(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排紙処理部は、媒体検出部によって媒体有りが検出された場合に、媒体を前方及び後方に移動させ、媒体検出部に付着した付着物を媒体の端部を利用して除去する請求項5に記載の媒体検出装置。
前記排紙処理部は、媒体を前方及び後方に移動させた後、媒体検出部によって媒体有りが検出された場合に、操作者に付着物を除去するよう促す請求項6に記載の媒体検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのドットインパクト式のプリンタについて説明する。
【0013】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す断面図、
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す平面図である。
【0014】
図において、Pは媒体としての用紙、Rt1は用紙Pを案内し、矢印方向に搬送するための媒体搬送路、10は用紙Pに対して印字を行うプリンタ、11は該プリンタ10に用紙Pをセットするための媒体配置部としてのテーブル、12は印字ヘッドである。該印字ヘッド12は、プリンタ10の左右方向、すなわち、主走査方向(
図3における左右方向)に移動自在に配設された図示されないキャリッジに搭載され、該キャリッジと共に移動させられる。
【0015】
また、13は、前記印字ヘッド12の下方において、印字ヘッド12と対向させて、かつ、主走査方向に延在させて配設された媒体支持部材としてのプラテンであり、印字ヘッド12とプラテン13との間に印字部が形成される。
【0016】
そして、15は、テーブル11において用紙Pの搬送方向における印字部より上流側に回転自在に配設され、回転に伴い、用紙Pを副走査方向に搬送し、印字部に給紙するための第1の搬送部材としてのフロントフィードローラ対であり、該フロントフィードローラ対15は、軸sh1に複数のローラr1を取り付けることによって形成され、媒体搬送路Rt1の上側及び下側に配設された一対のフィードローラ15a、15bから成る。また、17は、テーブル11において用紙Pの搬送方向における印字部より下流側に回転自在に配設され、回転に伴い、用紙Pを印字部から排出するための第2の搬送部材としてのリヤフィードローラ対であり、該リヤフィードローラ対17は、軸sh2に複数のローラr2を取り付けることによって形成され、媒体搬送路Rt1の上側及び下側に配設された一対のフィードローラ17a、17bから成る。
【0017】
そして、21は、テーブル11において用紙Pの搬送方向(矢印方向)におけるフロントフィードローラ対15の各フィードローラ15a、15bの噛込み部より上流側に配設された第1の媒体検出部としての用紙セット検出センサであり、該用紙セット検出センサ21は、各ローラr1に近接させて、用紙Pの搬送方向に対して直交する方向において複数配設され、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を検出し、用紙Pの有無に応じてセンサ出力を発生させる。そのために、用紙セット検出センサ21は、透過型の光学センサから成り、媒体搬送路Rt1の下側に配設されたLED等から成る発光部21e、及び媒体搬送路Rt1の上側に配設されたフォトトランジスタ等から成る受光部21rを備え、発光部21eによって発生させられ、用紙Pを透過した赤外線等の光を受光部21rが受光すると、用紙Pの透過率に応じた、また、受光部21rの受光量に応じた検出電圧をセンサ出力として発生させる。
【0018】
本実施の形態において、用紙セット検出センサ21の検出回路は、発光部21eの発光出力が大きくなり、受光部21rの受光量が多くなると、用紙セット検出センサ21のセンサ出力が小さくなり、発光部21eの発光出力が小さくなり、受光部21rの受光量が少なくなると、用紙セット検出センサ21のセンサ出力が大きくなるように形成される。
【0019】
また、23は、テーブル11において用紙Pの搬送方向におけるフロントフィードローラ対15の各フィードローラ15a、15bの噛込み部より下流側に配設された第2の媒体検出部としての用紙斜行検出センサであり、該用紙斜行検出センサ23は、各ローラr2に近接させて、用紙Pの搬送方向に対して直交する方向において複数配設され、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無及び斜行を検出するとともに、用紙Pの有無に応じてセンサ出力を発生させる。そのために、用紙斜行検出センサ23は、透過型の光学センサであり、媒体搬送路Rt1の下側に配設されたLED等から成る発光部23e、及び媒体搬送路Rt1の上側に配設されたフォトトランジスタ等から成る受光部23rを備え、発光部23eによって発生させられ、用紙Pを透過した赤外線等の光を受光部23rが受光すると、用紙Pの透過率に応じた、また、受光部23rの受光量に応じた検出電圧をセンサ出力として発生させる。
【0020】
本実施の形態において、用紙斜行検出センサ23の検出回路は、用紙セット検出センサ21と同様に、発光部23eの発光出力が大きくなり、受光部23rの受光量が多くなると、用紙斜行検出センサ23のセンサ出力が小さくなり、発光部23eの発光出力が小さくなり、受光部23rの受光量が少なくなると、用紙斜行検出センサ23のセンサ出力が大きくなるように形成される。
【0021】
各用紙斜行検出センサ23と各用紙斜行検出センサ23とは互いに対応させて、前記主走査方向における同じ位置に配設される。
【0022】
なお、用紙Pの搬送方向における用紙斜行検出センサ23より下流側で、かつ、印字部より上流側に、用紙Pの斜行を矯正するシャッタ等の図示されない斜行矯正機構が配設される。
【0023】
また、25は、印字ヘッド12に近接させて、かつ、プラテン13と対向させてキャリッジに取り付けられ、印字部に給紙された用紙Pの幅、すなわち、用紙幅を算出するためのセンサ出力を発生させる第3の媒体検出部としての用紙幅検出センサである。
【0024】
該用紙幅検出センサ25は、反射型の光学センサであり、LED等から成る図示されない発光部及びフォトトランジスタ等から成る図示されない受光部を備え、発光部によって発生させられ、プラテン13及び用紙Pに照射された赤外線等の光が、プラテン13及び用紙Pにおいて反射され、受光部によって受光されると、プラテン13及び用紙Pの反射率に応じた検出電圧をセンサ出力として発生させる。
【0025】
前記印字ヘッド12は、複数の印字ワイヤを備え、キャリッジを主走査方向に往復移動させながら印字ヘッド12を駆動すると、前記印字ワイヤが選択的に前進させられて、図示されないインクリボンに打ち付けられ、インクリボンのインクがプラテン上の用紙Pに転写され、ドット列による印字が行われる。
【0026】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0028】
図において、30は上位装置としてのホストコンピュータ、31はプリンタ10の全体の制御を行う中央処理装置としての、かつ、制御部としてのCPUであり、該CPU31には、第1の記憶装置としての揮発性メモリであるRAM32、第2の記憶装置としての不揮発性メモリであるROM33、及び集積回路から成るI/Oインタフェース35が接続される。
【0029】
