(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導体層は、前記発光素子の一方の前記電極と前記第1導体パターンに接続される第1回路パターンと、前記発光素子の他方の前記電極と前記第1導体パターンに接続される第2回路パターンと、を有する請求項1又は2に記載の発光モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。説明には、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸からなるXYZ座標系を用いる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る発光モジュール10の斜視図である。また、
図2は、発光モジュール10の展開斜視図である。
図1及び
図2に示されるように、発光モジュール10は、発光パネル20、発光パネル20に接続される基板30、基板30に実装されるコネクタ70を有している。
図1及び
図2では、発光パネル20の表面全体が図示されているが、発光パネル20と基板30の上下の位置関係は任意であり、図示される位置関係に限定されるものではない。以下の実施形態では、発光パネル20の端部下面に基板30が接続され、基板30の下面にコネクタ70が実装される。また、後述するように、発光パネル20は、ほぼ透明であるが、
図1及び
図2では、説明の便宜上、発光素子50R,50G,50Bに接続される配線も線図で示されている。
図1及び
図2では、発光素子50R,50G,50Bは、配線の下方に位置している(
図3参照)。
【0011】
発光パネル20は、任意の形状、例えば長手方向をY軸方向とする長方形の部材である。発光パネル20は、相互に近接配置された3色の発光素子50R,50G,50Bを光源とする。
図3は、
図2における発光パネル20のAA線に示される断面を示す図である。
図3に示されるように、発光パネル20は、1組の透明フィルム21,22、透明フィルム21,22の間に形成された樹脂層24、樹脂層24の内部に配置された発光素子50R,50G,50Bを有している。なお、
図3には、発光素子50Rのみが示されている。
【0012】
透明フィルム21,22は、長手方向をY軸方向とする長方形のフィルムである。透明フィルム21,22は、厚さが50〜300μm程度であり、可視光に対して透過性を有する。透明フィルム21、22の全光線透過率は、5〜95%程度であることが好ましい。全光線透過率とは、日本工業規格JISK7375:2008に準拠して測定された全光透過率をいう。
【0013】
透明フィルム21,22は、可撓性を有し、その曲げ弾性率は、0〜320kgf/mm2程度(ゼロを除く)である。曲げ弾性率とは、ISO178(JIS K7171:2008)に準拠する方法で測定された値である。
【0014】
透明フィルム21,22の素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンサクシネート(PES)、アートン(ARTON)、アクリル樹脂などを用いることが考えられる。
【0015】
上記1組の透明フィルム21,22のうち、透明フィルム21の下面(
図3における−Z側の面)には、厚さが0.05μm〜10μm程度の導体層23が形成されている。導体層23は、例えば、銅(Cu)や銀(Ag)などの金属材料からなる蒸着膜、或いはスパッタ膜である。導体層23は、金属膜を接着剤で貼り付けたものであってもよい。導体層23が蒸着膜やスパッタ膜である場合は、導体層23の厚さは0.05〜2μm程度となる。導体層23が接着された金属膜である場合は、導体層23の厚さは2〜10μm、或いは2〜7μm程度となる。以下の実施形態では、各導体層23は金属材料からなるメッシュパターンである。
【0016】
図4は、発光パネル20の平面図である。
図4に示されるように、導体層23は、例えば37のメッシュパターン201〜237に分割されている。各メッシュパターン201〜236は、透明フィルム21の+X側端からいずれかの発光素子50R,50G,50Bにわたって設けられている。また、メッシュパターン237は、透明フィルム21の−X側の外縁と、Y軸方向両端の外縁に沿って設けられている。
【0017】
図5は、メッシュパターン201〜237の一部を拡大して示す図である。
図5に示されるように、メッシュパターン201〜237は、線幅が約10μmのラインパターンからなる。X軸に平行なラインパターンは、Y軸に沿って約300μm間隔で形成されている。また、Y軸に平行なラインパターンは、X軸に沿って約300μm間隔で形成されている。メッシュパターン237を除いたメッシュパターン201〜236には、発光素子50R,50G,50Bのパッド(電極)が接続される接続パッド24Pが形成されている。
【0018】
各メッシュパターン201〜237は、発光パネル20全体としての全光透過率が1%以上となるような透光性を有していることが好ましい。発光パネル20全体としての全光透過率が1%未満であると、発光点が輝点として認識されなくなる。メッシュパターン201〜237自体の透光性は、その構成によっても異なるが、全光透過率が10〜85%の範囲であることが好ましい。
【0019】
図3に示されるように、発光パネル20では、下側の透明フィルム22の方が、透明フィルム21よりもX軸方向の長さが短い。このため、導体層23を構成するメッシュパターン201〜236の+X側端部が露出した状態になっている。
【0020】
