、
図11のフローチャートで示す一連の処理は、スタートスイッチ40が押下されたときに実行されるものである。よって、
図11のステップ310〜ステップ312は、
図9のステップ10(スタートスイッチ操作?)でYESと判定されたあとのタイミングで実行される。
【0120】
ステップ310において、現在の状態が特定演出状態であるか否か(サイレントモードがON状態であるか否か)が判定される。特定演出状態でない、すなわち非特定演出状態であると判定された場合、次のステップ311に進み、特定演出状態であると判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ311において、スタートスイッチ40を押下した際に所定条件を満たしていると所定のキャラクターによる「勝負じゃー!!」のボイス音が出力される。そして、次のステップ312に進む。
【0121】
ステップ312において、所定のBGMがフェードアウトされる。そして、当該処理が終了する。
ここで、本実施の形態におけるボーナス状態では、ボーナス遊技を盛り上げるためのボーナス用BGM(ステップ312の「BGM」)が継続して出力することにしている。このようなボーナス状態中に、技術介入性の高い特定の遊技(特定役に当選してビタ止め操作が遊技者に要求される遊技)が実行可能となっている。しかし、この特定の遊技は、正確な停止操作が求められるため、ボーナス用BGMの音量を低下させることで、停止操作に対する遊技者の集中を妨げないようにすることができる。よって、基本的には(非特定演出状態に設定されているきには)、特定の遊技が行われるときには、ボーナス用BGMの音量を低下(フェードアウト)させている。しかし、ボーナス用BGMの音量が低下することで、逆に、特定の遊技が開始されたことが周囲の遊技客等に判明する恐れがあるため、本実施の形態では、特定演出状態(サイレントモード)に設定されているときは、特定の遊技であっても、ボーナス用BGMの音量が低下しないようにしている。
なお、本実施の形態では、技術介入性の高い特定の遊技は、通常状態であっても実行可能となっている。このため、基本的に(非特定演出状態に設定されているときは)、通常状態において、特定の遊技が行われているときに、通常演出用BGMの音量を低下(フェードアウト)させる場合には、特定演出状態(サイレントモード)に設定されていると、通常演出用BGMの音量が低下しないようにすると良い。
【0122】
遊技者が音量をアップさせたい場合には、遊技者側音量設定スイッチの「音量アップボタンスイッチ47c」を1回押下操作する。すると、音量が1段階アップする。ただし、一般的に、「音量アップボタンスイッチ47c」を押下操作すると、アップした音量がどの程度かを遊技者へ報知するための「音量確認音」が出力されることがあるが、本実施の形態では、このような音量確認音は出力されず、単に、音量をアップさせる処理が内部的に実行されるだけである。しかし、通常、遊技中には、BGMや効果音などの演出音が出力されている。音量アップボタンスイッチ47cを押下操作すると、この演出音が変化(アップ)するため、この変化を遊技者が聞き取って、アップした音量がどの程度かを把握することになる。
遊技者側音量設定スイッチ47の「音量ダウンボタンスイッチ47b」を押下操作したときも同様で、音量設定画面や確認音が出力されず、単に、音量をダウンさせる処理が内部的に実行される。
遊技者側音量設定スイッチ47の「決定ボタンスイッチ47a」を押下操作したときも同様で、音量設定画面は出力されず、その操作回数をカウントしてモードを切り換える処理が内部的に実行される。
【0123】
本実施の形態では、音量設定画面を表示しないが、もちろん、遊技者側音量設定スイッチ47の「音量アップボタンスイッチ47c」や「音量ダウンボタンスイッチ47b」を押下操作した場合、音量設定画面等を表示することも可能であるが、このときには、「決定ボタンスイッチ47a」を押下操作したときにも、「音量アップボタンスイッチ47c」や「音量ダウンボタンスイッチ47b」を押下操作したときと同様に、音量設定画面等を表示する。よって、サイレントモードへ移行させようとして「決定ボタンスイッチ47a」を押下操作しても、「音量アップボタンスイッチ47c」や「音量ダウンボタンスイッチ47b」を押下操作しているかのように周囲に見せることができる。
