特許第6833433号(P6833433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833433
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】ブリーザプラグ
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/027 20120101AFI20210215BHJP
【FI】
   F16H57/027
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-194173(P2016-194173)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-54089(P2018-54089A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 広樹
(72)【発明者】
【氏名】石丸 昭博
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−170647(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/103662(WO,A1)
【文献】 特許第5747814(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるケースに取り付けられ、前記ケースの内外で気体の流通を可能にするブリーザプラグであって、
前記ケースに対して上側に延びる管状をなしており、上下方向の中間部から外周に張り出すフランジ部を有するプラグ本体と、
前記プラグ本体の上端部に冠着され、前記プラグ本体の上面に上側から対向する上蓋部および前記上蓋部から延出して前記プラグ本体の外周を取り囲む側壁部を有するブリーザキャップとを含み、
前記側壁部は、前記フランジ部に対して上側から間隔を空けて対向し、前記フランジ部と前記側壁部との間には、隙間が設けられており、
前記フランジ部の上面は、外周に近づくほど下側に位置するように傾斜または湾曲した形状に形成され、
前記ブリーザキャップには、外力を前記ブリーザキャップを揺動させる力に変換する変換部が形成され
前記変換部は、前記上蓋部の下面の中心部に、当該下面から突出して設けられ、下端に近づくほど前記上蓋部の下面と平行な平面で切断したときの断面が小さくなる形状に形成され、前記プラグ本体の上面の開口の周縁に当接し、その一部が前記開口内に位置する、ブリーザプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッションなどを収容するケースの内外で気体の流通を可能にするブリーザプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両では、駆動源からの動力がトランスミッション(変速機)に入力され、トランスミッションで変速された動力がデファレンシャルギヤ(差動装置)などを介して駆動輪に伝達される。
【0003】
トランスミッションなどを収容するユニットケース内には、各部の作動または潤滑に使用されるオイル(フルード)が封入されている。車両の走行状態などにより、ユニットケース内のオイルの温度が変化し、そのオイルの温度変化に伴って、ユニットケース内の圧が変化する。そのため、ユニットケースの上部には、ユニットケースの内外に差圧が生じたときにその内外での呼吸を可能にするブリーザプラグが設けられている。
【0004】
図10は、従来のブリーザプラグ101の構成を示す断面図である。
【0005】
ブリーザプラグ101は、上下に延びるプラグ本体102と、プラグ本体102の上端部に冠着されるブリーザキャップ103とを備えている。
【0006】
プラグ本体102は、細長い略円筒状をなしている。プラグ本体102の内部空間は、ユニットケース内と連通している。プラグ本体102の上端部には、その外周面が拡径された拡径部104が形成されている。拡径部104の上面には、内周面と外周面とに跨がる複数の溝105が形成されている。プラグ本体102の上下方向の途中部には、全周にわたって径方向に張り出す円環板状のフランジ部106が形成されている。
【0007】
ブリーザキャップ103は、円筒状の円筒部107と円筒部107の一端側を閉塞する円板状の円板部108とを一体に有する有底円筒状をなし、プラグ本体102に上側から冠着されている。円板部108の下面が拡径部104の上面に接触することにより、ブリーザキャップ103は、プラグ本体102に安定した姿勢で支持される。また、円筒部107がプラグ本体102の拡径部104よりも大きな内径を有することにより、円筒部107の内周面は、プラグ本体102の外周面と間隔を開けて対向している。円筒部107の下端は、プラグ本体102のフランジ部106の上面に対して隙間を空けて対向している。
【0008】
