特許第6833650号(P6833650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000002
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000003
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000004
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000005
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000006
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000007
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000008
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000009
  • 特許6833650-料金収受システム及び料金収受方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833650
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】料金収受システム及び料金収受方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20210215BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210215BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   G07B15/00 P
   G07B15/00 510
   G06Q50/10
   G08G1/09 F
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-186720(P2017-186720)
(22)【出願日】2017年9月27日
(65)【公開番号】特開2019-61554(P2019-61554A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】山本 智弘
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−162400(JP,A)
【文献】 特開2016−170461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/10
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとを備える料金収受システムであって、
前記入口金所システム、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止する発進制御機を備え、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、また、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金し、また、前記第1及び第3の課金情報を受信した場合には、前記第1の課金情報に含まれる前記入口情報、及び前記第3の課金情報に含まれる前記出口情報に基づき前記正規料金を算出し、前記正規料金を通行料金として課金する、料金収受システム。
【請求項2】
前記上位システムは、前記第1の課金情報を受信せずに前記第3の課金情報を受信した場合には前記第3の課金情報に基づき通行料金を課金する、請求項の料金収受システム。
【請求項3】
前記上位システムは、前記第1の課金情報を受信し一定期間内に前記第2の課金情報を受信しない場合には、前記第1の課金情報に基づき通行料金を課金する、請求項1又は2の料金収受システム。
【請求項4】
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとを備える料金収受システムであって、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止する発進制御機を備え、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、また、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金し、また、前記第1の課金情報を受信せずに前記第3の課金情報を受信した場合には前記第3の課金情報に基づき通行料金を課金する、料金収受システム。
【請求項5】
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとにより実行される料金収受方法であって、
前記入口金所システム、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止し、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、また、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金し、また、前記第1及び第3の課金情報を受信した場合には、前記第1の課金情報に含まれる前記入口情報、及び前記第3の課金情報に含まれる前記出口情報に基づき前記正規料金を算出し、前記正規料金を通行料金として課金する、料金収受方法。
【請求項6】
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとにより実行される料金収受方法であって、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止し、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、また、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金し、また、前記第1の課金情報を受信せずに前記第3の課金情報を受信した場合には前記第3の課金情報に基づき通行料金を課金する、料金収受方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、料金収受システム及び料金収受方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路等の有料道路等においては、入口及び出口となるICに料金所を設けて、走行した距離に応じた通行料金を課金する。
このような入口料金所、及び出口料金所を設置するためには、設置場所が必要となるだけでなく、対応設備の設置工事のコストも大きい。このため、都市部等では対応設備の設置場所を確保することが困難なことが多いため、入口料金所で均一料金を徴収し、出口料金所を省略した均一料金化が、一部区間で採用されてきた。
【0003】
一般的に、狭域無線通信(Dedicated Short-Range Communication)を利用した電子料金収受システム(Electronic Toll Collection System、以下、ETCシステム)が普及していることが知られている。
【0004】
例えば、ETCシステムの構成は、大別すると、中央側と料金所側に分けられる。中央側にはサーバ等に相当する上位システムが設けられ、料金所側には上位システムと通信する入口及び出口の料金所システムが設けられる。入口及び出口の料金所システムの構成は、料金所機械室に設置される料金所共通部分、及び料金所において車両が走行する車線毎に設けられる路側設備に分けられる。各路側設備は、複数の車両検知器、複数のアンテナ、表示器、発進制御機(制御バー)、及び監視カメラ等を備える。
【0005】
上記のようにETCシステムの普及により、均一区間の料金所を省略していた出口に、アンテナ等の設置工事を行って発進制御装置を持たない簡易料金所システムを設置することで、ETC車両に対しての課金が可能となった。このため、従来均一料金としていた区間に対して、ETC車のみを対距離化への移行が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−310635号公報