【0124】
図12を用いて、特定演出状態と非特定演出状態とにおける停止操作音の出力状態を説明する。
ステップ410において、特定役(DA1、DA2)の停止操作でビタ押しに成功したか否かが判定される。そして、当該ビタ押しに成功したと判定された場合、次のステップ411に進み、成功していないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ411において、現在の状態が特定演出状態であるか否かが判定される。特定演出状態であると判定された場合、次のステップ412に進み、特定演出状態でない、すなわち非特定演出状態であると判定された場合、ステップ413に進む。
ステップ412において、通常の停止操作音である「ボン!」が出力される。そして、当該処理は終了する。
ステップ413において、特殊な効果音である「ジャキーン」という効果音が出力される。そして、当該処理が終了する。
【0125】
ここで、本実施の形態では、
図12に示す様に、特定演出状態であると判定したときに通常の停止操作音を出力し、特定演出状態ではないと判定されたときに特殊な効果音(特殊な停止操作音)を出力するように構成している。しかし、これに限らず、特定演出状態であるか否かに関わらず、所定の音声出力系統(チャンネル)から、特殊な効果音(特殊な停止操作音)を出力し、その直後、特定演出状態であるか否かを判定し、特定演出状態でないと判定されると、前記特殊な効果音が遊技者に聞こえる前に、前記音声出力系統から通常の停止操作音を出力するように構成しても良い。
なお、
図12のフローチャートで示す一連の処理は、全てのストップスイッチ50が操作されたあとに実行されるものである。よって、
図12のステップ410〜ステップ413は、
図9のステップ13(停止図柄判定)が実行されたあとのタイミングで実行される。
図13を用いて、特定演出状態と非特定演出状態とにおける停止音及び光出力の状態を説明する。
ステップ510において、特定演出状態であるか否かが判定される。特定演出状態であると判定された場合、次のステップ511に進み、特定演出状態でない、すなわち非特定演出状態であると判定された場合、ステップ512に進む。
ステップ511において、停止音が出力されるとともに所定の演出用ランプ78による光の出力が行われる。そして、当該処理は終了する。
ステップ512において、停止音は出力されず、所定の演出用ランプ78による光の出力のみが行われる。そして、当該処理は終了する。
【0126】
ここで、本実施の形態における技術介入性の高い遊技(特定の遊技)について説明する。
本実施の形態では、
図6に示す様に、その図柄組合せにダイヤ図柄(ダイヤ1・ダイヤ2)を含んでいるDA1役〜DA12役が設けられている。例えば、DA1役は、「ダイヤ1-ダイヤ1-ダイヤ1」の図柄組合せであって、全てのダイヤ図柄で構成されている。例えば、DA3役は、「ダイヤ1-ダイヤ1-バー」の図柄組合せであって、左リール64と右リール68に対応する図柄がダイヤ図柄で構成されている。
【0127】
本実施の形態は、通常状態(RT0)およびボーナス状態(RBB1・RBB2)の役抽選において、DA1役〜DA12役に同時当選している役抽選結果(以下。「GDA」と呼ぶ)が得られるように設けられている。言い換えると、DA1役〜DA12役からなる複数の当選役をグループ化し、このグループ(当選役グループ:「GDA」)を、通常状態およびボーナス状態の役抽選における抽選対象としている。
本実施の形態では、役抽選の結果が「GDA」であった(役抽選で「GDA」に当選した)場合、DA1役〜DA12役のいずれかの役が成立するようにリール制御を実行すると共に、次の様な特定のリール制御を実行する。
具体的には、左リール64および右リール68には、ダイヤ1図柄が図柄コマ数で3コマ連続して形成されている箇所がある(左リール64:図柄番号1〜3、右リール68:図柄番号15〜17)。
【0128】
