特許第6833526号(P6833526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833526
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】電磁波吸収体及び電磁波吸収構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20210215BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20210215BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   H05K9/00 M
   B32B7/025
   B32B27/00 B
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-7893(P2017-7893)
(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公開番号】特開2018-117073(P2018-117073A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】請井 博一
(72)【発明者】
【氏名】宇井 丈裕
(72)【発明者】
【氏名】山形 一斗
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−198179(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0224023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
B32B 7/025
B32B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波吸収体であって、
抵抗層を含む第一シートと、
樹脂を主成分として含み、前記抵抗層の一方の主面に接している誘電体層を形成する第二シートと、
前記抵抗層のシート抵抗よりも低いシート抵抗を有し、前記抵抗層との間に前記誘電体層が位置するように配置されている導電層と、を備え、
前記第一シートは、前記抵抗層が前記誘電体層と接触するように前記第二シートに貼り付けられており、
当該電磁波吸収体は、前記導電層が厚み方向において前記抵抗層よりも300mm以下の曲率半径を有する曲面の近くに位置している状態で、前記曲面に貼り付け可能であり、
10mmの高さ及び20mmの幅を有する矩形状に前記抵抗層と前記誘電体層との界面を形成して、125℃において0.98Nのせん断力を前記界面に対して高さ方向に5分間加えたときに、前記抵抗層と前記誘電体層との間の高さ方向における相対的な変位が10mm未満である、
電磁波吸収体。
【請求項2】
前記誘電体層の厚みが300μm〜800μmである、請求項1に記載の電磁波吸収体。
【請求項3】
前記誘電体層は、1〜20の比誘電率を有する高分子シートである、請求項1又は2に記載の電磁波吸収体。
【請求項4】
前記高分子シートは、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及びシリコーン系樹脂から選ばれる1つを主成分として含有している、請求項3に記載の電磁波吸収体。
【請求項5】
前記高分子シートは、粘着付与剤をさらに含有している、請求項4に記載の電磁波吸収体。
【請求項6】
前記高分子シートにおいて、前記主成分が架橋している、請求項4に記載の電磁波吸収体。
【請求項7】
前記抵抗層は、インジウム、スズ、及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1つの金属元素を含有している金属酸化物、導電性高分子、又はカーボンナノチューブを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項8】
前記抵抗層に接している第一支持体及び前記導電層に接している第二支持体の少なくとも1つをさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項9】
前記第一支持体及び第二支持体のそれぞれは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンからなる群から選ばれた少なくとも1つによってできている、請求項8に記載の電磁波吸収体。
【請求項10】
前記導電層は、インジウム、スズ、及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1つの金属元素を含有している金属酸化物、導電性粒子、金属ナノワイヤー、メタルメッシュ、及び金属箔のいずれか1つを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
