(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも2つの下流および/または上流工程の実行のため、直列に連結した少なくとも2つのユニットを備えた、バイオ医薬製品の連続的な製造および/または製剤のための製造プラントであって、前記製造プラントは、
− 少なくとも1つのスレーブユニットおよび少なくとも2つのマスターユニットを備え、
− 各スレーブユニットを、製品流に沿って同じユニットまたは隣接ユニット内のいずれかで少なくとも1つのバッファー容積と連結し、前記バッファー容積のモニターのための1つ以上のセンサーおよび前記バッファー容積に影響を及ぼすための1つ以上のアクチュエータを備え、各バッファー容積の状態変数を、クローズドアクションシークエンス内の少なくとも1つの制御装置と連結した前記センサーおよび前記アクチュエータによって制御し、
− マスターユニットは、前記製品流を運搬するための少なくとも1つの機器を備え、その流速を、状態変数バッファー容積の制御により制御しないが、規制することを特徴とし、
− およびマスターユニットが1つ以上のスレーブユニットと隣接する場合、各スレーブユニットの前記バッファー容積と連結し、前記バッファー容積は連続プロセス制御を可能とする延長ホースまたは容器であり、ならびに
− 複数のマスターユニットの場合、少なくとも1つの補助流が前記マスターユニットの2つの流速決定アクチュエータ間に存在し、前記補助流は、前記製品流中にまたは前記製品流から運搬される製品を多く含まない(または廃産物を多く含む)流れであり、前記少なくとも1つの補助流は、前記少なくとも2つのマスターユニットの流速の間の差を補償し、
前記少なくとも2つのマスターユニットは、流速F1を有する第1のマスターユニットと、前記第1のマスターユニットの下流に位置し流速F2を有する第2のマスターユニットとを含み、前記補助流は、F2>F1となっている前記流速F1と前記流速F2との差を補償する、
ことを特徴とする前記製造プラント。
製造プラントのプロセス制御のためのコンピュータ実装方法であって、前記製造プラントは、少なくとも2つの下流および/または上流工程の実行のため、直列に連結した少なくとも2つのユニットを備えた、バイオ医薬製品の連続的な製造および/または製剤のための製造プラントであり、前記製造プラントは、
− 少なくとも1つのスレーブユニットであって、各スレーブユニットを、製品流に沿って同じユニットまたは隣接ユニット内のいずれかで少なくとも1つのバッファー容積と連結し、前記バッファー容積のモニターのための1つ以上のセンサーおよび前記バッファー容積に影響を及ぼすための1つ以上のアクチュエータを備え、各バッファー容積の状態変数を、クローズドアクションシークエンス内の少なくとも1つの制御装置と連結した前記センサーおよび前記アクチュエータによって制御する、少なくとも1つのスレーブユニットと、
− 少なくとも2つのマスターユニットであって、マスターユニットは、前記製品流を運搬するための少なくとも1つの機器を備え、流速を支配的に決定するユニットであり、その流速を、状態変数バッファー容積の制御により制御しないが、規制することを特徴とする、少なくとも2つのマスターユニットと、
を備え、
− およびマスターユニットが1つ以上のスレーブユニットと隣接する場合、各スレーブユニットの前記バッファー容積と連結し、
− 工程a)において、前記製造プラント内の状態変数バッファー容積および流速の値を下記命令:
○製品流に沿ったユニットの順序について命令し、
○前記流速の目標値を各マスターユニットについて規定し、
○前記状態変数の目標値を各バッファー容積について規定し、
○各クローズドアクションシークエンスのため、前記バッファー容積のモニター用センサーおよび前記バッファー容積に影響を及ぼすアクチュエータへの制御装置の連結ならびに必要に応じて互いの連結を規定し、
○前記制御装置のパラメトリゼーションを行うこと、
により規定することを特徴とし、かつ、前記方法が、前記製造プラントの稼働のための下記のさらなる工程:
b)前記マスターユニットの前記流速の目標値を制御システムにより前記マスターユニット内の流速を規制するアクチュエータに伝達するが、但し、複数のマスターユニットの場合、補助流をオープンにし、前記補助流は、前記製品流中にまたは前記製品流から運搬される製品を多く含まない(または廃産物を多く含む)流れであり、前記補助流は、前記複数のマスターユニットの流速の間の差を補償し、 前記少なくとも2つのマスターユニットは、流速F1を有する第1のマスターユニットと、前記第1のマスターユニットの下流に位置し流速F2を有する第2のマスターユニットとを含み、前記補助流は、F2>F1となっている前記流速F1と前記流速F2との差を補償し、および
c)前記状態変数バッファー容積の実測値を特定のバッファー容積をモニターするための対応するセンサーにより決定し、前記それぞれのクローズドアクションシークエンスに連結した前記制御装置に順送りし、そこで前記それぞれの対応する目標値と比較し、
d)それぞれの制御シグナルを算出し、前記バッファー容積に影響を及ぼすための前記クローズドアクションシークエンスに連結した前記それぞれのアクチュエータに伝達し、
