特許第6833717号(P6833717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6833717水溶性フィルムに組み込まれたシェーディング染料を含む洗剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6833717
(24)【登録日】2021年2月5日
(45)【発行日】2021年2月24日
(54)【発明の名称】水溶性フィルムに組み込まれたシェーディング染料を含む洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/40 20060101AFI20210215BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20210215BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20210215BHJP
【FI】
   C11D3/40
   B65D65/46
   C11D17/04
【請求項の数】12
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-555237(P2017-555237)
(86)(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公表番号】特表2018-517015(P2018-517015A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】US2016028257
(87)【国際公開番号】WO2016172088
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2017年11月28日
【審判番号】不服2019-14092(P2019-14092/J1)
【審判請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】14/694,096
(32)【優先日】2015年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、スコット、ミラクル
(72)【発明者】
【氏名】エバ、ジーン、タルチンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、デール、ディトゥリオ、ジュニア
【合議体】
【審判長】 門前 浩一
【審判官】 川端 修
【審判官】 瀬下 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0060387(US,A1)
【文献】 国際公開第03/031264(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/089386(WO,A1)
【文献】 特表2011−523975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D1/00-19/00
B65D65/00-65/46
B65D67/00-79/02,81/18-81/30,81/38,85/88
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物であって、
a.第1組成物と、
b.水溶性フィルムと、
c.シェーディング染料と、を含み、
前記第1組成物は液体洗剤、粒状洗剤、又はタブレット洗剤からなる群から選択され、かつ
前記シェーディング染料の少なくとも10%が前記水溶性フィルムに組み込まれており、
前記シェーディング染料が以下の構造を有し、
−(G)a−NR
式中、−(G)a−NR基は、前記染料の芳香環に結合しており、Gは、独立して−SO−又は−C(O)−であり、指数aは、0又は1の値を有する整数であり、R及びRは、独立して、H、ポリオキシアルキレン鎖、C1〜8アルキル、C6〜10アリール、C7〜16アルカリル、ポリオキシアルキレン鎖置換C1〜8アルキル、ポリオキシアルキレン鎖置換C6〜10アリール、ポリオキシアルキレン鎖置換C7〜16アルカリル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記ポリオキシアルキレン鎖は、独立して2〜100の繰り返し単位を有する、洗剤組成物。
【請求項2】
前記シェーディング染料が高分子染料であり、前記R及びRのうち少なくとも一方が前記ポリオキシアルキレン鎖を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記ポリオキシアルキレン鎖が2〜50の繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位が本質的にエチレンオキシドである、請求項1又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記シェーディング染料の全てが前記水溶性フィルムに組み込まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記洗剤組成物が単位用量物品の形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記単位用量物品が、第1のフィルム及び第2のフィルムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記シェーディング染料が、前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの両方に組み込まれている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記単位用量物品が、第1のフィルム、第2のフィルム、及び共通の壁を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項9】
前記シェーディング染料の全てが前記共通の壁に組み込まれている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
前記第1組成物が液体洗剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項11】
前記第1組成物が、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、高分子分散剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、顔料、及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗剤組成物の作製方法であって、
a)前記シェーディング染料を前記フィルムに組み込む工程と、
b)前記第1組成物を前記水溶性フィルム中に封入する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一つには水溶性又は水分散性フィルムとシェーディング染料とを含む洗剤組成物に関する。本発明はまた、このような洗剤組成物の作製プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の洗剤は、粉末、顆粒、液体及びゲル等の多種多様の形態にて入手可能である。単位用量及び濃縮(又は小型の)洗剤形態は、それらが消費者に低重量、かつ単位用量の場合、簡略化した投与をもたらす利便性のために、ますます人気となってきている。これらの形態の、非常に濃縮された性質は、低減した輸送費及び環境への影響(例えば二酸化炭素排出量)といった、更なる持続可能性の利点をもたらす。
【0003】
更に、経年により、布地基材は、光、空気、汚れ、及び基材に含まれる繊維の自然劣化により、色あせ又は黄変する傾向がある。したがって、シェーディング染料の目的は一般に、これらの布地基材を視覚的に白くして、基材の色落ち及び黄変の影響を弱めることである。典型的には、シェーディング染料は、洗濯洗剤に見い出すことができ、したがって洗濯プロセスの間に布地基材に適用される。しかしながら、シェーディング染料の色は、典型的にはシェーディング染料が存在する組成物の外観全体を支配する。更に、シェーディング染料は、シェーディング染料が存在する組成物中の特定の添加材料と負の相互作用をすることも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
結果として、水溶性フィルム及びシェーディング染料の両方を含むが、組成物の外観及び成分に柔軟性も提供する、洗剤組成物が必要である。
【0005】
驚いたことに、水溶性フィルムにシェーディング染料を組み込んだ本開示の洗剤組成物は、布地基材の洗浄及び白色化に有効なだけでなく、組成物の外観及び成分に柔軟性も提供することが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、第1組成物、水溶性フィルム、及びシェーディング染料を含む洗剤組成物に関する。第1組成物は、液体洗剤、粒状洗剤、又はタブレット洗剤からなる群から選択され、シェーディング染料の少なくとも約10%が水溶性フィルムに組み込まれる。
【0007】
本開示は、第1組成物、水溶性フィルム、及びシェーディング染料を含む洗剤組成物の作製方法にも関する。方法は、シェーディング染料をフィルムに組み込む工程と、第1組成物を水溶性フィルムに封入する工程とを含む。
【0008】
本開示は、少なくとも1つの区画、水溶性フィルム、及びシェーディング染料を含む単位用量洗剤組成物にも関する。シェーディング染料の少なくとも約10%が水溶性フィルムに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による単位用量物品の側面図である。
図2】本発明による単位用量物品の別の実施形態の側面図である。
