特許第6833468号(P6833468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6833468フレキシブル表示装置及びそれのハードコーティング高分子製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833468
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置及びそれのハードコーティング高分子製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20210215BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20210215BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210215BHJP
   C08G 59/32 20060101ALI20210215BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20210215BHJP
   C08G 77/08 20060101ALN20210215BHJP
【FI】
   G09F9/00 302
   C09D183/04
   G09F9/30 308Z
   C08G59/32
   C09D7/40
   !C08G77/08
【請求項の数】20
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-223419(P2016-223419)
(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公開番号】特開2017-146585(P2017-146585A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0017355
(32)【優先日】2016年2月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 映相
(72)【発明者】
【氏名】奇 仁敍
(72)【発明者】
【氏名】任 志▲ヒョク▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 哲豪
【審査官】 川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0024348(US,A1)
【文献】 特開2009−221386(JP,A)
【文献】 特開2001−343519(JP,A)
【文献】 特開2015−112599(JP,A)
【文献】 特開2010−254950(JP,A)
【文献】 特開平06−228271(JP,A)
【文献】 特開2012−123391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G59/00−59/72
77/00−77/62
C09D1/00−10/00
101/00−201/10
G09F9/00−9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を生成するフレキシブル表示パネルと、
前記フレキシブル表示パネル上に配置されたウインドー部材と、を含み、
前記ウインドー部材は、
ベース部材と、
前記ベース部材上に配置されたハードコーティング層と、を含み、
前記ハードコーティング層は、光開始剤及び下の化学式(1)で示される高分子を含むフレキシブル表示装置。
【化1】
前記化学式(1)において、前記Xは、下の化学式(2)で示され、
【化2】
前記化学式(2)において、前記nは、8〜150であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは、光開始反応基であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、
前記化学式(1)においてYは、下の化学式(3)で示され、
【化3】
前記化学式(3)において、前記mは、8〜150であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは、光開始反応基であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、
前記化学式(1)において、Zは、下の化学式(4)で示され、
【化4】
前記化学式(4)において、前記hは、2〜20である。
【請求項2】
前記複数個のRのうち少なくとも1つ又は前記複数個のRのうち少なくとも1つは、
エポキシ基若しくはアルケニル基を含む置換基で置換されたエーテル基、
エポキシ基若しくはアルケニル基を含む置換基で置換された炭素数1以上20以下のアルキル基、又は
置換若しくは非置換の炭素数1以上20以下のアルケニル基である請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記R及び前記Rの各々は、下の化学式(5)または化学式(6)のうちいずれか1つで示される請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【化5】
【化6】
前記化学式(6)において、前記kは、1〜10である。
【請求項4】
前記ハードコーティング層は、シリコンナノ粒子をさらに含む請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記ハードコーティング層は、ビスフェノール−A−エポキシ−シリコンブロック共重合体(bisphenol−A−epoxy−silicone block copolymer)をさらに含む請求項4に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記光開始剤は、互に異なる波長の光によって開始される第1光開始剤及び第2光開始剤を含む請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
ハードコーティングオリゴマーを合成する段階と、
クロスリンキングオリゴマーを合成する段階と、
光開始剤を利用して前記ハードコーティングオリゴマーと前記クロスリンキングオリゴマーを光反応させてハードコーティング高分子を合成する段階と、を含み、
前記ハードコーティングオリゴマーの各々は、下の化学式(2)で示され、前記クロスリンキングオリゴマーの各々は、下の化学式(4)で示されるハードコーティング高分子製造方法。
【化7】
前記化学式(2)において、前記nは、8〜150であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは、光開始反応基であり、前記Rは、ヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、
【化8】
前記化学式(4)において、前記hは、2〜20である。
【請求項8】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階で、前記ハードコーティングオリゴマーは、ハードコーティングモノマーを触媒反応させて合成され、
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階で、前記クロスリンキングオリゴマーは、クロスリンキングモノマーを触媒反応させて合成される請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項9】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階と前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は、同一の触媒を利用することを特徴とする請求項8に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項10】
前記触媒は、Ba(OH)・HOを含むことを特徴とする請求項9に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項11】