かかる構成により、ブリーザプラグ101は、ユニットケースの内外に差圧が生じたときに、プラグ本体102の内部空間、溝105、プラグ本体102とブリーザキャップ103の円筒部107との間および円筒部107とプラグ本体102のフランジ部106との間を通して、ユニットケースの内外での空気の出入りを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5747814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、ブリーザプラグ101に降りかかった水などの液体がプラグ本体102のフランジ部106上に溜まり、その溜まった液体が界面張力によりフランジ部106とブリーザキャップ103の円筒部107の下端との間で膜を張ることがある。フランジ部106と円筒部107との間に液体の膜が張ると、フランジ部106と円筒部107との間の隙間が狭くなり、ユニットケース内の圧が低下(ユニットケース内に負圧が発生)したときに、その液体がユニットケース内に吸い込まれるおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、プラグ本体とブリーザキャップとの間に液体が溜まることを抑制できる、ブリーザプラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明に係るブリーザプラグは、車両に搭載されるケースに取り付けられ、ケースの内外で気体の流通を可能にするブリーザプラグであって、ケースに対して上側に延びる管状をなしており、上下方向の中間部から外周に張り出すフランジ部を有するプラグ本体と、プラグ本体の上端部に冠着され、プラグ本体の上面に上側から対向する上蓋部および上蓋部から延出してプラグ本体の外周を取り囲む側壁部を有するブリーザキャップとを含み、フランジ部と側壁部との間には、隙間が設けられ、ブリーザキャップには、外力をブリーザキャップを揺動させる力に変換する変換部が形成されている。 この構成によれば、ブリーザプラグは、ケースに対して上側に延びる管状をなすプラグ本体と、プラグ本体の上端部に冠着されるブリーザキャップとを含む。プラグ本体は、上下方向の中間部から外周に張り出すフランジ部を有している。ブリーザキャップは、プラグ本体の上面に上側から対向する上蓋部と、上蓋部から延出してプラグ本体の外周を取り囲む側壁部とを有している。プラグ本体のフランジ部とブリーザキャップの側壁部との間には、隙間が設けられている。
【0013】
ブリーザキャップには、外力をブリーザキャップを揺動させる力に変換する変換部が形成されている。これにより、ブリーザキャップが静止している状態で、たとえ水などの液体がプラグ本体のフランジ部上に溜まり、その溜まった液体が界面張力によりフランジ部とブリーザキャップの側壁部との間で膜を張っても、ブリーザキャップの変換部に外力が働いたときにブリーザキャップが揺動して、液体の膜が消滅し、膜を形成していた液体がフランジ部上から流下する。
【0014】
よって、プラグ本体とブリーザキャップとの間に液体が溜まることを抑制できる。その結果、ケース内に発生する負圧によりブリーザプラグからケース内に液体が吸い込まれることを抑制できる。
【0015】
また、フランジ部が設けられていることにより、ブリーザキャップ内への下側からの液体の進入を阻止することができる。
【0016】
フランジ部は、その上面に液体が溜まりにくい形状に形成されていることが好ましい。
【0017】
たとえば、フランジ部の上面が外周に近づくほど下側に位置するように傾斜または湾曲した形状に形成されることにより、フランジ部の上面に液体が溜まることを抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プラグ本体とブリーザキャップとの間に液体が溜まることを抑制でき、ユニットケース内に発生する負圧によりブリーザプラグからユニットケース内に液体が吸い込まれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るブリーザプラグが設けられたケースの断面図である。
図2】第1実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図3】第2実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図4】第3実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図5】第4実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図6】第5実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図7】第6実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図8】第7実施形態に係るブリーザプラグの断面図である。
図9】変形例について説明するためのブリーザプラグの断面図である。
図10】従来のブリーザプラグの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
<ブリーザプラグの使用例>
図1は、本発明の実施形態に係るブリーザプラグ1が設けられたケース2の断面図である。
【0022】
ブリーザプラグ1は、トランスミッションなどを収容するケース2の上部に、そのケース2の内外に差圧が生じたときにその内外での呼吸を可能にするために設けられる。
【0023】
具体的には、ケース2の内部には、トランスミッションなどの駆動伝達機構とともに、各部の作動または潤滑に使用されるオイル(フルード)が封入されている。ケース2が搭載された車両の走行状態などにより、ケース2内のオイルの温度が変化する。そのオイルの温度変化に伴って、ケース2内の圧が変化し、ケース2の内外に差圧が生じる。この差圧が生じたときにケース2の内外での呼吸を可能にするため、ケース2の上部には、ブリーザプラグ1が上下に延びるように設けられる。
【0024】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係るブリーザプラグ1の断面図である。
【0025】
ブリーザプラグ1は、プラグ本体11およびブリーザキャップ12を備えている。
【0026】
なお、以下の説明で使用する「上下」は、ブリーザプラグ1がケース2に取り付けられた状態で規定している。
【0027】
プラグ本体11は、樹脂による一体成形品であり、円形の直管状(円筒状)をなす管状部13と、管状部13の上端部に形成され、外周面が拡径された拡径部14と、管状部13の中心線方向の中間部分に形成され、管状部13から径方向に張り出すフランジ部15とを有している。
