特許第6833334号(P6833334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6833334-皮膚外用剤又は化粧料 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833334
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤又は化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20210215BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20210215BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20210215BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210215BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   A61K8/9789
   A61K8/894
   A61Q1/14
   A61Q19/00
   A61Q19/10
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-70249(P2016-70249)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-178872(P2017-178872A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪又 顕
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−009223(JP,A)
【文献】 特開2000−169355(JP,A)
【文献】 特開平11−263721(JP,A)
【文献】 スパルーチェから新商品|ネイルラボのブログ,2015年 7月15日,https://ameblo.jp/naillabo-shop/entry-12050750086.html
【文献】 ドクターシーラボ、純金箔配合「エンリッチリフトゴールドピール」を発売,2013年 5月 1日,http://goldnews.jp/news/goldleaf/entry-652.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00− 8/99
A61Q1/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)セイヨウナシ果実の抽出物又は果汁0.0001〜1%
(B)揮発性シリコーン油5〜25%
(C)オリーブ油
を含有する皮膚外用剤又は化粧料(但し、フィジカルピーリング用のものを除く)。
【請求項2】
角質除去用である、請求項1に記載の皮膚外用剤又は化粧料。
【請求項3】
次の成分(A)〜(C);
(A)セイヨウナシ果実の抽出物又は果汁0.0001〜1%
(B)揮発性シリコーン油5〜25%
(C)オリーブ油
を含有するケミカルピーリング用の皮膚外用剤又は化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナシ属植物の抽出物又は果汁、シリコーン油、植物油を含有する皮膚外用剤又は化粧料に関し、さらに詳しくは、角質除去効果に優れる皮膚外用剤又は化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人の肌は角質により覆われ、異物の侵入や体内の水分蒸散から生体を保護するバリアとして機能する。この角質は美しい肌のためにも重要な役割を持っているが、剥離せず肥厚すると、肌のくすみ等に繋がり好ましくない影響がでる。肌を美しく清浄に保つためには、古くなった角質を除去することが重要であり、角質を適切に除去するための方法が検討されてきた。
【0003】
角質を除去する方法として、各種ピーリングが知られており、グリコール酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸を用いて角質細胞の接着を弱めたり、あるいは、サリチル酸を用いて角質を軟化させたりするケミカルピーリング(例えば、特許文献1、2参照)や、有機粉末、無機粉末又は水性ゲル形成高分子等を用い、それら粉末の摩擦作用を利用したフィジカルピーリング(例えば、特許文献3、4参照)、パパインやプロテアーゼなどのタンパク質分解酵素を用いたピーリング等がある(例えば、特許文献5参照)。また、角質除去用の化粧料として、尿素、α−ヒドロキシ酸を使用したスクラブ化粧料がある(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−277294号公報
【特許文献2】特開2005−281134号公報
【特許文献3】特開2002−293716号公報
【特許文献4】特開2001−139426号公報
【特許文献5】特開2006−160711号公報
【特許文献6】特開2003−292411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、6に記載のα-ヒドロキシ酸やサリチル酸を用いるケミカルピーリングは、通常pHが1.0〜3.0と低く、皮膚に刺激を感じたり、赤くなったりすることもあり、その後のスキンケアを充分に行わないと、紫外線などにより、色素沈着を生じることもある。また、特許文献3に記載の有機粉末や無機粉末を用いるフィジカルピーリングは、粒子の大きさにもよるが、マッサージにより物理的刺激が強く、皮膚を傷つけることもある。特許文献4に記載の水性ゲル形成高分子を用いるフィジカルピーリングは皮膚の状態により、ゲル凝集物が形成されるまでに長い時間を要したり、ゲル凝集物の量も異なったりするため、充分な角質除去が期待できないこともある。特許文献5に記載の酵素を用いるピーリングにおいては、酵素の安定化が充分に図られていない等の理由から、粉末化粧料にしか配合できないなど製剤化に制限が出るとともに、必ずしも満足する角質除去効果が得られていなかった。このように、従来は、安全性や有効成分の安定性、角質除去に優れる技術の開発が不十分であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、ナシ属植物の抽出物又は果汁、シリコーン油、植物油を含有することで、安全性や安定性に優れながらも角質除去効果が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は次の成分(A)〜(C);