前記光開始剤は、互に異なる波長の光によって開始される第1光開始剤及び第2光開始剤を含み、
前記ハードコーティング高分子を合成する段階は、前記第1光開始剤を活性化させる第1の光を照射する段階及び前記第2光開始剤を活性化させる第2の光を照射する段階を含む請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項12】
前記ハードコーティング高分子100wt%に対して
前記ハードコーティングオリゴマーは、70wt%〜90wt%、
前記クロスリンキングオリゴマーは、10wt%〜20wt%、
前記光開始剤は、1wt%〜4wt%用いられる請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項13】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は、
ハードコーティングモノマー及び溶媒を含むハードコーティング溶液を準備する段階と、
前記ハードコーティングオリゴマーが合成されるように前記ハードコーティング溶液に触媒を供する段階と、を含む請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項14】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は、
前記ハードコーティングオリゴマーが合成された前記ハードコーティング溶液にクロスリンキングモノマーを供する段階を含む請求項13に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項15】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は、
クロスリンキングモノマー及び溶媒を含むクロスリンキング溶液を準備する段階と、
前記クロスリンキングオリゴマーが合成されるように前記クロスリンキング溶液に触媒を供する段階と、を含む請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項16】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は、
前記クロスリンキングオリゴマーが合成された前記クロスリンキング溶液にハードコーティングモノマーを供する段階を含む請求項15に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項17】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は、
ハードコーティングモノマー及び第1溶媒を含むハードコーティング溶液を準備する段階と、
前記ハードコーティングオリゴマーが合成されるように前記ハードコーティング溶液に第1触媒を供する段階と、を含む請求項7に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項18】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は、
クロスリンキングモノマー及び第2溶媒を含むクロスリンキング溶液を準備する段階と、
前記クロスリンキングオリゴマーが合成されるように前記クロスリンキング溶液に第2触媒を供する段階と、を含む請求項17に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項19】
前記第1溶媒と前記第2溶媒の各々は、ケトン系溶媒又はエーテル系溶媒を含む請求項18に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【請求項20】
前記第1触媒と前記第2触媒とは同一の触媒であることを特徴とする請求項19に記載のハードコーティング高分子製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフレキシブル表示装置に関し、さらに詳細にはハードコーティング層を含むフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、デジタルカメラ、ノートブック型コンピューターコンピュータ、ナビゲーション、及びスマートテレビジョン等のような電子装置が開発されている。このような電子装置は、情報を提供するために表示装置を具備する。
【0003】
電子装置が多様な形態に変化されることによって、表示装置の形態もそれに対応するように変化されている。既存の電子装置は、平板型表示装置を具備していた。最近開発される電子装置は、曲面型、ベンディング型、ローリング型のようなフレキシブル型の表示装置を要求する。
【0004】
その他に需要者は、スリム化された電子装置を要求する。これを具現するために多様な機能性部材が表示装置に一体化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,069,521号明細書
【特許文献2】米国特許第8,929,085号明細書
【特許文献3】韓国特許第10−1600390号公報
【特許文献4】韓国公開特許第10−2015−0029560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、硬度が向上しており、フレキシィビリティー(柔軟性)が確保されたフレキシブル表示装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、硬度が向上しており、フレキシィビリティーが確保されたハードコーティング高分子を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による表示装置は、映像を生成するフレキシブル表示パネル及び前記フレキシブル表示パネル上に配置されたウインドー部材を含む。前記ウインドー部材は、ベース部材及び前記ベース部材上に配置されたハードコーティング層を含む。前記ハードコーティング層は、光開始剤及び下の化学式(1)で示される高分子を含むことができる。
【化1】
【0008】
前記化学式(1)において、Xは、下の化学式(2)で示されることができる。
【化2】
【0009】
前記化学式(2)において、前記nは8〜150であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは光開始反応基であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つである。
【0010】
前記化学式(1)において、Yは、下の化学式(3)で示されることができる。
【化3】
【0011】
前記化学式(3)において、前記mは8〜150であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは光開始反応基であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基および光開始反応基から選択される1つである。
【0012】
前記化学式(1)において、Zは、下の化学式(4)で示されることができる。
【化4】
【0013】
前記化学式(4)において、前記hは、2〜20である。
【0014】
前記複数個のRのうち少なくとも1つ又は前記複数個のRのうち少なくとも1つは、エポキシ基若しくはアルケニル基を含む置換基で置換されたエーテル基、エポキシ基若しくはアルケニル基を含む置換基で置換された炭素数1以上20以下のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数1以上20以下のアルケニル基であってもよい。
【0015】
前記R及び前記Rの各々は、下の化学式(5)及び化学式(6)うちいずれか1つで示されることができる。
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
前記化学式(6)において、前記kは、1〜10である。
前記ハードコーティング層は、シリコンナノ粒子をさらに含むことができる。
【0018】
