(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態に係る料金収受システムの一例について説明する。
【0015】
図1は、実施形態に係る料金収受システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、料金収受に関する料金システムとして、ETC中央装置1、料金所サーバ3、車線監視制御装置4、車線サーバ5、料金所車線機器7、及び操作端末8等を備える。
【0017】
また、道路上に設けられたセンサやカメラ等の情報に基づき交通状況を把握する交通管制装置2と、交通状況に関する情報(例えば、渋滞由通行止め等)を車両に提供するための路車間通信機器6を備えている。
【0018】
ETCシステムは、大別すると、中央システム側及び料金所装置(料金所側の装置)に分けられる。例えば、中央システム側は、汎用コンピュータ等のETC中央装置1を備える。料金所装置は、料金所機械室に設置される料金所共通部分、及び料金所において車両が走行する車線毎に設けられる料金所車線機器7に分けられる。料金所共通部分としては、料金所サーバ3、車線監視制御装置4、車線サーバ5、及び操作端末8等がある。
【0019】
ETCシステムは、有料道路の料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより料金を収受する。車載器は、装填されるETCカードを処理するものであり、ETCカードに記憶される情報を読み取ったり、ETCカードへ情報を記録したりする。また、ETCシステムは、料金収受を行うとともに、車両が通行する車線に設けたバーの開閉、及び車線の脇に設けられた路側表示器による案内表示などによって車両の通行を制御する。例えば、ETCシステムが適用される有料道路等の入口及び出口には料金所が設けられ、これら入口及び出口には1又は複数の車線が設けられる。
ETC中央装置1は、各料金所の料金所サーバ3及び車線サーバ5に接続される。所定料金所の車線サーバ5は、同一の所定料金所の料金所機械室に設置される料金所サーバ3、車線監視制御装置4、及び操作端末8等と接続する。さらに、所定料金所の車線サーバ5は、同一の所定料金所の各料金所車線機器7と接続する。
【0020】
ETC中央装置1は、各料金所サーバ3及び各車線サーバ5との間で各種データを交換し、料金所サーバ3は、車線サーバ5及び車線監視制御装置4との間で各種データを交換する。車線サーバ5は、各料金所車線機器7から送信されるセンサデータ及び車両情報に基づき、料金所車線機器7を制御したり料金を計算したりする。
【0021】
また、料金所車線機器7は、通信インタフェース、記憶部、及び複数のアンテナに加えて、さらに、複数の車両検知器、表示器、発進制御機、及び監視カメラ等を備え、アンテナを介して車両に搭載される車載器と通信し、通行制御及び料金収受を行う。入口料金所の料金所車線機器7の記憶部は、入口料金所情報等を記憶し、入口料金所の料金所車線機器7のアンテナは、車載器に装填されるETCカードへ記録するための通行情報(例えば通信日時及び入口料金所情報)を送信し、また、車載器によりETCカードから読み出されるETCカードID(カード識別情報)及び過去の通行情報(例えば前回の出口料金所情報)を受信する。また、出口料金所の料金所車線機器7の記憶部は、出口料金所情報等を記憶し、出口料金所の料金所車線機器7のアンテナは、ETCカードへ記録するための通行情報(例えば通信日時及び出口料金所情報)を送信し、車載器によりETCカードから読み出されるETCカードID及び過去の通行情報(例えば前回の通行情報)を受信する。これにより、料金所車線機器7の通信インタフェースは、ETCカードID及び通行情報等をETC中央装置1へ送信することができる。ここで、ETC中央装置1へ送信される通行情報は、ETCカードへ記録するための通行情報(現在の通行情報)を想定するが、ETCカードへ記録するための通行情報(現在の通行情報)及びETCカードから読み出された過去の通行情報であってもよい。ETC中央装置1へ過去の通行情報を送信することにより、仮に過去の通行情報が欠落していた場合に、欠落を補うことができる。
【0022】
各料金所には料金所サーバ3が設けられ、料金所サーバ3には車線監視制御装置4が接続される。料金所車線機器7は、車線サーバ5に接続され、車線サーバ5は、所定の料金所の料金所サーバ3及び車線監視制御装置4と接続される。また、各料金所の料金所サーバ3は、ETC中央装置1に接続される。つまり、所定の料金所の料金所サーバ3及び車線監視制御装置4は、料金所車線機器7に接続される車線サーバ5の情報を収集し、さらにETC中央装置1は、所定の料金所を含む各料金所に設置される各料金所サーバ3からの情報を収集する。
