特許第6833274号(P6833274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833274
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】電球形スピーカランプ
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/66 20160101AFI20210215BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20210215BHJP
   F21K 9/238 20160101ALI20210215BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20210215BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20210215BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20210215BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210215BHJP
【FI】
   F21K9/66
   F21K9/232
   F21K9/238
   F21V33/00 400
   F21V23/04 500
   F21K9/237
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-256716(P2016-256716)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-110055(P2018-110055A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】陶 祚 文
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5713119(JP,B2)
【文献】 特開2016−051665(JP,A)
【文献】 特開2014−235939(JP,A)
【文献】 特開2015−005524(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0218888(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/66
F21K 9/232
F21K 9/237
F21K 9/238
F21V 23/04
F21V 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカと、
発光ユニットを実装する基板と、
基板を支持する筐体と、
発光ユニットに電力を供給する口金と、
筐体に取り付けられ、前方にスピーカが取り付けられた透光性カバーと、
透光性カバーの内部に配置され、発光ユニットの光を受けて発光する光拡散部と、
を備え、
発光ユニットは、同一円周上に等間隔に複数配置される発光素子から成り、
光拡散部は、一方が開口した円筒形状を成し、この開口部分の外周縁に透光性カバーと接続する連結部を備え、この連結部の下方に発光ユニットの発電素子が配置されていること、
を特徴とする電球形スピーカランプ。
【請求項2】
透光性カバーと光拡散部とは、透光性を有する材料で一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の電球形スピーカランプ。
【請求項3】
発光ユニットの駆動を制御する赤外線指令信号を出力可能な赤外線リモコンを備え、この赤外線指令信号を受信する赤外線受信部が光拡散部に備え付けれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電球形スピーカランプ。
【請求項4】
基板は、発光ユニットと、スピーカおよび発光ユニットを駆動する駆動回路と、指令信号に応じて駆動回路を制御する制御回路とを実装することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の電球形スピーカランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電球にスピーカを内蔵した電球形スピーカランプに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、一般的な電球ソケットに装着可能で、ランプとスピーカを兼ね備えた電球形スピーカランプが流行している。この分野の電球形スピーカランプの多くは、ランプ本体の前方にスピーカを配置し、スピーカの周囲に発光体を設けた構造がとられている。
【0003】
ところが、上記電球形スピーカランプは、発光体とスピーカを接近して配置しているので、スピーカが光源ユニットによる熱の影響を受ける問題があった。そこで、この問題を解決する従来の電球形スピーカランプとしては、特許文献1に示す電球形光源装置が知られている。この電球形スピーカランプは、透光性カバーの前方にスピーカを配置し、その後方に離間して光源ユニットを設けている。このため、スピーカが熱の影響を受けにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5713119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記電球形光源装置では、前方にスピーカが配置されているため、光源ユニットの光が遮られてしまう。特に、光源ユニットに発光ダイオード(LED)を用いた場合、発光ダイオードは直進性を有するので、光の拡散性がないことから照射角度が狭いため、照度の低さが問題になっていた。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて創生されたものであり、前方にスピーカを配置し、その後方に離間して発光ユニットを設けた構造でありながら、照度が高い電球形スピーカランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