e)前記バッファー容積に影響を及ぼすための前記アクチュエータは、前記バッファー容積のモニター用センサーに反応し、ならびに
f)工程b)〜e)を、前記製造プラントのスイッチを切るまたは停止するまで繰り返し、1つのユニット内の前記バッファー容積は、連続プロセス制御を可能とする延長ホースまたは容器の使用により生成可能であり、前記バッファー容積の規模は、圧センサーを用いて圧を決定するまたは秤量機器を用いて重量を決定することにより決定可能である、
ことを含むことを特徴とするコンピュータ実装方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の趣旨での連続方法は、少なくとも2つの直列の工程の実行のため、上流工程の出力流を下流工程に運搬するいずれもの方法である。下流工程は、上流工程が完了する前に製品流の処理を始める。連続方法においては通常、製品流の一部を常に製造プラント内で運搬し、連続製品流として説明される。従って、上流ユニットから下流ユニットへの製品流の連続運搬または移動は、上流ユニットが稼働中止する前に、下流ユニットが既に稼働していること、すなわち、2つの連続的に連結したユニットは、それを通って流れる製品流を同時に処理することを意味する。通常、1つのユニットの一定かつ連続出力流で、それに続くユニットの一定かつ連続出力流をもたらす。
【0010】
ユニット動作が、工程の実行のためコンポーネントの交換を必要とする場合(PTUとも呼ぶ)、本発明の趣旨において、該ユニットを半連続的にのみ稼働できる。全方法の連続稼働を可能とするために、準連続流を保証するように、いくつかのPTUを並行してまたは関連ユニットを交互に稼働できる。あるいは、製造プラントを当該ユニットの交換中製品流の部分的割り込みを可能とするべきである。
【0011】
本願という意味のハイブリッド方法は、バッチ式工程および連続稼働工程、例えば、バッチ式工程で稼働するダイアフィルトレーションを除けば連続的稼働工程として全工程の混合である。
【0012】
このような製造プラントの異なるユニットは、通常、異なる流速を必要とする。本願では、流速を支配的に決定するユニットをマスターユニットと記載し;マスターユニットは、製品流の運搬のための少なくとも1つの機器、通常ポンプまたはバルブ、好ましくはポンプを備える。製造プラントは、いくつかのマスターユニットも備えることができる。
【0013】
バイオ製品の連続的製造方法は、1つのユニットからその後のユニットに製品流を運搬するための概念を必要とする。ここでの難題は、流速が互いに正確に調和しない、例えば、原則的に変動する、連続稼働の途中で変わるまたは単純に異なる場合、上流および下流ユニットの入力流および出力流が互いに調和させることである。従来技術では、ユニット開始における製品流の順応のための容器によりこれらの変化を和らげる。
【0014】
典型的には、製造プラントは、制御システム、特にプロセス制御システム(PCS)によるユニットの自動規制および制御装置を備える。典型的には、制御システムを制御装置および作業者がプロセスを制御および観察できるインターフェースとして観察ステーションと連結する。
【0015】
製造プラントの自動化ロジック内において、制御システムは、通常、ヒステリシス、PID(比例積分微分)およびファジー制御装置を含んでなる群から通常選択される少なくとも1つの制御装置を備える。異なる制御アルゴリズムを、制御装置の型に従ってプロセス制御システム内に構成する。
i.必要によりヒステリシスを備える二点または多点制御装置
ii.多角形チェインによる設定値割当による制御装置
iii.ファジー制御装置
iv.PID制御装置−増幅、保持時間およびホールドバック時間の初期設定による比例積分および微分成分の命令
【0016】
ユニットの自動化の最も簡単な形態では、製造プラントの全ポンプモーターを互いに適応し、手動設定値仕様書により制御する。
【0017】
互いに調整された複数のユニットを稼働するために、同じ回転速度の2つのポンプは決して正確に同じ速度でポンピングしないので、ユニットの流速の適応は必要である。時間とともに、流速の違いは容器内の充填レベルを増加または減少させる。
【0018】
従って、問題は、バイオ医薬およびバイオ高分子製品の連続製造のためのプラントのプロセス制御の解の提供にあり、隣接ユニットの連続稼働に直接的影響なく、異なる流速の利用、必要に応じて製品流の時限(部分的)割り込みを可能とする。
【0019】
特徴的状態変数、製造プラントのバッファー容積の制御による本発明に従って流速の調和を行う。本発明に従った解は、例えば、充填レベルおよび圧などの状態変数の測定および制御に基づいている。本発明に従えば、状態変数バッファー容積、好ましくは全バッファー容積をセンサーによりモニターする。センサーデータに基づいて、制御アルゴリズムは、適切なアクチュエータによって、クローズドアクションシークエンス中の状態変数バッファー容積に影響を及ぼす。
【0020】
ヒステリシス制御、ファジー制御またはPID制御、特に好ましくは、PID制御は、状態変数バッファー容積の制御のために好ましい。ファジー制御は、例えば、多角形チェインにより規定できる。