【0023】
例えば、操作端末8は、ETC中央装置1に接続され、通行履歴出力処理を実行する。通行履歴出力処理については後に詳しく説明する。なお、操作端末8は、料金所サーバ3を介してETC中央装置1に接続してもよい。
【0024】
一方、車両への交通情報等の提供を目的として、各種の道路脇(通行課金されない一般道路及び通行課金される有料道路)、有料道路のサービスエリア、各種駐車スペース等(以下、各種の道路等)に設置される複数の路車間通信機器(サービス提供用の路車間通信機器)6、及び料金所の走行車線に沿って設置される複数の料金所車線機器(料金収受用の料金所車線機器)7を備える。
【0025】
例えば、路車間通信機器6は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)又はITSスポット等に対応する機器であり、交通情報、安全運転支援情報、及び観光情報等を車載器へ送信する。路車間通信機器6は、通信インタフェース、記憶部、及びアンテナ等を備え、アンテナは、車両に搭載される車載器と通信する。車載器には車載器ID(第1の車載器識別情報)及びASL−ID(第2の車載器識別情報)が記憶され、路車間通信機器6のアンテナは、少なくとも車載器からASL(Application Sub-Layer)−IDを受信する。路車間通信機器6の記憶部は、路側識別情報及び路側位置情報の少なくとも一方を記憶し、路車間通信機器6の通信インタフェースは、車載器との通信日時と、ASL−IDとを交通管制装置2へ送信する。交通管制システム2では、車両が通信した路側送信装置6の位置と、から受信した通信日時、ASL-ID等から、経路を把握することができる。
【0026】
ETC中央装置1は、交通管制装置2と接続される。交通管制装置2は、プロセッサ21の通行履歴処理部211とインタフェース23が協働して、受信した情報をETC中央装置1へ送信する。ここで、ETC中央装置1は、他の1以上のサーバ等を介して、交通管制装置2と接続されてもよい。
【0027】
図2は、実施形態に係る料金収受システムのETC中央装置の概略構成の一例を示すブロック図である。例えば、ETC中央装置1は、汎用のコンピュータである。
図2に示すように、ETC中央装置1は、プロセッサ11、記憶部12、通信インタフェース(I/F)13、表示部14、及び操作部15等を備える。
【0028】
プロセッサ11は、記憶部12が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ11は、記憶部12が記憶するプログラムを実行することにより通行履歴処理部として機能する。例えば、プロセッサ11は、通行履歴処理を実行する通行履歴処理部として、通行履歴管理部111、通行履歴検索部112、及び通行履歴検索結果出力部113を備える。各部の動作は後に説明する。
【0029】
記憶部12は、プロセッサ11が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部12は、データメモリとして、HDD(ハードディスクドライブ)或はSSD(ソリッドステートドライブ)などの書換え可能な不揮発性メモリを有する。データメモリが記憶する各種データについては後に詳しく説明する。
【0030】
通信インタフェース13は、料金所サーバ3、車線サーバ5、路車間通信機器6、及び操作端末8に接続するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース13は、操作端末8からの情報を受信し、また、操作端末8へ情報を送信する。或いは、通信インタフェース13は、料金所サーバ3介して、操作端末8からの情報を受信し、また、操作端末8へ情報を送信する。さらに、通信インタフェース13は、車線サーバ5介して、料金所車線機器7からの情報を受信し、また、料金所車線機器7へ情報を送信する。さらに、通信インタフェース13は、料金所車線機器7からの情報を受信し、また、料金所車線機器7へ情報を送信する。なお、通信インタフェース13は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して料金所サーバ3、車線サーバ5、料金所車線機器7、操作端末8等に通信接続するための有線又は無線のインタフェースであってもよい。
【0031】
表示部14は、ディスプレイ装置により構成される。表示部14は、プロセッサ11からの表示制御に応じた表示内容を表示する。なお、表示部14は任意の構成である。