【請求項11】
300mm以下の曲率半径を有する曲面を含む被着体と、
前記導電層が厚み方向において前記抵抗層よりも前記曲面の近くに位置している状態で前記曲面に貼り付けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電磁波吸収体と、を備えた、
電磁波吸収構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波吸収体及び電磁波吸収構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁波障害を防止するための電磁波吸収体が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電磁波吸収層の裏面側に電磁波反射層を積層した電磁波吸収体が記載されている。この電磁波吸収層は、その表面から順に、第1の誘電体層、抵抗薄膜層、及び第2の誘電体層が積層された多層構造を備えている。第1の誘電体層は1.2〜1.8の比誘電率を有する。抵抗薄膜層は、220Ω/□〜380Ω/□のシート抵抗を有する。第1の誘電体層は、例えば超高分子ポリエチレン粒子を焼結させて作製した多孔質体であり、第2の誘電体層は、例えば、ポリカーボネート(PC)のシート、又は、所定の熱可塑性ゴムに鱗片状黒鉛が添加されたシートである。電磁波反射層は、例えばアルミニウムのシートであり、第2の誘電体層と電磁波反射層であるアルミニウムのシートとは両面粘着シートによって積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−198179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、電磁波吸収体が貼り付けられる面の形状及び電磁波吸収体が使用されうる環境の温度について具体的に検討されていない。
【0006】
そこで、本発明は、曲面に貼り付けられた状態で高温(例えば、80℃〜125℃)で使用されても電磁波吸収体を構成する層同士が剥がれにくい電磁波吸収体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
抵抗層と、
前記抵抗層の一方の主面に接している誘電体層と、
前記抵抗層のシート抵抗よりも低いシート抵抗を有し、前記抵抗層との間に前記誘電体層が位置するように配置されている導電層と、を備え、
10mmの高さ及び20mmの幅を有する矩形状に前記抵抗層と前記誘電体層との界面を形成して、125℃において0.98Nのせん断力を前記界面に対して高さ方向に5分間加えたときに、前記抵抗層と前記誘電体層との間の高さ方向における相対的な変位が10mm未満である、
電磁波吸収体を提供する。
【0008】
また、本発明は、
300mm以下の曲率半径を有する曲面を含む被着体と、
前記導電層が厚み方向において前記抵抗層よりも前記曲面の近くに位置している状態で前記曲面に貼り付けられている、上記の電磁波吸収体と、を備えた、
電磁波吸収構造を提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記の電磁波吸収体によれば、電磁波吸収体が曲面に貼り付けられた状態で高温で使用されても電磁波吸収体を構成する層同士が剥がれにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の電磁波吸収体の一例を示す断面図である。
図2A図2Aは、本発明の電磁波吸収構造の一例を示す側面図である。
図2B図2Bは、本発明の電磁波吸収構造の別の一例を示す側面図である。
図3A図3Aは、せん断定荷重試験を模式的に説明する図である。
図3B図3Bは、せん断定荷重試験後の試験片の様子の一例を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、下記の説明は、本発明を例示的に説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるわけではない。
【0012】
電磁波吸収体を曲面に貼り付けることができれば、電磁波吸収体の用途が広がる。電磁波吸収体の用途の一例として、自動車に搭載されている衝突防止システムを挙げることができる。従来の衝突防止システムのミリ波レーダは、自動車の前方にミリ波を照射することが多く、電磁波吸収体は平坦な面に貼り付けられることが多い。しかし、自動車の斜め前方又は斜め後方にもミリ波を照射して障害物を検出できれば、自動車の走行の安全性をより高めることができる。そこで、ミリ波レーダを自動車のコーナー部に配置することが考えられる。この場合、電磁波障害を防止するためにバンパー等の自動車の部品の端部に電磁波吸収体を貼り付けることが望ましく、曲面に貼り付けるのに有利な電磁波吸収体に対する需要が高まると予想される。なお、自動車における衝突防止システムは、電磁波吸収体の用途の一例にすぎない。