「GDA」に当選した場合、左リール64において、図柄表示窓部16の上段に図柄番号1のダイヤ1が位置し、中段に図柄番号2のダイヤ1図柄が位置し、下段に図柄番号3のダイヤ1図柄が位置するタイミングで左ストップスイッチLが操作されたときには、この位置で直ちに左リール64が停止するように制御を実行する。このタイミングで停止操作が行われると、左リール64には、ダイヤ1図柄が上下方向(即ち、有効ライン86の上段・中段・下段に対応する位置)に「3個」並ぶ形で出現する(3連ダイヤ図柄が出現する)ことになる。そして、左リール64においては、この3連ダイヤ図柄が出現することとなる停止操作タイミングが、左リール64における「ビタ押しタイミング」または「ビタ押しに成功したタイミング」となる。
【0129】
「GDA」に当選した場合、右リール68において、図柄表示窓部16の上段に図柄番号15のダイヤ1図柄が位置し、中段に図柄番号16のダイヤ1図柄が位置し、下段に図柄番号17のダイヤ1図柄が位置するタイミングで右ストップスイッチRが操作されたときには、この位置で直ちに右リール68が停止するように制御を実行する。このタイミングで停止操作が行われると、右リール68には、ダイヤ1図柄が上下方向(即ち、有効ライン86の上段・中段・下段に対応する位置)に「3個」並ぶ形で出現する(3連ダイヤ図柄が出現する)ことになる。そして、右リール68においては、この3連ダイヤ図柄が出現することとなる停止操作タイミングが、右リール68における「ビタ押しタイミング」または「ビタ押しに成功したタイミング」となる。
【0130】
「GDA」に当選した場合、中リール66において、図柄表示窓部16の上段に図柄番号0のベル図柄が位置し、中段に図柄番号1のダイヤ1図柄が位置し、下段に図柄番号2のバー図柄が位置するタイミングで中ストップスイッチCが操作されたときには、この位置で直ちに中リール66が停止するように制御を実行する。また、中リール66において、図柄表示窓部16の上段に図柄番号13のベル図柄が位置し、中段に図柄番号14のダイヤ2図柄が位置し、下段に図柄番号15のチェリー2図柄が位置するタイミングで中ストップスイッチCが操作されたときには、この位置で直ちに中リール66が停止するように制御を実行する。このように、図柄表示窓部16の中段(即ち、有効ライン86の中段に対応する位置)に、ダイヤ1図柄またはダイヤ2図柄が出現することとなる停止操作タイミングが、中リールにおける「ビタ押しタイミング」または「ビタ押しに成功したタイミング」となる。
【0131】
本実施の形態では、左リール64と右リール68において「ビタ押し」に成功し、かつ、中リール66において「ダイヤ1図柄」の「ビタ押し」に成功した場合(全てのリールでダイヤ図柄を取りこぼさなかった場合)、左リール64と右リール68には、その上段・中段・下段に「ダイヤ1図柄」が停止(3連ダイヤ図柄が出現)し、中リール66には、その中段に「ダイヤ1図柄」が停止する。すると、「ダイヤ1図柄」(DA1役)が3つの有効ライン(中段ライン・右下がりライン・右上がりライン)上に揃った状態となり、通常状態では、3ライン×5枚=15枚、のメダルの払出を受けられることになる。なお、中リール66において「ダイヤ2図柄」のビタ押しに成功した場合も同様に、3ライン×5枚=15枚、のメダルの払出を受けられることになる。
【0132】
本実施の形態では、左リール64のビタ押しに成功し、中リール66において「ダイヤ1図柄」のビタ押しに成功したものの、例えば「ビタ押しタイミング」よりも1コマ早いタイミングで右ストップスイッチRが操作され、この位置で直ちに右リール68が停止するように制御された結果、右リール68のビタ押しに成功しなかった場合(右リール68のダイヤ図柄を取りこぼした場合)、右リール68には、その上段に「ダイヤ1図柄(図柄番号16)」が停止し、その下段に「ダイヤ1図柄(図柄番号17)」、その下段に「ベル図柄(図柄番号18)」が停止することとなる。すると、「ダイヤ1図柄」が2つの有効ライン(中段ライン・右上がりライン)上に揃った状態となり、通常状態では、2ライン×5枚=10枚、のメダルの払出を受けられることになる。なお、中リール66において「ダイヤ2図柄」のビタ押しに成功した場合も同様に、2ライン×5枚=10枚、のメダルの払出を受けられることになる。
【0133】
ここで、上記の説明は、1コマ早いタイミングで右ストップスイッチRが操作されてビタ押しに成功しなかった場合であるが、1コマ遅いタイミングであったときも同様で、「ダイヤ1図柄」が2つの有効ライン(中段ライン・右下がりライン)上に揃い、2ライン×5枚=10枚、のメダルの払出を受けられることになる。