(A)ナシ属植物の抽出物又は果汁
(B)シリコーン油
(C)植物油
を含有する皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0008】
さらに、成分(A)のナシ属植物の抽出物又は果汁が、セイヨウナシの抽出物又は果汁である、前記皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0009】
さらに、成分(B)のシリコーン油が揮発性シリコーン油である、前記皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0010】
さらに、成分(C)の植物油がオリーブ油である、前記皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【0011】
さらに、角質除去用である、前記皮膚外用剤又は化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、角質除去効果に優れる皮膚外用剤又は化粧料である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1及び比較例2を使用した際に除去された角質の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に用いられる成分(A)のナシ属植物の抽出物又は果汁は、バラ科ナシ属(Pyrus)に属する植物から得られる抽出物又は果汁である。ナシ属に属する植物としては、セイヨウナシ(Pyrus communis)、ヤマナシ(Pyrus pyrifolia)、マメナシ(Pyrus calleryana)、ユキナシ(Pyrus nivalis)、ヤナギバナシ(Pyrus salicifolia)、ヒマラヤナシ(Pyrus pashia)等を挙げることができ、特に限定することなくこれらを一種又は二種以上使用することができる。これらの中でもセイヨウナシが好ましい。
【0015】
ナシ属植物からその抽出物を得るための抽出・精製方法は特に限定されないが、適切な抽出溶媒により抽出処理して抽出物を得、これを更にカラムクロマトグラフィ等で精製する方法を例示することができる。また、ナシ属植物の圧搾汁そのものであってもよく、該圧搾汁を、濃縮、乾燥等したものであってもよい。抽出はまた、水蒸気蒸留の方法に拠ってもよい。
【0016】
ナシ属植物の抽出物又は果汁を得るために使用する部位としては、特に限定されず、全草、花、果実、茎又は葉、枝葉、根茎、根皮、根等を挙げることができ、これらの部位の中でも果実が好適である。各種部位をそのまま使用してもよいが、細切、乾燥、脱脂、脱色、発酵などの処理を施してから抽出や圧搾等に供してもよく、また、抽出や圧搾等の後にこれらの処理を施してもよい。有効成分の濃度が高まるため、発酵処理を施すことが好ましい。発酵処理としては、酵母菌や乳酸菌等による発酵が挙げられる。
【0017】
抽出溶媒としては、特に限定されないが、例えば水;アルコール類;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類等の一種又は二種以上を用いることができる。前記アルコール類として、メタノール、エタノール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の液状多価アルコール等が挙げられる。本発明において低級アルコールとは炭素数が1〜4である1価又は多価のアルコールをいう。これらの中でも、ブチレングリコールを使用することが好ましい。
【0018】
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定は無いが、角質除去の観点から、0.0001〜1質量%(以下、質量%は単に「%」と略す)が好ましく、0.001〜0.5%がより好ましい。
【0019】
本発明に用いられる成分(B)のシリコーン油は、通常化粧料等に用いられるものでれば限定なく使用することができ、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン等の変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、シリコーン油は揮発性、非揮発性のいずれであってもよい。なお、揮発性シリコーン油とは、1気圧、25℃において揮発するシリコーン油を指す。
【0020】
これらの中でも、成分(B)として、低分子量の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーン油を選択すると、ベタツキ感や油っぽさを感じることなく、より角質除去に優れる皮膚外用剤又は化粧料を得ることができるため好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが最も好ましい。
【0021】
本発明に用いられる成分(B)の含有量は、特に限定は無いが、使用感や角質除去の観点から、1〜30%が好ましく、5〜25%がより好ましく、角質除去の観点から10〜20%がさらに好ましい。
【0022】
本発明に用いられる成分(C)の植物油は、通常化粧料等に用いられるものでれば限定なく使用することができ、植物の産地や種類、抽出や圧搾の部位や方法、性状等限定なく使用できる。成分(C)としては、例えば、オリーブ油、ヤシ油、米胚芽油、米ヌカ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、サフラワー油、サンフラワー油、ホホバ油、麻実油、亜麻仁油、えごま油、くるみ油、けし油、しなぎり油、大豆油、タバコ種子油、日本きり油、ヒマワリ種子油、ぶどう種子油、あんず核油、かぼちゃ種子油、ごま油、西洋すもも油、コーン油、菜種油、綿実油、レモン油、茶実油、ツバキ油、落花生油、シア脂、カカオ脂、パーム核油、モクロウ、ヤシ油などの植物油が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、角質除去の観点からオリーブ油が好ましい。
