特許第6833260号(P6833260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6833260情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6833260
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20210215BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20210215BHJP
【FI】
   G06Q40/00 400
   G06Q50/12
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-67030(P2020-67030)
(22)【出願日】2020年4月2日
【審査請求日】2020年4月2日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔ウェブサイトの掲載日〕 令和1年9月27日 〔ウェブサイトのアドレス〕 https://note.biz.moneyforward.com/n/n3d18a00c5873?magazine_key=m4a6a9f64fd58
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】杉田 圭
(72)【発明者】
【氏名】飯田 亮介
【審査官】 松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−103968(JP,A)
【文献】 特開2012−146158(JP,A)
【文献】 特開2009−205616(JP,A)
【文献】 特開2000−276549(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0246234(US,A1)
【文献】 クラウドでつながるバックオフィス,プラスITフェア2019,日本,2019年 5月24日,pp.1-5
【文献】 廣升 健生,会社の経理を全自動化する本,日本,株式会社翔泳社 佐々木 幹夫,2014年12月15日,第1版,pp.40,41,56-63
【文献】 マネーフォワードクラウド会計 お知らせ,[online],2019年 8月23日,[令和2年8月31日検索],URL,https://support.biz.moneyforward.com/account/news/new-feature/20190822.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得部、特定部、設定部及び生成部を備え、
前記取得部は、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを連携サービスから取得し、
前記特定部は、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、
前記設定部は、第1規則を設定可能に構成され、
前記第1規則は、前記勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則に含まれ、且つ、前記連携サービス毎に勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、
前記生成部は、前記第1規則が適用される場合、前記特定された勘定科目と、前記第1規則とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において
記設定部は、第2規則を設定可能に構成され、
前記第2規則は、前記規則に含まれ、且つ、勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、
前記第2規則は、前記第1規則が適用されない場合に適用されるものであり、
前記生成部は、前記第2規則が適用される場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、自動設定を設定可能に構成され、
前記自動設定は、前記第1規則に含まれる前記税区分を自動で設定するものであり、
前記生成部は、適用される前記第1規則に前記自動設定が設定されている場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置であって、
取得部、特定部、設定部及び生成部を備え、
前記取得部は、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得し、
前記特定部は、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、
前記設定部は、第2規則を設定可能に構成され、
前記第2規則は、前記勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則に含まれ、且つ、勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、
前記生成部は、前記第2規則が適用される場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記明細データは、決済金額を含み、
前記特定部は、前記明細データに含まれる前記決済金額を特定し、
前記生成部は、前記特定された決済金額と、前記税区分データとに基づいて、前記勘定科目に対する仕訳データを生成し、
前記仕訳データは、前記勘定科目、前記決済金額、及び前記税区分を対応付けたデータである、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置において、