【0013】
電磁波吸収体を曲面に貼り付けると、電磁波吸収体に曲げ応力が加わる。この曲げ応力により、電磁波吸収体を構成する層同士が剥離する可能性がある。このような剥離により、電磁波吸収体が所望の特性を発揮できない可能性がある。このため、このような剥離を抑制するための技術が必要である。また、電磁波吸収体の環境は、場合によっては、高温(例えば、80℃〜125℃)になることもある。例えば、自動車における衝突防止システムに電磁波吸収体を適用する場合、自動車から発生する排熱又は夏季における日射により、電磁波吸収体は高温の環境に曝される可能性がある。高温環境において電磁波吸収体に曲げ応力が加わると、電磁波吸収体を構成する層同士がより一層剥離しやすいと考えられる。
【0014】
従来、電磁波吸収体を曲面に貼り付けて高温環境で使用することは想定されていない。例えば、特許文献1に記載の技術において、第2の誘電体層がPCのシートである場合、電磁波吸収体は曲面に貼り付けるのに適した屈曲性を有しにくいと考えられる。PCのシートは、一般に高い剛性を有するので曲がりにくい。このため、PCのシートを曲面に設置する場合、その反発力により曲面に貼り付けた状態を保つことが非常に困難である。また、特許文献1に記載の技術において、電磁波吸収体を構成する層同士が両面粘着シート(両面粘着テープ)によって接合されている。両面粘着テープに使用されている粘着剤は、高温において軟化しやすく、電磁波吸収体が曲面に貼り付けられた状態では高温において十分な接着性を発揮できない可能性がある。具体的には、両面粘着テープの粘着剤の凝集力の低下に伴い、電磁波吸収体に浮き又は剥がれが発生してしまい、長期的に電磁波吸収体の性能を保つことは極めて困難である。電磁波吸収体を構成する層同士の接着性を高めるために粘着剤の層を厚くすることも考えられる。しかし、この場合、電磁波吸収体を構成する層の厚みをさらに調節する必要がある。その結果、電磁波吸収体を構成する層同士の距離を調節しにくくなってしまう。具体的には、電磁波吸収体が曲面に貼り付けられた状態では、粘着剤の層の厚さが変化してしまうので、電磁波吸収体を構成する層同士の距離が変動し、電磁波吸収体が所望の電磁波吸収特性を発揮できない。そこで、本発明者らは、電磁波吸収体が曲面に貼り付けられた状態で高温(例えば、80℃〜125℃)で使用されても電磁波吸収体を構成する層同士が良好に接着され、かつ、層の厚み及び層同士の距離が変動しにくい技術について日夜検討を重ねた。その結果、本発明者らは、高温において軟化しにくく接着性に優れた材料によって誘電体層を形成することにより、誘電体層に別の層を積層する場合に誘電体層とは別に粘着テープ又は粘着剤の層を使用しなくても上記のような技術を提供できることを見出した。
【0015】
図1に示す通り、電磁波吸収体1は、抵抗層10と、誘電体層20と、導電層30とを備えている。誘電体層20は、抵抗層10の一方の主面に接している。導電層30は、抵抗層10のシート抵抗よりも低いシート抵抗を有し、抵抗層10との間に誘電体層20が位置するように配置されている。電磁波吸収体1は下記の基準(基準A)を満たしている。図3Aに示す通り、電磁波吸収体1を用いて、10mmの高さ及び20mmの幅を有する矩形状に形成された、抵抗層10と誘電体層20との界面Fを有する試験片を作成する。その後、125℃において0.98N(ニュートン)のせん断力Sをその界面Fに対して高さ方向に5分間かけたときに、抵抗層10と誘電体層20との間の高さ方向における相対的な変位dが10mm未満である。図3A及び図3BにおいてXY平面が水平であり、Z軸負方向が鉛直下向き(重力方向)である。図3A及び図3Bにおいて、X軸は同一の方向を示し、Y軸はX軸に直交した別の同一の方向を示す。
【0016】
電磁波吸収体1において、上記の変位dは、望ましくは8mm未満であり、より望ましくは5mm未満である。
【0017】
電磁波吸収体1において、誘電体層20は、抵抗層10の一方の主面に接しており、電磁波吸収体1に曲げ応力がかかると、誘電体層20と抵抗層10との界面にはせん断力が生じる。このため、高温において上記の試験片における誘電体層20と抵抗層10との界面Fに所定のせん断力Sをかけることにより、電磁波吸収体1が曲面に貼り付けられた状態において高温で使用された場合の誘電体層20と抵抗層10との剥離のしにくさを定量的に評価できる。電磁波吸収体1において、誘電体層20と抵抗層10との剥離のしにくさは上記の基準Aを満たすので、電磁波吸収体1が曲面に貼り付けられた状態で高温において使用されても誘電体層20と抵抗層10とが剥がれにくく、電磁波吸収体1が所望の特性を発揮しやすい。
【0018】