【特許文献2】特開2005−85046号公報
【特許文献3】特開2008−97406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、入口及び出口の料金所システムの一方、例えば出口の料金所システムに簡易料金所システムを適用した場合、課金漏れの増加が懸念される。例えば、簡易料金所システムでは、入口情報を持たない車両に対して課金することは難しい。このような事情から、入口及び出口の料金所システムの一方、例えば出口の料金所システムにフリーフローと呼ばれる簡易料金所システムを適用した場合における課金漏れの低減技術が要望されている。
【0008】
本発明の目的は、入口及び出口の一方にフリーフローを適用した場合において課金漏れの少ない料金収受システム及び料金収受方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る料金収受システムは、入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとを備える。前記入口及び出口料金所システムの一方は、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止する発進制御機を備える。前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信する。前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信する。前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態の第1−1例に係るETCシステムによる料金収受処理を模式的に示す図である。
図3】第1の実施形態の第1−2例に係るETCシステムによる料金収受処理を模式的に示す図である。
図4】第1の実施形態の第1−3例に係るETCシステムによる料金収受処理を模式的に示す図である。
図5】第1の実施形態の第1−4例に係るETCシステムによる料金収受処理を模式的に示す図である。
図6】第1の実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態の第2−1例に係るETCシステムによる料金収受処理を模式的に示す図である。
図8】第2の実施形態の第2−3例に係るETCシステムによる料金収受処理の第6例を模式的に示す図である。
図9】第2の実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態に係るETCシステムの一例について説明する。
図1は、実施形態に係るETCシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。ETCシステムの構成は、大別すると、中央側と料金所側に分けられる。中央側にはサーバ等に相当する上位システム1が設けられ、料金所側には上位システム1と通信する入口及び出口の料金所システム2が設けられる。ETCシステムは、入口及び出口の料金所システム2の少なくとも一方において車両の通行を制御しつつ、通行する車両に対する料金を収受するシステムである。例えば、ETCシステムが適用される有料道路等の入口及び出口には料金所が設けられ、これら入口及び出口には1又は複数の車線が設けられる。
【0012】
入口の料金所システムは、アンテナを介して、走行する車両の車載器と無線通信し、入口料金所に対応する入口情報を送信する。車両の車載器は、入口情報を受信し、装填されているETCカードへ入口情報を記録する。アンテナと車両の車載器の通信が完了すると、発進制御機(制御バー)を開き、車両が入口料金所を通過できるようになる。
【0013】
また、出口の料金所システムは、アンテナを介して、走行する車両の車載器と無線通信し、車載器に装填されているETCカードのID及び入口情報を受信する。出口の料金所システムは、受信した入口情報と出口料金所に対応する出口情報から通行料金を算出し、車載器に通知する。アンテナと車両の車載器の通信が完了すると、発進制御機(制御バー)を開き、車両が出口料金所を通過できるようになる。
また、出口の料金所システムは、上位システムに対して、料金明細を作成して、送信する。これを受けた上位システムでは、受信したETCカードのIDに対して通行料金を課金する。
【0014】
上位システム1は、汎用のコンピュータ等により構成することができ、プロセッサ11、記憶部12、インタフェース13、表示部14、及び操作部15等を備える。プロセッサ11は、記憶部12が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ11は、記憶部12が記憶するプログラムを実行することにより料金収受処理部(課金処理部)として機能する。記憶部12は、プロセッサが実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部12は、後述する料金テーブルを記憶する。インタフェース13は、各料金所システム2に接続するための無線又は有線のインタフェースである。表示部14は、プロセッサ11からの表示制御に応じた表示内容を表示し、料金収受処理に関する情報を表示する。操作部15は、キーボード、ポインティングデバイス、或は、タッチパネルなどで構成される。操作部15は、オペレータから入力される情報を受け付けその情報をプロセッサへ供給する。例えば、表示部14及び操作部15は、タッチパネルを有する表示装置により構成しても良い。
【0015】
入口及び出口の料金所システム2の構成は、料金所機械室に設置される料金所共通部分、及び料金所において車両が走行する車線毎に設けられる路側設備24に分けられる。例えば、料金所機械室には、データ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23が設けられる。
【0016】
データ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23のそれぞれは、汎用のコンピュータ等により構成することができ、プロセッサ、記憶部、インタフェース、表示部、及び操作部等を備える。
【0017】
まず、データ処理装置21のプロセッサ、記憶部、インタフェース等について説明する。プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより料金収受処理部(課金処理部)として機能する。記憶部は、プロセッサが実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部は、後述する料金テーブルを記憶する。インタフェースは、上位システム1及び料金所サーバ22に接続するための無線又は有線のインタフェースである。
【0018】
続いて、料金所サーバ22のプロセッサ、記憶部、インタフェース等について説明する。プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより料金収受処理部(課金処理部)として機能する。記憶部は、プロセッサが実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部は、後述する料金テーブルを記憶する。インタフェースは、データ処理装置21及び車線サーバ23に接続するための無線又は有線のインタフェースである。
【0019】
続いて、車線サーバ23のプロセッサ、記憶部、インタフェース等について説明する。プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサは、記憶部が記憶するプログラムを実行することにより車線制御部として機能する。記憶部は、プロセッサが実行するプログラムを記憶するプログラムメモリ、作業用のデータを記憶するワーキングメモリ、データファイルなどを記憶するデータメモリを有する。例えば、記憶部は、後述する料金テーブルを記憶する。インタフェースは、料金所サーバ22及び路側設備24に接続するための無線又は有線のインタフェースである。
【0020】