記憶部を備え、
前記記憶部は、前記規則を記憶し、
前記特定部は、前記規則に基づいて、前記特定された勘定科目に対応する課税区分を特定する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記取得部は、店舗に設定されるレジシステムから前記明細データを取得する、
情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置の各部として実行される情報処理方法であって、
第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を備え、
前記第1工程では、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを連携サービスから取得し、
前記第2工程では、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、
前記第4工程では、第1規則を設定可能に構成され、
前記第1規則は、前記勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則に含まれ、且つ、前記連携サービス毎に勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、
前記第3工程では、前記第1規則が適用される場合、前記特定された勘定科目と、前記第1規則とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置の各部として実行される情報処理方法であって、
第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程を備え、
前記第1工程では、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得し、
前記第2工程では、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、
前記第4工程では、第2規則を設定可能に構成され、
前記第2規則は、前記勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則に含まれ、且つ、勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、
前記第3工程では、前記第2規則が適用される場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記第1工程により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、
情報処理方法。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドサービスとして提供される会計処理サービスが増加している。
【0003】
特許文献1には、キーワードと勘定科目とをあらかじめ対応付けた辞書情報を用いて仕訳処理を実行する会計処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−212207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数税率化により税区分の設定が複雑化し、勘定科目に応じた税率を取得して税区分を設定する必要がある。ここで、税区分とは、消費税の取引形態に対応する課税区分と、消費税率に対応する税率区分とを組み合わせたものである。しかし、レジやECサイト等の外部システムから取得した明細データには税区分の設定に必要な課税区分が含まれていないことが多い。これは、レジやECサイト側からすると、課税区分を都度設定することは手間であるとともに、実務上不要な情報であるためである。したがって、従来のように、予め定められた辞書を用いて仕訳処理を実行するシステムでは、正確な税区分を自動的に生成することが困難である。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、外部から取得した明細データに課税区分が含まれていない場合であっても、仕訳処理に必要な税区分を生成可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、取得部、特定部、及び生成部を備え、前記取得部は、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得し、前記特定部は、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、前記生成部は、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むシステム100の概略図である。
図2】情報処理装置1のハードウェア構成を示す図である。
図3】制御部10の機能ブロック図である。
図4】第1規則の一例である。
図5】第2規則の一例である。
図6】明細データの一例である。
図7】第1規則に基づいて税区分データを生成する概念図である。
図8】第2規則に基づいて税区分データを生成する概念図である。
図9】情報処理装置1の処理の一例を表すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、電圧・電流といった信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.システム100の概要