【0134】
本実施の形態では、左リール64のビタ押しに成功し、中リール66において「ダイヤ1図柄」のビタ押しに成功したものの、例えば「ビタ押しタイミング」よりも2コマ早いタイミングで右ストップスイッチRが操作され、この位置で直ちに右リール68が停止するように制御された結果、右リール68のビタ押しに成功しなかった場合(右リール68のダイヤ図柄を取りこぼした場合)、右リール68には、その上段に「ダイヤ1図柄(図柄番号17)」が停止し、その下段に「ベル図柄(図柄番号18)」、その下段に「リプレイ図柄(図柄番号19)」が停止することとなる。すると、「ダイヤ1図柄」が1つの有効ライン(右上がりライン)上に揃った状態となり、通常状態では、1ライン×5枚=5枚、のメダルの払出を受けられることになる。
なお、上記の説明は、2コマ早いタイミングで右ストップスイッチRが操作されてビタ押しに成功しなかった場合であるが、2コマ遅いタイミングであったときも同様で、「ダイヤ1図柄」が1つの有効ライン(右下がりライン)上に揃い、1ライン×5枚=5枚、のメダルの払出を受けられることになる。
【0135】
なお、本実施の形態では、左リール64のビタ押しに成功し、中リール66において「ダイヤ1図柄」のビタ押しに成功したものの、例えば「ビタ押しタイミング」よりも3コマ以上早いか遅いタイミングで右ストップスイッチRが操作され、右リール68のビタ押しに成功しなかった場合、図柄番号19の「リプレイ図柄」の1個下の図柄番号20の「ダイヤ2図柄」が停止し得るため、「ダイヤ1図柄-ダイヤ1図柄-ダイヤ2図柄」の組み合わせ(DA2役)で、1つの有効ライン上に揃って、1ライン×5枚=5枚、のメダルの払出を受けられることになる。
以上の説明は、右リール68のビタ押しに成功しなかった場合であるが、中リール66と右リール68のビタ押しに成功しつつも、左リール64のビタ押しに成功しなかった場合も同様に、左ストップスイッチLの操作タイミングによって、5枚・10枚・15枚、のいずれかのメダルの払出を受けることになる。
但し、中リール66では、「ダイヤ1図柄」「ダイヤ2図柄」が連続して形成されていないため、左リール64と右リール68のビタ押しに成功したものの、中リール66において「ダイヤ1図柄(ダイヤ2図柄)」のビタ押しに成功しなかった場合は、「ダイヤ1図柄(ダイヤ2図柄)」が、いずれの有効ラインにも揃わず、メダルの払出が受けられないケースが生じる。
このように、本実施の形態では、特定の遊技(「GDA」の当選時)において、遊技者の操作タイミングに応じて、その結果として受けられる利益(メダル)が変化するため、その遊技結果は遊技者の停止操作に係る技量に左右され、いわゆる、技術介入性の高い遊技となっている。
【0136】
なお、本実施の形態における「特定の遊技」は、遊技者の停止操作タイミング(即ち、遊技者の技量)によって成立する当選役が変化して獲得するメダルの獲得枚数が異なる遊技である。しかし、前記特定の遊技は、遊技者の停止操作(例えば停止操作タイミングや停止操作順番)によってメダルの獲得枚数が異ならない遊技であっても良い。例えば、遊技者の停止操作(例えば停止操作タイミング)によって、通常の遊技では出現しない(または滅多に出現しない)特殊な演出(BGMや特典映像)が実行される遊技、であっても良い。
【0137】
上述したような構成を有することにより、下記に示すような作用及び効果を奏する。
【0138】
本実施の形態によれば、特定の遊技において、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出音が発生すると、当該遊技機10が設置されている遊技ホールにおいて、当該遊技機10の周囲にいる人達(隣や、背後の遊技者)には、この特殊な演出音が聞かれてしまうことで、当該遊技機10に座っている人は、これから技術介入性の高い特定の遊技にチャレンジする、或いは、チャレンジしているということが察知されてしまう。すると、当該遊技機10に座って、これから停止操作における技術介入性の高い特定の遊技を行おうとしている当該遊技機10の前に座っている遊技者は、その周囲からプレッシャーを感じて緊張してしまい、停止操作における技術介入性の高い遊技を落ち着いて実行することが難しくなり、停止操作における技術介入性の高い遊技を行い難くなり、技術介入性の高い遊技で失敗し易くなってしまう。
