(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧力隔離弁は、前記圧力隔離弁が前記流体流路を妨害する場所で前記流体流動方向に略垂直である第1の方向に移動するピストン型弁である、請求項1に記載の流体遮断弁アセンブリ。
前記圧力隔離弁は、前記流体遮断弁が閉じる約0.1ミリ秒〜約10秒前に、前記圧力隔離弁が閉じるように構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の流体遮断弁アセンブリ。
前記流体遮断弁と前記圧力隔離弁の間に配置される真空デバイスを更に含み、前記真空デバイスは、前記圧力隔離弁が閉じている及び前記流体遮断弁が開いているときの少なくとも一定の時間に、負圧を前記貯留領域に提供するように構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の流体遮断弁アセンブリ。
前記第1の弁と前記第2の弁の間に配置される真空デバイスを更に含み、前記真空デバイスは、前記第1の所定時間と前記第2の所定時間の間、負圧を前記貯留領域に提供するように構成されている、請求項8に記載の方法。
前記第2の弁が前記流体流路を妨害する場所で前記流体流動方向に略垂直である方向に、前記第2の弁開放構成から前記第2の弁閉鎖構成まで前記第2の阻止構造を移動させることは、前記流体流路内の前記流体が前記流体出口オリフィスから出ることを防ぐために、前記流体を剪断する、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
前記第1の弁を閉じることは、前記第1の弁が完全に閉じる前に所定の時間の間、前記第1の弁を部分的に閉鎖構成に移動することを含む、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、読者の理解を促進するために、具体的な例と一緒に本発明の概要を提供することが意図される。その説明は、他の特徴、特徴の組み合わせ、及び実施形態が発明者によって想到されるような、いずれかの方法に限定されるものとして見なされるべきではない。更に、本明細書に明記される特定の実施形態は、本明細書の様々な特徴の例であることが意図される。したがって、説明される実施形態のいずれの特徴も、本発明の範囲内で代替又は追加の実施形態を提供するために、他の特徴と組み合わせられ若しくはそれらと交換され、又は除去される可能性があることが十分に想到される。
【0009】
本発明の低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリは、高速ボトル充填等の高速容器充填動作で使用されてもよい。しかしながら、限定ではないが、ボックス、カップ、缶、小びん、単回単位用量容器(例えば、水溶性単位用量ポッド)、ポーチ、バッグ等を含む他の種類の容器が想到されることと、充填ラインの速度が限定されるものとして考慮されるべきではないこととを理解されたい。更に、理論に制約されることなく、従来の充填ライン内のスプラッシングが、例えば、流体遮断弁が閉じるときの流体流路の断面積の減少並びに/又は弁を閉じる及び流体流動を遮断するための流体流動方向における弁の急な移動を含む、1つ以上の要因によって生じることが考えられる。スプラッシュバックの量又は強度を減らすことによって、充填は、高速及び/又は高精度で行われることができ、良好な衛生状態、少ない廃棄物及び/又は包装等の他の利点をもたらし得る。
【0010】
図1は、高速ボトル充填等の容器充填動作で使用され得る低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10の一例の等角図である。示される低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10は、第1の弁25を有する第1の弁構成要素20を含む。第1の弁25は、第1の阻止構造26(
図2〜
図4に示される)を有する。示される遮断弁アセンブリ10は、また、第2の弁35等の流体遮断弁を有する第2の弁構成要素30を含む。第2の弁35は、第2の阻止構造36(
図2〜
図4に示される)を有する。第1の弁25及び第2の弁35は、相互に流体連通する。
【0011】
図2に示される低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10は、また、流体入口オリフィス40及び流体出口オリフィス50を含む。流体入口オリフィス40は、第1の弁25に隣接して配置され、第1の弁構成要素20の一部又はそれに永久的若しくは一時的に固定される分離ピースであってよい。流体入口オリフィス40は、遮断弁アセンブリ10を通って通過する流体45(