前記ハードコーティング層はビスフェノール−A−エポキシ−シリコンブロック共重合体(bisphenol−A−epoxy−silicone block copolymer)をさらに含むことができる。
前記光開始剤は互に異なる波長の光によって開始される第1光開始剤及び第2光開始剤を含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態によるハードコーティング高分子の製造方法はハードコーティングオリゴマーを合成する段階、クロスリンキングオリゴマーを合成する段階、及び光開始剤を提供して前記ハードコーティングオリゴマーと前記クロスリンキングオリゴマーとを光反応させてハードコーティング高分子を合成する段階を含む。前記ハードコーティングオリゴマーの各々は下の化学式(2)で示され、前記クロスリンキングオリゴマーの各々は下の化学式(4)で示されることができる。
【0020】
【化7】
【0021】
前記化学式(2)において、前記nは8〜150であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは光開始反応基であり、前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換された炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つである。
【0022】
【化8】
【0023】
前記化学式(4)において、前記hは、2〜20である。
【0024】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階で前記ハードコーティングオリゴマーはハードコーティングモノマーを触媒反応させて合成されることができる。前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階で前記クロスリンキングオリゴマーはクロスリンキングモノマーを触媒反応させて合成されることができる。
【0025】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階と前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階とは同一の触媒を利用することができる。
前記触媒はBa(OH)・HOを前記含むことができる。
【0026】
前記光開始剤は互に異なる波長の光によって開始される第1光開始剤及び第2光開始剤を含むことができる。前記ハードコーティング高分子を合成する段階は前記第1光開始剤を活性化させる第1の光を照射する段階及び前記第2光開始剤を活性化させる第2の光を照射する段階を含むことができる。
【0027】
前記ハードコーティング高分子100wt%に対して前記ハードコーティングオリゴマーは70wt%〜90wt%、前記クロスリンキングオリゴマーは10wt%〜20wt%、前記光開始剤は1wt%〜4wt%であってもよい。
【0028】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は、前記ハードコーティングモノマー及び溶媒を含むハードコーティング溶液を準備する段階及び前記ハードコーティングオリゴマーが合成されるように前記ハードコーティング溶液に触媒を供する段階を含むことができる。
【0029】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は前記ハードコーティングオリゴマーが合成された前記ハードコーティング溶液に前記クロスリンキングモノマーを供する段階を含むことができる。
【0030】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は、前記クロスリンキングモノマー及び溶媒を含むクロスリンキング溶液を準備する段階及び前記クロスリンキングオリゴマーが合成されるように前記クロスリンキング溶液に触媒を供する段階を含むことができる。
【0031】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は、前記クロスリンキングオリゴマーが合成された前記クロスリンキング溶液に前記ハードコーティングモノマーを供する段階を含むことができる。
【0032】
前記ハードコーティングオリゴマーを合成する段階は前記ハードコーティングモノマー及び第1溶媒を含むハードコーティング溶液を準備する段階及び前記ハードコーティングオリゴマーが合成されるように前記ハードコーティング溶液に第1触媒を供する段階を含むことができる。
【0033】
前記クロスリンキングオリゴマーを合成する段階は前記クロスリンキングモノマー及び第2溶媒を含むクロスリンキング溶液を準備する段階及び前記クロスリンキングオリゴマーが合成されるように前記クロスリンキング溶液に第2触媒を供する段階を含むことができる。
【0034】
前記第1溶媒と前記第2溶媒との各々はケトン系溶媒又はエーテル系溶媒を含むことができる。
【0035】
前記第1触媒と前記第2触媒とは同一の触媒であってもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置は、硬度が向上しており、フレキシィビリティーが確保されたハードコーティング層を含む。したがって、フレキシブル表示装置の外面を提供するウインドー部材は外部衝撃によって損傷せず、屈曲しても(ベンディングされても)損傷しない。
【0037】
クロスリンキングオリゴマーはクロスリンキングモノマーを合成して製造することによって、製造費用が減少する。合成時間を制御することによって、クロスリンキングオリゴマーの長さを制御することができ、結果的にハードコーティング層のフレキシィビリティーを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の第1動作に係る斜視図である。
図1B】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の第2動作に係る斜視図である。
図2A】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の第1動作に係る断面図である。
図2B】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の第2動作に係る断面図である。
図3】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による画素の等価回路図である。
図5】本発明の一実施形態による有機発光表示パネルの部分断面図である。
図6A】本発明の一実施形態による有機発光表示パネルの部分断面図である。
図6B】本発明の一実施形態による有機発光表示パネルの部分断面図である。
図7A】本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
図7B】本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
図8】本発明の一実施形態によるウインドー部材WMの製造方法を示したフローチャートである。
図9A】光開始剤の種類に応じた吸収波長を図示した図面である。
図9B】光開始剤の種類に応じた吸収波長を図示した図面である。
図10】発明の一実施形態によるハードコーティング層の光硬化工程を図示した図面である。
図11】本発明の一実施形態によるハードコーティング高分子と比較例によるハードコーティング高分子を図示した図面である。
図12A】本発明の一実施形態によるハードコーティング層組成物の製造方法を示したフローチャートである。
図12B】本発明の一実施形態によるハードコーティング層組成物の製造方法を示したフローチャートである。
図12C】本発明の一実施形態によるハードコーティング層組成物の製造方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本明細書で、ある構成要素(又は領域、層、部分等)が他の構成要素“上にある”、“連結される”、又は“結合される”と言及される場合にそれは他の構成要素上に直接配置/連結/結合されることができるか、或いはこれらの間に第3の構成要素が配置されることもできることを意味する。