【0139】
また、初心者や技量の乏しい遊技者にとっては、実際に周囲の人達が見ているか否かは問題ではなく、見られているかもと想像するだけで、肩に力が入ってしまい、停止操作における技術介入性の高い遊技に失敗し易くなってしまう。
そこで、遊技者による所定の操作手段31(具体的には、遊技者側音量設定スイッチ47)の操作により、特定演出状態(いわゆるサイレントモード)を実行することで、通常の遊技よりも停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特定の演出音のみを対象として出力を制限することができる。
すなわち、遊技者が所定の操作手段31(具体的には、遊技者側音量設定スイッチ47)の操作により、特定演出状態を実行させることで、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で出力される特殊な演出のみを対象として出力を制限する。
【0140】
このため、遊技者が、特定演出状態を実行する場合には、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技で技術介入性の高い停止操作にチャレンジしようとしていること、或いは、チャレンジしていることが、その周囲の遊技者に分からない。
したがって、遊技者は、周囲からプレッシャーを感じることなく、平常心で技術介入性の高い遊技の停止操作を実行することができ、技術介入性の高い遊技の停止操作の成功率を高めることができる。
【0141】
本実施の形態によれば、特殊な演出音の出力を制限しない非特定演出状態を備えていることで、いわゆる目押しの技術に自信があって技術介入性の高い遊技を得意とする経験者や、目押しの技能の熟練者は、自分の目押しの技術を周囲に誇示することができる。
一方、特殊な演出音の出力を制限する特定演出状態を備えていることで、目押しの技術に自信が無い初心者や高齢者や目押しの技能に劣る未熟練者等であっても、上述したように、周囲からのプレッシャーを感じずに緊張することなく、技術介入性の高い遊技を落ち着いて実行することができる。
このように特定演出状態及び非特定演出状態の両方を有していることにより、高い目押しの技能を有する熟練者と、目押しの技能に劣る初心者や未熟練者との両方が、自己の技能に沿って特殊な演出音の出力の制限の有無を自ら決定し、その演出状態(特定演出状態又は非特定演出状態)を実行することができる。
【0142】
本実施の形態によれば、スタートスイッチ40の操作を契機として、すなわち、遊技の冒頭で当該遊技の内容を理解可能な特殊な演出音(具体的には、例えば後述する「勝負じゃー!!」という音声出力)が出力される。当該特殊な演出音が遊技の冒頭で出力されることで、当該遊技機10の周囲の遊技者に当該遊技機10において、停止操作における技術介入性の高い特定の遊技が開始されることが察知されてしまう。そこで、当該スタートスイッチ40の操作を契機として特定の遊技を開始するときに出力される特殊な演出音が制限されることで、当該遊技機10において、技術介入性の高い特定の遊技が実行されることを周囲に察知されないようにすることができる。
【0143】
本発明によれば、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作された場合に出力される特殊な演出音を制限可能とすることにより、技術介入性の高い場合に出力される特殊な演出音を制限することが可能となり、技術介入性の高い遊技であることを周囲に報知する特殊な演出音の出力を抑え、周囲に当該遊技状態であることを知られないようにすることができる。
【0144】
本実施の形態によれば、特殊な演出音を通常の遊技で出力される通常の演出音に切り換えることにより、特殊な演出音の出力を特段制限することなく、特殊な演出音の出力を制限することと同様の効果を奏することができる。
【0145】
本実施の形態によれば、第2操作手段としての決定ボタンスイッチ47aを所定回数(具体的には8回)操作することによって、非特定演出状態の場合は、非特定演出状態から特定演出状態へ切り換えて特定演出状態を実行可能であり、特定演出状態の場合は、特定演出状態から非特定演出状態へ切り換えて、非特定演出状態を実行可能である。