図9に示される)が流体源42から遮断弁アセンブリ10に入る場所にある。流体45は、大気圧よりも大きい圧力で加圧又は提供されてもよい。いったん遮断弁アセンブリ10に入ると、流体45は、流体流路60に沿って第1の弁構成要素20を通って第1の弁25まで流れる。第1の弁25が開放構成にある場合、
図2に示されるように、流体45は、弁25を通って通過し、第1の弁25と第2の弁35との間の貯留領域70内の流体流路60に沿って続く。第2の弁35に到達するとすぐに、流体45は、第2の弁35を通って通過する、又は、第2の弁35の第2の阻止構造36によって通過することを防がれる、のいずれかが行われる。
【0012】
本明細書に使用されるような弁に関連する用語「通って通過する」は、弁が開放構成にあるときに意図されるように、弁の阻止構造を通過して移動する流体に広義に関連することが意図される。したがって、用語は、弁の阻止構造を通過して、弁の入口から弁の出口までの、いくつかの意図される移動を包含する。用語は、流体がバルブ自体の阻止構造内のみを通過する状況に限定されることが意図されないが、むしろ、流体が阻止構造を通って通過する、流体が阻止構造の周囲を通過する、流体が阻止構造全体にわたって通過する、流体が阻止構造内を通過する、流体が阻止構造の外側を通過する等、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0013】
図2〜
図4に示されるように、第2の弁構成要素30は、第2の弁35が第1の弁25及び流体出口オリフィス50と流体連通するように構成される。したがって、第2の弁構成要素30は、所望により、流体45が遮断弁アセンブリ10から出ることを防ぐために使用されることができる。
図2では、第2の弁35は、流体45が弁35を通って通過すること及び遮断弁アセンブリ10から外に出ることを可能にするであろう、開放構成で示される。
図3では、第1の弁25は閉鎖構成で示され、第2の弁35は開放構成で示される。この構成では、第2の弁35は、流体45が弁アセンブリ10内で提供される流体源42から離れているが、第2の弁35は、流体45が弁アセンブリ10から排出されることを可能にするために依然として開いている。
図4では、第2の弁35は、第2の阻止構造36が流体45が第2の弁35を通って通過すること及び遮断弁アセンブリ10から外に出ることを防ぐ、閉鎖構成で示される。
【0014】
簡単に説明するために、図は、ある例示的種類の弁のみを表現する。しかしながら、任意の好適な弁が遮断弁アセンブリ10内で使用されることができることを理解されたい。例えば、第1の弁25及び第2の弁35は、ボール弁、スプール弁、回転弁、スライド弁、くさび弁、バタフライ弁、チョーク弁、ダイヤフラム弁、仕切り型弁、ニードルピンチ弁、ピストン弁、プラグ弁、ポペット弁、及び遮断弁アセンブリ10のために意図される特定の使用に好適な任意の他の種類の弁であってよい。更に、遮断弁アセンブリ10は任意の数の弁を含んでもよく、弁は、同じ種類、異なるもの、又はそれらの組み合わせであってよい。弁は、任意の所望のサイズであってよく、同じサイズである必要はない。例えば、約300センチポイズの粘度を有する食器手洗い用ソープ及び約600センチポイズの粘度を有する液体洗濯洗剤等のせっけんでボトルを充填するために、遮断弁アセンブリ10内での使用に好適であることが分かっている弁の例として、ピストン弁、スプール弁、回転弁が挙げられる。
【0015】
弁は、限定ではないが、空気若しくは空気圧ドライバ、サーボ、水圧、磁石、カム、及び他の機械ドライバ等、又はそれらの組み合わせを含む、任意の好適なドライバ及び/又はコントローラによって駆動、作動、及び/又は制御されてよい。更に、弁は、手動で又はコンピュータ若しくは他の制御デバイスを用いて、制御されてよい。
図2〜
図4に示されるように、弁25及び弁35は、独立式空気圧シリンダ44によって駆動される。しかしながら、単一のアクチュエータによって駆動又は制御される任意の数の弁は、機械的、電気的、若しくは別の方法で、一緒に連結されることができ、又は任意の数のドライバ及び/又はコントローラによって駆動又は制御されてもよい。1つの例示的サーボドライバは、SMAC Moving Coil Actuatorsから入手可能な電気シリンダアクチュエータ(例えば、CBL50−025−75−2F−3)である。
【0016】
図2〜
