(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6833230
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】鉄骨構造の耐力壁
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20210215BHJP
【FI】
E04B2/56 605D
E04B2/56 611B
E04B2/56 642B
E04B2/56 651D
E04B2/56 652H
E04B2/56 652M
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-60195(P2020-60195)
(22)【出願日】2020年3月30日
【審査請求日】2020年7月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503005559
【氏名又は名称】株式会社キタムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100162857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】内野 忠夫
(72)【発明者】
【氏名】北村 浩一
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−184983(JP,A)
【文献】
特開2012−225080(JP,A)
【文献】
特開平04−371634(JP,A)
【文献】
特開平08−319693(JP,A)
【文献】
特開平02−080739(JP,A)
【文献】
特開2006−037704(JP,A)
【文献】
特開2009−097146(JP,A)
【文献】
特開平10−046708(JP,A)
【文献】
特開平04−222778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/56−2/70
E04B 2/88−2/96
E04H 9/00−9/16
E04G 23/00−23/08
F16F 15/00−15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の金属製の柱の間を跨ぐように、長尺の金属製棒状体をジグザグ状に折り曲げることによってブレースが形成されているトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁であって、
前記金属製の柱には、複数個の固着プレートが設置されており、
前記棒状体の折り曲げ部及び端部には、可動プレートが設置されて一体化されており、
該可動プレートは、前記ブレースと連動して回動可能な状態で前記固着プレートに固定されているものである
ことを特徴とする鉄骨構造の耐力壁。
【請求項2】
前記一対の金属製の柱の間の距離は、
長孔を有する上下一対のスペーサによって微調整が可能なものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造の耐力壁。
【請求項3】
前記長尺の金属製棒状体は、
長尺の金属製丸棒体であり、
該金属製丸棒体の端部に設置されている可動プレートには長孔を有するものであり、
該長孔によって、前記可動プレートの固定位置の微調整が可能なものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造の耐力壁。
【請求項4】
前記固着プレートは、
前記金属製の柱に溶接により設置されており、
前記可動プレートは、
前記棒状体の折り曲げ部及び端部に溶接により設置されているものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造の耐力壁。
【請求項5】
前記可動プレートは、
ボルト・ナットによりピン結合されて、回動可能な状態で前記固着プレートに固定されているものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造の耐力壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量化及びコンパクト化が可能であるとともに、高強度であり、設置時における作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震による横揺れや台風による強風等の水平力に耐える構法として、主に、太くて重い鉄骨柱を使用する構法と、比較的細くて軽い鉄骨柱を用いるとともに、鉄骨柱と鉄骨柱との間に複数の耐力壁を設置する構法とがある。これらのうちで太くて重い鉄骨柱を使用する構法は、鉄骨材料がコスト高になるという問題点や、重量物を扱うので大型の重機が必要となるという問題点がある。
【0003】
そこで、多数枚のブレース材を用いてトラス構造をした耐力壁を製造し、建造物の構造上必要な位置に耐力壁を配置することによって、軽量化及び高強度化を図る発明が特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、ジグザグ形状に折り曲げられた長尺の丸棒体と、粘弾性材料とを用いることによってトラス構造を構成し、外力に対して粘り強く対抗する鉄骨構造の耐力壁の発明が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−37704号公報