【0028】
管状部13の下端部は、たとえば、ブリーザホース3(図1参照)の一端部に挿入される。ブリーザホース3の他端部は、ケース2内に挿入されている。これにより、管状部13の内部空間16は、ブリーザホース3を介してケース2の内部空間と連通している。
【0029】
拡径部14の上面には、複数の溝17が形成されている。各溝17は、拡径部14の内周面と外周面とに跨がって径方向に延び、拡径部14の内周面および外周面で開放されている。
【0030】
フランジ部15は、管状部13の全周にわたって形成されている。フランジ部15の上面18は、外周に近づくほど下側に位置するように傾斜した傾斜面に形成されている。
【0031】
ブリーザキャップ12は、樹脂による一体成形品であり、プラグ本体11の上端部に冠着されている。ブリーザキャップ12は、プラグ本体11の拡径部14の上面に上側から対向する円板状の上蓋部21と、上蓋部21の周縁から下側に延出し、プラグ本体11の管状部13の上端部の外周を取り囲む円筒状の側壁部22と、側壁部22の内側で上蓋部21から下側に延出する円筒状の内壁部23とを有している。
【0032】
上蓋部21の下面の中心部には、球状に膨出する支持部24が形成されている。支持部24は、プラグ本体11の拡径部14の上面で開放される開口25の周縁に当接し、その一部が開口25内に位置している。
【0033】
側壁部22は、プラグ本体11のフランジ部15の周縁部に対して上側から間隔を開けて対向しており、側壁部22の下端とフランジ部15の上面18との間には、隙間26が設けられている。
【0034】
内壁部23は、プラグ本体11の拡径部14との間に間隔を開けて、拡径部14の外周を取り囲んでいる。内壁部23の下端部は、内周面が拡径部14の外径より小さくなるように縮径されている。プラグ本体11とブリーザキャップ12とが分離した状態から、内壁部23の下端部を拡径するよう弾性変形させて、内壁部23の内側に拡径部14が挿入される。
【0035】
かかる構成により、ブリーザキャップ12は、支持部24でプラグ本体11に支持されて、プラグ本体11に対して支持部24を支点に揺動可能に設けられている。そして、ブリーザプラグ1は、ケース2の内外に差圧が生じたときに、プラグ本体11(管状部13)の内部空間16、プラグ本体11(拡径部14)の溝17、プラグ本体11とブリーザキャップ12の内壁部23との間、プラグ本体11とブリーザキャップ12の側壁部22との間および側壁部22とプラグ本体11のフランジ部15との間を通して、ケース2の内外での空気の出入りを可能にする。
【0036】
<作用効果>
以上のように、ブリーザキャップ12に支持部24が形成され、ブリーザキャップ12がプラグ本体11に対して支持部24を支点に揺動可能に支持されている。そのため、ブリーザプラグ1に水などの液体が降りかかったり、ブリーザプラグ1に振動が伝わったりすることにより、ブリーザキャップ12に外力が働くと、ブリーザキャップ12が揺動する。すなわち、ブリーザキャップ12に外力が働いたときに、支持部24は、外力をブリーザキャップ12を揺動させる力に変換する変換部として機能する。
【0037】
これにより、ブリーザキャップ12が静止している状態で、たとえ水などの液体がプラグ本体11のフランジ部15上に溜まり、その溜まった液体が界面張力によりフランジ部15とブリーザキャップ12の側壁部22との間で膜を張っても、ブリーザキャップ12が揺動したときに、液体の膜が消滅し、膜を形成していた液体がフランジ部15上から流下する。
【0038】
よって、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。その結果、ケース2内に発生する負圧によりブリーザプラグ1からケース2内に液体が吸い込まれることを抑制できる。
【0039】
また、フランジ部15が設けられていることにより、ブリーザキャップ12内への下側から液体の進入を阻止することができる。
【0040】
フランジ部15の上面18は、外周に近づくほど下側に位置するように傾斜した傾斜面に形成されることにより、液体が溜まりにくい形状となっている。これにより、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを効果的に抑制できる。
【0041】
なお、フランジ部15の上面18は、外周に近づくほど下側に位置するように湾曲した湾曲面に形成されてもよい。この形状によっても、フランジ部15上に液体が溜まりにくくすることができ、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを効果的に抑制できる。
【0042】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態に係るブリーザプラグ1Aの断面図である。図3において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図3に示されるブリーザプラグ1Aの構成について、図2に示されるブリーザプラグ1との相違点のみを説明する。
【0043】
ブリーザプラグ1Aでは、ブリーザキャップ12の上蓋部21の上面31が球状に凹んでいる。
【0044】
これにより、上蓋部21の上面31に水などの液体が滴下してきたときに、その上面31が液体から受ける力でブリーザキャップ12が揺動しやすい。そのため、支持部24に加えて、上蓋部21の上面31が外力をブリーザキャップ12を揺動させる力に変換する変換部として機能する。よって、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることをより効果的に抑制できる。