入口及び出口の料金所システム2の一方(例えば入口の料金所システム2)の路側設備24aは、複数の車両検知器、複数のアンテナ、発進制御機、表示器、及び監視カメラ等を備える。入口及び出口の料金所システム2の他方(例えば出口の料金所システム2)の路側設備24bは、複数の車両検知器、複数のアンテナ、表示器、及び監視カメラ等を備える。このように、入口及び出口の料金所システム2の一方が発進制御機を備え、他方が発進制御機を備えないケースを想定し料金収受処理について説明する。このような構成によりETCシステム全体のコストを削減することができる。なお、入口及び出口の料金所システム2の両方に発進制御機を備えるケースにも本実施形態で説明する料金収受処理を適用することはできる。
【0021】
上位システム1は、データ処理装置21に接続され、データ処理装置21を介して、料金所サーバ22及び車線サーバ23と接続される。なお、上位システム1が、ダイレクトに、料金所サーバ22及び車線サーバ23と接続してもよい。所定料金所の車線サーバ23は、同一の所定料金所の料金所機械室に設置される料金所サーバ22と接続する。さらに、所定料金所の車線サーバ23は、同一の所定料金所の各路側設備24と接続する。
【0022】
上位システム1は、各料金所のデータ処理装置21との間で各種データを交換し、データ処理装置21は、料金所サーバ22との間で各種データを交換し、料金所サーバ22は、車線サーバ23との間で各種データを交換する。車線サーバ23は、各路側設備24から送信されるセンサデータ及び車両情報に基づき、路側設備24を制御したり、課金処理を実行したりする。課金処理については後に詳しく説明する。
【0023】
路側設備24a(発進制御機有り)は、インタフェース241、複数のアンテナ242、複数の車両検知器243、複数の表示器244、発進制御機245等を備える。また、路側設備24b(発進制御機245無し)は、インタフェース241、複数のアンテナ242、複数の車両検知器243、複数の表示器244等を備える。
【0024】
入口(料金所A)の車線に設けられる路側設備24aの複数のアンテナ242は、例えば入口(料金所A)の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードC(情報記憶媒体)のID(識別情報)等を受信し、また、入口(料金所A)に対応する入口情報を送信する。車載器は、装填されたETCカードCに入口情報を記録する。入口情報は、入口(料金所A)の識別コード、及び入口(料金所A)の通過日時等を含む。また、入口(料金所A)の車線に設けられる路側設備24aの複数の車両検知器243は、入口(料金所A)の車線を通過する車両を検知し、車両検知信号を出力する。インタフェース241は、複数のアンテナ242で受信された情報、及び複数の車両検知器243から出力される車両検知信号等の各部からの情報を集約して、車線サーバ23へ出力する。車線サーバ23は、インタフェース241からの情報に基づき車両の通行可否を判定し、通行許可又は通行禁止の処理結果を出力し、入口(料金所A)の車線を通過する車両から受信したETCカードCのIDに対して料金収受処理を実行する。なお、料金収受処理は、後に詳しく説明する。
【0025】
インタフェース241は、通行許可又は通行禁止の処理結果を受信し、各部へ処理結果を出力する。表示器244は、通行許可の処理結果に基づき通行許可を案内表示し、また、通行禁止の処理結果に基づき通行禁止を案内表示する。また、発進制御機245は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可し、通行禁止の処理結果に基づき通行制御バーを下げて(又は通行制御バーを下げた状態を維持し)車線を封鎖し車両の通行を禁止する。
【0026】
出口(料金所X)の車線に設けられる路側設備24bの複数のアンテナ242は、例えば出口(料金所X)の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID、及び入口情報等を受信する。また、出口(料金所X)の車線に設けられる路側設備24bの複数の車両検知器243は、出口(料金所X)の車線を通過する車両を検知し、車両検知信号を出力する。インタフェース241は、複数のアンテナ242で受信された情報、及び複数の車両検知器243から出力される車両検知信号等の各部からの情報を集約して、車線サーバ23へ出力する。車線サーバ23は、インタフェース241からの情報に基づき車両の通行可否を判定し、通行許可又は通行禁止の処理結果を出力し、出口(料金所X)の車線を通過する車両から受信したETCカードCのIDに対して料金収受処理を実行する。なお、料金収受処理は、後に詳しく説明する。
【0027】
インタフェース241は、通行許可又は通行禁止の処理結果を受信し、各部へ処理結果を出力する。表示器244は、通行許可の処理結果に基づき通行許可を案内表示し、また、通行禁止の処理結果に基づき通行禁止を案内表示する。なお、路側設備24bは、発進制御機245を備えていないので、通行制御バーによる車線を開放又は封鎖は行われない。
【0028】
<第1の実施形態>
次に、第1の実施形態は、入口(例えば料金所A)に路側設備24a(発進制御機245有り)を設置し、出口(例えば料金所X)に路側設備24b(発進制御機245無し)を設置するケースとする。発進制御機245の無い入口又は出口料金所をフリーフローと呼ぶこともある。入口側が発進制御装置のある通常の料金所で、出口側がアンテナ装置のみのフリーフロー(簡易料金所)の例である。
【0029】
ここで、図2図5の模式図と、図6のフローチャートを参照し、第1の実施形態の料金収受処理をいくつかの例に分けて説明する。各例において共通部分についての説明は適宜省略する。
【0030】
○第1−1例(正常な例)
図2は、実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の第1−1例として、正常な例を模式的に示す図である。図6は第1の実施形態の動作を説明するためのである。
図6のフローチャートを参照して第1−1例を説明する。
図6において、上位システム1は、仮料金を含む料金テーブルを記憶し、事前に、各料金所システム2へ料金テーブルを配信する(ステップST11)。例えば、上位システム1は、入口(料金所A)の料金所システム2へ、料金所Aの通過後の最大料金に相当する仮料金を含む料金テーブルを配信する。なお、仮料金は、運用に応じて任意の金額を設定することができる。ここでは、例えば仮料金を3000円とする。また、上位システム1は、出口(料金所X)の料金所システム2へ、料金所A、B、C、その他から料金所Xまでの料金を含む料金テーブルを配信する。ここでは、例えば料金所A、B、C、その他から料金所Xまでの各料金を1000円、1200円、1500円、3000円とする。なお、その他から料金所Xまでの料金を仮料金と呼ぶこともある。また、料金テーブルは車種別に存在するものとする。
【0031】
入口(料金所A)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST21)。
入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(車両検知器243)は、入口の車線を通過する車両を検知し(ステップST22、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24a(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信し(ステップST23、YES)、また、入口(料金所A)に対応する入口情報を送信する。また、車両の車載器は、入口情報を受信し、装填されているETCカードCに入口情報を記録し、入口情報の記録完了を返信する。路側設備24a(アンテナ242)は、入口情報の記録完了を受信する。路側設備24aは、ETCカードCのID及び入口情報の記録完了等を車線サーバ23へ送信する。
