(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向において前記荷物の第1集積部と、前記ロボット装置の間に併設され、前記第2方向で前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第2コンベアと、
前記第1集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第2コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する制御部と、
を備えた搬送システム。
前記ロボット装置に対して前記第2コンベアとは反対側で前記ロボット装置に対して併設され、前記第2方向で前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第3コンベアをさらに備え、
前記制御部は、前記荷物の第2集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第3コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する、
請求項1に記載の搬送システム。
前記制御部は、前記荷物が第1条件を満たさない場合、荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第4コンベアに前記荷物を載せるように前記ロボット装置を制御する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の搬送システム。
前記制御部は、前記荷物が第1条件を満たさない場合、前記第2コンベアを逆回転させることで、前記第2コンベアに載せられた前記荷物を、荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第4コンベアに搬送するように前記第2コンベアを制御する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の搬送システム。
前記第1コンベアに対して併設され、前記第1コンベアに近付くに従い高さが低くなるように傾斜して前記第1コンベアに供給される前記荷物が載せられる傾斜台をさらに備えた、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の搬送システム。
前記傾斜台は、第1部分と、前記第1部分よりも前記第1コンベアから離れた第2部分とを有し、水平面に対する前記第2部分の傾斜は、前記水平面に対する前記第1部分の傾斜よりも大きい、
請求項7に記載の搬送システム。
前記制御部は、前記荷物が第2条件を満たす場合、前記傾斜台の上方で前記荷物が前記傾斜台に沿う方向に向けて傾けられた状態で前記荷物に対する保持を解除するように前記ロボット装置を制御する、
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の搬送システム。
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向において前記荷物の集積部と、前記ロボット装置の間に併設され、前記第1コンベアから受け取る前記荷物を前記第1コンベアから離れる方向に搬送する第2コンベアと、
前記第2コンベアによって搬送された前記荷物を前記集積部に搬送するように前記ロボット装置を制御する制御部と、
を備えた搬送システム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の搬送システムを、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の検出結果や設定値、指標、物理量、その他の情報)である。
【0008】
また、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、およびZ方向について先に定義する。+X方向、−X方向、+Y方向、および−Y方向は、水平面に沿う方向である。−X方向は、+X方向とは反対の方向である。+X方向と−X方向とを区別しない場合は、単にX方向と称する。+Y方向および−Y方向は、X方向とは交差する(例えば略直交する)方向である。−Y方向は、+Y方向とは反対の方向である。+Y方向と−Y方向とを区別しない場合は、単にY方向と称する。Z方向は、鉛直方向である。X方向は、「第1方向」の一例である。Y方向は、「第2方向」の一例である。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の搬送システム1が設置される設置環境の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態の搬送システム1を示す平面図である。本実施形態の搬送システム1は、物流センターなどに設置され、例えば荷物が収容された容器から、荷物を排出するコンベアへ荷物を搬送する荷下ろし装置である。
図1に示すように、搬送システム1が設置される設置環境は、例えば、メインコンベアMC、第1集積体配置領域A1、第2集積体配置領域A2、および荷物回収領域A3を有する。
【0010】
メインコンベアMCは、例えば、X方向に沿って延びている。メインコンベアMCは、メインコンベアMCの上に載せられた荷物Pを、+X方向に搬送する。本実施形態では、メインコンベアMCは、搬送システム1によって荷下ろしされた荷物Pを、下流側の工程に排出する排出コンベアである。
【0011】
第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2は、互いにX方向に所定の距離を空けて配置されている。ここで、「領域」とは、面を意味し、例えば後述する容器Cが置かれる載置面を意味する。第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2の各々は、メインコンベアMCに対してY方向で併設される。第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2の各々には、複数の荷物Pが収容された容器(荷物容器)Cが外部から搬入される。第1集積体配置領域A1に配置された容器Cは、「第1集積部」の一例である。第2集積体配置領域A2に配置された容器Cは、「第2集積部」の一例である。また、容器Cに収容された複数の荷物Pは、「荷物の集積体」と称されてもよい。容器Cは、例えば、ボックスパレットまたはその他のパレットである。ただし、容器Cは、荷物Pが収容または載置可能なものであればよく、上記例に限定されない。
【0012】
本実施形態では、容器Cは、上方から見た場合、第1側壁Ca、第2側壁Cb、および後壁Ccを有するとともに、前面部を開放させる開口部Cdを有する。本願でいう「壁」(例えば、第1側壁Ca、第2側壁Cb、または後壁Cc)とは、板状の壁に限らず、例えば柵や格子のような仕切りを含む。容器Cは、第1集積体配置領域A1と第2集積体配置領域A2との間の領域Sに開口部Cdを向けるようにして、第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2の各々に配置される。すなわち、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cの内部は、開口部Cdを通じて、+X方向に開放されている。一方で、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cの内部は、開口部Cdを通じて、−X方向に開放されている。
【0013】
荷物回収領域A3は、第1集積体配置領域A1と第2集積体配置領域A2との間の領域Sに対して、メインコンベアMCとは反対側に位置する。荷物回収領域A3には、回収容器RCが配置される。回収容器RCは、「荷物回収部」の一例である。回収容器RCには、容器Cに収容された複数の荷物Pのなかで、所定の条件(第1条件)を満たさない荷物Pが回収される。「所定の条件を満たさない」とは、例えば、荷物Pが、メインコンベアMCの下流側の工程で取り扱うことができないサイズ、重さ、または種類などに該当する場合である。本実施形態では、荷物Pのサイズ(例えば荷物Pのなかの最大寸法)が所定の大きさを超える場合に、荷物Pが前記所定の条件を満たさない荷物として取り扱われる例を取り上げて説明する。
【0014】
次に、本実施形態の搬送システム1について説明する。
図1に示すように、搬送システム1は、例えば、検出部100、ロボット装置200、第1サブコンベア300A、第2サブコンベア300B、排除コンベア400、制御部500(
図2参照)、および記憶部600(
図2参照)を有する。なお以下の説明において、第1サブコンベア300Aと第2サブコンベア300Bとを区別しない場合は、単にサブコンベア300と称する場合がある。
【0015】
検出部100は、例えば、第1上部カメラ110(
図2参照)、第1側部カメラ120、第2上部カメラ130(
図2参照)、および第2側部カメラ140を有する。
【0016】
第1上部カメラ110は、第1集積体配置領域A1の上方に配置される。第1上部カメラ110は、第1集積体配置領域A1に配置された容器C内の複数の荷物Pを上方から撮影する。すなわち、第1上部カメラ110は、複数の荷物Pの上面を撮影する。一方で、第1側部カメラ120は、平面視において、例えば、第1集積体配置領域A1に対してX方向に並ぶ。第1側部カメラ120は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cからロボット装置200によって取り出された(持ち上げられた)荷物Pの側面を撮影する。なお、ここで言う「側面」とは、「上面および下面とは異なる面」の意味で用いられている。第1上部カメラ110および第1側部カメラ120によって検出された情報は、制御部500に送られ、前記所定の条件の判定に用いられる。例えば、検出部100は、第1上部カメラ110によって撮影された画像または映像から、荷物PのX方向、およびY方向の長さの情報を取得し、第1側部カメラ120によって撮影された画像または映像から、荷物PのZ方向の長さの情報を取得する。第1上部カメラ110および第1側部カメラ120の各々は、荷物Pのサイズに関する情報を検出する検出装置の一例である。