【特許文献2】特開2011−184983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載の発明は、一対の鉄骨製柱の間を、多数枚の平板状をしたブレース材を用いてジグザグ形状に設置し、その端部をボルト・ナットでピン接合をするものである。
【0007】
この構法を用いると、多数枚のブレース材を作成したり、それぞれの端部をボルト・ナットで鉄骨製柱にピン接合をしたりする必要があることからコスト高になり、加えて作業性も悪いという問題点があった。
【0008】
一方、特許文献2に記載の発明は、一方の鉄骨柱にはジグザグ形状に折り曲げられた丸棒(特許文献2では、第2エネルギー吸収手段と記載。)の折り曲げ部分が溶接されており、この丸棒の反対側の折り曲げ部分と隣接する鉄骨柱とはゴムなどの粘弾性材料(特許文献2では、第1エネルギー吸収手段と記載。)を介して、ボルト・ナットで鉄骨柱とピン接合するものである。
【0009】
この構法を用いると、一本の丸棒を折り曲げてブレースとして用いることから、低コスト化は可能になるものの、粘弾性材料が金属製材料に比べて経時劣化をするまでの期間が短く、一定期間ごとに粘弾性材料を交換する必要があるという問題点があった。すなわち、弾性材料の寿命が金属材料に比べて短いという問題点があった。加えて、粘弾性材料を介して鉄骨柱への取付時における作業性も悪いという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記した問題点の除去を目的としており、軽量化及びコンパクト化が可能であるとともに、高強度であり、設置時における作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、トラス構造をした鉄骨構造の耐力壁の提供に関するものである。
【0012】
請求項1に記載した発明は、
一対の金属製の柱の間を跨ぐように、長尺の金属製棒状体をジグザグ状に折り曲げることによってブレースが形成されているトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁であって、
前記金属製の柱には、複数個の固着プレートが設置されており、
前記棒状体の折り曲げ部及び端部には、可動プレートが設置されて一体化されており、
該可動プレートは、前記ブレースと連動して回動可能な状態で前記固着プレートに固定されているものである
ことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載した発明を用いると、軽量化及びコンパクト化が可能であるとともに、高強度なトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁の提供することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、
前記一対の金属製の柱の間の距離は、
長孔を有する上下一対のスペーサによって微調整が可能なものである
ことを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、
前記長尺の金属製棒状体は、
長尺の金属製丸棒体であり、
該金属製丸棒体の端部に設置されている可動プレートには長孔を有するものであり、
該長孔によって、前記可動プレートの固定位置の微調整が可能なものである
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造の耐力壁。
【0016】
ことを特徴としている。
【0017】
請求項2又は請求項3に記載した発明を用いると、設置時における作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁を提供することができる。
【0018】
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、
前記固着プレートは、
前記金属製の柱に溶接により設置されており、
前記可動プレートは、
前記棒状体の折り曲げ部及び端部に溶接により設置されているものである
ことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、
前記可動プレートは、
ボルト・ナットによりピン結合されて、回動可能な状態で前記固着プレートに固定されているものである
ことを特徴としている。
【0020】
請求項4及び請求項5に記載した発明を用いると、高強度であり、設置時における作業性もさらに優れた鉄骨構造の耐力壁を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明を用いると、軽量化及びコンパクト化が可能であるとともに、高強度であり、設置時の作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】(a)耐力壁1の正面概略図である。(b)耐力壁1の右側面図である。
【
図2】(a)耐力壁1の下方部分の拡大概略図である。(b)A−A断面図である。
【
図3】(a)スペーサの概略図である。(b)ブレース19a端部の概略図である。
【
図4】(a)耐力壁1の略中央部分の可動プレート15a部の拡大図である。(b)B−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、鉄骨構造の耐力壁1に関するものであり、以下において詳細に説明する(
図1〜
図7)。
(1)耐力壁1の概略構造