【0023】
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、特に限定は無いが、使用感や角質除去の観点から、0.001〜10%が好ましく、角質除去の観点から0.01〜1%がより好ましい。
【0024】
また、本発明の皮膚外用剤又は化粧料には、本発明の効果を損なわない量的質的範囲において、上記必須成分の他に、通常の化粧料等に用いられる成分として、水性成分、界面活性剤、油性成分、保湿剤、高分子、粉体、色素、紫外線吸収剤、被膜形成性剤、pH調整剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を、各種の効果の付与のために適宜配合することができる。
【0025】
水性成分としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、グルコースなどの糖アルコール、緑茶、紅茶、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液などが挙げられる
【0026】
界面活性剤としては、通常の化粧料等に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、リン脂質等が挙げられる。
【0027】
油性成分としては、通常の化粧料等に使用されるものであれば特に限定されず、動物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液状油、揮発性油の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂等が挙げられる。
【0028】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常化粧料等の水中油型乳化組成物、もしくは油中水型組成物等を製造する方法を挙げることができる。
【0029】
また、本発明の皮膚外用剤としては、例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等が挙げられる。その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法、スプレーして使用する方法等が挙げられる。化粧料としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ化粧料、パック化粧料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、メーキャップ化粧料、化粧用下地化粧料、デオドラント料、クレンジング化粧料、ふき取り化粧料等を例示することができる。またその使用方法は、前記した皮膚外用剤と同様に挙げることができる。これらの中でも角質除去の観点からクレンジング化粧料、ふき取り化粧料として用いることが好ましい。また、本発明は角質除去に優れた効果を発揮するため、角質除去用の皮膚外用剤又は化粧料として用いることが好ましい。
【0030】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料は、液状、ジェル状、クリーム状、固形状、ムース状等の種々の形態で実施することが可能であり、霧状に噴霧可能な容器に収容して霧状に噴霧して用いてもよい。また、本発明品の剤型は、可溶化型、水中油型、油中水型、油性型、水中油中水型、油中水中油型、多層型等特に限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0032】
製造例1:セイヨウナシ果実エキス
セイヨウナシの果実10kgを輪切りにし、これに50体積%1,3−ブチレングルコール溶液25Lを加え、15日間冷所に静置した後ろ過した。ろ液を冷所に10日間静置して熟成させ、沈殿やオリをろ過して除去し、50体積%1,3−ブチレングルコール溶液を加えて25kgとし、セイヨウナシ果実エキスを得た。
【0033】
実施例1〜10及び比較例1〜5:ふき取り化粧料
表1及び表2に示す組成及び下記製造方法にてふき取り化粧料を調製し、角質除去について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を表1及び表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
(注1)PEMULEN TR−1(NOVEON社製)
(注2)シリコン KF−6012(信越化学工業社製)
(注3)KF−96−100CS(信越化学工業社製)
(注4)ハイコール K−350(カネダ社製)
(注5)ファーメンテージ セイヨウナシB(一丸ファルコス社製)
(注6)製造例1にて得られたセイヨウナシ果実エキス
(注7)リンゴ抽出液 BG(丸善製薬社製)
【0037】
(製造方法)
A.成分1〜7を60℃に加温し、均一に混合する。
B.成分8〜12を60℃に加温し、均一に混合する。
C.AとBを均一混合した後、冷却する。
D.Cに成分13〜15を加え均一混合し、ふき取り化粧料を得た。
【0038】
(角質除去)
実施例及び比較例の各試料について、化粧品評価専門パネル5名が顔に使用した。コットンに0.5gの試料を塗布し、それを用いて頬を5回こすり、コットンを乾燥させた。乾燥したコットンからテープストリッピングを1回行い、そのテープは4%パラフォルムアルデヒド固定液(武藤化学株式会社製)等の固定液を用いて固定した後、PBS溶液で洗浄を行った。その後1%エオシンY溶液(和光純薬工業社製)にて染色し、一定の時間染色した後流水にて洗浄を行った。洗浄を行ったテープをスライドガラス等に張り付けたのち、適宜カバーガラス等で覆い観察用に供した。スライドガラス試料はオリンパス社製の倒立型蛍光顕微鏡を用いて観察し、一定の倍率で顕微鏡写真を撮影した。顕微鏡写真を用い、一画像中の染色された角質を数えて、以下の評価基準に従って5段階に評価し、その平均点を以下の判定基準に従って判定した。実施例1及び比較例2を使用して除去された角質の顕微鏡写真を図1に示す。