【0032】
操作部15は、キーボード、ポインティングデバイス、或は、タッチパネルなどで構成される。操作部15は、係員から入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ11へ供給する。例えば、表示部14及び操作部15は、タッチパネルを有する表示装置により構成しても良い。
【0033】
図3は、実施形態に係る料金収受システムの交通管制装置の概略構成の一例を示すブロック図である。例えば、交通管制装置2は、汎用のコンピュータである。
図3に示すように、交通管制装置2は、プロセッサ21、記憶部22、通信インタフェース(I/F)23、表示部24、及び操作部25等を備える。
【0034】
プロセッサ21は、記憶部22が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ21は、記憶部12が記憶するプログラムを実行する。例えば、プロセッサ21は、通行履歴処理部211を備える。
【0035】
記憶部22は、プロセッサ21が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部22は、データメモリとして、HDD(ハードディスクドライブ)或はSSD(ソリッドステートドライブ)などの書換え可能な不揮発性メモリを有する。
【0036】
通信インタフェース23は、ETC中央装置1及び路車間通信機器6に接続するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース23は、路車間通信機器6からの情報を受信し、また、ETC中央装置1へ受信した情報を送信する。なお、通信インタフェース23は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介してETC中央装置1及び路車間通信機器6等に通信接続するための有線又は無線のインタフェースであってもよい。
【0037】
表示部24は、ディスプレイ装置により構成される。なお、表示部14は任意の構成である。
【0038】
操作部25は、キーボード、ポインティングデバイス、或は、タッチパネルなどで構成される。操作部25は、係員から入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ11へ供給する。なお、操作部25は任意の構成である。
【0039】
図4は、実施形態に係る料金収受システムの操作端末8の概略構成の一例を示すブロック図である。例えば、操作端末8は、汎用のコンピュータであり、デスクトップ型、ノート型、及びタブレット型の何れでもよい。
図4に示すように、操作端末8は、プロセッサ81、記憶部82、通信インタフェース(I/F)83、表示部84、及び操作部85等を備える。
【0040】
プロセッサ81は、記憶部82が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ81は、記憶部82が記憶するプログラムを実行することにより通行履歴処理部として機能する。例えば、プロセッサ81は、通行履歴処理を実行する通行履歴処理部として、情報取得部811、通行履歴要求部812、及び通行履歴出力部813を備える。各部の動作は後に説明する。
【0041】
記憶部82は、プロセッサ81が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部82は、データメモリとして、HDD(ハードディスクドライブ)或はSSD(ソリッドステートドライブ)などの書換え可能な不揮発性メモリを有する。データメモリが記憶する各種データについては後に詳しく説明する。
【0042】
通信インタフェース83は、ETC中央装置1及び料金所サーバ3に接続するためのインタフェースであり通信部として機能する。例えば、通信インタフェース83は、ETC中央装置1からの情報を受信し、また、ETC中央装置1へ情報を送信する。また、通信インタフェース83は、料金所サーバ3介して、ETC中央装置1からの情報を受信し、また、ETC中央装置1へ情報を送信する。例えば、通信インタフェース83は、通行履歴要求部812と協働して、ETC中央装置1へETCカードIDに基づく通行履歴情報を要求する。通行履歴情報の要求については後に詳しく説明する。さらに、通信インタフェース83は、情報取得部811と協働して、カードリーダによりETCカードから読み取られたETCカードID等の情報を取得する。ETCカードからの情報の取得については後に詳しく説明する。なお、通信インタフェース83は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して料金所サーバ3等に通信接続するための有線又は無線のインタフェースであってもよい。