【0032】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST23、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST24)。また、車線サーバ23は、入口情報の記録完了の受信に基づき、入口処理完了と判定し、通行許可及び入口処理完了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び入口処理完了の処理結果は、ETCカードCのID及び料金テーブルに含まれる仮料金(例えば3000円)を含む。
【0033】
料金所サーバ22は、通行許可及び入口処理完了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び入口処理完了の処理結果の受信に基づき、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。例えば、第1の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、車両情報、入口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。また、第1の課金情報は、課金漏れを防ぐための情報である。
【0034】
一方、出口(料金所X)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST31)。
出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(車両検知器243)は、出口の車線を通過する車両を検知し(ステップST32、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24b(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器に記憶された車両情報、車載器に装填されたETCカードCのID、及びETCカードC内の出口情報が対応付けられていない入口情報(つまり出口処理されていない入口情報)等を受信し、出口(料金所X)に対応する出口情報を送信する。出口情報は、出口(料金所X)の識別コード、及び出口(料金所X)の通過日時等を含む。また、車両の車載器は、出口情報を受信し、装填されているETCカードCの入口情報に対応付けて出口情報を記録し、出口情報の記録完了を返信する。路側設備24b(アンテナ242)は、出口情報の記録完了を受信する。路側設備24bは、ETCカードCのID、入口情報、及び出口情報の記録完了等を車線サーバ23へ送信する。
【0035】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST33、YES)、課金可能の処理結果を出力する。また、車線サーバ23は、出口情報の記録完了の受信に基づき、出口処理完了と判定し(ステップST35、YES)、課金可能及び出口処理完了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。課金可能及び出口処理完了の処理結果は、ETCカードCのID及び正規料金を含む。なお、車線サーバ23は、車載器から受信した車両情報に基づき車種を判別し、判別された車種の料金テーブル、入口情報(料金所A)、及び出口情報(料金所X)に基づき正規料金(例えば1000円)を算出する。
【0036】
料金所サーバ22は、課金可能及び出口処理完了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、課金可能及び出口処理完了の処理結果の受信に基づき、第2の課金情報(本明細)を上位システム1へ送信する(ステップST36)。例えば、第2の課金情報(本明細)は、ETCカードCのID及び料金テーブルに含まれる正規料金(例えば1000円)を含む。なお、第2の課金情報(本明細)は、ETCカードCのID及び正規料金に加えて、車両情報、入口情報、及び出口情報の少なくとも一つを含んでもよい。
【0037】
上位システム1は、入口(料金所A)の料金所システム2から第1の課金情報(仮明細)を受信し、出口(料金所X)の料金所システム2から第2の課金情報(本明細)を受信し、これら第1及び第2の課金情報を受信した場合には第2の課金情報に基づき正規料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金1)。なお、上位システム1は、第1及び第2の課金情報に含まれる同一のETCカードCのID等で、第1及び第2の課金情報を対応付けて、ETCカードCのIDに対して課金する。
【0038】
○第1−2例(入口情報の書き込み不良の例)
図3は、実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の第1−2例として、「ETCカードへの入口情報の書き込みができなかった例」を模式的に示す図である。
図6のフローチャートを参照して第1−2例を説明する。
図6において、上位システム1は、仮料金を含む料金テーブルを記憶し、事前に、各料金所システム2へ料金テーブルを配信する(ステップST11)。詳細説明は省略する。
【0039】
入口(料金所A)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST21)。
入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(車両検知器243)は、入口の車線を通過する車両を検知し(ステップST22、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24a(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信し(ステップST23)、また、入口(料金所A)に対応する入口情報を送信する。ここで、車両の車載器が、入口情報の受信に失敗したり、装填されているETCカードCへの入口情報の記録に失敗したりすると、入口情報の記録完了は返信されない。
【0040】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST23、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST24)。また、車線サーバ23は、入口情報の記録完了を受信することができず、入口処理未了と判定し、通行許可及び入口処理未了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び入口処理未了の処理結果は、ETCカードCのID及び料金テーブルに含まれる仮料金(例えば3000円)を含む。
【0041】
料金所サーバ22は、通行許可及び入口処理未了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び入口処理未了の処理結果の受信に基づき、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。
【0042】
一方、出口(料金所X)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST31)。
出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(車両検知器243)は、出口の車線を通過する車両を検知し(ステップST32、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24b(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信する。ここで、路側設備24bが、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信するが、入口情報(ETCカードC内の出口情報が対応付けられていない入口情報)を受信できないとする。その原因としては、入口(料金所A)においてETCカードCへの入口情報が記録されなかったことだけでなく、出口の料金所システム2の路側設備24bと車載器との間の無線通信の異常、又は車載器とETCカードC間の異常等が想定される。この場合、正規料金を算出することはできない。例えば、路側設備24bは、入口情報を受信できないため、出口情報を送信しない。これにより、車両の車載器は、装填されているETCカードCの入口情報に対応付けて出口情報を記録することができず、路側設備24bは、出口情報の記録完了を受信することもできない。