【0021】
本発明に従えば、ユニット内のバッファー容積を、延長ホースまたは容器の使用により生成できる。
【0022】
本発明の制御システムの1つのタスクは、プロセス全体の稼働の連続モードを保証し、個々のユニット内の誤動作の影響を当該ユニットの域を超えて最小にするように流速を調節することである。従って、ユニットの域を超えた流速変動の伝播は、適切な制御アルゴリズムの実行により最小にできる。制御システムのさらなるタスクは、バッファー容積が、例えば、メンテナンス目的のため、1つ以上のユニットの休止によってオーバーフローまたは空稼働(running empty)するのを防ぐことにある。
【0023】
本願の趣旨では、制御は、影響される変数(制御変数)の測定および所望の値(目標値)との連続的比較を意味する。偏差に依存して、偏差を最小にし、制御変数が所望の時間挙動を選ぶように、制御装置はこの制御変数に従って動作する相当する変数を算出する。これは、クローズドアクションシークエンスに対応する。
【0024】
比較では、規制は、1つ以上の入力変数がシステムに固有の規則に基づいて出力変数に影響を及ぼすシステムの手順を意味する。規制の特徴は、入力変数に影響を受ける出力変数が連続的にも、同じ入力変数により再びそれ自体に従っても動作しないオープンアクションパスまたはクローズドアクションパスである((http://public.beuth-hochschule.de/~fraass/MRTII-Umdrucke.pdf)。これは、オープンドアクションシークエンスに対応する。
【0025】
製造プラントの制御および規制も、制御システムによる製造プラントのプロセス制御を用語で要約する。
【0026】
本願の趣旨では、バッファー容積の目標制御は、アクチュエータが製品流をバッファー容積中に運搬することを意味する。
【0027】
本願の趣旨では、バッファー容積の発生源制御は、アクチュエータが製品流をバッファー容積から外に運搬することを意味する。
【0028】
本発明に従えば、プロセス全体の実行のための全コンポーネントをユニット中に細分する。好ましくは、プロセス全体の個々のプロセス技術工程をユニットと表す。コンポーネントをユニットに割り当てることにより、製造プラントのモジュール方式を作り出すことができる。個々の工程を交換もしくは追加、またはその順序を変更することが可能である。この間、本発明に従えば、緊急停止を除けば、ユニットの規制/制御、すなわち、プロセス制御はユニットの内部コンポーネントにのみアクセスする。
【0029】
本発明に従えば、プロセス技術工程の実行のための機器または機器の部分をユニットと記載する。本願の趣旨では、ユニットは、下記のコンポーネントの1つ以上を有する:
− PTU、プロセス技術ユニットは、工程実行のためのコンポーネント(PTコンポーネントとも呼ぶ)、典型的には、ホース、フィルター、クロマトグラフィーカラム、容器、その他を含んでなり、これらは制御システムと連結していない。
− STU、サービス技術ユニットは、ユニットの全センサーおよびアクチュエータ(STコンポーネントとも呼ぶ)を含んでなる。これらは、RIOを経て制御システムと連結している。STUのアクチュエータは、例えば、ポンプモーターまたはバルブおよびセンサー、例えば、UV測定、圧センサーまたは秤量機器、その他であり得る。
− データ取得および処理のためのコンポーネント、最も簡単な場合、リモートI/O、あるいはローカルインテリジェンス、例えば、プログラマブル論理制御(PLC)またはI/Oレベルを含むPCベースシステム。ユニットの基礎的自動化をローカル制御に従って実行する。両方のシステム可変要素を以下RIOと呼ぶ。
【0030】
図1は、ユニット、そのRIO/STUおよびPTUの一般構造ならびにそれらのPCS(個々に示していない制御装置)との連結の特定の実施形態の略図を示し、これらに限定されない。
【0031】
PTUの状態変数を、例えば、秤量機器を含む容器の充填レベルまたは圧センサーによるフィルター内の圧などの関連するSTUの1つ以上のセンサーにより決定する。STUセンサーは、対応するシグナルをRIOに渡し、これを制御システムに伝達する。好ましくは、STUのシグナルを、RIOを経て束ねて、プロセス制御システムに伝達し、対応する補正値を算出する。
【0032】
制御システムはシグナルを処理し、対応する規制シグナルを算出し、これを、RIOを経て連結したSTUアクチュエータ(例えば、ポンプのモーター)に順送りする。ここで対応するSTUアクチュエータはPTUコンポーネントに従って動作し、次に、STUセンサーに反応する。要約すると、それらのインタラクションSTUセンサー、制御装置およびSTUアクチュエータは、物理的状態変数の制御のためのクローズドアクションシークエンスを構成する。好ましい実施形態では、STUのセンサーは、同ユニットのPTUの全状態変数の決定のために単に働き、同STUのアクチュエータの規制/制御をもたらすだけである。
【0033】