【0043】
表示部84は、ディスプレイ装置により構成される。表示部84は、プロセッサ81からの表示制御に応じた表示内容を表示する。表示部84は、通行履歴出力部813と協働して、通行履歴情報を出力する。通行履歴情報の出力については後に詳しく説明する。
【0044】
操作部85は、キーボード、ポインティングデバイス、或は、タッチパネルなどで構成される。操作部85は、係員から入力される情報を受け付けその情報をプロセッサ81へ供給する。例えば、表示部84及び操作部85は、タッチパネルを有する表示装置により構成しても良い。例えば、操作部85は、情報取得部811と協働して、係員から入力されるETCカードIDを取得する。
【0045】
以下、実施形態に係る料金収受システムによる通行履歴出力処理について説明する。
図5は、実施形態に係る料金収受システムで処理される情報の一例を示す図である。
図5は、
図1に示す料金収受システムの概略構成をさらに簡略化したものである。
【0046】
ETC中央装置1の記憶部12のデータメモリに蓄積される利用情報データベースについて説明する。例えば、データメモリは、利用者情報テーブル及びASL−IDと車載器情報テーブルを記憶する。利用者情報テーブルは、利用者個人情報(氏名等)、ETCカードID、車載器ID、及びWCNC(IEEE Wireless communications and Networking Conference)を関連付けたテーブルである。ASL−IDと車載器情報テーブルは、利用者個人情報(氏名等)、車載器ID、WCNC、及びASL−IDを関連付けたテーブルである。プロセッサ11は、利用者情報テーブル及びASL−IDと車載器情報テーブルにより、ETCカードID、車載器ID、及びASL−IDを関連付けることができる。なお、車両に搭載される車載器には、ETCカードが装填される。車載器には車載器ID及びASL−IDが記憶される。ETCカードにはETCカードIDが記憶される。
【0047】
また、データメモリは、第1の通行履歴情報テーブル及び第2の通行履歴情報テーブルを記憶する。路車間通信機器6の記憶部は、路側識別情報及び路側位置情報の少なくとも一方を記憶し、路車間通信機器6のアンテナは、車載器からASL−IDを受信し、路車間通信機器6の通信インタフェースは、車載器との通信日時と、路側識別情報及び路側位置情報の少なくとも一方を含む経路情報と、及びASL−IDとを交通管制装置2へ送信する。交通管制装置2は、のプロセッサ21の通行履歴処理部211及びインタフェース23が協働して、受信した情報をETC中央装置1へ送信する。中央装置1の通信インタフェース13は、車載器との通信日時と、路側識別情報及び路側位置情報の少なくとも一方を含む経路情報と、及びASL−IDとを受信し、プロセッサ11の通行履歴管理部111は、利用者情報テーブル及びASL−IDと車載器情報テーブルに基づき、ASL−IDをETCカードIDへ変換し、第1の通行履歴情報テーブルを生成する。第1の通行履歴情報テーブルは、変換されたETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び経路情報を関連付けたテーブルである。
【0048】
なお、路車間通信機器6と車載器との通信日時を利用日時としたが、路車間通信機器6と車載器との通信タイミングと交通管制装置2と路車間通信機器6との通信タイミングに実質的に差が無い場合には、交通管制装置2と路車間通信機器6との通信日時を利用日時としてもよい。
【0049】
また、データメモリが、路側識別情報及び路側位置情報を関連付けた変換テーブルを記憶し、路車間通信機器6から交通管制装置2へ送信される経路情報が路側位置情報を含まない場合には、この変換テーブルにより、路車間通信機器6から交通管制装置2へ送信される経路情報に含まれる路側識別情報を路側位置情報へ変換し、第1の通行履歴情報テーブルの経路情報として利用するようにしてもよい。
【0050】