図3に示されるように、樹脂層24は、透明フィルム21と透明フィルム22の間に形成された絶縁体である。樹脂層24は、例えば、透光性を有するエポキシ系の熱硬化性樹脂からなる。樹脂層24は、例えば、硬化前の最低溶融粘度VC1が80〜160℃の範囲で10〜10000Pa・sであることが好ましい。また、硬化前の最低溶融粘度VC1における温度T1(最軟化温度)に到達するまでの溶融粘度変化率VRが1/1000以下(1000分の1以下)であることが好ましい。加熱により樹脂層24の温度が上昇してT1になると、樹脂層24の粘度は、最低溶融粘度VC1に到達する。その後、樹脂層24の温度がT1を超えると、樹脂層24が硬化する。樹脂層24については、硬化した後のビカット軟化温度T2が、80〜160℃の範囲であることが好ましい。0℃から100℃の範囲での引張貯蔵弾性率EMが、0.01〜1000GPaであることが好ましい。また、樹脂層24のガラス転移温度T3が、100〜160℃であることが好ましい。
【0021】
溶融粘度は、JIS K7233に記載の方法に従って、測定対象物の温度を50℃〜180℃まで変化させて求められる値である。ビカット軟化温度は、JIS K7206(ISO 306:2004)に記載のA50に従って、試験荷重10N、昇温速度50℃/時間の条件で求められる値である。ガラス転移温度と融解温度は、JIS K7121(ISO 3146)に準拠した方法に従って、示差走査熱量測定により求められる値である。引張貯蔵弾性率は、JlS K7244−1(ISO 6721)に準拠した方法に従って求められる値である。具体的には、−100℃から200℃まで1分間に1℃ずつ等速昇温される測定対象物を、動的粘弾性自動測定器用いて周波数10Hzでサンプリングすることにより得られる値である。
【0022】
発光素子50R,50G,50Bそれぞれは、一辺が0.1乃至3mm程度の正方形のLEDチップである。以下、説明の便宜上、適宜発光素子50R,50G,50Bを発光素子50と総称する。
【0023】
図6は、発光素子50の斜視図である。
図6に示されるように、発光素子50は、ベース基板51、N型半導体層52、活性層53、P型半導体層54からなるLEDチップである。発光素子50の定格電圧は約2.5Vである。
【0024】
ベース基板51は、例えばサファイアからなる正方形板状の基板である。ベース基板51の上面には、当該ベース基板51と同形状のN型半導体層52が形成されている。そして、N型半導体層52の上面には、順に、活性層53、P型半導体層54が積層されている。
【0025】
N型半導体層52、活性層53、P型半導体層54は化合物半導体材料からなる。赤色に発光する発光素子では、例えば、活性層としてInAlGaP系の半導体材料が用いられる。また、青色や緑色に発光する発光素子では、例えば、P型半導体層54、N型半導体層52としてGaN系の半導体材料が用いられ、活性層53としてInGaN系の半導体材料が用いられる。
【0026】
N型半導体層52に積層される活性層53、及びP型半導体層54は、−Y側かつ−X側のコーナー部分に切欠きが形成されている。N型半導体層52の表面は、活性層53、及びP型半導体層54の切欠きから露出している。
【0027】
N型半導体層52の、活性層53とP型半導体層54から露出する領域には、N型半導体層52と電気的に接続される電極55が形成されている。また、P型半導体層54の+X側かつ+Y側のコーナー部分には、P型半導体層54と電気的に接続される電極56が形成されている。電極55,56は、銅(Cu)や、金(Au)からなり、上面には、バンプ57,58が形成されている。バンプ57,58は、金(Au)や金合金などの金属バンプから形成されている。金属バンプのかわりに半球状に成形した半田バンプを用いてもよい。発光素子50では、バンプ57が、カソード電極として機能し、バンプ58が、アノード電極として機能する。
【0028】
本実施形態では、発光素子50Rは赤色に発光する。また、発光素子50Gは緑色に発光し、発光素子50Bは青色に発光する。具体的には、発光素子50Rは、ピーク波長が600nmから700nm程度の光を射出する。発光素子50Gは、ピーク波長が500nmから550nm程度の光を射出する。発光素子50Bは、ピーク波長が450nmから500nm程度の光を射出する。
【0029】
図5を参照するとわかるように、発光素子50R,50G,50Bそれぞれは、バンプ57,58がメッシュパターン201〜236に形成された接続パッド24Pに接続された状態で、2つのメッシュパターンの間に配置される。
【0030】
図7は、発光素子50R,50G,50Bと、メッシュパターン201〜237の位置関係を示す図である。
図7に示されるように、発光パネル20では、相互に近接して配置された3つの発光素子50R,50G,50Bからなる9つの発光素子群G1〜G9が、3行3列のマトリクス状に配置されている。
【0031】