図4に示されるように、弁25及び弁35は、ピストン弁であり、1つ以上の密閉部23を含んでよい。密閉部23は、密閉機構を提供することにより、流体45が阻止機構に沿って弁からゆっくり流れ出ないことを確実にする。密閉部23は、任意のサイズ及び/又は形状であってよく、任意の好適な原料から作製されてよい。更に、各弁は、任意の数の密閉部23を含んでよい。示される実施形態では、各弁は、阻止機構26、36の各端に1つずつ、2つの密閉部23を含む。好適な密閉部23の一例は、McMaster−Carrから入手可能な超化学Viton Etp O−ringダッシュ番号13等のOリングである。
【0017】
ピストン弁が使用される場合、弁は任意の好適なサイズ又は形状であってよい。例えば、弁25は、シリンダ又はシリンダ状物体であってよい。その弁は、弁25と同様に、流体がその弁の周囲を通過することを可能にするように、下にくびれた部分を伴う円筒形状を有してよい。代替として、その弁は、弁35と同様に、シリンダを通って延在する1つ以上のチャネルを有する円筒形状を有してよく、そのチャネル(単数又は複数)は、流体がそのチャネルを通って通過することを可能にする。勿論、他の好適な弁も使用されることができる。更に、弁又は弁のいずれかの部分は、弁の目的に好適な任意の原料から作られることができる。例えば、弁は、スチール、プラスチック、アルミニウム、セラミック、異なる原料の層等から作られてもよい。約200〜約6000センチポイズの粘度を有する食器手洗い用洗剤液体等の流体を用いた使用に好適であることが分かっている一実施形態は、Astro Met,Inc,(9974 Springfield Pike,Cincinnati,OH)から入手可能なセラミック原料AmAlOx 68(99.8%酸化アルミニウムセラミック)である。セラミック原料の1つの利点は、それが非常に精密な公差で形成されることができ、流体45が弁から漏れることを防ぐために、追加密閉部又は他の密閉構造が必要にならない場合がある。また、密閉部の数を減らすことで、細菌が入り生存する可能性がある間隔を減らすことができ、これは、プロセスの衛生状態を改善することを促進することができる。
【0018】
2つの以上の弁が遮断弁アセンブリ10内に組み込まれる実施形態では、少なくとも、流体流路60に関して、遮断弁アセンブリ10内の他の弁から、遮断弁アセンブリ10の流体出口オリフィス50に最も近くに配置される弁を分離することが有利であることが分かっている。理論に制約されることなく、弁間に一定の距離を提供することで、遮断弁アセンブリ10に入る流体流動と流体45が遮断弁アセンブリ10から出る前の最終弁との間で緩衝部として機能することができることが考えられる。
図2〜
図4では、第1の弁25は、貯留領域70によって第2の弁35から分離される。
【0019】
図2〜
図4に示されるように、貯留領域70は、第1の弁25と第2の弁35との間に位置する流体流路60の一部である。単一の弁の実施形態では、貯留領域70は、弁と出口オリフィス50との間に位置する。貯留領域70は、第1の弁25及び第2の弁35の一方又は両方が閉じているとき、流体45が留まるための間隔を提供する。貯留領域70は、任意の所望のサイズ、形状、又は寸法であることができる。
図2〜
図4に示されるように、貯留領域70は、第1の弁構成要素20の出口部27及び第2の弁構成要素30の入口部37を含んでよい。また、
図2〜
図4に示されるように、貯留領域70は、間隔チャネル87を含んでよい。間隔チャネル87は、流体がそれを通って通過することを可能にするための任意の好適な構造であってよい。
図2〜
図4に示されるように、間隔チャネル87は、第1の弁構成要素20及び第2の弁構成要素30を離間する構造を含む間隔要素80等のスペーサ内の開口部であってよい。しかしながら、間隔チャネル87は、また、第1の弁構成要素25の出口部27を第2の弁構成要素30の入口部37に接続し流体流路60を完全にする、チューブ、ホース、パイプ、ライン、導管、チャネル、ダクト等であってよい。加えて又は代替として、例えば、単一の弁構成等内で、間隔チャネル87は、最終弁といずれかの下流構造(例えば、ノズル100等)との間に間隔を提供するように、遮断弁アセンブリ10の最終弁の下流に配置されてもよい。
【0020】
上記に述べたように、貯留領域70は、任意の所望のサイズ、形状、又は寸法であることができる。しかしながら、貯留領域70が所定の長さ、直径、及び/又は体積を有することが望ましい場合がある。例えば、貯留領域70の長さL(例えば、