【0040】
同一の図面符号は同一の構成要素を称する。また、図面において、構成要素の厚さ、比率、及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。“及び/又は”は連関された構成が定義できる1つ以上の組み合わせを全て含む。
【0041】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら、第1構成要素は第2構成要素と称され得り、類似に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。
【0042】
また、“下に”、“下側に”、“上に”、“上側に”等の用語は図面に図示された構成の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念として図面に表示された方向を基準に説明される。
【0043】
“含む”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを表現しようするものであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0044】
図1Aは本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置DDの第1動作に係る斜視図である。図1Bは本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置DDの第2動作に係る斜視図である。図2Aは本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置DDの第1動作に係る断面図である。図2Bは本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置DDの第2動作に係る断面図である。
【0045】
イメージIMが表示される表示面ISは第1方向軸DR1と第2方向軸DR2とが定義する面と平行である。表示面ISの法線方向、即ちフレキシブル表示装置DDの厚さ方向は第3方向軸DR3が指示する。各部材の前面と背面は第3方向軸DR3によって区分される。しかし、第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は相対的な概念として異なる方向に変換されることができる。以下、第1乃至第3方向は第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向に同一な図面符号を参照する。
【0046】
図1A乃至図2Bはフレキシブル表示装置DDの一例としてフォルダブル表示装置を図示した。しかし、本発明はこれに限定されなく、フレキシブル表示装置DDは所定の曲率を有するカーブドフレキシブル表示装置又は丸めることができるローラブルフレキシブル表示装置である。別に図示しなかったが、本発明のフレキシブル表示装置DDはテレビジョン、モニター等のような大型電子装置を始めとして、携帯電話、タブレット、自動車ナビゲーション、ゲーム機、スマートウォッチ等のような中小型電子装置等に使用されることができる。
【0047】
図1Aに図示されたようにフレキシブル表示装置DDの表示面ISは複数個の領域に区分される。フレキシブル表示装置DDはイメージIMが表示される表示領域DD−DA、表示領域DD−DAに隣接する非表示領域DD−NDAを含む。非表示領域DD−NDAはイメージが表示されない領域である。図1AにはイメージIMの一例として花瓶を図示した。一例として、表示領域DD−DAは四角の形状である。非表示領域DD−NDAは表示領域DD−DAを囲む。但し、これに制限されなく、表示領域DD−DAの形状と非表示領域DD−NDAの形状とは相対的にデザインされてもよい。
【0048】
図1A及び図1Bに図示されたように、表示装置DDはベンディング軸BXに基づいて(on the basis of)ベンディングする(屈曲する)ベンディング領域BA、ベンディングしない(屈曲しない)第1非ベンディング領域NBA1及び第2非ベンディング領域NBA2として定義される。第1非ベンディング領域NBA1の表示面ISと第2非ベンディング領域NBA2の表示面ISとが対向するように内側ベンディング(inner−bending)される。表示装置DDは使用者の操作に応じて表示面ISが外部に露出されるように外側ベンディング(outer−bending)されてもよい。
【0049】
本発明の一実施形態で表示装置DDは複数個のベンディング領域BAを含む。それだけでなく、使用者が表示装置DDを操作する形態に対応するようにベンディング領域BAが定義されることができる。例えば、ベンディング領域BAは図1Bとは異なりに第1方向軸DR1に平行になるように定義されてもよく、対角線方向に定義されるでもよい。ベンディング領域BAの面積は固定されなく、ベンディング半径BR(図2B参照)に従って決定される。
【0050】
図2A及び図2Bに図示されたように、表示装置DDは表示パネルDP、タッチスクリーンTS、及びウインドー部材WMを含む。表示パネルDP、タッチスクリーンTS、及びウインドー部材WMの各々はフレキシブルな性質を有する。別に図示しなかったが、本発明の一実施形態で表示装置DDはウインドー部材WMと結合されて表示パネルDP及びタッチスクリーンTSを保護する保護部材をさらに含むことができる。本発明の一実施形態でタッチスクリーンTSは表示パネルDPの背面に配置されるか、或いはウインドー部材WMに一体化されてもよい。
【0051】
表示パネルDPは入力された映像データに対応するイメージIM(図1A参照)を生成する。表示パネルDPは有機発光表示パネル、電気泳動表示パネル、エレクトロ・ウェッティング表示パネル等であり、その種類は制限されない。本発明で有機発光表示パネルが例示的に説明される。有機発光表示パネルに対する詳細な説明は後述する。
【0052】
タッチスクリーンTSは外部入力の座標情報を獲得する。タッチスクリーンTSは表示パネルDPが提供するベース面上に配置される。本実施形態でタッチスクリーンTSは表示パネルと連続工程によって製造されることができる。
【0053】
タッチスクリーンTSは静電容量方式タッチスクリーンである。しかし、これに制限されなく、電磁誘導方式のように、2つタイプのタッチ電極を含む他の方式のタッチスクリーンで代替されることができる。
【0054】
ウインドー部材WMは透明光学接着部材(Optically Clear Adhesive、OCA)によってタッチスクリーンTSと結合される。ウインドー部材WMはベース部材WM−BS、ベゼル層WM−BZ、及びハードコーティング層WM−HCを含む。ハードコーティング層WM−HCはベース部材WM−BSの前面に配置され、ベゼル層WM−BZはベース部材WM−BSの背面に配置される。本発明の一実施形態でベゼル層WM−BZは省略されてもよい。
【0055】
ベース部材WM−BSはプラスチックフィルム等を含む。ベース部材WM−BSは単層又は多層構造を有し、その積層構造は制限されない。
【0056】
ベゼル層WM−BZはベース部材WM−BSに部分的に重畳する。ベゼル層WM−BZは表示装置DDのベゼル領域即ち、非表示領域NDA(図1A参照)を定義する。ベゼル層WM−BZは有色の有機層である。
【0057】
ハードコーティング層WM−HCは硬度が低いベース部材WM−BSを補完してウインドー部材WMの硬度を増加させる。以下、ハードコーティング層WM−HCに対する詳細な説明は図8乃至図11を参照してさらに詳細に説明する。
【0058】
別に図示しなかったが、ウインドー部材WMはベース部材WM−BSの前面に配置された機能性コーティング層をさらに含むことができる。機能性コーティング層は指紋防止層、反射防止層等を含むことができる。
【0059】
図3は本発明の一実施形態によるフレキシブル表示パネルDPの斜視図である。図4は本発明の一実施形態による画素PXの等価回路図である。以下、フレキシブル表示パネルDPは有機発光表示パネルDPとして説明される。有機発光表示パネルDPは平面上で表示領域DAと非表示領域NDAとを含む。有機発光表示パネルDPの表示領域DA及び非表示領域NDAはベゼル層WM−BZによって定義される表示装置DDの表示領域DD−DA及び非表示領域DD−NDAと必ず同一である必要はなく、有機発光表示パネルDPの構造/デザインにしたがって変更されてもよい。