図3】本発明による単位用量物品の別の実施形態の側面図である。
図4】本発明による単位用量物品の別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、水溶性フィルム及びシェーディング染料を含む洗剤組成物に関する。
【0011】
定義
本発明の種々の実施形態の特性及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される特定の実施形態の例を含む以下の記述から明らかになる。様々な改変がこの説明及び本発明の実施から当業者には明白であろう。この範囲は開示された特定の形に限定されるようには意図されず、及び本発明は、クレームにより定義されるような本発明の精神及び範囲内に入る全ての改変、同等物、及び代替物を網羅する。
【0012】
本明細書において使用するとき、「the」、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲又は明細書において使用される場合、特許請求又は記載されているものの1つ以上のものを意味するように理解される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」は、非限定であるように意図される。語句「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」は、一層限定的な語句「から本質的になる」及び「からなる」を含むことを意図する。したがって、構成成分を含む組成物は、その構成成分から本質的になるか、又はその構成成分からなる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「〜を実質的に含まない(substantially free of)」又は「〜を実質的に含まない(substantially free from)」は、示された材料が最低限組成物の一部を形成するために意図的に組成物に添加されず、又は、好ましくは分析により検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、示された材料が意図的に包含される他の材料の1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を包含することを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた布地」は、非特定的に使用され、限定ではないが木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル及びこれらに類するものなどの天然、人工及び合成繊維を包含する天然又は人工繊維の網状構造、並びに様々なブレンド及び組み合わせからなる任意のタイプの可撓性材料を指してもよい。汚れ物は、限定されないが、タイル、花崗岩、しっくい、ガラス、複合物、ビニル、堅木、金属、調理用表面、プラスチック、及びこれらに類するものなどの天然、人工、及び合成表面を含む任意のタイプの硬質表面、並びにブレンド及び組み合わせを更に指し得る。
【0016】
本明細書において、別に明記されない限り、全ての濃度及び比率は、組成物の重量基準である。
【0017】
洗剤組成物
本明細書で使用するとき、語句「洗剤組成物」は、汚れた材料を洗浄するために設計された組成物及び配合物を包含する。このような組成物としては、洗濯物洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、洗濯物プレウォッシュ、洗濯物前処理剤、洗濯物添加物、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯物すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗い組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は内に含有される洗剤、及び、本明細書内の教示の観点から、当業者には明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理、洗濯後処理として使用してもよく、あるいは洗濯作業のすすぎ又は洗いサイクル中に加えてもよい。洗剤組成物は、液体、粉末、スラリー、単相若しくは多相単位用量物品、パウチ、タブレット、ゲル、ペースト、バー、又はフレークから選択される形態を有してよい。
【0018】
幾つかの態様では、洗剤組成物は第1組成物を含み、第1組成物は液体洗剤、粒状洗剤、又はタブレット洗剤からなる群から選択される。第1組成物が粒状洗剤又はタブレット洗剤である場合、第1組成物は水溶性フィルム又は水溶性コーティングのいずれかの中に入れられているのが好ましい。
【0019】
液体洗剤組成物、及び液体成分を含む洗剤組成物の他の形(例えば、液体含有単位用量洗剤組成物)は、水及び他の溶媒を充填剤又は担体として含有し得る。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の一級又は二級アルコールが好適である。いくつかの例では、一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するために使用されてもよく、2〜約6個の炭素原子と2〜約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオール)もまた使用され得る。アミン含有溶媒もまた使用してよい。単位用量物品に特に有用な溶媒について以下説明する。
【0020】
洗剤組成物は、組成物の約5〜約90重量%、及び一部の実施例では、約10〜約50重量%の、上のような担体を含有し得る。コンパクト又はスーパーコンパクト重質液体又はその他の形の洗剤組成物の場合、水の使用は、遊離水として、組成物の約40重量%未満、又は約20重量%未満、又は約5%重量未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満であってよく、あるいは遊離水を実質的に含まなくともよい(即ち、無水)。
【0021】
液体洗剤組成物は水を含んでよい。しかし、液体組成物が水溶性フィルムと、例えば単位用量物品内で接触する場合、フィルムの完全性を保ち、パウチへの粘着感を防止するために、水の量を制限するのが通常望ましい。したがって、幾つかの実施形態では、液体洗剤組成物は、液体組成物の重量に対して約50重量%未満の水、若しくは液体組成物の重量に対して約40重量%未満の水、又は、液体組成物の重量に対して約1重量%〜約30重量%、若しくは好ましくは約2重量%〜約20重量%、若しくは約5重量%〜約13重量%の水を含む。
【0022】
粉末又はバーの洗剤浄組成物、又は固体又は粉末成分を含む形(例えば、粉末含有単位用量洗剤組成物)に対して、好適な充填剤としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、粘土、又は他の不活性固体成分が挙げられるが、これらに限定されない。充填剤は、また、バイオマス又は脱色バイオマスを含み得る。顆粒、バー、又は他の固体洗剤組成物中の充填剤は、洗剤組成物の重量の約80%未満、及び一部の実施例では、50%未満を占めてもよい。コンパクト又はスーパーコンパクト粉末又は固体洗剤組成物は、洗剤組成物の約40重量%未満、約20重量%未満、又は約10重量%未満の充填剤を含み得る。
【0023】
コンパクト又はスーパーコンパクトの液体若しくは粉末の洗剤組成物のいずれか、又は他の形の洗剤組成物の場合、製品中の液体又は固体充填剤の濃度が低減されて、その結果、コンパクト化されていない洗浄組成物と比較して同量の活性化学物質が洗浄液に送達されるか、又は、一部の実施例では洗剤組成物がより効率的であってその結果、コンパクト化されていない組成物と比較してより少量の活性化学物質が送達される。例えば、洗浄溶液は、洗浄溶液内の洗剤組成物の濃度が約0g/L超〜約4g/Lとなる量で、洗剤組成物を水に接触させることにより形成されてよい。幾つかの実施例では、濃度は、約1g/L〜約3.5g/L、又は〜約3.0g/L、又は〜約2.5g/L、又は〜約2.0g/L、又は〜約1.5g/L、又は約0g/L〜約1.0g/L、又は約0g/L〜約0.5g/Lであってよい。これらの投与量は限定を意図するものではなく、その他の投与量を使用することもできることは当業者には明白である。
【0024】
幾つかの態様では、図1〜4の実施形態に関して、洗剤組成物は単位用量物品10の形態である。単位用量物品10は、少なくとも1つの区画を含み、区画は組成物、例えば第1組成物20を含む。単位用量物品10は、特定用途のための、物品内に含有される組成物の、単一で使用が容易な用量を提供することを意図している。幾つかの態様では、洗剤組成物は単位用量形態10であり、液体洗剤を封入する水溶性フィルムを含む。
【0025】
区画は、組成物を保持する単位用量物品内の閉じた内部空間を意味すると理解されるべきである。単位用量物品は水溶性フィルムを含むことが好ましい。単位用量物品は、水溶性フィルムが組成物を完全に取り囲み、それによって組成物が位置する区画が画定されるように製造される。単位用量物品は2つのフィルムを含んでよい。第1のフィルム40は、組成物が添加される開放された区画を含むような形状であってよい。第2のフィルム50は、区画の開口部を閉じるような配置で第1のフィルム40を更に覆っている。第1のフィルム40及び第2のフィルム50は更に、封止領域70に沿って互いに封止される。封止領域70は縁を含んでよい。縁は、単位用量物品の端に突出した余剰の封止フィルム材料を含み、第1のフィルム40及び第2のフィルム50の封止のための表面積を増大させる。フィルムについては、以下により詳細に記載する。幾つかの態様では、単位用量物品10は、3枚、4枚、5枚、又はそれ以上のフィルムを含む。
【0026】