図2は、実施例によって、ユニットおよびそのコンポーネントの詳細な構造、ならびに集中制御システムとしてそれらのPCSとの連結を記載しており、これらに限定されない。前のユニットから、出力は入力としてユニットのバッファー容積(PTUコンポーネント)中に流れる。PTUコンポーネントの状態をSTUセンサーにより取得し、そのシグナルを、RIOを通過してPCSに順送りする。PCSはシグナルをRIOに送り、制御シグナルをポンプ(PTUコンポーネント)のモーター(STUアクチュエータ)に渡す。製品流は、さらにホース(PTUコンポーネント)を経て圧センサー(STUセンサー)へと通過する。圧シグナルをRIO内で受けて、PCSへ渡す。
【0034】
PTUが、例えば、フィルターである場合、製品流は第一フィルターを通過する。PCSが、フィルター前の規定された圧レベルを超えたこと確認する場合、制御シグナルを、RIOを経てバルブ(STUアクチュエータ)に送り、これにより、通常、フィルターの自動交換を可能とする。
【0035】
PTUが、例えば、クロマトグラフィーカラム(PTUコンポーネント)である場合、カラムへの規定された入力体積後に、カラム交換が行われるだろう。この場合、STUとして、フローセンサーを使用することができ、センサーからのデータを時間に対して積分し入力体積を得ることができる。あるいは、カラムへの製品分子の処理量を規制するために、濃度決定のためのセンサーを使用できる、例えば、UV、IR、・・・。フローシグナル×濃度シグナルの積分から処理量を得、過剰の場合、同様にクロマトグラフィーカラムの交換へと導く。
【0036】
この好ましい実施形態では、制御変数、特にバッファー容積に従って一緒に動作するセンサー、制御装置およびアクチュエータを同じユニットに割り当てる。従って、要約すると、製品流を運搬する情報フローは、通常、チェインSTC
Nセンサー→RIO
N→PCS→RIO
N→STC
Nアクチュエータに従う。製品流は、チェインPTC
N→PTC
N+1→PTC
N+2他に沿って流れる。
【0037】
あるいは、バッファー容積制御のためのセンサーおよび/またはアクチュエータ(STUアクチュエータ)を隣接する(上流または下流)ユニットに割り当てることができる。この場合、製品流の運搬のための情報フローは、例えば、チェインSTC
Nセンサー→RIO
N→PCS→RIO
N+1→STU
N+1アクチュエータに従い、製品流は同様にチェインPTC
N→PTC
N+1に沿って流れる。
【0038】
本発明に従えば、製造プラントは、マスターユニットおよびスレーブユニットに細分化されたいくつかのユニットを含んでなる。
【0039】
図3は、一般的な方法で、本発明に従った製造プラントのマスターおよび/またはスレーブユニットのあり得る配置を示している。
【0040】
図4A、4Bおよび4Cは、スレーブユニット(4A、4B)およびマスターユニット(4C)として一時的に稼働できるスレーブユニットの構造を模式的に示している。
【0041】
本発明に従えば、マスターユニットおよびスレーブユニットは、その規制または制御挙動に応じて下記のように規定される。
− マスターユニットの流速の目標値を状態変数バッファー容積の制御により得ない。通常、制御システムによりプリセットする。マスターユニットは、必ずしも、その流速に関して別のユニットに適応する必要はない。本発明に従えば、マスターユニットは、1つ以上のアクチュエータおよび製品流およびRIOの運搬用パイプを含んでなる。例えば、測定用センサーおよび流速の制御装置はオプションであるが好ましい。例えば、マスターユニットの測定用センサーおよび流速の制御装置を使用する場合、マスターユニットを通常少なくとも1つの制御装置と連結する。この制御装置は好ましくは制御システム、すなわち、集中制御装置の一部、あるいは非集中制御におけるローカルプログラマブルロジックコントロール(PLC)の一部であり得る。典型的には、マスターユニットは、クロマトグラフィーユニット、ウイルス不活化ユニットおよび/またはろ過ユニットである。
− スレーブユニットの流速の目標値を、同ユニットまたは製品流に沿って隣接するユニットにおいて状態変数バッファー容積の制御により得る。すなわち、スレーブユニットは、その流速に関して別のユニットに適応しなければならない。そのバッファー容積に影響を及ぼすために、スレーブユニットは、STU、バッファー容積をモニターするセンサー(WICとして示す)、制御装置およびバッファー容積に影響を及ぼすためのSTUアクチュエータ(M)によって達成されるクローズドアクションシークエンスを有する−全部を一緒にバッファー容積に影響を及ぼすためのコンポーネントとして挙げる(
図4A)。状態変数バッファー容積を制御するため、バッファー容積をモニターするためのSTUセンサー(WIC)を、
図4Bに示すようにフロー制御用センサー(FIC)と組み合わせることができる。
【0042】
スレーブユニットの流速の目標値を、ある状況下では、マスターユニットの場合のように通常一時的(例えば、上流のマスターユニットの故障/休止の場合)に制御できる(
図4C)。
【0043】
本願の趣旨では、バッファー容積のモニターまたはバッファー容積に影響を及ぼすことは、状態変数バッファー容積のモニターまたは状態変数バッファー容積に影響を及ぼすことを意味する。
【0044】