【0017】
同様に、第2上部カメラ130は、第2集積体配置領域A2の上方に配置される。第2上部カメラ130は、第2集積体配置領域A2に配置された容器C内の複数の荷物Pを上方から撮影する。すなわち、第2上部カメラ130は、複数の荷物Pの上面を撮影する。一方で、第2側部カメラ140は、平面視において、例えば、第2集積体配置領域A2に対してX方向に並ぶ。第2側部カメラ140は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cからロボット装置200によって取り出された(持ち上げられた)荷物Pの側面を撮影する。第2上部カメラ130および第2側部カメラ140によって検出された情報は、制御部500に送られ、前記所定の条件の判定に用いられる。例えば、検出部100は、第2上部カメラ130によって撮影された画像または映像から、荷物PのX方向、およびY方向の長さの情報を取得し、第2側部カメラ140によって撮影された画像または映像から、荷物PのZ方向の長さの情報を取得する。第2上部カメラ130および第2側部カメラ140は、荷物Pのサイズに関する情報を検出する検出装置の一例である。
【0018】
なお、荷物Pのサイズに関する情報を検出する検出装置は、上記例に限定されない。荷物Pのサイズに関する情報を検出する検出装置は、例えば、レーザレンジファインダや、その他の各種センサを適宜適用することができる。
【0019】
また、前記所定の条件の判定が荷物Pの重さに基づき行われる場合は、検出部100は、荷物Pの重さを検出するための重量計150(
図2参照)を有してもよい。重量計150は、例えば、第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2に設けられ、ロボット装置200によって荷物Pが持ち上げられた場合に変化する容器Cの重さを検出することで、荷物Pの重さに関する情報を取得してもよい。これに代えて、重量計150は、ロボット装置200の内部または下方に設けられ、ロボット装置200によって荷物Pが持ち上げられた場合にロボット装置200に作用する荷重を検出することで、荷物Pの重さに関する情報を取得してもよい。また、重量計150は、第1サブコンベア300Aおよび第2サブコンベア300Bの下方に設けられて、第1サブコンベア300Aまたは第2サブコンベア300Bに荷物Pが載せられた場合に、荷物Pが載せられることで変化する第1サブコンベア300Aまたは第2サブコンベア300Bの重さを検出することで、荷物Pの重さに関する情報を取得してもよい。
【0020】
ロボット装置200は、保持部210と、アーム220とを有する。
保持部210は、例えば、1つ以上の吸着パッド211(
図12参照)を有する。吸着パッド211には、吸着パッド211を真空吸引するポンプが例えばホースなどを介して接続されている。保持部210は、荷物Pに対して吸着パッド211が押し当てられた状態で吸着パッド211が吸引されることで荷物Pを保持することができる。なお、保持部210は、上記例に限定されず、荷物Pを挟み持つ機構や、その他の機構によって荷物Pを保持するものでもよい。
【0021】
アーム220は、例えば多関節アームであり、複数のアーム部材と、複数のアーム部材を回動可能に連結する連結部とを有する。アーム220の先端部は、保持部210に接続され、保持部210を支持している。アーム220は、制御部500によって入力されるX方向、Y方向、Z方向の座標に基づき、3次元空間の所望の位置に保持部210を移動させることができる。アーム220は、保持部210を移動させることで、保持部210によって保持された荷物Pを搬送する。
【0022】
ロボット装置200は、メインコンベアMCに対してY方向で併設される。ロボット装置200は、X方向において、第1集積体配置領域A1と第2集積体配置領域A2との間の略中央部に位置する。ロボット装置200は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cの内部に保持部210を移動させ、容器Cの内部で荷物Pを保持して持ち上げることができる。これにより、ロボット装置200は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cに集積された荷物Pの荷下ろしを行うことができる。ロボット装置200は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから取り出した荷物Pを、第1サブコンベア300Aの上に載せる。
【0023】
同様に、ロボット装置200は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cの内部に保持部210を移動させ、容器Cの内部で荷物Pを保持して持ち上げることができる。これにより、ロボット装置200は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cに集積された荷物Pの荷下ろしを行うことができる。ロボット装置200は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cの内部から取り出した荷物Pを、第2サブコンベア300Bの上に載せる。
【0024】
第1サブコンベア300Aは、X方向において、第1集積体配置領域A1(すなわち、第1集積体配置領域A1に配置された容器C)と、ロボット装置200との間に位置する。第1サブコンベア300Aは、ロボット装置200に対してX方向で併設される。第1サブコンベア300Aは、Y方向に沿って延びている。第1サブコンベア300Aは、メインコンベアMCに対して+Y方向で面する第1端部300Aaを有する。第1サブコンベア300Aは、第1サブコンベア300Aの上に載せられた荷物Pを、+Y方向に搬送する。第1サブコンベア300Aは、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cからロボット装置200によって取り出された荷物Pを、ロボット装置200から受け取る。第1サブコンベア300Aは、ロボット装置200から受け取った荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送する。第1サブコンベア300Aは、メインコンベアMCに向けて搬送した荷物PをメインコンベアMCに送り出す。
【0025】
第2サブコンベア300Bは、X方向において、第2集積体配置領域A2(すなわち、第2集積体配置領域A2に配置された容器C)と、ロボット装置200との間に位置する。すなわち、第2サブコンベア300Bは、ロボット装置200に対して第1サブコンベア300Aとは反対側でロボット装置200に対して併設される。第2サブコンベア300Bは、Y方向に沿って延びている。第2サブコンベア300Bは、メインコンベアMCに対して+Y方向で面する第1端部300Baを有する。第2サブコンベア300Bは、第2サブコンベア300Bの上に載せられた荷物Pを、+Y方向に搬送する。第2サブコンベア300Bは、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cからロボット装置200によって取り出された荷物Pを、ロボット装置200から受け取る。第2サブコンベア300Bは、ロボット装置200から受け取った荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送する。第2サブコンベア300Bは、メインコンベアMCに向けて搬送した荷物PをメインコンベアMCに送り出す。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、第1集積体配置領域A1、第1サブコンベア300A、第2集積体配置領域A2、および第2サブコンベア300Bは、ロボット装置200を中心として対称に配置されている。
【0027】
サブコンベア300は、サブコンベア300が設置される設置面に対してサブコンベア300の本体部を持ち上げるリフト機構(不図示)を有する。これにより、サブコンベア300がロボット装置200に対して併設された場合であっても、ロボット装置200の保守時にロボット装置200に対するアクセスが容易になる。
【0028】
排除コンベア400は、ロボット装置200に対して、メインコンベアMCとは反対側に位置する。排除コンベア400は、Y方向に沿って延びている。排除コンベア400は、荷物回収領域A3(すなわち、荷物回収領域A3に配置される回収容器RC)に向けて延びている。排除コンベア400は、排除コンベア400の上に載せられた荷物Pを、回収容器RCに向けて搬送する。排除コンベア400は、回収容器RCに向けて搬送した荷物Pを回収容器RCの内部に送り出す。
【0029】
以上説明した、メインコンベアMC、第1サブコンベア300A、第2サブコンベア300B、および排除コンベア400は、1つの観点では、「第1コンベア」、「第2コンベア」、「第3コンベア」、および「第4コンベア」の一例である。また別の観点では、メインコンベアMC、第1サブコンベア300A、および排除コンベア400は、「第1コンベア」、「第2コンベア」、および「第3コンベア」の一例である。なお、メインコンベアMC、第1サブコンベア300A、第2サブコンベア300B、および排除コンベア400は、それぞれ、ベルトコンベアでもよいし、複数の回転ローラによって形成されたローラコンベアでもよいし、その他の種類のコンベアであってもよい。
【0030】