図3に示されるもの)が、少なくとも約50mm、少なくとも約10mm、又は少なくとも約5mmであることが望ましい場合がある。代替として又は加えて、貯留領域70の長さLが、貯留領域70の直径Dの少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約100%であることが望ましい場合がある。代替として又は加えて、貯留領域70の直径Dが、貯留領域の長さLの100%未満、貯留領域の長さLの75%未満、貯留領域70の長さLの約50%未満であることが望ましい場合がある。代替として又は加えて、貯留領域70の体積が、少なくとも約少なくとも約200,000cm
3、又は少なくとも約30,000mm
3、少なくとも約150mm
3、又は少なくとも約35mm
3であることが望ましい場合がある。
【0021】
流体45の速度が増加するにつれて及び/又はその粘度が減少するにつれて、貯留領域70の長さL、直径D、及び/又は体積が増加することが望ましい場合がある。これは、流体45の速度の増加及び/又はその粘度の減少が、より多い及び/又はより大きいスプラッシュバックを生じさせる可能性があるためである。更に、理論に制約されることなく、貯留領域70の長さL及び直径Dは、圧力隔離弁(例えば、弁25)と流体遮断弁(例えば、弁35)との間の遮断タイミングの差に影響を及ぼし得ることが考えられる。例えば、貯留領域70の長さLが増加するにつれて、弁アセンブリ10から出る圧力サージの危険を及ぼすことなく、圧力隔離弁が遮断された後に、流体遮断弁を遮断するための時間がより長くなる。
【0022】
貯留領域70は、また、寸法が固定又は可変であってよい。すなわち、長さ、幅、高さ、直径、体積等の設定された寸法を有することができ、又は変化する寸法を有することができる。例えば、貯留領域70は、第1の弁部20と第2の弁部30との間に位置する一定の直径を伴う管の固定部になることが望ましい場合がある。代替として、貯留領域70は、第2の弁部30に関して第1の弁部20の全て又は一部を移動させることによって生じることができる。したがって、貯留領域70の寸法は変更されることができる。貯留領域70の体積を変更する1つの方法は、第1の弁25が閉じるときに流体流路60に略平行であるが反対である方向に移動するように、第1の弁25を構成することである。それを行うことで、弁25は、弁25が開くときよりも大きい貯留領域70内の体積を生じさせることができる。用語「流体流路に略平行であるが反対である」は、流体流路60から正反対(例えば、180度)である方向又は流体流路60に正反対である方向よりも最大約45度大きい若しくは小さい方向を指す。流体流路60から−45度〜45度の範囲内の全ての角度が想到され、本明細書に具体的に明記されていることを理解されたい。弁25が閉じているときの貯留領域70内のこの追加体積は、貯留領域70内の流体45の圧力を減らすことを促進することができ、1つ以上の他の弁と併せて用いられるとき、スプラッシュバックを減らすことを促進する追加の利点をもたらし得る。
【0023】
貯留領域70の体積を増加又は減少させる他の方法は、貯留領域70の体積を増加又は減少するために、所望によって、形状を移動又は変更させることができる貯留領域70と流体連通する1つ以上のピストン、ブラダ、弁、又は他の移動可能構造を組み込むことを含む。同様に、単一の弁実施形態では、弁は、流体流動60に略平行であるが反対である方向に移動することで、貯留領域70の体積を生じさせ又は増加させるように構成されることができる。これらの構成のいずれかでは、貯留領域70の体積を変化させることは、遮断弁アセンブリ10の流体出口オリフィス50及び/又はノズル100からスプラッシュバック及び/又は液だれを防ぐことを促進することができる。
【0024】
貯留領域70は、また、流体45と混合される又はその中への成分の追加に備えるために、1つ以上の混合ポート75と、1つ以上の静的又は動的ミキサ77(例えば、
図5に示すように)とを含んでもよい。例えば、流体45は、基本原料(例えば、水)、1つ以上の成分を追加することが望ましい製剤又は事前に混合された組成物であり得る。流体流動が所定の時間期間に貯留領域70内で減る又は止まる可能性があるため、貯留領域70は、遮断弁アセンブリ10に入る流体45に成分を追加するために望ましい場所を提供する。この時間は、成分を追加する時間、原料が十分に混合若しくは相互に反応するための混合及び/又は滞留時間を可能にする。また、貯留領域70内の流体45の具体的な量を一定にすることができ、流体45の継続した流れの変化よりも影響を受けにくいため、貯留領域70は原料の流体へのより正確な追加を提供することができる。また更に、貯留領域70は、容器を充填する直前に成分を混合する好適な場所を提供することができ、これは、充填動作に柔軟性を提供し、最終製品の後期の差別化を可能にすることができる。