(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グループ情報更新部は、前記更新内容の入力を受け付ける機能を有し、自装置に更新情報が入力された場合、自装置と同じグループに所属する他の通信装置に前記更新情報を送信する、
請求項6に記載の制御システム。
前記中継部は、第1のパケットを他の通信装置に中継する際、前記第1のパケットが、既に転送した第2のパケットと同一であり、前記第1のパケットの中継回数が前記第2のパケットの中継回数よりも大きい場合には、前記第1のパケットを中継せずに廃棄する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の制御システム。
前記無線制御部は、自装置に予め設定された信号強度であって、前記第2の通信部から出力された無線電波が前記複数の通信装置のうちの少なくとも2つ以上の通信装置によって受信されるような信号強度である設定強度に基づいて、前記第2の通信部が出力する無線電波が前記設定強度となるように制御する、
請求項11に記載の制御システム。
前記無線制御部は、無線電波が前記複数の通信装置のうちの少なくとも2つの通信装置によって受信される範囲内で、前記無線制御部の無線強度を前記設定強度から徐々に減少させていく、
請求項12に記載の制御システム。
複数の通信経路で互いに無線通信が可能な複数の通信装置と、前記複数の通信装置のうちの一以上の通信装置に直接受信されるようにパケットを送受信する端末装置と、を備える制御システムにおける前記通信装置であって、
前記複数の通信装置のそれぞれは、他の通信装置とともに通信経路が動的に決定されるメッシュネットワークを構成し、前記メッシュネットワークを介した通信により、他の通信装置のそれぞれと複数の通信経路で互いに無線通信が可能であり、
前記端末装置及び前記他の通信装置との間でパケットを無線通信により送受信する通信部と、
前記通信部を介して受信されたパケットを所定の条件に基づいて他の通信装置に中継する中継部と、
を備え、
前記通信部は、端末装置を宛先として送信したパケットに関して前記端末装置から前記パケットを受信した旨の応答が得られるか否かによって前記端末装置に対してパケットの直接送信が可能か否かを判定し、
前記中継部は、前記端末装置に対するパケットの直接送信が可能でない場合、前記パケットを他の通信装置に中継し、前記パケットの直接送信を前記他の通信装置に代替させる、
通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の制御システム、通信方法、通信装置及び端末装置を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の機器制御システムの概略を示す図である。
図1は、第1の実施形態の機器制御システムの一例としての空調制御システム100を示す。空調制御システム100は、ビル内の空調を制御する機器制御システムである。空調制御システム100は、外調機10及び室内機20を備える。一般に、外調機10はAHU(Air Handling Unit)と呼ばれ、ビル外の空気をビル内に取り込む設備である。
図1の破線矢印は、外調機10によって取り込まれた空気の流れる方向を示しており、外調機10は、ビル内に敷設されたダクト201を介して外気をビル内の各居室に送る。
【0010】
室内機20は、外調機10によってビル内に取り込まれた空気をビル内の各居室に供給する設備である。室内機20は、VAV(Variable Air Volume:可変風量)やFCU(Fan Coil Unit)等の送風機を備え、外調機10によってビル内に取り込まれた空気を天井裏から居室内に供給する。室内機20は、これらの送風機を制御するコントローラを備えており、コントローラの制御によって居室内に供給する空気量を調節する。
図1のVAV−CはVAVのコントローラであり、FCU−CはFCUのコントローラである。室内機20は、居室内のリモコンや各種センサ等から送風機の制御に必要な情報を取得する。
【0011】
例えば、VR21−1〜21−3は、それぞれ室内機20−1〜20−3に対応するリモコンである。VR21は、利用者によって入力された設定情報を、無線通信によって室内機20に送信する。また、CO22はCO
2センサであり、TH23は温度センサである。CO22は居室内のCO
2の濃度を計測し、TH23は居室内の温度を計測する。CO22及びTH23は、ゲートウェイ装置30との無線通信を介して、計測情報をDDC(Direct Digital Controller)40に送信する。ここで、DDC40は、外調機10を制御する装置である。DDC40は、CO22やTH23から送信される計測情報に基づいて外調機10を制御する。
【0012】
ビル内の空調制御は、ビル内の空調エリア200ごとに行われる個別制御と、ビル全体で行われる全体制御とに大別される。個別制御は、各空調エリア200を構成する機器のみで行われる制御である。例えば、個別制御は、VR21によって取得される設定情報に基づく室内機20の制御や、CO22やTH23によって取得される計測情報に基づく外調機10の制御などであり、いずれも空調エリア200内の通信によって実現される。なお、ビル内において、空調エリア200はどのように設けられてもよい。例えば、空調エリア200は、ビルのフロアごとに設けられてもよいし、各フロアの居室ごとに設けられてもよい。
【0013】