図2は、本実施形態の搬送システム1のシステム構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部500は、検出部100に含まれる各検出装置、ロボット装置200、第1サブコンベア300A、第2サブコンベア300B、排除コンベア400、および記憶部600と通信可能に接続されている。制御部500は、ロボット装置200、第1サブコンベア300A、第2サブコンベア300B、および排除コンベア400の動作に関する指示をこれら装置に送ることで、これら装置の動作を制御する。
【0031】
制御部500は、搬送システム1のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit))がプログラムを実行することで実現されるソフトウェア機能部である。ただし、制御部500の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア機能部とハードウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0032】
記憶部600は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部600には、前記所定の条件を含む各種判定に用いられる閾値が格納されている。
【0033】
次に、本実施形態の制御部500について詳しく説明する。
図2に示すように、制御部500は、例えば、情報取得部510、画像解析部520、選出部530、判定部540、ロボット駆動制御部550、サブコンベア駆動制御部560、および排除コンベア駆動制御部570を有する。
【0034】
情報取得部510は、検出部100(例えば、第1上部カメラ110、第1側部カメラ120、第2上部カメラ130、および第2側部カメラ140)が検出した情報を、検出部100から取得する。情報取得部510は、検出部100から取得した情報を、画像解析部520に出力する。
【0035】
画像解析部520は、検出部100によって取得された情報(画像または映像)を解析する。例えば、画像解析部520は、第1上部カメラ110によって撮影された画像または映像を解析することで、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cに収容された複数の荷物Pの位置および寸法を取得する。例えば、画像解析部520は、上方から見た場合の荷物Pの寸法(荷物Pの幅および奥行きの寸法)を取得する。また、画像解析部520は、第1側部カメラ120によって撮影された画像または映像を解析することで、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから持ち上げられた荷物Pの高さ寸法を取得する。
【0036】
同様に、画像解析部520は、第2上部カメラ130によって撮影された画像または映像を解析することで、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cに収容された複数の荷物Pの位置および寸法を取得する。例えば、画像解析部520は、上方から見た場合の荷物Pの寸法(荷物Pの幅および奥行きの寸法)を取得する。また、画像解析部520は、第2側部カメラ140によって撮影された画像または映像を解析することで、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから持ち上げられた荷物Pの高さ寸法を取得する。画像解析部520は、画像解析によって取得した荷物Pの位置情報を、選出部530およびロボット駆動制御部550に出力する。また、画像解析部520は、画像解析によって取得した荷物Pの寸法情報を、判定部540に出力する。
【0037】
選出部530は、画像解析部520によって取得された荷物Pの位置情報に基づき、第1集積体配置領域A1に配置された容器C(または、第2集積体配置領域A2に配置された容器C)のなかから優先して取り出す1以上の荷物Pを選出する。例えば、選出部530は、複数の荷物Pの重なり具合や容器Cに対するロボット装置200の位置などを総合的に考慮し、優先して取り出す荷物Pを選出する。「優先して」とは、取り出す順序が先であることを意味する。例えば、選出部530は、容器Cに収容された荷物Pのなかで最上部に位置する荷物P、または開口部Cdに近い荷物Pなどを優先して取り出す荷物Pとして選出する。選出部530は、選出した荷物P(以下、「ピッキング荷物P」と称することがある)を示す情報を、ロボット駆動制御部550に出力する。
【0038】
判定部540は、画像解析部520によって取得された荷物Pの寸法情報に基づき、ロボット装置200によって取り出された荷物Pが前記所定の条件(第1条件)を満たすか否かを判定する。例えば、判定部540は、荷物Pのなかの最大寸法と、記憶部600から読み出されたサイズに関する閾値とを比較し、荷物Pのなかの最大寸法が前記閾値未満であるか否かを判定する。判定部540は、荷物Pの最大寸法が前記閾値未満である場合、前記所定の条件を満たすとして、その荷物Pを取扱対象荷物と認定する。一方で、判定部540は、荷物Pの最大寸法が前記閾値以上である場合、前記所定の条件を満たさないとして、その荷物Pを取扱対象外荷物と認定する。判定部540は、前記所定の条件に関する判定結果を、ロボット駆動制御部550およびサブコンベア駆動制御部560に出力する。
【0039】
なお、検出部100および判定部540の構成および機能は、上記例に限定されない。例えば、検出部100は、第1側部カメラ120および第2側部カメラ140を有しなくてもよい。この場合、判定部540は、第1上部カメラ110および第2上部カメラ130により検出された情報(すなわち、荷物Pの上面の寸法)のみに基づき、前記所定の条件に関する判定処理を行ってもよい。
【0040】
ロボット駆動制御部550は、ロボット装置200の駆動を制御する。例えば、ロボット駆動制御部550は、画像解析部520によって取得された荷物Pの位置情報、および選出部530によって選出されたピッキング荷物Pを示す情報などに基づき、アーム220の軌道経路を計算する。そして、ロボット駆動制御部550は、保持部210によって荷物Pを保持し、アーム220を移動させることで第1集積体配置領域A1に配置された容器C(または、第2集積体配置領域A2に配置された容器C)から荷物Pを取り出すようにロボット装置200を制御する。
【0041】
また、ロボット駆動制御部550は、判定部540によって判定された判定結果に基づき、第1集積体配置領域A1に配置された容器C(または、第2集積体配置領域A2に配置された容器C)から取り出した荷物Pの移動先(載置先)を決定する。例えば、ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件を満たす場合(取扱対象荷物と認定される場合)、容器Cから取り出した荷物を容器Cから近いサブコンベア300(第1サブコンベア300Aまたは第2サブコンベア300B)の上に載せるようにロボット装置200を制御する。一方で、ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件が満たされない場合(取扱対象外荷物と認定される場合)、容器Cから取り出した荷物Pを排除コンベア400の上に載せるようにロボット装置200を制御する。
【0042】
ここで、
図3は、搬送システム1による荷物Pの搬送経路の一例を示す図である。
図3に示すように、第1サブコンベア300Aは、例えば、第1領域311と、第2領域312とを有する。第1領域311は、X方向で、容器Cの開口部Cdと並ぶ領域である。言い換えると、第1領域311は、容器Cの第1側壁Caおよび第2側壁Cbに邪魔されずに、容器Cの内部から荷物Pを移動させることができる領域である。本実施形態では、ロボット駆動制御部550は、荷物Pを容器Cから第1サブコンベア300Aの第1領域311に移すように(
図3中の(1)から(2)へ荷物Pを移動させるように)、ロボット装置200を制御する。このような荷物Pの搬送経路によれば、ロボット装置200によって、容器Cの第1側壁Caおよび第2側壁Cbを避けながら荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送する経路計算などが必要なくなる。このため、ロボット装置200の制御アルゴリズムを単純化することができる。なお、
図3は、第1サブコンベア300Aに関する例を取り上げて示すが、第2サブコンベア300Bについても同様である。
【0043】
サブコンベア駆動制御部560は、第1サブコンベア300Aおよび第2サブコンベア300Bの駆動を制御する。例えば、サブコンベア駆動制御部560は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cからロボット装置200が荷物Pを取り出す場合、第1サブコンベア300Aを駆動させる。なお、第1サブコンベア300Aは、第1サブコンベア300Aの上に荷物Pが実際に載せられた場合だけ駆動されてもよいし、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cに対してロボット装置200が荷物Pを取り出す作業を続ける間に亘って駆動され続けてもよい。例えば、サブコンベア駆動制御部560は、ロボット装置200によって第1サブコンベア300Aの第1領域311に載せられた荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送するように(
図3中の(2)から(3)へ荷物Pを移動させるように)、第1サブコンベア300Aを駆動する。
【0044】
同様に、サブコンベア駆動制御部560は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cからロボット装置200が荷物Pを取り出す場合、第2サブコンベア300Bを駆動させる。なお、第2サブコンベア300Bは、第2サブコンベア300Bの上に荷物Pが実際に載せられた場合だけ駆動されてもよいし、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cに対してロボット装置200が荷物Pを取り出す作業を続ける間に亘って駆動され続けてもよい。例えば、サブコンベア駆動制御部560は、ロボット装置200によって第2サブコンベア300Bの第1領域311に載せられた荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送するように、第2サブコンベア300Bを制御する。