単位用量物品10は、2つ以上の区画、更に少なくとも2つの区画、又は更に少なくとも3つの区画を含んでよい。幾つかの態様では、単位用量物品10は、1つ、又は2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つの区画を含む。区画は、重ねておかれる配向、即ち、図3に示すように一方が他方の上部に位置し、これらの区画が共通の壁60を共有し得るように配置されてよい。一態様において、少なくとも1つの区画が別の区画の上に重ねて配置される。あるいは、区画は、並列の配向、即ち、図4に示すように一方が他方の隣に配向されるように位置してよい。区画は「タイヤ及びリム」配置で配向されてもよい。即ち、第1区画が第2区画の隣に配置されるが、第1区画は第2区画を少なくとも部分的に取り囲み、第2区画を完全に包囲はしない。あるいは、一方の区画が他方の区画内に完全に包囲されてもよい。
【0027】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、区画の1つは、その他の区画よりも小さくてよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を含む場合、区画の2つが第3区画より小さくてよく、より小さい区画がより大きい区画の上に重ねて配置されるのが好ましい。重ねて配置されたより小さい区画は、並列して配向されるのが好ましい。
【0028】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む場合、各区画は同一の組成物を含んでもよいし、又は各区画は異なる組成物を独立して含んでもよい。区画は知覚的に異なってよい。例えば、区画は異なる形状を有してよいか、又は異なる色であってよい。
【0029】
封入された組成物は、任意の好適な組成物であってよい。組成物は固体、液体、分散体、ゲル、ペースト、又はこれらの混合物の形態であってよい。複数区画の単位用量物品の各区画内の組成物は、異なってよい。しかし、通常、単位用量物品の少なくとも1つの区画、好ましくは各区画は、液体を含む。組成物は以下により詳細に記載されている。
【0030】
水溶性又は水分散性フィルム
幾つかの態様では、本開示の洗剤組成物は水溶性又は水分散性フィルムを含む。フィルムは洗剤組成物、好ましくは第1組成物を封入してよい。フィルムは液体組成物、粒状洗剤、タブレット洗剤、又はこれらの混合物を封入してよい。
【0031】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、約20〜約150マイクロメートル、好ましくは約35〜約125マイクロメートル、更により好ましくは約50〜約110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚みを有するのが好ましい。
【0032】
好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に本明細書に記載の方法により測定したフィルムの水溶性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%である。
【0033】
予め秤量した400mLビーカーに、50グラム±0.1グラムのフィルム材料を入れ、245mL±1mLの蒸留水を添加する。±これを、600rpmに設定したマグネチックスターラー(Lab−Lineモデル番号1250又は等価物及び5cmのマグネチックスターラー)において24℃で30分間、激しく攪拌する。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳んだ定性分析用焼結ガラス濾紙で濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度(%)又は分散度(%)を計算することができる。
【0034】
好ましいフィルム材料は、好ましくは、高分子材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、高分子材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。フィルムは押出プロセス又はキャスティングプロセスにより得るのが好ましい。
【0035】
フィルム材料としての使用に好適な好ましいポリマー(コポリマー、ターポリマー、又はこれらの誘導体を含む)は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩類、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。フィルム材料のポリマーはカルボキシレート基を含まないことが好ましい。
【0036】
好ましくは、フィルム材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーのレベルは、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。
【0037】
ポリマー混合物もまた、フィルム材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000〜約40,000、好ましくは約20,000の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000〜約300,000、好ましくは約150,000の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物もまた好適である。ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解で分解可能で水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することにより得られ、典型的に約1〜35重量%のポリラクチド、及び約65〜99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールのポリマーブレンドなど)を含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。本明細書で使用するのに好ましいのは、ポリマー、好ましくはポリビニルアルコールであり、材料の溶解特性を向上するために、約60%〜約99%、好ましくは約80%〜約99%、更により好ましくは約80%〜約90%の加水分解度を有する。本明細書で使用するとき、加水分解度は、ビニルアルコール単位へと変換されたビニルアセテート単位の百分率として記される。
【0038】
好ましいフィルムは、冷水、即ち非加熱の蒸留水中で良好な溶解を呈するものである。好ましくは、このようなフィルムは24℃の温度、更により好ましくは10℃の温度にて良好な溶解を示す。良好な溶解とは、上述した20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルタを使用する本明細書に記載の方法により測定した際に、フィルムが少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、あるいは少なくとも95%の溶解度を示すことを意味する。溶解度は24℃、又は好ましくは10℃にて測定してよい。
【0039】
好ましいフィルムは、米国特許第6 166 117号及び米国特許第6 787 512号に記載されている、Monosol(Merrillville,Indiana,USA)により供給されている商品名M8630、M8900、M8779、及びM8310のフィルム、並びに対応する溶解度及び変形性特性のPVAフィルムである。その他の好適なフィルムとしては、Aicello Chemical Europe GmbH製のSolublon(登録商標)PT、Solublon(登録商標)GA、Solublon(登録商標)KC若しくはSolublon(登録商標)KLと呼ばれるもの、Kuraray製のVF−HPフィルム、又はNippon Gohseiによるフィルム(Hi Selon等)を含んでよい。更に好ましいフィルムは、米国特許出願第2006/0213801号、米国特許出願第2011/0188784号、国際公開第2010/119022号、及び米国特許第6787512号に記載されているフィルムである。幾つかの態様では、24℃の温度、更により好ましくは10℃の温度で、M8630フィルム(Monosolより供給)よりも良好な溶解を示すフィルムを使用することが好ましい。
【0040】
好ましい水溶性フィルムは、ポリマーのブレンド、好ましくはブレンド内の少なくとも1つのポリマーがポリビニルアルコールである、ポリマーのブレンドを含む樹脂に由来するフィルムである。水溶性フィルム樹脂は、PVAポリマーのブレンドを含むことが好ましい。例えば、PVA樹脂は、少なくとも2つのPVAポリマーを含むことができ、本明細書で使用するとき、第1のPVAポリマーは第2のPVAポリマーより小さい粘度を有する。第1のPVAポリマーは、少なくとも8センチポアズ(cP)、10cP、12cP、又は13cP、かつ最大40cP、20cP、15cP、又は13cP、例えば約8cP〜約40cP、若しくは10cP〜約20cP、若しくは約10cP〜約15cP、若しくは約12cP〜約14cPの範囲内、又は13cPの粘度を有することができる。更に、第2のPVAポリマーは、少なくとも約10cP、20cP、又は22cP、多くとも約40cP、30cP、25cP、又は24cP、例えば、約10cP〜約40cP、又は20〜約30cP、又は約20〜約25cP、又は約22〜約24cPの範囲、又は約23cPの粘度を有していてもよい。PVAポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023−2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載されるように、ULアダプタを備えたBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製した溶液を測定することにより決定される。4%水性ポリビニルアルコール溶液の20℃における粘度を指定することが国際的な慣行である。本明細書においてcPで明記されている全ての粘度は、特に指定のない限り、20℃における4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度を指すと理解すべきである。同様に、樹脂が特定の粘度を有する(又は有しない)と記載されるとき、特に言及しない限り、指定された粘度は、対応する分子量分布を固有に有する、樹脂の平均粘度であることを意味する。