該I/Oインタフェース35は、プリンタ10の状態を検出するための入出力I/Oとして機能するとともに、用紙セット検出センサ21、用紙斜行検出センサ23及び用紙幅検出センサ25に接続されてプリンタ10の制御を行うための入出力I/Oとして機能し、インタフェース基板34に接続されるとともに、印字ヘッド12を駆動するための印字ヘッド駆動回路37、第1の駆動部としてのスペースモータMsを駆動するためのスペースモータ駆動回路38、及び第2の駆動部としてのフィードモータMfを駆動するためのフィードモータ駆動回路39に接続される。
【0030】
前記スペースモータMsは、キャリッジ及び印字ヘッド12を主走査方向に移動させるためのモータであり、スペースモータMsを駆動することによって発生させられた回転は、図示されないプーリ及びタイミングベルトを介して往復運動に変換され、往復運動がキャリッジに伝達される。
【0031】
また、前記フィードモータMfは、用紙Pを副走査方向に移動させるためのモータであり、フィードモータMfを駆動することによって、フロントフィードローラ対15(
図2)及びリヤフィードローラ対17が回転させられる。
【0032】
前記ホストコンピュータ30には、オペレーティングシステム、アプリケーション等がインストールされていて、印字を行う際に、ホストコンピュータ30は印字データをプリンタ10に送信する。
【0033】
前記CPU31は、ROM33に記録されたプログラムを実行することによって動作させられる各制御処理部、本実施の形態においては、用紙セット検出センサ21がプリンタ10にセットされた用紙Pの有無を検出するために使用される判断値(用紙有無判断値)、すなわち、スライスレベルを生成するスライスレベル生成処理部Pr1、用紙セット検出センサ21のセンサ出力に基づいて、プリンタ10に用紙Pがセットされたかどうか、すなわち、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を判断する媒体有無判断処理部としての用紙有無判断処理部Pr2、プリンタ10にセットされた用紙Pを印字部に給紙することによって印字の準備を整える給紙処理部Pr3、用紙幅検出センサ25のセンサ出力に基づいて、給紙された用紙Pの用紙幅を算出する媒体幅算出処理部としての用紙幅算出処理部P4、印字部から用紙Pを排出する排紙処理部Pr5等を備える。
【0034】
また、前記RAM32には、各種のデータ、本実施の形態においては、CPU31の各制御処理部において処理を実施するための制御情報、ホストコンピュータ30から送信された印字データ等が記録される。
【0035】
そして、ROM33には、プリンタ10の動作を制御するためのプログラムが記録される。
【0036】
なお、前記テーブル11、用紙セット検出センサ21、用紙斜行検出センサ23、CPU31、RAM32、ROM33等によって媒体検出装置が、該媒体検出装置及び媒体搬送路Rt1、フロントフィードローラ対15、リヤフィードローラ対17等によって媒体搬送装置が構成される。
【0037】
ところで、本実施の形態においては、印字を行う用紙Pとして薄紙、通常用紙及び厚紙を使用することができ、操作者は、プリンタ10の操作部を操作することによって、印字モードを設定し、薄紙を使用して薄紙モードで、通常用紙を使用して通常モードで、厚紙を使用して厚紙モードで印字を行うことができる。
【0038】
この場合、前記用紙有無判断処理部Pr2によって、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を判断するに当たり、用紙セット検出センサ21において用紙Pの透過率に応じたセンサ出力が発生させられるので、発光部21eの発光出力は、薄紙モードが設定されたときに最も小さく、通常モードが設定されたとき及び厚紙モードが設定されたときの順にセンサの出力が大きくなるように設定される。
【0039】
すなわち、薄紙を使用して薄紙モードで印字を行う場合、薄紙の用紙厚が極めて小さいので、発光出力を大きくすると、発光部21rで発光させられた光のほとんどが用紙Pを透過し、用紙セット検出センサ21においてセンサ出力が大きくなりすぎ、用紙Pの有無を検出することができなくなってしまう。そこで、本実施の形態において、薄紙モードが設定された場合の発光部21eの発光出力は小さく設定される。
【0040】
これに対して、通常用紙を使用して通常モードで印字を行う場合、通常用紙の用紙厚が小さくないので、発光出力を大きくしても、発光部21eで発光させられた光のほとんどが用紙Pを透過せず、用紙セット検出センサ21においてセンサ出力が大きくならない。そこで、本実施の形態において、通常モードが設定された場合の発光部21eの発光出力は薄紙と比較して大きく設定される。なお、トレーシングペーパーのような比較的透過率の高い用紙Pにおいては、通常モードが設定されても用紙Pを検出することができるので、発光出力は小さくされる。
【0041】
また、厚紙を使用して厚紙モードで印字を行う場合、厚紙の用紙厚が大きいので、発光出力を大きくしても、発光部21eで発光させられた光は用紙Pを透過せず、用紙セット検出センサ21においてセンサ出力が大きくならない。そこで、本実施の形態において、通常モードが設定された場合の発光部21eの発光出力は通常モードより大きく設定される。
【0042】
そして、ROM33には、用紙Pの有無を検出するための、用紙セット検出センサ21の発光部21eにおける発光出力に応じて設定され、用紙セット検出センサ21のセンサ出力と比較するための複数のスライスレベルが記録されたスライスレベル記録エリアが形成され、該スライスレベル記録エリアに、用紙Pの厚さに応じて設定された印字モードごとに異ならせて設定された、第1の閾値としての薄紙用のスライスレベルth1、第2の閾値としての通常用のスライスレベルth2及び第3の閾値としての厚紙用のスライスレベルth3が記録される。
【0043】
前記薄紙用のスライスレベルth1は、薄紙モードで印字を行う際に用紙セット検出センサ21のセンサ出力と比較するためのスライスレベルであり、通常用のスライスレベルth2は、通常モードで印字を行う際に用紙セット検出センサ21のセンサ出力と比較するためのスライスレベルであり、厚紙用のスライスレベルth3は、厚紙モードで印字を行う際に用紙セット検出センサ21のセンサ出力と比較するためのスライスレベルである。
【0044】
ところで、前記用紙セット検出センサ21においては、プリンタ10に用紙Pがセットされると、発光部21eと受光部21rとが用紙Pによって遮られ、センサ出力が大きくなり、前記用紙有無判断処理部Pr2が、プリンタ10にセットされた用紙Pが有ると判断するが、用紙セット検出センサ21に紙片、紙粉、埃等の付着物が付着し、発光部21eで発光させられた光が受光部21rによって受光されにくくなることがあり、その場合、センサ出力がスライスレベルより大きくなると、用紙有無判断処理部Pr2が用紙Pの有無を誤って判断してしまう。
【0045】
そこで、本実施の形態においては、前述されたように、ROM33のスライスレベル記録エリアに、互いに値が異なる薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3が記録されるようになっている。
【0046】
なお、ROM33は、不揮発性メモリであり、記録されたデータを変更することはできない。したがって、前記薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3は、スライスレベル生成処理部Pr1によって、プリンタ10の製造時に設定され、記録されるか、又はプリンタ10の修理時等においてプリンタ10の操作部において所定の方法でスイッチ操作を行うことによって、再設定され、記録される。
【0047】