【0060】
図3に図示されたように、有機発光表示パネルDPは表示領域DAに配置された複数個の画素PXを含む。マトリックス状に配置された複数個の画素PXを図示したが、これに制限されない。複数個の画素PXは非マトリックス状、例えばペンタイル状に配置されてもよい。
【0061】
図4ではi番目の走査ラインSLiとj番目のソースラインDLjとに接続された1つの画素PXijの等価回路を例示的に示した。別に図示せずが、複数個の画素PXは同一の等価回路を有することができる。
【0062】
画素PXijは少なくとも1つのトランジスタTR1、TR2、少なくとも1つのキャパシターCap、及び有機発光素子OLEDを含む。本実施形態で2つのトランジスタTR1、TR2及び1つのキャパシターCapを含む画素駆動回路を例示的に図示したが、画素駆動回路の構成はこれに制限されない。
【0063】
有機発光素子OLEDのアノードは第2トランジスタTR2を通じて電源ラインPLへ印加された第1電源電圧ELVDDを受信する。有機発光素子OLEDのカソードは第2電源電圧ELVSSを受信する。第1トランジスタTR1はi番目の走査ラインSLiに印加された走査信号に応答してj番目のソースラインDLjへ印加されたデータ信号を出力する。キャパシターCapは第1トランジスタTR1から受信したデータ信号に対応する電圧を充電する。第2トランジスタTR2はキャパシターCapに格納された電圧に対応して有機発光素子OLEDに流れる駆動電流を制御する。
【0064】
図5は本発明の一実施形態による有機発光表示パネルDPの部分平面図である。図6A及び図6Bは本発明の一実施形態による有機発光表示パネルの部分断面図である。図5は表示領域DA(図3参照)の一部を図示した。図6A図4に図示された等価回路の第1トランジスタTR1及びキャパシターCapに対応する部分の断面を図示し、図6B図4に図示された等価回路の第2トランジスタTR2及び有機発光素子OLEDに対応する部分の断面を図示した。
【0065】
図5に図示されたように、有機発光表示パネルDPは第1方向軸DR1と第2方向軸DR2とが定義する平面上で複数個の発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bと非発光領域NPXAとして定義される。図5にはマトリックス状に配置された3つタイプの発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bを例示的に図示した。3個タイプの発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bには3個の互に異なるカラーを発光する有機発光素子の各々が配置される。
【0066】
本発明の一実施形態で3個タイプの発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bにはホワイトカラーを発光する有機発光素子の各々が配置される。この時、3個タイプの互に異なるカラーのカラーフィルタが3個タイプの発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bの各々に重畳する。
【0067】
非発光領域NPXAは発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bを囲む第1非発光領域NPXA−1及び第1非発光領域NPXA−1の境界を定義する第2非発光領域NPXA−2に区分される。第1非発光領域NPXA−1の各々に対応するサブ画素の駆動回路、例えばトランジスタTR1、TR2(図4参照)又はキャパシターCap(図4参照)が配置される。第2非発光領域NPXA−2に信号ライン、例えば走査ラインSLi(図4参照)、ソースラインDLj(図4参照)、電源ラインPL(図4参照)が配置される。但し、これに制限されなく、第1非発光領域NPXA−1と第2非発光領域NPXA−2)とは互いに区分されないこともあり得る。
【0068】
別に図示せずが、本発明の一実施形態によれば、発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bの各々は斜方形と類似な形状を有してもよい。本発明の一実施形態によると、反復的に配置された4個タイプの発光領域に4個の互に異なるカラーを発光する有機発光素子の各々が配置される。
【0069】
本明細書で“発光領域で所定のカラーの光を放出する”ということは対応する発光素子で生成された光をそのまま放出するだけではなく、対応する発光素子で生成された光のカラーを変換させて放出することを全て含む。
【0070】
図6A及び図6Bに図示されたように、有機発光表示パネルDPはベース基板SUB、回路層DP−CL、有機発光素子層DP−OLED、及び薄膜封止層TFEを含む。回路層DP−CLは複数個の導電層と複数個の絶縁層を含み、有機発光素子層DP−OLEDは複数個の導電層と複数個の機能性有機層を含む。薄膜封止層TFEは複数個の有機層及び/又は複数個の無機層を含む。
【0071】
ベース基板SUBはフレキシブルな基板にポリイミドのようなプラスチック基板、ガラス基板、メタル基板等を含む。ベース基板SUB上に第1トランジスタTR1の半導体パターンAL1(以下、第1半導体パターン)及び第2トランジスタTR2の半導体パターンAL2(以下、第2半導体パターン)が配置される。第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2は低温で形成されるアモルファスシリコンを含むことができる。その他に第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2は金属酸化物半導体を含むことができる。別に図示せずが、ベース基板SUBの一面上に機能層がさらに配置されることができる。機能層はバリアー層又はバッファ層の中で少なくともいずれか1つを含む。第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2はバリアー層又はバッファ層上に配置されることができる。
【0072】
ベース基板SUB上に第1半導体パターンAL1及び第2半導体パターンAL2をカバーする第1絶縁層12が配置される。第1絶縁層12は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第1絶縁層12は複数個の無機薄膜を含むことができる。複数個の無機薄膜はシリコンナイトライド層及びシリコン酸化物層を含むことができる。
【0073】
第1絶縁層12上に第1トランジスタTR1の制御電極GE1(以下、第1制御電極)及び第2トランジスタTR2の制御電極GE2(以下、第2制御電極)が配置される。第1絶縁層12上にキャパシターCapの第1電極E1が配置される。第1制御電極GE1、第2制御電極GE2、及び第1電極E1は走査ラインSLi(図4参照)と同一のフォトリソグラフィー工程によって製造されることができる。つまり、第1電極E1は走査ラインと同一な物質で構成される。
【0074】
第1絶縁層12上に第1制御電極GE1及び第2制御電極GE2及び第1電極E1をカバーする第2絶縁層14が配置される。第2絶縁層14は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第2絶縁層14は複数個の無機薄膜を含むことができる。複数個の無機薄膜はシリコンナイトライド層及びシリコン酸化物層を含むことができる。
【0075】
第2絶縁層14上にソースラインDLj(図4参照)及び電源ラインPL(図4参照)が配置される。第2絶縁層14上に第1トランジスタTR1の入力電極SE1(以下、第1入力電極)及び出力電極DE1(以下、第1出力電極)が配置される。第2絶縁層14上に第2トランジスタTR2の入力電極SE2(以下、第2入力電極)及び出力電極DE2(以下、第2出力電極)が配置される。第1入力電極SE1はソースラインDLjから分岐される。第2入力電極SE2は電源ラインPLから分岐される。