【0041】
PVA樹脂の加水分解度が本明細書に記載の範囲内にある限り、個々のPVAポリマーは、任意の好適な加水分解度を有し得る。所望により、PVA樹脂は、更に又は代わりに、約50,000〜約300,000ダルトン、又は約60,000〜約150,000ダルトンの範囲内の分子量を有する第1のPVAポリマー;及び約60,000〜約300,000ダルトン、又は約80,000〜約250,000ダルトンの範囲内の分子量を有する第2のPVAポリマーを含むことができる。
【0042】
本発明の区画の作製において、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを使用してよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性、即ち放出特性を呈し得ることである。
【0043】
また、本明細書のフィルム材料には、1つ以上の添加剤成分を含有させてもよい。例えば、フィルムは可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤は水、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はこれらの混合物を含んでよい。幾つかの態様では、フィルムは、水、グリセロール、ジエチレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を含む群から選択される可塑剤を、フィルムの重量に対して約2重量%〜約35重量%、又は約5重量%〜約25重量%含む。幾つかの態様では、フィルム材料は少なくとも2つ、又は好ましくは少なくとも3つの可塑剤を含む。幾つかの態様では、フィルムはエタノールを実質的に含まず、これは、フィルムが、フィルムの重量に対して0重量%(0重量%を含む)〜約0.1重量%のエタノールを含むことを意味する。幾つかの態様では、以下に記載するように、可塑剤は液体組成物中の可塑化溶媒と同じである。
【0044】
その他の添加剤としては、水、及び水を洗浄するために送達される、界面活性剤を含む機能的洗剤添加剤、例えば有機高分子分散剤等を含んでよい。
【0045】
シェーディング染料
洗剤組成物は、シェーディング染料を含む。好ましくは、シェーディング染料の少なくとも約10%、30%、50%、70%、90%、又は更には約95%が水溶性フィルムに組み込まれる。好ましい一実施形態では、シェーディング染料の実質的に全てが水溶性フィルムに組み込まれる。シェーディング染料は、上述したように、フィルムのいずれかの部分に組み込まれ得ることが理解されるであろう。例えば、一実施形態では、シェーディング染料は、第1のフィルム及び/又は第2のフィルムの一方又は両方に組み込まれる。更に別の実施形態では、シェーディング染料は共通の壁に組み込まれ、特に好ましい一実施形態では、シェーディング染料の実質的に全てが共通の壁に組み込まれる。
【0046】
シェーディング染料(色調剤、青味剤又は白色剤と呼ばれることもある)は、典型的には、青又は紫の色合いを布地にもたらす。シェーディング染料は、単独又は組み合わせて使用して、特定の色合いを作り出すことができ、及び/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。好ましくは、色相染料は、青又は紫の色相染料であり、白色の布又は布地に青又は紫色を与える。組成物で処理されるこのような白色の布は、240〜345、より好ましくは260〜325、更により好ましくは270〜310の色相角を有するであろう。
【0047】
一態様では、本発明で使用するのに好適な色相染料は、メタノール溶液中で約400nm〜約750nmの波長範囲において、約1000リットル/mol/cm超の極大吸光係数を有する。一態様では、本発明で使用するのに好適な色相染料は、約540nm〜約630nmの波長範囲において、約10,000〜約100,000リットル/mol/cmの極大吸光係数を有する。一態様では、本発明で使用するのに好適な色相染料は、約560nm〜約610nmの波長範囲において、約20,000〜約70,000リットル/mol/cm、又は更には約90,000リットル/mol/cmの極大吸光係数を有する。
【0048】
以下に記載する試験方法を使用して、染料(又は染料の混合物)が本発明の目的のシェーディング染料であるかどうかを判定することができる。
【0049】
試験方法
I.染料の沈着の測定方法
a.)非増白糸でかがった非増白Multifiber Fabric Style 41材料見本(MFF41、5cm×10cm、平均重量1.46g)をTestfabrics,Inc.(West Pittston,PA)から購入する。MFF41材料見本は、使用前に、増白剤を含まないAATCC重質液体洗濯洗剤(HDL)で49℃において全サイクルで2回洗浄し、洗剤なしで49℃において更に全サイクルで3回洗浄することにより色抜きする。4枚の複製の材料見本を各フラスコに入れる。
b.)増白剤を含まないAATCC標準HDL洗剤溶液の十分な量は、洗剤を0g/L(0gpg)の水で室温で1リットル当たり1.55gの濃度で溶解することにより調製する。
c.)染料の濃縮原液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、又は50:50のエタノール:水から選択される適切な溶媒で調製する。エタノールが好ましい。400mLの洗剤溶液(上記のステップI.bで調製)を含むビーカーに、パスレングス1.0cmのキュベットでλmaxで0.1AU(±0.01AU)の水溶液吸光度を生じるのに十分な量で染料原液を加える。染料の混合物に関しては、個々の染料のλmaxでの水溶液吸光度の合計が、パスレングス1.0cmのキュベットで0.1AU(±0.01AU)である。濃縮原液由来の洗浄溶液中の全有機溶媒濃度は、0.5%未満である。洗浄溶液の125mLのアリコートを、3個の別々の使い捨て250mL三角フラスコ(Thermo Fisher Scientific,Rochester,NY)に入れる。
d.)4枚のMFF41材料見本を各フラスコに入れ、フラスコに蓋をして、材料見本がぬれるように手動で振とうする。フラスコをBurrell Scientific,Inc.(Pittsburg,PA)のModel 75リストアクション振とう機に配置し、最高設定の10(390振動/分、14.6°の弧)で撹拌する。12分後、洗浄溶液を真空吸引により除去し、すすぎ用に125mLの0g/L(0gpg)の水を加え、フラスコを更に4分間撹拌する。すすぎ溶液を真空吸引により除去し、材料見本をMini Countertop Spin Dryer(The Laundry Alternative Inc.,Nashua,NH)で5分間遠心脱水し、その後、暗所で風乾させる。
e.)3つの最も消費者に関連のある布地タイプ(綿及びポリエステル)に関するL、a、及びb値を、乾燥した材料見本でLabScan XE反射分光光度計(HunterLabs,Reston,VA;D65照明、10°のオブザーバー、UV光除外)を使用して測定する。12枚の材料見本(それぞれ4枚の材料見本を含む3個のフラスコ)のL、a、及びb値を平均し、次式を用いて各布地タイプにおける染料の色相沈着(HD)を計算する。
HD=DE=((L−L+(a−a+(b−b1/2
式中、下付き文字c及びsはそれぞれ、上記の方法に従って、対照、即ち染料を含まない洗剤で洗浄した布地、及び染料(又は染料の混合物)を含む洗剤で洗浄した布地を指す。
【0050】
II.相対色相角の決定方法(染料を含まない対照に対する)
a)各溶液から得られた12枚の材料見本のa及びb値を平均し、次式を用いてΔa及びΔbを決定した。
Δa=a−a 及び Δb=b−b
式中、下付き文字c及びsはそれぞれ、上記のIに記載の方法に従って、染料を含まない洗剤で洗浄した布地、及び染料(又は染料の混合物)を含む洗剤で洗浄した布地を指す。
b.)Δa及びΔbの両方の絶対値が<0.25の場合、相対色相角(RHA)を計算しなかった。Δa及びΔbのいずれかの絶対値が≧0.25の場合、次式のうちの一方を用いてRHAを決定した。
Δb≧0の場合、RHA=ATAN2(Δa、Δb
Δb<0の場合、RHA=360+ATAN2(Δa、Δb
【0051】
III.染料がシェーディング染料であるかどうかの判定方法
染料(又は染料の混合物)は、(a)HD綿又はHDポリエステルのいずれかが、上記の式に従って2.0DE単位以上、又は好ましくは3.0、又は4.0、又は更には5.0以上であり、(b)(a)のDE基準に適合する布地での相対色相角(以下の方法III参照)が、240〜345、より好ましくは260〜325、更により好ましくは270〜310の範囲内である場合に、本発明の目的のシェーディング染料(色相染料としても知られる)とみなされる。両方の布地タイプのHD値が2.0DE単位未満の場合、又はDEが基準に適合する各布地において相対色相角が指定範囲内にない場合、染料は本発明の目的のシェーディング染料ではない。
【0052】
シェーディング染料は、当該技術分野で周知の任意の化学分類の染料から選択されてよく、これらは、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、アゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0053】