発光パネル20では、メッシュパターン201は、発光素子群G1の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン202〜204と直列に接続される。メッシュパターン205は、発光素子群G2の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン206〜208と直列に接続される。メッシュパターン209は、発光素子群G3の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン210〜212と直列に接続される。メッシュパターン213は、発光素子群G4の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン214〜216と直列に接続される。メッシュパターン217は、発光素子群G5の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン218〜220と直列に接続される。メッシュパターン221は、発光素子群G6の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン222〜224と直列に接続される。メッシュパターン225は、発光素子群G7の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン226〜228と直列に接続される。メッシュパターン229は、発光素子群G8の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン230〜232と直列に接続される。メッシュパターン233は、発光素子群G9の発光素子50R,50G,50Bを介して、メッシュパターン234〜236と直列に接続される。このため、発光パネル20のメッシュパターンに選択的に電圧を印加することで、各発光素子50R,50G,50Bを個別に駆動することができる。
【0032】
図2に示されるように、基板30は、長手方向をY軸方向とする長方形のフレキシブル基板である。ここでは、基板30として、FPC(Flexible printed circuit)基板を用いる。基板30は、配線マトリクス、即ち交差配線、換言すれば立体交差した配線を有する。以下の実施形態の説明では、基板30が、表裏2層の配線層を有する多層配線基板であるものとするが、基板30は、3層以上の配線層を有する多層配線基板であってもよい。
図8は、基板30の平面図である。
図8に示されるように、基板30は、上面(+Z側の面)に導体層32が形成され、下面(−Z側の面)に導体層33が形成された基板である。
【0033】
図9は、
図8のAA線に示される基板30の断面を示す図である。
図9に示されるように、基板30は、導体層32,33が形成される基材31、基材31の上面に貼り付けられる絶縁シート35、基材31の下面に貼り付けられる絶縁シート36から構成されている。
【0034】
基材31は、例えば、絶縁性及び可撓性を有するポリイミドからなり、上面に導体層32が形成され、下面に導体層33が形成されている。基材31は、例えば両面に銅箔が貼り付けられた銅張積層板を用いて製造することができる。
【0035】
具体的には、基板30とサイズが等しい銅張積層板を用意して、当該銅張積層板の表裏面に設けられた銅箔をパターニングすることにより、導体層32,33が形成された基板30を製造することができる。
【0036】
図8に示されるように、基材31の上面に設けられる導体層32は、X軸に平行な36の導体パターン301〜336から構成される。各導体パターン301〜336は、発光パネル20のメッシュパターン201〜236に対応して設けられており、基材31の−X側端から+X方向へ向かって形成されている。
【0037】
また、基材31の下面に設けられる導体層33は、導体パターン301〜336を、基材31の+X側端部に引き回すために用いられるパターンである。導体層33は、12の導体パターン351〜362から構成されている。
【0038】
導体パターン351は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン302、306、310に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。ビア34は、スルーホールに形成された電気的接続部である。ビア34は、例えば基材31に設けられたスルーホールの内壁面のめっき膜や、スルーホールに充填される導体などからなる。導体パターン352は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン303、307、311に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン353は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン304、308、312に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン354は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン314、318、322に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン355は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン315、319、323に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン356は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン316、320、324に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン357は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン326、330、334に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン358は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン327、331、335に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン359は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン328、332、336に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン360は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン301、313、325に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン361は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン305、317、329に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。導体パターン362は、一側が、基材31に設けられるビア34を介して、導体パターン309、321、333に接続され、他側が基材31の+X側端に引き回されている。
【0039】
上記各導体パターン351〜362の+X側端部には、コネクタ70に設けられる端子を接続するための長方形の電極パッドが形成されている。
【0040】
図9に戻り、絶縁シート35,36は、例えばポリイミドからなり、基材31と同等の大きさに整形されている。絶縁シート35,36は、基材31に接着されることで、導体層32,33を被覆する。絶縁シート35は、基材31よりもX軸方向の長さが短い。このため、基板30では、導体層32の−X側端部が外部へ露出している。上述のように構成される基板30は、発光パネル20よりも、高い可撓性を有する。
【0041】
図1に示されるように、コネクタ70は、長手方向をY軸方向とする部品である。コネクタ70は、基板30の導体パターン351〜362に接続される端子を有している。
図8に示されるように、コネクタ70は、導体パターン351〜362に形成された電極パットに重なるように、基板30の下面(−Z側の面)に実装される。コネクタ70が実装されることで、コネクタ70を介して、外部機器と発光モジュール10とを電気的に接続することが可能になる。
【0042】
図10を参照するとわかるように、発光パネル20と基板30は、発光パネル20の透明フィルム21下面と、基板30の基材31の上面とが、樹脂の中に導電粒子を分散させた異方性導電材料によって接着されることで一体化されている。また、発光パネル20と基板30とがプレスされることで、発光パネル20の+X側端部から露出する導体層23と、基板30の−X側端部から露出する導体層32が、異方性導電材料に含まれる導電粒子を介して電気的に接続される。発光パネル20の導体層23と基板30の導体層32が接続されたときには、発光パネル20の導体層23を構成するメッシュパターン201〜236と、基板30の導体層23を構成する導体パターン301〜336がそれぞれ接続される。
【0043】
なお、異方性導電材料としては、異方性導電フィルム、異方性導電ペーストなどを用いることができる。これらは、異方性導電接着剤と呼ばれることもある。本実施形態では、異方性導電材料としてフィルム状のものを用いたが、異方性導電材料はこれに限定されない。
【0044】
図11は、発光モジュール10の配線図を示す図である。
図11を参照するとわかるように、発光パネル20と基板30が接続されることで、各発光素子群G1〜G9を構成する発光素子50R,50G,50Bが、基板30の導体層33を構成する導体パターン351〜362に接続される。発光モジュール10では、発光素子群G1,G2,G3を構成する発光素子50R,50G、50Bのアノードに、導体パターン360,361,362がコモンとして接続される。そして、発光素子群G1,G2,G3を構成する発光素子50R,50G、50Bのカソードに、導体パターン352,353,351が接続される。
【0045】
同様に、発光素子群G4,G5,G6を構成する発光素子50R,50G、50Bのアノードに、導体パターン360,361,362がコモンとして接続される。そして、発光素子群G4,G5,G6を構成する発光素子50R,50G、50Bのカソードに、導体パターン355,356,354が接続される。また、発光素子群G7,G8,G9を構成する発光素子50R,50G、50Bのアノードに、導体パターン360,361,362がコモンとして接続される。そして、発光素子群G7,G8,G9を構成する発光素子50R,50G、50Bのカソードに、導体パターン358,359,357が接続される。
【0046】
このため、導体パターン360〜362と、導体パターン351〜359との間に選択的に電圧を印加することで、発光素子群G1〜G9の発光素子50R,50G,50Bを個別に点灯したり消灯することができる。例えば、発光素子群G1の発光素子50Rを点灯させるには、導体パターン360と導体パターン352の間に電圧を印加すればよい。また、発光素子群G5の発光素子50Gを点灯させるには、導体パターン361と導体パターン356の間に電圧を印加すればよい。このように、適当な1組の導体パターンに電圧を印加することで、所望の発光素子を点灯させることができる。