次に、薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3を生成するためのスライスレベル生成処理部Pr1の動作について説明する。
【0048】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるスライスレベル生成処理部の動作を示す第1のフローチャート、
図5は本発明の第1の実施の形態におけるスライスレベル生成処理部の動作を示す第2のフローチャート、
図6は本発明の第1の実施の形態におけるスライスレベル生成処理部の動作を説明するための図である。
【0049】
まず、スライスレベル生成処理部Pr1は、各用紙セット検出センサ21のゲイン値、すなわち、各用紙セット検出センサ21において発光部21eを発光させるときの発光出力のゲイン値を最小ゲイン値にする。
【0050】
次に、スライスレベル生成処理部Pr1は、薄紙用のスライスレベルth1を生成するための変数V1及びあらかじめ設定された加算値αをセットする。
【0051】
続いて、スライスレベル生成処理部Pr1は、薄紙用のスライスレベルth1を生成するかどうかを判断し、薄紙用のスライスレベルth1を生成する場合、発光部21eを発光させ、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを読み込む。
【0052】
一方、薄紙用のスライスレベルth1を生成しない場合、スライスレベル生成処理部Pr1は、通常用のスライスレベルth2を生成するための変数V2及び前記加算値αをセットし、通常用のスライスレベルth2を生成するかどうかを判断し、通常用のスライスレベルth2を生成する場合、発光部21eを発光させ、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを読み込む。
【0053】
また、通常用のスライスレベルth2を生成しない場合、スライスレベル生成処理部Pr1は、厚紙用のスライスレベルth3を生成するための変数V3及び前記加算値αをセットし、発光部21eを発光させ、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを読み込む。
【0054】
このようにして、発光部21eを発光させ、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを読み込むと、スライスレベル生成処理部Pr1は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが、あらかじめ設定された値、すなわち、XX〔V〕未満であるかどうかを判断し、用紙セット検出センサ21のセンサ出力VがXX〔V〕未満である場合、現在の発光出力のゲイン値を用紙Pの有無を検出するときのゲイン値にするとともに、現在の変数V1〜V3に加算値αを加算した値を薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3にする。なお、XX〔V〕はセンサ出力Vが最大値Vmax(=3.3〔V〕)にならないように設定される。
【0055】
そして、スライスレベル生成処理部Pr1は、すべての用紙セット検出センサ21の薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3を生成したかどうかを判断し、すべての用紙セット検出センサ21の薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3を生成した場合、薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3並びに発光出力のゲイン値をROM33に記録する。
【0056】
また、すべての用紙セット検出センサ21の薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3を生成してはいない場合、スライスレベル生成処理部Pr1は、次の用紙セット検出センサ21のゲイン値を最小ゲイン値にする。
【0057】
そして、発光部21eを発光させたときの用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが、XX〔V〕以上である場合、スライスレベル生成処理部Pr1は、用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上であるかどうかを判断し、用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上である場合、エラーを発生させる。
【0058】
一方、用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上ではない場合、スライスレベル生成処理部Pr1は、ゲイン値を一つ上げ、用紙セット検出センサ21のセンサ出力VがXX〔V〕未満になるまで、各用紙セット検出センサ21の発光部21eの発光出力を大きくする。
【0059】
次に、
図4及び5のフローチャートについて説明する。
ステップS1 スライスレベル生成処理部Pr1は各用紙セット検出センサ21のゲイン値を最小ゲイン値にする。
ステップS2 スライスレベル生成処理部Pr1は変数V1及び加算値αをセットする。
ステップS3 スライスレベル生成処理部Pr1は薄紙用のスライスレベルth1を生成するかどうかを判断する。薄紙用のスライスレベルth1を生成する場合はステップS7に、薄紙用のスライスレベルth1を生成しない場合はステップS4に進む。
ステップS4 スライスレベル生成処理部Pr1は変数V2及び加算値αをセットする。
ステップS5 スライスレベル生成処理部Pr1は通常用のスライスレベルth2を生成するかどうかを判断する。通常用のスライスレベルth2を生成する場合はステップS7に、通常用のスライスレベルth2を生成しない場合はステップS6に進む。
ステップS6 スライスレベル生成処理部Pr1は変数V3及び加算値αをセットする。
ステップS7 スライスレベル生成処理部Pr1はセンサ出力Vを読み込む。
ステップS8 スライスレベル生成処理部Pr1はセンサ出力VがXX〔V〕未満であるかどうかを判断する。センサ出力VがXX〔V〕未満である場合はステップS9に、センサ出力VがXX〔V〕以上である場合はステップS14に進む。
ステップS9 スライスレベル生成処理部Pr1は現在の発光出力のゲイン値を用紙Pの有無を検出するときのゲイン値にする。
ステップS10 スライスレベル生成処理部Pr1は現在の変数V1〜V3に加算値αを加算した値を薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3にする。
ステップS11 スライスレベル生成処理部Pr1はすべての用紙セット検出センサ21のスライスレベルを生成したかどうかを判断する。すべての用紙セット検出センサ21のスライスレベルを生成した場合はステップS12に、すべての用紙セット検出センサ21のスライスレベルを生成してはいない場合はステップS13に進む。
ステップS12 スライスレベル生成処理部Pr1は薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3並びに発光出力のゲイン値をROM33に記録し、処理を終了する。
ステップS13 スライスレベル生成処理部Pr1は次の用紙セット検出センサ21のゲイン値を最小ゲイン値にし、ステップS2に戻る。