誘電体層20において、誘電体層20と抵抗層10とを接合するために、両面粘着テープ又は粘着剤の薄層(例えば、5μm〜50μmの厚みの層)が誘電体層20の表面には配置されていない。このため、電磁波吸収体1の製造工程を簡素化できる。誘電体層20は、例えば、誘電体層20の内部に界面を有しない単一の層として形成されている。
【0019】
電磁波吸収体1は、典型的には、抵抗層10の表面で反射された電磁波と導電層30の表面で反射された電磁波とを干渉させるλ/4型の電磁波吸収体である。λ/4型の電磁波吸収体において、誘電体層の厚みt及び誘電体層の比誘電率εrと、電磁波吸収体によって吸収される電磁波の波長λ0との間には以下の式(1)に示す関係がある。
λ0=4t×sqrt(εr) (1)
【0020】
誘電体層20の厚みは、例えば、300μm〜800μmであり、望ましくは400〜700μmであり、より望ましくは500μm〜650μmである。この場合、電磁波吸収体1は、ミリ波の電磁波を吸収しやすく、特に60GHz〜90GHzの周波数帯域の電磁波に対し、所望の吸収特性(例えば、20dB以上の電磁波吸収量が発揮される周波数帯域の帯域幅が2GHz以上)を発揮しやすい。
【0021】
誘電体層20は、例えば、1〜20の比誘電率を有する高分子シートである。これにより、誘電体層20の厚みを所望の範囲に調整しやすい。
【0022】
誘電体層20である高分子シートは、例えば、所定の樹脂組成物を主成分として含有している。この場合、電磁波吸収体1が被着体の曲面に沿って変形しやすく、電磁波吸収体1を曲面に貼り付けやすい。高分子シートは、例えば、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリルウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及びシリコーン系樹脂から選ばれる1つを主成分として含有している。本明細書において、主成分とは質量基準で最も多く含まれる成分を意味する。曲面に貼り付けられた電磁波吸収体1において誘電体層20から抵抗層10が剥がれることを抑制する観点から、誘電体層20が高温において軟化又は溶融しにくく、かつ、柔軟で密着性に優れていることが望ましい。このため、高分子シートは、望ましくはエラストマーを主成分として含有しており、より望ましくは、アクリル系エラストマー又はウレタン系エラストマーを主成分として含有している。
【0023】
高分子シートは、主成分の種類によっては、主成分のみを含有していてもよい。例えば、高分子シートの主成分がアクリル系エラストマーである場合、高分子シートがアクリル系エラストマーのみでできていても誘電体層20が高い接着性を発揮し、電磁波吸収体1が上記の基準Aを満たす。アクリル系エラストマーは、例えば、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体である。このようなアクリル系エラストマーとしては、例えば、クラレ社製のクラリティ(登録商標)LA2330を使用できる。クラリティLA2330は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)‐ポリブチルアクリレート(PBA)‐PMMAトリブロック共重合体である。このほか、アクリル系エラストマーとしては、DuPont社のVamac(登録商標)、ARKEMA社のNanostrength(登録商標)、又はカネカ社のNABSTAR(登録商標)を使用できる。
【0024】
高分子シートの主成分の軟化点は、高温での保持性の観点から、例えば50〜200℃であり、望ましくは80〜200℃である。高分子シートの主成分の軟化点は、例えば日本工業規格JIS K 7206 に準拠して測定できる。また、これらのエラストマーは、高分子シートにおいて、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0025】
高分子シートは、粘着付与剤をさらに含有していてもよい。これにより、誘電体層20が高温において高い接着性を有し、電磁波吸収体1が上記の基準Aを満たす。高分子シートにおける粘着付与剤の含有率は、例えば5質量%〜50質量%であり、望ましくは5質量%〜40質量%であり、より望ましくは10質量%〜30質量%である。高分子シートにおける粘着付与剤の含有率が上記の範囲であれば、高温でも高い粘着性能が発揮される。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、及びキシレン樹脂が挙げられる。ロジン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂、又は重合ロジンである。テルペン系樹脂は、特に限定されないが、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、又は水添テルペン樹脂である。
【0026】