【0045】
排除コンベア駆動制御部570は、排除コンベア400の駆動を制御する。例えば、排除コンベア駆動制御部570は、排除コンベア400の上に荷物Pが載せられる場合に駆動される。
【0046】
次に、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例について説明する。
図4は、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、検出部100は、容器C内の様子を検出する(S101)。本実施形態では、検出部100は、容器C内の画像または映像を撮影する。検出部100は、撮影された画像または映像を制御部500に送る。制御部500の画像解析部520は、検出部100から受け取る画像または映像を解析し、荷物Pの位置情報および寸法情報を取得する。
【0047】
次に、制御部500の選出部530は、画像解析部520の解析結果に基づき、容器Cの内部に荷物Pが残っているか否かを判定する(S102)。選出部530は、容器C内に荷物Pが残っていると判定した場合、容器C内にある荷物Pのなかから優先して取り出す1つ以上の荷物P(ピッキング荷物P)を決定する(S103)。そして、選出部530は、選出部530によって決定されたピッキング荷物Pを示す情報を、ロボット駆動制御部550に送る。ロボット駆動制御部550は、選出部530によって決定されたピッキング荷物Pに関する情報と、画像解析部520により取得された荷物Pの位置情報などに基づきロボット装置200の駆動を制御し、ピッキング荷物Pを容器Cから取り出す(S104)。そして、検出部100は、第1側部カメラ120(または第2側部カメラ140)によって撮影された画像または映像から、荷物PのZ方向の長さの情報を取得する(S105)。
【0048】
次に、判定部540は、ロボット装置200によって取り出された荷物Pが前記所定の条件を満たすか否かを判定する(S106)。そして、ロボット駆動制御部550は、ロボット装置200によって取り出された荷物Pが前記所定の条件を満たすと判定部540によって判定された場合、取り出した荷物Pを、荷物Pが取り出された容器Cに近いサブコンベア300の上に載せるようにロボット装置200を制御する(S107)。ロボット装置200によって荷物Pが載せられたサブコンベア300は、荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送し、荷物PをメインコンベアMCへ送り出す(S108)。
【0049】
一方で、ロボット駆動制御部550は、ロボット装置200によって取り出された荷物Pが前記所定の条件を満たさないと判定部540によって判定された場合、取り出した荷物Pを、排除コンベア400の上に載せるようにロボット装置200を制御する(S109)。そして、ロボット装置200によって荷物Pが載せられた排除コンベア400は、荷物Pを回収容器RCに向けて搬送し、荷物Pを回収容器RCへ送り出す。
【0050】
また、選出部530は、S102の処理において、容器Cの内部に荷物Pが残っていないと判定した場合、荷物Pが残っていないことを示す情報を、ロボット駆動制御部550およびサブコンベア駆動制御部560に出力する。この場合、ロボット駆動制御部550は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cおよび第2集積体配置領域A2に配置された容器Cのなかで、もう一方の容器Cに向けてロボット装置200を回転させる(S110)。そして、制御部500は、荷物Pが入った容器Cに対してS101からS109の動作を実行する。この間に、先の処理において空になった容器Cは、新しい荷物Pが入った容器Cに交換される。以上のような動作が、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cおよび第2集積体配置領域A2に配置された容器Cに対して交互に繰り返される。これにより、ロボット装置200のピッキング作業を中断することなく、荷物Pを処理することができ、搬送処理の高速化を図ることができる。
【0051】
以上のような構成の搬送システム1によれば、搬送処理の高速化を図ることができる。すなわち、本実施形態の搬送システム1は、ロボット装置200と、ロボット装置200に対して併設されてロボット装置200から受け取る荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送する第1サブコンベア300Aとを有する。このような構成によれば、容器Cに収容された荷物Pをロボット装置200によってメインコンベアMCに直接搬送する場合に比べて、ロボット装置200の移動距離を短くすることができる。これにより、容器Cから荷物Pを取り出す1回当たりの必要時間を短くすることができ、搬送処理の高速化を図ることができる。
【0052】
ここで比較例として、サブコンベア300を有しない搬送システムが既設のメインコンベアMCに対して追加的に設置される場合について考える。ここで、メインコンベアMCの位置や高さは、搬送システム1の設置環境によって様々である。そのため、本比較例の搬送システムでは、メインコンベアMCの位置や高さに応じてロボット装置200のアーム220の移動先の座標や軌道経路などを個別に設定する必要がある。
【0053】
一方で、本実施形態の搬送システム1は、第1サブコンベア300Aを有する。この場合、メインコンベアMCの位置や高さに合うように、第1サブコンベア300Aの長さや傾斜を設計することで、ロボット装置200の制御に関してメインコンベアMCの位置や高さを考慮しなくて良くなる。このため、搬送システム1の設置時の負担を低減することができる。また、本実施形態の構成によれば、メインコンベアMCには改造が必要ない。この観点でも搬送システム1の設置時の負担を低減することができる。さらに、第1サブコンベア300Aは、容器Cとロボット装置200との間の空間を利用して配置されるので、搬送システム1が使用するスペースが過大に大きくなることを避けることができる。
【0054】
本実施形態では、搬送システム1は、ロボット装置200に対して第1サブコンベア300Aとは反対側に位置して、ロボット装置200から受け取った荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送する第2サブコンベア300Bを備える。このような構成によれば、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cが空になった場合に、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから荷物Pをロボット装置200によって取り出すことができ、その間に第1集積体配置領域A1に配置された容器Cを、荷物Pが入った容器Cに置き換えることができる。第2集積体配置領域A2に配置された容器Cが空になった場合も同様である。これにより、いずれか一方の容器Cが空になった場合でも、ロボット装置200を停止させることなく動かし続けることができる。これにより、搬送処理の効率向上を図ることができる。
【0055】
本実施形態では、排除コンベア400がロボット装置200の後方に配置されている。このような構成によれば、第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2のいずれからの荷下ろし中にも、取扱対象外荷物を排除コンベア400に載せることができる。この観点でも、ロボット装置200を停止させることなく動かし続けることができ、搬送処理の効率向上を図ることができる。
【0056】
なお、第1の実施形態では、前記所定の条件(第1条件)が満たされない場合、荷物Pは、ロボット装置200によって排除コンベア400に搬送される例を説明した。これに代えて、例えば排除コンベア400が設けられていない場合は、荷物Pは、ロボット装置200によって荷物回収領域A3(例えば、荷物回収領域A3に配置された回収容器RC)に直接に搬送されてもよい。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、前記所定の条件(第1条件)が満たされない場合、第1サブコンベア300Aおよび第2サブコンベア300Bが逆回転されることで荷物Pが排除コンベア400に搬送される点で、第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0058】
図5は、本実施形態の搬送システム1を示す平面図である。
図5に示すように、本実施形態では、第1サブコンベア300Aは、第1端部300Aaと、第2端部300Abとを有する。第1端部300Aaは、メインコンベアMCに対して+Y方向で面する。第2端部300Abは、第1端部300Aaとは反対側に位置し、排除コンベア400に対して−Y方向で面する。言い換えると、排除コンベア400は、第1サブコンベア300Aに対してメインコンベアMCとは反対側に位置して第1サブコンベア300Aに対して併設される。また別の観点では、第1サブコンベア300Aは、Y方向に沿って直線状に延びた第1部分321と、第1部分321から折れ曲がり、排除コンベア400に向けて延びた第2部分322とを有する。第2部分322は、Y方向に対して傾斜して配置された複数のローラ(不図示)を有し、第1サブコンベア300Aの上に載せられた荷物Pを排除コンベア400に向けて搬送する。
【0059】