【0047】
次に、上述した発光モジュール10の製造方法について説明する。発光モジュール10は、まず、発光パネル20を製造し、その後、発光パネル20に、導体パターン301〜336,351〜362が形成された基板30を接続することにより完成する。
【0048】
発光パネル20の製造では、まずPETからなる透明フィルム21を用意する。そして、
図12に示されるように、透明フィルム21の表面全体に、サブトラクト法又はアディティブ法等を用いて、メッシュ状の導体層23を形成する。
図13は、導体層23の一部を拡大して示す図である。
図13に示されるように、このときの導体層23では、メッシュパターン201〜237になる部分が一体的に形成されている。また、導体層23には、接続パッド24Pが、発光素子50R,50G,50Bが実装される位置に形成されている。
【0049】
次に、この導体層23を切断することにより、メッシュパターン201〜237を形成する。導体層23の切断は、例えばレーザ光などのエネルギービームを用いて行う。エネルギービームを用いる場合は、透明フィルム21に形成された導体層23にエネルギービームを照射し、エネルギービームのレーザスポットを、導体層23の表面上を移動させることにより行う。上記処理によって、
図14に示されるように、導体層23が切断され、メッシュパターン201〜237が形成される。
【0050】
導体層23の表面をエネルギービームのレーザスポットが移動すると、レーザスポットの移動経路近傍にある部分が融解して昇華する。これにより、メッシュパターン201〜237が切り出されるとともに、
図5に示されるように、隣接して形成された接続パッド24P同士が電気的に切り離される。発光モジュール10では、
図15の丸に示されるところに1対の接続パッド24Pが形成されている。
【0051】
次に、
図16に示されるように、メッシュパターン201〜237が形成された透明フィルム21の表面に熱硬化性樹脂241を設ける。この熱硬化性樹脂241の厚みは、発光素子50のバンプ57,58の高さとほぼ同等である。熱硬化性樹脂241は、フィルム状の部材であり、透明フィルム21の表面に配置される。熱硬化性樹脂241の素材としては、例えば、エポキシ系樹脂が用いられる。
【0052】
次に、発光素子50を、熱硬化性樹脂241の上に配置する。このとき発光素子50のバンプ57,58の直下に、メッシュパターン201〜236に形成された接続パッド24Pが位置するように、発光素子50が位置決めされる。
【0053】
次に、
図17に示されるように、下面にフィルム状の熱可塑性樹脂242が張り付けられた透明フィルム22を、透明フィルム21の上面側に配置する。熱可塑性樹脂242の素材としては、例えば、アクリル系エラストマーが用いられる。
【0054】
次に、透明フィルム21,22それぞれを、真空雰囲気下で加熱し圧着させる。これにより、まず、発光素子50に形成されたバンプ57,58が、熱硬化性樹脂241を突き抜けて、導体層23に達し、各メッシュパターン201〜236に電気的に接続される。そして、加熱されることで柔らかくなった熱可塑性樹脂242が、発光素子50の周囲に隙間なく充填されるとともに、熱硬化性樹脂241が硬化する。これにより、熱硬化性樹脂241及び熱可塑性樹脂242は、
図3に示されるように、透明フィルム21,22の間で発光素子50を保持する樹脂層24となる。以上の工程を経て、発光パネル20が完成する。
【0055】
次に、
図10を参照するとわかるように、完成した発光パネル20に、コネクタ70が実装された基板30を接続する。発光パネル20と基板30の接続は、発光パネル20の+X側端部から露出するメッシュパターン201〜236と、基板30の導体パターン301〜336が対向するように、発光パネル20と基板30とを位置決めする。そして、発光パネル20を構成する透明フィルム21の下面と基板30の上面との間にフィルム状の異方性導電材料を挟んで、発光パネル20と基板30とを熱プレスする。
【0056】
熱プレスにより、異方性導電材料に含まれる導電粒子を介して、発光パネル20のメッシュパターン201〜236と、基板30の導体パターン301〜336とが電気的に接続される。また、異方性導電材料の樹脂によって、発光パネル20の透明フィルム21と基板30の基材31が接着される。これにより、発光パネル20と基板30が一体化し、発光モジュール10が完成する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る発光モジュール10では、基板30が2つの導体層32,33を有する多層配線基板である。このため、発光素子群G1〜G9を構成する発光素子50R,50G,50Bへの配線を基板30において立体的に引き回すことができる。このため、発光素子50R,50G,50Bへの配線を発光素子50R,50G,50B間で共通化することができ、発光モジュール10と外部機器との接続性を向上させることができる。
【0058】
例えば、発光モジュール10の基板30は、2層の導体層32,33を有している。このため、発光素子群G1,G4,G7を構成する発光素子50R,50G,50Bのアノードへの3本の入力ラインを、1つの導体パターン360に共通化することができる。同様に、発光素子群G2,G5,G8を構成する発光素子50R,50G,50Bのアノードへの3本の入力ラインを、1つの導体パターン361に共通化することができる。また、発光素子群G3,G6,G9を構成する発光素子50R,50G,50Bのアノードへの3本の入力ラインを、1つの導体パターン362に共通化することができる。