粘着付与剤の軟化点は、高温での保持性の観点から、例えば20〜150℃であり、望ましくは50〜100℃である。粘着付与剤の軟化点は、例えばJIS K 2531に準拠して測定できる。これらの粘着付与剤は、高分子シートにおいて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0027】
高分子シートの主成分は架橋していてもよい。これにより、電磁波吸収体1が上記の基準Aを満たす。この場合、主成分は架橋可能な高分子である限り特に制限されないが、例えばEVAである。この場合、EVAに架橋剤及び架橋助剤等の添加剤を加えて高分子シートの予備成形体を成形する。その後、この予備成形体の環境を所定の温度に保って予備成形体を所定期間加熱する。これにより、主成分が架橋している高分子シートを製造できる。
【0028】
抵抗層10は、電磁波をその表面で反射しつつ電磁波を電磁波吸収体10の内部に透過させる特性を有する。抵抗層10は、例えばインジウム、スズ、及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1つの金属元素を含有している金属酸化物、導電性高分子、又はカーボンナノチューブを含んでいる。これにより、抵抗層10が所望の特性を発揮できる。金属酸化物としては、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)を使用できる。導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール、又はポリアニリン等の高分子を使用できる。
【0029】
抵抗層10のシート抵抗は、例えば200〜600Ω/□であり、望ましくは300〜500Ω/□である。これにより、抵抗層10が所望の特性を発揮できる。抵抗層10の厚みは、例えば10μm〜250μmであり、望ましくは10μm〜190μmであり、より望ましくは20μm〜150μmである。これにより、電磁波吸収体10が曲面に沿って曲がりやすく、電磁波吸収体10を曲面に貼り付けやすい。
【0030】
導電層30は、電磁波を電磁波吸収体1の裏面近傍で反射させる特性を有する。導電層30のシート抵抗は、例えば1.0×10-7Ω/□〜20Ω/□であり、望ましくは1.0×10-7Ω/□〜10Ω/□である。これにより、導電層30が所望の特性を発揮できる。導電層10の厚みは、例えば10μm〜250μmであり、望ましくは10μm〜190μmであり、より望ましくは20μm〜150μmである。これにより、電磁波吸収体10が曲面に沿って曲がりやすく、電磁波吸収体10を曲面に貼り付けやすい。
【0031】
導電層30は、例えば、インジウム、スズ、及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1つの金属元素を含有している金属酸化物、導電性粒子、金属ナノワイヤー、メタルメッシュ、及び金属箔のいずれか1つを含む。これにより、導電層30が所望のシート抵抗を有する。導電性粒子としては、例えば金属、合金、又はカーボンでできた粒子を使用できる。金属ナノワイヤーは、ナノメートルスケールの直径を有する銀などの金属でできたワイヤーである。導電層30が金属ナノワイヤーを含む場合、導電層30において金属ナノワイヤー同士が絡み合っている。金属箔としては、例えばアルミニウム箔を使用できる。
【0032】
図1に示す通り、電磁波吸収体1は、例えば、抵抗層10に接している第一支持体40a及び導電層30に接している第二支持体40bの少なくとも1つをさらに備えている。これにより、第一支持体40aによって抵抗層10を支持でき、又は、第二支持体40bによって導電層30を支持できる。電磁波吸収体1は、第一支持体40a及び第二支持体40bを備えていてもよいし、第一支持体40a及び第二支持体40bのいずれか一方のみを備えていてもよい。第一支持体40a及び第二支持体40bはそれぞれ、例えば、平坦な面を有するシート又はフィルムである。
【0033】
第一支持体40a及び第二支持体40bのそれぞれは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、及びポリ塩化ビニリデンからなる群から選ばれた少なくとも1つによってできている。
【0034】
図2Aに示す通り、電磁波吸収体1を用いて電磁波吸収構造100を製造できる。電磁波吸収構造100は、被着体70aと、電磁波吸収体1とを備えている。被着体70aは、300mm以下の曲率半径を有する曲面を含む。また、電磁波吸収体1は、導電層30が厚み方向において抵抗層10よりも曲面の近くに位置している状態で曲面に貼り付けられている。電磁波吸収体1は、例えば両面粘着テープ又は粘着剤の薄層等の粘着層50によって被着体70aに貼り付けられている。また、電磁波吸収体1は凹面状の曲面に沿って貼り付けられている。
【0035】