図1は、一例として、鉄骨構造の建物の一階部分の補強として、下方の梁5aと上方の梁5bの間に、例えば、ボルト21と、図示されていないナットを用いて本発明に係る耐力壁1を設置した状態の概略図である。この耐力壁1の外側には、図示されていない外装パネルが、内側には内装パネルを取り付けて建造物の壁が完成する。
【0024】
本実施例では、耐力壁1の高さ方向の寸法を2650mm、幅方向の寸法を455mm((約1/4間(けん)))としており小形・軽量でコンパクトなものである。この耐力壁1は、後述するように、上部及び下部に設置されているスペーサ17a,bによって、一対の柱3a,bの間の距離の微調整が可能なものである。
【0025】
耐力壁1の金属製の柱3a,bには、複数個の固着プレートが設置されている。そして、一対の金属製の柱3a,bの間を跨ぐように、長尺の金属製棒状体をジグザグ状に折り曲げることによってブレース19a,bが形成されているトラス構造をしたものである。このブレース19a,bの折り曲げ部及び端部には、可動プレートが設置されて一体化されて連動するようになっている。
【0026】
そして、ブレース19a,bと一体化された可動プレート16aが、回動可能な状態で固着プレート13bにボルト・ナットなどによってピン結合されて固定されている。なお、
図1では、可動プレート16a及び固着プレート13bのみが図示されており、これらについての詳細は後述する(
図2〜
図6)。
(2)耐力壁1の下部部分の構造
耐力壁1の下部部分の構造について説明する(
図2、
図3)。なお、耐力壁1の上部部分については下部部分と同一構造のものなので説明を省略する。
【0027】
耐力壁1の下部部分は、柱3a,bに溶接、例えば、アーク溶接されている固着プレート11a,bと、一対の柱3a,bを一定距離に保持するためのスペーサ17a,bと、ブレース19a,bが溶接されている可動プレート15a,b等によって構成されている。
【0028】
ブレース19a,bとして用いている金属製棒状体としては、長尺の丸棒体、角棒体、円筒体、角筒体などの使用が可能であるが、強度の点や、後述する可動プレート15a,bとの溶接性・取扱性などを考慮すると長尺の金属製丸棒体が好ましい。
<固着プレート11a,b>
柱3a,bの上下両端付近に設置されている固着プレート11a,bは、後述する略中央部分の固着プレート13a〜dに比べて大きな外力を受ける部分なので、形状も大きく、溶接部分の面積も広くしている。
【0029】
この固着プレート11a,bは、鋼板を加工、例えばレーザ加工によって切り出したものであり、その略中央部分にはボルト孔が穿孔されている。略四角形をしており、溶接強度を高くするために面積の大きな底辺部分が柱3a,bに溶接される。
<スペーサ17a,b>
スペーサ17a,bは、鋼板を加工、例えばレーザ加工によって切り出したものであり、その両端付近には長孔31a,bが穿孔されている(
図3(a))。
【0030】
一対の金属製の柱3a,bは、上下の梁5a,bに直接溶接をすることもできる。しかしながら、本実施例では設置現場での作業性を考慮して、長孔31a,bを有する上下一対のスペーサ17a,bを用いることにより、一対の金属製の柱3a,bの間の距離(固定位置)を微調整が可能なものにした。
<可動プレート15a,b>
耐力壁1の下部部分の可動プレート15a,bは、鋼板を加工、例えば、レーザ加工によって切り出したものであり、略長方形をしており長孔33が穿孔されている。ブレース19a,bの端部には、可動プレート15a,bが溶接、例えば、アーク溶接されて設置されている(
図3(b))。
【0031】
可動プレート15a,bに長孔33を形成することによって、ブレース19a,bの固定位置の微調整を可能にすることができる。
<固定状態>
スペーサ17a及び可動プレート15a,bが、固着プレート11a,bに固定されている状態について
図2を用いて詳細に説明する。
【0032】
図2(b)において、固着プレート11aの上方には、スペーサ17a、座金25a、ボルト21の順で、固着プレート11aの下方には、可動プレート15a、ナット23a、ナット23bの順で配置、螺着され、ピン結合されて固定されている。ここで2個のナット23a、bを用い、それら同士を強く螺着することによって可動プレート15aと固着プレート11aとが固着されないようにすることができる。したがって、可動プレート15aは、ブレースと連動して回動可能な状態で固着プレート11aに固定することができる。
【0033】
一方、固着プレート11bの上方には、可動プレート15b、ナットが、固着プレート11bの下方には、図示されていない座金、ボルトが、それぞれ固着プレート11aとは対称(逆)になるように配置、螺着され、ピン結合されて固定されている。
【0034】
すなわち、一対のブレース19a,bは、それぞれが可動プレート15a,bの外側(離れる位置)に溶接されて固定されるようにした(
図2(a))。このように一対のブレース19a,bは、それぞれが可動プレート15a,bの外側に存在し、互いに独立して存在しているので、接触するなどの干渉を起こすこともない。
(3)耐力壁1の略中央部分の構造
耐力壁1の略中央部分について説明する(
図4)。
図1において、固着プレート13b、可動プレート16aと記載されている部分である。
【0035】
耐力壁1の略中央部分は、柱3a,bに溶接、例えば、アーク溶接されている固着プレート13a〜d(ただし、
図1では、固着プレート13b、cのみが図示。)と、ブレース19a,bの折り曲げ部が溶接されている可動プレート16a〜d(ただし、