ステップS14 スライスレベル生成処理部Pr1は用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上であるかどうかを判断する。用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上である場合はステップS15に進み、用紙セット検出センサ21のすべてのゲイン値でセンサ出力VがXX〔V〕以上ではない場合はステップS16に進む。
ステップS15 スライスレベル生成処理部Pr1はエラーを発生させる。
ステップS16 スライスレベル生成処理部Pr1はゲイン値を一つ上げ、ステップS2に戻る。
【0060】
次に、単票の用紙Pを使用して印字を行うときのCPU31の動作について説明する。
【0061】
図7は本発明の第1の実施の形態におけるCPUの動作を示す第1のフローチャート、
図8は本発明の第1の実施の形態におけるCPUの動作を示す第2のフローチャートである。
【0062】
まず、CPU31の用紙有無判断処理部Pr2は、用紙有無判断処理を行い、プリンタ10に用紙Pがセットされたかどうかを判断する。
【0063】
そのために、前記用紙有無判断処理部Pr2は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを定期的に監視することによって、用紙Pのプリンタ10へのセット状態の変化を把握する。
【0064】
用紙有無判断処理部Pr2によって、プリンタ10に用紙Pがセットされたと判断されると、給紙処理部Pr3は、まず、用紙Pの現在のセットされた位置から、媒体搬送路Rt1上における用紙幅検出センサ25の位置、すなわち、用紙幅検出位置までの用紙Pの搬送量であるフィード量を算出する。
【0065】
続いて、給紙処理部Pr3は、各用紙斜行検出センサ23のセンサ出力をチェックし、センサ出力が閾値より大きく、用紙Pを検出している用紙斜行検出センサ23のうちの、最左端の用紙斜行検出センサ23の位置、及び最右端の用紙斜行検出センサ23の位置を算出する。このように、用紙Pを検出している用紙斜行検出センサ23のうちの、最左端の用紙斜行検出センサ23の位置及び最右端の用紙斜行検出センサ23の位置を算出することによって、主走査方向における用紙Pの位置をほぼ特定することができる。
【0066】
次に、給紙処理部Pr3は、用紙Pの用紙幅検出位置までの給紙を開始し、用紙Pの用紙幅検出位置までの給紙を終了すると、印字ヘッド12を最左端の用紙斜行検出センサ23の次の用紙斜行検出センサ23(最左端の用紙斜行検出センサ23より一つ左の用紙斜行検出センサ23)の位置まで移動させ、用紙幅検出センサ25のセンサ出力に基づいて、用紙Pの左端部及び右端部の判定を開始する。
【0067】
なお、用紙幅検出センサ25は反射型の光学センサであるので、用紙幅検出センサ25の検出回路は、プラテン13上に用紙Pがなく、反射率が低い場合、発光部によって発生させられ、プラテン13で反射された光を受光部が受光したときのセンサ出力が小さく、プラテン13上に用紙Pがあり、反射率が高い場合、発光部によって発生させられ、プラテン13で反射された光を受光部が受光したときのセンサ出力が大きくなるように形成される。したがって、印字ヘッド12を最左端の用紙斜行検出センサ23の次の用紙斜行検出センサ23の位置から右方に移動させたときの用紙幅検出センサ25のセンサ出力が、小から大に変化したときに用紙Pの左端部を判定することができ、大から小に変化したときに用紙Pの右端部を判定することができる。
【0068】
このようにして、用紙Pの左端部及び右端部の判定が行われ、用紙Pの左端部及び右端部の判定が終了すると、給紙処理部Pr3は、用紙Pの左端部の位置及び右端部の位置に基づいて用紙幅を算出する。
【0069】
続いて、給紙処理部Pr3は、用紙Pの左端部の位置及び右端部の位置に基づいて、用紙Pの主走査方向における印字ヘッド12による印字の開始位置及び終了位置を算出するとともに、用紙Pの中央位置を算出し、印字ヘッド12を用紙Pの中央位置へ移動させる。
【0070】
そして、給紙処理部Pr3は、媒体搬送路Rt1上における用紙幅検出位置から、印字ヘッド12によって用紙Pに対して印字を実行する位置、すなわち、印字実行位置までのフィード量を算出し、用紙Pの印字実行位置までの給紙を開始する。なお、印字実行位置は、用紙Pの搬送方向における用紙幅検出位置より上流側であっても、下流側であってもよい。
【0071】
用紙Pの印字実行位置までの給紙が終了すると、給紙処理部Pr3は、給紙処理を終了する。
【0072】
次に、
図7及び8のフローチャートについて説明する。
ステップS21 用紙有無判断処理部Pr2は用紙有無判断処理を行う。
ステップS22 用紙有無判断処理部Pr2はプリンタ10に用紙Pがセットされたかどうかを判断する。プリンタ10に用紙Pがセットされた場合はステップS23に進む。
ステップS23 給紙処理部Pr3は用紙幅検出位置までの用紙Pのフィード量を算出する。
ステップS24 給紙処理部Pr3は最左端の用紙斜行検出センサ23の位置を算出する。
ステップS25 給紙処理部Pr3は最右端の用紙斜行検出センサ23の位置を算出する。
ステップS26 給紙処理部Pr3は用紙幅検出位置までの給紙を開始する。
ステップS27 給紙処理部Pr3は用紙幅検出位置までの給紙が終了したかどうかを判断する。用紙幅検出位置までの給紙が終了した場合はステップS28に進む。
ステップS28 給紙処理部Pr3は印字ヘッド12を最左端の用紙斜行検出センサ23の次の用紙斜行検出センサ23の位置まで移動させる。
ステップS29 給紙処理部Pr3は用紙Pの左端部及び右端部の判定を開始する。
ステップS30 給紙処理部Pr3は用紙Pの左端部及び右端部の判定が終了するのを待機する。
ステップS31 給紙処理部Pr3は印字の開始位置及び終了位置を算出する。
ステップS32 給紙処理部Pr3は用紙Pの中央位置を算出する。
ステップS33 給紙処理部Pr3は印字ヘッド12を用紙Pの中央位置へ移動させる。
ステップS34 給紙処理部Pr3は印字実行位置までのフィード量を算出する。
ステップS35 給紙処理部Pr3は印字実行位置までの給紙を開始する。
ステップS36 給紙処理部Pr3は印字実行位置までの給紙が終了するのを待機する。
【0073】
次に、用紙有無判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0074】
図9は本発明の第1の実施の形態における用紙有無判断処理のサブルーチンを示す第1の図、
図10は本発明の第1の実施の形態における用紙有無判断処理のサブルーチンを示す第2の図である。
【0075】
まず、用紙有無判断処理部Pr2は、前回、単票の用紙Pがプリンタ10にセットされたときに読み込んだすべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力VをRAM32に記録する。また、用紙有無判断処理部Pr2は、現時点におけるすべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力VをRAM32に記録する。
【0076】
そして、用紙有無判断処理部Pr2は、現時点におけるすべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力VをRAM32から読み出すとともに、現在、プリンタ10に薄紙モードが設定されているかどうかを判断し、薄紙モードが設定されている場合、すべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと薄紙用のスライスレベルth1とを比較し、薄紙モードが設定されていない場合、すべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと通常用のスライスレベルth2とを比較し、センサ出力が薄紙用のスライスレベルth1及び通常用のスライスレベルth2より大きい用紙セット検出センサ21、すなわち、媒体有り(以下、「用紙有り」という。)を検出した用紙セット検出センサ21が存在するかどうかを判断し、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在しない場合、プリンタ10に用紙Pがセットされなかった旨を操作者に通知する。