【0076】
第2絶縁層14上にキャパシターCapの第2電極E2が配置される。第2電極E2はソースラインDLj及び電源ラインPLと同一のフォトリソグラフィー工程によって製造されることができ、同一な物質で構成されることができる。
【0077】
第1入力電極SE1と第1出力電極DE1とは第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第1貫通ホールCH1と第2貫通ホールCH2を通じて第1半導体パターンAL1との各々に連結される。第1出力電極DE1は第1電極E1に電気的に連結される。例えば、第1出力電極DE1は第2絶縁層14を貫通する貫通ホール(図示せず)を通じて第1電極E1に連結されることができる。第2入力電極SE2と第2出力電極DE2とは第1絶縁層12及び第2絶縁層14を貫通する第3貫通ホールCH3と第4貫通ホールCH4を通じて第2半導体パターンAL2との各々に連結される。一方、本発明の他の実施形態で第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とはボトムゲート構造に変形されて実施されることができる。
【0078】
第2絶縁層14上に第1入力電極SE1、第1出力電極DE1、第2入力電極SE2、及び第2出力電極DE2をカバーする第3絶縁層16が配置される。第3絶縁層16は有機層及び/又は無機層を含む。特に、第3絶縁層16は平坦面を提供するために有機物質を含むことができる。
【0079】
第3絶縁層16上に画素定義膜PXL及び有機発光素子OLEDが配置される。画素定義膜PXLには開口部OPが定義される。画素定義膜PXLはその他の1つの絶縁層と同様である。図6Bの開口部OPは図5の開口部OP−R、OP−G、OP−Bに対応する。
【0080】
アノードAEは第3絶縁層16を貫通する第5貫通ホールCH5を通じて第2出力電極DE2に連結される。画素定義膜PXLの開口部OPはアノードAEの少なくとも一部分を露出させる。正孔制御層HCLは発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−B(図5参照)と非発光領域NPXA(図5参照)に共通に形成される。正孔制御層HCL上に有機発光層EML、電子制御層ECLを順次的に生成する。正孔制御層HCLは少なくとも正孔輸送層を含み、電子制御層ECLは少なくとも電子輸送層を含む。以後、カソードCEを発光領域PXA−R、PXA−G、PXA−Bと非発光領域NPXAに共通に形成する。カソードCEの層構造にしたがって蒸着又はスパッタリング方式によって形成することができる。
【0081】
発光領域PXAは光が生成される領域として定義されることができる。発光領域PXAは有機発光素子OLEDのアノードAE又は発光層EMLに対応するように定義される。
カソードCE上に有機発光素子層DP−OLEDを封止する薄膜封止層TFEが配置される。薄膜封止層TFEは水分及び異物質から有機発光素子OLEDを保護する。
【0082】
薄膜封止層TFEは少なくとも2つの無機薄膜とその間に配置された有機薄膜を含む。無機薄膜は水分から有機発光素子OLEDを保護し、有機薄膜はほこり粒子のような異物質から有機発光素子OLEDを保護する。薄膜封止層TFEは交互に配置された複数個の無機薄膜と複数個の有機薄膜を含むことができる。
【0083】
図7A及び図7Bは本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
表示パネルDPは簡略に図示した。図7A及び図7Bを参照して表示装置の共通点と差異点を説明する。
【0084】
図7Aに図示されたように、タッチスクリーンTSは第1導電層TS−CL1、第1絶縁層TS−IL1、第2導電層TS−CL2、及び第2絶縁層TS−IL2を含む。タッチスクリーンTSは表示パネルDP上に直接配置される。第1導電層TS−CL1及び第2導電層TS−CL2の各々は単層構造を有するか、或いは第3方向軸DR3に沿って積層される層構造を有することができる。多層構造の導電層は透明導電層と少なくとも1つの金属層とを含む。透明導電層はITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)、PEDOT、金属ナノワイヤ、グラフェンを含むことができる。金属層はモリブデン、銀、チタニウム、銅、アルミニウム、及びこれらの合金を含むことができる。
【0085】
第1導電層TS−CL1及び第2導電層TS−CL2の各々は複数個のパターンを含む。第1導電層TS−CL1は薄膜封止層TFE上に配置される。言い換えれば、薄膜封止層TFEがタッチスクリーンTSが配置されるベース面BSを提供する。第1絶縁層TS−IL1と第2絶縁層TS−IL2との各々は無機物層又は有機物層の中で少なくとも1つを含む。
【0086】
図7Bに図示されたように、タッチスクリーンTS1は透明光学接着部材OCAによって表示パネルDPに結合される。タッチスクリーンTS1は第1導電層TS−CL1が配置されるベース部材TS−BSをさらに含むことができる。
【0087】
図8は本発明の一実施形態によるウインドー部材WMの製造方法を示したフローチャートである。図9A及び図9Bは光開始剤の種類に応じた吸収波長を図示した図面である。図10は発明の一実施形態によるハードコーティング層の光硬化工程を図示した。
【0088】
図8を参照すれば、先ず、準備されたハードコーティング組成物(ハードコーティング層形成用組成物)をベース部材WM−BSの一面に塗布する(S10)。ロールツーロールコーティング、スピンコーティング、スリットコーティング、バーコーティング、インクジェットプリンティング等の方法で塗布することができる。ベース部材WM−BSの一面上に塗布されたハードコーティング組成物は予備ハードコーティング層を形成する。ハードコーティング組成物は溶媒、ハードコーティングオリゴマー、クロスリンキングオリゴマー、及び光開始剤を含む。ハードコーティング組成物はその他の添加剤をさらに含むことができる。
【0089】
溶媒はケトン系溶媒又はエーテル系溶媒を含むことができる。ケトン系溶媒として、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)、アセトフェノン(acetophenone)、シクロペンタノン(cyclopentanone)、エチルイソプロパノールケトン(ethyl Isopropyl ketone)、2−ヘキサノン(2−Hexanone)、イソホロン(isophorone)、メシチルオキシド(Mesityl oxide)、メチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl ketone)、3−メチル−2−ペンタノン(3−methyl−2−pentanone)、2−ペンタノン(2−pentanone)、及び3−ペンタノン(3−pentanone)等を含むことができる。エーテル系溶媒として、シクロペンチルメチルエーテル(CPME:cyclopentyl methyl ether)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(diethylene glycol diethyl ether)、ジメトキシエタン(dimethoxymethane)、メチルtert−ブチルエーテル(methyl tert−butyl ether)、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(2−(2−methoxyethoxy)ethanol)、及びプロピレングリコールエーテル(propylene glycol ether)等を含むことができる。
ハードコーティングオリゴマーの各々は下の化学式(2)で示される。
【0090】
【化9】
【0091】
化学式(2)において、前記nは8〜150であり、Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基および光開始反応基から選択される1つである。化学式において
【0092】
【化10】
【0093】