好適なシェーディング染料としては、小分子染料、高分子染料、及び染料−粘土複合体が挙げられる。好ましいシェーディング染料は、小分子染料及び高分子染料から選択される。
【0054】
小分子染料
好適な小分子染料は、カラーインデックス(C.I.、Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK)分類のアシッド、ダイレクト、ベーシック、リアクティブ、ソルベント、又はディスパース染料に分類される染料からなる群から選択されてよい。好ましくは、このような染料は、ブルー、バイオレット、レッド、グリーン、又はブラックとして分類され、単独で、又は他の染料との組み合わせで、又は他の添加成分との組み合わせで、所望の色合いを与えることができる。リアクティブ染料は、供給時に少量の加水分解染料を含むことがあり、洗剤処方において又は洗浄において更に加水分解され得る。このような加水分解染料及び混合物はまた、好適な小分子染料としても機能し得る。
【0055】
別の態様では、好適な染料としては、以下のカラーインデックス名で示される染料からなる群から選択されるものが挙げられる:例えば、ダイレクトバイオレット5、7、9、11、31、35、48、51、66、及び99、ダイレクトブルー1、71、80、及び279、アシッドレッド17、73、52、88、及び150、アシッドバイオレット15、17、24、43、49、及び50、アシッドブルー15、17、25、29、40、45、48、75、80、83、90、及び113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、3、4、10、及び35、ベーシックブルー3、16、22、47、66、75、及び159、アントラキノン系ディスパース若しくはソルベント染料、例えば、ソルベントバイオレット11、13、14、15、15、26、28、29、30、31、32、33、34、26、37、38、40、41、42、45、48、59;ソルベントブルー11、12、13、14、15、17、18、19、20、21、22、35、36、40、41、45、59、59:1、63、65、68、69、78、90;ディスパースバイオレット1、4、8、11、11:1、14、15、17、22、26、27、28、29、34、35、36、38、41、44、46、47、51、56、57、59、60、61、62、64、65、67、68、70、71、72、78、79、81、83、84、85、87、89、105;ディスパースブルー2、3、3:2、8、9、13、13:1、14、16、17、18、19、22、23、24、26、27、28、31、32、34、35、40、45、52、53、54、55、56、60、61、62、64、65、68、70、72、73、76、77、80、81、83、84、86、87、89、91、93、95、97、98、103、104、105、107、108、109、11、112、113、114、115、116、117、118、119、123、126、127、131、132、134、136、140、141、144、145、147、150、151、152、153、154、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、168、169、170、176、179、180、180:1、181、182、184、185、190、191、192、196、197、198、199、203、204、213、214、215、216、217、218、223、226、227、228、229、230、231、232、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、249、252、261、262、263、271、272、273、274、275、276、277、289、282、288、289、292、293、296、297、298、299、300、302、306、307、308、309、310、311、312、314、318、320、323、325、326、327、331、332、334、347、350、359、361、363、372、377、及び379、アゾ系ディスパース染料、例えば、ディスパースブルー10、11、12、21、30、33、36、38、42、43、44、47、79、79:1、79:2、79:3、82、85、88、90、94、96、100、101、102、106、106:1、121、122、124、125、128、130、133、137、138、139、142、146、148、149、165、165:1、165:2、165:3、171、173、174、175、177、183、187、189、193、194、200、201、202、206、207、209、210、211、212、219、220、224、225、248、252、253、254、255、256、257、258、259、260、264、265、266、267、268、269、270、278、279、281、283、284、285、286、287、290、291、294、295、301、304、313、315、316、317:319、321、322、324、328、330、333、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、351、352、353、355、356、358、360、366、367、368、369、371、373、374、375、376、及び378、ディスパースバイオレット2、3、5、6、7、9、10、12、3、16、24、25、33、39、42、43、45、48、49、50、53、54、55、58、60、63、66、69、75、76、77、82、86、88、91、92、93、93:1、94、95、96、97、98、99、100、102、104、106、及び107。好ましくは、小分子染料は、C.I.番号アシッドバイオレット17、アシッドブルー80、アシッドバイオレット50、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0056】
別の態様では、好適な小分子染料としては、CAS番号が52583−54−7、42783−06−2、210758−04−6、104366−25−8、122063−39−2、167940−11−6、52239−04−0、105076−77−5、84425−43−4、及び87606−56−2の染料、並びに非アゾ染料のディスパースブルー250、354、364、ソルベントバイオレット8、ソルベントブルー43、57、Lumogen F Blau 650、及びLumogen F Violet 570が挙げられる。
【0057】
別の態様では、好適な小分子染料としては、有機連結部分によりフタロシアニン部分、好ましくはAl−及びSi−フタロシアニン部分に共有結合したアゾ染料、好ましくはモノアゾ染料が挙げられる。
【0058】
高分子染料
好適な高分子染料としては、共有結合した(共役したと言うこともある)色原体を含むポリマー(染料−ポリマー複合体としても知られる)、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体モノマーを有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料が挙げられる。
【0059】
高分子染料としては、以下のものが挙げられる:(a)水溶性ポリエステルポリマーの少なくとも1つ、好ましくは2つの遊離OH基により、水溶性ポリエステルポリマーに結合したリアクティブ染料。水溶性ポリエステルポリマーは、ジカルボン酸フェニル、オキシアルキレンオキシ、及びポリオキシアルキレンオキシのコモノマーから構成され得る;(b)一般に線状又は分枝状であるポリアルキルアミンであるポリアミンに結合したリアクティブ染料。ポリマー内のアミンは、一級、二級、及び/又は三級であってよい。一態様では、ポリエチレンイミンが好ましい。別の態様では、ポリアミンがエトキシル化されている;(c)アニオン性基を含む染料に結合したアルケンと、染料部分に結合していない1つ又は2つ以上の更なるアルケンコモノマーとの共重合により得られる、負帯電性基を有する染料部分を有する染料ポリマー;(d)カチオン性基を含む染料に結合したアルケンと、染料部分に結合していない1つ又は2つ以上の更なるアルケンコモノマーとの共重合により得られる、正帯電性基を有する染料部分を有する染料ポリマー;(e)カルボキシレート基を含む高分子チオフェンアゾポリオキシアルキレン染料;及び(f)少なくとも1つのリアクティブ染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリマーとを含む、染料ポリマー複合体。ポリマーは、好ましくは、ポリサッカライド、タンパク質、ポリアルキレンイミン、ポリアミド、ポリオール、及びシリコーンからなる群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロース(CMC)が、1つ又は2つ以上のリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料に共有結合されていてもよく、例えば、Megazyme,Wicklow,Irelandより製品名AZO−CM−CELLULOSE、製品コードS−ACMCとして販売されている、C.I.リアクティブブルー19に共役したCMCが挙げられる。
【0060】