【0077】
一方、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在する場合、プリンタ10に用紙Pがセットされていて用紙有りが検出されたのか、又は用紙セット検出センサ21に紙片、紙粉、埃等の付着物が付着してセンサ出力が大きくなり、用紙有りが検出されたのかを判断するために、用紙有無判断処理部Pr2は、すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出したかどうかを判断する。
【0078】
すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した場合、印字モードの設定によって用紙有りが検出された可能性があるので、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと、発光部21eの発光出力が大きくされたときのスライスレベルとを比較することによって、プリンタ10に用紙Pがセットされたかどうかを判断する。そのために、用紙有無判断処理部Pr2は、印字モードの設定の状況を確認し、現在設定されている印字モードに比べて、用紙Pの厚さが大きい印字モード、本実施の形態においては、発光部21eの発光出力が一段階上の印字モードを設定し、発光出力が一段階上の印字モードで用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出するかどうかを判断し、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が変化したかどうかを判断する。
【0079】
すなわち、用紙有無判断処理部Pr2は、現在、薄紙モードが設定されているかどうかを判断し、薄紙モードが設定されている場合、通常モードを設定し、すべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと通常用のスライスレベルth2とを比較し、薄紙モードが設定されていない場合、厚紙モードを設定し、すべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと厚紙用のスライスレベルth3とを比較し、媒体無し(以下、「用紙無し」という。)を検出した用紙セット検出センサ21が存在するかどうかを判断する。
【0080】
用紙無しを検出した用紙セット検出センサ21が存在しない場合、用紙有無判断処理部Pr2は、プリンタ10に用紙がセットされなかったと判断し、プリンタ10に用紙がセットされなかった旨を操作者に通知する。
【0081】
また、用紙無しを検出した用紙セット検出センサ21が存在する場合、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が変化したので、薄紙モード又は通常モードで、紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着したことにより、すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した可能性がある。
【0082】
そこで、用紙有無判断処理部Pr2は、スライスレベルの設定を要求し、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと比較するためのスライスレベルを、発光出力が一段階上の印字モードのスライスレベルに変更する。
【0083】
そして、一般に、用紙Pの両端で紙片、紙粉、埃等の付着物が発生し、用紙セット検出センサ21に付着しやすいことから、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙Pの搬送によって紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着しやすい領域を予測し、予測した領域の近傍にある用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した場合に、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着したことによる影響を受けていると判断して、用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象から外す。
【0084】
そのために、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙Pの左端部及び右端部の判定履歴、並びに用紙セット検出センサ21の検出結果を確認し、用紙Pの左端部及び右端部の位置と、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21の位置とが近いかどうかによって、紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着したことによる用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響があるかどうかを判断する。
【0085】
用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響がある場合、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21以外の用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とし、用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響がない場合、用紙無しを検出したすべての用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とし、用紙有無判断処理の対象とした用紙セット検出センサ21における前回のセンサ出力VをRAM32から読み出し、前回のセンサ出力Vと今回のセンサ出力Vとの変化を確認し、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が、用紙無しから用紙有りになったかどうかを判断する。
【0086】
そして、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が用紙無しから用紙有りになった場合、プリンタ10に用紙Pがセットされたと判断し、プリンタ10に用紙Pがセットされた旨を操作者に通知し、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が用紙無しから用紙有りにならなかった場合、プリンタ10に用紙Pがセットされなかったと判断し、プリンタ10に用紙Pがセットされなかった旨を操作者に通知する。
【0087】