同様に、第2サブコンベア300Bは、第1端部300Baと、第2端部300Bbとを有する。第1端部300Baは、メインコンベアMCに対して+Y方向で面する。第2端部300Bbは、第1端部300Baとは反対側に位置し、排除コンベア400に対して−Y方向で面する。言い換えると、排除コンベア400は、第2サブコンベア300Bに対してメインコンベアMCとは反対側に位置して第2サブコンベア300Bに対して併設される。また別の観点では、第2サブコンベア300Bは、Y方向に沿って直線状に延びた第1部分321と、第1部分321から折れ曲がり、排除コンベア400に向けて延びた第2部分322とを有する。第2部分322は、Y方向に対して傾斜して配置された複数のローラ(不図示)を有し、第2サブコンベア300Bの上に載せられた荷物Pを排除コンベア400に向けて搬送する。
【0060】
本実施形態では、ロボット装置200は、前記所定の条件が満たされるか否かに関わらず、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから取り出した荷物Pを第1サブコンベア300Aの上に載せる。同様に、ロボット装置200は、前記所定の条件が満たされるか否かに関わらず、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから取り出した荷物Pを第2サブコンベア300Bの上に載せる。
【0061】
本実施形態では、判定部540は、前記所定の条件に関する判定結果を、サブコンベア駆動制御部560に出力する。サブコンベア駆動制御部560は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから取り出した荷物Pが前記所定の条件を満たす場合(搬送対象荷物として取り扱われる場合)、第1サブコンベア300Aを正回転させ、ロボット装置200によって第1サブコンベア300Aに載せられた荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送し、その荷物PをメインコンベアMCに送り出す。一方で、サブコンベア駆動制御部560は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから取り出した荷物Pが前記所定の条件を満たさない場合(搬送対象外荷物として取り扱われる場合)、第1サブコンベア300Aを逆回転させ、ロボット装置200によって第1サブコンベア300Aに載せられた荷物Pを排除コンベア400に向けて搬送し、その荷物Pを排除コンベア400に送り出す。
【0062】
同様に、サブコンベア駆動制御部560は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから取り出した荷物Pが前記所定の条件を満たす場合(搬送対象荷物として取り扱われる場合)、第2サブコンベア300Bを正回転させ、ロボット装置200によって第2サブコンベア300Bに載せられた荷物PをメインコンベアMCに向けて搬送し、その荷物PをメインコンベアMCに送り出す。一方で、サブコンベア駆動制御部560は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから取り出した荷物Pが前記所定の条件を満たさない場合(搬送対象外荷物として取り扱われる場合)、第2サブコンベア300Bを逆回転させ、ロボット装置200によって第2サブコンベア300Bに載せられた荷物Pを排除コンベア400に向けて搬送し、その荷物Pを排除コンベア400に送り出す。
【0063】
次に、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例について説明する。
図6は、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図6中で、S101からS107、およびS110の処理は、第1の実施形態の対応する処理と同様である。
図6中では、理解容易のため、S107の処理を、S106の処理の前に記載している。ただし、S106の処理とS107の処理は、どちらが先に行われてもよく、並行して行われてもよい。また、S107の処理は、S105の処理よりも先に行われてもよく、S105の処理と並行して行われてもよい。
【0064】
本実施形態では、制御部500は、荷物Pが前記所定の条件を満たすと判定部540によって判定された場合、サブコンベア300を正回転させることで、サブコンベア300の上に載せられた荷物PをメインコンベアMCへ搬送する(S108)。一方で、制御部500は、荷物Pが前記所定の条件を満たさないと判定部540によって判定された場合、サブコンベア300を逆回転させることで、サブコンベア300の上に載せられた荷物Pを排除コンベア400へ搬送する(S109)。
【0065】
以上のような構成によれば、第1の実施形態と同様に、搬送処理の高速化を図ることができる。ここで、ロボット装置200が容器Cから荷物Pを取り出すために1回当たり必要な時間は、サブコンベア300が荷物PをメインコンベアMCまたは排除コンベア400に搬送するために必要な時間よりも長い場合がある。そこで、本実施形態では、制御部500は、荷物Pが前記所定の条件を満たさない場合、第1サブコンベア300Aを逆回転させることで、ロボット装置200から受け取った荷物Pを排除コンベア400に搬送する動作を第1サブコンベア300Aによって行う。このような構成によれば、ロボット装置200の移動距離を短くすることができる。これにより、搬送処理のさらなる高速化を図ることができる。
【0066】
なお、第2の実施形態では、前記所定の条件(第1条件)が満たされない場合、荷物Pは、サブコンベア300によって排除コンベア400に搬送される例を説明した。これに代えて、例えば排除コンベア400が設けられていない場合は、荷物Pは、サブコンベア300によって荷物回収領域A3(例えば、荷物回収領域A3に配置された回収容器RC)に直接に搬送されてもよい。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、メインコンベアMCに対して搬送システム1よりも上流側から荷物Pが流れてくる点で、第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
図7は、本実施形態の搬送システム1を示す平面図である。
図7に示すように、本実施形態では、検出部100は、荷物センサ160を有する。荷物センサ160は、メインコンベアMCに対して併設され、メインコンベアMCの荷物Pの流れを検出する。例えば、荷物センサ160は、サブコンベア300に対して所定の距離内に入る荷物Pが存在する場合、その荷物Pを検出する。荷物センサ160によって検出された検出結果は、制御部500に出力される。
【0069】
本実施形態では、サブコンベア駆動制御部560は、例えば、第1サブコンベア300Aから所定の距離内でメインコンベアMCに荷物Pが存在することが検出された場合、第1サブコンベア300Aの駆動を停止し、第1サブコンベア300Aに載せられた荷物PがメインコンベアMCに送り出されないようにする。また、サブコンベア駆動制御部560は、荷物センサ160の検出結果およびメインコンベアMCの搬送速度(回転速度)などに基づき、メインコンベアMCの荷物Pが第1サブコンベア300Aの近傍を通過したと判定された場合、第1サブコンベア300Aの駆動を再開し、第1サブコンベア300Aに載せられた荷物PをメインコンベアMCに送り出す。なお、ロボット駆動制御部550は、例えば、第1サブコンベア300Aが停止されている間も第1集積体配置領域A1に配置された容器Cから荷物Pを取り出す動作を行ってもよい。
【0070】
同様に、サブコンベア駆動制御部560は、例えば、第2サブコンベア300Bから所定の距離内でメインコンベアMCに荷物Pが存在することが検出された場合、第2サブコンベア300Bの駆動を停止し、第2サブコンベア300Bに載せられた荷物PがメインコンベアMCに送り出されないようにする。また、サブコンベア駆動制御部560は、荷物センサ160の検出結果およびメインコンベアMCの搬送速度(回転速度)などに基づき、メインコンベアMCの荷物Pが第2サブコンベア300Bの近傍を通過したと判定された場合、第2サブコンベア300Bの駆動を再開し、第2サブコンベア300Bに載せられた荷物PをメインコンベアMCに送り出す。なお、ロボット駆動制御部550は、例えば、第2サブコンベア300Bが停止されている間も第2集積体配置領域A2に配置された容器Cから荷物Pを取り出す動作を行ってもよい。
【0071】
以上のような構成によれば、第1の実施形態と同様に、搬送処理の高速化を図ることができる。また本実施形態によれば、サブコンベア300がバッファとして機能することで、メインコンベアMCの上に障害となる荷物Pが存在する場合であっても、ロボット装置200の動作を継続することができる。これにより、ロボット装置200が停止している時間を短縮または無くし、搬送処理のさらなる高速化を図ることができる。
【0072】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、搬送システム1がメインコンベアMCから供給される荷物Pを容器Cに積み込む荷積み装置である点で、第2の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0073】
図8は、本実施形態の搬送システム1を示す平面図である。
図8に示すように、本実施形態では、メインコンベアMCは、第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2に配置される容器Cに荷積みされる荷物Pを、搬送システム1に供給する供給コンベアである。メインコンベアMCは、メインコンベアMCを流れる荷物Pをサブコンベア300(第1サブコンベア300Aまたは第2サブコンベア300B)に供給する供給部MCaを有する。供給部MCaは、+X方向に流れる荷物Pの流れ方向を変化させる方向転換部であり、荷物Pをサブコンベア300の上に送り出す。供給部MCaは、例えば、ダイバータコンベアまたはターンローラなどであるが、これらに限定されない。また、本実施形態では、第1集積体配置領域A1および第2集積体配置領域A2には、搬送システム1によって荷物Pが積まれる空の容器Cが配置される。