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシステム100は、情報処理装置1を含む。情報処理装置1は、クラウド型の会計システムを提供するものである。本実施形態では、システム100はさらに、レジシステム2を備える。また、システム100はさらに、ユーザー端末3を備えても良い。ユーザー端末3は、ユーザーが利用する端末である。本実施形態では、ユーザーは、飲食店等に設置されるレジシステム2から収集されるデータを管理する者とする。
【0014】
そして、情報処理装置1、レジシステム2及びユーザー端末3がネットワークNWを介して互いに接続されている。情報処理装置1は、例えばサーバにより構成される。レジシステム2は例えば、POS(Point of sale)システムに対応するPOSレジである。そして、レジシステム2から収集した種々のデータを情報処理装置1が解析し、会計システムに反映させることができる。ユーザー端末3は、任意のコンピュータにより構成され、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、ノートPC、デスクトップPCにより構成される。
【0015】
2.情報処理装置1のハードウェア構成
図2に示すように、情報処理装置1は、制御部10、通信部20、記憶部30、入力部40及び表示部50を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等であって、情報処理装置1の全体を制御する。
通信部20は、NIC(Network Interface Card)等であって、他の情報処理装置又は構成要素と有線又は無線によりデータ通信可能に構成される。
記憶部30は、勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則を記憶する。ここで、かかる規則は、勘定科目と課税区分を対応付けたテーブル又は関数であってもよく、学習済みの機械学習エンジンであってもよい。記憶部30は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。また、記憶部30は、プログラムや種々のデータ等を記憶する。そして、記憶部30に記憶されているプログラムに基いて制御部10が種々の処理を実行することにより、種々の機能が実現する。
入力部40は、情報処理装置1に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等により構成される。
表示部50は、テキストや画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、任意のディスプレイにより構成される。表示部50は、情報処理装置1がサーバである場合、情報処理装置1に接続されたディスプレイにより構成される。
【0016】
3.情報処理装置1の機能
図3に示すように、情報処理装置1の制御部10は、取得部11、特定部12、及び生成部13を備える。本実施形態では、制御部10はさらに、設定部14、判定部15を備える。
【0017】
(取得部11)
取得部11は、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得する。取得部11は、店舗に設定されるレジシステム2から明細データを取得してもよい。明細データは、決済金額を含んでもよい。なお、レジシステム2以外から明細データを取得してもよい。例えば、API(Application Programming Interface)連携又はアカウントアグリゲーションにより、EC(electronic commerce)サイト等から明細データを取得してもよい。また、電子メールに明細データが含まれる又は添付される場合、ユーザーが利用している電子メールのメールサーバにアクセスし、ユーザーの電子メールアドレス宛に送信された電子メールを取得してもよい。ここで、メールサーバは、ユーザーの電子メール宛に送信された電子メールを格納してもよく、他のサーバに格納された電子メールを管理してもよい。より具体的には、情報処理装置1がユーザーから電子メールへのアクセス権を得た状態で、取得部11がメールサーバに直接アクセスし、メールサーバに格納された電子メールを取得する。このようなアクセス権を設定する機能は、例えば、Google社の提供するGmail(登録商標)やYahoo社の提供するYahoo Mailに備わっている。ここで、ユーザーの利用する電子メールサービスがGmailである場合、メールサーバはGoogle社の提供するGmail用のサーバとなる。また、ユーザーの利用する電子メールサービスがYahoo Mailである場合、メールサーバはYahoo社の提供するYahoo Mail用のサーバとなる。
【0018】
明細データに含まれる税率区分には、3%、5%、8%、軽減税率8%、10%が含まれてもよい。ここで、税率区分には、10%〜45%が含まれてもよい。具体的には10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45%
であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。さらに、税率区分には、軽減税率10%〜軽減税率45%が含まれてもよい。
【0019】
(特定部12)
特定部12は、明細データに含まれる勘定科目を特定する。ここで、明細データに含まれる店舗に対応する勘定科目を情報処理装置1が予め定めている場合(後述する第2規則)、例えば、明細データをレストランAに設置したレジシステム2から取得した場合に勘定科目を「売上高」とするように設定している場合(図4参照)には、特定部12は、予め定めた設定に基づいて明細データに含まれる勘定科目を特定する。また、ユーザーが任意に店舗と勘定科目の対応関係を設定している場合(後述する第1規則)、特定部12は、かかる設定に基づいて明細データに含まれる勘定科目を特定する。また、明細データに決済金額が含まれる場合、特定部12は、明細データに含まれる決済金額を特定してもよい。さらに、特定部12は、記憶部30に記憶された規則(勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則)に基づいて、特定された勘定科目に対応する課税区分を特定してもよい。