は他の反復単位と連結される部分を意味する。1つのオリゴマーに含まれた複数個のRの中で少なくとも1つは光開始反応基である。前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換された炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つである。
【0094】
本発明の一実施形態によれば、ハードコーティング層の硬度を増加させるため化学式1において前記nは8〜24である。化学式(2)で示されるオリゴマーの分子量は2000〜5000である。本発明の一実施形態によれば、ハードコーティング層の硬度を維持しつつフレキシィビリティーを増加させるために、化学式(2)おいて前記nは25〜40である。化学式(2)で示されるオリゴマーの分子量は5000〜8000である。本発明の一実施形態によれば、ハードコーティング層のフレキシィビリティーを増加させるため、化学式(2)において前記nは48〜150である。化学式(2)で示されるオリゴマーの分子量は10000〜30000である。
【0095】
本明細書で、“光開始反応基”というのは光が照射された時、反応が生じる部分を含む反応基を意味する。例えば、具体的に後述する光開始剤が光によってラジカル又は陽イオン(cation)を形成し、光開始反応基はラジカル又は陽イオンによって反応が生じる部分を含む反応基を意味する。これに限定することではないが、光開始反応基は、例えばエポキシ基又はアルケニル基を含む置換基で置換されたエーテル基、エポキシ基又はアルケニル基を含む置換基で置換された炭素数1以上20以下のアルキル基、又は置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルケニル基を含むことができる。
【0096】
例えば、光開始反応基は下の化学式(5)及び化学式(6)から選択されるいずれか1つである。
【化11】
【0097】
【化12】
【0098】
化学式(6)において、kは1〜10である。
クロスリンキングオリゴマーの各々は下の化学式(4)で示されることができる。
【0099】
【化13】
【0100】
化学式(4)において、hは2〜20である。
光開始剤は、例えば自由ラジカル型開始剤(free radical type initiator)と陽イオン型開始剤(cationic type initiator)から選択される少なくとも1つを含む。光開始剤は他の波長の光によって開始される2種以上の光開始剤を含むことができる。例えば、光開始剤は短波長開始剤及び長波長開始剤を含むことができる。
【0101】
図9Aに図示されたように、光開始剤は互に異なる波長帯の紫外線によって活性化される第1光開始剤及び第2光開始剤を含むことができる。第1光開始剤は第1グラフGP1の波長−光吸収率を有し、第2光開始剤は第2グラフGP2の波長−光吸収率を有する。
【0102】
図9Bに図示されたように、光開始剤は互に異なる波長帯の可視光線によって活性化される第1光開始剤、第2光開始剤、及び第3光開始剤を含む。第1光開始剤は第1グラフGP10の波長−光吸収率を有し、第2光開始剤は第2グラフGP20の波長−光吸収率を有し、第3光開始剤は第3グラフGP30の波長−光吸収率を有する。
【0103】
本発明の一実施形態でハードコーティング組成物は製造されるハードコーティング層のフレキシィビリティーを向上させるために第1添加剤をさらに含むことができる。第1添加剤はビスフェノール−A−エポキシ−シリコンブロック共重合体(bisphenol−A−epoxy−silicone block copolymer)を含むことができる。ビスフェノール−A−エポキシ−シリコンブロック共重合体(bisphenol−A−epoxy−silicone block copolymer)は線型構造を有し、第1オリゴマー、第2オリゴマー又はクロスリンカー(架橋剤)、又はこれらの間に結合されてハードコーティング高分子の分子構造を長く開ける機能を有する。したがって、ハードコーティング層のフレキシィビリティーをさらに向上させることができる。
【0104】
本発明の一実施形態でハードコーティング組成物は製造されるハードコーティング層の硬度を向上させるために第2添加剤をさらに含むことができる。第2添加剤はシリコンナノ粒子を含むことができる。シリコンナノ粒子は成形されたハードコーティング高分子の間に配置されてハードコーティング層の硬度をさらに向上させることができる。
【0105】
次に、予備ハードコーティング層を乾燥させる(S20)。予備ハードコーティング層の溶媒が除去される。乾燥された予備ハードコーティング層は所定の粘性を有する混合物層である。本発明の一実施形態で乾燥された予備ハードコーティング層はクロスリンキング(架橋)オリゴマー、ハードコーティングオリゴマー及び光開始剤のみでなく、第1添加剤と第2添加剤の中で少なくともいずれか1つをさらに含むことができる。
【0106】
以後、乾燥された予備ハードコーティング層を光硬化させる(S30)。光が照射されることによって光開始剤によって光反応が開始される。光開始剤によってハードコーティングオリゴマーとクロスリンキングオリゴマーとの各々の光開始反応基が活性化される。クロスリンキングオリゴマーの光開始反応基とハードコーティングオリゴマーの光開始反応基とが結合する。即ち、クロスリンキングオリゴマーはハードコーティングオリゴマーを連結する。ハードコーティング高分子が合成されることによって、図2A及び図2Dに図示されたハードコーティング層WM−HCが形成される。
【0107】
別に図示しないが、光硬化されたハードコーティング層を安定化させるためにハードコーティング層をエージングすることができる。1次的に常温でエージングし、2次的に高温/高湿(例えば、60°/93%)でエージングすることができる。
【0108】
ハードコーティング組成物が互に異なる波長帯の紫外線によって活性化される複数個タイプの光開始剤を含む場合、図10に図示されたように、複数個の光源L10、L20を利用して異なる波長帯の光を順次的に照射することができる。図10には2つの光源L10、L20を例示的に図示した。
【0109】
予備ハードコーティング層PHCに第1光源L10から第1波長帯の光が照射されれば、複数個タイプの光開始剤の中でいずれか1タイプの光開始剤によってハードコーティングオリゴマーとクロスリンキングオリゴマーが部分的に化学結合される。以後、予備ハードコーティング層PHCに第2光源L20から第2波長帯の光が照射されれば、複数タイプの光開始剤の中でその他のタイプの光開始剤によってハードコーティングオリゴマーとクロスリンキングオリゴマーとが化学結合される。
【0110】
複数個タイプの光開始剤とそれに対応する複数個の光源を利用して光硬化、ハードコーティング高分子が均一に合成される。光の波長にしたがって光が到達する深さが異なるので、予備ハードコーティング層PHCの厚さと関わらず、均一に光が提供されることができる。
【0111】
図11は本発明の一実施形態によるハードコーティング高分子と比較例に係るハードコーティング高分子を図示した。
【0112】
図11に図示された第1高分子P1は本発明の一実施形態にしたがって製造されたハードコーティング層の一部分に該当する。第1高分子P1はハードコーティングオリゴマーHCOとこれらを連結するクロスリンキングオリゴマーCROを含む。第1高分子P1は図8乃至図10を参照して説明した方式によって合成された。
【0113】
本発明の一実施形態によるハードコーティング層は下の化学式(1)で示される高分子を含む。
【化14】
【0114】
化学式(1)において、XとYとの各々は化学式(2)のようなハードコーティングオリゴマー(単位)であり、Zは化学式(4)のようなクロスリンキングオリゴマー(単位)である。ハードコーティング層は10μm〜100μmの厚さを有する。ハードコーティング層は単位面積(1mm2)当り50000〜100000の分子量を有する。
【0115】
図11に図示された第2高分子P2は比較例に係るハードコーティング層の一部分に該当する。第2高分子P2はハードコーティングオリゴマーHCOとこれらを連結するクロスリンキングモノマーCRMを含む。言い換えれば、第2高分子P2は化学式(1)のような形態を有し、Zがクロスリンキングモノマーである。