図2Bに示す通り、電磁波吸収体1を用いて電磁波吸収構造200を製造できる。電磁波吸収構造200は、被着体70bと、電磁波吸収体1とを備えている。被着体70bは、300mm以下の曲率半径を有する曲面を含む。また、電磁波吸収体1は、導電層30が厚み方向において抵抗層10よりも曲面の近くに位置している状態で曲面に貼り付けられている。電磁波吸収体1は、例えば両面粘着テープ又は粘着剤の薄層等の粘着層50によって被着体70bに貼り付けられている。また、電磁波吸収体1は凸面状の曲面に沿って貼り付けられている。
【0036】
電磁波吸収構造100及び電磁波吸収構造200は、上記の基準Aを満たす電磁波吸収体1が曲面に貼り付けられているので、電磁波吸収構造100及び電磁波吸収構造200が高温環境で使用されても、抵抗層10と誘電体層20とが剥離しにくい。このため、電磁波吸収構造100及び電磁波吸収構造200が所望の電磁波吸収性能を発揮しやすい。
【0037】
電磁波吸収体1の製造方法の一例について説明する。誘電体層20は、例えば誘電体層20の原料を所定の温度でプレス成形することにより製造される。プレス成形の条件は、誘電体層20が所望の厚みを有するように調整される。誘電体層20の原料は、例えば、高分子シートの主成分として上記で説明した材料又はこの材料に必要に応じて粘着付与剤又は架橋剤等の添加剤を添加して混ぜ合わせた混合物である。
【0038】
抵抗層10は、例えば第一支持体40aの表面に形成される。この場合、スパッタリング、蒸着、及び塗布等の手法によって抵抗層10を第一支持体40aの表面に形成できる。
【0039】
導電層30は、例えば第二支持体40bの表面に形成される。この場合、スパッタリング、蒸着、及び塗布等の手法によって導電層30を第一支持体40bの表面に形成してもよいし、第二支持体40bに金属箔が積層された複合フィルムを使用してもよい。
【0040】
電磁波吸収体1は、例えば、第一支持体40a上に形成された抵抗層10を誘電体層20の一方の主面に接触させて貼り付けるとともに第二支持体40b上に形成された導電層30を誘電体層20の他方の主面に接触させて貼り付けることによって製造される。なお、誘電体層20の主成分を架橋させる場合、例えば、誘電体層20の一方の主面に抵抗層10を貼り付け、かつ、誘電体層20の他方の主面に導電層30を貼り付けた状態で、この積層体の環境を所定の温度に保って積層体を所定期間加熱する。
【実施例】
【0041】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0042】
(実施例1)
2.55の比誘電率を有するアクリル系エラストマー(クラレ社製、クラリティLA2330)を120℃でプレス成形して、560μmの厚みを有するシート状の誘電体層を作製した。7μmの厚みのアルミニウム箔と9μmの厚みのPETフィルムとが積層された複合フィルム(UACJ社製)を準備し、誘電体層の一方の主面に7μmの厚みのアルミニウム箔が接触するように複合フィルムを貼り付けた。このようにして、アルミニウム箔である導電層を誘電体層に積層した。次に、38μmの厚みを有するPETフィルムの表面に380Ω/□のシート抵抗を有するようにスパッタリングによりITOからなる抵抗層を形成し、抵抗層フィルムを作製した。誘電体層の他方の主面にITOからなる抵抗層が接触するように抵抗層フィルムを貼り付けて実施例1に係る電磁波吸収体を作製した。
【0043】
(実施例2)
アクリル系エラストマーの代わりに、90重量部のアクリル系エラストマー(クラレ社製、クラリティLA2330)と10重量部の水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、YSポリスターUH115)とを均一に混合させた混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る電磁波吸収体を作製した。
【0044】
(実施例3)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、テルペンフェノール樹脂A(ヤスハラケミカル社製、YSポリスターTH130)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例3に係る電磁波吸収体を作製した。
【0045】
(実施例4)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、テルペンフェノール樹脂B(ヤスハラケミカル社製、YSポリスターK125)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例4に係る電磁波吸収体を作製した。
【0046】