例えば、オペレータは、成分が容器内に放出される直前に、異なる成分を基本製剤に追加することを選び得る。これは、追加成分による上流機器の汚染を防ぐことができ、同じ基本製剤で異なる製品を同じ製造ライン上で生産することを可能にする。また、成分の追加又は混合は、1つ以上の弁が開いているときに行われることができることも想到される。例えば、貯留領域70内の混合は、流体45が弁アセンブリを通って流れているときでさえ行うことができる。いずれかの場合も、原料を、混合ポート75を通って及び貯留領域70内に提供するための混合ポンプ又は他の手段は、弁アセンブリ10の1つ以上の弁によって時間調整されるか、又は協調するように制御されることができ、又は駆動されることができる。
【0025】
図1〜
図4に示されるように、ノズル100等の吐出口又は他の流体指向又は制御構造は、遮断弁アセンブリ10の出口オリフィス50に隣接して配置されてよい。本明細書に使用される用語「ノズル」は、特定の構造又は要素に限定されることが意図されないが、むしろ、一般的に、充填されることが意図される容器に入る前に流体45が流れる最終オリフィス又は複数のオリフィスを指定することが意図される。ノズル100は、任意の数のオリフィス110又は流体45が流れ得る他の開口部を含んでよい。
図1〜
図4では、示されるノズル100は、断面が略円形である様々なオリフィス110を含むが、他の形状、オリフィスの数、及びサイズが想到される。また、ノズル100は、単一のノズルである必要はないが、分離した又は一緒に結合された1つ以上のノズルを含んでもよい。ノズル100の形状及び/又は方位は、静的又は動的であってよい。また、遮断弁アセンブリ10及び/又はノズルは、異なるノズルが遮断弁アセンブリ10と共に使用されることができるように構成され、オペレータが、特定の充填動作に応じて異なるノズルの種類のいずれかを選ぶことを可能にし得ることが想到される。
【0026】
ノズル10は、また、弁アセンブリ10の一部又は任意の1つ以上の弁構成要素として製造されることができる。これは、部品間で必要な密閉部の数を減らすことができ、特に、密閉完全性を低下又は損なう可能性がある香水等の成分を含む流体で容器を充填するときに役立つことができる。そのような構成は、また、細菌、堆積物、及び/又は固体が閉じ込められる可能性がある場所を減らす又は排除することを促進することができる。
【0027】
図2〜
図4は、2つの弁(第1の弁25及び第2の弁35)がどのように構成されるかの例と、第2の弁35が閉じるときに低スプラッシュバックをもたらすように遮断弁アセンブリ10内で動作するかの例とを示す。具体的には、
図2に示されるように、第1の弁25及び第2の弁35は両方とも、入口オリフィス40から出口オリフィス50まで途切れない流体流路60を提供する開放構成にある。
図3では、遮断弁アセンブリ10は、第1の弁25が閉鎖構成にあり第2の弁35が開放構成で示される構成で示される。したがって、流体流路60は、第1の弁25に遮られる。遮断弁アセンブリ10が、遮断弁アセンブリ10を通って通過する流体45が圧力下にあるシステム内で使用される場合、第1の弁25を閉じることは、貯留領域70及び第1の弁25の下流のシステム内に配置される流体45を、圧力下の流体45から分離する。これは、貯留領域70が、第2の弁35の直上流にある流体45の緩衝ゾーンとして機能することを可能とする。したがって、第1の弁25が開いているときの、貯留領域70内の流体45の速度及び/又は圧力に対して、貯留領域70内の流体45の圧力及び/又は速度が下がる可能性がある。これは、ノズル100から出て充填される容器120内への流体45のサージを生じさせることなく、第2の弁35が閉じることを可能にし、それによって、充填サイクルの終わり(つまり、最終弁が任意の特定の容器の充填動作を終わらせるために遮断されるとき)に容器120の外で流体45のスプラッシングを十分に減らす又は排除することができる。
【0028】