本発明の趣旨では、通常、1つ以上の入力流(入力流A1、A2)の変動にかかわらず時間平均状態変数バッファー容積が一定のままであるように、各スレーブユニットのバッファー容積から出てくる製品流(出力流B)を制御する。出力流Bは、必ずしも常に正確に入力流A1およびA2の合計である必要はない。
【0045】
典型的には、バッファー容積に影響を及ぼすための全STUコンポーネントを同ユニットに割り当てる。すなわち、好ましい実施形態では、スレーブユニットは、少なくとも1つのバッファー容積、バッファー容積に影響を及ぼすための少なくとも1つのセンサー(STUセンサー)およびバッファー容積に影響を及ぼすための1つ以上のアクチュエータ(STUアクチュエータ)を含んでなる。モニター用センサーおよびバッファー容積に影響を及ぼすためのアクチュエータを少なくとも1つの制御装置に連結する。これらの制御装置の少なくとも1つは、状態変数バッファー容積を制御する。この制御装置は、制御システム(集中制御装置)の一部またはPLC(非集中制御装置)の一部であり得る。
【0046】
あるいは、しかしながら、バッファー容積、センサー、モニター用センサーおよび/またはバッファー容積に影響を及ぼすためのアクチュエータを、隣接する(上流または下流)ユニットに割り当てることができる。例えば、マスターユニットは、次のユニットを制御するための少なくとも1つのバッファー容積およびバッファー容積をモニターするための少なくとも1つのセンサー(STUセンサー)を含んでなり、それから、バッファー容積に影響を及ぼすための対応するアクチュエータを次のスレーブユニットに割り当てる。クロマトグラフィーユニットがスレーブユニットとして稼働する場合または空きスペースが理由でバッファー容積を対応するスキッド上に収容できない場合、このような割当を通常行う。
【0047】
要約すると、各スレーブユニットのため、本発明に従った製造プラントは、同じユニット内または隣接する(すなわち、製品流に沿って上流または下流)ユニット内のいずれかに製品流および1つ以上のセンサーに順応する少なくとも1つのバッファー容積、制御装置およびバッファー容積を制御するためのアクチュエータ(STUアクチュエータ)を含んでなる。
【0048】
好ましくは、発生源制御をスレーブユニット内で使用する、すなわち、バッファー容積は、アクチュエータが製品流を運搬する発生源である。それ故、この場合、プラントの開始においてマスターユニットを使用する。
【0049】
あるいは、目標制御を、アクチュエータが製品流を運搬するバッファー容積が目標であるスレーブユニット内で使用できる。
【0050】
信頼ある稼働のため、すなわち、プラント稼働中の停止を可能とするために、制御システムは、通常、バッファー容積の集中監視を可能とし、必要な場合(バッファー容積が充満しすぎまたは空になりすぎ)にユニットの停止を可能とし、各マスターユニットおよび各スレーブユニットを制御システムに連結する。
【0051】
制御システム全体は、集中および非集中制御装置の組合せである。ローカル制御装置を備える典型的ユニットは、クロマトグラフィーユニットである。
【0052】
本発明に従えば、1つのユニット内のバッファー容積を、延長ホースまたは容器の使用により生成できる。それから、バッファー容積の規模を、圧または、例えば、重量により決定できる。バッファー容積をモニターするSTUセンサーは、通常、例えば、圧センサー、秤量機器、光学センサー、他などの充填レベルセンサーである。
【0053】
好ましくは、各容器はガス抜き−バルブまたはガス抜きフィルターを備える。
【0054】
好ましくは、延長ホースを使用する。延長ホースとして、例えば、SaniPure(登録商標)タイプのシリコーンホースを試験プラントで使用した。延長ホースとして、Pharmed(登録商標)−BPT(シリコーンホース)、C−Flex−374(登録商標)(熱可塑性ホース)、またはSaint−Gobain PlasticsのSaniPure(登録商標)を挙げられるが、これに限定されない。典型的には、圧センサーをホースの延長、従って、バッファー容積をモニターするために使用する。制御システムにおいてバッファー容積用に可能な圧範囲を規定して、圧上限を超える場合に製品流をバッファー容積に運搬するためのアクチュエータを切ることで、バッファー容積のオーバーフロー操業または空操業を回避する。下限が下回った場合、製品流をバッファー容積から外へ運搬するためのアクチュエータを切る。延長ホースは、例えば、別の終端ろ過の下流で連結する終端ろ過においてバッファー容積として好ましく使用する。このように、プラント内のデッドボリュームを減少し得る。
【0055】
代替の実施形態では、容器充填レベルセンサーの組合せ、特に、容器秤量機器の組合せを、バッファー容積の制御のために仕様する。
【0056】
両方の実施形態は、2つのユニットの1つが休止または一時停止の場合でさえ、2つのユニット間の流速の補填を可能とする。
【0057】
バッファー容積および充填レベルセンサーの様々な組合せを同じ製造プラント内で使用できる。
【0058】
制御システムにより、バッファー容積内の充填レベルを特定の目標値まで制御する。試験プラントでは、容器の目標充填レベルを、通常、平均滞留時間が2分〜4時間、好ましくは約20分になるように設定した。圧制御の場合、目標値は、大気圧に対して、−0.5バール〜2バール、好ましくは−100〜200ミリバール、特に好ましくは10〜50ミリバールである。