【0146】
第2操作手段としての決定ボタンスイッチ47aは、第1操作手段としての音量アップボタンスイッチ47c及び音量ダウンボタンスイッチ47bの近傍に配置されて第1操作手段と同じ操作方法(押下操作方法)であるため、周囲の遊技者から見て、第1操作手段と第2操作手段との両者を明確に区別することは容易では無い。このため、遊技者が特定演出状態へ移行させるべく、第2操作手段としての決定ボタンスイッチ47aを操作しても、遊技者の操作を気にしている周囲の遊技者からは、音量を調整する際に操作する音量調整用の第1操作手段により音量を調整しているように見え、遊技者が意図的に特定演出状態へ切り換えたことは周囲の遊技者に察知され難い。
【0147】
なお、上述したものに限定されるものではなく、遊技の進行に影響を与えずに遊技者が操作可能な操作手段31のうち、遊技進行影響非付与操作手段31b(具体的には、遊技者側音量設定スイッチ47、遊技店側音量設定スイッチ334、演出用ボタンスイッチ42等)を操作することによって、演出全体の音量を変更可能に形成され、音量を調整する際に操作する操作手段31(具体的には、決定ボタンスイッチ47a)を所定回数操作することで、特定演出状態以外の状態の場合は、特定演出状態以外の状態から特定演出状態へ切り換えて特定演出状態を実行可能に形成され、特定演出状態の場合は、特定演出状態から特定演出状態以外の状態へ切り換えて、特定演出状態以外の状態を実行可能に形成してもよい。このようにしても上述したものと同様の効果を奏するものである。音量を調整する際に操作する操作手段31(具体的には、遊技進行影響非付与操作手段31bとしての決定ボタンスイッチ47a)を所定回数(具体的には、例えば8回)操作することによって、特定演出状態以外の状態の場合は、特定演出状態以外の状態から特定演出状態へ切り換えて特定演出状態を実行可能に形成され、特定演出状態の場合は、特定演出状態から特定演出状態以外の状態へ切り換えて、特定演出状態以外の状態を実行可能にすることができる。遊技者が特定演出状態へ移行させるべく、音量を調整する際に操作する操作手段31を操作しても、遊技者の操作を気にしている周囲の遊技者からは、音量を調整する際に操作する音量調整用の操作手段31を操作して、遊技者側の音量を調整しているように見えるため、遊技者が意図的に特定演出状態へ切り換えたことは周囲の遊技者に察知されないようにすることができる。
【0148】
本実施の形態によれば、特殊な演出音以外の出力(具体的には、通常の操作音である「ボン!!」)で報知されることにより、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることは報知される。これにより、周囲の遊技者が気づかずに、当該遊技機10の遊技者だけが、ストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されることが必要であることを認識することが可能となる。
【0149】
本実施の形態によれば、特定演出状態であっても、当選している特定役に対応するストップスイッチ50の操作タイミングが所定の操作タイミングで操作されたことに対する評価を報知する演出とは異なる態様の演出が実行される。これにより、特定演出状態であっても、操作タイミングに対する評価を報知することができ、周囲の者には、評価の詳細について知られることなく、当該評価を知ることができる。
本実施の形態では、電源投入の設定変更で、「非特定演出状態(通常モード)」に設定する、としている。しかし、本実施の形態では、これに限らず、「特定演出状態(サイレントモード)」に設定することも可能である。
【0150】
本実施の形態では、特殊な演出音(「勝負じゃ〜」・「ジャキーン」)や通常の演出音(「ボン」)の音量は、遊技者側音量設定スイッチ47で設定されている音量(dB)と遊技店側音量設定スイッチ334で設定されている音量(dB)との組合せにより定まるように形成されている。