これに対して、全体制御は、上位システム50から送信される制御情報に基づく制御である。例えば、全体制御は、全館の空調を一斉に停止又は開始する制御や、各空調エリア200に対して空調の目標値を定める制御などである。この全体制御のため、各空調エリア200には、LCS(Local Control Server)60が設置される。LCS60は、ビル内の各空調エリア200を結ぶ有線の制御ネットワーク70に接続され、制御ネットワーク70を介して上位システム50と通信する。例えば、LCS60は、ゲートウェイ装置30を介して、CO22やTH23等のセンサから計測情報を取得して上位システム50に送信する。上位システム50は、各空調エリア200から収集された計測情報に基づいて、各空調エリア200に対して空調の目標値を設定するための制御情報を生成する。上位システム50は、生成した制御情報を、制御対象の各空調エリア200のLCS60に送信する。各空調エリアのLCS60は、上位システム50から送信された制御情報が示す目標値を実現されるように、自身が所属する空調エリア200の各機器を制御する。
【0014】
本実施形態の空調制御システム100は、このような空調制御を実現する各空調エリア200の機器制御ネットワークとして、第1無線ネットワーク300及び第2無線ネットワーク400を持つ。第1無線ネットワーク300は、空調エリア200において安定して電力供給を受けられる装置間の通信を実現するための無線ネットワークである。例えば、第1無線ネットワーク300は、天井裏に設置された室内機20やゲートウェイ装置30等の装置間の通信を実現する。一方で、第2無線ネットワーク400は、空調エリア200において消費可能な電力に制限がある装置と、第1無線ネットワーク300に接続された機器との間の通信を実現するための無線ネットワークである。例えば、第2無線ネットワーク400は、居室内に設置され、電池等の有限な電源で動作するリモコンやセンサ等との通信を実現する。
【0015】
図2は、空調制御システム100のネットワーク構成の概略を示す図である。なお、
図2では、説明を簡単にするために、第1無線ネットワーク300を構成する装置を制御装置1と記載し、第2無線ネットワーク400を介して制御装置1と通信する装置を端末装置2と記載している。具体的には、
図2の制御装置1−1〜1−3は、
図1の各室内機20に対応し、
図2の端末装置2−1〜2−5は、
図1の各リモコンやセンサ等に対応している。なお、
図2の制御装置1−4は、
図1のゲートウェイ装置30に対応し、制御ネットワーク70に対応する有線ネットワーク4に接続されている。
【0016】
空調制御システム100の第1無線ネットワーク300は、無線メッシュネットワークとして構成される。メッシュネットワークとは、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、メッシュ状に形成された通信ネットワークのことである。特に、無線通信機能を持つ端末同士で形成されるメッシュネットワークを、無線メッシュネットワークという。メッシュネットワークでは、ネットワークを構成するノードが1つ以上の他のノードと相互に通信することによって、送信パケットがバケツリレー方式で宛先のノードに転送される。送信パケットの転送経路(通信経路)はメッシュネットワークのプロトコルによって、ネットワークの状態に応じて動的に決定される。そのため、無線メッシュネットワークは、仮に一つのノードが通信不能となった場合であっても、他の通信可能なノードによる転送経路で送信パケットを宛先のノードまで転送することができる。このように無線メッシュネットワークは高い耐障害性を有する。実施形態の空調制御システム100では、このような無線メッシュネットワークとして第1無線ネットワーク300を構成するため、各制御装置1の間の通信に関して高い信頼性を実現することができる。
【0017】
このように高い信頼性を実現できる一方で、第1無線ネットワーク300を構成する各ノードでは、ネットワークの状態に応じた動的な通信制御処理が必要となる。そのため、第1無線ネットワーク300を構成するノードには常時通信可能な状態であることが求められる。また、上記の通信制御処理は比較的負荷の高い処理であるため、長時間稼働のためには安定した電力供給が必要となる。そのため、第1無線ネットワーク300は、安定して電力供給を受けられ、かつ高い信頼性を要する制御装置1の通信ネットワークには適しているが、各居室内に設置され、電池等の有限な電源で動作するリモコンやセンサ等の端末装置2の通信ネットワークには適していない。そのため、本実施形態の空調制御システム100では、端末装置2と制御装置1との間の通信ネットワークを、負荷の高い通信制御処理を必要としないツリー型の無線ネットワークとして構成する。
【0018】
図3は、第1の実施形態の制御装置1の機能構成の具体例を示すブロック図である。制御装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、制御装置プログラムを実行する。制御装置1は、制御装置プログラムの実行によって無線通信部11、第1プロトコル処理部12、第2プロトコル処理部13、送受信部14、制御機能部15、中継部16及び記憶部17を備える装置として機能する。なお、制御装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。制御装置プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。制御装置プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0019】