スピーカと、発光ユニットを実装する基板と、基板を支持する筐体と、発光ユニットに電力を供給する口金と、筐体に取り付けられ、前方にスピーカが取り付けられた透光性カバーと、透光性カバーの内部に配置され、発光ユニットの光を受けて発光する光拡散部と、を備え、発光ユニットは、同一円周上に等間隔に複数配置される発光素子から成り、光拡散部は、一方が開口した円筒形状を成し、この開口部分の外周縁に透光性カバーと接続する連結部を備え、この連結部の下方に発光ユニットの発電素子が配置されている電球形スピーカランプによる。
【0009】
なお、透光性カバーと光拡散部とは、透光性を有する材料で一体成形されていることが好ましい。
【0010】
なお、発光ユニットの駆動を制御する赤外線指令信号を出力可能な赤外線リモコンを備え、この赤外線指令信号を受信する赤外線受信部が光拡散部に備え付けれていることが好ましい。
【0011】
なお、基板は、発光ユニットと、スピーカおよび発光ユニットを駆動する駆動回路と、指令信号に応じて駆動回路を制御する制御回路とを搭載するが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電球形スピーカランプは、スピーカを前方に配置し、その後方に発光ユニットを設けているので、スピーカが発光ユニットによる熱の影響を受けにくくなっている。かつ、透光性カバーの内部には、発光ユニットの光を受けて発光する光拡散部が配置されているので、発光ユニットの前方がスピーカに遮られる構造でありながら、高い照度を発揮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る電球形スピーカランプの斜視図である。
図2】本発明に係る電球形スピーカランプの断面図である。
図3】本発明に係る電球形スピーカランプの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電球形スピーカランプの実施の形態について、LED電球形スピーカランプを例にとり図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1および図2に示すように、LED電球形スピーカランプ1は、口金2、筐体10、透光性カバー20、スピーカ30の順に連結された構成を成している。
【0016】
筐体10は、上端開口の円錐台形を成しており、その上端部には、環状のヒートシンク11が取り付けられる。ヒートシンク11の外径は、筐体10の上端部の外径と同一寸法に設定されており、ヒートシンク11の下端部と筐体10の上端部とが接着剤によって固着されている。また、筐体10の内部には詳細を後述するLEDユニット41を点灯するための電源として、電源回路を実装した電源基板3が収納されている。
【0017】
筐体10の後端部には、口金2が取り付けられている。この口金2は、JIS(日本工業規格)に規定する、例えば、E17口金の規格に適合するものであり、一般白熱電球用のソケット(図示せず)に装着して電源基板3へ電力を供給するように構成されている。なお、口金2は、これに限らずE26口金の規格等の他のサイズに適合するものとしても構わない。
【0018】
筐体10のヒートシンク11は、内周面の全周にわたって内方へ延びる鍔部11aを有しおり、この鍔部11aが発光ユニットの一例として示すLEDユニット41を実装した基板40を支持する。なお、筐体10とヒートシンク11とは一体成形されていても構わない。また、筐体10およびヒートシンク11は、アルミ製であり、LEDユニット41や電源基板3で発生する熱を放散するように構成されていることが好ましい。
【0019】
基板40は、円板形状でヒートシンク11の内径よりも若干小さい外径寸法に設定されているので、ヒートシンク11の内部に横向きに挿入可能であるため、基板40の底面がヒートシンク11の鍔部11aによって支持され、ねじ(図示せず)によって固定されている。
【0020】
基板40の上面には、LEDユニット41と、PCBアンテナ内蔵のBluetooth(登録商標)モジュール42と、演算処理装置43と、スピーカ増幅回路44と、LEDユニット増幅回路45とがプリント基板として実装されており、電球形スピーカランプ1を制御するために必要な全ての電子回路がここに実装されている。
【0021】
LEDユニット41は、発光素子である複数のLEDチップから成り、基板40の上面にはこのLEDチップが同一円周上に等間隔に配置してある。これらLEDチップは、基板40の配線パターン(図示せず)によって直列に接続されている。直列接続されたLEDチップの内、高電位側末端のLEDチップのアノード電極(図示せず)と給電ランド(図示せず)とが電気的に接続されており、低電位側末端のLEDチップのカソード電極(図示せず)と給電ランド(図示せず)とが電気的に接続されていて、両給電ランドから給電することによりLEDチップが発光する。なお、LEDチップは、上記の例のように、全てを直列に接続するのに限らず、所定個数ずつを直列に接続したもの同士を並列に接続する、もしくは、所定個数ずつを並列に接続したもの同士を直列に接続する、いわゆる直並列接続することとしても構わない。