このように、特殊な演出音や通常の演出音の音量が、遊技店側音量設定スイッチ334で設定される音量に従う場合、技術介入性の高い遊技(特定の遊技)の発生を周囲に知られないよう、遊技者が遊技者側音量設定スイッチ47を操作して音量を小さくしたとしても、遊技店側音量設定スイッチ334で設定されている音量が一定以上であると、遊技者側音量設定スイッチ47及び遊技店側音量設定スイッチ334の組み合わせにより定める音量は、必ずしも十分には低下しない恐れがある。これに対し、本実施の形態では、非特定演出状態から特定演出状態へ遊技者が切り換えることにより、確実に、特殊な演出音のみを制限することができる。
【0151】
本実施の形態では、サブ制御装置300により回転が制御される演出用のサブリールを設けても良い。この場合、技術介入性の高い遊技(特定の遊技)で行われた遊技者の操作技量に対する評価を報知する演出を、前記サブリールを用いて実行することができる。
例えば、予め、「Excellent」の文字が描かれた図柄と「Great」の文字が描かれた図柄と「Nice」の文字が描かれた図柄とをサブリールの外周の一部に形成しておく。そして、役抽選の結果が「GDA」であった遊技(特定の遊技)では、全てのリール62に対して、各ストップスイッチ50が操作されたタイミングからリール62が停止するまでのステップ数を検出し、ビタ押し(目押し)に成功した場合に、これらステップ数の合計を算出する。そして、第3停止操作が終了するとサブリールを回転させ、前記ステップ数の合計に対応した図柄を遊技者が視認できる位置に停止させる。具体的には、前記ステップ数の合計が「2ステップ以下」であるときは「Excellent」の図柄を停止し、前記ステップ数の合計が「2ステップを超えて6ステップ以下」であるときは「Great」の図柄を停止し、前記ステップ数の合計が「6ステップを超えて12ステップ以下」であるときは「Nice」の図柄を停止させる。このように、停止操作タイミングのズレによって遊技者の技量を評価し、停止させたサブリールの図柄を通じて、その評価を遊技者へ報知する演出を実行することで、遊技者が今回の停止操作態様を省みて、遊技者の技量向上を図ることが期待できるため、このような演出は、特定演出状態に設定されているときでも、無効とすることなく実行すると良い。
【0152】
なお、遊技者の操作技量に対する評価を報知する演出は、サブリールを利用する他、表示装置84(液晶画面)の映像やランプの点灯を利用しても良い。但し、周囲の遊技客に知られる恐れがあることから、例えば「Excellent」「Great」「Nice」などの音声や効果音を出力するなど、遊技者の操作技量に対する評価を報知する演出を音声出力によって実行することは避ける方が良い。また、遊技者の技量を評価する上での基準となる「停止操作タイミングのズレ」は、ステップ数を単位とする以外に、図柄のコマ数(例えば1コマズレ・2コマズレ)を単位とした基準にしても良い。
【0153】
本実施の形態では、サブ制御装置300により回転が制御される演出用のサブリールを設けても良い。この場合、技術介入性の高い遊技(特定の遊技)が開始されるときに、前記GDAに対応する図柄組合せを各リール62においてビタ押しする必要があることを報知する演出を、前記サブリールを用いて実行することができる。
【0154】
例えば、予め、ダイヤを模して描かれた図柄を3個連続してサブリールの外周の一部に形成しておく(「3連ダイヤ図柄」)。そして、スタートスイッチ40が操作されて、役抽選の結果が「GDA」であると判定されると、サブリールを回転させ、第1停止操作が実行される前に、3連ダイヤ図柄を遊技者が視認できる位置に停止させる。これにより、3連ダイヤ図柄を視認した遊技者に、各リールにおいてビタ押し操作を行うことが必要であることを認知させることができる。よって、このような報知演出が実行されないと、ビタ押しに成功する技量があるにもかかわらず、ビタ押しに失敗してしまい、本来であれば獲得できた利益を損なう恐れがあるため、特定演出状態に設定されているときでも、前記報知演出は、その出力を制限することなく実行すると良い。
【0155】
なお、ビタ押しする必要があることを報知する演出は、サブリールを利用する他、表示装置84(液晶画面)の映像やランプの点灯を利用しても良い。但し、周囲の遊技客に知られる恐れがあることから、例えば「3連ダイヤを狙え」などの音声(セリフ)や効果音を出力するなど、ビタ押しする必要があることを報知する演出を音声出力によって実行することは避けた方が良い。