無線通信部11は、制御装置1が、第1無線ネットワーク300及び第2無線ネットワーク400を構成する他の制御装置1や端末装置2と通信するため無線通信インタフェースである。無線通信部11は、第1無線ネットワーク300における通信と、第2無線ネットワーク400における通信と、を同じ無線周波数帯域を用いて行う。無線通信部11は、第1無線ネットワーク300側の受信パケットを第1プロトコル処理部12に出力し、第2無線ネットワーク400側の受信パケットを第2プロトコル処理部13に出力する。また、無線通信部11は、第1プロトコル処理部12及び第2プロトコル処理部13から出力される送信パケットを無線電波に変換して出力する。
【0020】
なお、無線通信部11は、受信パケットのプロトコルが第1プロトコル処理部12又は第2プロトコル処理部13のいずれのプロトコルに対応するかをパケットのヘッダ等から判定する判定部(図示せず)を備え、判定部の判定結果に応じたプロトコル処理部にのみ受信パケットを出力してもよい。また、無線通信部11は、全ての受信パケットを第1プロトコル処理部12及び第2プロトコル処理部13の両方に出力してもよい。この場合、制御装置1は、受信パケットの取捨選択を第1プロトコル処理部12及び第2プロトコル処理部13側で行うように構成されてもよい。
【0021】
第1プロトコル処理部12は、第1無線ネットワーク300側の通信プロトコルに基づく通信処理(以下、「プロトコル処理」という。)を行う。具体的には、第1プロトコル処理部12は、無線メッシュネットワークの通信プロトコル(以下、「無線メッシュプロトコル」という。)に基づくプロトコル処理を行う。例えば、無線メッシュプロトコルは、複数のノードでメッシュネットワークを構成する機能(以下、「メッシュ構成機能」という。)や、受信データの宛先に応じて決定される経路で受信データを宛先のノードに転送する機能(以下、「メッシュ転送機能」という。)などを有している。第1プロトコル処理部12は、このようなメッシュ構成機能やメッシュ転送機能を実現するプロトコル処理を実行する。以下、第1プロトコル処理部12が行うプロトコル処理を第1プロトコル処理と記載する。
【0022】
なお、ここでいう宛先とはデータの転送経路において終点となるノードを意味している。これに対して、以下では、データの転送経路において始点となるノードを送信元と記載する。例えば、
図2において、端末装置2−1から送信されたデータが、まず制御装置1−1によって受信され、最終的に制御装置1−3まで転送される場合、端末装置2−1が送信元となり、制御装置1−3が宛先となる。
【0023】
第2プロトコル処理部13は、第2無線ネットワーク400側の通信プロトコルに基づく通信処理を行う。以下、第2プロトコル処理部13が行うプロトコル処理を第2プロトコル処理と記載する。
【0024】
送受信部14は、第1プロトコル処理部12及び第2プロトコル処理部13と、制御機能部15及び中継部16との間で送受信データの入出力を行う。具体的には、送受信部14は、各プロトコル処理部から自装置宛ての受信データを取得して制御機能部15及び中継部16に出力するとともに、制御機能部15及び中継部16から出力された送信データを送信先の通信プロトコルに応じたプロトコル処理部に出力する。
【0025】
制御機能部15は、制御装置としての制御機能を実現する機能部である。例えば、室内機20として機能する制御装置1において、制御機能部15は、VAVやFCU等を制御対象として風量の調節等の処理(以下、「制御処理」という。)を実行するVAV−CやFCU−Cとして機能する。制御機能部15は、送受信部14を介して、他の装置との間で制御処理の実行に必要な情報を送受信する。
【0026】
中継部16は、端末装置2から受信されたデータを他の制御装置1に中継する中継処理を行う。具体的には、中継部16は、端末装置2と、制御装置1との対応関係を示すグループ情報に基づいて中継処理を行う。
【0027】
記憶部17は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部17は、グループ情報を予め記憶している。
【0028】
図4は、グループ情報の具体例を示す図である。例えば、グループ情報は、
図4に示されるグループ情報テーブル171として記憶部17に記憶される。グループ情報テーブル171は、グループIDごとのグループ情報レコードを有する。グループ情報レコードは、端末装置ID、グループID及び対応情報の各項目を有する。端末装置IDは、端末装置2の識別情報である。グループIDは、各端末装置2に対応づけられる制御装置1のグループ(以下、「制御グループ」という。)の識別情報である。対応情報は、各制御グループに対応づけられる制御装置1を示す情報である。
図4の例では、対応情報は、“○”によって対応の有無を示す制御装置1ごとの小項目を有する。例えば、グループ情報レコード171−1は、“1001”のグループIDで識別される制御グループに、“制御装置_1”、“制御装置_3”、“制御装置_4”及び“制御装置_n”が含まれることを示している。
【0029】