【0059】
また、発光素子群G1,G2,G3を構成する発光素子50R,50G,50Bのカソードからの9本の出力ラインを、3本の導体パターン351,352,353に共通化することができる。同様に、発光素子群G4,G5,G6を構成する発光素子50R,50G,50Bに設けられたカソードからの9本の出力ラインを、3本の導体パターン354,355,356に共通化することができる。そして、発光素子群G7,G8,G9を構成する発光素子50R,50G,50Bに設けられたカソードからの9本の出力ラインを、3本の導体パターン357,358,359に共通化することができる。
【0060】
以上のように、本来、モジュール全体で36本必要な引き出し線を、12本にすることができるので、発光素子50R,50G,50Bそれぞれの個別駆動を可能としつつ、発光モジュール10と外部機器との接続を容易にすることが可能となる。
【0061】
本実施形態では、発光モジュール10が、発光パネル20よりも高い可撓性を有する基板30を備えている。このため、基板30を湾曲させることで、発光モジュール10を狭所等に設置することができる。また、基板30は、発光モジュール10より構造がシンプルである。このため、基板30を湾曲させて発光モジュール10を設置しても、発光モジュール10の信頼性を維持することができる。
【0062】
本実施形態に係る発光モジュール10では、
図3に示されるように、発光パネル20を構成する発光素子50R,50G,50Bのバンプ57,58が、発光素子50R,50G,50Bの上面側にのみ形成されている。このため、発光素子50R,50G,50Bに接続されるメッシュパターン201〜236を、透明フィルム21の下面にのみ形成すれば、発光素子50R,50G,50Bの制御が可能となる。したがって、発光パネル20への配線を発光素子50R,50G,50Bの上面側と下面側に形成する必要がなく、発光パネル20の透光性及び可撓性を良好に確保することができる。
【0063】
また、本実施形態では、メッシュパターン201〜237が、線幅が約10μmの金属薄膜から構成される。このため、発光モジュール10の透明性及び可撓性が十分に確保される。
【0064】
本実施形態では、
図5に示されるように、接続パッド24Pが形成された導体層23を、レーザ光で細分化して、メッシュパターン201〜237を形成することとした。これに限らず、メッシュパターン201〜237を、フォトリソグラフィーにより形成することとしてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、例えば
図1に示されるように、発光モジュール10が、相互に近接配置された3つ発光素子50R,50G,50Bからなる9つの発光素子群G1〜G9が形成されている場合について説明した。これに限らず、各発光素子群G1〜G9は、赤、緑、青以外の色を含む4つ以上の発光素子から形成されていてもよい。また、発光モジュール10は、10以上の発光素子群を有していてもよい。
【0066】
上記実施形態では、発光モジュール10の発光素子群G1〜G9が、赤、緑、青にそれぞれ発光する発光素子50R,50G,50Bを含む場合について説明した。これに限らず、発光モジュール10の発光素子群G1〜G9は、同じ色に発光する発光素子から構成されていてもよい。
【0067】
上記実施形態では、発光モジュール10の基板30に2層の導体層32,33が形成されている場合について説明した。これに限らず、発光モジュール10の発光素子50の数や配列によっては、基板30の導体層は一層であってもよい。
図18は、本実施形態の変形例に係る発光モジュール10Aを示す図である。例えば
図18に示されるように、メッシュパターン251,252の間に、発光モジュール10の発光素子50が、Y軸方向に一次元的に配列されているような場合には、基板30の一側の面にのみ導体パターン371,372が形成されていればよい。この場合には、導体パターン371に、発光素子50のアノードに接続されるメッシュパターン251それぞれが接続される。これにより、各発光素子50の1組のバンプ57,58を個別にコネクタ70に接続する場合に比較して、コネクタ70に接続される導体パターンの数を減らすことができる。具体的には、発光パネル20に直接コネクタ70を実装する場合には、18個以上の端子を有するコネクタが必要になるが、本実施形態では、10の端子を有するコネクタを用いることが可能となる。したがって、装置の低コスト化や、装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0068】
上記実施形態では、発光モジュール10の基板30に2層の導体層32,33が形成されている場合について説明した。これに限らず、基板30は、3以上の導体層が形成された多層配線基板であってもよい。また、基板30は、可撓性を有するフレキシブルな配線基板でなく、可撓性の低いリジッド配線基板であってもよい。
【0069】
上記実施形態では、樹脂層24を、シート状の熱硬化性樹脂241及び熱可塑性樹脂242から形成することとした。これに限らず、透明フィルム21,22に、例えばペースト状或いは液状の熱硬化性樹脂241及び熱可塑性樹脂242を塗布し、これらの熱硬化性樹脂241及び熱可塑性樹脂242から、樹脂層24を形成することとしてもよい。
【0070】