他の好適な高分子染料としては、アルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色剤(アルコキシル化チオフェン高分子着色剤を含む)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。好ましい高分子染料は、任意に置換されたアルコキシル化染料、例えば、アルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色剤(アルコキシル化チオフェン高分子着色剤を含む)、並びにこれらの混合物、例えば、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)の名前で販売されている布地直接染料を含む。
【0061】
好適な高分子染料は、以下で示す。このようなアルコキシル化化合物の全てと同様に、有機合成は、異なる程度のアルコキシル化を有する分子の混合物を生成することができる。典型的なエトキシル化プロセスにおいて、例えば、エチレンオキシド付加のランダム性により、エトキシル化度が異なるオリゴマーの混合物が得られる。多くの場合にポアゾンの法則に従う、そのエチレンオキシド数の分布の結果として、市販材料は幾分異なる特性を有する物質を含む。例えば、一態様では、エトキシル化から得られた高分子染料は、一般構造(式A、x+y=5)が示唆し得るように、5つの(CHCHO)単位を含む単一化合物ではない。代わりに、生成物は、エチレンオキシド単位の合計が約2〜約10まで異なる幾つかの同族体の混合物である。工業関連プロセスでは、典型的にこのような混合物を生じると考えられ、これらの混合物は、通常はシェーディング染料を提供するために直接使用されてよく、又は一般的ではないが精製工程を経てもよい。
【0062】
好ましくは、シェーディング染料は、以下の構造を有し得る。
染料−(G)a−NR
式中、−(G)a−NR基は、染料の芳香環に結合しており、Gは、独立して−SO−又は−C(O)−であり、指数aは、0又は1の値を有する整数であり、R及びRは、独立して、H、ポリオキシアルキレン鎖、C1〜8アルキル(任意選択的にアルキル鎖はエーテル(C−O−C)、エステル、及び/又はアミド結合を含み、任意選択的にアルキル鎖は−Cl、−Br、−CN、−NO、−SOCH、−OH、及びこれらの混合物で置換されている)、C6〜10アリール(任意選択的にポリオキシアルキレン鎖で置換されている)、C7〜16アルカリル(任意選択的にエーテル(C−O−C)、エステル、及び/又はアミド結合で置換されており、任意選択的に−Cl、−Br、−CN、−NO、−SOCH、−OHで置換されている)、ポリオキシアルキレン鎖置換C1〜8アルキル、ポリオキシアルキレン鎖置換C6〜10アリール、ポリオキシアルキレン鎖置換C7〜16アルカリル、及びこれらの混合物から選択され、ポリオキシアルキレン鎖は、独立して約2〜約100、約2〜約50、約3〜約30、又は約4〜約20の繰り返し単位を有する。好ましくは、繰り返し単位は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、繰り返し単位は、本質的にエチレンオキシドである。
【0063】
好ましくは、シェーディング染料は、式Aの構造を有し得る。
【0064】
【化1】
式中、指数値x及びyは、独立して1〜10から選択される。幾つかの態様では、平均エトキシル化度(x+y、エトキシレート基の平均数と呼ばれることもある)は、約3〜約12、好ましくは約4〜約8である。幾つかの実施形態では、平均エトキシル化度(x+y)は、約5〜約6であり得る。混合物中に存在するエトキシル化の範囲は、組み込まれたエトキシレートの平均数によって異なる。5つ又は8つのエトキシレートのいずれかを有するトルイジンのエトキシル化の典型的な分布は、Journal of Chromatography A 1989,volume 462,pp.39〜47において42ページの表IIに示されている。白色剤は、米国特許第4,912,203号(Klugerら)に開示されている手順に従って合成される。当該技術分野で周知の手順に従って、一級芳香族アミンを適量のエチレンオキシドと反応させる。着色剤の調製に有用なポリエチレンオキシ置換m−トルイジンは、多くの周知の方法により調製され得る。しかしながら、ポリエチレンオキシ基は、m−トルイジンとエチレンオキシドとの反応によりm−トルイジン分子に導入されることが好ましい。一般に、反応は2つの工程で進行し、第1の工程は、対応するN,N−ジヒドロキシエチル置換m−トルイジンを形成することである。幾つかの態様では、この第1の工程では触媒を使用しない(例えば、米国特許第3,927,044号(Fosterら)の4段、16〜25行目に開示されているように)。次に、ジヒドロキシエチル置換m−トルイジンを、ナトリウムなどの触媒の存在下で更なるエチレンオキシドと反応させるか(米国特許第3,157,633号(Kuhn)の調製IIに記載されている)、又は水酸化ナトリウム又はカリウムの存在下で更なるエチレンオキシドと反応させてよい(米国特許第5,071,440号(Hinesら)の実施例5に記載されている)。反応混合物に添加されるエチレンオキシドの量が、最終的に窒素原子に結合するエチレンオキシ基の数を決定する。幾つかの態様では、過剰なポリエチレンオキシ置換m−トルイジンカプラーを白色剤の形成に使用し、最終着色剤混合物中に成分として残ってもよい。特定の態様では、過剰なカプラーの存在は、原材料、プレミックス、最終製品、又は更には最終製品から調製される洗浄溶液などの、カプラーが組み込まれた混合物に有利な特性を与え得る。
【0065】
シェーディング染料は、好ましくは以下の構造を有し得る。
【0066】
【化2】
(式中、
及びRは、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキル末端保護されたアルキレンオキシ、尿素、及びアミドからなる群から選択され、
は、置換アリール基であり、
Xはスルホンアミド部分並びに任意にアルキル及び/又はアリール部分を含む置換基であり、ここで、置換基は、少なくとも1つのアルキレンオキシ鎖から構成される。
【0067】
色相染料は、好ましくはアルコキシル化された、チオフェンアゾ染料等のチオフェン染料であってもよい。任意に、染料は、スルホン酸基、カルボン酸基又は四級アンモニウム基から選択される少なくとも1つの可溶化基で置換されていてもよい。
【0068】
好適なシェーディング染料の非限定的な例は、以下のものである。
【0069】
【化3】
【0070】
【化4】
【0071】
【化5】
【0072】
染料−粘土複合体
好適な染料−粘土複合体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。好ましい粘度は、モンモリロナイト粘度、ヘクトライト粘度、サポナイト粘度、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。別の態様では、好適な染料−粘土複合体としては、粘度及び1つのカチオン性/塩基性染料からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられ、カチオン性/塩基性染料は、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、C.I.ベーシックブラック1〜11からなる群から選択される。更に別の態様では、適切な染料−粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、ヘクトライトトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体及びこれらの混合物からなる群から選択される、染料粘土複合体が挙げられる。
【0073】
本開示の洗剤組成物は、シェーディング染料を含む水溶性フィルムを含み、これは、シェーディング染料がフィルムの構成部分をなし得る、及び/又はフィルムの外面と接触し得ることを意味する。シェーディング染料は、フィルムの形成前、例えばフィルムの押出成形又はキャスティングの前に、フィルム形成高分子材料に添加されてよい。シェーディング染料は、水溶性フィルムの外面に存在してもよく、ここで、内面は第1組成物と接触している。シェーディング染料は、任意の好適な方法によりフィルムの外面に塗布されてよい。例えば、シェーディング染料は、ダスティング、粉化、コーティング、塗装、プリント、スプレー、噴霧、又はこれらの組み合わせにより、フィルムの外面に塗布されてよい。幾つかの態様では、シェーディング染料は、シェーディング染料及び以下で説明する可塑化溶媒を含む組成物をスプレー又は噴霧することにより単位用量組成物に塗布される。シェーディング染料をフィルム上にスプレー又は噴霧する場合、スプレー又は噴霧された組成物は無水性であってよく、これは、組成物が、スプレー又は噴霧された組成物の重量に対して20重量%未満、又は15重量%未満、又は10重量%未満、又は5重量%未満、又は1重量%未満の水を含むことを意味する。スプレー又は噴霧された組成物は水を全く含んでいなくてもよい。
【0074】
洗剤組成物はコーティングを含んでよく、コーティングはシェーディング染料を含む。
【0075】
幾つかの態様では、フィルムの表面上のシェーディング染料の濃度は、約10ppb〜約10,000ppm、又は好ましくは約50ppb〜約200ppm、又はより好ましくは約10ppm〜約250ppmである。幾つかの態様では、シェーディング染料の濃度は、単位用量物品を25℃かつ60%の相対湿度にて1ヶ月間保管した後に測定される。
【0076】
好ましい一実施形態では、シェーディング染料は、例えばカプセル又はマイクロカプセルにより、水溶性フィルム内の他の成分と別々に封入されるか、又は分離される。カプセル又はマイクロカプセル内に存在する場合、シェーディング染料の色は、遮られるか、あるいはゆがめられ得ることが理解されるであろう。
【0077】
洗剤添加剤