この場合、中継部16は、例えば受信データの送信元が“空調設定器_1”であった場合、“空調設定器_1”に対応するグループ(グループID“1001”)に所属する“制御装置_1”、“制御装置_3”、“制御装置_4”及び“制御装置_n”に受信データを送信する。
【0030】
図5は、第1の実施形態の端末装置2の機能構成の具体例を示すブロック図である。端末装置2は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、端末装置プログラムを実行する。端末装置2は、端末装置プログラムの実行によって無線通信部21(端末通信部)、第2プロトコル処理部22、送受信部23、端末機能部24、無線制御部25及び記憶部26を備える装置として機能する。なお、端末装置2の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。端末装置プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。端末装置プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0031】
無線通信部21は、端末装置2が、第2無線ネットワーク400を介して制御装置1と通信するため無線通信インタフェースである。無線通信部21は、第2無線ネットワーク400における通信を、制御装置1の無線通信部11と同じ無線周波数帯域を用いて行う。無線通信部21は、受信パケットを第2プロトコル処理部22に出力するとともに、第2プロトコル処理部22から出力される送信パケットを無線電波に変換して出力する。
【0032】
第2プロトコル処理部22は、制御装置1の第2プロトコル処理部13と同様であるため説明を省略する。
【0033】
送受信部23は、第2プロトコル処理部22と端末機能部24との間で送受信データの入出力を行う。具体的には、送受信部23は、第2プロトコル処理部22から自装置宛ての受信データを取得して端末機能部24に出力するととともに、端末機能部24から出力された送信データを第2プロトコル処理部22に出力する。
【0034】
端末機能部24は、端末装置としての機能を実現する機能部である。例えば、室内機20のリモコン装置として機能する端末装置2において、端末機能部24は、利用者による設定情報の入力を受け付け、入力された設定情報を対応する室内機20に送信する処理や、室内機20から通知される情報を表示する処理などを実行する。以下、このような端末装置としての機能を実現するために行われる処理を端末処理という。端末機能部24は、送受信部23を介して、制御装置1との間で端末処理に関する情報を送受信する。
【0035】
無線制御部25は、無線通信部21の動作を制御する。具体的には、無線制御部25は、無線通信部21を間欠的に動作させることによって電力消費を抑制する。例えば、無線制御部25は、所定のタイミングで無線通信部21の動作をスリープさせることによって無線通信部21の電力消費を抑制してもよい。無線通信部21の動作をスリープさせるタイミングは、周期的であってもよいし、周期的でなくてもよい。また、無線通信部21の動作をスリープさせる期間の長さは固定値であってもよいし、通信状況に応じて変更されてもよい。
【0036】
記憶部26は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部26は、端末装置2の動作に必要な種々の情報を記憶する。
【0037】
図6は、第1の実施形態の空調制御システム100における上り通信の動作例を示す図である。
図6の例の空調制御システム100は、3つの空調エリア200−1〜200−3に対して2つのゲートウェイ装置30(GW
1及びGW
2)を備える。なお、ここでいう上り通信とは、居室内の端末装置2から天井裏の制御装置1に向かう方向の通信を意味する。また、各端末装置2には予め通信対象となる制御装置1(以下、「対応装置」という。)が設定されている。
図6において、各端末装置2と各制御装置1とを結ぶ実線は、各端末装置2と対応装置との対応関係を表している。また、
図6において符号501によって示される破線は、VR
21に対応づけられた制御装置1を示す制御グループを表している。以下、この制御グループを制御グループ501と記載する。
【0038】
図7は、上り通信における通信パケットの具体例を示す図である。以下、
図6及び
図7を参照して、VR
21が制御グループ501に所属する制御装置1(すなわち、VC
12、VC
21、VC
22、VC
31及びVC
32)にデータを送信する場合を例に上り通信の流れを説明する。この場合、まず、VR
21の送受信部23が、対応装置であるVC
21を宛先としてデータを送信する。ここで送信されるパケットは、例えば
図7(A)のようになる。VC
21の送受信部14は、第2プロトコル処理部13から自装置宛ての受信パケットを取得して、受信パケットに含まれるデータを制御機能部15に出力する。
【0039】
その一方で、VC
21の送受信部14は、取得した自装置宛ての受信パケットを中継部16に出力する。中継部16は、グループ情報を参照し、受信パケットの送信元であるVR
21に対応する制御グループ501を識別する。中継部16は、受信パケットの宛先に制御グループ501を示すグループID(例えば、ここでは“1001”とする)を設定した送信パケットを生成する。ここで生成される送信パケットは、例えば
図7(B)のようになる。VC