料金所車線機器7の記憶部は、料金所情報等を記憶し、料金所車線機器7のアンテナは、車載器と通信し、車載器からETCカードIDを受信し、料金所情報、通信日時、及びETCカードIDをETC中央装置1へ送信する。ETC中央装置1の通信インタフェース13は、料金所情報、通信日時、及びETCカードIDを受信し、プロセッサ11の通行履歴管理部111は、第2の通行履歴情報テーブルを生成する。第2の通行履歴情報テーブルは、ETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び料金所情報(例えば入口料金所情報)を関連付けたテーブルである。なお、料金所車線機器7と車載器との通信日時を利用日時としたが、料金所車線機器7と車載器との通信タイミングとETC中央装置1と料金所車線機器7との通信タイミングに実質的に差が無い場合には、ETC中央装置1と料金所車線機器7との通信日時を利用日時としてもよい。
【0051】
上記したように、ETC中央装置1の記憶部12のデータメモリには、第1の通行履歴情報テーブル及び第2の通行履歴情報テーブルに、各利用者(各ETCカードID)の通行履歴に関する情報が蓄積される。
【0052】
本実施形態の料金収受システムでは、ETCカードのETCカードIDに基づき過去の通行履歴を検索し出力することができる。例えば、操作端末8の表示部84に表示される検索画面84a(
図6)のETCカードIDの入力エリアに対して、係員が、操作端末8の操作部85によりETCカードIDを入力し、実行を選択することにより、通行履歴検索処理が実行される。或いは、カードリーダがETCカードからETCカードIDを読み取り、操作端末8の通信インタフェース83がETCカードIDを受信することにより、通行履歴検索処理が実行される。
【0053】
操作端末8のプロセッサ81の通行履歴要求部812は、通信インタフェース83を介して、ETC中央装置1へETCカードIDに基づく通行履歴情報を要求する。言い換えれば、通行履歴要求部812は、は、ETCカードIDをキーにして通行履歴検索を要求する。
【0054】
ETC中央装置1の通信インタフェース13は、ETCカードIDに基づく通行履歴情報の要求を受信し、プロセッサ11の通行履歴検索部112は、第1の通行履歴情報テーブル及び第2の通行履歴情報テーブルを参照し、ETCカードIDに基づく通行履歴情報を検索し、通行履歴検索結果出力部113は、通信インタフェース13を介して操作端末8へ通行履歴情報の検索結果を出力する。操作端末8の通信インタフェース83は通行履歴情報の検索結果を受信し、プロセッサ81の通行履歴出力部813は、表示部84に通行履歴情報の検索結果画面(
図6)を表示するように制御し、表示部84は、通行履歴情報の検索結果画面(
図6)を表示する。
【0055】
例えば、表示部84は、ETCカードID及び第1の通行履歴情報テーブルに基づき検索された第1の通行履歴情報と、ETCカードID及び第2の通行履歴情報テーブルに基づき検索された第2の通行履歴情報とを表示する。第1の通行履歴情報は、VICS又はITSスポット等の通行履歴を示す情報である。第2の通行履歴情報は、料金所の通行履歴を示す情報である。例えば、第1の通行履歴情報は、地図データと重ねて車両の通行経路(通行軌跡)を示す情報であってもよい。また、第2の通行履歴情報は、利用頻度順に料金所の通行履歴を示す情報であってもよい。なお、係員が、操作端末8の操作部85により終了を選択すると、表示部84の画面が遷移し、表示部84は検索画面84aを表示する。
【0056】
図6は、実施形態に係る料金収受システムにおける通行履歴出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
操作端末8の表示部84は、検索画面を表示する(S101)。操作部85及び情報取得部811によりETCカードIDが取得され(S102)、操作部85により実行ボタンが押下され(S103、YES)、インタフェース83及び通行履歴要求部812はETC中央装置1にETCカードID及び通行履歴情報の要求を送信する(S104)。
【0058】
ETC中央装置1のインタフェース13は、ETCカードID及び通行履歴情報の要求を受信し、プロセッサ11の通行履歴検索部112は、ETCカードID及び通行履歴情報の要求に基づき通行履歴検索処理を実行する(S105)。通行履歴検索処理は、別のフローチャートにて詳しく説明する。インタフェース13及び通行履歴検索結果出力部113は、通行履歴検索処理の結果を配信(送信)する(S106)。
【0059】
操作端末8のインタフェース83は、通行履歴検索処理の結果を受信し、プロセッサ81の通行履歴出力部813は、表示部84に通行履歴情報の検索結果画面を表示するように制御し、表示部84は、通行履歴検索処理の結果の画面表示処理を実行する(S107)。画面表示処理は、別のフローチャートにて詳しく説明する。操作部85により終了ボタンが押下されると(S108、YES)、通行履歴検索処理の結果の表示が削除され(S108)、検索画面の表示へ遷移する。なお、検索画面にて、ETCカードIDを入力後、操作部85により入力削除ボタンが押下されると(S103、NO)(S110、YES)、入力内容が削除される(S111)。