【0074】
本実施形態では、第1上部カメラ110は、第1サブコンベア300Aの上方に配置され、第1サブコンベア300Aに載せられた荷物Pを撮影する。同様に、第2上部カメラ130は、第2サブコンベア300Bの上方に配置され、第2サブコンベア300Bに載せられた荷物Pを撮影する。また、本実施形態では、第1側部カメラ120は、第1サブコンベア300Aに載せられた荷物Pの側面を撮影する。同様に、第2側部カメラ140は、第2サブコンベア300Bに載せられた荷物Pの側面を撮影する。画像解析部520は、第1上部カメラ110および第1側部カメラ120によって撮影された画像または映像を解析することで、第1サブコンベア300Aが搬送する荷物Pの位置情報および寸法情報を取得する。同様に、画像解析部520は、第2上部カメラ130および第2側部カメラ140によって撮影された画像または映像を解析することで、第2サブコンベア300Bが搬送する荷物Pの位置情報および寸法情報を取得する。
【0075】
第1サブコンベア300Aは、上述したようにメインコンベアMCの供給部MCaから荷物Pを受け取る。第1サブコンベア300Aは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、−Y方向に搬送する。第1サブコンベア300Aは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、メインコンベアMCよりもロボット装置200に近い位置に搬送する。例えば、第1サブコンベア300Aは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、X方向でロボット装置200に並ぶ位置まで搬送する。例えば、第1サブコンベア300Aは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、荷物Pの全部が第1サブコンベア300Aの第1領域311に含まれる位置まで搬送する。
【0076】
同様に、第2サブコンベア300Bは、メインコンベアMCの供給部MCaから荷物Pを受け取る。第2サブコンベア300Bは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、−Y方向に搬送する。第2サブコンベア300Bは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、メインコンベアMCよりもロボット装置200に近い位置に搬送する。例えば、第2サブコンベア300Bは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、X方向でロボット装置200に並ぶ位置まで搬送する。例えば、第2サブコンベア300Bは、供給部MCaから受け取った荷物Pを、荷物Pの全部が第2サブコンベア300Bの第1領域311に含まれる位置まで搬送する。
【0077】
ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件(第1条件)が満たされる場合、第1サブコンベア300Aによって搬送された荷物Pを保持部210によって保持し、保持した荷物Pを第1集積体配置領域A1に配置された容器Cの内部に搬送するようにロボット装置200を制御する。これにより、ロボット装置200は、第1集積体配置領域A1に配置された容器Cに対して荷物Pの荷積みを行う。一方で、ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件が満たされない場合、第1サブコンベア300A上の荷物Pを取り出さないようにロボット装置200を制御する。これにより、第1サブコンベア300A上の荷物Pは、第1サブコンベア300Aによって排除コンベア400に向けて搬送され、排除コンベア400に送り出される。
【0078】
同様に、ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件が満たされる場合、第2サブコンベア300Bによって搬送された荷物Pを保持部210によって保持し、保持した荷物Pを第2集積体配置領域A2に配置された容器Cの内部に搬送するようにロボット装置200を制御する。これにより、ロボット装置200は、第2集積体配置領域A2に配置された容器Cに対して荷物Pの荷積みを行う。一方で、ロボット駆動制御部550は、前記所定の条件が満たされない場合、第2サブコンベア300B上の荷物Pを取り出さないようにロボット装置200を制御する。これにより、第2サブコンベア300B上の荷物Pは、第2サブコンベア300Bによって排除コンベア400に向けて搬送され、排除コンベア400に送り出される。
【0079】
以上のような構成によれば、第1の実施形態と同様に、ロボット装置200の移動距離を短くすることができるので、搬送処理の高速化を図ることができる。
【0080】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、縦長姿勢の荷物Pを横長姿勢に変えてメインコンベアMCに供給する傾斜台700が設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0081】
図9は、本実施形態の搬送システム1を示す平面図である。
図9に示すように、本実施形態では、搬送システム1は、傾斜台700を有する。傾斜台700は、メインコンベアMCに対して併設され、メインコンベアMCに供給される荷物Pが載せられる。例えば、傾斜台700は、メインコンベアMCに対してロボット装置200とは反対側に配置される。ただし、傾斜台700の配置位置は、上記例に限定されず、メインコンベアMCに対してロボット装置200と同じ側に配置されてもよい。
【0082】
傾斜台700は、メインコンベアMCに近付くに従い高さが低くなるように傾斜した荷物受け部(上面部)710を有する。例えば、荷物受け部710は、
図9中の矢印Aで示す方向に進むに従い高さが低くなる。荷物受け部710の下流側の端部710aは、メインコンベアMCの上面(搬送面)と略同じ高さまたはメインコンベアMCの上面よりも僅かに高い位置に配置される。本実施形態では、傾斜台700の荷物受け部710は、金属製または樹脂製などの板材で形成されて滑らかな表面を有する。ただし、傾斜台700の構成および材質は、本実施形態の例に限定されない。傾斜台700の変形例については、後述する。
【0083】
ここで、容器Cから取り出される荷物Pの姿勢の例について説明する。
図10は、容器Cから取り出される荷物Pの姿勢の例を示す図である。
図10中の(a)は、横長姿勢D1にある荷物Pを示す。横長姿勢D1とは、荷物Pの幅、奥行き、高さを規定する3つの寸法a,b,cのうち、最も寸法が短いcが略鉛直方向に沿う姿勢を意味する。一方で、
図10中の(b)は、縦長姿勢D2にある荷物Pを示す。縦長姿勢D2とは、荷物Pの幅、奥行き、高さを規定する3つの寸法a,b,cのうち、最も寸法が短いcが略鉛直方向に沿わない姿勢を意味する。ただし、横長姿勢D1および縦長姿勢D2の定義は、上記例に限定されない。横長姿勢D1は、例えば、3つの寸法a,b,cのうち、2番目に寸法が小さいbが略鉛直方向に沿う姿勢でもよい。この場合、縦長姿勢D2は、3つの寸法a,b,cのうち、最も寸法が大きいaが略鉛直方向に沿う姿勢となる。
【0084】
一般的に、横長姿勢D1にある荷物Pは、姿勢が安定する。一方で、縦長姿勢D2にある荷物Pは、姿勢が不安定であり、コンベアによる搬送中に転倒する可能性がある。ある比較例の搬送装置としては、縦長姿勢D2の荷物Pが容器から取り出された場合、ロボット装置によって荷物を掴み直し、荷物Pの姿勢を横長姿勢D1に変えるものがある。しかしながら、このような構成によれば、搬送処理が遅くなる可能性がある。
【0085】
そこで、本実施形態では、上述した傾斜台700が利用され、縦長姿勢D2にある荷物Pの姿勢が横長姿勢D1に変えられる。詳しく述べると、
図11は、傾斜台700の作用を説明するための図である。
図11に示すように、ある程度以上の角度で傾斜した傾斜台700の荷物受け部710の上に縦長姿勢D2にある荷物Pに載せられると、荷物Pの底面が荷物受け部710に沿って滑り下りる速度が一定以上に早くなる。荷物Pの底面が荷物受け部710に沿って滑り下りる速度が一定以上に早くなると、荷物Pが前方(
図11中の矢印R1の方向)に回転しようとする力よりも、荷物Pが後方(
図11中の矢印R2の方向)に回転しようとする力が大きくなり、荷物Pが後方に回転する。その結果、縦長姿勢D2にある荷物Pは、荷物受け部710に沿うように後方に回転し、横長姿勢D1になって荷物受け部710の上を滑り降りる。横長姿勢D1になって荷物受け部710の上を滑り降りた荷物Pは、横長姿勢D1でメインコンベアMCに供給される。なお、荷物Pが前方ではなく後方に回転することが好ましいのは、荷物Pが前方に回転する場合に比べて荷物Pが後方に回転する場合のほうが、荷物Pが回転して荷物受け部710に接したときに荷物Pに作用する力が小さくなるためである。これは、縦長姿勢D2にある荷物Pの後面と荷物受け部710とが成す角度(言い換えると、縦長姿勢D2にある荷物Pが横長姿勢D1に向けて後方に回転する場合に、荷物Pの後面が荷物受け部710に向けて移動する距離)が、縦長姿勢D2にある荷物Pの前面と荷物受け部710とが成す角度(言い換えると、縦長姿勢D2にある荷物Pが横長姿勢D1に向けて前方に回転する場合に、荷物Pの前面が荷物受け部710に向けて移動する距離)よりも小さいため、荷物Pに回転の勢いがつきにくいためである。
【0086】
さらに本実施形態では、ロボット駆動制御部550は、容器Cから取り出された荷物Pが縦長姿勢D2にある場合に、荷物受け部710の上方で保持部210によって保持された荷物Pが荷物受け部710に沿う方向に向けて傾けられた状態で荷物Pに対する保持を解除することをロボット装置200に指示してもよい。なお、「荷物を荷物受け部に沿う方向に向けて(または傾斜台に沿う方向に向けて)傾けた状態」とは、荷物Pの傾きが荷物受け部710の傾きと略同じである場合に限定されない。「荷物を荷物受け面に沿う方向に向けて傾けた状態」とは、荷物受け部710の傾きに沿う方向に向けて荷物Pが鉛直方向に対して僅かに傾けられた状態でもよい。例えば、荷物Pは、鉛直方向に対して略5°傾けられた状態で、荷物受け部710の上に落とされる。