図1では、可動プレート16a、dのみが図示。)等によって構成されている。
<固着プレート13a〜d>
柱3a,bの略中央部分に設置されている固着プレート13a〜dは、鋼板を加工、例えばレーザ加工によって切り出したもので略台形状をしており、その略中央部分にはボルト孔が穿孔されている。
【0036】
この固着プレート13a〜dは、前述した固着プレート11a〜dに比べて小さな外力を受ける部分なので、形状も小さく、溶接部分の面積も狭くされており、略台形状をして底辺部分が柱3a,bに溶接される。
<可動プレート16a>
可動プレート16aは、鋼板を加工、例えば、レーザ加工によって切り出したもので略台形状をしており、ボルト孔が穿孔されている。ブレース19a,bの折り曲げ部分は、可動プレート16aのボルト孔よりも柱側、すなわち底辺に近く幅広い部分に溶接、例えば、アーク溶接されて設置されている(
図4)。なお、可動プレート16b〜dについても同様の構造なので詳細な説明は省略する。
<固定状態>
可動プレート16aが、固着プレート13aに固定されて設置されている状態について
図4を用いて詳細に説明する。なお、可動プレート16b〜dについても同様の構造なので詳細な説明を省略する。
【0037】
図4(b)において、固着プレート13aの上方には、ブレース19bが溶接されている可動プレート16a、座金25a、ボルト21の順で、固着プレート13aの下方には、座金25b、ナット23a、ナット23bの順で配置、螺着され、ピン結合されて固定されている。ここで2個のナット23a、bを用いることによって、上述した可動プレート15aと同様に、可動プレート16aは、ブレース19bと連動して、回動可能な状態で固着プレート13aに固定することができる。
(4)組立工程
本実施例では、中空の角型鋼管を用いることとし、その両端部にはボルト孔が穿孔されている一対のフランジ7a,bと、上述した固着プレート11a〜d及び固着プレート11a〜dを溶接、例えば、アーク溶接して柱3aを製造する(
図5(a)、(b))。なお、角型鋼管に代えて、H形鋼や溝形鋼等を用いることもできる。
【0038】
長尺の金属製丸棒体を折り曲げ、上述したようにその両端部には長孔33が穿孔されている一対の可動プレート15c,dと、略中央部分の可動プレート16c、dを溶接、例えば、アーク溶接してブレース19bを製造する(
図6(a)、(b))。
【0039】
一対の柱3a,bと、スペーサ17a,bを仮設置し(
図7(a))、ブレース19bを仮設置し(
図7(b))、最後にブレース19aを仮設置し(
図7(c))、上記したボルト・ナットを緩めた状態で仮固定し、本発明に係るトラス構造をした耐力壁1が完成する。したがって、工場で組み立てたユニット構造をした耐力壁1を工事現場に運んでそのまま設置作業をすることができる。
【0040】
なお、強度的に余裕がある場合には、ブレース19b又はブレース19aの一方を省略することもできる。
【0041】
本発明に係る耐力壁1は、部品点数が少なく、工場での製造も容易であることに加えて、柱3a,b間を約455mm(約1/4間(けん))と、軽量化及びコンパクト化をすることができる。したがって、工事現場への持ち運びが容易であるとともに、鉄骨構造物の窓部分を広くしたり、強度的な必要性に応じて複数個を並べて設置したりできるという特徴がある。
【0042】
加えて、スペーサ7a〜dや可動プレート15a〜dには、長孔33が形成されているので、本発明に係る耐力壁1は工事現場における設置時の微調整が可能となり、作業性にも優れたものである。
【実施例1】
【0043】
本発明に係る耐力壁1の強度試験結果について説明する(
図8)。一対の押え治具41a,b間に耐力壁1を設置し、油圧装置43を用いて柱3aの手前側端部に24kNの外力を与えた(圧力計45で測定。
図8(a))。
【0044】
その結果、最大40mmの変位(変位計47で測定。
図8(a))と、ブレース19bに連動して可動プレート15aの回動が観測された(
図8(b))。一方、外力を停止することによって復元し、繰り返し同程度の外力を与えても塑性変形は起こらないことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、鉄骨構造の耐力壁として利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 耐力壁
3a,b 柱
5a,b 梁
7a〜d フランジ
11a〜d 固着プレート
13a〜d 固着プレート
15a〜d 可動プレート
16a〜d 可動プレート
17a、b スペーサ
19a,b ブレース
21 ボルト
23a,b ナット
25a,b 座金
31a,b 長孔
33 長孔
35a〜d 孔
41a,b 押さえ治具
43 油圧装置
45 圧力計
47 変位計
【要約】
【課題】軽量化及びコンパクト化が可能であるとともに、高強度であり、設置時の作業性にも優れるトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁の提供する。
【解決手段】一対の金属製の柱3a,bの間を跨ぐように、長尺の金属製棒状体をジグザグ状に折り曲げることによってブレース19a,bが形成されているトラス構造をした鉄骨構造の耐力壁1である。金属製の柱3a,bには、複数個の固着プレート11a〜d、13a〜dが設置されている。棒状体の折り曲げ部及び端部には、可動プレート15a〜d、16a〜dが溶接されて一体化されている。そして、これらの可動プレートは、回動可能な状態で固着プレートに固定されている。
【選択図】
図1