21は、中継部16によって生成された送信パケットを第1無線ネットワーク300側に送出する。第1無線ネットワーク300側に送出された送信パケットは、無線メッシュネットワークによって制御グループ501に所属する他の制御装置1に転送される。なお、グループIDを宛先となる個々の制御装置1のアドレス情報に変換する処理は、送受信部14で行われてもよいし、第1プロトコル処理部12で行われてもよい。また、VR
21が
図7(B)の形式で直接制御グループを宛先としてデータを送信してもよい。
【0040】
図8は、第1の実施形態の空調制御システム100における下り通信の動作例を示す図である。
図8の例の空調制御システム100の構成は
図6と同様である。なお、ここでいう下り通信とは、天井裏の制御装置1から居室内の端末装置2に向かう方向の通信を意味する。
【0041】
図9は、下り通信における通信パケットの具体例を示す図である。以下、
図8及び
図9を参照して、VC
31がVR
21にデータを送信する場合を例に下り通信の流れを説明する。この場合、まず、VC
31の送受信部14は、宛先のVR
21に対してパケットを直接送信すること(以下、「直接送信」という。)が可能か否かを判定する。例えば、この判定は、送受信部14が行う。例えば、送受信部14は、実際にパケットを送信(図中の矢印511)し、宛先からパケットの受信応答(例えばACK)が得られるか否かによって直接送信の可否を判定する。ここで送信されるパケットは、例えば
図9(A)のようになる。また、例えば、送受信部14は、宛先のVR
21のRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)に基づいて直接送信の可否を判定してもよい。
【0042】
ここで、パケットの直接送信が不可能であると判定された場合、送受信部14は、送信パケットを中継部16に出力する。中継部16は、宛先のVR
21に対するパケットの直接送信を他の制御装置1に代替させる。具体的には、中継部16は、第1無線ネットワーク300に所属する制御装置1の中からパケットの送信を代替させる制御装置1(以下、「代替装置」という。)を選択し、選択した代替装置に送信パケットを転送する。例えば、VC
31は、VC
21を代替装置として選択して送信パケットを転送する。例えば、ここで送信されたパケットは、無線メッシュネットワークによって、VC
23、VC
22、VC
21の経路で転送される(図中の矢印512)。なお、代替装置には、1つの制御装置1が選択されてもよいし、複数の制御装置1が選択されてもよい。
【0043】
ここで、中継部16が選択する代替装置はどのような方法で決定されてもよい。例えば、中継部16は、グループ情報に基づいて代替装置を選択してもよい。この場合、中継部16は、グループ情報を参照し、送信パケットの宛先である端末装置2に対応する制御グループに所属する制御装置1を代替装置として選択する。具体的には、VC
31は、VR
21に対応する制御グループが制御グループ501であることを識別する。中継部16は、制御グループ501に対応する自装置以外の制御装置1(すなわち、VC
12、VC
12、VC
21及びVC
22)を代替装置として選択する。
【0044】
また、例えば、中継部16は、他の制御装置1のRSSIに基づいて、受信信号強度の高い制御装置1を代替装置として選択してもよい。この場合、例えば、VC
31に比較的近い位置に存在するVC
22やVC
23、VC
32などが代替装置として選択される。
【0045】
また、例えば、中継部16は、VR
21から送信された上り通信のパケットを自装置に中継した他の制御装置1のうち、当該パケットをVR
21から直接受信した制御装置1を代替装置として選択してもよい。例えば、この場合、各制御装置1は、端末装置2の送信パケットを直接受信した場合、当該パケットに自装置を示す代替装置情報を含めて他の制御装置1に中継する。例えば、VC
31が、VC
21によって直接受信されたVR
21の送信パケットを受信した場合、VC
31が受信したパケットは例えば
図9(B)のようになる。この場合、VC
31の中継部16は、VR
21に対するデータ送信時の代替装置としてVC
21を選択する。
【0046】
一般に、空調制御システム100において、各制御装置1から各端末装置2に対するデータ送信は、各端末装置2の上り通信が起点となる。また、上述したように、端末装置2の送信パケットは、複数の制御装置1によって中継される。そのため、各制御装置1は、起点となる上り通信における受信パケットのうち、他の制御装置1によって中継された受信パケットに含まれる代替制御情報を取得することにより、送信パケットを宛先の端末装置2に送達可能な制御装置1を代替装置として選択することができる。なお、代替装置の選択は、必ずしも上述の起点となる上り通信に基づいて行われる必要はなく、過去のどのような上り通信に基づいて行われてもよい。
【0047】
また、例えば、中継部16は、第1無線ネットワーク300に所属する全ての制御装置1を代替装置としてもよい。この場合、中継部16は、送信パケットを第1無線ネットワーク300内にブロードキャストしてもよい。
【0048】
ところで、上述のパケットの中継方法では、代替装置が複数選択される場合、同一の宛先に対する同じパケットが複数の制御装置1によって中継される。そのため、このような中継方法では、複数の制御装置1の中継によって増幅した送信パケットがネットワークの輻輳を引き起こす可能性がある。そのため、制御装置1の中継部16は、送信パケットの中継回数を制限する機能を有する。また、制御装置1の送受信部14及び端末装置2の送受信部23は、受信パケットの重複を排除する機能を有する。