【0059】
制御システムでは、コンポーネント、バッファー容積の制御に寄与するSTUセンサー、制御装置およびSTUアクチュエータ間の情報フローの方向を、上記規定に従って規定し、それにより、ユニットをマスターまたはスレーブユニットに細分化する。これを、制御システムのユーザーインターフェースを経てまたは構成内で使用者により実施できる。
【0060】
好ましくは、制御システムを、上記規定に従ってユニットの手動細分化の自動互換性試験のためにプログラムする。
【0061】
なお、ユニットまたは隣接するユニット内のバッファー容積の制御のため、および/またはバッファー容積の制御のためのコンポーネント−STUセンサー、制御装置およびSTUアクチュエータ−間の情報フローの方向を規定するために、各場合において、各クローズドアクションシークエンスのコンポーネントのみ考慮する。製品流に沿ったSTUコンポーネントのユニットへの割当は、製造プラントのモジュール型構造の一部である。連続製品流およびその流速に連動してバッファー容積を制御するためのクローズドアクションシークエンスの個別の考慮は、本発明に従ったユニット内の製造プラントの規制/制御のモジュール型構造を可能とする。
【0062】
それ故、本願の第一主題は、少なくとも2つの下流および/または上流工程の実行のため、直列に連結した少なくとも2つのユニットを備えた、バイオ医薬製品の連続的な製造および/または製剤のための製造プラントであり、該製造プラントは、
− 少なくとも1つのスレーブユニットおよび少なくとも1つのマスターユニットを備え、
− 各スレーブユニットを、製品流に沿って同じユニットまたは隣接ユニット内のいずれかで少なくとも1つのバッファー容積と連結し、バッファー容積のモニターのための1つ以上のセンサーおよびバッファー容積に影響を及ぼすための1つ以上のアクチュエータを備え、各バッファー容積の状態変数をクローズドアクションシークエンス内の少なくとも1つの制御装置と連結したセンサーおよびアクチュエータによって制御し、
− マスターユニットは、製品流を運搬するための少なくとも1つの機器を含んでなり、その流速を状態変数バッファー容積の制御により制御しないことを特徴とし、
− マスターユニットが1つ以上のスレーブユニットと隣接する場合、各スレーブユニットのバッファー容積と連結し、および
− 複数のマスターユニットの場合、少なくとも1つの補助流がマスターユニットの2つの流速決定アクチュエータ間に存在する。
【0063】
好ましくは、1つ以上の制御装置は、制御システム、特にプロセス制御システムのコンポーネントである。
【0064】
稼働中にマスターユニットもスイッチを切ることを可能とするために、好ましくは各マスターユニットを制御システムと連結する。
本願のさらなる主題は、本発明に従った製造プラントのプロセス制御のためのコンピュータ実装方法であり:
− 製造プラント内の状態変数バッファー容積および流速の値を下記命令により規定する:
○製品流に沿ったユニットの順序(order)について命令し、
○流速の目標値を各マスターユニットについて規定し、
○状態変数の目標値を各バッファー容積について規定し、
○各クローズドアクションシークエンスのため、バッファー容積のモニター用センサーおよびバッファー容積に影響を及ぼすアクチュエータへの制御装置の連結ならびに必要に応じて互いの連結を規定し、
○制御装置のパラメトリゼーションを行う。
【0065】
製造プラントの稼働のため、本発明に従った方法は、下記工程を含む:
a)マスターユニットの流速の目標値を制御システムによりマスターユニット内の流速を規制するアクチュエータに伝達するが、但し、複数のマスターユニットの場合、補助流をオープンにし、および
b)状態変数バッファー容積の実測値を特定のバッファー容積をモニターするための対応するセンサーにより決定し、それぞれのクローズドアクションシークエンスに連結した制御装置に順送りし、そこでそれぞれの対応する目標値と比較し、
c)それぞれの規制シグナルを算出し、バッファー容積に影響を及ぼすためのクローズドアクションシークエンスに連結したそれぞれのアクチュエータに伝達し、
d)バッファー容積に影響を及ぼすためのアクチュエータは、バッファー容積のモニター用センサーに反応し、ならびに
e)工程b)〜d)を、製造プラントのスイッチを切るまたは停止するまで繰り返す。
好ましくは、加えて、停止状態を下記命令により規定する:
○状態変数バッファー容積の最大値および/または最小値、好ましくは両方を規定し、
○流速の最大値および/または最小値、好ましくは両方を各マスターユニットについて規定する。
【0066】
さらなる主題は、上記プロセスを実行するためのコンピュータープログラムである。
【0067】
図5は、1つのマスターユニットのみを備える製造プラントの模式図を示す(工程B、n
B=1)。プラント内の製品流および情報フローの方向も同様に規定されている。
【0068】
プラントは、図に(工程A)
0..yとして概要を示したn
A=0〜y スレーブユニットを備えることができる。