多くの異なる種類の弁が遮断弁アセンブリ10内に組み込まれることができるが、流体流路60に沿って流れている流体45を止める剪断運動を利用する弁は、弁を遮断するときに経験するスプラッシュバックの量を減らすことに特に役立つことが分かっている。流体流動の方向で弁の一部の運動によって流体45を止めることよりもむしろ流体45を剪断することは、スプラッシュバックの量及び強度を減らすことができる。本明細書に使用されるような剪断運動は、弁25から出るときに流体流路60に略垂直である動きで、例えば、弁25等の弁の阻止機構を動かすことを意味する。用語「流体流路に略垂直である」は、流体流路60に正垂直(つまり、90度)であるいずれかの方向又は、流体流路60に正垂直から最大約45度のいずれかの方向を指す。ある実施形態では、弁25が、流体流路60から、少なくとも約50度、少なくとも約60度、少なくとも約70度、少なくとも約75度、少なくとも約80度、又は少なくとも約85度の方向で移動することが望ましい。更に、流体流路60から45度〜90度の範囲内におけるいずれかの方向の全ての角度が想到され、本明細書に具体的に明記されることを理解されたい。
【0029】
剪断運動を生じさせる1つの方法は、
図2〜
図4に示されるように、弁の阻止機構を流体流路を横断して略直線運動に移動させることである。代替として又は加えて、剪断運動は開口部を有する阻止機構を回転させることによって生じる可能性があり、開口部が流体流路と列になると流体45が通過し、又は、開口部が流体流路と列にならないように回転させて弁を閉じる。例えば、
図6及び
図7に示されるように、弁構成要素22は、シリンダ27を貫通するチャネル29と伴う、シリンダ27等の阻止機構を備えた弁25を含み、流体流路60と整列され得る。弁25は、チャネル29を流体流路60と整列させることによって開く。弁25を閉じるには、シリンダ27は、チャネル29が流体流路60に整列されないように回転する。図に示されるように、弁25は、回転軸A−Aを中心にシリンダ27を回転させることによって開閉する。回転弁25を閉じるときに所望の剪断運動を生じさせるために、回転軸A−Aは、流体流路60に略垂直であるべきである。
【0030】
ある実施形態では、例えば、流体出口オリフィス50が平面でないときなど、弁の阻止部の運動は、流体出口オリフィス50又は対応するノズルオリフィス(単数又は複数)110を横断して、流体流路60に対して異なる角度であってよい。そのような実施形態では、阻止機構の移動の少なくとも一部は、流体流路60に略垂直であることが好ましい。好ましくは、弁の阻止部の運動の少なくとも約25%は流体流路60に対して略垂直であり、弁の阻止部の運動の少なくとも少なくとも約50%は流体流路60に対して略垂直であり、弁の阻止部の運動の少なくとも約75%は流体流路60に対して略垂直であり、又は弁の阻止部の運動の少なくとも約90%は流体流路60に対して略垂直である。例えば、弁が軸を中心に回転するシリンダの形態である実施形態では、上記に識別される流体流路に略垂直であるべき移動の好ましい割合は、弁が開放構成から流体流路60に略垂直であるべき閉鎖構成になる回転経路の割合に等しい。
【0031】
使用される弁の種類に関わらず、弁を閉じることが流体流動を中断させ、制御することをより困難にさせる。したがって、より規則的な流体流動を維持してバックスプラッシュを減らすことを促進するために、特定の形状を有するような又は他の弁若しくは弁アセンブリの構造と比較して、特定の速度で若しくは特定の方向に閉じるような、1つ以上の弁を設計することが望ましい場合がある。例えば、2つのピストン型弁を含むアセンブリ内では、略反対方向にバルブを閉じることにより、第1の弁25によって生じるいずれかのサージが、第2の弁が閉じるにつれて第2の弁35の阻止構造36によってブロックされることが望ましい場合がある。また、単に開閉するよりもむしろ充填率を調整するために部分的に閉じることができる1つ以上の弁を含むように、弁アセンブリ10を構成することが望ましい場合がある。例えば、第1の弁25は、充填サイクルの間、どこかの点で部分的に閉じ、流体45の流速を遅らせるように構成され得る。それを行うことで、容器内に充填される流体45の量の精度を増加させことが可能であり得る。ある例として、第1の弁25を所定量例えば、約50%、約75%、約90%、約95%、又は約97%等で閉じ、流体流動速度を、例えば、約90%遅らせることが挙げられる。その後、流体流動速度が遅くなったら、第1の弁25又は第2の弁35を閉じることができる。充填サイクルの終わりに先立って流体流動速度を遅くすることによって、充填容量の変動量が減少され得る。これは、無駄を減らし、品質管理を改善し、更に、充填サイクルの終わりに受けるスプラッシュバックの量を減らすことを促進することができる。
【0032】
図2〜4に示される実施形態では、第2の弁35は流体出口オリフィス50に隣接する。そのような実施形態では、第2の弁35が閉鎖構成にあるときに、第2の弁35又は関連付けられる構造が、流体出口オリフィス50を密閉することが望ましい場合がある。これは、流体出口オリフィス50及び/又はノズル100内に残っている流体45が少しでもある場合、1つの充填サイクルの終わりと次の充填サイクルの始まりとの間で滴り落ちないようにすることが確実になることを促進することができる。第2の弁35又は対応する構造と流体出口オリフィス50との間に密閉部を生じさせる一例示的方法は、