また、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在する場合において、すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出してはおらず、特定の用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した場合は、すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した場合と同様に、用紙セット検出センサ21に紙片、紙粉、埃等の付着物が付着して、特定の用紙セット検出センサ21において用紙有りが検出された可能性がある。
【0088】
そこで、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙Pの左端部及び右端部の判定履歴、並びに用紙セット検出センサ21の検出結果を確認し、用紙Pの左端部及び右端部の位置と、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21の位置とが近いかどうかによって、紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着したことによる用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響があるかどうかを判断する。
【0089】
用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響がある場合、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21以外の用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とし、用紙セット検出センサ21のセンサ出力への影響がない場合、用紙無しを検出したすべての用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とし、用紙有無判断処理の対象とした用紙セット検出センサ21における前回のセンサ出力VをRAM32から読み出し、前回のセンサ出力Vと今回のセンサ出力Vとの変化を確認し、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が、用紙無しから用紙有りになったかどうかを判断する。
【0090】
そして、用紙有無判断処理部Pr2は、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が用紙無しから用紙有りになった場合、プリンタ10に用紙Pがセットされたと判断し、プリンタ10に用紙Pがセットされた旨を操作者に通知し、用紙セット検出センサ21による用紙Pの検出結果が用紙無しから用紙有りにならなかった場合、プリンタ10に用紙Pがセットされなかったと判断し、プリンタ10に用紙Pがセットされなかった旨を操作者に通知する。
【0091】
次に、
図9及び10のフローチャートについて説明する。
ステップS21−1 用紙有無判断処理部Pr2は前回読み込んだすべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力VをRAM32に記録する。
ステップS21−2 用紙有無判断処理部Pr2は現時点におけるすべての用紙セット検出センサ21のセンサ出力VをRAM32に記録する。
ステップS21−3 用紙有無判断処理部Pr2は薄紙モードが設定されているかどうかを判断する。薄紙モードが設定されている場合はステップS21−4に、薄紙モードが設定されていない場合はステップS21−5に進む。
ステップS21−4 用紙有無判断処理部Pr2はセンサ出力Vと薄紙用のスライスレベルth1とを比較する。
ステップS21−5 用紙有無判断処理部Pr2はセンサ出力Vと通常用のスライスレベルth2とを比較する。
ステップS21−6 用紙有無判断処理部Pr2は用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在するかどうかを判断する。用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在する場合はステップS21−7に、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21が存在しない場合はステップS21−20に進む。
ステップS21−7 用紙有無判断処理部Pr2はすべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出したかどうかを判断する。すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出した場合はステップS21−8に、すべての用紙セット検出センサ21が用紙有りを検出しなかった場合はステップS21−13に進む。
ステップS21−8 用紙有無判断処理部Pr2は薄紙モードが設定されているかどうかを判断する。薄紙モードが設定されている場合はステップS21−9に、薄紙モードが設定されていない場合はステップS21−10に進む。
ステップS21−9 用紙有無判断処理部Pr2はセンサ出力Vと通常用のスライスレベルth2とを比較する。
ステップS21−10 用紙有無判断処理部Pr2はセンサ出力Vと厚紙用のスライスレベルth3とを比較する。
ステップS21−11 用紙有無判断処理部Pr2は用紙無しを検出した用紙セット検出センサ21が存在するかどうかを判断する。用紙無しを検出した用紙セット検出センサ21が存在する場合はステップS21−12に、用紙無しを検出した用紙セット検出センサ21が存在しない場合はステップS21−20に進む。
ステップS21−12 用紙有無判断処理部Pr2はスライスレベルの設定を要求する。
ステップS21−13 用紙有無判断処理部Pr2は用紙Pの左端部及び右端部の判定履歴、並びに用紙セット検出センサ21の検出結果を確認する。
ステップS21−14 用紙有無判断処理部Pr2はセンサ出力への影響があるかどうかを判断する。センサ出力への影響がある場合はステップS21−15に、センサ出力への影響がない場合はステップS21−19に進む。
ステップS21−15 用紙有無判断処理部Pr2は用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21以外の用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とする。
ステップS21−16 用紙有無判断処理部Pr2は前回のセンサ出力Vと今回のセンサ出力Vとの変化を確認する。
ステップS21−17 用紙有無判断処理部Pr2は検出結果が用紙無しから用紙有りになったかどうかを判断する。検出結果が用紙無しから用紙有りになった場合はステップS21−18に、検出結果が用紙無しから用紙有りにならなかった場合はステップS21−20に進む。
ステップS21−18 用紙有無判断処理部Pr2はプリンタ10に用紙Pがセットされた旨を通知し、リターンする。
ステップS21−19 用紙有無判断処理部Pr2は用紙無しを検出したすべての用紙セット検出センサ21の検出結果を用紙有無判断処理の対象とする。
ステップS21−20 用紙有無判断処理部Pr2はプリンタ10に用紙Pがセットされなかった旨を通知し、リターンする。
【0092】
ところで、前記用紙有無判断処理部Pr2による用紙有無判断処理においては、紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着して、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vがスライスレベルより大きくなると、発光部21rの発光出力が一段階上の印字モードが設定されるようになっているが、用紙セット検出センサ21の使用状況によって、紙片、紙粉、埃等の付着物の付着に関係なく、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vがスライスレベルより大きくなることがある。