(実施例5)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、ロジンエステルA(荒川化学工業社製、ペンセルD−125)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例5に係る電磁波吸収体を作製した。
【0047】
(実施例6)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、ロジンエステルB(荒川化学工業社製、ペンセルC)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例6に係る電磁波吸収体を作製した。
【0048】
(実施例7)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、ロジンエステルC(荒川化学工業社製、スーパーエステルA−115)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例7に係る電磁波吸収体を作製した。
【0049】
(実施例8)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、ロジンエステルD(荒川化学工業社製、パインクリスタルKE−359)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例8に係る電磁波吸収体を作製した。
【0050】
(実施例9)
水添テルペンフェノール樹脂の代わりに、クマロン樹脂(日塗化学社製、ニットレジンクマロンV−120)を使用した以外は実施例2と同様にして実施例9に係る電磁波吸収体を作製した。
【0051】
(実施例10)
アクリル系エラストマーの配合量を95重量部に変更し、かつ、ロジンエステルAの配合量を5重量部に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例10に係る電磁波吸収体を作製した。
【0052】
(実施例11)
アクリル系エラストマーの配合量を70重量部に変更し、かつ、ロジンエステルAの配合量を30重量部に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例11に係る電磁波吸収体を作製した。
【0053】
(実施例12)
90重量部のアクリル系エラストマー(クラレ社製、クラリティLA2330)に代えて、90重量部のEVA(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV250、比誘電率2.45)を使用した以外は、実施例5と同様にして実施例12に係る電磁波吸収体を作製した。
【0054】
(実施例13)
90重量部のアクリル系エラストマー(クラレ社製、クラリティLA2330)に代えて、90重量部のウレタン系エラストマー(東ソー社製、ミラクトランXN‐2001、比誘電率2.83)を使用した以外は、実施例5と同様にして実施例13に係る電磁波吸収体を作製した。
【0055】
(実施例14)
100重量部のEVA(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV250)に、0.3重量部の架橋剤(日本油脂社製、パーブチルE)と、1重量部の架橋助剤(日本化成社製、TAIC)とを添加し、ミキシングロールで混練して誘電体層の原料を得た。その後、誘電体層の原料を120℃でプレス成形して、560μmの厚みを有するシート状の誘電体層の予備成形体を作製した。7μmの厚みのアルミニウム箔と9μmの厚みのPETフィルムとが積層された複合フィルム(UACJ社製)を準備し、誘電体層の予備成形体の一方の主面にアルミニウム箔が接触するように複合フィルムを貼り付けた。次に、38μmの厚みを有するPETフィルムの表面に380Ω/□のシート抵抗を有するようにスパッタリングによりITOからなる抵抗層を形成し、抵抗層フィルムを作製した。誘電体層の予備成形体の他方の主面にITOからなる抵抗層が接触するように抵抗層フィルムを貼り付け、積層体を得た。この積層体を150℃の環境に10分間置いて加熱することによりEVAを架橋させて、実施例14に係る電磁波吸収体を作製した。
【0056】
(実施例15)
誘電体層の厚みを300μmに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例15に係る電磁波吸収体を作製した。
【0057】
(実施例16)
誘電体層の厚みを800μmに変更した以外は、実施例2と同様にして実施例16に係る電磁波吸収体を作製した。
【0058】
(比較例1)
アクリル系エラストマーに代えて、EVA(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックスEV250)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る電磁波吸収体を作製した。