【0022】
電源基板3は、口金2を介して供給される商用100V交流電力を所定電圧の直流電力に変換してLEDユニット41およびスピーカ30へ供給する。電源基板3とLEDユニット41とは、第1リード線3aで電気的に接続され、電源基板3とスピーカ30とは、第2リード線3bで電気的に接続されている。
【0023】
基板3に実装されたLEDユニット41を覆うようにして、筐体10のヒートシンク11には、ガラスや合成樹脂などの透光性材料で成る透光性カバー20が取り付けられている。透光性カバー20は前方が開口した円筒形状を成しており、この開口部を塞ぐようにしてスピーカ30が取り付けられている。また、透光性カバー20の基部の外径は、ヒートシンク11の上端部の外径と同一寸法に設定されており、ヒートシンク11の上端部と透光性カバー20の基部とが接着剤によって固着されている。なお、図1において、透光性カバー20は半透明であるので黒の薄塗りを施している。
【0024】
透光性カバー20の内部には、透光性カバー20と同じくガラスや合成樹脂などの透光性材料で成る光拡散部21が透光性カバー20と一体成形されている。光拡散部21は、一端が開口する円筒形状を成しており、開口側の端部を下に向けることにより、LEDチップを覆うように配置してある。また、光拡散部21は、高さが透光性カバー20の高さの1/3程度に設定されるとともに、外径が透光性カバー20の内径よりも若干小さく設定されており透光性カバー20の内周面に対して所定の隙間を空けて配置されている。
【0025】
また、光拡散部21は、開口側の端部の外周面に全周にわたって鍔状の連結部21aが一体成形されており、この連結部21aは、前述した透光性カバー20と光拡散部21との間に設けられる隙間に位置し、透光性カバー20の基端部の内周面に接続されている。さらに、この光拡散部21の連結部21aは、LEDユニット41の全てのLEDチップの真上に位置するように配置されている。なお、透光性カバー20、光拡散部21および連結部21aは、全て一体成形されており、ガラスや合成樹脂などの透光性材料で成り、乳白色をしている。
【0026】
光拡散部21の閉口端部には、貫通孔21bが穿設されており、その横には赤外線受信部4が設けてある。この赤外線受信部4は、貫通孔21bに配された第3リード線3cで基板40上の演算処理装置43に電気的に接続されている。
【0027】
以下、上記電球形スピーカランプ1の電気的構成を図3に基づいて説明する。赤外線受信部4は、赤外線リモコン50からの赤外線信号として、LEDユニット41のON/OFF信号、光量調整信号、スピーカ30の音量信号、Bluetoothモジュール42のON/OFF信号を受信する。これら受信信号に応じて、演算処理装置43は、Bluetoothモジュール42を制御してON/OFFを切り替え、あるいはLEDユニット増幅回路45を制御してLEDユニット41のON/OFFを切り替えたり光量を調整し、あるいはスピーカ増幅回路44を制御してスピーカ30のON/OFFを切り替えたり音量を調整する。
【0028】
Bluetoothモジュール42は、Bluetoothなどの近距離無線インタフェースに対応した無線機器の一例としてスマートフォン51と無線通信によりデータを送受信するように構成されている。このため、スマートフォン51によって再生中の音楽データは、Bluetoothモジュール42へ送信されることにより、スピーカ増幅回路44を通じてスピーカ30から音声が出力される。
【0029】
上記LED電球形スピーカランプ1によれば、透光性カバー20の内部に配置された光拡散部21は、一端が開口し、他端が閉口した円筒形状を成しており、開口側を下に向けることによりLEDユニット41を覆うように配置してあるので、LEDユニット41の光を受け、レンズ効果により広範囲に発光するため、高い照度を発揮することが可能となる。
【0030】
また、光拡散部21の連結部21aは、LEDユニット41のLEDチップの真上に配置されているので、連結部21aに入射した光は、連結部21aの内部を乱反射することにより、連結部21aの内方向に位置する光拡散部21に伝達されるとともに、連結部21aの外方向に位置する透光性カバー20にも伝達されるので、光拡散部21および透光性カバー40は強く発光することになり、より高い照度を発揮することが可能となる。
【0031】
さらに、LEDユニット41およびスピーカ30を制御するために必要な電子回路が基板40に全て実装され、その基板40が筐体10の内部に横向きに支持されているので、透光性カバー20の内部に基板などの部品を配置する必要がなくなりスペースを確保できるため、ここに光拡散部21を配置することが可能になり、光拡散部21を有することによる前述の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 LED電球形スピーカランプ
2 口金
3 電源基板
4 赤外線受信部
10 筐体
11 ヒートシンク
11a 鍔部
20 透光性カバー
21 光拡散部
21a フランジ部
30 スピーカ
40 基板
41 LEDユニット(発光ユニット)
42 Bluetoothモジュール
43 演算処理装置
44 スピーカ増幅回路
45 LEDユニット増幅回路
50 赤外線リモコン
51 スマートフォン
図1
図2
図3