【0069】
同様に、プラントは、図に(工程C)
0..zとして概要を示したn
C=0〜z スレーブユニットを備えることができる。
【0070】
プロセス工程番号(それぞれ、yまたはz)は、直列の最終工程番号を示す。
【0071】
この構成では、スレーブユニット(それぞれ、工程Aまたは工程C)は、各場合において、プラントの開始および/または最後における個々のユニットとして存在できる。
【0072】
典型的には、クロマトグラフィー工程はマスターユニットである。いくつかのクロマトグラフィー工程は全てマスターユニットとして動作するが、但し、補助流はいずれの場合にも2つのマスターユニット間に存在する。ここで、「2つのマスターユニット間」は、第一マスターユニットからの製品流の運搬用ポンプおよびマスターユニット2内の製品流の運搬用第一ポンプの後ろを意味する。
【0073】
あるいは、1つのみのクロマトグラフィーユニットをマスターユニットとして稼働し、他のクロマトグラフィーユニットを各々、好ましくはヒステリシス制御(集中またはローカル)でスレーブユニットとしてバッファー容積によって稼働する。
【0074】
図6は、2つのマスターユニットを備えるさらなる製造プラントの一部の模式図を示す(工程F、nF=1および工程J、nJ=1)。
図6は、マスターユニット間の一部のみを図示している。プロセスの全体図は、加工プラントの始めと最後の制御のための
図5との組合せから明らかになる。
【0075】
プロセス全体のため、いくつかが存在する場合、外部からもしくはマスターユニットにより、または製品流方向の第一マスターユニットにより規定されるマスター流速(PF)が常にある。
【0076】
2つのマスターユニット間において、2つのマスターユニットを正確に同等の流速に制御することはできないので、少なくとも1つの補助流(図に示さず)は存在しなければならない。補助流は、製品流中にまたは製品流から液体を運搬する(濃度)。補助流は、マスターユニットFにより規定される
図6中のマスター流速、および下流のマスターユニットJの流速の間の差を補償する。
【0077】
本願の趣旨において補助流は、製品流中にまたは製品流から運搬される製品を多く含まない(または廃産物を多く含む)流れを意味する。製品流中に運搬される補助流を制御できる。典型的には、製造プラントの本実施形態におけるマスターユニットの1つは、補助流の測定用STUセンサーならびに補助流の制御および規制用STUアクチュエータ、ならびに補助流の送達または除去用PTUコンポーネント(これはAUX−PTUコンポーネントとして纏められる)を備える。製品流から除去される補助流を通常制御しない。
【0078】
例えば、一定の入力流を含む連続ウイルス不活化(流れF2を含むマスター2)を、タンパク質Aクロマトグラフィーからの連続溶出(流れF1を含むマスター1)の下流と連結する場合、補助(F3)は、F2>F1なので、流速差を補償する必要がある。製品損失につながるのでF2<F1は有用でなく、F1=F2は制御なしでは技術的に不可能である。流速F1およびF2を制御しないが、規制だけは行う。流速F3は、自動的に結果が得られる(F3=F2−F1)か、あるいは充填レベルもしくは圧の制御により規制できる。好ましくは、流れF3は自動的に結果が得られる。本発明に従ったプラントは少なくとも1つのマスターユニットおよび少なくとも1つのスレーブユニットを備えるが、補助流の使用はマスターユニットのみ備えるプラントに移転可能である。
【0079】
さらなる典型的マスターユニットは、国際出願第PCT/EP2015/054698号に従った連続ウイルス不活化である。プラントがクロマトグラフィーユニットおよび連続ウイルス不活化を備える場合、補助流をマスターユニット間で使用できる。クロマトグラフィーユニットの本実施形態では、連続ウイルス不活化前に(稼働および休止中)、補助流を、製品流に常に追加する。これを避けるために、好ましくは、クロマトグラフィーユニットをマスターユニットとして稼働し、連続ウイルス不活化をスレーブユニットとして稼働する。ここで、クロマトグラフィーユニット(マスターユニット)を休止する場合、時間制約工程として連続ウイルス不活化をマスターユニットとして稼働しなければならないことに注目すべきである。マスターユニットとしての連続ウイルス不活化のためのユニットの稼働のための補助流、およびスレーブユニットとしての連続ウイルス不活化のためのユニットの稼働のためのバッファー容積の両方は、クロマトグラフィーユニットおよび連続ウイルス不活化のためのユニットの間に存在することで、これを達成する。
製造プラントの好ましい実施形態では、ユニット中の工程の実行のためのユニットを下記のように稼働する:
− 灌流培養および細胞保持システムは、通常マスターユニットとして稼働する1つのユニットを通常形成し、
− 濃縮および直接下流に位置する透析は、スレーブユニットとして稼働するユニットを同様に一緒に形成できる。しかしながら、好ましくは、濃縮および透析の間でろ過を行う。この場合、これらは別々のスレーブユニットを形成する。