【0049】
例えば、中継部16は、受信パケットの中継回数に基づいて受信パケットを中継するか否かを決定する。この場合、各制御装置1は、受信パケットを中継する際に、受信パケットの中継回数を示す中継数情報を受信パケットに含めて中継する。このように中継される受信パケットは、例えば
図9(C)のようになる。中継部16は、受信パケットの中継数情報が示す値が所定の閾値以下の場合にのみ受信パケットを他の制御装置1に中継する。
【0050】
また、例えば、送受信部14は、受信パケットの送信順序に基づいて受信パケットの重複を排除する。この場合、各制御装置1及び各端末装置2において、データ送信の起点となるノードは、送信パケットにパケットの送信順序を示す順序情報を含めてデータ送信を行う。このように送信されるパケットは、例えば
図9(D)のようになる。例えば、順序情報は、データ送信ごとに増加する数値で表される。送受信部14は、順序情報の値の同一性によって送信パケットの同一性を識別し、順序情報の示す値が重複する受信パケットを廃棄することにより受信パケットの重複を排除する。送受信部14は、このような重複排除の方法によって、重複する受信パケットのうちの任意の一つを選択してもよいし、重複する受信パケットのうち信頼性が高いと考えられる受信パケットを選択してもよい。例えば、送受信部14は、中継回数の少ない受信パケットを信頼性が高い受信パケットとして選択してもよいし、RSSIの高いノードから送信された受信パケットを選択してもよい。
【0051】
なお、制御装置1の制御機能部15や端末装置2の端末機能部24においては、受信データの処理順序が重要になる場合もある。このような場合、制御装置1の送受信部14及び端末装置2の送受信部23は、受信パケットの順序情報に基づいて受信順序の不正を検出し、制御機能部15及び端末機能部24に対して正しい順序で受信データを出力することができる。
【0052】
このように構成された第1の実施形態の空調制御システム100は、グループ情報に基づいて受信データを他の制御装置1に中継する制御装置1を備えることにより、空調制御システム100において、より高い信頼性を確保しつつ機器制御ネットワークを無線化することができる。また、空調制御システム100は、無線通信を間欠的に行う端末装置2を備えることにより、空調制御システム100における端末装置2の省電力性を高めることができる。
【0053】
以下、第1の実施形態の空調制御システム100の変形例について説明する。
【0054】
図10は、変形例の制御装置1aの機能構成の具体例を示す図である。制御装置1aは、無線通信部11に代えて第1無線通信部111及び第2無線通信部112を備える点で、第1の実施形態の制御装置1と異なる。
このように、制御装置1は、第1無線ネットワーク300及び第2無線ネットワーク400ごとに異なる無線通信部を備えてもよい。
【0055】
なお、本実施形態において第1無線ネットワーク300と第2無線ネットワーク400とは同じ周波数帯域の無線通信を用いることを示しているが、同じ周波数帯域とすることによって、無線通信を実現するハードウェアを共通化することができる。また、周波数帯域としてサブギガ帯(900MHz〜990MHz)を用いることによって更に通信品質を向上させることができる。サブギガ帯の無線は、端末間に障害物がある場合においても安定した(回り込みやすい)通信を実現でき、かつ、速い通信速度を実現できる特徴を持っている。
【0056】
そのため、天井裏等に設置される制御装置1同士の無線通信(第1無線ネットワーク300)においても、天井裏に設置される空調機や各種配線等の障害物による影響が少なく、高い通信品質を実現できる。また、天井裏に設置される制御装置1と居室内に設置される端末装置2との無線通信(第2ネットワーク400)においても、両者を仕切る天井による影響が少なく、高い通信品質を実現可能である。
【0057】
また、居室内に2.4GHz帯や5GHz帯で無線通信(Wi−fi等)する機器が設置されている場合において、周波数帯域の異なる920MHz帯の無線通信を第1無線ネットワーク300及び第2無線ネットワーク400に用いることによって、居室内の機器からの干渉が無いため高い通信品質を実現可能である。
【0058】
さらに、900MHz帯未満の低い周波数帯域では利用できる帯域幅が小さいことから通信速度が遅く、第1無線ネットワーク300にてメッシュネットワークを実現する際の制約が大きいが、サブギガ帯の周波数帯域を用いることによって高い通信品質を実現可能である。
【0059】
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態の制御装置1bの機能構成の具体例を示す図である。制御装置1bは、送受信部14に代えて送受信部14bを備える点、中継部16に代えて中継部16bを備える点で第1の実施形態の制御装置1と異なる。
【0060】
送受信部14bは、第1プロトコル処理部12及び第2プロトコル処理部13と、制御機能部15及び中継部16bとの間で送受信データの入出力を行う。具体的には、送受信部14bは、各プロトコル処理部から自装置宛ての受信データを取得して制御機能部15に出力するとともに、第2プロトコル処理部13から自装置宛てでない受信データを取得して中継部16bに出力する。送受信部14bは、制御機能部15及び中継部16bから出力された送信データを送信先の通信プロトコルに応じたプロトコル処理部に出力する。