洗剤組成物は、他の好適な添加剤を含んでよく、幾つかの態様では、これらの添加剤は、全体的又は部分的にフィルムに組み込まれてよい。添加剤は、洗剤組成物の意図する機能に従って選択されてよい。第1組成物は添加剤を含んでよい。幾つかの態様では、複数区画の単位用量物品の場合、添加剤は、第1組成物とは別の区画に封入される、非第1(例えば第2、第3、第4等)組成物の一部であってよい。非第1組成物は、任意の好適な組成物であってよい。非第1組成物は、固体、液体、分散体、ゲル、ペースト、又はこれらの混合物の形態であってよい。単位用量が複数の区画を含む場合、シェーディング染料は1つ、2つ、あるいは全ての区画に添加されてよいか、又は存在してよい。
【0078】
洗剤組成物の非限定例としては、洗浄組成物、布地ケア組成物及び硬質表面洗浄剤が挙げられる。より具体的には、組成物は、前処理又は浸漬組成物及び他のすすぎ添加剤組成物を含む、洗濯布地ケア又は食器洗浄組成物であってもよい。組成物は、布地洗剤組成物又は自動食器洗浄組成物であり得る。布地洗剤組成物は、メイン洗浄プロセス中に使用してもよいし、前処理又は浸漬組成物として使用することもできる。
【0079】
布地ケア組成物には、布地洗剤、布地柔軟剤、ツーインワン(2−in−1)洗剤及び柔軟剤、前処理組成物などが挙げられる。布地ケア組成物は、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、可塑化溶媒、触媒材料、漂白活性化剤、高分子分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料、並びにこれらの混合物を含む、典型的な布地ケア添加剤を含んでよい。上記組成物は、界面活性剤、ポリマー、香料、カプセル化香料材料、構造化剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される添加剤を含む、洗濯洗剤組成物であってよい。
【0080】
組成物は、界面活性剤、研磨剤、スルホン化/カルボキシル化ポリマー、シリコーン抑泡剤、ケイ酸塩、金属及び/又はガラスケア剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、アルカリ性源、香料、染料、溶媒、充填剤、並びにこれらの混合物から選択される添加剤を含む自動食器洗い組成物であってよい。
【0081】
上記液体組成物は界面活性剤を含むのが好ましい。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、非イオン性、両性又はこれらの混合物から選択することができる。単位用量組成物はアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含むことが好ましい。洗剤組成物、好ましくは液体組成物は、界面活性剤系の重量に対して約1重量%〜約70重量%、又は約3重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約25重量%を占めてよい。
【0082】
アニオン性界面活性剤は、線状アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシレート硫酸塩、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0083】
本明細書で有用である好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に使用される従来のアニオン性界面活性剤のいかなる種類をも含むことができる。これらには、アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの塩、並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキルサルフェート物質が挙げられる。
【0084】
本明細書に用いるのに好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは、一般式:R(C2mO)OH(式中、RはC〜C16アルキル基であり、mは2〜4であり、nは約2〜12の範囲である)に相当する材料である。一態様では、Rは、一級又は二級であってよく、約9〜15個の炭素原子、又は約10〜14個の炭素原子を含むアルキル基である。一態様では、アルコキシル化脂肪族アルコールはまた、分子当り約2〜12個のエチレンオキシド部分、又は分子当り約3〜10個のエチレンオキシド部分を含有するエトキシル化物質である。
【0085】
組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ又は2つ以上の洗浄性酵素を含んでもよい。好適な酵素の例としては、限定するものではないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0086】
本発明の組成物は1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤は、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物を含む。一般に、漂白剤を使用する場合、本発明の組成物は、洗浄組成物の重量に対して、約0.1重量%〜約50重量%、あるいは約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでよい。
【0087】
組成物は、増白剤を含み得る。好適な増白剤は、増白剤15等のスチルベンである。他の好適な増白剤は、疎水性増白剤、及び増白剤49である。増白剤は、3〜30マイクロメートル、又は3マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は3〜10マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する微粉化粒子形態であってもよい。増白剤は、α又はβ結晶形態であってもよい。
【0088】
本明細書の組成物はまた、1つ又は2つ以上の銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤を任意選択的に含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。好適なキレート剤としては、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、DTPMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸二ナトリウム塩水和物、及びこのようなキレート剤の誘導体からなる群から選択されるキレート剤が挙げられる。
【0089】
組成物は、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含み、これは、1−ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩、N,N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタンー1,5−二酸及びその塩、2−ホスホノブタンー1,2,4−トリカルボン酸及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである。
【0090】
本開示の組成物は、1つ以上の移染防止剤もまた含んでよい。好適な高分子移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0091】
上記組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。好適なポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマー、アミンポリマー、セルロース系ポリマー、移染防止ポリマー、イミダゾールとエピクロロヒドリンとの縮合によって生成される縮合オリゴマーなどの染料固定ポリマー、任意選択的に1:4:1の比率で、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0092】
他の好適なセルロース系ポリマーは、0.01〜0.99の置換度(DS)と、DS+DBが少なくとも1.00であるか、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20であるかのいずれかとなるようなブロック度(DB)とを有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.55の置換度(DS)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.35のブロック度(DB)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、1.05〜2.00のDS+DBを有し得る。好適な置換セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0093】
別の好適な置換セルロース系ポリマーは、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである。
【0094】
好適な香料としては、香料マイクロカプセル、シッフ塩基香料/ポリマー複合体を含むポリマー支援香料送達システム、デンプンにカプセル化された香料アコード、香料充填ゼオライト、ブルーミング香料のアコード、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド系であり、典型的には、メラミンホルムアルデヒドを含むシェルによってカプセル化される香料を含む。このような香料マイクロカプセルは、ポリビニルホルムアミド(PVF)及び/又はカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(catHEC)などのカチオン性材料及び/又はカチオン性前駆体材料をシェル内に含むことが非常に好適であり得る。
【0095】
好適な抑泡剤としては、シリコーン、及び/又はステアリン酸などの脂肪酸が挙げられる。