【0087】
図12は、ロボット装置200によって荷物Pが傾けられる動作例を説明するための図である。なお、以下の動作例は、ロボット駆動制御部550による制御によって行われる。
図12に示すように、例えば、ロボット装置200は、縦長姿勢D2にある荷物Pを傾斜台700の荷物受け部710の上方まで搬送する。次に、ロボット装置200は、保持部210によって保持された荷物Pを荷物受け部710に沿う方向に向けて僅かに傾ける。次に、ロボット装置200は、荷物Pを荷物受け部710に近付けるように、保持部210を下降させる。そして、ロボット装置200は、荷物Pと傾斜台700の荷物受け部710との間の距離が一定以下になると、荷物Pに対する保持部210の保持を解除し、荷物Pを荷物受け部710の上に落とす。荷物Pは、荷物受け部710に沿う方向に向けて傾けられた状態で荷物受け部710の上に落とされることで確実に後方に回転する。
【0088】
ただし、ロボット装置200によって荷物Pが傾けられる動作例は、上記例に限定されない。例えば、ロボット装置200は、荷物受け部710に対して荷物Pを十分に近づけた後に、保持部210によって保持された荷物Pを荷物受け部710に沿う方向に向けて僅かに傾けてもよい。そして、ロボット装置200は、荷物Pを荷物受け部710に沿う方向に向けて傾けた後、そのまま荷物Pを荷物受け部710の上に落としてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、ロボット駆動制御部550は、荷物Pが横長姿勢D1に変化する場合に、荷物Pの3つの寸法a,b,cのうち、最も寸法が短いcを略鉛直方向に沿わせるために荷物Pを予め必要な姿勢に回転させるように、ロボット装置200のアーム220を制御してもよい。
【0090】
次に、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例について説明する。
図13は、本実施形態の搬送システム1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図13中で、S101からS110の処理は、第1の実施形態の対応する処理と同様である。
【0091】
本実施形態では、制御部500の判定部540は、容器Cから荷物Pが取り出された(持ち上げられた)場合に、荷物Pが縦長姿勢D2であるか否か(第2条件を満たすか否か)を判定する(S201)。荷物Pが縦長姿勢D2であるか否かは、第1上部カメラ110(または第2上部カメラ130)で撮影されて画像解析部520で解析された荷物Pの上面の寸法と、第1側部カメラ120(または第2側部カメラ140)で撮影されて画像解析部520で解析された荷物Pの高さ寸法とに基づき判定される。荷物Pが縦長姿勢D2であるか否かに関する判定結果は、判定部540からロボット駆動制御部550に出力される。
【0092】
ロボット駆動制御部550は、荷物Pが縦長姿勢D2でない場合(すなわち、荷物Pが横長姿勢D1である場合)は、第1の実施形態と同様の動作を行う。すなわち、ロボット駆動制御部550は、容器Cから取り出した荷物Pを、サブコンベア300の上に載せるようにロボット装置200を制御する(S107)。サブコンベア300に載せられた荷物Pは、サブコンベア300によって排除コンベア400に送り出される(S108)。
【0093】
一方で、ロボット駆動制御部550は、荷物Pが縦長姿勢D2である場合は、荷物Pをサブコンベア300の上に載せないようにロボット装置200を制御する。ロボット駆動制御部550は、荷物Pが縦長姿勢D2である場合は、荷物Pを傾斜台700の荷物受け部710の上方に搬送するようにロボット装置200を制御する(S202)。次に、ロボット駆動制御部550は、アーム220に含まれるアーム部材の回転を制御し、保持部210によって保持された荷物Pを荷物受け部710に沿う方向に向けて僅かに傾ける(S203)。そして、ロボット駆動制御部550は、保持部210による荷物Pの保持を解除することで、荷物Pを傾斜台700の荷物受け部710の上に落とす(S204)。その結果、荷物Pは、縦長姿勢D2から横長姿勢D1に回転し、横長姿勢D1の状態で傾斜台700を滑り落ち、メインコンベアMCに供給される。
【0094】
以上のような構成によれば、第1の実施形態と同様に、搬送処理の高速化を図ることができる。さらに本実施形態では、搬送システム1は、メインコンベアMCに近付くに従い高さが低くなるように傾斜した傾斜台700をさらに備える。このような傾斜台700が設けられると、縦長姿勢D2にある荷物Pを荷物受け部710の上に落とすことで、荷物Pは、縦長姿勢D2から横長姿勢D1に回転し、横長姿勢D1の状態でメインコンベアMCに供給される。このため、ロボット装置200によって縦長姿勢D2の荷物Pを掴み直して横長姿勢D1に変える動作などを省略することができる。これにより、搬送処理の高速化を図ることができる。さらに、傾斜台700は、メインコンベアMCに対する実質的な改造が不要であるので、搬送システム1の設置時の負担を低減することができる。
【0095】
本実施形態では、搬送システム1のロボット駆動制御部550は、荷物Pが縦長姿勢D2である場合に、荷物受け部710の上方で保持部210によって保持された荷物Pが荷物受け部710に沿う方向に向けて傾けられた状態で荷物Pに対する保持を解除することをロボット装置200に指示する。このような構成によれば、荷物Pを確実に後方に回転させることができる。これにより、荷物Pが前方に回転することで荷物Pに不要に大きな力が作用することを抑制することができる。
【0096】
次に、傾斜台700のいくつかの変形例について説明する。
図14は、第1変形例の傾斜台700を示す図である。
図14に示すように、本変形例の傾斜台700の荷物受け部710は、第1部分(第1傾斜部)711と、第2部分(第2傾斜部)712とを有する。第2部分712は、第1部分711よりもメインコンベアMCから離れている。水平面に対する第2部分712の傾斜は、水平面に対する第1部分711の傾斜よりも大きい。このような構成によれば、荷物Pが後方に回転する場合に、第2部分712がストッパとして機能し、荷物Pの回転角度を小さくすることができる。これにより、荷物Pが荷物受け部710に接するときに荷物Pに作用する力の大きさを低減することができる。
【0097】
図15は、第2変形例の傾斜台700を示す図である。
図15に示すように、本変形例の傾斜台700の荷物受け部710は、斜め下方に向けて凸となる円弧状に形成されている。円弧状に形成された荷物受け部710は、「円弧部」の一例である。このような構成によれば、荷物Pが後方に回転する場合に、円弧状の荷物受け部710がストッパとして機能し、荷物Pの回転角度を小さくすることができる。これにより、荷物Pが荷物受け部710に接することで荷物Pに作用する力の大きさを低減することができる。また、荷物受け部710が斜め下方に向けて凸となる円弧状に形成されていると、荷物Pをスムーズに縦長姿勢D2から横長姿勢D1に変えることができる。
【0098】
図16は、第3変形例の傾斜台700を示す図である。
図16に示すように、本変形例の傾斜台700の荷物受け部710は、複数のローラ721によって形成されている。ローラ721は、例えば駆動力を有しないローラであるが、駆動力が供給されて能動的に回転されるローラであってもよい。
【0099】
図17は、第4変形例の傾斜台700を示す図である。
図17に示すように、本変形例の傾斜台700の荷物受け部710は、複数のローラ731に掛け渡されたベルト732によって形成されている。ベルト732は、1つ以上のローラ731が能動的に回転されることで駆動される。なお、これら第1から第4の変形例は、互いに組み合わせて適用されてもよい。
【0100】
(参考形態)
次に、上述した実施形態に関連する参考形態について説明する。本参考形態は、容器Cから取り出された全ての荷物Pが傾斜台700の荷物受け部710の上に落とされる点で、第5の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第5の実施形態と同様である。
【0101】
図18は、本参考形態の搬送システム1を示す平面図である。
図18に示すように、本参考形態では、傾斜台700は、例えば、メインコンベアMCの上方、またはメインコンベアMCに対してX方向で併設される位置にある。なお、傾斜台700の位置は、上記例に限定されない。傾斜台700は、第5の実施形態と同様の位置に設けられてもよい。
【0102】
本参考形態では、ロボット装置200は、容器Cから取り出した全ての荷物Pを、傾斜台700の荷物受け部710の上方に搬送し、荷物受け部710の上に落とす。ここで、縦長姿勢D2である荷物Pが荷物受け部710の上に落とされた場合の挙動は、
図11を用いて説明したとおりである。一方で、
図19は、横長姿勢D1にある荷物Pが荷物受け部710の上に落とされた場合の挙動を示す。
図19に示すように、傾斜台700の荷物受け部710の上に横長姿勢D1にある荷物Pが載せられると、荷物Pが後方(
図11中の矢印R2の方向)に回転しようとする力よりも荷物Pが前方(
図11中の矢印R1の方向)に回転しようとする力が大きくなる。その結果、横長姿勢D1にある荷物Pは、荷物受け部710に沿うように前方に回転し、横長姿勢D1のまま荷物受け部710の上を滑り降りる。横長姿勢D1のまま荷物受け部710の上を滑り降りた荷物Pは、横長姿勢D1でメインコンベアMCに供給される。ここで、荷物Pが横長姿勢D1にある場合は、荷物Pが前方に回転した場合であっても、荷物Pと荷物受け部710との間の距離が小さい。このため、荷物Pが回転して荷物受け部710に接することで荷物Pに作用する力は大きくない。