上記実施形態では、樹脂層24が熱硬化性樹脂241及び熱可塑性樹脂242から形成されることとした。これに限らず、樹脂層24は、熱可塑性樹脂のみから形成されていてもよい。また、樹脂層24は、熱硬化性樹脂のみから形成されていてもよい。
【0071】
上記実施形態では、メッシュパターン201〜237からなる導体層23が、銅(Cu)や銀(Ag)などの金属材料からなる場合について説明した。これに限らず、導体層23は、酸化インジウムスズ(ITO:indium tin oxide)などの導電性を有する透明材料(透明導電膜)から形成されていてもよい。この場合には、
図4に示されるメッシュパターン201〜237が、透明導電膜からなる一様な厚さのパターン(ソリッドパターン)から構成される。
【0072】
上記実施形態では、発光素子50が、片面に2つの電極55,56が形成された片側2電極型の発光素子である場合について説明した。これに限らず、発光素子50は、上面及び下面にパッドを有する両面電極型の発光素子であってもよい。この場合には、発光パネル20では、透明フィルム21,22の双方に導体層が形成される。
【0073】
上記実施形態では、一例として
図1に示されるように、発光パネル20の+X側から引き出された導体層23が基板30に接続されるものとした。これに限らず、発光パネル20の−X側の外縁やY軸方向両端の外縁から導体層23を引き出して、導体層23を基板30等へ接続することとしてもよい。また、発光パネル20にZ軸方向に貫通する開口部を設け、この開口部から導体層23を引き出して、導体層23を基板30やコネクタ70に接続することとしてもよい。
【0074】
上記実施形態では、発光パネル20と基板30とが直接接続される場合について説明した。これに限らず、発光パネル20と基板30とが、他のフレキシブル配線基板等を介して接続されていてもよい。
【0075】
上記実施形態では、発光パネル20の透明フィルム21,22のうちの透明フィルム21にのみ導体層が形成されている場合について説明した。これに限らず、透明フィルム22にも導体層が形成されていてもよい。透明フィルム21,22の導体層同士を導電性のピラーによって接続することで、発光パネル20に立体的な配線をすることができる。或いは、透明フィルム21の上面に、導体層23とは別の新たな導体層を設け、透明フィルム21の表裏の導体層同士をスルーホールによって接続することで、発光パネル20に立体的な配線をすることもできる。このような多層配線は、発光パネル20の周辺部に設けてもよいし、発光パネル20の内部に設けてもよい。
【0076】
上記実施形態では、一対のメッシュパターンに1つの発光素子50が接続されている場合について説明した。これに限らず、例えば
図19に示される発光モジュール10Bのように、一対のメッシュパターン261,262に対して、複数の発光素子50が接続されていてもよい。
【0077】
発光モジュール10Bの発光パネル20は、10個の発光素子(LED)50と、Y軸方向に隣接して配置される一対のメッシュパターン261,262を有している。各メッシュパターン261,262は長手方向をX軸方向とする長方形に整形されている。メッシュパターン261,262は、例えば厚さ2μmの銅からなり線幅が約10μmのラインパターンから構成されている。X軸に平行なラインパターンは、Y軸に沿って約300μm間隔で形成されている。また、Y軸に平行なラインパターンは、X軸に沿って約300μm間隔で形成されている。
【0078】
10個の発光素子50は、メッシュパターン261,262にわたって配置され、電極55,56が、メッシュパターン261、262と電気的に接続されている。
【0079】
上述のように構成される発光モジュール10Bにおいて、白抜き矢印に示される2つの位置に電圧を印加すると、発光素子50が発光する。例えば
図19に示されるように、10個の発光素子50がメッシュパターン261,262に接続されると、発光素子50の位置によって発光素子50に流れる電流値に分布が生じる。
【0080】
図20乃至
図25は、電流値分布のシミュレーション結果を示す図である。
図20は、10個の発光素子50それぞれの電流分布を表すグラフを示す。横軸は、
図19の矢印で示される発光素子50の位置を示し、縦軸は、発光素子50の電流の割合(電流値比率)を示す。発光素子50が、長方形のメッシュパターン261,262に並列に接続された場合には、メッシュパターン261,262の端部に位置する発光素子50の電流が最も大きくなり、中心部に位置する発光素子50の電流が最も小さくなる傾向がある。
図20に示されるシミュレーション結果は、発光素子50の位置を、+X方向に向かってP1,P2,…Pn(nは自然数)とし、位置P1にある発光素子50の電流(基準電流)を100%としたときの、各発光素子50の電流の割合を示している。
【0081】
発光モジュール10Bの発光素子50を3mmおきに配置し、発光モジュール10Bの電源を60mA(6mA×10)の定電流源とし、各メッシュパターン261,262のY軸方向の寸法を5.1mmとし、メッシュパターンの格子一辺の抵抗値を0.21546Ωとする。この場合には、メッシュパターン261,262の中央部の位置P5,P6にある発光素子50の電流は、基準電流の98.6%〜98.7%程度となる。10個の発光素子50相互間で、電流の大きさに最大で1.3%〜1.4%程度の差が生じる。
【0082】
発光素子間の電流のバラつき度合いは、発光素子の数に応じて級数的に増加する。例えば、発光モジュール10Bにおいて、発光素子50の数を5個にした場合には、各発光素子50の電流割合は、