【0043】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST33、YES)、課金可能の処理結果を出力する。また、車線サーバ23は、出口情報の記録完了を受信できないケース等を出口処理未了と判定し(ステップST35、NO)、課金可能及び出口処理未了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。課金可能及び出口処理未了の処理結果は、ETCカードCのID及びその他から料金所Xまでの料金(仮料金)を含む。なお、その他から料金所Xまでの料金(仮料金)は、車両情報から判定される車種の料金テーブルから選択された料金である。また、出口処理未了であっても(ステップST35、NO)、路側設備24bは発進制御機245を備えないため、車両の通行を阻止することはできず、車両は出口(料金所X)を通過することができる。
【0044】
料金所サーバ22は、課金可能及び出口処理未了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、課金可能及び出口処理未了の処理結果の受信に基づき、第3の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST37)。例えば、第3の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、出口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。
【0045】
上位システム1は、入口(料金所A)の料金所システム2から第1の課金情報(仮明細)を受信し、出口(料金所X)の料金所システム2から第3の課金情報(仮明細)を受信する。例えば、上位システム1は、第1の課金情報に含まれるETCカードCのID、車両情報、入口情報と、第3の課金情報に含まれるETCカードCのID、出口情報に基づき、ETCカードCのIDの一致を確認し、車両情報に基づき車種を判別し、判別された車種の料金テーブル、入口情報(料金所A)、及び出口情報(料金所X)に基づき正規料金(例えば1000円)を算出し、正規料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金2)。
【0046】
○第1−3例(入口明細が上がらなかった例)
図4は、実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の第1−3例として、何らかの理由で「入口料金所は通過したが、入口明細が上がらなかった例」を模式的に示す図である。ここで、料金所明細が上がらずに、入口を通過した一例としては、料金所を強行突破した場合がある。
図6のフローチャートを参照して第1−3例を説明する。
図6において、上位システム1は、仮料金を含む料金テーブルを記憶し、事前に、各料金所システム2へ料金テーブルを配信する(ステップST11)。詳細説明は省略する。
【0047】
入口(料金所A)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST21)。
入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(車両検知器243)は、入口の車線を通過する車両を検知し(ステップST22、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24a(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器と無線通信する。
【0048】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST23、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST24)。車線サーバ23は、ETCカードCのID等を受信できない場合には(ステップST23、NO)、通行不許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行不許可の処理結果に基づき通行制御バーを下げて(又は通行制御バーを下げた状態を維持し)車両の通行を禁止する(ステップST26)。このように通行が禁止された状態では、本来、係員対応となるが、無理矢理に通過してしまう車両や隙間をすり抜けてしまう二輪車両等がある。このような場合には、データ処理装置21は、課金情報を上位システム1へ送信できない。
【0049】
一方、出口(料金所X)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST31)。
出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(車両検知器243)は、出口の車線を通過する車両を検知し(ステップST32、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24b(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信する。ここで、路側設備24bが、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信するが、入口情報(ETCカードC内の出口情報が対応付けられていない入口情報)を受信できない。この場合、正規料金を算出することはできない。例えば、路側設備24bは、入口情報を受信できないため、出口情報を送信しない。これにより、車両の車載器は、装填されているETCカードCの入口情報に対応付けて出口情報を記録することができず、路側設備24bは、出口情報の記録完了を受信することもできない。
【0050】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST33、YES)、課金可能の処理結果を出力する。また、車線サーバ23は、出口情報の記録完了を受信できないケース等を出口処理未了と判定し(ステップST35、NO)、課金可能及び出口処理未了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。課金可能及び出口処理未了の処理結果は、ETCカードCのID及びその他から料金所Xまでの料金(仮料金)を含む。なお、その他から料金所Xまでの料金(仮料金)は、車両情報から判定される車種の料金テーブルから選択された料金である。また、出口処理未了であっても(ステップST35、NO)、路側設備24bは発進制御機245を備えないため、車両の通行を阻止することはできず、車両は出口(料金所X)を通過することができる。
【0051】
料金所サーバ22は、課金可能及び出口処理未了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、課金可能及び出口処理未了の処理結果の受信に基づき、第3の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST37)。例えば、第3の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、出口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。
【0052】
上位システム1は、出口(料金所X)の料金所システム2から第3の課金情報(仮明細)を受信するが、入口(料金所A)の料金所システム2からこの第3の課金情報に対応する課金情報は受信しない。つまり、第3の課金情報に含まれるETCカードCのIDと同じIDの課金情報を受信しない。上位システム1は、第1の課金情報を受信せずに第3の課金情報を受信した場合には、第3の課金情報に基づき仮料金(例えば3000円)を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金3)。
【0053】