【0103】
次に、本参考形態の搬送システム1の動作の流れの一例について説明する。
図20は、本参考形態の搬送システム1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図20中で、S101からS106、およびS110の処理は、第1の実施形態の対応する処理と同様である。また、
図20中で、S201からS204の処理は、第5の実施形態の対応する処理と同様である。
図20中では、理解容易のため、S202の処理を、S201の処理の前に記載している。ただし、S201の処理とS202の処理は、どちらが先に行われてもよく、並行して行われてもよい。
【0104】
図20に示すように、本参考形態では、ロボット装置200は、容器Cから取り出された荷物Pが横長姿勢D1の場合、荷物Pを傾けることなく、荷物受け部710の上に落とす。一方で、ロボット装置200は、容器Cから取り出された荷物Pが縦長姿勢D2の場合、
図12を用いて説明したように荷物Pを傾けてから荷物受け部710の上に落とす。
【0105】
以上のような構成によれば、縦長姿勢D2にある荷物Pを傾斜台700の荷物受け部710の上に落とすことで、荷物Pは、縦長姿勢D2から横長姿勢D1に回転し、横長姿勢D1の状態でメインコンベアMCに供給される。このため、ロボット装置200によって縦長姿勢D2の荷物Pを掴み直して横長姿勢D1に変える動作などを省略することができる。これにより、搬送処理の高速化を図ることができる。
【0106】
本参考形態において、
図15に示すような円弧状の荷物受け部710を有する傾斜台700が用いられると、例えば
図19に示すような直線状の荷物受け部710を有する傾斜台700が用いられた場合に比べて、横長姿勢D1の荷物Pと、荷物受け部710との間の距離(前方に回転して接するまでの距離)を小さくすることができる。これにより、荷物Pに大きさ力が作用することを抑制することができる。
【0107】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ロボット装置に対して併設され、前記ロボット装置から受け取った荷物を第1コンベアに向けて搬送する第2コンベアを持つことにより、搬送処理の高速化を図ることができる。
【0108】
実施形態は、以下のように表現することができる。
(1)
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向で併設され、前記第2方向で前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第2コンベアと、
情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行するハードウェアプロセッサと、を備え、
前記記憶部には、前記ハードウェアプロセッサに、
前記荷物の第1集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第2コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する処理、
を実行させる前記プログラムが格納されている、
搬送システム。
【0109】
(2)
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1コンベアに対して併設されるロボット装置と、
前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第2コンベアと、
情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行するハードウェアプロセッサと、を備え、
前記記憶部には、前記ハードウェアプロセッサに、
前記荷物の集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第2コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する処理と、
前記荷物が第1条件を満たす場合、前記第2コンベアを正回転させることで前記荷物を前記第1コンベアに搬送し、前記荷物が前記第1条件を満たさない場合、前記第2コンベアを逆回転させることで、前記荷物を荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第3コンベアに搬送するように前記第2コンベアを制御する処理と、
を実行させる前記プログラムが格納されている、
搬送システム。
【0110】
(3)
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向で併設され、前記第1コンベアから受け取る前記荷物を前記第1コンベアから離れる方向に搬送する第2コンベアと、
情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行するハードウェアプロセッサと、を備え、
前記記憶部には、前記ハードウェアプロセッサに、
前記第2コンベアによって搬送された前記荷物を前記荷物の集積部に搬送するように前記ロボット装置を制御する処理、
を実行させる前記プログラムが格納されている、
搬送システム。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、以下出願当初の特許請求の範囲を付記する。
[C1]
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向で併設され、前記第2方向で前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第2コンベアと、
前記荷物の第1集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第2コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する制御部と、
を備えた搬送システム。
[C2]
前記第2コンベアは、前記第1方向において、前記第1集積部と、前記ロボット装置との間に位置する、
C1に記載の搬送システム。
[C3]
前記ロボット装置に対して前記第2コンベアとは反対側で前記ロボット装置に対して併設され、前記第2方向で前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第3コンベアをさらに備え、
前記制御部は、前記荷物の第2集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第3コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御する、
C1またはC2に記載の搬送システム。
[C4]
前記第3コンベアは、前記第1方向において、前記第2集積部と、前記ロボット装置との間に位置する、
C3に記載の搬送システム。
[C5]
前記制御部は、前記荷物が第1条件を満たさない場合、荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第4コンベアに前記荷物を載せるように前記ロボット装置を制御する、
C1からC4のいずれか1項に記載の搬送システム。
[C6]
前記制御部は、前記荷物が第1条件を満たさない場合、前記第2コンベアを逆回転させることで、前記第2コンベアに載せられた前記荷物を、荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第4コンベアに搬送するように前記第2コンベアを制御する、
C1からC4のいずれか1項に記載の搬送システム。
[C7]
前記第4コンベアは、前記第2コンベアに対して前記第1コンベアとは反対側に位置して前記第2コンベアに対して併設される、
C6に記載の搬送システム。
[C8]
前記第1コンベアに対して併設され、前記第1コンベアに近付くに従い高さが低くなるように傾斜して前記第1コンベアに供給される前記荷物が載せられる傾斜台をさらに備えた、
C1からC7のいずれか1項に記載の搬送システム。
[C9]
前記傾斜台は、第1部分と、前記第1部分よりも前記第1コンベアから離れた第2部分とを有し、水平面に対する前記第2部分の傾斜は、前記水平面に対する前記第1部分の傾斜よりも大きい、
C8に記載の搬送システム。
[C10]
前記傾斜台は、斜め下方に向けて凸となる円弧部を含む、
C8に記載の搬送システム。
[C11]
前記制御部は、前記荷物が第2条件を満たす場合、前記傾斜台の上方で前記荷物が前記傾斜台に沿う方向に向けて傾けられた状態で前記荷物に対する保持を解除するように前記ロボット装置を制御する、
C8からC10のいずれか1項に記載の搬送システム。
[C12]
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1コンベアに対して併設されるロボット装置と、
前記第1コンベアに向けて前記荷物を搬送する第2コンベアと、
前記荷物の集積部から前記荷物を取り出し、取り出された前記荷物を前記第2コンベアに載せるように前記ロボット装置を制御し、且つ、前記荷物が第1条件を満たす場合、前記第2コンベアを正回転させることで前記荷物を前記第1コンベアに搬送し、前記荷物が前記第1条件を満たさない場合、前記第2コンベアを逆回転させることで、前記荷物を荷物回収部または前記荷物回収部に向けて延びた第3コンベアに搬送するように前記第2コンベアを制御する制御部と、
を備えた搬送システム。
[C13]
荷物を保持可能な保持部と、前記保持部を移動させるアームとを有し、第1方向に延びた第1コンベアに対して前記第1方向とは異なる第2方向で併設されるロボット装置と、
前記ロボット装置に対して前記第1方向で併設され、前記第1コンベアから受け取る前記荷物を前記第1コンベアから離れる方向に搬送する第2コンベアと、
前記第2コンベアによって搬送された前記荷物を前記荷物の集積部に搬送するように前記ロボット装置を制御する制御部と、
を備えた搬送システム。