図2〜
図4に示されるように、その密閉部が弁構成要素35等の弁の構造に接して位置するように、流体出口オリフィス50を通ってノズル100を延在させることである。これが行われる場合、弁構成要素35の入口表面115(
図2に示される)及び出口表面38(
図2に示される)の形状を調和させることにより、その2つの部分が、少なくとも、オリフィス(単数又は複数)110を含むノズル100の入口表面115に沿って共に密着することが望ましい場合がある。例えば、弁構成要素35が円筒状である場合、ノズル100の入口表面115は、弁構成要素35の曲線形状に一致するように曲げられてもよい。加えて又は代替として、ノズル100は、例えば、ばね105を含む任意の好適な手段によって、弁構成要素35に接して付勢されることができる。好適であることが分かっている1つの特定のばねは、ノズルを弁構成要素35に対して押すように構成されるSmalley C125 L1波形ばねである。また、限定ではないが、エラストマー材料、圧力、磁石、カム、レバー等を含む、他の付勢手段が使用されることができる。密閉部を生じさせるまた別の方法は、約0.003mm(0.0001インチ)未満の公差を有するような弁の構成要素を製造することである。この密着度は、最大約0.7MPa(100psi)の動作圧力で液体密閉を提供するために十分な堅い密着である。勿論、他の公差は、流体45の特性及び特定の充填プロセスに関するいずれかの必要性又は所望によって、好適であり得る。
【0033】
上記に述べたように、遮断弁アセンブリ10は、貯留領域70の体積を拡大する弁又は他の構造を含んでよい。また、それは、貯留領域70に真空を提供するか、又は貯留領域70内に負圧を提供して、貯留領域70内の流体45の圧力を減らすことを促進する構造を含んでよい。弁アセンブリ10内へのそのような機能の追加は、弁アセンブリ10又はノズル100から出る流体45のスプラッシュバック、液だれ、及び/又はストリンギングを減らすことを促進し得る。そのような液だれ減少機能を含む弁アセンブリ10の一例は上記に説明されており、弁が閉じるときに、流体流路60に略平行であるが反対の方向に移動する弁を含む。別の例示的な実施形態が
図8に示される。
【0034】
図8に示されるように、弁アセンブリ10は、相互に流体連通する第1の弁25及び第2の弁35を含む。貯留領域70は、第1の弁25と第2の弁35との間に延在する。真空ピストン170は、第1の弁25と第2の弁35との間に配置され、貯留領域70と流体連通する。具体的には、ピストン170は、貯留領域70内に開口する(それと流体連通する)真空チャネル175内に配置される。したがって、ピストン170が貯留領域70から離れる方向に移動するとき、真空チャネル175が延び体積が増加する。流体流路60は本実施形態では閉鎖システムであるため、体積の増加は、真空、又は少なくとも負圧を貯留領域70に提供するように作用する。適切に構成されると、第2の弁35が閉じることに先立つ貯留領域70への負圧又は真空の追加は、流体45をノズル100に引き戻し、充填サイクルの間に粘性流体に生じ得る、液だれ又はストリンギングを防ぐことができる。
【0035】
充填サイクルの終わりにスプラッシュバック、ストリンギング、及び/又は液だれを減らす又は排除することは、限定ではないが、容器120の外への飛散によって無駄になる流体量を減らすことを含む、多くの利点を提供することができる。更に、スプラッシュバック、ストリンギング、及び/又は液だれを減らすことは、流体45の制御を維持し、流体流路60内又は容器内に維持することによって、プロセスの衛生状態の改善を促進することができる。したがって、流体45は環境に露出されにくく、充填機器又は他の機器に付着しにくく、又は作業者に飛び散らない可能性が大きい。加えて、スプラッシュバックの減少は、より正確な充填及び容器内のより少ないヘッドスペースを可能にし、したがって、原料、発送、及び保管費用を減らし、消費者により満杯に見える容器を提供することができる。また更に、流体45がより高速度、単位時間毎の体積の増加、及び/又はストリング時間の短縮で容器内に充填されるため、本明細書に明記されるようなスプラッシュバックを減らすことは、製造ラインを速める機会を提供することができる。更に別の利点は、流体を容器内に維持し、容器の性能に悪影響を及ぼし得るエリアから排除することを含む。例えば、流体によっては、適切な密閉が容器とふたの間に生じることを阻む場合がある。他の状況では、単位用量「ポッド」の充填のように、流体のスプラッシング、ストリンギング及び/液だれは、単位用量製品の成分の周りの原料の層間の密閉領域を汚染する可能性があり、それにより例えば、漏出を生じ、その領域内の密閉を妨げ又は密閉強度を弱くする可能性がある。上記に言及された利点及びその他のものは、所望によって、個別に又は任意の組み合わせで、本発明によって達成され得る。