以上により、出口の料金所システム2として発進制御機245を持たない簡易料金所システムを適用した場合でも、課金漏れを低減することができる。
【0054】
なお、路側設備24b(発進制御機245)が、通行禁止の処理結果に基づき通行制御バーを下げて(又は通行制御バーを下げた状態を維持し)車線を封鎖し車両の通行を禁止し(ステップST26)、車両がこれに応じて停止した場合には、係員対応となる。例えば、入口において現金精算する場合には、例えば仮料金に相当する3000円を支払い、精算券を受け取り、車両の通行を許可してもらう。出口でも、係員対応口において精算券を提示して、車両の通行を許可してもらう。
【0055】
また、手持ちのETCカードCにより精算する場合には、入口において係員端末等によりETCカードCを読み取り、また、係員端末等により必要情報(入口情報及び車両情報)を入力し、係員端末等により第1の課金情報を上位システム1へ送信する。出口においても、係員端末等によりETCカードCを読み取り、また、係員端末等により必要情報(出口情報及び車両情報)を入力し、第2又は3の課金情報を上位システム1へ送信する。上位システム1が、第1及び第2の課金情報を受け取る場合は、第1−1例と同様に課金され、第1及び第3の課金情報を受け取る場合は、第1−2例と同様に課金される。
【0056】
○第1−4例(出口明細が上がらない例)
図5は、実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の第1−4例として、入口明細はあるが、出口明細がない場合を模式的に示す図である。一例としては、入口ではETCの正常通信を行った後、出口で車載器へのETCカードの挿入忘れ等で、ETCカードCとの通信ができなかった場合がある。
図6のフローチャートを参照して第1−4例を説明する。
図6において、上位システム1は、仮料金を含む料金テーブルを記憶し、事前に、各料金所システム2へ料金テーブルを配信する(ステップST11)。詳細説明は省略する。
【0057】
入口(料金所A)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST21)。
入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(車両検知器243)は、入口の車線を通過する車両を検知し(ステップST22、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24a(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信し(ステップST23)、また、入口(料金所A)に対応する入口情報を送信する。また、車両の車載器は、入口情報を受信し、装填されているETCカードCに入口情報を記録し、入口情報の記録完了を返信する。路側設備24a(アンテナ242)は、入口情報の記録完了を受信する。路側設備24aは、ETCカードCのID及び入口情報の記録完了等を車線サーバ23へ送信する。
【0058】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST23、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST24)。また、車線サーバ23は、入口情報の記録完了の受信に基づき、入口処理完了と判定し、通行許可及び入口処理完了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び入口処理完了の処理結果は、ETCカードCのID及び料金テーブルに含まれる仮料金(例えば3000円)を含む。
【0059】
料金所サーバ22は、通行許可及び入口処理完了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び入口処理完了の処理結果の受信に基づき、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。例えば、第1の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、車両情報、入口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。
【0060】
一方、出口(料金所X)の料金所システム2のデータ処理装置21、料金所サーバ22、及び車線サーバ23等は、料金テーブルを受信し記憶する(ステップST31)。
出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(車両検知器243)は、出口の車線を通過する車両を検知し(ステップST32、YES)、車両検知信号を出力する。また、路側設備24b(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信する。ここで、ETCカードCのIDが受信できない場合(ステップST33、NO)、車線サーバ23は、課金不能の処理結果を出力する。例えば、ETCカードCのIDが受信できない原因としては、車両(車載器)と無線通信できない、又は車載器にETCカードCが挿入されていない等があげられる。なお、課金不能の処理結果が出力されても、路側設備24bは発進制御機245を備えないため、車両の通行を阻止することはできず、車両は出口(料金所X)を通過することができる。この場合、データ処理装置21は、上位システム1へ課金情報を送信しない。
【0061】
上位システム1は、入口(料金所A)の料金所システム2から第1の課金情報(仮明細)を受信し、所定期間経過しても、第1の課金情報に対応する課金情報を受信しなければ、第1の課金情報に基づき仮料金(例えば3000円)を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金4)。
【0062】
ここで上記の所定期間の一例について説明する。例えば、上位システム1は、定期的に課金チェックを行う。24時間毎に課金チェックを行ってもよいし、12時間毎、6時間毎に課金チェックを行ってもよいし、例えば、上位システム1は、課金チェックにより、第1の課金情報に対応する課金情報が見つからない場合、第1の課金情報に対応付けられたチェックカウンターをカウントアップする(+1)。これにより、複数回の課金チェックを経ても、第1の課金情報に対応する課金情報が見つからない場合、第1の課金情報に対応付けられたチェックカウンターのカウント値は増加する。上位システム1は、チェックカウンターのカウント値と予め設定された基準値とを比較し、基準値を超えた場合に、つまり一定期間内に、第1の課金情報に対応する課金情報の受信が無いと判定し、第1の課金情報に基づき仮料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する。
【0063】
例えば、基準値を1とし、24時間毎に課金チェックを行う場合、第1の課金情報が受信されてから24時間経過後の課金チェック(2回目の課金チェック)で、第1の課金情報に対応する課金情報が見つからない場合、チェックカウンターのカウント値は+2となり基準値を超えるので、第1の課金情報に対応する課金情報の受信が無いと判定され、第1の課金情報に基づき仮料金が課金される。
【0064】
以上により、出口の料金所システム2として発進制御機245を持たない簡易料金所システムであっても、課金漏れを低減することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態は、入口(例えば料金所A)に発進制御機245無しの路側設備24bを設置し、出口(例えば料金所X)に発進制御機245有りの路側設備24a(通常の料金所)を設置するケースとする。つまり、入口側がアンテナ装置のフリーフロー(簡易料金所)の例である。
図7図8の模式図と、図9のフローチャートを参照し、第2の実施形態の料金収受処理をいくつかの例に分けて説明する。各例において共通部分についての説明は適宜省略する。
【0065】
○第2−1例(正常な例)
図7は、実施形態に係るETCシステムによる料金収受処理の第2−1例として正常な例を模式的に示す図である。図9は、第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートを参照して第2−1例を説明する。