[評価基準]
5:染色された角質が非常に多い
4:染色された角質が多い
3:染色された角質がある
2:染色された角質がほとんどない
1:染色された角質が全くない
[判定基準]
[評点の平均点] :[判定]
4.5点を超える : ◎
3.5点を超え4.5点以下 : ○
2点を超え3.5点以下 : △
2点以下 : ×
【0039】
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1〜10のふき取り化粧料は角質除去に優れるものであった。一方、成分(A)を含有しない比較例1は、角質除去が劣っており、また、成分(B)を含有しない比較例2、成分(C)を含有しない比較例3は角質除去が悪いものでった。また、ナシ属植物の抽出物又は果汁の代わりにリンゴ果実エキスを含有した比較例4は角質除去が劣っており、シリコーン油の代わりに流動パラフィンを含有した比較例5は角質除去が悪いものであった。
【0040】
〔実施例11:乳液〕
(成分) (%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
2.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
3.マカデミアンナッツ油 0.5
4.ホホバ油 0.5
5.ジメチルポリシロキサン (注3) 0.5
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 0.5
7.精製水 残 量
8.エデト酸二ナトリウム 0.1
9.メチルパラベン 0.2
10.フェノキシエタノール 0.5
11.グリセリン 5.0
12.1,3−ブチレングルコール 1.0
13.プロピレングリコール 2.0
14.乳酸ナトリウム 0.5
15.キサンタンガム 0.05
16.精製水 10.0
17.乳酸桿菌/セイヨウナシ果汁発酵液(注5) 0.15
18.エタノール 3.0
19.香料 0.01
【0041】
(製造方法)
A:成分15を70℃に加熱した成分16で膨潤する。
B:成分1〜6を70℃で加熱混合する。
C:成分7〜14を70℃で加熱溶解後、Bに添加し、乳化する。
D:Cを室温まで冷却後、成分17〜19とAを添加し、乳液を得た。
【0042】
実施例11の乳液をコットンに塗布し、顔に使用したところ、角質除去に優れたものであった。
【0043】
〔実施例12:クリーム〕
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレン(40モル)ソルビタンモノステアレート 2.0
2.自己乳化型グリセリルモノステアレート 5.0
3.ステアリン酸 5.0
4.ベヘニルアルコール 0.5
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
6.ヤシ油 5.0
7.酢酸トコフェロール 0.1
8.メチルパラベン 0.1
9.乳酸桿菌/セイヨウナシ果汁発酵液(注5) 0.2
10.キサンタンガム(2%水溶液) 7.0
11.1,3−ブチレングリコール 5.0
12.精製水 残 量
13.香料 0.05
【0044】
(製造方法)
A.成分8〜12を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分1〜7を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BをAに加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後、成分13を加え、均一に混合してクリームを得た。
【0045】
実施例12のクリームをコットンに塗布し、顔に使用したところ、角質除去に優れたものであった。
【0046】
実施例13:ふき取りクレンジング
(成分) (%)
1.リン脂質 (注8) 0.1
2.ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミド (注9) 0.5
3.米ヌカ油 0.1
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 0.2
5.ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリ
シロキサン共重合体 (注2) 0.3
6.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 (注10) 0.2
7.ジメチルポリシロキサン (注11) 0.1
8.ポリオキシプロピレンメチルグルコシド (注12) 0.5
9.グリセリン 1.0
10.1,3−ブチレングリコール 5.0
11.精製水 残 量
12.キサンタンガム 0.1
13.カルボキシビニルポリマー (注13) 0.1
14.アルキル変性カルボキシビニルポリマー (注1) 0.1
15.エタノール 10.0
16.PPG−6デシルテトラデセス−20 1.0
17.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
18.香料 0.1
19.乳酸桿菌/セイヨウナシ果汁発酵液(注5) 0.05
(注8)レシノール S−10(日光ケミカルズ社製)
(注9)アミゼット 5C(川研ファインケミカル社製)
(注10)シリコン KF−6017(信越化学工業社製)
(注11)SH200C FLUID 6CS(東レ・ダウコーニング社製)
(注12)GLUCAM P−10(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(注13)CARBOPOL 980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜7を70℃で均一に溶解混合する。
B:成分8〜14を70℃で均一に混合する。
C:BにAを添加し70℃で乳化する
D:Cを40℃まで冷却し、成分15〜19を添加して均一に混合し、ふき取りクレンジングを得た。
【0048】
実施例13のふき取りクレンジングをコットンに塗布し、顔に使用したところ、角質除去に優れたものであった。

図1