【0060】
図8は、実施形態に係る料金収受システムのETC中央装置における通行履歴検索処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
ETC中央装置1のプロセッサ11の通行履歴検索部112は、操作端末8から受信したETCカードID及び通行履歴情報の要求に基づき、第1の通行履歴情報テーブル及び第2の通行履歴情報テーブルを含むデータベースから、受信したETCカードIDの通行履歴情報を検索する(S1051)。通行履歴検索結果出力部113は、受信したETCカードIDの通行履歴情報がデータベースに登録されている場合(S1052、YES)、第1の通行履歴情報テーブル内の受信したETCカードIDに対応する利用日時と経路情報、及び第2の通行履歴情報テーブル内の受信したETCカードIDに対応する利用日時と料金所情報等を検索結果として出力する(S1053)。また、通行履歴検索結果出力部113は、データベースに登録されていない場合は(S1052、NO)、検索結果なしを出力する(S1054)。
【0062】
図9は、実施形態に係る料金収受システムの操作端末における画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
操作端末8のインタフェース83は、データベースから検索された検索結果を受信した場合、つまり検索結果ありの場合(S1071、YES)、プロセッサ81は、検索結果に含まれる利用日時と料金所情報を集計し(S1072)、利用料金所情報を生成し、通行履歴出力部813及び表示部84は、利用料金所情報を表示する(S1073)。例えば、通行履歴出力部813及び表示部84は、利用頻度順に利用料金所情報を表示する(S1073)。
【0064】
また、通行履歴出力部813は、検索結果に含まれる利用日時と経路情報を地図上に重ねて通行経路情報を生成し、通行履歴出力部813及び表示部84は、生成される通行経路情報を表示する(S1074)。例えば、通行履歴出力部813は、検索結果に含まれる経路情報(路側装置の位置情報)を地図上にプロットし、利用日時に基づきプロットを線で順に繋げて通行経路情報を生成し、通行履歴出力部813及び表示部84は、生成される通行経路情報を表示する。また、通行履歴出力部813は、操作端末8の位置情報(現在位置)を地図上にプロットし、通行履歴出力部813及び表示部84は、操作端末8の位置情報を含む通行経路情報を表示するようにしてもよい。これにより、視覚的に通行経路を認識することができる。なお、利用料金所情報の集計及び表示(S1072)(S1073)と通行経路情報の生成及び表示(S1074)の処理の順序は問わない。
【0065】
なお、検索結果なしを受信した場合は(S1071、NO)、通行履歴出力部813及び表示部84は、該当結果なしの旨を表示する(S1075)。
【0066】
図10は、実施形態に係る料金収受システムのデータ追加処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
ETC中央装置1のインタフェース13は、路車間通信機器6及び料金所車線機器7からのデータを受信する(S201)。プロセッサ11の通行履歴管理部111は、料金所車線機器7からの経路情報等の受信に対応して(S202、YES)、経路情報紐付け処理を実行し(S203)、経路情報登録処理(S204)を実行する。また、通行履歴管理部111は、路車間通信機器6からの料金所情報等の受信に対応して(S202、NO)、利用料金所情報登録処理を実行する(S205)。
【0068】
図11は、実施形態に係る料金収受システムの経路情報紐付け処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
例えば、インタフェース13は、料金所車線機器7からの情報として、車載器との通信日時と、路側識別情報及び路側位置情報の少なくとも一方を含む経路情報と、及びASL−IDとを受信する。プロセッサ11の通行履歴管理部111は、受信したASL−IDと車載器情報テーブルに基づき、受信したASL−IDをキーとして、受信したASL−IDに対応する車載器IDを検索する(S2031)。さらに、通行履歴管理部111は、利用者情報テーブルに基づき車載器IDをキーとして、車載器IDに対応するETCカードIDを検索する(S2032)。さらに、通行履歴管理部111は、検索されたETCカードIDを結果として出力し(S2033)、検索されたETCカードIDと受信した通信日時及び経路情報を紐付けする。