【0093】
そこで、本実施の形態においては、印字が終了し、用紙Pが印字部から排出されたときに、排紙処理部Pr5によって薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3が設定されるようになっている。
【0094】
次に、排紙処理部Pr5の動作について説明する。
【0095】
図11は本発明の第1の実施の形態における排紙処理部の動作を示すフローチャートである。
【0096】
まず、排紙処理部Pr5は、例えば、印字が終了したときのように、用紙Pが印字部に給紙されたかどうかを判断し、用紙Pが印字部に給紙された場合、用紙Pを排出するための搬送量である最大のフィード量を算出する。
【0097】
続いて、排紙処理部Pr5は、スペースモータMsを駆動して、印字ヘッド12を用紙Pの中央位置に移動させ、フィードモータMfを駆動して排紙を開始する。
【0098】
そして、排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vを読み込み、用紙セット検出センサ21によって用紙無しが検出されたかどうかを判断し、用紙無しが検出されると、排紙を終了する。
【0099】
次に、排紙処理部Pr5は、前記用紙有無判断処理部Pr2による用紙有無判断処理において用紙セット検出センサ21によって発生させられたセンサ出力Vに応じて薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3の設定を変更する。そのために、排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力が小さくなったかどうかを、前記用紙有無判断処理において、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと比較するためのスライスレベルが、発光出力が一段階上の印字モードのスライスレベルに変更されたかどうかによって判断する。
【0100】
用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが大きくなり、用紙有無判断処理において、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと比較するためのスライスレベルが発光出力が一段階上の印字モードのスライスレベルに変更された場合、排紙処理部Pr5は、ROM33のスライスレベル記録エリアを更新し、薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3の設定を変更する。
【0101】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 排紙処理部Pr5は用紙Pが印字部に給紙されたかどうかを判断する。用紙Pが印字部に給紙された場合はステップS42に進み、用紙Pが印字部に給紙されなかった場合は処理を終了する。
ステップS42 排紙処理部Pr5は用紙Pを排出するための最大のフィード量を算出する。
ステップS43 排紙処理部Pr5は印字ヘッド12を用紙Pの中央位置に移動させる。
ステップS44 排紙処理部Pr5は排紙を開始する。
ステップS45 排紙処理部Pr5は用紙無しが検出されたかどうかを判断する。用紙無しが検出された場合はステップS46に進む。
ステップS46 排紙処理部Pr5はセンサ出力Vが小さくなったかどうかを判断する。センサ出力Vが小さくなった場合はステップS47に進み、センサ出力Vが小さくならなかった場合は処理を終了する。
ステップS47 排紙処理部Pr5は薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3の設定を変更する。
【0102】
このように、本実施の形態においては、用紙セット検出センサ21によって用紙有りが検出された場合に、用紙有無判断処理部Pr2が、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと、発光部21eの発光出力が大きくされたときのスライスレベルとを比較することによって、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を判断するので、用紙セット検出センサ21に紙片、紙粉、埃等の付着物が付着していても、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を誤って判断することがない。
【0103】
また、給紙処理部Pr3によって給紙処理が行われているときに、用紙Pの左端部及び右端部が判定され、用紙Pの左端部及び右端部の判定履歴、及び用紙セット検出センサ21による用紙Pの有無の検出結果が確認され、紙片、紙粉、埃等の付着物が用紙セット検出センサ21に付着したことによる用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vへの影響がある場合に、用紙有りを検出した用紙セット検出センサ21以外の用紙セット検出センサ21の検出結果が用紙有無判断処理の対象にされるので、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を誤って判断することがない。
【0104】
そして、用紙Pがプリンタ10外に排紙されたときに、用紙有無判断処理において用紙セット検出センサ21によって発生させられたセンサ出力Vに応じて薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3の設定が変更されるので、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vに最も適した薄紙用のスライスレベルth1、通常用のスライスレベルth2及び厚紙用のスライスレベルth3を設定することができ、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を誤って判断することがない。
【0105】
ところで、用紙Pが印字部に給紙されてから、印字部において印字が行われ、用紙Pが印字部からプリンタ10外に排紙されるまでの用紙Pの搬送、印字等によって、プリンタ10における用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等に紙片、紙粉、埃等が落下して付着物として付着すると、次の用紙Pに対する給紙処理及び用紙幅算出処理等を正常に行うことができなくなってしまう。
【0106】
次に、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等に付着した紙片、紙粉、埃等の付着物を除去することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0107】
図12は本発明の第2の実施の形態における排紙処理部の動作を示す第1のフローチャート、
図13は本発明の第2の実施の形態における排紙処理部の動作を示す第2のフローチャート、
図14は本発明の第2の実施の形態における排紙処理部の動作を説明するための第1の図、
図15は本発明の第2の実施の形態における排紙処理部の動作を説明するための第2の図である。
【0108】
まず、排紙処理部Pr5は、例えば、印字が終了したときのように、媒体としての用紙Pが印字部に給紙されたかどうかを判断し、用紙Pが印字部に給紙された場合、用紙Pを排出するための搬送量である最大のフィード量を算出する。