【0059】
(比較例2)
アクリル系エラストマーに代えて、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)(三井化学社製、EPT3012P)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2に係る電磁波吸収体を作製した。
【0060】
(比較例3)
500μmの厚みを有するポリカーボネート(PC)のシート(帝人社製、パンライトシートPC−1151)の両主面に50μmの厚みを有する粘着シート(日東電工社製、CS9632)を貼り付け、誘電体層を作製した。7μmの厚みのアルミニウム箔と9μmの厚みのPETフィルムとが積層された複合フィルム(UACJ社製)を準備し、誘電体層の一方の主面にアルミニウム箔が接触するように複合フィルムを貼り付けた。次に、38μmの厚みを有するPETフィルムの表面に380Ω/□のシート抵抗を有するようにスパッタリングによりITOからなる抵抗層を形成し、抵抗層フィルムを作製した。誘電体層の他方の主面にITOからなる抵抗層が接触するように抵抗層フィルムを貼り付けて比較例3に係る電磁波吸収体を作製した。
【0061】
(せん断定荷重試験)
各実施例及び各比較例に係る電磁波吸収体を用いて、図3Aに示すような試験片を作製した。この試験片は、10mmの高さ及び20mmの幅を有する矩形状の、抵抗層10と誘電体層20との界面Fを有していた。加えて、この試験片において、導電層30を有する複合フィルムは50mm×50mmの正方形状に切り取られており、界面Fは正方形状の導電層30の一辺の中央に接して形成されていた。なお、抵抗層10は、界面Fから外側に延びている部分を有していた。0.8mmの厚みを有する鋼板70を準備し、鋼板70と誘電体層20との間に導電層30が位置するように導電層30を有する複合フィルムの一方の主面の全体を両面粘着テープ60(日東電工社製、No.5000N)によって鋼板70に貼り付けた。その後、試験片の環境温度を125℃に保ち、抵抗層10の界面Fから外側に延びている部分に100gのおもりを取り付け、界面Fに0.98Nのせん断力Sを高さ方向(Z軸負方向)に5分間作用させた。その後、図3Bに示すように、おもりが落下しなかった試験片について抵抗層10と誘電体層20との間の高さ方向における相対的な変位dを測定した。結果を表1に示す。表1に示す通り、各比較例に係る電磁波吸収体を用いて作製した試験片おいて、試験中におもりが落下した。一方、各実施例に係る電磁波吸収体を用いて作製した試験片において、試験中におもりが落下せず、上記の変位dは10mm未満であった。このため、各実施例に係る電磁波吸収体は、曲面に貼り付けられた状態で高温に曝されても、誘電体層と抵抗層とが剥離しにくく、所望の電磁波吸収特性を発揮しやすいことが示唆された。
【0062】
(試験A)
各実施例及び各比較例に係る電磁波吸収体から25mmの幅及び150mmの長さを有する試験体を切り取った。また、300mmの曲率半径を有する凹面が形成された厚さ0.8mmの鋼板を準備した。導電層が厚み方向において抵抗層よりも凹面の近くに位置しているように試験体を両面粘着テープ(日東電工社製、No.5000NS)で鋼板の凹面に貼り付けた。その後、試験体を100℃の環境に1時間置いた。その後、試験体の抵抗層の浮き及び剥がれの有無を目視により確認した。結果を表1に示す。なお、試験Aにおける評価基準は以下の通りである。
a:抵抗層の浮き及び剥がれがない。
b:抵抗層の浮き及び剥がれがある。
【0063】
(試験B)
多くの実施例及び各比較例に係る電磁波吸収体から25mmの幅及び100mmの長さを有する試験体を切り取った。また、50mmの曲率半径を有する凸面が形成された厚さ0.8mmの鋼板を準備した。導電層が厚み方向において抵抗層よりも凸面の近くに位置しているように試験体を両面粘着テープ(日東電工社製、No.5000N)で鋼板の凸面に貼り付けた。その後、試験体を100℃の環境に1時間置いた。その後、試験体の抵抗層の端部の剥がれの有無を目視により確認した。結果を表1に示す。なお、試験Bにおける評価基準は以下の通りである。
a:抵抗層の端部の剥がれがない。
b:抵抗層の端部の一部に剥がれがある。
c:抵抗層の端部に剥がれがある。
【0064】
実施例2〜10、14〜16に係る電磁波吸収体の試験体は、試験A及び試験Bにおいて剥がれなく、良好な特性を有していた。実施例1、11〜13に係る電磁波吸収体の試験体は、試験Bにおいて一部端部で剥がれがみられたが、使用可能な範囲の特性を有していた。
【0065】
【表1】
【符号の説明】
【0066】
1 電磁波吸収体
10 抵抗層
20 誘電体層
30 導電層
40a 第一支持体
40b 第二支持体
70a、70b 被着体
100、200 電磁波吸収構造
F 界面
S せん断力
図1
図2A
図2B
図3A
図3B