図9において、入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器から車両情報及び車載器に装填されたETCカードCのID等を受信し(ステップST23、YES)、また、入口(料金所A)に対応する入口情報を送信する。また、車両の車載器は、入口情報を受信し、装填されているETCカードCに入口情報を記録し、入口情報の記録完了を返信する。路側設備24a(アンテナ242)は、入口情報の記録完了を受信する。路側設備24aは、ETCカードCのID及び入口情報の記録完了等を車線サーバ23へ送信する。
【0066】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST23、YES)、通行許可の処理結果を出力する。また、車線サーバ23は、入口情報の記録完了の受信に基づき、入口処理完了と判定し、通行許可及び入口処理完了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び入口処理完了の処理結果は、ETCカードCのID及び料金テーブルに含まれる仮料金(例えば3000円)を含む。
【0067】
料金所サーバ22は、通行許可及び入口処理完了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び入口処理完了の処理結果の受信に基づき、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。例えば、第1の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、車両情報、入口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。
【0068】
出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、車載器に記憶された車両情報、車載器に装填されたETCカードCのID、及びETCカードC内の出口情報が対応付けられていない入口情報等を受信し(ステップST33、YES)、出口(料金所X)に対応する出口情報を送信する。また、車両の車載器は、出口情報を受信し、装填されているETCカードCの入口情報に対応付けて出口情報を記録し、出口情報の記録完了を返信する。路側設備24b(アンテナ242)は、出口情報の記録完了を受信する。路側設備24bは、ETCカードCのID、入口情報、及び出口情報の記録完了等を車線サーバ23へ送信する。
【0069】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST33、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST34)。また、車線サーバ23は、出口情報の記録完了の受信に基づき、出口処理完了と判定し(ステップST35、YES)、通行許可及び出口処理完了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び出口処理完了の処理結果は、ETCカードCのID及び正規料金を含む。なお、車線サーバ23は、車載器から受信した車両情報に基づき車種を判別し、判別された車種の料金テーブル、入口情報(料金所A)、及び出口情報(料金所X)に基づき正規料金(例えば1000円)を算出する。
【0070】
料金所サーバ22は、通行許可及び出口処理完了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び出口処理完了の処理結果の受信に基づき、第2の課金情報(本明細)を上位システム1へ送信する(ステップST36)。
【0071】
このように、入口及び出口の料金所システム2において車載器と正常に通信することができると、上位システム1は、入口(料金所A)の料金所システム2から第1の課金情報(仮明細)を受信し、出口(料金所X)の料金所システム2から第2の課金情報(本明細)を受信する。上位システム1は、これら第1及び第2の課金情報を受信した場合には、第1の課金情報を破棄し、第2の課金情報に基づき正規料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金1)。
【0072】
○第2−2例(入口情報の書き込み不良の例)
次に、第2−2例は、ETCカードへの入口情報の書き込みができなかった例である。第2−2例の構成は、第1−2例に対応し、模式図及び詳細説明は省略する。
図9のフローチャートを参照して、第2−2例の動作を説明する。
図9において、入口(料金所A)の料金所システム2が、ETCカードCのID等の受信に成功し(ステップST23、YES)、入口情報の記録に失敗した場合、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。
【0073】
出口(料金所X)の料金所システム2は、ETCカードCのID等を受信するが、入口情報を受信できない。出口(料金所X)の料金所システム2は、ETCカードCのID等の受信に基づき(ステップST33、YES)、通行制御バーを上げて車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST34)。ところが、出口(料金所X)の料金所システム2は、入口情報を受信していないので、出口処理未了と判定し(ステップST35、NO)、第3の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST37)。
【0074】
上位システム1は、第1及び第3の課金情報を受信し、第1の課金情報に含まれるETCカードCのID、車両情報、入口情報と、第3の課金情報に含まれるETCカードCのID、出口情報に基づき、ETCカードCのIDの一致を確認し、車両情報に基づき車種を判別し、判別された車種の料金テーブル、入口情報(料金所A)、及び出口情報(料金所X)に基づき正規料金を算出し、正規料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金処理2)。
【0075】
以上により、入口の料金所システム2として発進制御機245を持たない簡易料金所システムを適用した場合に、出口の料金所システム2で入口情報が受信されない場合でも、課金漏れを低減することができる。
【0076】
○第2−3の例(入口明細がない場合)
次に、第2−3例として、入口明細がない場合を説明する。
図8は、第2−3例に係る料金収受処理を模式的に示す図である。一例としては、入口で車載器にETCカードを挿入し忘れて入口を通過し、出口ではETCカードを挿入して通過した場合が考えられる。
図9のフローチャートを参照して第2−3例を説明する。
図9において、入口(料金所A)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24b(アンテナ242)は、入口の車線を通過する車両の車載器から、ETCカードCのIDを受信することができない場合(ステップST23、NO)、課金情報を上位システム1へ送信しない。なお、ETCカードCのIDを受信することができなくても、路側設備24bは発進制御機245を備えないため、車両の通行を阻止することはできず、車両は入口(料金所A)を通過することができる。
【0077】
また、出口(料金所X)の料金所システム2の車線に設けられる路側設備24a(アンテナ242)は、出口の車線を通過する車両の車載器と無線通信し、ETCカードCのID等を受信し(ステップST33)、出口(料金所X)に対応する出口情報を送信する。また、車両の車載器は、出口情報を受信するが、装填されているETCカードCには出口処理されていない入口情報が記録されていないため、出口情報を記録することはできず、出口情報の記録完了を返信しない。よって、路側設備24a(アンテナ242)は、出口情報の記録完了を受信することはできない。
【0078】