【0109】
続いて、排紙処理部Pr5は、第1の駆動部としてのスペースモータMsを駆動して、印字ヘッド12を用紙Pの中央位置に移動させる。
【0110】
次に、排紙処理部Pr5は、用紙Pが給紙される前に、第1の媒体検出部としての用紙セット検出センサ21、及び第2の媒体検出部としての用紙斜行検出センサ23のうちの少なくとも一方によって用紙有りが検出されたかどうかを判断する。
【0111】
用紙有りが検出された場合、排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等に紙片、紙粉、埃等の付着物が付着していると判断し、第2の駆動部としてのフィードモータMfを駆動して排紙を開始し、用紙Pの端部、本実施の形態においては、後端Pbを利用して、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等に付着した紙片、紙粉、埃等の付着物を除去する。
【0112】
そのために、排紙処理部Pr5は、用紙Pを前方及び後方に移動させることによって、複数回にわたりフィード動作を行う。すなわち、排紙処理部Pr5は、フィードモータMfを正方向に駆動し、印字部に給紙された用紙Pを、フォワードフィードして搬送方向における下流側に向けて搬送し、用紙Pの後端Pbを、用紙斜行検出センサ23が配設された位置より距離L1だけ下流側に置き、続いて、フィードモータMfを逆方向に駆動し、用紙Pをリバースフィードして搬送方向における上流側に向けて搬送し、用紙Pの後端Pbを、用紙セット検出センサ21が配設された位置より距離L2だけ上流側に置き、さらに、フィードモータMfを正方向に駆動し、用紙Pをフォワードフィードして搬送方向における下流側に向けて搬送し、用紙Pの後端Pbを、用紙斜行検出センサ23が配設された位置より距離L1だけ下流側に置く。
【0113】
続いて、排紙処理部Pr5は、紙片、紙粉、埃等の付着物を除去することができたかどうかを、用紙セット検出センサ21及び用紙斜行検出センサ23によって用紙有りが検出されたかどうかにより判断する。
【0114】
排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21及び用紙斜行検出センサ23によって用紙有りが検出されず、紙片、紙粉、埃等の付着物を除去することができた場合、排紙を開始し、用紙セット検出センサ21及び用紙斜行検出センサ23のうちの少なくとも一方によって用紙有りが検出され、紙片、紙粉、埃等の付着物を除去することができなかった場合、プリンタ10のLEDランプ、LCD等の表示部にメッセージを表示することによって、操作者に、用紙Pを搬送する上で不具合がある旨を通知し、プリンタ10内部を確認し、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等を清掃し、紙片、紙粉、埃等の付着物を除去するように促す。
【0115】
排紙が開始されると、排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21の状態を監視し、用紙セット検出センサ21によって用紙無しが検出されると、排紙を終了する。
【0116】
次に、排紙処理部Pr5は、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが小さくなったかどうかを、媒体有無判断処理部としての用紙有無判断処理部Pr2による用紙有無判断処理において、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと比較するためのスライスレベルが、発光出力が一段階上の印字モードのスライスレベルに変更されたかどうかによって判断する。
【0117】
用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vが大きくなり、用紙有無判断処理において、用紙セット検出センサ21のセンサ出力Vと比較するためのスライスレベルが、発光出力が一段階上の印字モードのスライスレベルに変更された場合、ROM33のスライスレベル記録エリアを更新し、変更されたスライスレベルを設定する。
【0118】
次に、
図12及び13のフローチャートについて説明する。
ステップS51 排紙処理部Pr5は用紙Pが印字部に給紙されたかどうかを判断する。用紙Pが印字部に給紙された場合はステップS52に進み、用紙Pが印字部に給紙されなかった場合は処理を終了する。
ステップS52 排紙処理部Pr5は用紙Pを排出するための最大のフィード量を算出する。
ステップS53 排紙処理部Pr5は印字ヘッド12を用紙Pの中央位置に移動させる。
ステップS54 排紙処理部Pr5は用紙有りが検出されたかどうかを判断する。用紙有りが検出された場合はステップS55に、用紙有りが検出されなかった場合はステップS60に進む。
ステップS55 排紙処理部Pr5は用紙Pをフォワードフィードする。
ステップS56 排紙処理部Pr5は用紙Pをリバースフィードする。
ステップS57 排紙処理部Pr5は用紙Pをフォワードフィードする。
ステップS58 排紙処理部Pr5は用紙有りが検出されたかどうかを判断する。用紙有りが検出された場合はステップS59に、用紙有りが検出されなかった場合はステップS60に進む。
ステップS59 排紙処理部Pr5は操作者に用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等を清掃し、紙片、紙粉、埃を除去するように促す。
ステップS60 排紙処理部Pr5は排紙を開始する。
ステップS61 排紙処理部Pr5は用紙無しが検出されるのを待機する。
ステップS62 排紙処理部Pr5は排紙を終了する。
ステップS63 排紙処理部Pr5はセンサ出力Vが小さくなったかどうかを判断する。センサ出力が小さくなった場合はステップS64に進み、センサ出力が小さくならなかった場合は処理を終了する。
ステップS64 排紙処理部Pr5はスライスレベルを設定し、処理を終了する。
【0119】
このように、本実施の形態においては、用紙Pが給紙される前に、用紙セット検出センサ21及び用紙斜行検出センサ23のうちの少なくとも一方によって用紙有りが検出されたかどうかが判断され、用紙有りが検出された場合、用紙Pが前方及び後方に移動させられるので、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等に付着している紙片、紙粉、埃等の付着物を除去することができる。したがって、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を誤って判断することがない。
【0120】
また、用紙Pを前方及び後方に移動させても、紙粉、埃等の付着物を除去することができなかった場合、操作者に、用紙Pを搬送する上で不具合がある旨が通知され、プリンタ10内部を確認し、用紙セット検出センサ21上、用紙斜行検出センサ23上、用紙幅を検出するライン上、印字領域等を清掃することが促されるので、プリンタ10にセットされた用紙Pの有無を誤って判断することがない。
【0121】
前記各実施の形態においては、ドットインパクト式のプリンタについて説明しているが、本発明を、インクジェットプリンタ等の他のプリンタに適用することができるだけでなく、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0122】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。