図21に示されようになる。この場合には、5個の発光素子50の電流相互間に最大で0.6%程度の差しか生じない。
【0083】
一方、発光モジュール10Bにおいて、発光素子50の数を15個、20個或いは25個にした場合には、各発光素子50の電流割合は
図22乃至
図24に示されるようになる。
図22に示されるように、発光素子50の数が15個の場合には、発光素子50の電流相互間に最大で3%以上の差が生じる。
図23に示されるように、発光素子50の数が20個の場合には、発光素子50の電流相互間に最大で5%以上の差が生じる。また、
図24に示されるように、発光素子50の数が25個の場合には、発光素子50の電流相互間に最大で8%以上の差が生じる。
【0084】
このように、各発光素子相互間で電流の大きさが異なる場合には、発光モジュールの発光素子それぞれの発光強度がばらついてしまう。その結果、人の眼には、1つの発光モジュールを構成する発光素子の明るさが相互に異なっているように見えてしまう。そのため、発光モジュールでは、一対のメッシュパターンに並列接続される発光素子の数を、各発光素子の電流と基準電流との差(以下、電流差という)が所定の閾値以下になるように決定する必要がある。閾値は、例えば、発光素子の特性や、メッシュパターンの抵抗率、寸法、メッシュパターンを構成するラインパターンの幅等によって決められる。
【0085】
発光素子の光に対する感度は、発光素子を観察する観察者(被験者)それぞれによって異なるものである。そこで、複数人(約10人)によって、例えば顔から40cm程度及び3m程度離れた2種の条件で、R,G,B夫々のLEDについて発光モジュールを観察したところ、電流のバラつきが3%以下であると、ほとんどの人が発光強度の違いを感じなかった。一方、電流のバラつきが3%より大きく5%以下であると、電流のバラつきを感じる人が一部見られた。したがって、発光モジュールでは、各発光素子の電流と基準電流との差が基準電流の5%以下になるように、並列接続される発光素子の数を決定することが好ましい。また、各発光素子の電流と基準電流との差が基準電流の3%以下になるように、並列接続される発光素子の数を決定することがより好ましい。
【0086】
例えば、各メッシュパターン261,262のY軸方向の寸法を5.1mm、メッシュパターンの格子一辺の抵抗値を0.21546Ωとすると、並列接続される発光素子の数は15個以下であることが好ましく、10個以下であることがより好ましい。
【0087】
発光素子50の電流のバラつきは、メッシュパターン261,262の大きさや抵抗値によっても変動する。例えば、
図25に示される曲線S0は、
図20に示される曲線と同等の曲線である。このときのメッシュパターン261,262の抵抗値をR0とする。また、曲線S1は、メッシュパターン261,262の抵抗値が、R0より50%高くなったときの各発光素子の電流の割合を示す。そして、曲線S2は、メッシュパターン261,262の抵抗値が、R0より50%低くなったときの各発光素子の電流の割合を示す。曲線S0,S1,S2に示されるように、発光素子の電流のバラつきは、メッシュパターン261,262の抵抗値に依存する。したがって、発光素子の個数とメッシュパターンの抵抗値とを総合的に勘案して、発光モジュールを設計する必要がある。
【0088】
尚、
図19では、白抜き矢印で示した2つの方向からメッシュパターン261,262に電圧を印加したが、メッシュパターン261,262に対して同じ方向から電圧を印加してもよい。その場合も同様に、両端の発光素子を流れる電流の電流値に比べて中央の発光素子を流れる電流の電流値が小さくなる。このときには、発光モジュールに
図20等の凹状の曲線に示される電流値分布が生じる。
【0089】
また、
図19では、発光素子50が1列(1段)に配列されている。しかしながら、
図19に示される構成を複数列(複数段)設けることとしてもよい。例えば、
図26に示される発光モジュール10Cのように、発光パネル20に、複数のメッシュパターン261〜265を設け、隣接するメッシュパターン261〜265にわたって複数の発光素子50を配置することにより、m並列×n直列の発光素子の格子状回路を構成することもできる。
【0090】
この場合、Y軸方向両端のメッシュパターン261,265に電圧を印加すれば、格子状回路の発光素子を発光させることができる。発光素子列の数(段数)は、電源電圧の範囲内で定めることができる。あるいは、発光素子列の数を必要とされる発光面積に応じて定めてもよい。
図19に示される発光モジュール10Bを単純に直列的につなげることも勿論可能である。いずれの場合も、発光素子50の数や位置に応じて、
図20乃至
図25の凹状の曲線に示される電流値分布が生じる。
【0091】
発光モジュールの発光素子50を流れる電流の電流分布は凹状の曲線に示されるようになる。発光モジュールの端部もしくは両端部の発光素子を流れる電流の電流値と、中央部の発光素子を流れる電流の電流値の差ΔI(=Imax−Imin)は、10%以下に抑制される必要がある。実際に行った観察者による実験からは、ΔIが5%以下になるように、発光モジュールの発光素子の数を決定することが好ましく、現実には、ΔIが3%以下、さらにはΔIが2%以下になるように発光素子の数を決定することがより好ましいとの結果が得られた。なお、発光素子50の発光色は、R、G、Bの何れでもよい。また、発光素子50の発光色は、白色であってもよい。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。