【0070】
図12は、実施形態に係る料金収受システムの経路情報登録処理及び利用料金所情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、経路情報登録処理について説明する。経路情報紐付け処理において検索されたETCカードIDを登録対象のETCカードIDと称する。例えば、通行履歴管理部111は、第1の通行履歴情報テーブルから、登録対象のETCカードIDを検索する(S2041)。第1の通行履歴情報テーブル中に登録対象のETCカードIDが未登録であれば(S2042、NO)、通行履歴管理部111は、第1の通行履歴情報テーブルへ、登録対象のETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び経路情報を新規に追加(登録)する(S2045)。
【0072】
第1の通行履歴情報テーブル中に登録対象のETCカードIDが登録済みであり(S2042、YES)、登録数が最大であれば(S2043、NO)、通行履歴管理部111は、最も古い登録データを削除し(S2044)、第1の通行履歴情報テーブルへ、登録対象のETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び経路情報を追加(登録)する(S2046)。なお、第1の通行履歴情報テーブルの登録可能数は設定ファイルにより可変である。
【0073】
続いて、利用料金所情報登録処理について説明する。路車間通信機器6から送信されるETCカードIDを登録対象のETCカードIDと称する。通行履歴管理部111は、第2の通行履歴情報テーブルから、登録対象のETCカードIDを検索する(S2051)。第2の通行履歴情報テーブル中に登録対象のETCカードIDが未登録であれば(S2052、NO)、通行履歴管理部111は、第2の通行履歴情報テーブルへ、登録対象のETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び料金所情報を新規に追加(登録)する(S2055)。
【0074】
第2の通行履歴情報テーブル中に登録対象のETCカードIDが登録済みであり(S2052、YES)、登録数が最大であれば(S2053、NO)、通行履歴管理部111は、最も古い登録データを削除し(S2054)、第2の通行履歴情報テーブルへ、登録対象のETCカードID、通信日時に対応する利用日時、及び料金所情報を追加(登録)する(S2056)。なお、第2の通行履歴情報テーブルの登録可能数は設定ファイルにより可変である。
【0075】
図13は、実施形態に係る料金収受システムのデータベース更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
ETC中央装置1の記憶部12のデータベースを定期的に更新し、規定期間外のデータを削除する。例えば、プロセッサ11の通行履歴管理部111は、任意の更新タイミングで(S301、YES)、規定期間外のデータの有無を確認する(S302)。通行履歴管理部111は、該当データがあると判定した場合は、該当データを削除(S303)し、該当データがなければ更新処理を終了する。なお、規定期間は設定ファイルにより可変である。
【0077】
なお、本実施形態の料金収受システムでは、通行履歴情報の出力形式として、表示部84による表示について説明したが、他の出力形式でもよい。例えば、通行履歴出力部813は、インタフェース83を介して通行履歴情報をプリンタへ出力し、プリンタにより通行履歴情報を印刷するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態の料金収受システムでは、通行経路情報及び利用料金所情報を含む通行履歴情報の出力について説明したが、通行経路情報及び利用料金所情報のうちの少なくとも一方を含む通行履歴情報を出力するようにしてもよい。
【0079】
上記説明した料金収受システムによれば、ETCシステム利用時の通行情報の一部欠落等が発生した場合において(例えば入口料金所情報の欠落が発生している出場処理において)、適正課金の判断材料を提供することができ、適正課金を支援することができる。適正課金の判断材料として、通行履歴情報を提供することができる。通行履歴情報は、通行経路情報及び利用料金所情報を含み、利用者の申告内容の真偽判定に利用することができる。例えば、視角化される通行経路情報によりこれまでの通行経路(軌跡)を確認することができ、現在位置(出場料金所)に至るまでの通行経路から、申告内容の真偽を簡単に判定することができる。また、視角化される利用料金所情報により、簡単に利用頻度の高い料金所を認識することができ、申告される料金所が利用頻度の高い料金所であれば正しい申告である可能性が高いと判定することができる。これにより、適正課金判定時間を短縮することもでき、トラブルを軽減することができる。