【0061】
中継部16bは、端末装置2から受信された自装置宛てでない受信データを他の制御装置1に中継する中継処理を行う。
【0062】
図12は、第2の実施形態の端末装置2bの機能構成の具体例を示す図である。端末装置2bは、無線制御部25に代えて無線制御部25bを備える点で第1の実施形態の端末装置2と異なる。
【0063】
無線制御部25bは、無線通信部21の動作を制御する。具体的には、無線制御部25bは、無線通信部21から出力される無線電波が、複数の制御装置1のうちの少なくとも2つ以上の制御装置1に受信可能な強度の無線電波が出力されるように無線通信部21を制御する。例えば、無線制御部25bは、無線電波が検出された制御装置1のRSSIに基づいて、受信信号強度の強い順にいくつかの制御装置1を選択し、選択された制御装置1が受信可能な強度の無線電波が出力されるように無線通信部21を制御する。
【0064】
また、例えば、無線制御部25bは、予め設定された最低限の強度(以下、「設定強度」という。)の無線電波が出力されるように無線通信部21を制御してもよい。この場合、設定強度は、無線電波が複数の制御装置1のうちの少なくとも2つ以上の制御装置1に受信可能な強度として設定される。例えば、設定強度は、無線電波が複数の制御装置1のうちの2つの制御装置1に受信可能な強度として設定されもよいし、複数の制御装置1のうちの3つの制御装置1に受信可能な強度として設定されもよい。
【0065】
また、無線制御部25bは、無線電波が複数の制御装置1のうちの少なくとも2つの制御装置1によって受信される範囲内で、無線通信部21の無線強度を設定強度から徐々に減少させていくような制御を行ってもよい。例えば、設定強度が、初期値として3つの制御装置1が受信可能な強度として設定される場合、無線通信部21は、徐々に無線強度を減少させていき、2つの制御装置1が受信可能な強度に近づけていくような制御を行ってもよい。また、設定強度は、外部からの入力によって変更可能に構成されてもよい。最低信号強度の設定は、マウスやキーボード等の入力装置から入力されてもよいし、ネットワークを介した通信によって入力されてもよい。
【0066】
図13は、第2の実施形態の空調制御システム100における上り通信の動作例を示す図である。ここでは、VR
21がVC
31にデータを送信する場合を例に上り通信の流れを説明する。この場合、VR
21の無線通信部21は、無線制御部25bの制御により、VC
31を宛先とする送信パケットを、例えば、VC
21、VC
22及びVC
23が受信可能な無線強度で送信する。VC
21、VC
22及びVC
23の中継部16bは、それぞれ、受信パケットの宛先が自装置でないことを識別すると、受信パケットを他の制御装置1に中継する。VC
21、VC
22及びVC
23によって中継されたパケットは、無線メッシュネットワークによって宛先のVC
31まで転送される。
【0067】
このように構成された第2の実施形態の空調制御システム100は、端末装置2から送信された自装置宛てでない受信パケットを他の制御装置1に中継する制御装置1を備える。このような制御装置1を備えることにより、空調制御システム100において、より高い信頼性を確保しつつ機器制御ネットワークを無線化することができる。また、空調制御システム100は、少なくとも2つ以上の制御装置1に受信されるような強度の無線電波でパケットを送信する端末装置2を備える。このような端末装置2を備えることにより、空調制御システム100における制御装置1と端末装置2との接続の冗長性を確保できる範囲で、無線端末2の無線出力に係る電力の消費を抑制することができる。
【0068】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、第1の実施形態の制御装置1又は端末装置2として機能することができる通信装置3について説明する。
【0069】
図14は、第3の実施形態の通信装置3のハードウェア構成の具体例を示す図である。例えば、通信装置3は、バス31で接続された補助記憶装置32、CPU33、メモリ34、無線通信部35(無線出力部)及び動作モード切り替え部36(動作モード設定部)を備える。補助記憶装置32は、制御装置プログラム及び端末装置プログラムを予め記憶している。CPU33は、補助記憶装置32に記憶された制御装置プログラム及び端末装置プログラムのうち、いずれか一方をメモリ34に読み出して実行する。CPU33は、制御装置プログラムの実行により通信装置3を制御装置1として機能させ(第1のモード)、端末装置プログラムの実行により通信装置3を端末装置2として機能させる(第2のモード)。無線通信部35は、通信装置3が無線通信するためのネットワークインタフェースである。動作モード切り替え部36は、CPU33に対して、制御装置プログラム及び端末装置プログラムのいずれを実行させるかを設定する。
【0070】
例えば、動作モード切り替え部36は、ディップスイッチ等のハードウェアとして構成されてもよいし、通信装置3の起動時に実行させるプログラムとして構成されてもよい。プログラムとして構成される場合、動作モード切り替え部36は、制御装置プログラム又は端末装置プログラムのいずれかを、対話形式でのユーザの入力に基づいて選択してもよいし、起動時に読み込まれる設定ファイルに基づいて選択してもよい。動作モード切り替え部36は、上記のハードウェアやプログラムによる制御装置プログラム又は端末装置プログラムの選択結果をCPU33に通知する。