【0020】
(生成部13)
生成部13は、特定部12により特定された勘定科目に対応する課税区分と、取得部11により取得された税率区分とに基づいて、勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する。本実施形態では、勘定科目に対応する課税区分は、勘定科目毎に予め定められた規則が記憶部30に記憶されている。また、税率区分は、レジシステム2から取得した明細データに含まれる。すなわち、生成部13は、情報処理装置1が提供する会計サービスにより管理される課税区分と、外部のレジシステム2から取得した税率区分を組み合わせ、税区分を表す税区分データを生成する。税区分データの生成手法は特に限定されず、記憶部30に記憶された、勘定科目に対応する税区分データのうち、税率区分については明細データから取得した税率区分で置き換えて税区分データを生成してもよい。また、勘定科目に対応する税区分データに含まれる課税区分と、明細データから取得した税率区分を組み合わせて税区分データを生成してもよい。換言すると、生成部13は、明細データに税率区分が含まれている場合には、記憶部30に記憶された規則で規定される税区分のうち、税率区分については明細データから取得した値を優先的に選択する。本実施形態では、課税区分には、課税売上、課税仕入、非課税売上、課税対象外が含まれることが好ましい。
【0021】
また、生成部13は、特定部12により特定された決済金額と、税区分データとに基づいて、勘定科目に対する仕訳データを生成してもよい。ここで、仕訳データは、少なくとも勘定科目、決済金額、及び税区分を対応付けたデータである。
【0022】
(設定部14)
設定部14は、第1規則を設定可能に構成される。第1規則は、記憶部30に記憶された規則に含まれる。第1規則は、連携サービス毎に、勘定科目及び税区分を対応付けたものである。第1規則は、ユーザー端末3を用いてユーザーが任意に設定することができる。連携サービスは、情報処理装置1が提供する会計サービスに連携する他のサービスである。図4は、第1規則の一例である。図4に示されるように、連携サービスは、例えば、レジA又はレストランA等である。ここで、図4の例では、レストランAにレジAが設置されていることを表している。第1規則に含まれる各項目は、以下の通りである。

・連携サービス:情報処理装置1が提供する会計サービスに連携する他のサービス
・明細の種類:取引内訳等の明細の種類
・明細の一致条件:明細データから取得したデータが第1規則で規定される条件とどの程度一致していると、第1規則を適用するかを表す
・取得税率:明細データから取得する税率の種別
・勘定科目:明細データに対応する勘定科目
・税区分:勘定科目に対応する税区分(課税区分+税率区分)
・補助科目:明細データに対応する補助科目
・税区分:補助科目に対応する税区分(課税区分+税率区分)
【0023】
連携サービスが設定されている場合であって、連携サービスにより決済処理が完了したあと、取得部11は、連携サービスから明細データを取得する。そして、生成部13は、第1規則が適用される場合、特定部12により特定された勘定科目と、第1規則に基づいて、勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する。具体的には、取得部11が、図6に示される明細データのうちレジA(レストランA)からデータを取得した場合には、生成部13は、図7の上部に示される税区分データを生成する。
【0024】
すなわち、第1規則は、ユーザーが自ら設定したものであり、特定の店舗又はレジシステム2から取得した明細データを、自ら設定した規則に基づいて仕分けるために利用される。
【0025】
また、設定部14は、自動設定を設定可能に構成される。自動設定は、第1規則に含まれる税区分を自動で設定するものである。自動設定を利用することにより、そもそも第1規則が不適切であった場合、例えば、第1規則において税区分の設定が誤っており、本来「課売10%」とすべきところ、「課売(軽)8%」と設定してしまった場合でも、特定の勘定科目に対し、第1規則において規定された課税区分と、明細データから取得した税率区分を組み合わせ、正確な税区分を生成することが可能になる。さらに、自動設定を利用することにより、同一の勘定科目に対し、状況に応じて複数の税率区分を取引内容に応じて柔軟に設定することが可能になる。
【0026】
生成部13は、適用される第1規則に自動設定が設定されている場合、特定部12により特定された勘定科目に対応する課税区分と、取得部11により取得された税率区分とに基づいて、勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する。具体的には、取得部11が、図6に示される明細データのうちレジA(レストランA)からデータを取得した場合には、生成部13は、図7の下部に示される税区分データを生成する。このように、自動設定が適用される場合には、明細データから特定される勘定科目に対し、第1規則で規定される税区分のうちの課税区分と、明細データに含まれる税率区分(10%又は8%)を組み合わせ、生成部13が勘定科目に対応する税区分データを生成する。ここで、図7の例では、レジAから取得される明細データに含まれる税率区分が8%の場合に、補助科目を「持ち帰り」とするように設定している。
【0027】