【0080】
例えば、以下の効果が得られる。
・出口料金所にて入口料金所の情報が欠落している場合に、利用者の申告した入口料金所を信じるかどうかの判断材料として通行履歴情報を利用することにより、サービススタッフの対応が容易となる。
・通行履歴情報を利用することにより、異なる入口料金所の申告による不正通行や通行料金の最大課金の可能性を減らすことが出来る。
・通行履歴情報を利用することにより、対応時間を短くすることが出来る。
・通行履歴情報を利用することにより、利用者とサービススタッフ間のトラブルを減らすことが出来る。
【0081】
なお、通行履歴出力処理はいくつかのソフトウェア(プログラム)によって実行することが可能である。このため、上記通行履歴出力処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムをETC中央装置1及び操作端末8へインストールして実行するだけで、上記通行履歴出力を容易に実現することができる。例えば、ETC中央装置1及び操作端末8は、上記プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、通行履歴出力は、上記プログラムを情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ETC中央装置と料金所装置を備える料金収受システムであって、
前記ETC中央装置は、
料金所において車載器と通信により取得した情報と、道路の路側に設けられた複数の路車間通信機器の通信結果を対応させて通行履歴情報を管理する通行履歴管理部と、
通行履歴検索対象のカード識別情報に基づく通行履歴情報の要求を受信し、前記通行履歴検索対象のカード識別情報に基づく通行履歴情報を検索して検索結果を出力する検索出力部と
を備え、
前記料金所装置は、
前記通行履歴検索対象のカード識別情報を取得し、前記ETC中央装置に対して前記通行履歴検索対象のカード識別情報に基づく通行履歴情報を要求する通行履歴要求部と、 前記ETC中央装置からの前記検索結果を受信し、前記検索結果に基づく通行履歴情報を出力する通行履歴出力部と
を備えた料金収受システム。
[C2]
前記通行履歴情報は、
前記カード識別情報に関連付けられる前記車載器の第1の車載器識別情報、前記第1の車載器識別情報に関連付けられる前記車載器の第2の車載器識別情報、前記路車間通信機器により受信される前記車載器の第2の車載器識別情報、前記路車間通信機器と前記車載器との通信日時情報、及び前記路車間通信機器の路側位置情報から生成される通行経路情報を含む[C1]の料金収受システム。
[C3]
前記通行履歴情報は、カード識別情報が記憶されるETCカードを処理する車載器と通信する料金所車線機器により受信されるカード識別情報、前記料金所車線機器と車載器との通信日時情報、及び前記料金所車線機器の料金所情報から生成される利用料金所情報を含む[C1]又は[C2]の料金収受システム。
[C4]
前記通行経路情報は、前記車載器を搭載する車両の通行経路を地図上に示す情報である[C2]の料金収受システム。
[C5]
カード識別情報が記憶されるETCカードを処理する車載器とサービス提供用の複数の路車間通信機器及び料金収受用の複数の料金所車線機器との通信により取得される通行履歴情報を管理するETC中央装置と通信する通信部と、
通行履歴検索対象のカード識別情報を取得する情報取得部と、
前記ETC中央装置に対して前記通行履歴検索対象のカード識別情報に基づく通行履歴情報を要求する通行履歴要求部と、
前記要求に対応する前記ETC中央装置からの通行履歴情報を出力する通行履歴出力部と、
を備える料金所装置。
[C6]
通行履歴検索対象のカード識別情報を取得し、
カード識別情報が記憶されるETCカードを処理する車載器とサービス提供用の複数の路車間通信機器及び料金収受用の複数の料金所車線機器との通信により取得される通行履歴情報を管理するETC中央装置と通信し、
前記ETC中央装置に対して前記通行履歴検索対象のカード識別情報に基づく通行履歴情報を要求し、
前記要求に対応する前記ETC中央装置からの通行履歴情報を出力する、
料金収受方法。