一方、車線サーバ23は、例えば、車両の車載器との無線通信をトリガーとして、例えばETCカードCのID等の受信をトリガーとして(ステップST33、YES)、通行許可の処理結果を出力する。路側設備24a(発進制御機245)は、通行許可の処理結果に基づき通行制御バーを上げて(又は通行制御バーを上げた状態を維持し)車線を開放し車両の通行を許可する(ステップST34)。また、車線サーバ23は、出口情報の記録完了を受信できないケース等を出口処理未了と判定し(ステップST35、NO)、通行許可及び出口処理未了の処理結果を料金所サーバ22へ通知する。通行許可及び出口処理未了の処理結果は、ETCカードCのID及びその他から料金所Xまでの料金(仮料金)を含む。
【0079】
料金所サーバ22は、通行許可及び出口処理未了の処理結果を受信し、データ処理装置21へ通知する。データ処理装置21は、通行許可及び出口処理未了の処理結果の受信に基づき、第3の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST37)。例えば、第3の課金情報(仮明細)は、ETCカードCのID、出口情報、及び仮料金(例えば3000円)を含む。
【0080】
上位システム1は、出口(料金所X)の料金所システム2から第3の課金情報(仮明細)を受信するが、入口(料金所A)の料金所システム2からこの第3の課金情報に対応する課金情報は受信しない。つまり、第3の課金情報に含まれるETCカードCのIDと同じIDの課金情報を受信しない。上位システム1は、第1の課金情報を受信せずに第3の課金情報を受信した場合には、第3の課金情報に基づき仮料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金3)。
このように、入口の料金所システム2からの情報がなくても、出口の料金所システム2からの情報だけで課金することができ、課金漏れを低減することができる。
【0081】
○第2−4例(出口明細が上がらなかった例)
第2−4例は、ETCカードへの入口情報の書き込みができなかった例について説明する。第2−4例の構成は、第1−4例に対応しているため、模式図及び詳細説明は省略する。
図9のフローチャートを参照して、第2−4例の動作について説明する。
図9において、例えば、入口(料金所A)の料金所システム2が、ETCカードCのID等の受信に成功し、入口情報の記録にも成功した場合(又は失敗した場合)に、第1の課金情報(仮明細)を上位システム1へ送信する(ステップST25)。
【0082】
出口(料金所X)の料金所システム2が、ETCカードCのID等を受信しなければ(ステップST33、NO)、通行制御バーを下げて車両の通行を禁止する(ステップST38)。ここで、車両が料金所を不正突破した場合には、出口の料金所システム2は、課金情報を出力しない。
【0083】
上位システム1は、第1の課金情報を受信するが、所定期間経過しても、第1の課金情報に対応する課金情報を受信しない。そこで、上位システム1は、第1の課金情報に基づき仮料金を通行料金と判定しこの通行料金を課金する(ステップST12の課金4)。
【0084】
このように、出口の料金所システム2からの情報がなくても、入口の料金所システム2からの情報だけで課金することができ、課金漏れを低減することができる。
【0085】
なお、料金収受処理はいくつかのソフトウェア(プログラム)によって実行することが可能である。このため、上記料金収受処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムを上位システム1及び料金所システム2へインストールして実行するだけで、上記料金収受処理を容易に実現することができる。例えば、上位システム1及び料金所システム2は、上記プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、上位システム1及び料金所システム2は、上記プログラムを情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。
【0086】
以上説明した実施形態によれば、入口及び出口の料金所システム2のうちの少なくとも一方で、ETCカードのIDを受信することができれば、他方でETCカードのIDを受信できなくても、通行料金を課金することができ、課金漏れを低減することができる。ETCカードのIDを受信できないことの原因としては、料金所システム2と車載器との間の通信エラー、車載器によるETCカードCの読み取りエラー、又はETCカードCの未装填等が考えられる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとを備える料金収受システムであって、
前記入口及び出口料金所システムの一方は、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止する発進制御機を備え、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金する、料金収受システム。
[C2]
前記入口料金所システムは、前記発進制御機を備える[C1]の料金収受システム。
[C3]
前記出口料金所システムは、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第3の課金情報を受信した場合には、前記第1の課金情報に含まれる前記入口情報、及び前記第3の課金情報に含まれる前記出口情報に基づき前記正規料金を算出し、前記正規料金を通行料金として課金する、[C1]又は[C2]の料金収受システム。
[C4]
前記上位システムは、前記第1の課金情報を受信せずに前記第3の課金情報を受信した場合には前記第3の課金情報に基づき通行料金を課金する、[C3]の料金収受システム。
[C5]
前記上位システムは、前記第1の課金情報を受信し一定期間内に前記第2の課金情報を受信しない場合には、前記第1の課金情報に基づき通行料金を課金する、[C1]乃至[C4]の何れか一つの料金収受システム。
[C6]
前記出口料金所システムは、前記発進制御機を備える[C1]の料金収受システム。
[C7]
前記出口料金所システムは、前記識別情報を受信し前記入口情報を受信しない場合には、前記識別情報、及び前記出口情報、前記仮料金を含む第3の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1の課金情報を受信せずに前記第3の課金情報を受信した場合には前記第3の課金情報に基づき通行料金を課金する、[C6]の料金収受システム。
[C8]
入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する入口料金所システムと、出口料金所の車線を通行する前記車両の前記車載器と無線通信する出口料金所システムと、上位システムとにより実行される料金収受方法であって、
前記入口及び出口料金所システムの一方は、前記車載器との無線通信により、前記車載器により処理される情報記憶媒体の識別情報を受信した場合に通行を許可し、前記識別情報を受信しない場合に通行を禁止し、
前記入口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報を受信した場合には、前記情報記憶媒体へ記録するための前記入口料金所に対応する入口情報を送信し、前記識別情報、前記入口情報、及び仮料金を含む第1の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記出口料金所システムは、前記車載器との無線通信により、前記情報記憶媒体の前記識別情報及び前記入口情報を受信した場合には、前記入口情報及び前記出口料金所に対応する出口情報に基づき正規料金を算出し、前記識別情報及び前記正規料金を含む第2の課金情報を前記上位システムへ送信し、
前記上位システムは、前記第1及び第2の課金情報を受信した場合には前記第2の課金情報に基づき前記正規料金を通行料金として課金する、料金収受方法。
【符号の説明】
【0088】
1…上位システム
2…料金所システム
21…データ処理装置
22…料金所サーバ
23…車線サーバ
24、24a、24b…路側設備
241…インタフェース
242…アンテナ
243…車両検知器
244…表示器
245…発進制御機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9