− クロマトグラフィーユニットをマスターユニットとして通常稼働する。しかしながら、クロマトグラフィー制御用ソフトウェアがこれを可能にする場合、クロマトグラフィーユニットをスレーブユニットとしても稼働できる、すなわち、クロマトグラフィーは、少なくとも2つの異なる速度において自動的動作できる。
− ホモジナイズ、ウイルス不活化および変性は好ましくは一緒に1つのユニットを形成し、スレーブユニットとして通常稼働するが、好ましくは、必要な場合一時的マスターユニットとして稼働する。
− ろ過−細胞分離のための、バイオバーデン低減もしくは部分的除去またはウイルスろ過−は通常スレーブユニットである。
− 例えば、沈殿または結晶化などの反応のための滞留時間コンポーネントは、通常スレーブユニットであるが、好ましくは他のユニット中に統合する。稼働の連続モードのため、滞留時間コンポーネント、例えば、ホース、好ましくはコイル状ホース、特に好ましくはコイルフローインバーター(CFI)を使用する。
− 例えば、pHおよび伝導度値などの製品流のパラメーター設定のためのコンディショニングコンポーネントは通常スレーブユニットであるが、好ましくは他のユニット中に統合する。好ましくは、バッファー容積に結合するコンディショニングループ中でコンディショニングを行う。
【0080】
製造プラントのユニットを全て連続的に稼働できる。本実施形態では、好ましくは、バイオバーデン低減前の最終工程としてまたは最終工程として、ウイルスろ過を行う。必要な場合、これは、製品流の新鮮なウイルスろ過を可能とする。これは、必要な場合、ユニットの稼働モード−バイオバーデン低減あり/なしのウイルスろ過−を連続方式からバッチ方式に変更できるというさらなる利点を有する。
【0081】
あるいは、個別のユニットをバッチ方式で稼働できる。例えば、ウイルス不活化までの全工程を連続方式で稼働でき、ウイルス不活化をバッチ方式で稼働し、再びさらなる工程を連続式で稼働するが、上流/下流ユニットの連続稼働を保証するようにバッファー容積を構成しなければならない。
【0082】
本発明に従ったプラントでは、製品を多く含む体積流の流速の目標値は、通常0.001〜10L/分、好ましくは0.01〜5L/分、特に好ましくは0.05〜1L/分である。
【0083】
流速の測定、特に≦50ml/分は、連続的に稼働するプラントでは挑戦的なことである。市販オートクレーブ可能なまたはガンマ線滅菌可能な使い捨て流量計によってこの測定はできないことが分かった。補償する流速測定の使用により、液体流を運搬するフレキシブルパイプを備えたプラントにおいてこの問題を解決できる。補償ポンプ、所望の目標圧を含む圧センサーおよび制御装置の組合せによりこれを解決する。補償ポンプの入口および出口間の圧差をほとんど一定に保持する。好ましくは、この差は0であり、特に好ましくは、それぞれ補償ポンプ前後の圧を大気圧に一致する。実際の圧の目標圧からの偏差がある場合、回転速度および従って補償ポンプの出力を適宜調節する。最終的に、補償ポンプの回転速度および回転当たりの運搬体積の測定により、流速を算出できる(=補償流速測定)。
【0084】
バッファー容積の規模は、流速および制御装置の慣性に依存する。ユニットがPTUコンポーネントのメンテナンスのために定期的停止を要する場合、容器の形態のより大きなバッファー容積を好ましく使用する。このような典型的ユニットはクロマトグラフィーである。
【0085】
典型的には、容器はスターラーを備えない。容器の内容物の混合が必要な場合、スターラーを使用できるが、好ましくは循環システム(パイプおよびポンプ)により混合を行う。
【0086】
本発明に従った方法の例証のため、発酵槽からの製品流の上流および下流処理または下流処理のみのためのプラントのための様々なPCSの構成を模式的に示す。これらの構成は、実施例によって示すが、本発明に従った方法を限定するものではない。
【0087】
図中、製造プラントはスキッド中に細分化されている。従来技術に従えば、スキッドは、プラットフォームまたはユニットの支持体として働くことができる三次元固体構造物である。スキッドの実施例を図中に示す。
【実施例】
【0088】
1)発酵 → DSP IおよびDSP II
図7は実施例によって発酵から最終ろ過までのあり得る連続方法を示す。この製造プラントは、2つのマスターユニット−発酵および滞留時間制約ウイルス不活化を備える(VI)。ウイルス不活化(VI)からの一定の時間平均体積流を行うことを可能にするために、本実施例においてスレーブとして稼働するキャプチャークロマトグラフィー後に補助流(Aux)を追加する。他のユニットはスレーブユニットである。
2)
図6、nG=nH=0に従ったDSP IIのみ
図8は、下流処理が発酵と直接連結せず、キャプチャークロマトグラフィーおよびウイルス不活化(VI)が2つのマスターユニットである実施例を示す。キャプチャークロマトグラフィーからの一定の体積流行うことを可能にするために、補助流(Aux)をこの後に追加する。それから、キャプチャークロマトグラフィーの上流に位置するろ過はスレーブユニットである。下流に位置するユニットもスレーブユニットである。
本願を成果とした本研究は、欧州地域発展基金(ERDF)に関連して助成合意「Bio.NRW:MoBiDiK−モジュール型バイオ製造−シングルユースおよび連続式」に従って支援された。