【0036】
図9は、製造ラインで使用され得る容器充填動作200の例を示す。充填動作200は、低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10を含む容器充填装置210を含む。例えば、ボトル130等の空の容器は、容器充填装置210のノズル100に隣接して提供及び設置される。図に示されるように、ノズル100は、ボトル140の開口部135に隣接し得るが、充填プロセス間は、ボトル140から完全に外側に位置するか、又は開口部135を通ってボトル140内に全体又は部分的に位置付けられてもよい。充填されているときにノズル100がボトル140内で流体45の表面上部に位置するとき、並びに、充填プロセス間に、ノズル100が充填されるボトル140の外側に常に配置される状況では、本発明のプロセス及び装置は、特に、弁を素早く開閉することに関連付けられるバックスプラッシュ及び他の可能性のある欠点を減らすことに役立つ。
【0037】
ボトル130は、コンベヤベルト180等のコンベヤベルト又は容器を提供するために好適な任意の他の手段を用いて提供されてもよい。第1の弁構成要素20の第1の弁25は、流体45が貯留領域70内に流れることを可能にするように開いている。第2の構成要素30の第2の弁35は、流体45がノズル100を通ってボトル140内に流れることを可能にするように開いている。ボトル140が所望の充填レベルに近づくにつれて、第1の弁25が閉じられ、貯留領域70の直上流にある流体流路60を遮断する。その次に、第2の弁35は適した時間で閉じられ、ボトル140が所望のレベルまで充填されることを可能にする。第1の弁25が閉じられる時と第2の弁35が閉じられる時との差の時間量は、充填動作及び所望の結果の仕様に基づいて選ばれることができる。第1の弁25は、第2の弁35が閉じる少なくとも約0.1ms前、第2の弁35が閉じる前の約0.1ms〜約10秒の間、第2の弁35が閉じる約1秒以上前、又は第2の弁35が閉じる前約10秒以上の時間で、閉じることが望ましい場合がある。いったん充填されると、所望によって、ボトル、ここでは充填されたボトル150は充填動作200から離れ、更に処理されることができる。
【0038】
本明細書に説明される充填動作200は、本発明の低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10を含み得る充填動作の単なる例であることが意図される。それらは、いずれかの方法で限定されることは意図されない。他の充填動作が、本発明の低スプラッシュ流体遮断弁アセンブリ10と共に使用され得ることが十分に想到され、それらには限定ではないが、1度に複数の容器が充填される動作、ボトル以外の容器が充填される動作、異なる形状及び/又はサイズの容器が充填される動作、容器が図に示されるものと異なる方位で充填される動作、容器の中で異なる充填レベルが選ばれる及び/又は変動する動作、並びに、例えば、キャッピング、洗浄、ラベル付け、計量、混合、炭化、加熱、冷却、及び/又は放射等の追加ステップが充填動作中に行われる動作を含む。更に、示される若しくは説明される弁の数、それらの近接距離及び充填装置210の他の構成要素、又は任意の他の機器は、限定されることが意図されるものではなく、単なる例である。また、動作の順番並びに弁が開閉される方法及び時期は、限定されることが意図されないが、むしろ、本発明が充填動作200等の充填動作内に組み込まれ得る方法の例として説明される。
【0039】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。更に、範囲又は代わりの単位が特定の実施形態を説明するために明記され、範囲内の全ての整数が開示されることと、任意のそのような整数の任意の範囲が想到及び開示されることとを理解されたい。
【0040】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0041】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。