【0071】
具体的には、CPU33は、制御装置プログラムの実行により、第1プロトコル処理部12、第2プロトコル処理部13、送受信部14、制御機能部15及び中継部16として機能する。また、CPU33による制御装置プログラムの実行により、補助記憶装置32は記憶部17として機能し、無線通信部35は無線通信部11として機能する。
【0072】
一方、CPU33は、端末装置プログラムの実行により、第2プロトコル処理部22、送受信部23、端末機能部24及び無線制御部25として機能する。また、CPU33による端末装置プログラムの実行により、補助記憶装置32は記憶部26として機能し、無線通信部35は無線通信部21として機能する。
【0073】
このように構成された第3の実施形態の空調制御システム100では、制御装置1と端末装置2とを同じハードウェアで実現することが可能となる。さらに、端末装置2が制御装置1と同じハードウェアで実現された場合であっても、ハードウェアを端末装置2として用いる場合には、端末装置2に必要な機能部のみを動作させることができるため、端末装置2の消費電力を削減することができる。
【0074】
なお、上記では、制御装置1又は端末装置2の装置単位で通信装置3の動作を切り替える例を示したが、通信装置3の動作を切り替える単位は各機能部の単位であってもよい。例えば、制御装置1と端末装置2とで同じプログラムによって実現可能な機能部(例えば、第2プロトコル処理部13及び第2プロトコル処理部22)は、同じプログラムを実行し、同じプログラムによって実現できない機能部(例えば、制御機能部15及び端末機能部24)のみ実行するプログラムを切り替えるようにしてもよい。また、制御装置1又は端末装置2として不要な機能部を実現するプログラムを実行しないようにしてもよい。
【0075】
また、通信装置3の動作の変更は、各機能部が有する機能ごとに行われてもよい。例えば、通信装置3を端末装置2として動作させる場合、第1プロトコル処理部12が有するメッシュ転送機能を実現するプログラムのみ実行しないようにしてもよいし、メッシュ構成機能を実現するプログラムのみ実行しないようにしてもよい。また、各機能部が行う処理の設定を変更することによって、端末装置2として機能する通信装置3の処理負荷を低減してもよい。例えば、通信装置3が端末装置2として機能する場合、メッシュ転送機能によるパケットの中継回数に対する制限をかける設定に変更してもよいし、メッシュ構成機能により構成されるメッシュ構成がフルメッシュとならないようにする設定に変更してもよい。
【0076】
[第4の実施形態]
図15は、第4の実施形態の制御装置1cの機能構成の具体例を示す図である。第4の実施形態の制御装置1cは、グループ情報更新部18をさらに備える点で第1の実施形態の制御装置1と異なる。
【0077】
グループ情報更新部18は、自装置のグループ情報の更新を行う。具体的には、グループ情報更新部18は、グループ情報の更新内容を示す更新情報の入力を受け付け、入力された更新情報で自装置のグループ情報を更新する。更新情報は、自装置に接続された入力装置から入力されてもよいし、ネットワークを介して他の装置から送信されてもよい。また、グループ情報更新部18は、自装置に入力された更新情報を他の制御装置1に送信する。
【0078】
図16は、第4の実施形態の空調制御システム100の構成の概略を示す図である。
図16は、グループ情報に基づいて、制御装置1−11が、端末装置2から送信されたデータを同一グループに所属する他の制御装置1−12〜1−15に送信している例を示している。この場合、仮に制御装置1−11に更新情報が入力された場合、制御装置1−11のグループ情報更新部18は、更新後のグループ情報を参照し、自装置と同じ制御グループに所属する制御装置1−12〜1−15及び制御装置1−20に更新情報を送信する。ここで、制御装置1−20は、更新情報によって新規追加された制御装置1である。制御装置1−11が、同一グループの制御装置1に更新情報を送信することにより、新規追加された制御装置1−20にもグループ情報を展開することができる。
【0079】
なお、
図16において、いずれかの制御装置1がグループ情報を管理する管理装置(グループ管理装置)として機能してもよい。例えば、制御装置1−20が管理装置として機能する場合、管理装置が他の制御装置1にグループ情報を送信してもよいし、各制御装置1が管理装置から最新のグループ情報を取得してもよい。
【0080】
このような構成を備えることにより、第4の実施形態の空調制御システム100では、グループ情報の更新作業をいずれか1つの制御装置1に対して行えばよいため、グループ情報の更新にかかる労力を削減することができる。
【0081】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、受信パケットを所定の条件に基づいて他の通信装置に送信する制御装置1と、送信パケットが複数の通信装置1のうちの一以上の通信装置1に受信されるように送信する端末装置2と、を持つことにより、空調制御システムの機器制御ネットワークを高い信頼性と省電力性とを両立しつつ無線化することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。