また、設定部14は、第2規則を設定可能に構成される。第2規則は、記憶部30に記憶された規則に含まれる。第2規則は、勘定科目及び税区分を対応付けたものであり、第1規則が適用されない場合に適用されるものである。第2規則は、例えば、情報処理装置1が提供する会計サービスの初期設定とされてもよい。図5に示されるように、第2規則では、決算書科目、適用の有無、勘定科目、勘定科目に対応する税区分を規定してもよい。そして、生成部13は、第2規則が適用される場合、特定された勘定科目に対応する課税区分と、取得部11により取得された税率区分とに基づいて、勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する。具体的には、取得部11が、図6に示される明細データのうちレジB(レストランB)からデータを取得した場合には、生成部13は、図8の下部に示される税区分データを生成する。このように、第2規則が適用される場合には、明細データから特定される勘定科目に対し、第2規則で規定される税区分のうちの課税区分と、明細データに含まれる税率区分(10%又は8%)を組み合わせ、生成部13が勘定科目に対応する税区分データを生成する。なお、図8の上部は、単に第2規則のみに基づいて生成したテーブルである。
【0028】
(判定部15)
判定部15は、設定部14により第1規則又は第2規則が設定されているかを判定するものである。
【0029】
このように、本実施形態では、第1規則及び第2規則が、勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則に相当する。そして、特定部12は、規則に基づいて、特定された勘定科目に対応する課税区分を特定することができる。
【0030】
4.処理の概要
次に、図9を用いて、情報処理装置1による処理の概要について説明する。
【0031】
(第1工程)
A1において、取得部11により、レジシステム2から明細データを取得する。
【0032】
(第2工程)
A2において、特定部12により、明細データに含まれる勘定科目を特定する。このとき、特定部12により、明細データに含まれる決済金額を特定することが好ましい。
【0033】
ここで、第1規則又は第2規則が設定されているか否かについて、判定部15により判定されることが好ましい。そして、第1規則が適用される場合には、特定部12は、明細データの内容と第1規則に基づいて、明細データに含まれる勘定科目を特定してもよい。一方、第2規則が適用される場合には、特定部12は、明細データの内容と第2規則に基づいて、明細データに含まれる勘定科目を特定してもよい。
【0034】
A2において特定された勘定科目に対し第1規則が適用される場合であって、自動設定が設定されている場合、又は、A2において特定された勘定科目に対し第2規則が適用される場合には、A3において、取得部11により明細データから税率区分を取得する。
【0035】
(第3工程)
そして、A4bにおいて、生成部13は、A2において特定された勘定科目に対応する課税区分と、A3において取得された税率区分とに基づいて、勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する。
【0036】
一方、第1規則が適用される場合において自動設定が適用されないときには、A4aにおいて、生成部13は、A2において特定された勘定科目に対応する税区分であって、第1規則により定められた税区分を用いて税区分データを生成する。
【0037】
このとき、生成部13により、図7及び図8に示される税区分データを表す画像を生成してもよい。かかる画像は、ユーザー端末3の表示部に表示される。ここで、生成部13により生成された画像をユーザー端末3に送信してもよく、生成部13により生成された画像の生成指令をユーザー端末3に送信し、ユーザー端末3側で描画することにより画像を生成してもよい。
【0038】
このとき、図7及び図8に示されるように、明細データから取得した税率区分に相当する箇所を太枠又は太文字で表示してもよく、色を変える等のハイライト表示としてもよい。これにより、ユーザーは容易に情報処理装置1が自動で生成した箇所を判別することができる。
【0039】
そして、A5において、生成部13は、A2において特定された決済金額と、A4a又はA4bにおいて生成された税区分データとに基づいて、勘定科目に対する仕訳データを生成する。
【0040】
5.まとめ
以上説明した処理により、外部から取得した明細データに課税区分が含まれていない場合であっても、情報処理装置1で勘定科目に対応する課税区分を特定するとともに、明細データから取得した税率区分を組み合わせることにより、正確な税区分を設定することが可能になる。
【0041】
上記態様によれば、仮に、第1規則の設定が誤っていた場合でも、実際の明細データから取得した「税率区分」を優先し、正確な「税区分」を生成することが可能になる。
【0042】
(1−1)第1規則が適用される場合(自動設定なし)
ユーザーが任意に設定した第1規則を優先的に適用することにより、ユーザーの意向を尊重することができる。
【0043】
(1−2)第1規則が適用される場合(自動設定あり)
第1規則において自動設定が適用される場合には、特定の勘定科目に対し、第1規則にて規定された課税区分と、明細データから取得した税率区分を組みあわせることにより、特定の勘定科目に対して事前に設定した税区分が間違っていた場合でも、正確な税区分データを生成することができる。
【0044】
例えば、第1規則において、特定の勘定科目に対する税区分を「課売10%」と設定していた場合であっても、明細データから取得した特定の勘定科目の税率が8%(例:持ち帰り)である場合には、第1規則に基づいて、勘定科目に対応する「課税区分(課売)」と、明細データから取得した「税率区分(8%)」を組み合わせ、税区分を「課売(軽)8%」と正しく生成することが可能になる。