【0045】
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態に係るブリーザプラグ1Bの断面図である。図4において、図3に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図4に示されるブリーザプラグ1Bの構成について、図3に示されるブリーザプラグ1Aとの相違点のみを説明する。
【0046】
ブリーザキャップ12の上蓋部21の上面31が球状に凹んだ構成が採用される場合、ブリーザプラグ1Bのように、図3に示される支持部24が省略されて、上蓋部21の下面がプラグ本体11の拡径部14の上面に当接していてもよい。
【0047】
上蓋部21の上面31が外力をブリーザキャップ12を揺動させる力に変換する変換部として機能するので、ブリーザプラグ1Bの構成によっても、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。
【0048】
<第4実施形態>
図5は、第4実施形態に係るブリーザプラグ1Cの断面図である。図5において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図5に示されるブリーザプラグ1Cの構成について、図2に示されるブリーザプラグ1との相違点のみを説明する。
【0049】
ブリーザプラグ1Cでは、支持部24が円錐状に形成されている。
【0050】
この構成によっても、ブリーザキャップ12がプラグ本体11に対して支持部24を支点に揺動可能に支持されるので、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。
【0051】
<第5実施形態>
図6は、第5実施形態に係るブリーザプラグ1Dの断面図である。図6において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図6に示されるブリーザプラグ1Dの構成について、図2に示されるブリーザプラグ1との相違点のみを説明する。
【0052】
ブリーザプラグ1Dでは、図2に示される支持部24が省略され、プラグ本体11の拡径部14の上面41が上側に膨出する球面に形成されて、上蓋部21の下面が拡径部14の上面41に当接している。
【0053】
この構成により、ブリーザキャップ12は、プラグ本体11に対して拡径部14の上面41との当接部分を支点として揺動可能に支持される。よって、ブリーザプラグ1Dの構成によっても、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。
【0054】
<第6実施形態>
図7は、第6実施形態に係るブリーザプラグ1Eの断面図である。図7において、図6に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図7に示されるブリーザプラグ1Eの構成について、図6に示されるブリーザプラグ1Dとの相違点のみを説明する。
【0055】
ブリーザプラグ1Eでは、プラグ本体11の拡径部14の上面41が円錐台状に形成されている。
【0056】
この構成によっても、ブリーザキャップ12は、プラグ本体11に対して拡径部14の上面41との当接部分を支点として揺動可能に支持される。よって、ブリーザプラグ1Dの構成によっても、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。
【0057】
<第7実施形態>
図8は、第7実施形態に係るブリーザプラグ1Fの断面図である。図8において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略し、図8に示されるブリーザプラグ1Fの構成について、図2に示されるブリーザプラグ1との相違点のみを説明する。
【0058】
ブリーザプラグ1Fでは、ブリーザキャップ12の側壁部22が下側ほど径方向の外側に広がっている。
【0059】
これにより、側壁部22に水などの液体が滴下してきたときに、その31の上面が液体から受ける力でブリーザキャップ12が揺動しやすい。そのため、支持部24に加えて、側壁部22が外力をブリーザキャップ12を揺動させる力に変換する変換部として機能する。よって、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることをより効果的に抑制できる。
【0060】
<変形例>
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0061】
たとえば、図9に示されるように、各実施形態の構成において、プラグ本体11のフランジ部15は、管状部13の全周から径方向に張り出す円環板状に形成されていてもよい。なお、図9には、図2に示されるブリーザプラグ1のフランジ部15を円環板状に変更した構成が示されている。
【0062】
また、各実施形態の構成において、フランジ部15は、管状部13の全周から外周に張り出し、外側ほど下側に位置するように傾斜した傘状に形成されてもよい。この形状によっても、フランジ部15上に液体が溜まりにくくすることができ、プラグ本体11とブリーザキャップ12との間に液体が溜まることを抑制できる。
【0063】
また、各実施形態や変形例の構成が適宜組み合わされてもよい。
【0064】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A〜1F:ブリーザプラグ
2:ケース
11:プラグ本体
12:ブリーザキャップ
15:フランジ部
21:上蓋部
22:側壁部
24:支持部(変換部)
26:隙間
31:上面(変換部)
41:上面(変換部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10