【0116】
本実施形態によるハードコーティング層は比較例に係るハードコーティング層に比べてフレキシィビリティーが向上される。図2A及び図2Bに図示されたように、フレキシブル表示装置DDがベンディングされても、ハードコーティング層WM−HCが容易に損傷されない。下の表1を参照してさらに詳細に説明する。
【0117】
【表1】
【0118】
前記実施例1乃至4の数値は下の化学式(7)のモノマーで合成されたハードコーティングオリゴマーと下の化学式(8)のモノマーから合成されたハードコーティングオリゴマー(即ち、クロスリンキングオリゴマー)を含むハードコーティング組成物から形成されたハードコーティング層から測定された。
【0119】
【化15】
【0120】
【化16】
【0121】
前記比較例及び実施例1乃至4のハードコーティング層の各々は分子量10000(化学式(2)のnが48〜50)であるハードコーティングオリゴマーから形成された。
前記比較例に係るハードコーティング層は化学式(8)に示されるクロスリンキングモノマーを利用して形成され、実施例1乃至4のハードコーティング層は化学式(8)で示されるモノマーから合成されたクロスリンキングオリゴマーを利用して形成された。実施例1乃至実施例4のハードコーティング層は分子量が他のクロスリンキングオリゴマーを利用して形成された。
【0122】
前記比較例及び実施例1乃至実施例4のハードコーティング組成物は、各々の固形分100wt%に対してハードコーティングオリゴマー80wt%、クロスリンキングオリゴマー又はクロスリンキングモノマー15wt%及び陽イオン型開始剤(cationictypeinitiator)5wt%を含む。その他のハードコーティング層の製造条件は同一である。
【0123】
表1に測定されたように、クロスリンキングオリゴマーの長さが長いほどフレキシィビリティーが向上することを確認した。クロスリンキングオリゴマーの長さが長いほど、ベンディングスチフネス(曲げ剛性)が減少し、最大曲率半径が減少した。表面硬度と圧入硬度は鉛筆硬度で表示されたのに、H硬度以上維持されることを確認した。
【0124】
図12A乃至図12Cは本発明の一実施形態によるハードコーティング層組成物の製造方法を示したフローチャートである。
図12Aに図示されたように、先ず、ハードコーティング溶液を準備する(S100)。ハードコーティング溶液は溶媒及びハードコーティングモノマーを含む。溶媒は図8を参照して説明したケトン系溶媒又はエーテル系溶媒を含む。ハードコーティングモノマーは下の化学式(9)と同一である。ハードコーティング溶液は光開始剤をさらに含む。
【0125】
【化17】
【0126】
化学式(9)でRはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つであり、前記複数個のRの中で少なくとも1つは光開始反応基である。前記Rはヒドロキシ基、置換又は非置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、アルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1以上20以下のアルキル基及び光開始反応基から選択される1つである。R及びRはヒドロキシ基、アルコキシ基である。ここで、アルコキシ基は
【0127】
【化18】
【0128】
で示され、Rは炭素数1以上20以下のアルキル基である。
【0129】
次に、ハードコーティングオリゴマーを合成する(S200)。触媒反応によってハードコーティングオリゴマーを合成する。触媒をハードコーティング溶液に供(添加)した後、ハードコーティングモノマーを反応させる。触媒はBa(OH)・HOを含む。触媒の種類はこれに制限されなく、ゾル−ゲル反応が起こることができる触媒物質であれば、十分である。NaOH又はKOHのような塩基性触媒が適用されることができる。
【0130】
以後、クロスリンキングモノマーをハードコーティングオリゴマーが合成されたハードコーティング溶液に供(添加)する(S300)。クロスリンキングモノマーの各々は下の化学式(8)と同一である。
【0131】
【化19】
【0132】
クロスリンキングモノマーは前記触媒によって反応させてクロスリンキングオリゴマーを合成する。それによってハードコーティング組成物が準備される。本発明の一実施形態で光開始剤はクロスリンキングオリゴマーが合成された以後にハードコーティング組成物に供される(添加される)ことができる。
【0133】
ハードコーティング組成物は固形分100wt%に対してハードコーティングオリゴマーは70wt%〜90wt%、クロスリンキングオリゴマーは10wt%〜20wt%、及び光開始剤は1wt%〜4wt%を含むことができる。ここで、固形分とは、図8を参照して説明したように、ハードコーティング層を形成する過程で溶媒が除去された状態を意味する。
【0134】
図12Bを参照して本発明の一実施形態によるハードコーティング組成物の製造方法を説明する。先ず、クロスリンキング溶液を準備する(S100)。クロスリンキング溶液は溶媒及びクロスリンキングモノマーを含む。溶媒は図8を参照して説明したケトン系溶媒又はエーテル系溶媒を含むことができる。クロスリンキングモノマーは前記化学式(8)と同一である。クロスリンキング溶液は光開始剤をさらに含む。
【0135】
次に、クロスリンキングオリゴマーを合成する(S200)。触媒反応でクロスリンキングオリゴマーを合成する。触媒をクロスリンキング溶液に供(添加)した後、クロスリンキングモノマーを反応させる。触媒はBa(OH)・HOを含む。触媒の種類はこれに制限されなく、ゾル−ゲル反応が起こることができる触媒物質であれば、十分である。
【0136】
下の表2のようにクロスリンキングオリゴマーが合成される。表2は化学式(8)のモノマーで合成された実施例を示す。10.wt%のBa(OH)・HO触媒を使用して合成した。
【0137】
【表2】
【0138】
FT−IR、GC−MS、GPC、H1−NMR、C13−NMRを利用してクロスリンキングモノマーの合成量を確認することができる。別に添付しなかったが、先に図12Aを参照して説明した合成方法と図12Cを参照して後述する合成方法でも表2と類似なクロスリンキングモノマーの合成量を確認することができる。
【0139】
以後、ハードコーティングモノマーをクロスリンキングオリゴマーが合成されたクロスリンキング溶液に供(添加)する(S300)。ハードコーティングモノマーは前記触媒によって反応してハードコーティングオリゴマーを合成する。それによって、ハードコーティング組成物が準備される。本発明の一実施形態で光開始剤はハードコーティングオリゴマーが合成された以後にハードコーティング組成物に供(添加)されることができる。
【0140】
図12Cを参照して本発明の一実施形態によるハードコーティング組成物製造方法を説明する。先ず、ハードコーティング溶液を準備し(S100−1)、ハードコーティング溶液と別にクロスリンキング溶液を準備する(S100−2)。次の、ハードコーティングオリゴマーを合成し(S200−1)、クロスリンキングオリゴマーを合成する(S200−2)。触媒反応でハードコーティングオリゴマーを合成し、触媒反応でクロスリンキングオリゴマーを合成することができる。独立的に合成し、同一の触媒を利用することができる。以後、ハードコーティング溶液とクロスリンキング溶液を混合する(S300)。
【0141】
以上では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることを理解させることができる。
【0142】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることではなく、特許請求の範囲によって定まれなければならない。
【符号の説明】
【0143】
WM ウインドー部材
WM−BS ベース部材
WM−BM ベゼル層
WM−HC ハードコーティング層
TS タッチスクリーン
DP 表示パネル
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図12C