【0045】
(2)第2規則が適用される場合
第1規則が適用されない場合であって、初期設定として設定された第2設定が適用される場合には、第2規則に基づいて、勘定科目に対応する「課税区分」と、明細データから取得した「税率区分」を組み合わせ、税区分を正しく生成することが可能になる。
【0046】
ここで、勘定科目に対して設定された税区分に含まれる課税区分と、明細データから取得した税率区分を組み合わせることに変えて、勘定科目に対して設定された税区分のうち、税率区分を明細データから取得した税率区分と置換することにより、正しい税区分を生成してもよい。
【0047】
(3)勘定科目が誤って設定されている場合
また、本実施形態は、連携サービス側で設定された勘定科目が誤っていた場合、すなわち、明細データから取得した勘定科目が誤っていた場合にも適用可能である。例えば、図4に示される「レジA」に含まれる「品物B」という品目に対し、勘定科目として「販管費」がレジAにより設定されている場合でも、明細データから取得した「税率区分」と、第1規則又は第2規則により設定された「勘定科目」及び「課税区分」を組み合わせ、税区分を正しく生成することが可能になる。
【0048】
6.その他
上述の説明では、情報処理装置1が種々の機能を備える構成としたが、これらの機能を複数の情報処理装置に分散させて実現してもよい。
【0049】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記明細データは、決済金額を含み、前記特定部は、前記明細データに含まれる前記決済金額を特定し、前記生成部は、前記特定された決済金額と、前記税区分データとに基づいて、前記勘定科目に対する仕訳データを生成し、前記仕訳データは、前記勘定科目、前記決済金額、及び前記税区分を対応付けたデータである、情報処理装置。
前記情報処理装置において、記憶部を備え、前記記憶部は、前記勘定科目に対応する課税区分を決定するための規則を記憶し、前記特定部は、前記規則に基づいて、前記特定された勘定科目に対応する課税区分を特定する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、設定部を備え、前記設定部は、第1規則を設定可能に構成され、前記第1規則は、前記規則に含まれ、且つ、連携サービス毎に勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、前記取得部は、前記連携サービスから前記明細データを取得し、前記生成部は、前記第1規則が適用される場合、前記特定された勘定科目と、前記第1規則に基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記設定部は、自動設定を設定可能に構成され、前記自動設定は、前記第1規則に含まれる前記税区分を自動で設定するものであり、前記生成部は、適用される前記第1規則に前記自動設定が設定されている場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、設定部を備え、前記設定部は、第2規則を設定可能に構成され、前記第2規則は、前記規則に含まれ、且つ、勘定科目及び税区分を対応付けた規則であり、前記第2規則は、前記第1規則が適用されない場合に適用されるものであり、前記生成部は、前記第2規則が適用される場合、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得部は、店舗に設定されるレジシステムから前記明細データを取得する、情報処理装置。
情報処理方法であって、第1工程、第2工程、及び第3工程を備え、前記第1工程では、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得し、前記第2工程では、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、前記第3工程では、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0050】
また、上述のコンピュータを、情報処理装置の各部として機能させるプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【0051】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
上述した実施形態及び複数の変形例は任意に組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 :情報処理装置
2 :レジシステム
3 :ユーザー端末
10 :制御部
11 :取得部
12 :特定部
13 :生成部
14 :設定部
15 :判定部
20 :通信部
30 :記憶部
40 :入力部
50 :表示部
100 :システム
NW :ネットワーク
【要約】
【課題】外部から取得した明細データに課税区分が含まれていない場合であっても、仕訳処理に必要な税区分を生成可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、取得部、特定部、及び生成部を備え、前記取得部は、消費税の税率を表す税率区分を含む明細データを取得し、前記特定部は、前記明細データに含まれる勘定科目を特定し、前記生成部は、前記特定された勘定科目に対応する課税区分と、前記取得部により取得された前記税率区分とに基づいて、前記勘定科目に対応する税区分を表す税区分データを生成する、情報処理装置が提供される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9