【0096】
洗剤組成物が、水溶性フィルムにより封入された液体組成物を含む場合、液体組成物は可塑化溶媒を含むのが好ましい。上記液体組成物は、液体組成物の重量に対して約10重量%〜約50重量%、又は約15重量%〜約40重量%の可塑化溶媒を含んでよい。
【0097】
本組成物中の可塑化溶媒は、水、有機溶媒、又はこれらの混合物を含有する可塑化溶媒とすることができる。好適な有機溶媒としては、低分子量アルコール、及び/又は低分子量グリコールが挙げられ、本文脈において「低分子量」とは、約500未満の分子量を有することを意味する。好適な有機溶媒としては、好ましくはグリセロール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの態様では、可塑化溶媒は水、グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、又はこれらの混合物を含む。
【0098】
洗浄プロセス
本開示はまた、本開示に係る洗剤組成物を、洗浄する洗濯物又は食器に入れて接触させる工程、及び洗浄又は洗濯を実施する工程、を含む、本開示に係る組成物を使用する、例えば機械による洗濯物又は食器の洗浄プロセスに関する。
【0099】
任意の好適な洗濯機が使用され得る。当業者は、関連の洗浄作業に好適な洗濯機を認識するであろう。本発明の物品は、布地用添加剤、布地柔軟剤、すすぎ補助剤等の他の組成物と組み合わせて使用してよい。
【0100】
更に、本開示の洗剤組成物は既知の手洗い方法で使用してもよい。
【0101】
作製プロセス
本開示は、洗剤組成物の作製方法に関する。より具体的には、本開示は、第1組成物、水溶性フィルム、及びシェーディング染料を含む洗剤組成物の作製方法に関し、この方法は、シェーディング染料を水溶性フィルムに組み込む工程を含む。組み込み工程は、例えば、シェーディング染料のフィルムへのスプレー、噴霧、又はこれらの組み合わせにより、当業者に既知の洗剤組成物の任意の好適な作製方法に従ってよい。このような実施形態では、シェーディング染料は、フィルムのキャスティング又は押出成形の前に、フィルム組成物に添加されてよい。
【0102】
第1組成物が粒状洗剤又はタブレット洗剤である場合、この方法は、水溶性フィルム又は水溶性コーティングのいずれかの中に第1組成物を入れる工程を含む。あるいはこの方法は、水溶性フィルム又は水溶性コーティングのいずれかの中に既に入れられた第1組成物を提供する工程を含んでよい。
【0103】
幾つかの態様では、本開示は、シェーディング染料を含むフィルムの作製に関し、この方法は、シェーディング染料及び可塑化溶媒を含む液体組成物を提供する工程と、水溶性フィルムを液体組成物と接触させる工程とを含み、このフィルムは可塑剤を含む。フィルムはパウチ内に形成されて密封されてよく、これにより密封パウチを形成する。幾つかの態様では、密封パウチは界面活性剤を封入する。幾つかの態様では、接触工程は、パウチに液体組成物を充填することによる。幾つかの態様では、接触工程は、液体組成物がフィルム上にスプレー又は噴霧されることによる。フィルムは、スプレー又は噴霧後にパウチ内に形成されてよい。
【0104】
単位用量物品の作製方法は、以下に詳細に記載されている。
【0105】
本開示のプロセスは連続的であってよいか、又は断続的であってよい。プロセスは、好ましくはシェーディング染料を含み得る水溶性フィルムを型に入れて開放パウチを形成することにより、開放パウチを形成する工程と、組成物をその開放パウチに充填する工程と、好ましくはシェーディング染料を含み得る第2の水溶性フィルムを使用して、組成物が充填されている開放パウチを閉じ、単位用量物品を形成する工程と、の一般的な工程を含む。第2のフィルムもまた、更なる区画を備え得るが、それらは組成物を含んでいても、いなくてもよい。あるいは、第2のフィルムは、1つ以上の区画を含む第2の閉じた分包であってよく、開放状態の分包を閉じるために用いられるものであってよい。好ましくは、プロセスは、単位用量物品のウェブが作成される際に、ウェブは切断されて個別の単位用量物品を形成するものである。
【0106】
あるいは、第1のフィルムが、2つ以上の区画を含む開放状態の分包に形成される場合もある。この場合、第1パウチから形成される区画は、並列の配向であっても、又は「タイヤ及びリム」の配向であってよい。第2のフィルムもまた、区画を備え得るが、それらは組成物を含んでいても、いなくてもよい。あるいは、第2のフィルムは、複数の区画を有する開放状態の分包を閉じるために用いられる、第2の閉じた分包であってよい。
【0107】
単位用量物品は、熱形成、真空形成、又はそれらを組み合わせたものによって製造され得る。単位用量物品は、当該技術分野において既知の、任意の封止方法を用いて封止され得る。好適な封止方法には、熱封止、溶剤封止、圧力封止、超音波封止、圧力封止、レーザー封止、又はそれらを組み合わせたものが挙げられる。水溶性容器を製造する連続的インラインプロセスの例が、米国特許第7,125,828号、米国特許出願第2009/0199877(A1)号、欧州特許第2380965号、同第2380966号、米国特許第7,127,874号及び米国特許出願第2007/0241022号(全て、米国オハイオ州のProcter & Gamble Companyに譲渡)に記述されている。水溶性容器を製造する非連続的インラインプロセスの例は、米国特許第7,797,912号(Reckitt Benckiser,Berkshire,GBに譲渡)に記述されている。
【0108】
単位用量物品は、打ち粉剤により、打ち粉処理を施してもよい。打ち粉剤は、滑石、シリカ、ゼオライト、タンサン、又はそれらの混合物であり得る。
【0109】
本開示の単位用量物品を作製する代用的な手段は、物品を作製するための連続的なプロセスであり、以下のステップを含む。
a.連続的かつ回転的に動き、複数の成形型を備える無端面の水平部分上に、又はそのような無端面の非水平部分上に、シェーディング染料を含み得る第1の水溶性フィルムを連続的にフィードし、水平部分にフィルムを連続的に動かすステップ;
b.連続的に動く面の水平部分上のフィルムから、面上の成形型内に、連続的に動き水平に配置された、開放状態の分包のウェブを形成するステップ;
c.連続的に動き水平に配置された開放状態の分包のウェブを製品で満たして、水平に配置された開放状態の充填された分包を得るステップ;
d.閉じたパウチを得るために、好ましくは連続的に開放パウチのウェブを閉じ、好ましくは水平に配置された開放充填パウチのウェブ上にシェーディング染料を含み得る第2の水溶性フィルムをフィードすることにより、閉じたパウチを得るステップ;及び
e.場合により、閉止された分包を封止して、閉止された分包のウェブを得るステップ。
【0110】
第2の水溶性フィルムは、少なくとも1つの、開放状態又は閉止状態の区画を含み得る。
【0111】
1つの実施形態においては、開放状態の分包の第1のウェブが、閉止状態の分包の第2のウェブと組み合わされるが、その際、好ましくは、好適な手段により、第1のウェブと第2のウェブとを引き合わせて封止し、かつ好ましくは、第2のウェブは回転ドラム装置である。そのような装置においては、分包はドラムの頂部で充填され、好ましくは、その後一層のフィルムにより封止され、閉止された分包は、好ましくは開放状態の分包であり、また好ましくは水平な形成面上に形成された分包の第1のウェブに出会うように降りてくるようになっている。回転ドラムユニットを、水平な形成面ユニット上に配置することが特に好適であるということが判明している。
【0112】
得られた、閉じているパウチのウェブを切断して、個々の単位用量物品を製造することが好ましい。
【実施例】
【0113】
配合実施例全ての量は、組成物の重量%となっている。
【0114】
実施例1−一区画パウチ。
表1に示す組成物1.1の液体洗剤で一区画パウチを充填する。パウチはMonosolから入手可能なM8779フィルムを使用して作製し、標準的な熱成形技術を使用して形成する。具体的には、76μm厚フィルムM8779の0.7gと上記の染料式8の0.0025gとを熱成形し、41mm×43mmのサイズの単一区画パウチを形成する。パウチに組成物1.1の23.7mL(25.4g)を充填する。
【0115】
【表1】
【0116】
実施例2−複数区画パウチ
複数区画パウチの例には、表2に表す配合を含むことができる。パウチは、米国特許出願公開第2011/0188784(A1)号に開示されている配合に従い、水溶性フィルムにより作製する。
【0117】
【表2】
米国特許第7169744号に記載のもののような硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−エチル]エステル
PAP=フタロイル−アミノ−ペルオキシカプロン酸、70%活性湿潤ケーキとして
−NH1個当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(分子量=600)。
上記の式Aのエトキシル化チオフェン、EO(x+y)=5;存在する染料の少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%が、物品を構成する複数のフィルムのうちの少なくとも1つに組み込まれる。
5 RA=アルカリ保存性(NaOHのg/用量)
6 PEI600 EO20、BASFから入手可能
【0118】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0119】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許等の、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0120】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4